JP2530791Y2 - 泡状液体絞り出し容器 - Google Patents

泡状液体絞り出し容器

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    • B05B7/0025Spraying apparatus for discharge of liquids or other fluent materials from two or more sources, e.g. of liquid and air, of powder and gas with devices for making foam with a compressed gas supply
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、泡状液体絞り出し容器
に関するものであり、より詳しくは、倒立状態での使用
時に液垂れを生じることなく、簡単な操作で、均一でか
つ微細な泡状液体を放出するための泡状液体絞り出し容
器に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス戸や、浴室の壁面などをみがくた
めの液体洗剤などを収納する容器は、使用時において垂
直な壁面に液体のままで吹きつけると、流れ落ちるため
に、効率的のその目的を果たすことができないというい
欠点があり、液体を泡状にして放出するための容器が提
案されてきたことは良く知られている。たとえば、特公
昭60−20262号公報には、逆止的空気流入通路と
泡の発生流路を別に設けた泡状液体発生絞り出し容器に
おいて、流出パイプを保持するパイプジョイント孔開孔
面積と流入溝横断面積との比を特定なものとし、かつ、
泡の発生流路に設けた多孔体の空気孔の平均的大きさを
特定のものにすることにより、発泡状態の良好な泡状液
体を噴出させる方法が開示されている。また、実公昭6
3−13810号公報には、同様に泡状液体絞り出し容
器において、発泡手段として、上流側に多孔板を設け、
下流側に網または不織布を間隔を隔てて配置したものが
開示されている。
【0003】一方、泡状液体絞り出し容器において、放
出する泡状液体をさらに微細化するために、容器開口先
端に目の細かい網を張ったものが知られており、実開昭
57−147602号公報記載のものは、筒状のキャッ
プ内に多孔性筒状体を内設し、容器の胴部を圧搾する
と、この多孔性の筒状体内に空気と液体が送り込まれ、
混合されて押し出される際に泡状化し、容器先端の網で
さらに微細化された泡状体となるように構成した点に特
徴を有するものであり、実開昭57−149802号公
報には、同様に、筒状のキャップ内に多孔性筒状体を内
設し、その中央部先端を開口状態にし、該開口部に下方
からの液体の通過を妨げ、外部からの空気を吸気する弁
体を設けた構成が記載されており、容器の胴部を圧搾す
ると、この多孔性の筒状体内に空気と液体が送り込ま
れ、混合されて押し出される際に泡状化し、容器先端の
網でさらに微細化された泡状体となる容器が開示されて
いる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】前記第1番目の発明
は、発泡状態の良好な泡状液体を噴出させることができ
るという特徴があるものの、そのためにパイプジョイン
ト孔開孔面積と流入溝横断面積との比と、泡の発生流路
に設けた多孔体の空気孔の平均的大きさを特定のものに
するという、設計段階での精密さが要求されるし、液体
が多孔体を通過することによって泡状になるように設計
されているために、次第に多孔体が目詰まりを起こしや
すくなるという問題点がある。また、第2番目の考案
は、発泡操作と、スクイズ状態解放時の吸気操作が、同
一の通孔によってなされるために、容器本体の圧縮・開
放の操作が迅速に行うことができず、泡状液体の噴射を
スムースに行うことができないという問題点がある。そ
してこれらの泡状液体絞り出し容器においては、正立状
態での使用においては泡状液体を放出するものの、倒立
状態での使用においては、しばしば液垂れが起こり、泡
状液体絞り出し容器としての本来の機能を十分に発揮で
きないという欠点がある。
【0005】さらに、第3および第4番目の考案は、い
ずれも、最初の泡化操作を多孔性筒状体内での液体と空
気の混合によって行い、さらに先端部の網によって泡状
体を微細化するものであるため、泡状体の微細化という
点では優れたものであるが、泡状体放出後の外部からの
空気を容器内に吸入する場合には、第3番目の考案にお
いては、該空気は多孔性筒状体の目の粗い部分を進入
し、また、第4番目の考案においては、多孔性筒状体の
先端部に設けられた弁体を進入して、いずれの場合も、
容器中央部に設けられたパイプ内を通って所定のエアー
スペースにたどり着くことになる。つまり、外部からの
空気は、一旦容器内の液体の中を通過した後にエアース
ペースにたどり着くことになるために、その時点で、液
体の泡化が起こってしまい、エアースペースに十分な量
の空気が送り込まれなかったり、前記多孔性筒状体がし
だいに目づまりを起こし、吸気操作にかなりの時間がか
かってしまい、このような容器では、何度も反復して泡
状液体を放出する容器には著しく不向きであり、せいぜ
い、1ないし2回程度の泡状体の放出で目的が達成され
るシェービングクリーム用の泡出し容器などにしか使用
することができない。
【0006】本出願人は、従来の泡状液体絞り出し容器
におけるこれらの問題を解決するために、長年に亘る研
究を続けてきたが、前記技術的問題解決の手段として、
容器胴部を押圧した時の泡化操作と、押圧を解除した時
の吸気操作を、それぞれ別々の流体流通機構で行うこと
を基本的な技術思想とし、泡化操作を2枚のスクリーン
を使用した流体流通機構においておこない、吸気操作
を、それとは別個の独立したチェックバルブ機構におい
て行うように構成した考案を完成させ、実願平3−87
879号、および実願平3−87880号として実用新
案登録出願をしている。その後、さらに、前記研究を継
続する過程で、度重なる実験の結果として、倒立状態で
の使用においても液垂れを生じることがなく、しかも、
泡状液体の生成を一層きめ細かくクリーミーなものにす
るための容器の構造を完成させ本考案に及んだものであ
る。
【0007】
【考案の目的】そこで、本考案の目的は、倒立状態での
使用においても液垂れを生じることがなく、しかも、簡
単な操作で、均一で極めてクリーミーな微細な泡状液体
を放出するための泡状液体絞り出し容器を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は、前記目的を達
成するために提案されたものであって、泡状液体を形成
させるスクリーン部の近辺に、容器胴部を押圧していな
い時には、泡状液体放出用の開口を閉塞し、容器胴部を
押圧した時には、スムースな液体の通過を可能にしたバ
ルブ機構を有する液垂れ防止弁を設けることにより、倒
立状態での使用に際しても、液垂れを生じることがな
く、さらに、液体の泡化操作と、外気の吸気操作をそれ
ぞれ独立した別々の流体流通機構で行なうとともに、外
キャップの泡状液体放出用の開口部内面に、内方に位置
する開口部全面に網目状のスクリーンを配置した管状部
材(以下、本明細書ではこれを単に「アダプター」と呼
ぶことがある)を嵌挿した場合には、極めてクリーミー
な泡状液体を放出することができるという特徴を有する
ものである。
【0009】すなわち、本考案によれば、外圧によって
変形可能な容器本体に、外キャップと内キャップからな
るツイストキャップが螺着された泡状液体絞り出し容器
において、該内キャップは、下方に延びる周壁内面に形
成された螺合部を介して容器本体の首部と螺合されてお
り、内キャップ内面の略中央部と該中央部に隣接した位
置に互いに独立した2個の流体流通機構が形成されてお
り、内キャップ内の略中央部に位置する流体流通機構に
は、開口部全面に網目状のスクリーンを配置した管状部
材の内面に、管状部材と一体に成形された複数のスプリ
ング機構によって連結されたバルブを有する液垂れ防止
弁が嵌挿されており、該バルブは、管状部材の下方から
嵌挿されるパイプジョイントの上方開口を、通常状態に
おいて面接触によって閉鎖するように配置され、他方の
流体流通機構は、内部に上下動自在に構成されたボール
を有する管状部材であって、上方の開口は該ボールと面
接触し、下方の開口は該ボールと点接触するチェックバ
ルブ機構として設けられており、一方、外キャップの先
端開口部内面には、内方に位置する開口部全面に網目状
のスクリーンを配置した管状部材を嵌挿したことを特徴
とする泡状液体絞り出し容器が提供される。
【0010】本考案の重要な技術的特徴は、泡状液体絞
り出し容器において、前記特有の構造を有する内キャッ
プを設けた点にあり、さらに、その外キャップの先端部
内面に、前記アダプターを嵌挿することにより、倒立状
態での使用に際して液垂れを生じることがないという効
果に加えて、一層きめの細かい、クリーミーな泡状液体
の放出が可能となる。
【0011】本考案の泡状液体絞り出し容器の好適な一
例を断面図で示す図1において、図面の中心線より右半
分は、外キャップを開放にした時の状態を示し、左半分
は、ツィストキャップが閉鎖になった状態を示すもので
ある。図1において、1は外キャップ、2は内キャップ
であり、この2つのキャップが組み合わされてツィスト
キャップを構成している。3は内キャップの管状部に内
挿される中央部分が狭小な開口36を有し、先端部に網
目状のスクリーンを配置した管状部材からなるパイプジ
ョイントを示す。
【0012】本考案の最大の技術的特徴は、内キャップ
の略中央部に位置する流体流通機構が、開口部全面に合
成繊維や金属製などの網状体からなるスクリーン31を
配置した管状部材32の内面に、管状部材と一体に成形
された複数のスプリング機構33によって連結されたバ
ルブ34を有する液垂れ防止弁を嵌挿した点にある。該
バルブは、一体成形によって連結されている複数のスプ
リング機構33によって付勢され、管状部材の下方から
嵌挿されるパイプジョイントの上方開口36を、通常状
態において面接触によって閉鎖するように配置されてい
る。このバルブは、容器胴体を押圧した場合にのみパイ
プ44内を通ってかけられる液圧によって押し上げられ
(倒立状態で使用される場合には押し下げられる)、液
体の流通を可能にする。
【0013】前記スプリング機構は、たとえば、図3に
示すように、管状部材32の上部壁面から左右いずれか
の方向に回転しながら伸びる棒状、あるいはそれに類し
た構成をしており、バルブの上部平面に連接されてい
る。このスプリングは、1本ではバルブが受ける液圧に
対して十分な弾性を保持することができないため、2本
以上、好ましくは3本のスプリングによって保持されて
いることが好ましい。したがって、従来の泡状液体絞り
出し容器において、倒立状態での使用時に液垂れの原因
となっていたパイプ内に残留する液体あるいは容器内か
らの液体は、該バルブによってキャップの開口方向への
流出が妨げられるため、液垂れ状態は完全に防止される
ことになる。
【0014】内キャップは、下方に延びる周壁内面に形
成された螺合部23を介して容器本体の首部41と螺合
されており、前記液垂れ防止弁を有する流体流通機構の
上方に位置する内キャップの略中央開口部24には、先
端25を閉鎖し、それよりやや下方に位置する部分に放
射状に複数の開口26が形成されている。前記液垂れ防
止弁として構成される管状部材32は、前記開口部24
の下方に連なる管状部21内に形成された顎部28に当
接して密着状態で係止され、その下方はパイプ44を嵌
挿するための開口を有するパイプジョイント3として構
成される。前記スクリーン31は、管状部材32に溶着
状態で貼設してもよいが、単に管状部材に接触状態で配
置するだけでも、パイプジョイントの押圧力で固定さ
れ、十分にその目的を達成し得るものである。
【0015】さらに、本考案者の知見によれば、外キャ
ップの先端部内面に、容器の内方に位置する開口部全面
に前記アダプター15を嵌挿することにより、容器胴部
を押圧した時のチェックバルブ機構のシール効果が一層
優れたものとなり、チェックバルブ機構からの空気の漏
洩はなく、内部からの空気は、ツィストキャップ内の網
目状のスクリーン31へ集中するために、第1段階の泡
化が好適に行われ、さらに、アダプター部のスクリーン
14で微細な泡化が行われ、全体としてクリーミーな泡
状液体の放出ができるようになることが判明した。
【0016】さらにまた、本考案によれば、前記アダプ
ターの開口先端の形状を小孔のものにすることにより、
泡状液体を飛ばすことが可能になり、塗布面に近付けな
いような場所や、狭い溝状の場所にも噴射することが可
能になるし、開口形状を横長のものにすることにより幅
広い面に塗布することができるなど、塗布対象物の状態
や形状に応じて任意の開口形状を設定することができ
る。
【0017】本考案におけるこのような特徴は、ツィス
トキャップ、とくに内キャップ内に前記液垂れ防止弁を
構成した特有の構造と、前記アダプターが組み合わさっ
たことによって初めて得られるもので、倒立状態での使
用においても液垂れを生じることなく、微細な泡体を、
任意の塗布面に、任意の状態で噴射することができると
いう機能は、卓越した効果として認識されるであろう。
【0018】図2は、パイプジョイントの底面図を示し
たもので、パイプジョイントの内壁周囲にはパイプが当
接する顎部37まで少なくとも一本の連続した縦溝35
が刻設されており、この縦溝に外接して液体供給用のパ
イプ44が挿入されており、このパイプは、容器本体の
底辺まで達している。また、パイプジョイントの内壁周
囲には、任意の箇所にパイプ44の保持を一層確実なも
のにするために突部38を設けることができる。また、
前記管状部の壁面27を介して、前記管状部と周壁22
との間に位置する部分には、チェックバルブ機構51が
形成されている。チェックバルブ機構は、内部にステン
レス製のボール52を有し、このボールは上下動自在に
配置されており、内部から流体によって押し上げられる
と上部の開口54とボールは面で接触する構成になって
おり、これによって開口54を閉鎖し、その圧力が解除
されるとボールは自重で下方に移動し支持片53によっ
て点接触によって支持され、支持片53とボール52の
間には空隙55が生じる。(チェックバルブ機構の底面
図を示す図4参照)
【0019】次に、前記ツィストキャップを用いて、容
器内に収容されている液体が泡状化する機構について説
明する。外キャップ1は、先端に開口11を有し、その
開口の内面には、容器の内方に位置する開口部全面に網
目状のスクリーン14を配置した管状部材(アダプタ
ー)15が嵌挿される。アダプターは、容器の内方に位
置する開口面に網目状のスクリーンが全面にわたって配
置されていれば良く、その形状は任意に構成し得るもの
であるが、図1に示した例では、開口部16を比較的大
きめに形成し、容器の内方に位置するアダプターの開口
部全面にスクリーンが接着によって貼設されている。ス
クリーンは必ずしも貼設されている必要はなく、たとえ
ば、図5に示すように、容器の開口部11内に顎部17
を形成し、スクリーン14をアダプターと顎部とではさ
み込む状態で配置してもよい。
【0020】いずれにしても、アダプターと容器開口部
の嵌挿は気密状態で行われることが好ましいのは言うま
でもない。アダプターの開口部16は、任意の大きさや
形状に構成することができ、たとえば、図1の例では、
外キャップの内径よりもやや小さい径の孔として形成さ
れているが、図5に示すように、この開口をさらに小さ
くすることにより、泡状液体を飛ばすことが可能にな
り、たとえば、塗布面に近付けないような場所や、狭い
溝状の場所にも噴射することが可能になるし、開口形状
を横長のものにした場合には、幅広い面に塗布すること
ができるなど、塗布対象物の状態や形状に応じて任意の
開口形状を設定することができる。
【0021】外キャップ開口部のアダプターの下方に
は、内キャップの管状部の先端部25とキャップ閉鎖時
に気密に嵌合するための環状の隔壁12が下向きに形成
されている。外キャップ先端の開口の形状は、特に限定
されるわけではないが、泡状液体を壁面に好適に放出す
るために、たとえば、図1に示されるように斜め上方に
開口して形成することが好ましい。また、外キャップの
全体形状も、泡状液体をスムースに放出し得るものであ
れば良く、たとえば、全体としてドーム型の形状などに
形成されることが容器のデザイン感覚として好ましい。
【0022】容器本体は、胴部を押圧して容器をいった
ん変形せしめ、押圧を解除した場合に速やかに元の形状
に回復するような材質で構成されているものでなければ
ならず、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、およびこ
れらの積層体などの熱可塑性樹脂によって成形されたも
のが好適に使用され、壁面は透明のものでも不透明のも
のでも良いが、内容量をある程度目視できるようにする
ためには、着色または無着色で、透明ないし半透明のも
のが好ましい。また、キャップを構成する素材は、容器
本体との係合、ならびに内キャップ、外キャップの係合
を気密的に構成されることが必要であり、さらに液垂れ
防止弁のスプリング機構は適度の弾性を必要とすること
から、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの
熱可塑性樹脂が好適に使用される。
【0023】図6に、本考案の泡状液体絞り出し容器に
液体を収納した状態を示している。容器本体内部には、
液体42を充満させることなく、容器上方に、たとえ
ば、容器全体の約1/4ないし1/5程度の空気のスペ
ース43を設けておくことが必要である。使用に際して
は、容器本体4の壁面を押圧(矢印)してやることによ
って、液体42はパイプ44を通して液垂れ防止弁のバ
ルブ34を押しあげて内キャップ内のスクリーン31下
方まで押し上げられる。一方、容器上方にある空気は、
パイプ44とパイプジョイント3の間に形成されている
縦溝34の空隙を通って、やはり内キャップ内のスクリ
ーン下方まで到達し、前記液体と混合して泡化を開始す
る。さらに、容器壁面の押圧を続けることによって、混
合された液体と空気は、スクリーン部分を通過すること
によって、より一層微細な泡状液体となって、管状部2
4の開口26を経て外キャップの開口内面に嵌挿された
アダプター15のスクリーン14でさらに微細に泡化さ
れ、アダプターの開口16から放出される。
【0024】次に、容器本体の押圧状態を解除すると、
容器本体内は負圧になり、空気は開口16からスクリー
ン14を通過して容器内に進入する。この際、管状部の
開口26からスクリーン31を経てパイプ44に通じる
開口36は、液垂れ防止弁のバルブ34で閉鎖されてお
り、しかも、外キャップの開口11に連通するチェック
バルブ機構は、ボール52が支持部53によって支持さ
れて、ボールと支持部の間に空隙が形成されている状態
であるから、外部からの空気は、チェックバルブ機構の
空隙55を通って容器本体内に速やかに進入することに
なる。
【0025】つまり、本考案の泡状液体絞り出し容器に
よれば、泡状液体の生成と、外からの空気の吸入を、別
々の機構で司どることになるため、容器の壁面の押圧・
解除の操作は極めてスピーディになり、しかも、液体と
空気の混合は常に一定の割合で行われ、内キャップ内に
配置された少なくとも1枚のスクリーンと外キャップに
配置された1枚のスクリーンを通過することによって、
均一で、微細でクリーミーな泡状液体が簡単な操作で素
早く放出されることになる。
【0026】以上は、正立状態での使用方法について説
明したが、本発明の泡状液体絞り出し容器は、倒立状態
で使用した場合に、液垂れを起こすことなく、その性能
を遺憾なく発揮できるものであることは、前述したとお
りである。すなわち、従来の泡状液体絞り出し容器にお
いては、最初に泡状液体を形成する部分に泡化されない
で残留した液体や、容器内部からの液体が容器を倒立し
た時に、しばしば液垂れ現象として、キャップ開口から
漏れ出し、泡状液体絞り出し容器本来の機能を十分に発
揮できなくなるが、本考案の泡状液体絞り出し容器を倒
立状態で使用する場合には、パイプ44内を通ってくる
液体は、パイプジョイントの上方開口36を面接触状態
で閉鎖している液垂れ防止弁のバルブ34によって流出
を完全に止められているので、液垂れ現象が起きること
がない。したがって、正立状態でも、倒立状態でも、容
器本体内の液体および空気の流通経路は本質的に同じで
あるが、本考案の泡状液体絞り出し容器は、倒立状態で
使用した場合にも、液垂れ現象をまったく起こさないと
いう優れた特徴があることが理解されるであろう。
【0027】さらに、本考案のツィストキャップの他の
実施例を図1、および図7ないし図10にしたがって説
明する。この実施例によれば、図1、図7、図8および
図10に示されるように、内キャップの隔壁29上には
音出しボス61が突設され、この音出しボスの近くに
は、中央管状部壁面27から周壁22に向かって拡開し
た形で突き出している、ツィストキャップの開閉状態を
規制するストッパー62a,62bを形成し、外キャッ
プの内面には、前記音出しボス61の先端が乗り越えら
れる平面コの字状の隔壁を持つストッパー63が下向き
に形成されており、このストッパー63は、音出しボス
が第2の隔壁65を越えて反対側の第1の隔壁64をた
たき音を出すと同時に、第2の隔壁65とストッパー6
2が面接触状態で係止するように構成されている。
【0028】すなわち、内キャップのストッパー62a
は、外キャップを回動して開放状態にした場合の開口1
6が、常に使用しやすい場所に来るように設定するため
のものであり、容器本体がたとえば扁平状に形成されて
いる場合などに特に重要な意味を持つもので、ストッパ
ー62aと、外キャップのストッパーの第2隔壁65が
当接した状態(図10参照)がその好適な開放状態を意
味する。
【0029】また、内キャップのもうひとつのストッパ
ー62bは、外キャップを閉鎖する場合にネジ嵌合がオ
ーバーランしたり、次の使用時に外キャップを回動して
開放しようとした場合に、締め過ぎていて、それを強い
力で開けようとして内キャップと外キャップのネジ嵌合
がはずれてしまうのを防止するために設けられるもので
あり、外キャップのストッパーの第1隔壁64が当接し
て締め過ぎを防止することになる。前記ストッパー62
a,および62bは必ずしも別々に形成される必要はな
く、ストッパー62a,62bを合体した扇形形状のも
のとして形成してもよい。
【0030】音出しボスの形状は、内キャップの隔壁2
9上に先端が反発弾性を持った棒状体として形成される
ものであるが、ツィストキャップの度重なる作動によっ
ても形状の変形を来すことなく、かつ、適度の反発弾性
を持たせるために、図7および図9に示すように、裾野
を回動方向に広げた状態で設けることが好ましい。した
がって、この実施例によれば、ツィストキャップの開放
状態および閉鎖状態が音出しボスのカチッという音で容
易に確認することができるという特徴がある。
【0031】
【考案の効果】本考案によれば、外圧によって変形可能
な容器本体に、外キャップと内キャップからなるツイス
トキャップが螺着された泡状液体絞り出し容器におい
て、内キャップの泡状液体発生機構の下方に位置する部
分に、液垂れ防止弁を形成することにより、倒立状態で
の使用に際しても、容器内部からの液体が液垂れ現象と
して外部に漏出することがなく、しかも、外キャップの
開口内面に形成したアダプターのスクリーンが泡状液体
をより一層微細にすると共に、アダプターの開口形状
を、たとえば小孔のものに形成した場合には発生した泡
状液体を飛ばすことができるようになり、容器が接近で
きない場所や溝状の対象物に泡状液体を好適に放出する
ことが可能になるという効果を達成することができるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の泡状液体絞り出し容器のツィストキャ
ップの一実施例を示す縦断面図である。
【図2】本考案の泡状液体絞り出し容器のツィストキャ
ップに付設されるパイプジョイントの底面図である。
【図3】本考案の泡状液体絞り出し容器のツィストキャ
ップに付設される液垂れ防止弁の上面図である。
【図4】本考案の泡状液体絞り出し容器のツィストキャ
ップにおけるチェックバルブ機構の底面図である。
【図5】本考案のアダプターの嵌挿状態の一例を示す断
面図である。
【図6】本考案の泡状液体絞り出し容器に液体を収容し
た状態の縦断面図で有る。
【図7】本考案のツィストキャップの一実施例における
内キャップの音出しボスの構造を示す部分平面図であ
る。
【図8】同じく外キャップのストッパーの構造を示す平
面図である。
【図9】同じく音出しボスの縦断面図である。
【図10】同じく外キャップと内キャップを係合した状
態を示す上断面図である。
【符合の説明】
1 外キャップ 2 内キャップ 3 パイプジョイント 4 容器本体 11 外キャップ開口 12 環状リング 13 外キャップ螺合部 14 スクリーン 17 外キャップアダプター装着用顎部 21 パイプジョイント挿着用管状部 22 内キャップ周壁 23 内キャップの容器本体との螺合部 24 中央開口部 25 内キャップ先端部 26 内キャップ泡状液体放出用開口 27 管状部壁面 28 顎部 29 内キャップ隔壁 31 スクリーン 32 管状部材 33 スプリング機構 34 バルブ 35 パイプジョイントの縦溝 36 パイプジョイントの上方開口 41 容器本体の首部 42 液体 43 空気スペース 44 パイプ 51 チェックバルブ機構 52 ボール 53 支持片 54 チェックバルブ機構の開口 61 音出しボス 62a,62b 第1ストッパー 63 第2ストッパー 64 第1隔壁 65 第2隔壁

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外圧によって変形可能な容器本体に、外
    キャップと内キャップからなるツイストキャップが螺着
    された泡状液体絞り出し容器において、該内キャップ
    は、下方に延びる周壁内面に形成された螺合部を介して
    容器本体の首部と螺合されており、内キャップ内面の略
    中央部と該中央部に隣接した位置に互いに独立した2個
    の流体流通機構が形成されており、内キャップ内の略中
    央部に位置する流体流通機構には、開口部全面に網目状
    のスクリーンを配置した管状部材の内面に、管状部材と
    一体に成形された複数のスプリング機構によって連結さ
    れたバルブを有する液垂れ防止弁が嵌挿されており、該
    バルブは、管状部材の下方から嵌挿されるパイプジョイ
    ントの上方開口を、通常状態において面接触によって閉
    鎖するように配置され、他方の流体流通機構は、内部に
    上下動自在に構成されたボールを有する管状部材であっ
    て、上方の開口は該ボールと面接触し、下方の開口は該
    ボールと点接触するチェックバルブ機構として設けられ
    ており、一方、外キャップの先端開口部内面には、内方
    に位置する開口部全面に網目状のスクリーンを配置した
    管状部材を嵌挿したことを特徴とする泡状液体絞り出し
    容器。
  2. 【請求項2】 前記ツィストキャップが、内キャップ隔
    壁上に突設した音出しボスを有すると共に、該音出しボ
    スの近辺には、中央管状部壁面から周壁に向かって突き
    出している第1ストッパーを形成し、外キャップの内面
    には前記音出しボスの先端が隔壁を越えた状態で前記第
    1ストッパーと接触状態で係止する平面コの字状の第2
    ストッパーを形成したものである請求項1記載の泡状液
    体絞り出し容器。
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