JP6363045B2 - 二重容器 - Google Patents

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Description

本発明は、内容液を収容する減容変形自在な内層体と、内層体を内側に収めて容器の外殻を形成する外層体とを備え、内容液の注出に伴って内層体のみを減容させる二重容器に関するものであり、特に、注出する内容液の性状を切り替えることができる技術に関する。
化粧水などの化粧料や、シャンプーやリンス或いは液体石鹸、また食品調味料や薬品などを収納する容器としては、内容液を収容する減容変形自在な内層体と、内層体を内側に収めて容器の外殻を形成する外層体とを備える二重容器(デラミ容器、積層剥離容器とも言う)が知られている。このような二重容器によれば、外層体の胴部を押圧することで内容液を注出することができ、また、押圧解除後は外層体の胴部が復元して、内層体と外層体との間に外気を導入して内層体のみを減容させることができる。このような二重容器として特許文献1には、内容液を空気と混合させて泡状にして注出することができるスクイズタイプのものが示されている。
特開2009−149327号公報
ところで、内容物を泡状にして注出することができる容器であっても、使用用途によっては液状のまま直接注出させた方が好ましい場合がある。このため、注出させる内容液の性状を簡便な操作で容易に切り替えることができる、新たな二重容器が求められている。
このような問題を解決するべく、本発明は、内容液を液状のまま直接注出することができる状態と、内容液を空気と混合させて泡状にして注出することができる状態とを簡単に切り替えることができる、新たな二重容器を提案することを目的とする。
本発明は、内容液を収容する減容変形自在な内層体と、口部周壁を貫通する通気口を有し該内層体との相互間に該通気口に通じる内部空間を形成する外層体と、該通気口を取り囲んで該口部周壁に装着される注出キャップとを備える二重容器であって、
前記注出キャップは、
前記外層体への押圧に伴い前記内層体の内容液及び前記内部空間の空気を通過させて内容液を発泡させる発泡体と、
前記通気口と前記発泡体との間をつなぐ空気路と、
前記内層体から流出した内容液を、前記発泡体を通らない液通路を通じて外界に注出させる液注出口と、
前記内層体から流出した内容液を、前記発泡体を通る泡通路を通じて外界に注出させる泡注出口と、
前記液注出口を開閉可能な開閉体とを備えることを特徴とする二重容器である。
前記開閉体は、前記泡注出口に着脱可能な筒壁と、前記液注出口を閉鎖可能な閉鎖板と、該筒壁と該閉鎖板とを連結する周方向に間隔を空けて配置された複数の連結片とを備えることが好ましい。
前記注出キャップは、前記外層体の中心軸に沿う向きに延在するとともに前記内層体側と反対側の端部に前記泡注出口を有する泡注出筒を備え、
前記開閉体の前記筒壁は、前記泡注出筒に開閉体用ヒンジを介して連結されていることが好ましい。
前記開閉体は、前記泡注出口に装着された状態の前記筒壁の前記内層体側と反対側の端部を閉鎖可能な蓋体を備え、
前記蓋体は、前記筒壁に蓋体用ヒンジを介して連結されていることが好ましい。
前記空気路は、前記通気口と前記発泡体との間に空気連通口を備え、
前記空気路に、前記外層体の一側面を鉛直下方に向けた一側傾斜姿勢に変位した際に前記空気連通口を閉鎖する一方、該外層体の中心軸を挟んで該一側面に対向する他側面を鉛直下方に向けた他側傾斜姿勢に変位した際に該空気連通口を開放する空気用移動弁を設けることが好ましい。
前記開閉体用ヒンジは前記他側面側に配置され、
前記蓋体用ヒンジは前記一側面側に配置されることが好ましい。
本発明によれば、開閉体が液注出口を開放した状態とすることで、内容液を、液流出口から発泡体を通らない液通路を通じて液状のまま外界に注出することができる。また、開閉体で液注出口を閉鎖することで、空気を通気口から空気路を通じて発泡体へ送給する一方、内容液を、発泡体を経由して空気と混合させ、泡状にして泡注出口から注出することができる。すなわち、開閉体による液注出口の開閉状態を変更するだけの簡単な操作で注出する内容液の性状を切り替えることができるため、使い勝手が良くなる。
本発明に従う二重容器の一実施形態を示す、側面視での部分拡大断面図である。 開閉体が液注出口を開放した状態とし、内容液を液状のまま注出する状況を説明する図である。 開閉体で液注出口を閉鎖し、内容液を泡状にして注出する状況を説明する図である。 本発明に従う二重容器の他の実施形態を示す、側面視での部分拡大断面図である。 開閉体が液注出口を開放した状態とし、内容液を液状のまま注出する状況を説明する図である。 開閉体で液注出口を閉鎖し、内容液を泡状にして注出する状況を説明する図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。なお、本明細書、特許請求の範囲、及び要約書において、「上」とは、図1に示すように外層体を正立姿勢にした状態において、外層体の口部周壁に対して泡注出口が位置する側であり、「下」とは、その反対側である。また、「外層体の一側面」とは、図1及び図4では外層体の左側の側面(図中、符号Aで示す)であり、「外層体の他側面」とは、図1及び図4では外層体の右側の側面(図中、符号Bで示す)である。
図1は、本発明に従う二重容器の一実施形態を示す。本実施形態の二重容器は、内容液を収容する内層体1と、内層体1を内側に収める外層体2と、外層体2に装着される注出キャップ3とを備えている。また注出キャップ3は、中栓4と、ベース5と、ノズルヘッド6を備えている。更に、中栓4、ベース5、ノズルヘッド6には、ホルダー7、発泡体8、液用逆止弁9、外気導入用移動弁10が設けられている。
内層体1は、その内側に内容液を収容する収容空間Sと、この収容空間Sにつながる上部開口1aを備えている。内層体1は薄肉の合成樹脂製であって、減容変形自在となっている。
外層体2は、円筒状の口部周壁2aに、復元自在な可撓性を有する胴部2b、及び胴部2bの下端を閉鎖する底部2cを連結したものである。口部周壁2aの外面には雄ねじ部2dを設けている。また、口部周壁2aには、内層体1との間に形成される内部空間Nに空気を取り込むための貫通孔(通気口)2eを設けていて、更に、通気口2eを設けた外面には、上下方向に雄ねじ部2dを切り欠く溝部2fを設けている。なお、溝部2fは、通気口2eから流出させる、或いは通気口2eへ流入させる空気の通路として機能するものであるが、必ずしも設ける必要はなく、例えば、雄ねじ部2dと後述する雌ねじ部との間に形成される隙間を利用して空気の出入りをさせることも可能である。
本実施形態において内層体1と外層体2は、相互に相溶性が低い合成樹脂を剥離可能に積層させたものである。図示は省略するが内層体1と外層体2との間には、上下方向に延在して内層体1と外層体2とを部分的に接合する、1本或いは複数本の接着帯を設けてもよい。なお、このような内層体1と外層体2は、内層体1の合成樹脂素材と外層体2の合成樹脂素材とが積層されたパリソンを、ブロー成形することによって得ることができるが、他にも、試験管状に形成したプリフォームを2軸延伸ブロー成形することや、外層体及び内層体を個別に形成し、その後、内層体を外層体内に装着するものでもよい。
中栓4は、内層体1の上部開口1aを覆う板状の隔壁4aを備えている。隔壁4aの中央部には、内層体1に通じる液流出口4bが形成されている。また隔壁4aの下面には、口部周壁2aの内面との間で内層体1を挟む円筒状のシール壁4cが設けられている。
隔壁4aの上面には、上方を開放させた凹部4dが設けられている。更に凹部4dに対して径方向外側には、隔壁4aに対して間隔をあけて設けられる上部壁4eと、隔壁4aと上部壁4eとを連結する連結壁4fが設けられている。ここで連結壁4fは、その上下方向中央部において径方向内外方向に連結壁4fを貫く貫通孔4jを備えている。
ベース5は、通気口2eを取り囲み、その下端部を口部周壁2aの外面に気密に当接させる円筒状の外周壁5aを備えている。外周壁5aの内面には、雄ねじ部2dに対応する雌ねじ部5bが設けられている。なお、ねじに代えてアンダーカットで保持するようにしてもよい。外周壁5aの上部には、径方向内側に延在する天壁5cが設けられている。また天壁5cの上面には、中心軸Oを中心とする環状をなす上方を開放させた凹所5dが設けられていて、凹所5dには貫通孔(外気連通口)5eが設けられている。また天壁5cの内縁部には、下方に向けて延在する円筒状の内部周壁5f設けられている。
ノズルヘッド6は、ベース5の外周壁5aに連なる外形形状を有し、外周壁5aに抜け止め保持される周壁6aと、周壁6aの上部に一体に連結する上壁6bと、上壁6bから上方へ向けて延在する筒状の泡注出筒6cを備えている。泡注出筒6cの上端は開口しており、ここに泡注出口6dを形成している。また上壁6bの下面には、凹所5dに入り込む環状のガイド壁6eが設けられていて、ガイド壁6eの内側には、上壁6bを貫く貫通孔(外気導入口)6fが設けられている。
ベース5と中栓4との間には、ホルダー7が設けられている。ホルダー7は、中心軸Oに沿う向きに延在する円筒状の液注出筒7aを備えている。液注出筒7aの上端は開口していて、ここに液注出口7bを形成している。
液注出筒7aの下端は、径方向外側に向けて延在する板状壁7cに連結していて、板状壁7cには、上下方向に板状壁7cを貫通する開口7dが設けられている。本実施形態において開口7dは、隔壁4aに設けられた液流出口4bと連通している。
板状壁7cの外縁部には、環状壁7eが設けられている。環状壁7eの下端部は、凹部4dに嵌まり込んでいる。また環状壁7eの上端部は、天壁5cの下面及び内部周壁5fの外周面との間に隙間を持たせた状態で(本実施形態では、天壁5cの下面及び内部周壁5fの外周面に溝を設けて隙間を形成している)、天壁5c及び内部周壁5fに保持されている。なお、天壁5cの下面及び内部周壁5fの外周面と環状壁7eの上端部との間に形成される隙間を、以下通路t1と称する。
更に、環状壁7eの外周面には、径方向外側に向けて延在する薄肉状の弁体7fが設けられている。弁体7fは、通常時においては上部壁4eの上面に気密に当接しているが、上部壁4e側の圧力が高まることで上部壁4eから離反する。
液注出筒7aの径方向外側には、発泡体8が配置される。発泡体8は、例えばスポンジやフェルト、焼結多孔質体のような、内側に多数の間隙を有するものである。発泡体8の形状は種々のものが適用可能であるが、本実施形態では上部に対して下部を大径にした段付きの環状発泡体を用いている。なお、大径の下部は省略して同一の外径になる環状発泡体を用いてもよい。
液流出口4bには、液用逆止弁9が設けられている。液用逆止弁9は、隔壁4aと板状壁7cとの間に保持される環状部9aを備えている。環状部9aの径方向内側には、定常状態では液流出口4bを閉鎖する一方、収容空間S内の圧力が高まると液流出口4bを開放する内側弁部9bを設けている。図示の例で内側弁部9bは、弾性変形するアームを介して環状部9aと一体連結する3点弁であるが、1点弁や2点弁であってもよい。
また、ガイド壁6eの内部には球状の外気導入用移動弁10が配置されている。外気導入用移動弁10は、ガイド壁6eに沿って、天壁5cの上面と上壁6bの下面との間で移動することができる。
また、ノズルヘッド6には、液注出口7bを開閉可能な開閉体11が設けられている。開閉体11は、泡注出筒6cにヒンジ(開閉体用ヒンジ)11aを介して連結されるとともに泡注出口6dに着脱可能な筒壁11bを備えている。また、開閉体11は、液注出口7bに嵌り込むことで液注出口7bを閉鎖可能な円形の閉鎖板11cを備えている。筒壁11bと閉鎖板11cとは、周方向に間隔を空けて配置された複数(本例では4つ)の連結片11dによって互いに連結されている。
また、開閉体11は、筒壁11bの上端部(筒壁11bが泡注出口6cに装着された状態での上端部)を閉鎖可能な蓋体11eを備えている。蓋体11eは、有頂円筒状をなしており、周壁部が筒壁11bにヒンジ(蓋体用ヒンジ)11fを介して連結されている。蓋体用ヒンジ11fは、外層体2の一側面A側に配置され、開閉体用ヒンジ11aは外層体2の他側面B側に配置されている。
また、筒壁11bの外周面には、外層体2の一側面A側に延びる操作片11gが設けられ、蓋体11eの周壁部の外周面には、外層体2の他側面B側に延びる操作片11hが設けられている。操作片11gは、開閉体11を、開閉体用ヒンジ11aを介して回動させる際に操作部として用いられる。また、操作片11hは、図2に示すように、蓋体11eを閉じた状態で、開閉体11を開閉体用ヒンジ11aを介して回動させた際に、上壁6bの上面に係合して開閉体11の開放状態を保持するストッパとして機能するようになっている。また、操作片11hは、蓋体11eを、蓋体用ヒンジ11fを介して回動させる際に操作部として用いられる。操作片11gは、図3に示すように、蓋体11eを開放させた際に、蓋体11eの周壁部に形成された突起部と係合して蓋体11eの開放状態を保持するようになっている。
なお、図1に示したように、注出キャップ3の内部には、通気口2eから溝部2f、隔壁4aと上部壁4eとの相互間の隙間、貫通孔4j、離反した弁体7fと上部壁4eとの間に形成される隙間、及び通路t1を経由して発泡体8に至る空気路が形成されている。ここで空気路は、外気導入口6f及び外気連通口5eに通じる外気導入路にもつながっている。
また注出キャップ3の内部には、液流出口4bから液注出口7bに至る液通路と、液流出口4bから開口7dを通り、発泡体8を経由して泡注出口6dに至る泡通路が形成されている。
このような構成になる二重容器から内容物を液状のまま注出させるにあたっては、図2に示すように、開閉体11によって液注出口7bを開放した状態とし、例えば、外層体2の一側面Aを下方に向けた一側傾斜姿勢に変位させる。これにより外気導入用移動弁10は、上壁6bの下面に着座して外気導入口6fを閉鎖するため、外気導入路は遮断された状態になり、内部空間Nにおける空気の外界への漏れ出しが阻止される。そして外層体2の胴部2bを押圧すると、内部空間Nの空気を介して収容空間Sが加圧され、液用逆止弁9が液流出口4bを開放し、収容空間S内の内容液は、発泡体8を経由することなく液流出口4bから液注出口7bに至るため、液状のまま注出することができる。なお、このとき、弁体7fが液用逆止弁9よりも十分に開きにくくなるように、弁の弾性力や空気路の断面積、液通路の断面積等を適切に設定しておくことで、或いは、弁体7fが開いたとしても空気の流路の抵抗が液通路の抵抗よりも十分に大きくなるように通路t1の断面積及び長さ等を適切に設定しておくことで、胴部2bを押圧する際の発泡体8を通じた空気の漏れを抑制し、内溶液を注出するために必要となる押圧力を小さくして、使い勝手を向上することができる。
また、内容物を泡状にして注出させるにあたっては、図3に示すように、開閉体11によって液注出口7bを閉鎖した状態とし、蓋体11eを開放し、例えば、外層体2の他側面Bを下方に向けた他側傾斜姿勢に変位させる。これにより外気導入用移動弁10は、一側傾斜姿勢の状態と同様に上壁6bの下面に着座するため、外気導入口6fは閉鎖される。そして外層体2の胴部2bを押圧すると、内部空間Nの空気を介して収容空間Sが加圧され、液用逆止弁9が液流出口4bを開放し、収容空間S内の内容液は、液流出口4bから開口7dを通り、発泡体8に流れ込む。この時内部空間Nの空気は、通気口2e、溝部2f、隔壁4aと上部壁4eとの相互間の隙間、貫通孔4j、離反した弁体7fと上部壁4eとの間に形成される隙間、及び通路t1を経由して発泡体8に流れ込む。これにより内容液は、発泡体8内で空気と混合して発泡するため、泡状の内容液を泡注出口6dから注出することができる。
内容液を注出した後は、外層体2の胴部への押圧を解除して外層体2を元の正立姿勢に姿勢変更する(図1参照)。これにより、外気導入用移動弁10が上壁6bの下面から離れるため、外気導入口6fが開放した状態になる。そして外層体2は、それ自身の復元力により元の形状に戻ろうとし、内部空間Nは負圧状態となるため、外気は、外気導入口6fから外気連通口5e、溝部2f、及び通気口2eを経て、内部空間Nに導入される。これにより、内層体1を減容変形させたまま外層体2のみを復元させることができる。なお、弁体7fは上部壁4eに着座しているため、発泡体8に含まれる泡状の内容液が内部空間Nに向かって逆流することはない。
次に、本発明に従う二重容器の他の実施形態について、図4〜図6を参照して説明する。図4に示すように、本実施形態の二重容器は、前述した実施形態の場合とは、貫通孔4jが空気用移動弁12によって開閉される空気連通口4kとして構成されている点で異なる他は、同一の構成を有している。本実施形態では、連結壁4fは、空気連通口4kを挟んで上下に、隔壁4a及び上部壁4eの一方から他方に向かって突出する形態になる突出部(空気用移動弁着座部)4lを備えている。
このような構成になる二重容器によれば、前述した実施形態の場合と同様に、内容液を液状のまま注出させることができる。また、その注出に際しては、図5に示すように、外層体2の一側面Aを下方に向けた一側傾斜姿勢に変位させたとき、空気用移動弁12は、空気用移動弁着座部4lに着座して空気連通口4kを閉鎖するため、空気路は遮断された状態になって、発泡体8への空気の流れが阻止される。したがって、内溶液を注出するために必要となる外層体2の胴部2bに対する押圧力を小さくして、使い勝手を向上することができる。なお、本実施形態では、開閉体用ヒンジ11aが外層体2の他側面B側に配置されていることから、開閉体11が内溶液の注出を最も妨げにくい方向に傾けると、上記のように外層体2の一側面Aが下方に向くことになるため、空気用移動弁12によって空気連通口4kが確実に閉鎖されることになる。
また、内容物を泡状にして注出させるにあたっては、やはり前述した実施形態の場合と同様に、内容液を泡状にして注出させることができる。また、その注出に際しては、図6に示すように、外層体2の他側面Bを下方に向けた他側傾斜姿勢に変位させたとき、空気用移動弁12は、空気用移動弁着座部4lから離れて空気連通口4kを開放するため、空気路は連通された状態になって、発泡体8への空気の送給が可能となる。なお、本実施形態では、蓋体用ヒンジ11fが外層体2の一側面A側に配置されていることから、蓋体11eが内溶液の注出を最も妨げにくい方向に傾けると、上記のように外層体2の他側面Bが下方に向くことになるため、空気用移動弁12によって空気連通口4kが確実に開放されることになる。
本発明に従う二重容器は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に従う範囲で種々の変更が可能である。例えば、開閉体11は、必ずしも筒壁11bが開閉体用ヒンジ11aを介して泡注出筒6cに連結される必要はなく、例えば、筒壁11bが泡注出筒6cにねじを介して着脱される構成とすることもできる。また、開閉体11には、必ずしも蓋体11eを設ける必要はなく、蓋体11eを省略した構成としてもよい。さらに、本実施形態の外層体2は、外形上、一側面Aと他側面Bが同形状であるが、相互に形状を変更したり、各側面に泡の性状の区別を示す表示を設けたりすれば、使い勝手をより高めることができる。
1:内層体
1a:上部開口
2:外層体
2a:口部周壁
2b:胴部
2c:底部
2d:雄ねじ部
2e:通気口
2f:溝部
3:注出キャップ
4:中栓
4a:隔壁
4b:液流出口
4c:シール壁
4d:凹部
4e:上部壁
4f:連結壁
4j:貫通孔
4k:空気連通口
4l:空気用移動弁着座部
5:ベース
5a:外周壁
5b:雌ねじ部
5c:天壁
5d:凹所
5e:外気連通口
5f:内部周壁
6:ノズルヘッド
6a:周壁
6b:上壁
6c:泡注出筒
6d:泡注出口
6e:ガイド壁
6f:外気導入口
7:ホルダー
7a:液注出筒
7b:液注出口
7c:板状壁
7d:開口
7e:環状壁
7f:弁体
8:発泡体
9:液用逆止弁
9a:環状部
9b:内側弁部
10:外気導入用移動弁
11:開閉体
11a:開閉体用ヒンジ
11b:筒壁
11c:閉鎖板
11d:連結片
11e:蓋体
11f:蓋体用ヒンジ
11g:操作片
11h:操作片
12:空気用移動弁
A:外層体の一側面
B:外層体の他側面
N:内部空間
O:外層体の中心軸
S:収容空間
t1:通路

Claims (6)

  1. 内容液を収容する減容変形自在な内層体と、口部周壁を貫通する通気口を有し該内層体との相互間に該通気口に通じる内部空間を形成する外層体と、該通気口を取り囲んで該口部周壁に装着される注出キャップとを備える二重容器であって、
    前記注出キャップは、
    前記外層体への押圧に伴い前記内層体の内容液及び前記内部空間の空気を通過させて内容液を発泡させる発泡体と、
    前記通気口と前記発泡体との間をつなぐ空気路と、
    前記内層体から流出した内容液を、前記発泡体を通らない液通路を通じて外界に注出させる液注出口と、
    前記内層体から流出した内容液を、前記発泡体を通る泡通路を通じて外界に注出させる泡注出口と、
    前記液注出口を開閉可能な開閉体とを備えることを特徴とする二重容器。
  2. 前記開閉体は、前記泡注出口に着脱可能な筒壁と、前記液注出口を閉鎖可能な閉鎖板と、該筒壁と該閉鎖板とを連結する周方向に間隔を空けて配置された複数の連結片とを備える請求項1に記載の二重容器。
  3. 前記注出キャップは、前記外層体の中心軸に沿う向きに延在するとともに前記内層体側と反対側の端部に前記泡注出口を有する泡注出筒を備え、
    前記開閉体の前記筒壁は、前記泡注出筒に開閉体用ヒンジを介して連結されている請求項2に記載の二重容器。
  4. 前記開閉体は、前記泡注出口に装着された状態の前記筒壁の前記内層体側と反対側の端部を閉鎖可能な蓋体を備え、
    前記蓋体は、前記筒壁に蓋体用ヒンジを介して連結されている請求項2又は3に記載の二重容器。
  5. 前記空気路は、前記通気口と前記発泡体との間に空気連通口を備え、
    前記空気路に、前記外層体の一側面を鉛直下方に向けた一側傾斜姿勢に変位した際に前記空気連通口を閉鎖する一方、該外層体の中心軸を挟んで該一側面に対向する他側面を鉛直下方に向けた他側傾斜姿勢に変位した際に該空気連通口を開放する空気用移動弁を設けた請求項1〜4の何れか一項に記載の二重容器。
  6. 前記開閉体用ヒンジは前記他側面側に配置され、
    前記蓋体用ヒンジは前記一側面側に配置された請求項5に記載の二重容器。
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