以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態にかかるスクイズフォーマー容器1は、容器本体10を備えている。容器本体10は、円筒状の口部10aと、この口部10aに連なる胴部10bとを備えたボトル形状に形成されている。
また、容器本体10は、内容液Lを収容する内層体11と、この内層体11を内側に収容する外層体12とを有する二重容器に構成されている。本実施の形態においては、容器本体10は、積層構造のパリソンを押出ブロー成形(EBM:Extrusion Blow Molding)することにより、外層体12の内側に内層体11が剥離可能に積層された積層剥離容器に構成されている。
なお、容器本体10は、積層構造のプリフォームを二軸延伸ブロー成形して積層剥離容器に形成されたものとしてもよい。また、容器本体10は、内層体11と外層体12とを有する二重容器に構成されていれば、積層剥離容器に限らず、例えば外層体12の内側に内層体11を組み込んだ構成のものとしてもよい。また、外層体12と内層体11との相互間に、容器本体10の中心軸線方向に延在する帯状の接着層が設けられていてもよい。
内層体11は、例えば合成樹脂材料により薄肉の袋状に形成されて減容変形自在となっており、その内部に内容液Lを収容することができるようになっている。内層体11の上端部は容器本体10の口部10aにおいて開口し、内層体11の下端部は積層構造のパリソンを押出ブロー成形する際に金型に食い切られることで閉塞されている。
外層体12は、例えば合成樹脂材料により所定の剛性を有するボトル形状に形成され、容器本体10の外郭を構成している。外層体12の胴部10bに対応する部分はスクイズ(押圧)可能であるとともに元の形状への復元性を有している。外層体12を形成する合成樹脂材料としては、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)やポリプロピレン(ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー)などが使用できる。
外層体12の口部10aに対応する部分には、当該外層体12を貫通して内層体11と外層体12との間に連通する空気孔13が設けられている。空気孔13は、孔抜きパンチやドリル等を用いた加工により断面円形に形成されている。なお、容器本体10には、空気孔13は1つのみ設けられている。
内層体11と外層体12の間には空気室14が設けられている。空気室14は空気孔13に連通しており、空気室14にはスクイズフォーマー容器1の使用開始時において空気孔13を通して予め空気が充填されている。例えば、前述したブロー成形により容器本体10を積層剥離容器に形成した場合では、内層体11を外層体12から剥離し易くすることを目的として、空気孔13から空気を吹き込んだり口部10aから空気を吸い出すことで内層体11を外層体12から全剥離させた後、口部10aから内層体11の内部に空気を吹き込んだり内容液Lを充填したりして内層体11を元の形状まで戻す初期剥離処理を行うことが一般的である。この初期剥離処理において、内層体11の復元を途中で停止することで、内層体11と外層体12との間に空気が充填された空気室14を構成することができる。
図2に示すように、口部10aの外周面には雄ねじ部15が一体に形成されている。また、雄ねじ部15には、この雄ねじ部15を縦方向に切断するスリット16が設けられている。スリット16は、口部10aの空気孔13に対応する周方向位置に、空気孔13の直径よりも僅かに大きい所定の周方向幅で設けられている。
容器本体10の口部10aには中栓部材20が装着されている。例えば合成樹脂製とされる中栓部材20は、下側半体21と上側半体22とを上下に組み合わせるとともにアンダーカット係合により互いを固定した構成となっており、下側半体21の下面に一体に設けられた円筒状の嵌合筒部21aが口部10aの内周面に液密に嵌合することで口部10aに装着されて口部10aの開口を覆っている。中栓部材20の中心(軸心)には注出孔23が設けられており、内層体11の内部に収容されている内容液Lは、この注出孔23を通って外部に向けて注出されるようになっている。
容器本体10の口部10aには、口部10aと中栓部材20とを覆うキャップ30が装着されている。例えば合成樹脂製とされるキャップ30は、円筒状の装着筒部31と、この装着筒部31の下端に一体に連なるスカート部32と、装着筒部31の上端に一体に連なる天壁部33とを有し、装着筒部31の内周面に設けられた雌ねじ部34が口部10aの雄ねじ部15にねじ結合することにより口部10aにねじ止め固定されている。
スカート部32は、下端部分における内周面は容器本体10の口部10aの根元部分に設けられた封止凸部17の外周面に気密に当接している。これにより、口部10aの外側、すなわち口部10aとキャップ30との間に空気流路P1が区画形成されている。空気流路P1は、空気孔13を介して空気室14に連通している。
キャップ30の天壁部33にはノズル39が一体に設けられている。ノズル39は円筒状に形成されて天壁部33から上方に向けて突出しており、その内側は吐出流路P2となっている。吐出流路P2は、中栓部材20の注出孔23に連通しており、注出孔23から注出された内容液Lは吐出流路P2を通ってノズル39から外部に向けて吐出される。
ノズル39には、図2等に示すように、ノズル開孔39aを上方から覆う蓋体40が装着されている。蓋体40は、ノズル39の外側に嵌め込まれて該ノズル39の外周面に摺接する側壁41aと側壁41aの上端に連なる天壁41bとを有している。
中栓部材20の上側半体22の上面とキャップ30の天壁部33の下面との間には、注出孔23や吐出流路P2と同軸に円筒状の連結筒部42が装着されている。連結筒部42は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、又はゴム、エラストマー等の弾性体で形成されたものとすることができる。図示する場合では、連結筒部42は、下端が上側半体22の上面に設けられた環状の装着溝に嵌合するとともに、上端が天壁部33の下面に設けられた環状の装着溝に嵌合することにより、上側半体22と天壁部33との間に液密ないし気密に固定されている。連結筒部42により、キャップ30の内側は注出孔23を吐出流路P2に連通させる流路と、空気流路P1とに区画されている。
中栓部材20には、空気流路P1と吐出流路P2とを連通させる連通路24が複数本設けられている。これらの連通路24は、それぞれ下側半体21と上側半体22との間に区画形成されており、下側半体21の外周縁部に形成された切欠き通路21bを介して空気流路P1に連通されるとともに、連結筒部42の内側において上側半体22の上面に開口して吐出流路P2に連通している。すなわち、連通路24は空気流路P1の一部を構成している。
中栓部材20の注出孔23の上方には逆止弁60が配置されている。逆止弁60は、注出孔23の上端開口を閉塞する円環状の板状弁体61と、この板状弁体61を連結筒部42の内周面に連結する3本(図2中では2本のみが示されている)のクランク形状の連結腕部62とを有している。板状弁体61と連結腕部62は、それぞれ連結筒部42と一体にポリエチレン、ポリプロピレン、又はゴム、エラストマー等の弾性体で形成されており、連結腕部62が弾性変形することにより、板状弁体61は注出孔23の上端開口を閉じる閉位置から、当該開口から離れて注出孔23を吐出流路P2に連通させる開位置にまで移動することができる。すなわち、逆止弁60は、連結筒部42の内周面に連結腕部62を介して一体に連結された板状弁体61を有する所謂3点弁として構成されている。なお、板状弁体61を連結筒部42に連結する連結腕部62の数は3本に限定されず、任意の数とすることができる。
逆止弁60の板状弁体61は、また、上記閉位置において中栓部材20の上側半体22の上面に配置されて連通路24の開口を閉塞している。そして、連結腕部62が弾性変形することにより、板状弁体61は連通路24の開口を閉じる閉位置から、当該開口から離れて連通路24を吐出流路P2に連通させる開位置にまで移動することができる。
このような構成を有する逆止弁60は、容器本体10の胴部10bがスクイズされることにより内層体11の内部において高められた内容液Lの圧力によって、板状弁体61が注出孔23の上端開口から離れる方向(図2中で上方)に移動することで、内層体11の内部から注出孔23を通した吐出流路P2への内容液Lの流れを許容する。このとき、板状弁体61は、空気流路P1から連通路24を介した吐出流路P2への空気の流れも許容する。このため、内層体11内部の内容液Lと空気流路P1からの空気が吐出流路P2内において混合する。
一方、胴部10bのスクイズが解除されることによって、内層体11の内部の内容液Lの圧力は低下し、板状弁体61は再び注出孔23の上端開口に当接する。これによって、吐出流路P2から注出孔23を通した内層体11の内部への内容液L及び空気の流れを阻止するように作動する。このとき、逆止弁60は、吐出流路P2から連通路24を介した空気流路P1への内容液L及び空気の流れを阻止するように作動する。
このように、本実施形態の逆止弁60は、注出孔23を経由した内容液Lの流れを制御する注出孔用逆止弁としての機能を有すると共に、空気流路P1を経由した空気の流れを制御する空気流路用逆止弁としての機能を有している。但し、この態様には限定されず、注出孔用逆止弁と空気流路用逆止弁とを個別に設けるように構成してもよい。
また、逆止弁60は、上記構成の3点弁に限らず、例えば1点弁など、他の構成の逆止弁に構成することもできる。
キャップ30の天壁部33には、キャップ30の外部に空気流路P1を連通させる複数の外気導入孔35が設けられている。また、キャップ30の天壁部33と中栓部材20の上側半体22との間には、連結筒部42の外周側に位置して外気導入孔用逆止弁70が設けられている。外気導入孔用逆止弁70は、連結筒部42の外周に沿って延びる円環状であるとともに薄い板状に形成されており、天壁部33と上側半体22との間で上下方向に僅かに移動自在となっている。外気導入孔用逆止弁70は、胴部10bがスクイズされて空気流路P1の内部圧力が高められることにより天壁部33の下面に当接して外気導入孔35を閉塞し、空気流路P1から外気導入孔35を通したキャップ30の外部へ空気の流出を阻止する。一方、胴部10bのスクイズが解除されて空気流路P1の内部が負圧になると、外気導入孔35を開いてキャップ30の外部から外気導入孔35を通した空気流路P1への外気の導入を許容するように作動する。
ノズル39の内側つまり吐出流路P2には、一対の発泡部材81が装着されている。発泡部材81は、それぞれリング81aの端面にメッシュ81bを固定した構成となっており、メッシュ81bを互いに逆方向に向けた姿勢でノズル39の内部に上下に重ねて配置されている。このような発泡部材81を設けることにより、吐出流路P2内に導入された内容液Lおよび空気を混合して、きめの細かい泡へと発泡させることができる。
なお、発泡部材81としては、リング81aとメッシュ81bを備えた構成のものに限らず、内容液Lの種類等に応じて種々の構成のものを用いることができる。また、発泡部材81の設置個数も内容液Lの種類等に応じて種々変更することができる。
空気孔13には閉塞部材90が設けられている。閉塞部材90は、キャップ30を容器本体10の口部10aに装着する前の初期状態において、図3に示すように、空気孔13に嵌合し、空気孔13を閉塞している。初期状態において、容器本体10の空気室14には、後述する胴部10bのスクイズにより空気を発泡部材81に供給して内容液Lを泡状に発泡させるのに十分な量の空気が予め充填されている。閉塞部材90は一端が拡径部93、及び傾斜部95を有すると共に閉塞された、内部空間97を有する中空円筒形状を備えている。閉塞部材90を空気孔13に嵌合させる際は、傾斜部95を口部10aの外周面側から挿入し拡径部93が口部10aの内周面から突出するまで押し込む。閉塞部材90を空気孔13に嵌合させた初期状態において、一端に設けられた拡径部93は口部10aの内周面から径方向内側に突出し、閉塞部材90の他端は口部10aの外周面から径方向外側に突出している。
そして、図2に示すように、キャップ30が容器本体10の口部10aに装着されると、キャップ30の装着筒部31の内周面に設けられた雌ねじ部34の下端部が閉塞部材90における口部10aの外周面から径方向外側に突出した部分を上方から押圧する。これによって、閉塞部材90における口部10aの外周側は内部空間97が潰れることで下方に大きく変形する。このとき、図2に示すように拡径部93側も傾斜部95の傾斜角度が変わることで下方に変形し、閉塞部材90と空気孔13との間に隙間ができて、空気孔13は開放状態となる。
このように、本実施形態では、容器の輸送時や内容液Lの充填時など、キャップ30を装着していない初期状態では、容器本体10の空気孔13に閉塞部材90が嵌合し、外層体12と内層体11との間の空気室14内の空気を安定して確保することができる。そして、内容液Lを使用するためにキャップ30を容器本体10に装着して初めて空気孔13が開放され、容器本体10の胴部の押圧によって内容液Lの使用が可能となる。
図2に示すように、容器本体10の胴部10bがスクイズされると、スクイズにより加圧された空気室14の空気が空気孔13を通って空気流路P1へ供給される。空気流路P1に空気が供給されると、その圧力の上昇によって外気導入孔用逆止弁70が閉じられ、当該空気は連通路24を通って逆止弁60を開き、一対の発泡部材80に達する。また、容器本体10の胴部10bのスクイズにより、空気室14の空気を介して内層体11が加圧され、内容液Lの圧力によっても逆止弁60が開かれる。そして、内容液Lは注出孔23から注出され、連通路24から供給された空気と混合されて吐出流路P2に達する。内容液Lと空気との混合物は、吐出流路P2内の発泡部材81において発泡し、きめ細かい泡とされた後、ノズル開孔39aから泡状のまま外部に吐出される。
胴部10bのスクイズが解除されると、胴部10bはそれ自身の剛性により元の形状に復元する。スクイズの解除により内層体11の内部の内容液Lの圧力は低下し、胴部10bの復元により空気室14内は負圧となるため、板状弁体61は再び注出孔23の上端開口に当接する。これによって、吐出流路P2から注出孔23を通した内層体11の内部への内容液L及び空気の流れを阻止するように作動する。このとき、逆止弁60は、吐出流路P2から連通路24を介した空気流路P1への内容液L及び空気の流れを阻止するように作動する。また、空気室14内の負圧によって外気導入孔用逆止弁70が開放され、外気導入孔35を通じて空気が空気流路P1内に入り込む。空気流路P1に導入された空気は、空気孔13を経由して外層体12と内層体11との間の空気室14内に充填される。
なお、本実施形態では、キャップ30をねじ係合により容器本体10に装着するように構成したが、この態様には限定されず、例えば打栓係合により装着するように構成してもよい。この場合、キャップ30側の係合部である突起がキャップ30の装着時に閉塞部材90を押圧して空気孔13を開放するように構成してもよい。
以上のように、本実施形態では、内層体11と外層体12とを備えた容器本体10と、注出孔23を備え容器本体10の口部10aに装着された中栓部材20と、口部10aに装着され、口部10aの外側に空気流路P1を区画形成するキャップ30と、吐出流路P2を内側に備えたノズル39と、外層体12と内層体11との間の空気室14に空気流路P1を連通させる空気孔13と、内層体11の内部から吐出流路P2への内容液Lの流れを許容し、吐出流路P2から内層体11の内部への内容液Lの流れを阻止する逆止弁60と、空気流路P1からの空気と、注出孔23からの内容液Lとを混合し発泡させる発泡部材81と、キャップ30を口部10aに装着する前の初期状態において、空気孔13に嵌合して空気孔13を閉塞する、弾性部材で形成された閉塞部材90とを備え、キャップ30を容器本体10の口部10aに装着すると、キャップ30の雌ねじ部34が閉塞部材90に当接し、閉塞部材90が弾性変形することにより空気孔13が開放されるように構成した。これによって、キャップ30を容器本体10に装着していない初期状態、すなわち容器の流通時や内容液Lの充填時に空気室14内の空気を外部に逃がすことがない。そして、内容液Lを使用するためにキャップ30を容器本体10に装着して初めて空気孔13が開放され、容器本体10の胴部の押圧によって内容液Lを泡状に発泡させて使用することが可能となる。従って、胴部10bのスクイズにより空気を発泡部材81に供給して内容液Lを泡状に発泡させるのに十分な量の空気を予め空気室14内に確実に確保することができる。これにより、使用開始当初から内容液Lを良質な泡状にして吐出することができる。
また、本実施形態では、キャップ30の内周面に設けられたねじ係合用の雌ねじ部34を利用して、キャップ30装着時に閉塞部材90を押圧して空気孔13を開放状態にすることができる。
また、本実施形態では、閉塞部材90を、一端が拡径部93を有すると共に閉塞された中空筒形状を備え、初期状態において、拡径部93が口部10aの内周面から径方向内側に突出すると共に他端が口部10aの外周面から径方向外側に突出するように構成した。この構成によって、初期状態において閉塞部材90が意図せず脱落して空気孔13が開放されるのを抑制できるほか、キャップ30の装着により容易に閉塞部材90を変形させて空気孔13を開放状態にすることができる。
また、本実施形態では、空気流路P1から吐出流路P2への空気の流れを許容し、吐出流路P2から空気流路P1への空気の流れを阻止する逆止弁60を設けるように構成した。これによって、胴部10bの押圧を解除した後、ノズル39内の内容液Lが空気流路P1内に逆流するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、キャップ30に、キャップ30の外部に空気流路P1を連通させる外気導入孔35が設けられ、外気導入孔35に、キャップ30の外部から外気導入孔35を通した空気流路P1への外気の導入を許容し、空気流路P1から外気導入孔35を通したキャップ30の外部へ空気の流出を阻止する外気導入孔用逆止弁70を設けるように構成した。これによって、胴部10bの押圧により泡状の内容液Lを吐出させる際に、空気室14内の空気が外気導入孔35から外部に排出されることがないので、胴部10bのスクイズにより空気室14を介して確実に内層体11内の内容液Lの圧力を高めて、泡状の内容液Lを吐出させることができる。
図4に示すように、本発明の第2実施形態にかかるスクイズフォーマー容器101は、容器本体110を備えている。容器本体110は、円筒状の口部110aと、この口部110aに連なる胴部110bとを備えたボトル形状に形成されている。また、容器本体110は、内容液Lを収容する内層体111と、この内層体111を内側に収容する外層体112とを有する二重容器に構成されている。なお、本実施形態にかかるスクイズフォーマー容器101は、第1実施形態と比較して、押圧部137、注出孔用逆止弁150、発泡部材180等を新たに設け、閉塞部材190の形状を変更した他は大きく変わるところが無い。従って、ここでは第1実施形態との差異点を中心に詳細に説明する。
容器本体110の口部110aには、口部110aと中栓部材120とを覆うキャップ130が装着されている。例えば合成樹脂製とされるキャップ130は、円筒状の装着筒部131と、この装着筒部131の下端に一体に連なるスカート部132と、装着筒部131の上端に一体に連なる天壁部133とを有し、装着筒部131の内周面に設けられた雌ねじ部134が口部110aの雄ねじ部115にねじ結合することにより口部110aにねじ止め固定されている。
スカート部132は装着筒部131よりも大径の円筒状に形成されており、その下端部分における内周面は容器本体110の口部110aの根元部分に設けられた封止凸部117の外周面に気密に当接している。これにより、口部110aの外側、すなわち口部110aとキャップ130との間に空気流路P1が区画形成されている。空気流路P1は、空気孔113を介して空気室14に連通している。
また、スカート部132の径方向内側には、後述するようにキャップ130を口部110aに装着する際に閉塞部材190を押圧し空気孔113を開放するための押圧部137が形成されている。押圧部137は、図5に示すように装着筒部131の下端から下方に垂下し、空気孔113の高さ位置を越えて下方に延びている。また、押圧部137は、キャップ130を容器本体110の口部110aに装着した際に空気孔113の周方向位置に対応する位置に配設されている。
キャップ130の天壁部133にはノズル139が一体に設けられている。ノズル139は円筒状に形成されて天壁部133から上方に向けて突出しており、その内側は吐出流路P2となっている。吐出流路P2は、中栓部材120の注出孔123に連通しており、注出孔123から注出された内容液Lは吐出流路P2を通ってノズル139から外部に向けて吐出される。
中栓部材120の上側半体122の上面とキャップ130の天壁部133の下面との間には、注出孔123や吐出流路P2と同軸に円筒状の連結筒部142が装着されている。図示する場合では、連結筒部142は、下端が上側半体122の上面に設けられた環状の装着溝に嵌合するとともに、上端が天壁部133の下面に設けられた環状の装着溝に嵌合することにより、上側半体122と天壁部133との間に液密ないし気密に固定されている。連結筒部142により、キャップ130の内側は注出孔123を吐出流路P2に連通させる流路と、空気流路P1とに区画されている。
中栓部材120には、空気流路P1と吐出流路P2とを連通させる連通路124が複数本設けられている。これらの連通路124は、それぞれ下側半体121と上側半体122との間に区画形成されており、下側半体121の外周縁部に形成された切欠き通路121bを介して空気流路P1に連通されるとともに、連結筒部142の内側において上側半体122の上面に開口して吐出流路P2に連通している。すなわち、連通路124は空気流路P1の一部を構成している。
中栓部材120の注出孔123には注出孔用逆止弁150が配置されている。注出孔用逆止弁150は、中栓部材120の下側半体121の下面に一体に設けられた筒体151と、筒体151の内部に配置されたボール152とを有する所謂ボール弁として構成されている。ボール152は、直径が筒体151の内径よりも僅かに小さい球形となっており、筒体151の内部で上下に移動自在となっている。また、ボール152の直径が筒体151の内径よりも小さいことにより、筒体151の内周面とボール152の外周面との間には内容液Lが通過可能な隙間が設けられている。筒体151の内周面には複数の突起151aが周方向に間隔を空けて並べて設けられており、これらの突起151aによりボール152の上側のストローク端が規定されている。筒体151の下端には、下方に向けて徐々に内径が小さくなる縮径部153が一体に設けられており、ボール152が縮径部153に全周に亘って当接することで筒体151が閉塞されるようになっている。縮径部153の下端には延長筒部154が一体に設けられ、この延長筒部154を介して筒体151の内部は内層体111の内部空間に連通している。
このような構成を有する注出孔用逆止弁150は、容器本体110の胴部110bがスクイズされることにより内層体111の内部において高められた内容液Lの圧力によって、あるいは容器本体110が正立姿勢(図4に示す姿勢)から90度以上傾けられることによって、ボール152が筒体151の内部で縮径部153から離れる方向(図5中で上方)に移動することで、内層体111の内部から注出孔123を通した吐出流路P2への内容液Lの流れを許容する。一方、胴部110bのスクイズが解除されることによって、あるいは容器本体110が正立姿勢に戻されることによって、ボール152が筒体151の内部で下方に向けて移動し、縮径部153に当接して筒体151を閉塞することで、吐出流路P2から注出孔123を通した内層体111の内部への内容液L(及び空気)の流れを阻止するように作動する。また、ボール152が下方に向けて移動することで注出孔123内が負圧となるため、サックバック効果により内部に残留している内容液Lを筒体151内に引き込むことができる。
また、空気流路P1には空気流路用逆止弁160が設けられている。図示する場合では、空気流路用逆止弁160は、空気流路P1の一部を構成する連通路124の、連結筒部142の内側において上方に向けて開口する部分に設けられている。空気流路用逆止弁160は、中栓部材120の上側半体122の上面に配置されて連通路124の開口を閉塞する円環状の板状弁体161と、この板状弁体161を連結筒部142の内周面に連結する3本(図5中では2本のみが示されている)のクランク形状の連結腕部162とを有している。板状弁体161と連結腕部162は、それぞれ連結筒部142と一体にポリエチレン、ポリプロピレン、又はゴム、エラストマー等の弾性体で形成されており、連結腕部162が弾性変形することにより、板状弁体161は連通路124の開口を閉じる閉位置から、当該開口から離れて連通路124を吐出流路P2に連通させる開位置にまで移動することができる。すなわち、空気流路用逆止弁160は、連結筒部142の内周面に連結腕部162を介して一体に連結された板状弁体161を有する所謂3点弁として構成されている。空気流路用逆止弁160は、空気流路P1から連通路124を介した吐出流路P2への空気の流れを許容し、吐出流路P2から連通路124を介した空気流路P1への空気の流れを阻止するように作動する。
なお、板状弁体161を連結筒部142に連結する連結腕部162の数は3本に限定されず、任意の数とすることができる。また、スクイズフォーマー容器101は、例えば空気流路P1に絞り部分を設けるなどして、空気流路用逆止弁160が設けられない構成とすることもできるが、空気流路用逆止弁160を設けることにより、吐出流路P2に残った内容液Lや空気が空気流路P1と空気孔113とを通して空気室114に導入されることを確実に防止することができる。
連結筒部142の内側、すなわち注出孔123と吐出流路P2との間には発泡部材180が設けられている。発泡部材180としては、例えばスポンジやフェルト、焼結体等の、内側に多数の間隙を有する多孔質体で構成されたものを用いることができる。注出孔123から注出された内容液Lと連通路124から吐出された空気は、それぞれ発泡部材180を通って吐出流路P2に流れるとともに、発泡部材180により互いに混合され、効率良く泡状に発泡される。
ノズル139の内側つまり吐出流路P2に、一対の整泡部材181が装着されている。整泡部材181は、それぞれリング181aの端面にメッシュ181bを固定した構成となっており、メッシュ181bを互いに逆方向に向けた姿勢でノズル139の内部に上下に重ねて配置されている。このような整泡部材181を設けることにより、発泡部材180において泡状にされた内容液Lを、さらに細かい泡に整えることができる。
なお、整泡部材181としては、リング181aとメッシュ181bを備えた構成のものに限らず、内容液Lの種類等に応じて種々の構成のものを用いることができる。また、整泡部材181の設置個数も内容液Lの種類等に応じて種々変更することができる他、整泡部材181を設けない構成とすることもできる。
空気孔113には閉塞部材190が設けられている。閉塞部材190は、キャップ130を容器本体110の口部110aに装着する前の初期状態において、図6に示すように、空気孔113に嵌合し、空気孔113を閉塞している。初期状態において、容器本体110の空気室114には、後述する胴部110bのスクイズにより空気を発泡部材180に供給して内容液Lを泡状に発泡させるのに十分な量の空気が予め充填されている。閉塞部材190は一端に拡径部193及び傾斜部195が設けられ、他端にフランジ部197が設けられた円柱形状を備えている。閉塞部材190を空気孔113に嵌合させる際は、傾斜部195を口部110aの外周面側から挿入し拡径部193が口部110aの内周面から突出するまで押し込む。閉塞部材190を空気孔113に嵌合させた初期状態において、一端に設けられた拡径部193は口部110aの内周面から径方向内側に突出し、閉塞部材190のフランジ部197は口部110aの外周面から径方向外側に突出している。
そして、キャップ130を容器本体110の口部110aに装着するために周方向に回転させ、雌ねじ部134を雄ねじ部115に係合させていくと、キャップ130のスカート部132の径方向内側に設けられた押圧部137が閉塞部材190に当接する。更にキャップ130を周方向に回転させると、押圧部137は、フランジ部197に係合しつつ閉塞部材190を空気孔113から引き抜く。図5及び図7は、空気孔113から引き抜かれた閉塞部材190が、押圧部137に沿って口部110aとの間の空間に保持されている状態を示している。このように、閉塞部材190が押圧部137により引き抜かれることで空気孔113は開放状態となる。
このように、本実施形態では、容器の輸送時や内容液Lの充填時など、キャップ130を装着していない初期状態では、容器本体110の空気孔113に閉塞部材190が嵌合し、外層体112と内層体111との間の空気室114内の空気を安定して確保することができる。そして、内容液Lを使用するためにキャップ130を容器本体110に装着して初めて空気孔113が開放され、容器本体110の胴部の押圧によって内容液Lの使用が可能となる。
図5に示すように、容器本体110の胴部110bがスクイズされると、スクイズにより加圧された空気室114の空気が空気孔113を通って空気流路P1へ供給される。空気流路P1に空気が供給されると、その圧力の上昇によって外気導入孔用逆止弁170が閉じられ、当該空気は連通路124を通って空気流路用逆止弁160を開き、発泡部材180に達する。また、容器本体110の胴部110bのスクイズにより、空気室114の空気を介して内層体111が加圧され、内容液Lの圧力によって注出孔用逆止弁150が開かれる。そして、内容液Lは注出孔123から注出され、発泡部材180に達する。発泡部材180に達した内容液Lは、連通路124から供給された空気と混合されて発泡した後、更に整泡部材181により細かな泡へと整泡された後にノズル開孔139aから泡状のまま外部に吐出される。
胴部110bのスクイズが解除されると、内層体111内の内容液Lの圧力が低下し、胴部110bはそれ自身の剛性により元の形状に復元する。内層体111内の圧力低下に伴いボール152は縮径部153の方向に移動し、注出孔用逆止弁150は再び閉塞する。これによって、吐出流路P2から注出孔123を通した内層体111の内部への内容液L及び空気の流れが阻止される。また、胴部110bの復元により空気室114内は負圧となるため、板状弁体61は再び上側半体122の上面に当接し連通路124の開口を閉じる。これによって、吐出流路P2から連通路124を介した空気流路P1への内容液L及び空気の流れが阻止される。また、空気室114内の負圧によって外気導入孔用逆止弁170が開放され、外気導入孔135を通じて空気が空気流路P1内に入り込む。空気流路P1に導入された空気は、空気孔113を経由して外層体112と内層体111との間の空気室114内に充填される。
なお、本実施形態では、キャップ130を容器本体110に装着すると、閉塞部材190が空気孔113から引き抜かれてキャップ130内の口部110aと押圧部137との間の空間に配置される例を示したが、この態様には限定されない。例えば、閉塞部材190がキャップ130の一部等により容器本体110の径方向内側方向に押圧されて、容器本体110内に収容されるように構成してもよい。
以上のように、本実施形態では、キャップ130を容器本体110に装着すると、キャップ130のスカート部132の径方向内側に形成された押圧部137が閉塞部材190を変形させることにより空気孔113が開放されるように構成した。これにより、閉塞部材190を空気孔113から引き抜くことができるため、空気孔113の開放により空気室114への空気の導入を確実に行うことができる。また、キャップ130を容器本体110に装着していない初期状態、すなわち容器の流通時や内容液Lの充填時には閉塞部材190により空気孔113が確実に閉塞されるため、空気室114内の空気を外部に逃がすことがない。そして、内容液Lを使用するためにキャップ130を容器本体110に装着して初めて空気孔113が開放され、容器本体110の胴部の押圧によって内容液Lを泡状に発泡させて使用することが可能となる。従って、胴部110bのスクイズにより空気を発泡部材180に供給して内容液Lを泡状に発泡させるのに十分な量の空気を予め空気室114内に確実に確保することができる。これにより、使用開始当初から内容液Lを良質な泡状にして吐出することができる。
また、本実施形態では、閉塞部材190を、一端が拡径部193を有し他端がフランジ部197を有する円柱形状を備え、初期状態において、拡径部193が口部10aの内周面から径方向内側に突出すると共にフランジ部197が口部10aの外周面から径方向外側に突出するように構成した。これによって、初期状態において閉塞部材90が意図せず脱落して空気孔113が開放されるのを抑制できるほか、キャップ130の一部がフランジ部197に係合することで閉塞部材190を空気孔113から容易に引き抜くことができるため、空気孔113の開放により空気室114への空気の導入をより確実に行うことができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、中栓部材20やキャップ30の構成は、中栓部材20に設けられた注出孔23から注出される内容液Lを、発泡部材81において、空気室14からの空気孔13と空気流路P1とを通って供給される空気と混合して発泡させることができる構成であれば、その構成は適宜変更可能である。