JP2534096B2 - 屋根棟側部材 - Google Patents

屋根棟側部材

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JP2534096B2
JP2534096B2 JP63100086A JP10008688A JP2534096B2 JP 2534096 B2 JP2534096 B2 JP 2534096B2 JP 63100086 A JP63100086 A JP 63100086A JP 10008688 A JP10008688 A JP 10008688A JP 2534096 B2 JP2534096 B2 JP 2534096B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本願の発明は、屋根棟側部材に関するものである。
従来の技術 従来、屋根の棟部分における換気装置としては、例え
ば特開昭55-142858号公報に記載されたもののように、
棟天部に空気孔を形成し、この空気孔にキャップを嵌合
したり、或いは換気筒,ダンバー等を設けたものが知ら
れている。
ところが、このような従来の技術では、棟天部に空気
孔が形成されるため雨水が侵入しやすく、浸水を防ぐた
めには構造の複雑な防水装置を必要とした。
また、略山形の内側棟部材と外側棟部材とを間隔を開
けて配置し、内側棟部材及び外側棟部材外の側面に互い
に位相を変えて換気口を設けた棟部材が実開昭57-17654
1号公報及び実開昭53-38211号公報に開示されている。
これらのものは、外側棟部材の換気口から侵入した雨
水が内側棟部材で遮断されて棟の内側まで入り込みにく
く、しかも換気口を介して自由に換気を行うことができ
るものである。
しかし、いずれのものも、側棟部材が比較的単純な山
形に形成されているので、金属屋根に特有の安っぽい印
象を与え、外側棟部材と内側棟部材の取り付け位置が狂
うと、両者の間の空気通路が狭くなり、換気能力が低下
する虞がある。
また、これらのものにおいては外側棟部材の下方に向
けて外方に傾斜した側面に換気口が形成されているの
で、換気口が上方に向けて開口されることになり、側面
に向かって吹き付ける雨水の侵入を防ぎ切れない心配が
ある。
発明が解決すべき問題点 本発明は、上記のような欠点を解消し、構造が簡単
で、重厚な外観を備え、曲げに対する抵抗力が大きく、
雨水の侵入を防止することが可能で、換気能力の高い屋
根棟側部材を提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 本発明の屋根棟側部材は、断面において、複数の起立
面と側部張出面とを交互に階段状に連設すると共に、各
側部張出面の先端をその下方の起立面より外方に張り出
して棟部側面部材を構成し、この棟部側面部材の裏面に
略平板状の棟防水板を重合して成る。
そして、棟部側面部材の起立面と、棟防水板とに各々
に換気孔及び排気口を、互いにずれた位置に形成する。
作用 上方からの雨水は側部張出面を流れ落ち、起立面に形
成された換気孔からは侵入せず落下し、万一換気孔から
侵入した時は、棟防水板が屋根野地への浸水を防止す
る。
棟部側面部材の裏面を棟に沿って流れる空気が、棟部
へ上昇してきた空気の熱を奪い、棟防水板の排気孔から
排気された空気は、速やかに棟部側面部材の換気孔から
外部へ排出される。
実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第4図は太陽エネルギー収集屋根の完成状態の斜視図
を示し、Aは中間部接続部材、Bはこれら中間部接続部
材A,A間に取付けられた太陽エネルギー収集体のカバー
枠となる採光ガラス枠で、その下部に太陽エネルギーを
電気エネルギーに変換する光発電素子が設けられ、軒先
部採光ガラス枠B1,中間部採光ガラス枠B2及び棟部採光
ガラス枠B3で構成されている。A′は側部接続部材で、
この側部接続部材A′の片側には採光ガラス枠Bが取付
けられず、側端面基盤材C(第2図)が取付けられる。
Dは中間部接続部材カバー、D′は側部接続部材カバー
で、これらカバーD,D′はその長さがほぼ採光ガラス枠
Bの長さに相当している。Eは防塵キャップ、Fは側部
下隅装飾カバーである。Gは防塵・配線点検用の軒先点
検カバーで、Hは、該軒先カバーGに設けた軒先部吸気
孔である。Iは棟冠で、Jは棟部側面部材、Lは巴冠、
Mは棟冠I同志を連結する棟冠連結部材、Nは棟取付部
材である。
第5図は、野地幅が標準より広い場合における太陽エ
ネルギー収集屋根の完成状態の斜視図を示し、棟冠Iの
端部に設けられる鬼冠Oと、巴冠Lとが棟巴摺動連結具
Pによって接続され、側部接続部材A′のケラバ側に幅
広の側端面基盤材Cが取付けられる。他の部材について
は前記の第4図に示す太陽エネルギー収集屋根と同様な
ので、同一部位に同一符号を付して説明を省略する。
第1図は、太陽エネルギー収集屋根の側断面図を示
す。2は野地板であり、垂木1(第2図参照)上に張ら
れており、野地板2上には防水紙3が張られ、前記防水
紙3上には軒先部から棟部に各棧木4が配設され、この
上に金属屋根板5が軒先と棟との間に取付けられ、第2
図及び第6図に示すように、中間部接続部材Aによって
順次横方向に接続されている。各金属屋根板の両側には
立上り部である係合防水壁503を設け、金属屋根板5の
軒先部には下方に曲げた軒先水切部51を設ける。各金属
屋根板の下側には、各棧木4間に断熱材7(グラスウー
ル,発泡樹脂等)が充填されている。中間部接続部材A
によって順次横方向に接続された金属屋根板の上に、軒
先から棟に向って軒先カバーG,軒先部採光ガラス枠B1,
中間部採光ガラス枠B2及び棟部採光ガラス枠B3が順次連
結される。Eは防塵キャップであり、第3図に示すよう
に、接続部材A及びA′の軒側端部を閉塞する。Kは採
光ガラス融雪用の洗浄装置Qと連結した散水管である。
8は屋根の他の傾斜面に葺かれる金属板,スレート板
等の屋根板であり、その棟側端部には棟端面部材9を載
置し、さらに、棟端面部材9の上に棟部側面部材Jを係
合し、この棟部側面部材Jと、棟部採光ガラス枠B3の棟
側端部上に載置された棟部側面部材Jの上端間に棟冠I
を跨設する。
10は棟部採光ガラス枠B3の棟側端部上面に取付けら
れ、散水管Kを載置する面戸板であり、11は隣接する棟
部側面部材Jの接続部を閉塞し、棟冠連結部材Mに係合
する棟側面連結部材、12は棟部側面部材Jの裏面に直接
重合された棟防水板である。
第2図は、太陽エネルギー収集屋根の部分の横断面図
を示し、金属屋根板5はその係合防水壁503を中間接続
部材Aに係合することにより、順次横方向に接続され、
採光ガラス枠Bはその両端を中間部接続部材Aに係合す
ることにより、金属屋根板5の上方に間隔をおいて葺か
れる。
側部接続部材A′の内側端には金属屋根板5及び採光
ガラス枠Bの端部が係合されるが、外側端には側端面基
盤材Cが取付けられ、側端面基盤材Cの外面には側端面
カバー6が嵌合装着される。Dは中間部接続部材カバ
ー、D′は側部接続部材カバーである。
第6図は、野地幅の広い屋根の横断面図を示し、側端
部分の屋根下地は広幅の側端面基盤材Cによって被覆さ
れる。
第2図,第6図において、中間部接続部材Aは、金属
屋根板5を接続する下部接続部材13と、採光ガラス枠B
を接続する上部接続部材14とよりなる。
下部接続部材13は第7図,第8b図に示すように、水平
固定部130の両側端から上下方向へ垂直壁131を設け、垂
直壁131と水平固定部130の上面によって嵌合凹部138を
形成する。また、垂直壁131の上端から左右外方へ張出
部132を設け、張出部132の先端を下方へ湾曲して摺動曲
部132′を形成し、張出部132の下面には摺動曲部132′
から間隔を広くあけて垂下片133を設け、垂下片133の外
面と張出部132の下面とにより下部幅調整部139を形成す
る。
水平固定部130の下面には接続部材固定金具15の上面
に載置される2条の当接片137を長手方向に沿って形成
し、水平固定部130の下面から上方に向けて接続ボルト1
36を貫通し、第8c図に示すように、その頭部が当接片13
7,137間に嵌合し、雄螺子部136′が上方に突出するよう
にナット137′によって固定する。
水平固定部130には長手方向略中央に固定用丸孔134が
穿設され、固定用丸孔134の棟側と軒側には間隔をおい
て、長軸が軒棟方向に一致する固定用長孔135が穿設さ
れる。固定用長孔135のうち、最も棟側の長孔135′は他
の固定用長孔135に比較して長く形成される(第11図参
照)。
15は接続部材固定金具であって、第9図に示すよう
に、上方に膨出する固定突部150と固定突部150の両下端
から左右外方へ延出する固定舌片151とから成る。固定
突部150の下面には摺動軸部153を介して雄螺子部を形成
したボルト153の頭部が嵌合し、ボルト153の雄螺子部が
固定突部150の上面に突設し、固定舌片151の棟側端縁を
下方に屈曲して、第11図に示すように、棧木4の棟側端
面に係合する引掛部152を形成する。
接続部材固定金具15は、適宜間隔をおいて棧木4に固
定舌片151によって固定され、この接続部材固定金具15
上に下部接続部材13を軒棟方向に載置し、接続部材固定
金具15のボルト153を下部接続部材13の固定用丸孔134及
び固定用長孔135に挿通し、第10図に示すようにナット
締めして下部接続部材13を固定する。
下部接続部材13は熱膨張に対して中央を中心として長
孔135と摺動軸部135にて、熱膨張(歪)を吸収する取付
構造とになっており、標準取付の場合には、第14b-1図
及び第14b-2図に示すように接続部材固定金具15のボル
ト153が下部接続部材13の固定用長孔135の中央に位置
し、下部接続部材13の両端と野地幅の両端がそろって定
位置となり、下部接続部材13が熱膨張により標準よりプ
ラスに膨張を行うと、第14a-1図及び第14a-2図に示すよ
うに、接続部材固定金具15のボルト153が固定用長孔135
に対して下部接続部材13の長手方向中央寄りに位置し、
前記下部接続部材13の両端が野地幅の両端より突出して
プラス摺動取付となり、また、第14c-1図及び第14c-2図
に示すように、下部接続部材13が標準よりマイナスに縮
小を行うと、接続部材固定金具15のボルト153が固定用
長孔135に対して下部接続部材13の端部寄りに位置し、
野地幅の両端が下部接続部材13の両端より突出してマイ
ナス摺動取付となる。
棧木4は第15図に示すように、屋根の両妻間に亘って
間隔をおいて平行に付設されるが、屋根の棟から軒まで
の距離に応じて第16a図〜第16g図のように半間間隔毎に
棧木4を設け、半端な値が出る場合に1/4間間隔として
もよいし、或いは第17a図〜第17g図に示すように、1/4
間の等間隔毎に棧木4を設けてもよい。
そして、下部接続部材13も、棧木4の本数及び間隔に
対応して、第18a-1図〜第18d-2図に示すように、1/4間
づつ長さの異なるものを用意し、接続部材固定金具15の
位置に対応する固定用丸孔134,固定用長孔135を穿設す
る。
上部接続部材14は、第19図に示すように、水平基板14
0の下面に、下部接続部材13の嵌合凹部138に挿入する一
対の差込垂下壁141を設け、差込垂下壁141の下端は内方
に傾斜させ、差込垂下壁141の外側面には下部接続部材1
3の張出部132上に載置される水平当接片142を設ける。
水平基板140の上面の中央寄りには、間隔をあけて2
個の垂直片143を、両端縁には端部立上壁144を各々設け
る。
垂直壁143と端部立上壁144の間には中間立上壁145を
設け、端部立上壁144と中間立上壁145の上端には互いに
内向きに対向する外側対向突条146と内側対向突条146′
を形成し、外側対向突条146と内側対向突条146′とは間
隔を広くあけ、端部立上壁144と中間立上壁145との間に
中間部幅調整部147を形成する。
また、この中間部幅調整部147は溝形を成し、採光ガ
ラス枠Bを支持して排水溝を構成する。
垂直片143の上端には水平受片148を跨設し、水平受片
148の両端縁には、先端内側面に係合突起149を形成した
係合突片154を設け、水平受片148と係合突片154によっ
て上方開放部155を形成する。
中間部接続部材カバーDは水平蓋160の両端を下方に
屈曲させ係合片160′を設け、水平蓋160の下面中央寄り
に間隔をあけて、上部接続部材14の上方開放部155内に
挿入される係止脚161を設ける。
係止脚161の先端はやや内側に折曲され、係止脚161の
外面には、上部接続部材14の係合突起149に係合する係
止部162が形成される。
水平蓋160の両側端寄りには各々水切垂下片163を設
け、水切垂下片163の内面には複数の水切突条164を形成
する。
また、係止脚161と水切垂下片163は、間隔を広くあ
け、その間に上部幅調整部164′を形成する。
水平蓋160の棟側端部には、第20a,b図に示すように、
長手方向に沿って固定具挿通切欠165を形成し、軒側端
部上面には長手方向に沿って摺動可能な摺動蓋166を嵌
合する。
下部接続部材13の上面に上部接続部材14を取付けるに
は、上部接続部材14の差込垂下片141を下部接続部材13
の嵌合凹部138に挿入し、下部接続部材13の接続ボルト1
36を上部接続部材14の水平基板140及び水平受片148に穿
設した固定孔及び固定具挿通切欠165に挿通し、上方開
放部155内でナット締めし固定する。
上部接続部材14の軒側端部の上面には軒先嵌合板17を
取付けるが、このとき、軒先嵌合板17の中央下方へ突出
する嵌入凹溝170を上部接続部材14の上方開放部155に嵌
入し、嵌入凹溝170の底面に穿設した長孔171に接続ボル
ト136を挿通する。
第21a図において、防塵キッャプEは、接続部材A,A′
の軒側端面を塞ぐ防塵板180の裏面上部から取付突片181
を棟方向に穿設し、取付突片181の先端中央には細長の
挿入切欠182を形成し、挿入切欠182の両側に上方屈曲部
183を設ける。防塵板180裏面の取付突片181の上方に
は、摺動蓋166の軒側先端を嵌入する空洞184を形成し、
防塵板180裏面の両側縁の上部には幅広側壁185を、幅広
側壁185の下方にはやや幅の狭い狭幅側壁186を各々設け
る。防塵板180裏面の下縁には棟方向に突設する折曲縁1
87を設け、折曲縁187と狭幅側壁186下端との間に、軒先
カバーGの下端縁を嵌入する嵌入凹部188を形成する。
防塵キャップEは、その挿入切欠182に軒先嵌合板17
の上面に出現する接続ボルト136の先端を挿通し、ナッ
ト締めすることによって第21b図に示すように接続部材
A,A′の軒側端面に取付けられる。
次に、接続部材カバーDの摺動蓋166を、軒先嵌合板1
7の嵌入凹溝170の上端から外方に張り出された水平翼片
172に沿って摺動させ、軒先嵌合板17の上方を被覆す
る。このとき、摺動蓋166の軒側端部は、防塵キャップ
Eの空洞184内に嵌入される。かくして、軒先部材は一
体化して風圧強化構造となり、単純に容易に取付けら
れ、その上ボルトが一本も見えないので美観上優れてい
る。
次に、第22a図,第22b図及び第22c図に基づいて側部
接続部材A′を説明すると、側部接続部材A′は側下部
接続部材13′と側上部接続部材14′とより成る。
側部接続部材A′の片半分側の構成は前記中間部接続
部材Aとまったく同一であるから、同一部位には同一符
号を付して説明を省略する。側部接続部材A′の他の半
分側には採光ガラス枠Bや金属屋根板5が取付けられな
いので、この側の側下部接続部材13′には垂下片133を
設けず、張出部132の端部を垂下させて側端面基盤材C
の上面に当接する外側の側端面基盤材当接片190を設
け、側端面基盤材当接片190と垂直壁131とを間隔を広く
あけてその間に側下部幅調整部191を形成し、側端面基
盤材当接片190の内壁には長手方向に沿って数条の水切
突条363を形成する。
また、側上部接続部材14′の他の半分側には、垂直片
143を設けず、水平基板140をやや下方に移動して側下部
接続部材13′の張出部132の上面に載置される下部接続
部材当接片200とし、水平受片148を外方へ延長して水平
延長部201とする。そして、下部接続部材当接片200の先
端から水平延長部201の先端を通って上方へ垂直の側端
面垂直壁202を設け、側端面垂直壁202には上端を外方へ
屈曲した係合突条201′を設け、下端には側下部接続部
材13′の側端面基盤材当接片190に係合する垂下突片20
0′を形成する。
側部接続部材カバーD′もこれに対応し、水平延長部
201と同一側では水切垂下片163を設けず、水平蓋160を
やや延長して側上部接続部材14′の水平延長部201の上
方を被覆し、水平蓋160の係合片160′を係合突条201′
と係合する。
第23a図〜第25c図は金属屋根板5の構造を示すもの
で、第23a図,第23b図及び第23c図において、軒先金属
屋根板50は、軒側先端を下方から棟側に曲げた軒先水切
部501と、他端を上方軒側に曲げた水返係合壁502を有
し、両側には下部接続部材13の下部幅調整部139に差込
まれる立上り部である係合防水壁503が設けられる。
係合防水壁503は、外側上方に屈曲した後、中間部を
内側上方へ折り曲げ、先端を外方へ折り返す。
第24a図,第24b図及び第24c図において、中間金属屋
根板51は、軒側先端に前記水返係合壁502と係合する係
合水切部511を設け、他端に水返係合壁512を設け、両側
には軒先金属屋根板50と同様に係合防水壁503を設け
る。
軒先金属屋根板50及び中間金属屋根板51の棟側には、
下方に延出する棧木係合部材504を端縁に沿って設け、
棧木係合部材504の上端に適宜数形成したかしめ部505を
第26図に示すように水返係合壁502,512に掛止して装着
する。
第25a図,第25b図及び第25c図において、棟金属屋根
板5は、軒側先端に中間金属屋根板51の水返係合壁512
と係合する係合水切部521を設け、他端に上方垂直に曲
げた防水壁522を設け、両端に立上り部である係合防水
壁503を設ける。
第27a,b図は、各金属屋根板5の連結を示し、軒先金
属屋根板50の軒先水切部501を軒方向に向けて屋根下地
上に載置し、軒先金属屋根板50の水返係合壁502側の端
縁上に中間金属屋根板51の係合水切部511側の端縁を重
合する。
このとき、水返係合壁502と係合水切部511は間隔を広
くあけて長さ調整部502′を形成する。また、中間金属
屋根板51と棟金属板52の端縁の重合は同様に空間を形成
して長さ調整部502′とし、野地寸法長さの誤差調整を
容易にして取付を簡単にする。
そして、中間金属屋根板51の水返係合壁512側の端縁
上に棟金属屋根板52の係合水切部521側の端縁を重合し
て互いに連結する。
このとき、軒先金属屋根板50及び中間金属屋根板51の
棧木係合部材504は、棧木4の上端に掛止され、軒先金
属屋根板50及び中間金属屋根板51の滑落を防止する。
第28図は、金属屋根板5の下部接続部材13への取付け
過程を示し、始めに、金属屋根板5を28-1のように傾斜
させ、下側の係合防水壁503を下部接続部材13の摺動曲
部132′の機能を活用して下部調整部139に挿入する。次
に、28-2のように他側の係合防水壁503寄り端部を下方
へ押圧すると、他側の係合防水壁503は摺動曲部132′の
湾曲外面に沿って下部調整部139内に嵌入され、28-3の
ように金属屋根板5は水平となる。最後に、28-4の矢印
のように、金属屋根板5を横方向へ移動し、位置調整す
る。
もちろん、金属屋根板5は下部接続部材13を取付ける
前にも棧木に取付けることが可能である。その上、金属
屋根板5は野地寸法の長さ並びに幅の誤差をプラス・マ
イナスする調整機能により容易に取付けられ、完璧な雨
仕舞を構成する。
次に、採光ガラス枠Bについて説明する。
採光ガラス枠Bは、第29a図,第29b図に示すように、
両縦棧21,上横棧22,下横棧23と上記各棧から構成される
四角形枠の内側に嵌合されるガラス24とから成る。
縦棧21は、第30a図に示すように、下端に上部接続部
材14の嵌合溝147に挿入する垂直嵌入壁210を設け、垂直
嵌入壁210の上端左右方向に上部水平翼片211を、垂直嵌
入壁210の中間部に下部水平翼片212を各々設け、上部水
平翼片211と下部水平翼片212の内側先端に、互いに内向
に対向する折曲突条213を設け、垂直嵌入壁210,上部水
平翼片211の内側部分及び下部水平翼片212の内側部分に
より、ガラス嵌入溝214を形成する。
上部水平翼片211の外側端部から上方に、接続部材カ
バーDの下面に嵌入する垂直嵌合片215を設け、垂直嵌
合片215の内側には長手方向に複数の水切突条216を形成
する。
垂直嵌入壁210のガラス嵌入溝214部分の軒側及び棟側
先端寄りには、第29a図に示すように、貫通孔217を穿設
し、垂直嵌入壁210の棟側下端には、後述する採光ガラ
ス枠固定具25に嵌合し側部排気口となる固定具嵌合切欠
218(第30c図参照)を形成し、縦棧21の、棟及び軒側先
端部分には折曲突条213を設けずに横棧嵌合部219を形成
する。
上横棧22は、第30c側に示すように、上横棧ガラス載
置翼片220と、その上方に上横棧ガラス載置翼片220に平
行なガラス押え片221を設け、上横棧ガラス載置翼片220
と上横棧ガラス押え片221とをガラス24の棟側端縁に平
行な上横棧接続壁222によって接続し、上横棧ガラス載
置翼片220及び上横棧ガラス押え片221の軒側部分と上横
棧接続壁222とによってガラス嵌入溝223を形成する。
上横棧接続壁222には、棟側に割溝を形成した上横棧
中空湾曲部224が長手方向に沿って設けられ、上横棧ガ
ラス押え片221の棟側端縁には、上方に屈曲し、さらに
軒側に折り曲げて係合折曲部225が形成される。上横棧
ガラス載置翼片220の下面には下方に延出した後に軒側
に屈曲し、さらに上方に折り曲げて固定具係合片226が
設けられる。
下横棧23は、下横棧ガラス載置翼片230の上方に下横
棧ガラス押え片231を平行に設け、下横棧ガラス載置翼
片230と下横棧ガラス押え片231とをガラス24の軒側端縁
に平行な下横棧接続壁232で接続し、下横棧ガラス載置
翼片230及び下横棧ガラス押え片231の棟側部分と下横棧
接続壁232とによってガラス嵌入溝233を形成する。
下横棧接続壁232には、棟側に割溝を形成した中空湾
曲部234を長手方向に沿って設け、下横棧ガラス載置翼
片230の軒側端縁には下方に湾曲する湾曲防水樋235を設
ける。
下横棧ガラス押え片231の軒側端縁には、軒側に隣接
する採光ガラス枠Bの上横棧22を上方から被覆する被覆
蓋部236を設け、被覆蓋部236の下面には水切突起237を
設ける。
第31a図及び第31c図において、26は縦棧21と下横棧23
とを接続するガラス枠組付金具であり、縦棧21の垂直嵌
合片215と平行で、垂直嵌合片215の端部内面に一部が重
合する閉塞板260の外面中間部に縦棧21の垂直嵌合片215
の軒側端面に当接する当接突起264を設け、軒側下部に
下横棧23方向に突出し、下横棧23の被覆蓋部236の縦棧
側端部下面に嵌合する突出嵌合部261を設ける。突出嵌
合部261の棟側には、縦棧21のガラス嵌入溝214の軒側端
部に差込まれる差込突片262が一体に設けられ、差込突
片262には縦棧21の貫通孔217に対応する位置に貫通孔26
2を穿設する。
次に、縦棧21と下横棧23の接続について説明すると、
ガラス枠組付金具26の閉塞板260の棟側端部を縦棧21の
垂直嵌合片215の軒端部内面に重合させ、差込突片262を
縦棧21のガラス嵌入溝214に差し込んで垂直嵌入壁210に
重合させ、下横棧23の下横棧ガラス載置翼片230と下横
棧ガラス押え片231の端部を縦棧21の横棧嵌合部219に嵌
合し、ガラス枠組付金具26の突出嵌合部261を下横棧23
の被覆蓋部236の下面に嵌入する。そして、縦棧21の貫
通孔217,ガラス枠組付金具の貫通孔263及び下横棧23の
中空湾曲部234に、先端に小径部270を形成したタップネ
ジ27を挿通し、第31b図,第32図に示すように、縦棧21
と下横棧23を組み付ける。
縦棧21と上横棧22とは第29a図に示すように、縦棧21
の棟寄りの貫通孔217(図示せず)に挿通したタップネ
ジ27を、上横棧22の中空湾曲部224に挿入することによ
って接続され、左右両縦棧21,21,上横棧22,下横棧23
は、第29b図及び第30b図に示すように、各ガラス嵌入溝
を内周に向けて四辺形状に組み立てられる。
ガラス24の周縁には、第30a図,第30c図,第32図に示
すように、端縁に外向きの鍔240を設けた断面溝状のパ
ッキング241を被せ、このパッキング241部分を各ガラス
棧のガラス嵌入溝214,223,233内に差し込み、鍔240をガ
ラス嵌入溝214,223,233の開口部の端縁に当接する。
第33a図〜第33c図は棟部採光ガラス枠B3を示し、ガラ
ス24の棟側端縁には上横棧22に替えて、ガラス24と同幅
の金属,合成樹脂等から成る棟下方敷設板28を取付け
る。
棟下方敷設板28の軒側端縁には、軒方向に向けて開口
するガラス嵌入溝280を形成し、ガラス嵌入溝側壁281の
中央部に、軒側に割溝を形成した中空湾曲部282を長手
方向に沿って設け、ガラス嵌入溝側壁281の下部から下
方軒側に屈曲して固定具係合片283を設ける。
軒下方敷設板28の棟側端縁には、間隔を開けて2条の
平行な垂直上部壁284,284を設け、垂直上部壁284の先端
には、互いに対向する内向屈曲部285,285を設け、2条
の垂直上部壁284の間に固定具摺動係合溝286を形成す
る。
軒下方敷設板28の棟側端縁の下方には垂直下部壁287
を設け、垂直下部壁287の先端は棟側へ屈曲し、垂直下
部壁287の中央には、軒側に割溝を形成した中空湾曲部2
88を長手方向に沿って設ける。
棟下方敷設板28の下面の固定具係合片283と垂直下部
壁287の中間には、中間部垂下壁289を設け、中間部垂下
壁289には割溝を形成した中空湾曲部290を設ける。
縦棧21′はガラス24と棟下方敷設板28との長さの和の
側縁に沿う長さとし、縦棧21′のガラス嵌入溝214の側
壁の軒側先端部と、軒下方敷設板28の各中空湾曲部282,
290,288に対応する位置には、各々貫通孔を形成し、貫
通孔に差し込んだタップネジ27を、下横棧23の中空湾曲
部234と棟下方敷設板28の中空湾曲部282,290,288に螺着
し、第33b図に示すように棟部採光ガラス枠B3を組み立
てる。
棟部採光ガラス枠B3の他の部位については、前記した
採光ガラス枠Bと同様の構成を有する。
以上の説明のように、採光ガラス枠B1,B2,B3は両側の
縦棧21と下横棧23が、簡単な一つのガラス枠組立金具26
により嵌合組立され、上横棧22とガラス24で四辺形枠を
なし、全て規格品として生産、組立されるので均一な品
質で、量産効果に富んだものとなる。
第34a〜c図において、25は採光ガラス枠固定金具で
あり、採光ガラス枠固定金具25は第20a,b図に示すよう
に、上部接続部材14の嵌合溝147を覆うように載置さ
れ、嵌合溝147を利用してボルト250とナットとで固定さ
れ、その上部棟側に棟方向に開口する係合段部251を有
する。
採光ガラス枠Bを固定する時は、第34a図に示すよう
に、採光ガラス枠Bの棟側端部が下になるように傾斜さ
せ、上横棧22の固定具係合片226を、第34b図に示すよう
に採光ガラス枠固定金具25の係合段部251の下方に位置
させ、次に下横棧23を下方向に移動し、第34c図のよう
に下横棧23の湾曲防水樋235を、軒側に隣接する他の採
光ガラス枠Bの上横棧22の上横棧ガラス載置翼片220の
下面に係合させる。
下横棧23の下横棧接続壁232の下部には第35図に示す
ように、間隔をおいて水抜孔238が穿設されているの
で、第36図に示すように、採光ガラス枠Bを葺いた場合
に、ガラス24上面を流下して下横棧23のガラス嵌入溝23
3に侵入した雨水は、水抜孔238を通って湾曲防水樋235
に流れ込み、さらに上部接続部材14の嵌入溝147を通じ
て軒方向に排出される。
また、軒側の採光ガラス枠Bの上横棧22の上方を棟側
の採光ガラス枠Bの下横棧23の被覆蓋部236が覆ってい
るので、採光ガラス枠B相互の接続部からの浸水は抑止
されるが、万が一、吹き上げによる浸水があっても、上
横棧ガラス載置翼片220の上端を乗り越えた水は、湾曲
防水樋235に落下し、前記と同様軒方向に排出される。
採光ガラス枠B1,B2,B3は縦棧21と下横棧23,上横棧22,
ガラス24,ガラス枠組立金具26で四辺形枠を形成し、水
抜穴338と湾曲防水堰235で進入する雨水を軒先に排出
し、その上、採光ガラス枠B1,B2,B3は第34図,第36図に
示すように下横棧23と上横棧22が三重,四重の係合防水
構造に形成され、上部接続部材14の採光ガラス枠固定金
具25に係合するのみで載置されるので、振動衝撃,熱膨
張・伸縮を吸収し、雨仕舞が完璧で単純な生産加工の量
産効果に富んだものとなる。
次に、採光ガラス枠Bの横方向の接続について説明す
る。
第37a〜d図及び第38a〜c図に示すように、採光ガラ
ス枠Bの縦棧21の垂直嵌入壁210の下端が、上部接続部
材14の外側対向突条146と内側対向突条146′で幅調整を
形成する中間部幅調整部147内に挿入して載置され、垂
直嵌合片215の上端が接続部材カバーDの水切垂下片163
と上部接続部材14の係合突片154で幅調整を形成する上
部幅調整部164′に挿入される。
そして、上部接続部材14に固定され、前述した如く縦
棧21の側部排気口を形成した固定具嵌合切欠218(第34a
〜c図参照)内に位置する採光ガラス枠固定金具25によ
って採光ガラス枠Bは中間部接続部材Aに固定され、中
間部接続部材Aを介して横方向に平列に接続される。
このとき、実際の屋根野地幅寸法は建築構造や敷地面
積や地域特有の建築構造差で千差万別であるから、屋根
の接続施工を容易にする為には野地幅の誤差寸法の吸収
を容易にする標準取付,プラス取付,マイナス取付等の
調整機能を必要とする。
そこで、第37図a〜e図及び第38a〜c図に示すよう
に、屋根葺きを単純にして簡略化した幅調整構造機能を
用意した。
次に、幅調整機能構造を説明する。
中間部幅調整部147の幅調整方法は第37b図,第38b図
に示すように、野地幅が標準で0調整の場合は採光ガラ
ス枠Bの縦棧21の垂直嵌入壁210は上部接続部材14の対
向突条146′で間隔を広くあけて幅調整する中間部幅調
整部147の中央の位置に挿入載置され、固定されて標準
取付となる。
第38c図に示すように、野地幅が標準より狭いときの
マイナス調整の場合は採光ガラス枠Bの縦棧21の垂直嵌
入壁210は中間幅調整部147の内側の対向突条146′に接
近して内側の位置に挿入載置され、固定されてマイナス
取付となる。
第38a図に示すように、野地幅が標準より広いときの
プラス調整の場合は採光ガラス枠Bの縦棧21の垂直嵌入
壁210は中間幅調整部147の外側の対向突条146に接近し
て外側の位置に挿入載置され、固定されてプラス取付と
なる。
上部幅調整部164′の幅調整方法は第37a図及び第38b
図に示すように、野地幅が標準で0調整の場合は採光ガ
ラス枠Bの縦棧21の垂直嵌合片215が上部接続部材14の
係合突片154と中間部接続部材カバーDの水切垂下片163
で間隔を広くあけて幅調整する上部幅調整部164′の中
央の位置に挿入されて標準取付となる。
第38c図に示すように、野地幅が標準より狭いときの
マイナス調整の場合は採光ガラス枠Bの縦棧21の垂直嵌
合片215は上部幅調整部164′の内側の係合突片154に接
近して内側の位置に挿入され、マイナス取付となる。
第38a図に示すように、野地幅が標準より広いときの
プラス調整の場合は採光ガラス枠Bの縦棧21の垂直嵌合
片215は上部幅調整部164′の外側の水切垂下片163に接
近して外側の位置に挿入され、プラス取付となる。
以上の説明のように、幅調整機能を構成することによ
り、幅調整作業を単純且つ簡略化して取付接続を容易に
する。野地幅をU、採光ガラス枠幅をw、接続部材幅を
b、調整可能寸法をyとし、採光ガラス枠幅と接続部材
幅と調整可能寸法とを加えた(w+b+y)=pを標準
ピッチとする。
まず、野地幅Uを基準ピッチpで割り、 U÷p=a……余りc aは採光ガラス枠の縦列の数になる。
余りcがO(c=0)のときは、第38b図に示す位置
関係で採光ガラス枠と接続部材は納まる。
余りcが基準ピッチpの半分より小さい(c<p/2)
時はこれをプラス調整と称し、余りcが基準ピッチの半
分より大きい(c>p/2)時はこれをマイナス調整と称
し、各々に別個の調整方法を採用する。
§プラス調整の場合 U÷p=a……余りc(c<p/2) この余りcをaで除し、c÷a=α 求められた値αが一列当たりの必要な調整量となる。
従って、このαを基準ピッチpに加えてやれば求める採
光ガラス枠のピッチが出る。
(例1)U=9210,w=566,b=30,y=10の場合 p=w+b+y=606 9210÷606=15……余り120 余り120<p/2だからプラス調整となる。
α=120÷15=8 606+8=614 求める採光ガラス枠のピッチ=614 採光ガラス枠の列数a=15枚 §マイナス調整の場合 U÷p=a……余りc(c>p/2) 基準ピッチpと、余りcの差を採光ガラス枠列数aに
+1した数で除し、 (p−c)÷(a+1)=α 算出された数値αが一列当りの必要な調整量で、基準
ピッチpよりこのαを減じてやれば、求める採光ガラス
枠のピッチ寸法が割り出される。
(例2)U=7852,p=606,y=10の場合 7852÷606=12……580 余り580>p/2だからマイナス調整となる。
α=(606−580)÷(12+1)=2 606−2=604 求める採光ガラス枠のピッチ=604 採光ガラス枠の列数a=13枚 上記は幅調整の方式であり、具体的にその例を示し
た。
第38b図は標準納まりの図で、その場合は採光ガラス
枠Bの垂直嵌合片215は上部幅調整部164′の中心に、垂
直嵌入壁210は中間部幅調整部147の中心に位置する。ま
た、金属屋根板5の係合防水壁503も下部幅調整部139の
中心に位置するので調整は必要としない。
第38c図はマイナス調整の図で、その場合は採光ガラ
ス枠Bの垂直嵌合片215は上部接続部材14の係合突片154
に接近し、垂直嵌入壁210は中間部幅調整部147の内側対
向突条146′に接近して内側に位置する。また、金属屋
根板5の係合防水壁503は垂下片133に接近して下部幅調
整部139の内側に位置してマイナス調整され、マイナス
取付位置となる。
第38a図はプラス調整の図で、その場合は、採光ガラ
ス枠Bの垂直嵌合片215は接続部材カバーDの水切垂下
片163に接近し、垂直嵌入壁210は中間部幅調整部147の
外側対向突条146に接近して外側に位置する。また、金
属屋根板5の係合防水壁503は摺動曲部132′に接近して
下部幅調整部139の外側に位置してプラス調整され、プ
ラス取付位置となる。
次に、金属屋根板5の横方向の接続について説明す
る。
第37a〜c図に示すように、金属屋根板5の係合防水
壁503は下部接続部材13の外側の摺動曲部132′と内側の
垂下片133とで間隔を広くあけて幅調整を形成する下部
幅調整部139に挿入して取付けられる。また、上記と同
様に野地幅寸法の誤差に対応して標準取付,プラス取
付,マイナス取付が可能な幅調整機能を構成している。
次に、その幅調整機能構造を説明する。
金属屋根板5の幅調整方法は前述した採光ガラス枠B
の幅調整方法と同一であり、連動して調整接続されるも
のである。
下部幅調整部139の幅調整方法は第38b図に示すよう
に、野地幅が標準で0調整の場合は金属屋根板5の係合
防水壁503は下部接続部材13の外側の摺動曲部132′と内
側の垂下片133で間隔を広くあけて幅調整部を形成する
下部幅調整部139の中央に挿入されて中央に取付けられ
て標準取付となる。
第38c図に示すように、野地幅が標準より狭い場合の
マイナス調整は、金属屋根板5の係合防水壁503が下部
接続部材13の下部幅調整部139の内側の垂下片133に接近
して挿入され、内側の位置に取付けられてマイナス取付
となる。
第38a図に示すように、野地幅が標準より広い場合の
プラス調整は、金属屋根板5の係合防水壁503が下部接
続部材13の下部幅調整部139の外側の摺動曲部132′に接
近して挿入され、外側の位置に取付けられてプラス取付
となる。
第39a図は軒先カバーGの分解斜視図であり、軒先カ
バーGはカバー本体30と多孔板31及び水返防水壁32より
成る。
カバー本体30は、水平上面300の棟側端縁の上部に立
上水返突片301を、下部に下方棟側に屈曲する水切案内
片302を設け、水平上面300の中間部下面に水返防水壁32
固定用のネジ受溝303を長手方向に沿って設ける。
水平上面300の軒側端縁は下方に屈曲して垂下水切片3
04とし、該垂下水切片304のやや内方には防塵垂下壁305
を設け、防塵垂下壁305に交差して2枚の互いに平行な
平行板306,307を間隔をあけて設け、平行板306,307の軒
側先端を下方に屈曲して垂下水切片304を形成する。平
行板306,307の棟側端縁は上方に折り曲げ水返突片308と
し、防塵垂下壁305の下端には棟側及び軒側に張出す支
持板309を設ける。
支持板309の棟側端縁には上方に開口する多孔板支持
溝310を設け、支持板309の軒側端縁は軒方向に湾曲する
ように下方へ折り曲げ、さらに棟側へ屈曲し、その先端
を上方へ立ち上げて排水溝311を形成し、2枚の平行板3
06,307によって仕切られる防塵垂下壁305の3つの小壁
には軒先部吸気孔Hを穿設する。
多孔板31は、上端がカバー本体30のネジ受溝303の側
壁316に係合し、下端が多孔板支持溝310内に係合する垂
直多孔壁312の両側端から軒方向へ平行板係合壁313を設
けてなり、垂直多孔壁312には多数の通気小孔314を穿設
する。
平行板係合壁313の先端にはカバー本体30の平行板30
6,307の棟側端部を嵌入する平行嵌合切欠315,315を形成
し、平行板係合壁313の垂直多孔壁312との接続縁の下端
には多孔板支持溝係合切欠317を各々形成する。
水返防水壁32は、カバー本体30の水平上面300の側端
部上面に載置される水平上面載置片320の外側端に防水
固定壁321を設け、防水固定壁321の内面には複数の防水
突条322を形成し、防水固定壁321の下部のネジ受溝303
に対応する位置に貫通孔323を穿設する。
次に、軒先カバーGの組立てを説明すると、カバー本
体30のネジ受溝側壁316に多孔板39の垂直多孔壁312の上
端を係合し、多孔板支持溝310内に錐多孔壁312の下端を
差し込み、平行板306,307に平行板嵌合切欠315を係合
し、横方向に摺動させてカバー本体30の防塵垂下壁305
と多孔板31の垂直多孔壁312とを平行にする。
そして、水返防水壁32の水平上面載置片320をカバー
本体30の水平上面300上に載置し、貫通孔323とネジ受溝
303にタップネジ33を挿通して固定する。
第40a〜c図は、軒先カバーGの取付けを示し、軒先
カバーGは第40c図に示すように、屋根の軒先端面に設
置され、立上水返突片301が軒先採光ガラス枠B1の被覆
蓋部236の下方に、水切案内片302が湾曲防水樋235の上
方に嵌入される。屋根下地上に載置された軒先板34の外
方から軒先カバー材Gの嵌合凹部311を嵌合し、接続部
材A,A′の軒先端面に防塵キャップEを取付け、防塵キ
ャップEの嵌入凹部188に嵌合凹部311の外面を嵌合す
る。
接続部材A,A′の軒端部の上面には第40b図に示すよう
に、軒先嵌合板17を取付け、軒先嵌合板17に水切垂下片
163を形成する。水平翼片172の下方に軒先カバーGの水
返防水壁32の防水固定壁321が嵌入される。
このときに前記した採光ガラス枠B,金属屋根板5と同
じく、軒先カバーGも同様に幅調整取付構造を構成す
る。その調整方法は、上部接続部材14の係合突片154と
軒先嵌合板17の水切垂下片163とで間隔を広くあけて、
先に述べた採光ガラス枠Bの上部幅調整部164′と同じ
幅調整部を形成して幅調整を容易にする。
第41b図に示すように、野地幅が標準で調整を必要と
しない標準取付の場合は、軒先カバーGの防水固定壁32
1は軒先嵌合板17の水切垂下片163と上部接続部材とで形
成した上部幅調整部164′の中央に位置して取付けら
れ、標準取付となる。
第41c図に示すように、野地幅が狭いときはマイナス
調整取付となり、この場合は、軒先カバーGの防水固定
壁321は上部幅調整部164′の内側の上部接続部材14の係
合突片154に接近して内側に位置して取付けられ、マイ
ナス調整取付となる。
第41a図に示すように、野地幅が広いときはプラス調
整取付となり、この場合は、軒先カバーGの防水固定壁
321は上部幅調整部164′の外側の軒先嵌合板17の水切垂
下片163に接近して外側に位置して取付けられ、プラス
調整取付となる。
以上の説明の如く、屋根部材の平列取付構造は採光ガ
ラス枠B,金属屋根板5,軒先カバーG,各接続部材A,A′が
相対向してなされる。
また、軒先カバーGは係合だけの挿入嵌合取付である
から、地震,熱膨張による歪を吸収する構造で、吸気孔
は効率的に形成され取付も容易である。軒先構成材の接
続部材カバーD,上部接続部材14,嵌合板17,軒先カバーG
等は単純に生産,加工され、その取付は接続部材カバー
Dに摺動取付された摺動蓋166を軒先側に摺動し、防塵
キャップEの空洞184内に嵌入させて軒先部を一体化さ
せ、一本の軒先ボルトで風圧強化構造に構成される。
次に、屋根の妻側端部の構造を説明すると、第42a図
において、35は垂木1に釘等により固定された破風板、
36は破風板35の側部に固定された基盤材固定金具、Cは
前記基盤材固定金具36に取付けられた側端面基盤材、6
は側端面基盤材Cに嵌合装着された側端面カバーであ
る。
側端面基盤材Cは本体となる上部水平部360の下面に
垂下壁となる垂直部361が一体に設けられ、垂直部361の
下端には外方に張り出して張出部となる下部水平部362
が設けられ、上部水平部360の内側縁上部には複数の水
切突条363を有する水切立上壁364が設けられ、垂直部36
1の中央には外方に張り出して支持溝365が形成されてい
る。
側端面基盤材Cの上部水平部360及び下部水平部362の
地側縁には各々下方及び上方に折り返すと共に、その端
部を内方に折り返した係合突条369がそれぞれ形成さ
れ、係合突条369の外方には互いに対向する側端面押え
板指示溝370が形成され、側端面基盤材Cの支持溝365に
は第43図に示すように、長手方向中央付近に固定用丸孔
366が穿設され、支持溝365の固定用丸孔366の両側には
一定の間隔をおいて長軸が軒棟方向に一致する長孔より
なる摺動取付孔367が穿設され、上部水平部360には長手
方向に沿って複数の雨水流下溝368が形成される。
そして、側端面基盤材Cは破風板35の側面に装着した
基盤材固定金具36によって、固定用丸孔366及び摺動取
付孔367を介して取付けられ、水切立上壁364は、側下部
接続部材13′の張出部132下方の側端面基盤材当接片190
と垂直壁131の間に挿入して載置する。
また、側端面基盤材当接片190と垂直壁131とは間隔を
広くあけて野地幅誤差の幅調整の為の側下部幅調整部19
1を構成する。
側端面基盤材Cの軒側端部の上面には、第42b図に示
すように側端軒部材38を載置する。
側端軒部材38は側端面基盤材Cの上部水平部360上に
重合し、側端面基盤材Cと同幅の載置面380の軒側から
斜め上方に折り曲げ、さらに水平本体381を延出し、水
平本体381の端部を下方に、さらに棟側に屈曲して嵌合
凹部382を形成し、水平本体381の下面から下方に垂直脚
部383を設け、垂直脚部383の下端には第43図に示すよう
に側端面基盤材Cの雨水流下溝368間の凸部下面に差し
込まれる差込片384を設ける。
側端軒部材38の嵌合凹部382には軒先板34の軒側端部
が挿入され、嵌合凹部382の外面は防塵キャップEの嵌
入凹部188に嵌合する。
また、第45図に示すように、側端軒部材38のケラバ側
下端には、側部下隅装飾カバーFを取付けるための取付
切欠385が形成され、載置面380には雨水流下溝368に嵌
合する係合凹溝386が形成される。
側端面基盤材Cの棟側端部の上面には、第42c図に示
すように側端棟側部材39が載置される。
側端棟側部材39は、第44図に示すように側端面基盤材
Cの上部水平部360と同じ幅を有する水平載置面390の上
面に水返突出壁391を設け、水平載置面390の水返突出壁
391より棟側に、長軸が軒棟方向に一致する取付用長孔3
92を穿設し、水平載置面390の軒側端部に側端面基盤材
Cの雨水流下溝368に嵌合する下方屈曲舌片393を設け
る。
側端棟側部材39は第45図に示すように、側端面基盤材
Cの上部水平部360上に載置され、下方屈曲舌片393が雨
水流下溝368に嵌合され、側端面基盤材Cの棟側端部に
穿設されたボルト孔と、取付用長孔392にボルト394を挿
通してナットで固定し、側端棟側部材39を側端面基盤材
Cに取付ける。
側端面カバー6は、側端面基盤材Cと略同長で、その
垂直被覆板371の上下端寄りの内面には各々側端面基盤
材Cの係合突条369に係合する係止突条372を突設する。
次に、屋根の側部における幅調整取付方法を第47a,b,
c図を参照して説明する。
先に、採光ガラス枠Bと金属屋根板5とを、中間部接
続部材Aによって並列接続して、中間部の野地幅寸法の
誤差を幅調整する標準取付,マイナス調整取付,プラス
調整取付を第38a〜c図に示して、その調整方法を説明
した。
ところで、実際の屋根に屋根部材を取付施工するには
葺き始めと葺き納めが大切な所である。特に、屋根の野
地幅は棟側幅と軒先側幅が必ずしも同一であるとは限ら
ず、正確に平行でないので、そのためには葺き始めと葺
き終りの納め方を容易にする幅調整部が側部構造に絶対
に必要である。その側部幅調整は両側で行う場合と、片
側で行う場合があるが、本発明の実施例に用いられる部
材は両側の場合も片側の場合もいずれも取付施工ができ
る。側部における標準取付,マイナス調整取付,プラス
調整取付を第46a〜c図に示し、その幅調整方法を以下
に説明する。
第46a図に示すように側部接続部材A′の側下部接続
部材13′は、外側に位置する垂直壁131と側端面基盤材
当接片190との間隔を広くあけて野地幅誤差を調整する
側下部幅調整部191を形成する。また、側端面基盤材C
は内側上面端部に水切立上壁364を形成している。野地
幅が標準で調整取付を必要としない場合は側端面基盤材
Cの水切立上壁364は側下部幅調整部191の中央に位置し
て取付けられる。
第46b図に示すように、野地幅が狭いときはマイナス
調整取付となり、この場合は側端面基盤材Cの水切立上
壁364は、側下部接続部材13′の側下部幅調整部191の内
側に位置する垂直壁131に接近して取付けられ、マイナ
ス調整取付となる。
第46c図に示すように、野地幅が広いときはプラス調
整取付となり、この場合は側端面基盤材Cの水切立上壁
364は、側下部接続部材13′の側下部幅調整部191の外側
に位置する側端面基盤材当接片364に接近して位置し、
水切立上壁364は外側に位置して取付けられ、プラス調
整取付となる。
以上の説明の如く、中間部の調整と同様に調整して外
側にて微調整をすることで屋根部材の葺き納めを容易に
する。
側部における側端面基盤材Cの調整接続方法を説明す
ると、通常存在する屋根の野地幅は2間以上であり、屋
根施工は1間2枚葺き,1間3枚葺き,1間4枚葺き等種々
可能である。
例えば、1間3枚葺きとする時、2間2尺では第47b
図のように7列となり、2間4尺の時には第47c図のよ
うに8列となる。採光ガラス枠の幅をW,接続部材幅をb
とした時7列の最小野地幅は、 (w+b)×7=eとなり、 これに最大幅調整量(dmm/列)を加えた最大寸法は (d×7)+e=fとなる。
また、8列の時には最小寸法は (w+b)×8=gとなる。
ここで問題となるのは、g>h>fとなるようなhの
寸法が発生するときで、実際の屋根野地寸法は建築構造
や地域差で千差万別であるから、7列と8列の中間のh
なる寸法も当然存在するはずで、前記した中間部の幅調
整方法と側部の幅調整方法ではこれを満足することがで
きず、調整不能な場合が生じて、屋根葺きができなくな
ってしまう。
そこで、前記した幅調整を越えたものについては、側
部接続部材A′と側端面基盤材Cの組合せの中で吸収す
ることとし、その方法は幅寸法の異なる側端面基盤材C
を何種類か用意して、各寸法に対応して使い分けるもの
である。
つまり、(g−f)−(7ax)=s (s>0)(xは0,正の整数) となるようなsの値を持った側端面基盤材Cを何種類か
用意して、各寸法に対応して使い分けるものである。
(例)採光ガラス枠幅w=566mm,接続部材幅30mm,幅調
整量d=20mmとすると、 eは(566+30)×7=4172mm fは(20×7)+4172=4312mm gは(566+30)×8=4768mm これにより、側端面基盤材Cの寸法sは x=0の時 sは4768−4312=456mm x=1の時 sは456−(20×7×1)=316mm x=2の時 sは456−(20×7×2)=176mm x=3の時 sは456−(20×7×3)=36mm となる。
今、野地幅が4530mmとすると、 4530−4312=218mmとなり、 調整の範囲を越えた量は218mmである。
したがって、側端面基盤材Cは218mmより大きくてそ
れに最も近い316mmのものを使用して実質上の野地幅を
計算すると、 4530−316=4214mmとなる。
全体の幅調整量は 4214−4172=42mmであるから、 42÷7=6mm/列となる。
第48a〜e図は、上記の側端面基盤材Cの寸法sの値
に対応するために用意する数種の側端面基盤材Cを示
し、s=0のときは、第48a図に示す側端面基盤材Cを
使用し、以下、sの値が大きくなるに従って第48b〜e
図の側端面基盤材Cを適宜用いる。
採光ガラス枠寸法と幅調整量の決め方によって側端面
基盤材C種類,幅寸法の多少,大小が発生するのである
が、太陽エネルギー収集効率を高める為には、限られた
屋根面積の中で、エネルギー収集面積をできるだけ大き
く取ることが必要で、そのためには接続部材幅や幅調整
量を必要最小限に押え、採光ガラス枠Bを最大限大きく
取ることが合理的,経済的な設計手法となる。
但し、採光ガラス枠Bは、高所において一人で持ち運
びすることを考えると、2尺近傍の寸法が扱い易く、そ
れ以上では安全性の面で不安がある。したがって、実際
には1間3枚葺きというのは4枚葺きに比べれば接続部
材の本数も少なくて済むし、施工性も良いので合理性,
経済性に富んだものと言える。
また、幅調整量dが±10mmというのも実使用領域内
(4間〜5間)においては3種類の側端面基盤材Cを野
地幅に合せて適宜使用することでカバーできるので適当
な寸法と考えられる。
次に、表1〜表8の説明をする。
表1は、採光ガラス枠幅と接続部材幅と幅調整量即ち
基準ピッチ寸法を予め設定したときに、適用される野地
幅から採光ガラス枠Bの列数と端面基盤材Cの寸法が、
どのようになるかを簡単に拾い出せるようにしたもので
ある。
表1で説明すると、 (例1)野地幅を4848mmとすると採光ガラス枠Bの列数
は8列となり、側端面基盤材Cの寸法は0mmで、調整量
も基準野地幅と同じであるから標準取付となる。
(例2)野地幅を4652mmとすると採光ガラス枠Bの列数
は7列となり、側端面基盤材Cの寸法は240mm、調整量
は70mmとなり、1列当り10mmのマイナス調整となる。18
0mmの側端面基盤材Cを使用するならば、基準野地幅460
2mmより50mm大きくなるので1列当り50/7mmのプラス調
整をする。
(例3)野地幅を4524mmとすると採光ガラス枠Bの列数
は7列となり、側端面基盤材Cの寸法は120mm、基準野
地幅4482mmより42mm大きくなるので、調整量は1列当り
6mmのプラス調整となる。
表1と表2は基準ピッチ寸法p=606mm、幅調整量d=
±10mmのものである。
表3と表4は基準ピッチ寸法p=606mm、幅調整量d
=±15mmのものである。
表5と表6は基準ピッチ寸法p=606mm、幅調整量d
=±20mmのものである。
表7と表8は基準ピッチ寸法p=455mm、幅調整量d
=±10mmのものである。
なお、各列ごとの幅調整量dは、当然第37a〜d図に
示した調整可能寸法yに等しいので、表においては調整
可能寸法yで表した。
次に、側端面基盤材Cの取付方法について説明する。
基盤材固定金具36は、第51図に示すように破風板35の
側面に当接する取付用平板部350を有し、取付用平板部3
50の中央には側端面基盤材Cの支持溝365に設けた固定
用丸孔366,摺動取付孔367に挿通する軸部351が設けら
れ、軸部351の端部には固定用丸孔366,摺動取付孔367に
挿通するボルト352が設けられ、取付用平板部350の両側
寄りには取付孔353,353がそれぞれ穿設されている。
そして、基盤材固定金具36は取付用平板部350が破風
板35の側面に当接された後、前記取付用平板部350に設
けた取付孔353を利用して釘354により破風板35に固定さ
れる。
側端面基盤材Cの屋根側部への取付けは、あらかじめ
破風板35の側面の所定位置に基盤材固定金具36を取付孔
353を利用して釘354により固定した後、第52図に示すよ
うに、基盤材固定金具36のボルト352を側端面基盤材C
の支持溝365に穿設した固定用丸孔366,摺動取付孔367に
挿通すると共に側端面基盤材Cの上部水平部360を破風
板35の上面に当接し、側端面基盤材Cの垂直部361を破
風板35の側面に当接し、第53図に示すように基盤材固定
金具36のボルト352にワッシャ355を介してナット356を
螺着することにより、第54図に示すように、側端面基盤
材Cを基盤材固定金具36を介して破風板35に固定した
後、接続部材取付金具15に側部接続部材A′が装着さ
れ、側端面基盤材Cの水切立上壁364が側下部接続部材1
3′の張出部132下面に嵌合される。
そして、標準取付の場合には、第55b図及び第55c図に
示すように、基盤材固定金具36のボルト352が側端面基
盤材Cの支持溝365に設けた摺動取付孔367の中央に位置
し、側端面基盤材Cが標準よりマイナスに縮小を行う
と、第55e図及び第55f図に示すように、基盤材固定金具
36のボルト352が側端面基盤材Cの摺動取付孔367に対し
て側端面基盤材Cの長手方向端部寄りに位置し、側端面
基盤材Cが太陽熱等により膨張すると、第55h図,第55i
図に示すように、基盤材固定金具36のボルト352が、側
端面基盤材Cの摺動取付孔367に対して、側端面基盤材
Cの長手方向中央寄りに位置する。
第56図において、Fは側部下隅装飾カバーであり、本
体部面戸板400の表面上端に側端軒部材38の取付切欠385
に嵌合する嵌合突部401を設け、本体部面戸板400の裏面
側下端に一体に後方突出部402を設け、裏面側端中央部
に側端面基盤材取付片403を突設し、該側端面基盤材取
付片403には貫通孔404を穿設する。そして、側端面基盤
材Cの軒側端部に穿設された取付孔と側部下隅装飾カバ
ーFの貫通孔404とを合わせてボルトとナットによって
固定し、第57図に示すように側端面基盤材Cに側部下隅
装飾カバーFを装着する。
側端面基盤材Cの外面には、第58図に示す側端面カバ
ー6の係止凹溝372を側端面基盤材Cの係合突条369に係
合して装着し、さらに、側端面カバー6の外面には、第
59図に示すように側端面押え板40の上下端を側端面基盤
材Cの側端面押え板支持溝370に嵌入し、矢印方向に摺
動して軒側端部を側部下隅装飾カバーFとの間に差し込
んで装着する。
次に、屋根棟について説明すると、屋根棟は第1図,
第63図に示すように、屋根面の頂部縁に沿って並設され
る一対の棟部側面部材Jと、棟部側面部材Jの上端面間
に跨設される棟冠Iと、棟部側面部材Jの裏面に重合さ
れる棟防水板12と、隣接する棟冠I相互を連結する棟冠
連結部材Mと、隣接する棟部側面部材J相互を連結する
棟側面連結部材11とより成る。
棟部側面部材Jは、側部張出面430と側部張出面430の
下面に略90°の角度をもって設けられた起立面431を階
段状に交互に連設した階段状本体43の上端を裏面方向に
水平に折曲して折曲固定部432を形成し、折曲固定部432
にはボルト孔437を穿設し、階段状本体43の下端から外
方下向きに屈曲しさらに外方上向きに屈曲して棟部材固
定片433を形成する。側部張出面430は起立面431より外
方に延出され、その先端を外方下向きに傾斜させて庇43
4を設け、起立面431には第70図に示すように、複数の換
気孔435を形成し、最下段の起立面431と折曲固定部432
の裏面には各々棟防水板支持溝436を設ける。
第68図に示すように、棟冠Iはやや上方に湾曲する棟
天面440の両側縁から外方下向に傾斜する傾斜庇441を有
し、傾斜庇441の裏面中央部から内方へ突出した後、さ
らに下方及び内方へ折り曲げて棟部側面部材Jの折曲固
定部432の上面に載置される折曲載置片442を設け、折曲
載置片442にはボルト孔443を穿設する。
そして、棟冠Iは、一対の屋根の頂部上面に並設され
た棟部側面部材Jの上端間に跨設され、棟冠Iの折曲載
置片442と棟部側面部材Jの折曲固定部432を重合し、ボ
ルト孔437とボルト孔437をボルトとナットとで締め、棟
冠Iと棟部側面部材Jを接合する。
棟冠連結部材Mは、棟冠Iの接続部をその外面に沿っ
て被覆する帯状本体450の両下端から内向きに屈曲して
棟冠Iの傾斜庇441の先端に係合する内向折曲片451を形
成し、さらに内向上方へ屈曲し、その先端を湾曲させて
湾曲嵌合突条452を設け、帯状本体450の天部上面には、
複数の水切用凹凸条453を設ける。
棟側面連結部材11は、帯状の載置片111と傾斜片112
を、棟部側面部材Jの側部張出面430と庇434の屈曲角度
にほぼ等しい角度をもって階段状に連設して成り、最上
段の載置片111の端部を上方に折り曲げ、その先端に棟
冠連結部材Mの湾曲嵌合突条452に係合する嵌入膨大部1
13を設ける。
また、最下段の傾斜片112の裏面には、棟部側面部材
Jの最下段の庇434の先端に係合する内向舌片114を設
け、内向舌片114の下方には、棟取付部材Nの先端を差
し込む嵌入切欠部110(第64図参照)を形成する。
棟防水板12は、棟部側面部材Jの各入隅部分に当接す
る重合板12の上端と下端に、棟部側面部材Jの棟防水板
支持溝436に係合する裏面屈曲部121を設け、重合板12に
は第69図に示すように複数の排気口122を穿設する。
棟防水板12の排気口122と、棟部側面部材Jの換気孔4
35は、第72,73図に示すように棟の長手方向において互
いに対応しない位置に穿設されているので、棟防水板12
の裏面屈曲部121を、棟部側面部材Jの棟防水板支持溝4
36に嵌入し、第71図に示すように棟防水板12を棟部側面
部材Jの裏面に重合すると、各排気口122と換気孔435は
第74図のように相互にずれた位置に配置され、雨水の直
接の吹き込みを防止する。
また、棟冠Iと棟部側面部材J、棟防水板12は生産
性,加工性,組立性等を単純,簡略化し同時に排気性を
効果的にする。
第75〜78図は、隣接する棟部材相互の連結を示すもの
であって、棟冠連結部材Mは、第75,77図に示すよう
に、その下面にゴム,或いは合成樹脂製の防水重合板45
を重合し、棟冠Iの接続端部近傍の上面に嵌合する。
このとき、棟冠連結部材Mの内向折曲片451は棟冠I
の傾斜庇441の下端に係合し、棟部側面部材Jの階段状
本体43の外面に嵌合される棟側面連結部材11の嵌入膨大
部113は、第76図に示すように、棟冠連結部材Mの湾曲
嵌合突条452内に嵌入される。
さらに、第77図に示すように、棟冠連結部材M及び棟
側面連結部材11を取付けた棟冠I,棟部側面部材Jと同一
線上にこれらと同様に組立てられた他の棟冠I,棟部側面
部材Jを、接続端部間にやや間隔を設けて載置し、棟冠
連結部材M,棟側面連結部材11を矢印の方向へ摺動して、
第78図に示すように隣接する棟部材相互の接続部分を被
覆する。
次に、接続部材カバーDと屋根棟との接続について説
明する。
棟取付部材Nは、第61図に示すように水平本体部410
の下面に、接続部材カバーDの幅と同長の間隔をおいて
下方垂直取付壁411,411を設け、下方垂直取付壁411の内
面中央には接続部材カバーDの上面に載置される載置突
条412を、内面下端には接続部材カバーDの側端に係合
する掛合突部417を各々形成する。
水平本体部410は第62図に示すように棟側端部が広幅
であり、その中央部から棟側面連結部材11の下端に係合
する差込嵌入片413を突設し、差込嵌入片413の先端を第
63図に示すように上方に折り曲げ起立係止壁414を形成
する。
水平本体部410の他端は下方に湾曲させて湾曲部415と
し、下方垂直取付壁411にはそれぞれボルト孔416を穿設
する。
第64図において、42は、接続部材カバーDの上面に載
置され接続部材カバーDに棟取付部材Nを連結する連結
具部材であり、連結具部材42は延出平面420の上面中央
部に棟に沿って2条の平列突出壁421を間隔をあけて設
け、平列突出壁421の間にボルト挿入溝422を形成し、延
出平面420の棟側端縁から上方に折り曲げ水平に延出
し、さらに下方に折り曲げて係止湾曲部423を一体に設
け、係止湾曲部423の下面には棟部側面部材Jの棟部材
固定片433に嵌合する嵌合係止凹部424を形成する。
そして、棟側面連結部材11の下端中央に形成された嵌
入切欠部110に、差込嵌入片413を挿入した棟取付部材N
によって連結具部材42の上方を被覆し、棟取付部材Nの
ボルト孔416と連結具部材42のボルト挿入溝422にボルト
425を挿通し、座金を介してナットで締め付けることに
より、第65図に示すように、棟取付部材Nと連結具部材
42を連結する。
屋根棟の固定について説明すると、まず、第66a図に
示すように、棟部側面部材Jの棟部材固定片433の上方
から連結具部材42の嵌合係止凹部424を被せ、延出平面4
20を接続部材カバーD上に載置し、棟取付部材Nの起立
係止壁414を棟部側面部材Jの最下段の庇434の下端に係
合する。
次に、第66b図に示すように、棟取付部材Nの湾曲部4
15を下方に押し下げ、第66c図に示すように、その先端
を接続部材カバーD上面に当接させ、棟取付部材Nのボ
ルト孔416をボルト挿入溝422の両端部に位置させ、さら
に、第66d図に示すようにボルト孔416とボルト挿入溝42
2にボルト425を挿通し固定する。
連結具部材42のボルト挿入溝422及び嵌合係止凹部424
は、幅と高さに遊びを持たせ、棟取付部材Nのボルト孔
416を長孔としたので、第67a〜f図に示すようにボルト
425や棟部側面部材Jの棟部材固定片433が上下左右に移
動することができ、部材が熱により伸縮したり、寸法に
狂いが生じても、これに対応して棟部材を取付けること
ができる。
また、棟部側面部材Jの棟部材固定片433は、一旦外
向き下方に傾斜した後外向上方に屈曲されているので、
接続部材カバーDに対して点接触し、野地面の傾斜の如
何にかかわらず取付が可能であり、太陽エネルギー収集
屋根の反対側の屋根材8との取付を強固に、単純に組合
せることができる。
第1図,第68図に示すように、一方の屋根面を採光ガ
ラス枠Bで葺き、他方の屋根面を金属板或いはコロニア
ル等の屋根板8のみで葺いた場合は、両者の仕上面に高
さの違いが生じるので、屋根板8の上面に棟端面部材9
を載置してこれを補正する。
棟端面部材9は下方が広い断面台形状を成すよう直立
面90と傾斜面91の上端を接続板92によって接続し、傾斜
面91の上端をさらに延長してその先端に内向きの掛止屈
曲部93を形成し、傾斜面91の裏面中央部から直立面90を
通ってさらに内方へ、連結板94を延出し、この連結板94
の先端部にはボルト孔を穿設し、傾斜面91と直立面90の
下端内面にはパッキン嵌合溝95を設ける。
この棟端面部材9は、防水材嵌合溝95内にパッキン96
を封入した後屋根材8上面の棟側端縁に沿って設置さ
れ、連結板94のボルト孔と、横棧97に取付けられた金具
98とに挿通されたボルト99によって屋根下地に固定され
る。
そして、棟端面部材9の上端には棟部側面部材Jが載
置され、棟部側面部材Jの棟部材固定片433は、棟端面
部材9の掛止屈曲部93に係合する。
以上の説明の如く、棟冠連結部材Mの取付は雨仕舞を
完璧にして、接続位置は常に定位置に取付けられ、左右
に移動することのない係合接続構造になっており、棟取
付部材Nの取付は、先に連結具部材42の嵌合係止凹部42
4を棟側面部材11の嵌合切欠部110に挿入して棟部材固定
片433に嵌合係合し、次に、棟取付部材Nの庇414を棟部
側面部材Jの立上り部434に係合し、接続部材カバーD
の上面に載置して係合し、ボルトにて固定する組立工法
で、取付は単純で、熱膨張に耐え、野地幅と取付部材の
凹凸にも簡単に取付けられ、取付ボルトは装飾的に美観
を保ち簡略化され棟部を耐風圧性に富み強固な構造とな
っている。
第79図は棟の端部に装着される巴冠Lを示し、上半分
が台形状の棟端面板460の周縁を内方へ屈曲し、上部屈
曲縁461,傾斜屈曲縁462,側部屈曲縁463,下部屈曲縁464
を連続して形成する。
上部屈曲縁461と傾斜屈曲縁462とはほぼ同幅であり、
傾斜屈曲縁462の内面には第80図に示すように、棟部側
面部材Jの階段状本体43の外面に嵌合する凹凸465を形
成し、傾斜屈曲縁462の下端に形成された内向き突起の
先端を下方に屈曲し、さらに外方下向きに折り曲げて第
83図に示すように棟部側面部材Jの棟部材固定片433の
端面に当接する防水垂片466を設ける。
側部屈曲縁463は、傾斜屈曲縁462より幅狭であり、そ
の側端には、側部接続部材カバーD′の水平蓋160のケ
ラバ側先端が嵌合する上部切欠凹部467と、側上部接続
部材14′の下部接続部材当接片200の先端が嵌合する中
間部切欠凹部468と、側端面基盤材Cが嵌合する下部切
欠凹部469を順次形成する。
この巴冠Lは屋根の幅調整をする際、屋根側端部にお
ける幅調整が0の時に用いられ、巴冠Lを第82図に示す
ように、棟冠Iの端部に嵌合し、側部接続部材A′を傾
斜屈曲縁462の下方に位置させる。
そして、上部接続部材14′の側端面垂直壁202の先端
及び側部接続部材カバーD′の水平蓋160のケラバ側先
端を上部切欠凹部467に、上部接続部材14′の下部接続
部材当接片200の先端を中間部切欠凹部468に側端面基盤
材Cを下部切欠部469に各々嵌合し、第81図に示すよう
に巴冠Lを取付ける。
第84図に示す巴冠Lは、側端面基盤材Cの上部水平部
360の幅が、第81図に示す実施例よりやや大きい場合に
用いられ、側部屈曲縁463はやや幅広であり、下部切欠
凹部469の幅も側端面基盤材Cの幅に対応して大きく形
成される。
第85図は屋根側端部における幅調整量が大きく、側端
面基盤材Cの上部水平部360が幅広の場合の棟端部の構
造を示し、巴冠Lと鬼冠Oが棟巴摺動連結具Pによって
接続される。
巴冠Lは第86,87図に示すように、棟端面板460の下端
に、上縁が上方に湾曲する開口窓46を形成し、棟端面板
460の内面の開口窓46の側方には一対のボルト46′を植
設する。
また、棟端面板460の下端の開口窓46の外側には、後
述する棟巴摺動連結具Pの屋根勾配当接曲部478(第89
図参照)が嵌合する湾曲切欠460′を形成する。
この巴冠Lは、前に説明した第81,84図に示す巴冠L
に比べ、棟端面板460の長さが短く、下部屈曲縁464及び
下部切欠凹部469が形成されていないが、他の部分につ
いては同様の構造を有するので、同一部位に同一符号を
付し、説明を省略する。
巴冠Lの開口窓46に嵌合される嵌合枠材47は第88図に
示すように、開口窓46の周縁に沿って棟端面板460の裏
面に重合する縁部重合板470と、縁部重合板470の内縁か
ら外方へ突出し、開口窓46の周縁と同形状の湾曲突出縁
471とから成り、湾曲突出縁471の頂部下面にはボルト47
2が植設され、縁部重合板470の両側部にはボルト孔473
が穿設され、縁部重合板470の両下端には、巴冠Lの湾
曲切欠460′と同様の嵌合切欠470′が形成される。
棟巴摺動連結具Pは、嵌合枠材47の湾曲突出縁471の
下面に重合され、その頂部略中央には第89図に示すよう
に固定孔474が穿設され、固定孔474から巴冠L側に間隔
をあけ、棟線に長軸が一致する長孔475が穿設され、両
下端には第90図に示すように、内向き上方に傾斜し、下
方に湾曲する屋根勾配当接曲部478が形成される。
鬼冠Oは棟の最端部を閉塞する棟端部閉塞板480の周
縁を裏側に屈曲し、棟端部閉塞板480の上縁には棟巴摺
動結具Pの上面に重合する上部重合縁481を、側縁には
側部重合縁482を、下縁には下部折曲縁483(第91図参
照)を各々形成する。
側部重合縁482の下部は、破風板35方向に下部内向突
出片484が形成されて広幅となり、下部内向突出片484の
上方には側端面基盤材Cの垂直部361が係合する嵌合狭
小部485が形成される。
次に、巴冠L,嵌合枠材47,棟巴摺動連結具P及び鬼冠
Oの連結構造について説明すると、巴冠Lをその凹凸46
5が棟部側面部材Jの階段状本体43の外面に係合するよ
うに棟冠I及び棟部側面部材Jの端部に嵌合する。
巴冠Lの棟端面板460の裏面下部には第91図に示すよ
うに、嵌合枠材47の縁部重合板470を重合し、嵌合枠材4
7のボルト孔473に巴冠Lのボルト46′を挿通してナット
で固定し、嵌合枠材47の湾曲突出縁471を巴冠Lの開口
窓46から外方に突出する。
棟巴摺動連結具Pは両側下端部に屋根勾配の変化に順
応して取付高さを一定に定める屋根勾配当接曲部478を
形成し、屋根勾配当接曲部478を嵌合枠材47の嵌合切欠4
70′及び巴冠Lの湾曲切欠460′に嵌合するように、嵌
合枠材47の湾曲突出縁471の下面に、棟巴摺動連結具P
の長孔475側の一端を重合し、この長孔475に嵌合枠材47
のボルト472を挿通してナット477締めし、さらに固定孔
474にねじ476をねじ込んで棟巴摺動連結具Pを固定す
る。
棟巴摺動連結具Pの他端上面には鬼冠Oを嵌合し、鬼
冠Oの嵌合狭小部485に側端面基盤材Cの垂直部361を係
合する。
建築構造や地域差により屋根の長さや勾配は千差万別
であるので、巴冠L,嵌合枠材47,棟巴摺動連結具P,鬼冠
Oは一体に組み合わされ、棟端部が構成され、それによ
り屋根の長さや勾配の変化に順応する。
棟端部の長さ調整は側端面基盤材Cの幅調整に合せ
て、棟巴摺動連結具Pに設けた長孔475と嵌合枠材47と
でプラス・マイナスして調整取付する。
第92a図,第92b図,第95図に示すように、標準取付の
ときは長孔475の中央に嵌合枠材47のボルト472が位置
し、第93a図,第93b図,第96図に示すように、マイナス
取付のときは長孔475の外側にボルト472が位置し、第94
a図,第94b図,第97図に示すように、プラス取付のとき
は長孔475の内側にボルト472が位置する。
したがって、屋根の側部における幅調整量によって側
端面基盤材Cの上部水平部360の幅が変化した場合は、
第92〜94図に示すように棟巴摺動連結具Pの長さを変え
るだけですみ、巴冠L,嵌合枠材47,鬼冠Oは幅調整量に
かかわらず、同一の部材を用いることができる。
また、屋根勾配の緩急の変化に対しては棟巴摺動連結
具Pの屋根勾配調整当接曲部478が第98図に示すよう
に、棟部側面部材Jの棟部材固定片433の接点Rを中心
とした円弧の一部として形成されているので、屋根勾配
が接点Rを中心として変化しても円弧の一点が側端面基
盤材Cの上部水平部360に適宜移動して接し、勾配に順
応して曲面機能を効果的に発揮して嵌合枠材47に対して
常に一定の高さを保持する。したがって、各部材は規格
品により屋根長さの変化と勾配の変化に対応することが
でき、しかも強固に、かつ、雨仕舞の完璧な構造に構成
される。
第99図は2寸勾配の屋根に対する棟端部部材の取付
を、第100図は4寸勾配の屋根に対する棟端部部材の取
付を、第101図は6寸勾配の屋根に対する棟端部部材の
取付を、また、第102図は8寸勾配の屋根に対する棟端
部部材の取付を各々示す。
発明の効果 以上述べたように、本発明の屋根棟の側部材は棟部側
面部材の換気孔と、棟防水板の排気孔とが相互にずれた
位置に形成されるので、雨水の直接の吹込みを防水する
ことができ、棟部側面部材が階段状に構成されているの
で、棟防水板と棟部側面部材の裏面との間に空気流通路
が形成され、熱の放出能力及び換気能力が高い。
しかも、上記空気流通路は棟防水板と棟部側面部材とを
直接重合するだけで自動的に形成されるため、両者の位
置決めおよび屋根下地への取り付けが簡単であると共
に、互いに補強し合って曲げに対する抵抗が大きく、棟
部側面部材の階段状の形状から、あたかも複数ののし瓦
と棟面戸とを交互に重合した瓦葺き棟のごとき重厚な印
象を与えることができ、デザイン的にも優れている。
また、棟部側面部材の換気孔は起立面に形成されてい
ると共に、すべての起立面の上方を側部張出面の張り出
した部分が覆っており、かつ換気孔が外方に向かって下
向きとなるので、起立面に直接雨水が吹き付けるのを防
ぐと共に換気孔からの雨水の侵入がより防止されるばか
りか、起立面の換気孔から侵入した少量の雨水も棟防水
板で遮断され、このため、棟内部まで雨水が侵入するこ
とがなく、部材の生産性,加工性,管理性,組立性等の
単純,簡略化が図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例を示す屋根の要部横断面図、 第2図は、屋根の部分縦断面図、 第3図は、接続部分における軒側断面図、 第4図は、側部幅調整量が小さい屋根の全体斜視図、 第5図は、側部幅調整量が大きい屋根の全体斜視図、 第6図は、同上の側端部分縦断面図、 第7図は、下部接続部材の固定時の断面図、 第8a図は、第7図の一部拡大断面図、 第8b図は、下部接続部材の全体断面図、 第8c図は、同上の接続ボルト植設部分断面図、 第9図は、下部接続部材と接続部材固定金具の分解時の
斜視図、 第10図は、同上の組立時の斜視図、 第11図は、下部接続部材の固定前の斜視図、 第12図は、同上の固定後の斜視図、 第13図は、下部接続部材,接続部材固定金具及び屋根下
地の分解斜視図、 第14a-1図は、膨脹時の取付けを示す下部接続部材の平
面図、 第14a-2図は、第14a-1図の縦断面図、 第14b-1図は、標準取付時の下部接続部材の平面図、 第14b-2図は、第14b-1図の縦断面図、 第14c-1図は、収縮時の取付を示す下部接続部材の平面
図、 第14c-2図は、第14c-1図の縦断面図、 第15図は、屋根下地の斜視図、 第16a〜g図は、半間間隔を基調として棧木を設けた屋
根下地の平面図、 第17a〜g図は、1/4間隔に棧木を設けた屋根下地の平面
図、 第18a-1図は、軒棟間隔の短い屋根に用いる下部接続部
材の固定時の平面図、 第18b-1図、第18c-1図,第18d-1図は、順次軒棟間隔の
長い屋根に用いる下部接続部材の固定時の平面図、 第18a-2図,第18b-2図,第18c-2図,第18d-2図は、各々
第18a-1図,第18b-1図,第18c-1図,第18d-1図の縦断面
図、 第19図は、上部接続部材及び接続部材カバーの横断面
図、 第20a図は、中間部接続部材の分解斜視図、 第20b図は、上部接続部材固定時の中間部接続部材の斜
視図、 第21a図は、防塵キャップ取付前の軒部分の斜視図、 第21b図は、防塵キャップ取付後の軒部分の斜視図、 第22a図は、側下部接続部材,側上部接続部材及び側部
接続カバーの断面図、 第22b図は、側部接続部材の分解斜視図、 第22c図は、側上部接続部材取付時の側部接続部材の斜
視図、 第23a図は、軒先金属屋根板の平面図、 第23b図は、同上の側面図、 第23c図は、同上の正面図、 第24a図は、中間金属屋根板の平面図、 第24b図は、同上の側面図、 第24c図は、同上の正面図、 第25a図は、棟金属屋根板の平面図、 第25b図は、同上の側面図、 第25c図は、同上の正面図、 第26図は、軒先金属屋根板及び中間金属屋根板の一部断
面図、 第27a図は、金属屋根板の敷設後の縦断面図、 第27b図は、第27a図の一部拡大断面図、 第28図は、金属屋根板の敷設過程を示す横断面図、 第29a図は、採光ガラス枠の分解斜視図、 第29b図は、採光ガラス枠の組立後の斜視図、 第30a図は、採光ガラス枠の横断面図、 第30b図は、同上の正面図、 第30c図は、同上の縦断面図、 第31a図は、下横棧の一部切断斜視図、 第31b図は、採光ガラス枠の要部斜視図、 第31c図は、縦棧及びガラス枠組付金具の一部拡大斜視
図、 第32図は、採光ガラス枠の一部切断斜視図、 第33a図は、棟部採光ガラス枠の横断面図、 第33b図は、同上の平面図、 第33c図は、同上の縦断面図、 第34a図は、採光ガラス枠の取付けの第1段階を示す縦
断面図、 第34b図は、同上の第2段階を示す縦断面図、 第34c図は、同上の最終段階を示す縦断面図、 第35図は、下横棧の斜視図、 第36図は、採光ガラス枠の梁間方向の接続を示す縦断面
図、 第37a図は、採光ガラス枠接続時の上部幅調整部の横断
面図、 第37b図は、採光ガラス枠接続時の中間部幅調整部の横
断面図、 第37c図は、金属屋根板接続時の下部幅調整部の横断面
図、 第37d図は、金属屋根板及び採光ガラス枠の桁行方向の
接続を示す横断面図、 第37e図は、野地幅と接続部材間隔の関係を示す屋根の
全体図、 第38a図は、接続部分における幅調整量がプラスの場合
の中間部接続部材部分の横断面図、 第38b図は、標準幅調整量の場合の中間部接続部材部分
の横断面図、 第38c図は、マイナス調整の場合の中間部接続部材部分
の横断面図、 第39a図は、軒先カバーの分解斜視図、 第39b図は、同上の組立時の斜視図、 第40a図は、屋根軒の中間部接続部材部分の平面図、 第40b図は、同上の平面図、 第40c図は、同上の縦断面図、 第41a図は、幅調整量マイナスの場合の軒部分の横断面
図、 第41b図は、標準幅調整量の軒部分の横断面図、 第41c図は、幅調整量がプラスの場合の軒部分の横断面
図、 第42a図は、屋根側部の横断面図、 第42b図は、屋根側部の軒部分の縦断面図、 第42c図は、屋根側部の棟部分の縦断面図、 第43図は、側端面部材の裏面斜視図、 第44図は、側端棟側部材の斜視図、 第45図は、側端面部材の表面斜視図、 第46a図は、側部における幅調整を必要としない場合の
屋根側部の横断面図、 第46b図は、側部における幅調整量がマイナスの場合の
屋根側部の横断面図、 第46c図は、側部における幅調整量がプラスの場合の屋
根側部の横断面図、 第47a〜c図は、野地幅と接続部材列数との関係を示す
屋根の全体図、 第48a図は、側部におけるOの場合の屋根側部の横断面
図、 第48b,c,d,e図は、各々幅調整量が次第に増加した場合
の屋根側部の横断面図、 第49図は、側端面カバー取付前の側端面部材の斜視図、 第50図は、側端面基盤材の横断面図、 第51図は、側端面基盤材取付前の屋根側部の斜視図、 第52図は、側端面基盤材取付後の屋根側部の横断面図、 第53図は、第52図の一部拡大図、 第54図は、側端面基盤材取付後の屋根側部の斜視図、 第55a図は、標準時の側端面基盤材の横断面図、 第55b図は、同上の側面図、 第55c図は、同上の縦断面図、 第55d図は、収縮時の側端面基盤材の横断面図、 第55e図は、同上の側面図、 第55f図は、同上の縦断面図、 第55g図は、膨脹時の側端面基盤材の横断面図、 第55h図は、同上の側面図、 第55i図は、同上の縦断面図、 第56図は、側部下隅装飾カバー取付前の側端面基盤材の
斜視図、 第57図は、側部下隅装飾カバー取付後の側端面基盤材の
斜視図、 第58図は、側端面カバー取付前の屋根側部の斜視図、 第59図は、側端面押え板取付時の屋根側部の斜視図、 第60図は、屋根側部の斜視図、 第61図は、棟部材固定部分の横断面図、 第62図は、同上の平面図、 第63図は、同上の縦断面図、 第64図は、棟取付部材装着前の棟部材固定部分の斜視
図、 第65図は、棟取付部材装着後の棟部材固定部分の斜視
図、 第66a図は、棟取付部材装着の第1段階を示す棟部分の
横断面図、 第66b図は、棟取付部材装着の第2段階を示す棟部分の
横断面図、 第66c図は、棟取付部材装着の第3段階を示す棟部分の
横断面図、 第66d図は、棟取付部材装着の最終段階を示す棟部分の
横断面図、 第67a図は、標準取付を示す棟固定部分の横断面図、 第67b〜f図は、各々調整取付を示す棟固定部分の横断
面図、 第68図は、棟の横断面図、 第69図は、棟防水板の側面図、 第70図は、棟部側面部材の側面図、 第71図は、棟部側面部材と棟防水板との組立時の横断面
図、 第72図は、棟冠装着時の棟部側面部材の斜視図、 第73図は、棟防水板の斜視図、 第74図は、棟防水板取付後の棟部側面部材の斜視図、 第75図は、棟冠連結部材の斜視図、 第76図は、棟冠連結部材と棟側面連結部材との組立時の
斜視図、 第77図は、棟部の連結前の斜視図、 第78図は、同上の連結後の斜視図、 第79図は、巴冠の表面斜視図、 第80図は、同上の裏面斜視図、 第81図は、巴冠取付後の棟端部の斜視図、 第82図は、同上の縦断面図、 第83図は、同上の横断面図、 第84図は、他の巴冠による棟端部の斜視図、 第85図は、さらに他の巴冠による棟端部の斜視図、 第86図は、第85図における巴冠の裏面斜視図、 第87図は、同上の表面斜視図、 第88図は、嵌合枠材の斜視図、 第89図は、鬼冠及び棟巴摺動連結具の斜視図、 第90図は、第85図の横断面図、 第91図は、同上の縦断面図、 第92a図は、標準取付時の屋根棟端部の縦断面図、 第92b図は、同上の平面図、 第93a図は、マイナス取付時の屋根棟端部の縦断面図、 第93b図は、同上の平面図、 第94a図は、プラス取付時の屋根棟端部の縦断面図、 第94b図は、同上の平面図、 第95図は、第92a図の斜視図、 第96図は、第93a図の斜視図、 第97図は、第94a図の斜視図、 第98図は、各屋根勾配に対する棟端部部材の取付を示す
棟端部の横断面図、 第99図は、2寸勾配屋根の棟端部の横断面図、 第100図は、4寸勾配屋根の棟端部の横断面図、 第101図は、6寸勾配屋根の棟端部の横断面図、 第102図は、8寸勾配屋根の棟端部の横断面図である。 A……中間部接続部材、A′……側部接続部材、B……
採光ガラス枠、B1……軒先部採光ガラス枠、B2……中間
部採光ガラス枠、B3……棟部採光ガラス枠、C……側端
面基盤材、D……中間部接続部材カバー、D′……側部
接続部材カバー、E……防塵キッャプ、F……側部下隅
装飾カバー、G……軒先カバー、H……軒先部吸気孔、
I……棟冠、J……棟部側面部材、K……散水管、L…
…巴冠、M……棟冠連結部材、N……棟取付部材、O…
…鬼冠、P……棟巴摺動連結具、Q……洗浄装置、R…
…接点、1……垂木、2……野地板、3……防水紙、4
……棧木、5……金属屋根板、6……側端面カバー、7
……断熱材、8……屋根板、9……棟端面部材、10……
面戸板、11……棟側面連結部材、12……棟防水板、121
……裏面屈曲部、122……排気孔、13……下部接続部
材、14……上部接続部材、15……接続部材固定金具、17
……軒先嵌合板、13′……側下部接続部材、14′……側
上部接続部材、21……縦棧、22……上横棧、23……下横
棧、24……ガラス、25……採光ガラス枠固定具、26……
ガラス枠組付金具、28……軒下方敷設板、31……防虫
板、32……水返防水壁、35……破風板、36……基盤材固
定金具、38……側端軒部材、39……側端棟側部材、42…
…連結具部材、43……階段状本体、430……側部張出
面、431……起立面、432……折曲固定部、433……棟部
材固定片、434……庇、435……換気孔、436……棟防水
板支持溝、437……ボルト孔、440……棟天面、441……
傾斜庇、442……折曲載置翼片、443……ボルト孔、45…
…防水重合板、47……嵌合枠材、478……屋根勾配調整
当接曲部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】断面において、複数の起立面と側部張出面
    とを交互に階段状に連設すると共に、前記各側部張出面
    の先端をその下方の起立面より外方に張り出し、前記起
    立面に換気孔を形成して成る棟部側面部材の裏面に、前
    記起立面の換気孔とずれた位置に排気孔を形成した略平
    板状の棟防水板を直接重合したことを特徴とする屋根棟
    側部材。
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