以下、図面を参照して本発明をより詳細に例示説明する。
図1に示す本発明の第1実施形態である泡噴出容器1は、スクイズフォーマーとも呼ばれるものであり、シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔料等の各種液体洗浄剤や整髪剤等の内容液を収容するとともに、当該内容液を泡状に噴出させるものである。なお、本明細書、特許請求の範囲、要約書および図面では、ノズル筒30が位置する側を上方(図1における上側)とし、容器本体10が位置する側を下方(図1における下側)とする。また、図1における左方(先端ノズル部44側)を前側とし、前側に対向する側を後側とする。内容液が流れる流路は、容器本体10側が上流側であり、ノズル40側が下流側である。
図1に示すように、この泡噴出容器1は容器本体10を備えている。容器本体10は上部を開口させた円筒状の口部11とこの口部11に連なる楕円筒状の胴部12とを備え、その内部は内容液を収容する収容空間Sとなっている。この容器本体10は合成樹脂製となっており、その胴部12は可撓性を有し、胴部12を圧搾(スクイズ)することにより収容空間Sを減容させ、容器本体10内を加圧することができるようになっている。
図1に示すように、容器本体10の口部11にはノズルキャップCが装着されている。このノズルキャップCは、例えば図示するように、装着キャップ20とノズル筒30とを備えた構成とすることができる。
例えば樹脂製とされる装着キャップ20は、容器本体10の口部11を取り囲む円筒状の装着部21を有し、この装着部21の内周面に設けられた雌ねじ部21aが口部11の外周面に設けられた雄ねじ部11aにねじ結合することにより、容器本体10の口部11にねじ込み固定された状態で装着されている。装着部21の内側にはシール筒部22が同軸且つ一体に設けられ、このシール筒部22が口部11の内側に嵌め込まれることで、装着キャップ20と口部11との嵌合部分がシールされて当該部分からの液漏れが防止されるようになっている。
口部11の根元には小突起11bと大突起11cとが周方向に間隔を空けて設けられ、装着部21の下端部には、これらの突起11b、11cに対応した回り止めリブ21bが設けられている。装着キャップ20が口部11にねじ込まれると、そのねじ込み終了直前に回り止めリブ21bが小突起11bを乗り越えて小突起11bと大突起11cとの間に配置され、これにより装着キャップ20は口部11に対して回り止め保持される。
図示する場合では、装着キャップ20の装着部21を容器本体10の口部11にねじ結合により固定するようにしているが、装着部21を容器本体10の口部11にアンダーカットで固定させる構成とすることもできる。
シール筒部22の上方側に向け延びた部分の上端には径方向内側に向けて延びる段差部23が一体に設けられている。
段差部23の径方向内側には、後述するようにノズル40から容器本体10の収容空間S側への内容液や空気の流れを許容する戻し流路60が形成されている。また、装着キャップ20は、この段差部23を介して、略水平方向に延び先端にノズル40が装着されるノズル筒30に連結されている。本実施形態では、装着キャップ20とノズル筒30は、一体形成されている。なお、ノズル筒30及び戻し流路60の詳細については後ほど詳述する。
戻し流路60の径方向内側には、流通筒部25及び弁固定筒26が、ノズル筒30と一体に設けられている。流通筒部25及び弁固定筒26は装着部21と同軸の円筒状に形成され、ノズル筒30の下面から垂下している。流通筒部25の内側は内容液の流通路25aとなっており、この流通路25aは容器本体10の口部11つまり収容空間Sに連通している。したがって、容器本体10の収容空間S内の内容液や空気は、この流通路25aを通って装着キャップ20の外部に向けて流出することができる。
ノズル筒30は、装着キャップ20の上方から、前方(図1における左方)に向かってやや上方に傾斜しつつ延びる筒状部材である。ノズル筒30の下面には流通路25aに通じる流出孔38、及び戻し流路60に通じる流入孔36が形成されている。ノズル筒30は、断面円形となる筒状に形成されており、内側空間が流出孔38からの内容液をノズル40へと導くノズル流路Nを形成している。ノズル筒30の先端筒部32には、ノズル40を形成する連結部材42が装着されている。先端筒部32の外周面には、連結部材42の係合突部42gがアンダーカット係合する突出部32aが形成されており、これによって連結部材42はノズル筒30の先端筒部32に強固に固定されている。なお、連結部材42と先端ノズル部44とを備えるノズル40の構成については後ほど詳述する。
流通筒部25の径方向外側には、区画部材50が装着されている。区画部材50は例えば樹脂材により円筒状に形成され、その上端に設けられた嵌合部50aが流通筒部25の外周面に嵌合固定されて装着キャップ20及びノズル筒30に支持されている。
区画部材50の下端には孔形成部51が嵌合固定され、孔形成部51が固定されることにより区画部材50の内部には混合室52が区画形成されている。また、孔形成部51は、区画部材50と共に区画部材50の下端側に空気導入孔53と液導入孔54とを区画形成する。空気導入孔53は混合室52を収容空間S(容器本体10の内部)に連通させており、収容空間S内の空気は空気導入孔53を通して混合室52に導入される。一方、液導入孔54には容器本体10の底部にまで延びるチューブ55が接続され、当該チューブ55を介して液導入孔54は混合室52を収容空間Sに連通させている。したがって、収容空間S内の内容液はチューブ55と液導入孔54とを介して混合室52に導入される。
なお、孔形成部51には空気導入孔53からの内容液の侵入を抑制するための傘状体56が一体に設けられている。
混合室52の下流側に位置する流通路25a内には、一対の発泡部材57が設けられている。これらの発泡部材57としては、例えばリングの端面にメッシュを固定した構成のものが用いることができ、この場合、発泡部材57は互いのメッシュを逆側に向けた姿勢で流通筒部25の内周面に嵌合固定されている。なお、発泡部材57としてはリングとメッシュを備えた構造のものに限らず、内容液の種類等に応じて種々の構成のものを用いることができる。また、発泡部材57の設置個数も内容液の種類等に応じて種々変更することができる。
区画部材50の混合室52は、流通路25aに連通し、さらに流通路25aと流出孔38とを介してノズル流路N及びノズル40に連通している。
区画部材50の外側には、区画部材50の内側を通る流路とは別系統で、容器本体10の収容空間Sとノズル40とを連ねる戻し流路60が設けられている。つまり、ノズル流路N及びノズル40は、この戻し流路60を通じても容器本体10の収容空間Sに連通している。
戻し流路60には、第1逆止弁61が設けられている。この第1逆止弁61は、流通筒部25と同心状に設けられ、ノズル筒30の下面から垂下する弁固定筒26の外周面に嵌合固定される円筒状の保持部61aと、この保持部61aの外周面から径方向外側に延びる環状且つ膜状のシール膜部61bとを有している。
シール膜部61bは、その外周縁において装着キャップ20の段差部23の下向き内面に下方側から弾性的に当接している。このような構成により、第1逆止弁61は、容器本体10の収容空間Sから戻し流路60を通したノズル40側への内容液や空気の流れを阻止するとともに、ノズル40から戻し流路60を通した容器本体10の収容空間S側への内容液や空気の流れを許容するように作動することができる。
ノズル40は、図1に示すように、ノズル筒30の先端筒部32に固定される連結部材42と、連結部材42に対して相対移動可能に装着される先端ノズル部44とを有している。連結部材42は、ノズル筒30の先端筒部32の外周面を覆う嵌合周壁42dと、嵌合周壁42dの前側端から径方向内側に延びる前壁42hと、前壁42hの内周端から前方に延びる外周壁42aとを有している。嵌合周壁42dの外周面には、先端ノズル部44の被嵌合周壁44fの内周面に形成された雌ねじ部44hにねじ係合可能な雄ねじ部42eが設けられている。
連結部材42の外周壁42aの径方向内側には、中央に形成された中央壁42bとの間に円筒形状を有する筒状流路42cが形成されている。図1に示すノズル40の閉塞状態において、筒状流路42cには、先端ノズル部44の前端を構成するノズル壁44aから後方(上流側)に延びる筒状の閉塞部材44cが嵌合している。これによって、筒状流路42cは閉塞部材44cによって閉塞され、ノズル筒30内まで導かれた収容空間S内の内容液は、ノズル40からの注出を規制されている。
先端ノズル部44は、嵌合周壁42dの径方向外側を覆う被嵌合周壁44fと、被嵌合周壁44fの前側端から径方向内側に延びる前壁44gと、前壁44gの内周端から前方に延びる先端周壁44bとを有している。また、先端周壁44bの前端には、内容液を噴出する噴出孔44d,44eが形成されノズル筒30の先端を覆うノズル壁44aが設けられている。
図2(a)は、先端ノズル部44を前方から見た、ノズル壁44aの構成を示している。本実施形態では、ノズル壁44aは、径方向中央に1つの噴出孔44dと、噴出孔44dの径方向外側において周方向の4箇所に等間隔で噴出孔44dよりも小径の噴出孔44eが形成されている。図2(b)に示すように、噴出孔44dは、閉塞部材44cの径方向内側に形成される一方、噴出孔44eは、閉塞部材44cの径方向外側に形成されている。
図2(b)に示す内溶液が噴出不能なノズル40の閉塞状態では、嵌合周壁42dの前端部に形成され半径方向に延びる係合リブ42kが、先端ノズル部44の前壁44gの後面に設けられ半径方向に延びる凹溝44jに係合している。これによって、先端ノズル部44が連結部材42に対して容易に回転してノズル40の閉塞状態が解除されるのを抑制している。このように、連結部材42の係合リブ42kと先端ノズル部44の凹溝44jとは、一対の係合部を形成している。
図2(c)は、ノズル40の閉塞状態におけるノズル40部分の外観を示している。ノズル40の閉塞状態では、閉塞部材44cを筒状流路42cに嵌合させることで流路を閉塞させるために、閉塞部材44cと一体形成される被嵌合周壁44fを嵌合周壁42dに対してねじ係合させることで右方に最大距離だけ相対移動させている。利用者は、被嵌合周壁44fの後端とノズル筒30の突起部30bとの前後方向の隙間Gが最小となり、且つ図2(c)に示す先端ノズル部44側の位置合わせマークの周方向位置がノズル筒30側の閉塞状態に対応するマークに合致していると認識することにより、ノズル40が閉塞状態にあると理解することができる。
次に、このような構成の泡噴出容器1の使用方法について説明する。
この泡噴出容器1は、流通時などの内容液の噴出が行われないときには、図2(b)、(c)に示すようにノズル40を閉塞状態とすることにより、ノズル40と容器本体10の収容空間Sとの連通を遮断し、この泡噴出容器1を使用不能状態とすることができる。これによって、流通時や不使用時等において胴部12が不意に圧搾される等しても、容器本体10内の内容液がノズル40を通して外部に漏れ出すことを確実に抑制することができる。
図2(b)、(c)に示すノズル40の閉塞状態からノズル40を開いて内容液を噴出させるには、先端ノズル部44を内容液の噴出方向(前方)から見て反時計回りに回動させて、嵌合周壁42dの雄ねじ部42eと被嵌合周壁44fの雌ねじ部44hとのねじ係合を緩める。このとき、まず上述の係合リブ42kと凹溝44jとの係合を解除するため、利用者は、先端ノズル部44に対して所定の回転トルクを作用させる必要がある。
上記のねじ係合の解除に伴い、図3(a)に示すように、先端ノズル部44は中心軸線周りの回転と共に前方に移動する。図示の例では、先端ノズル部44は、図2(b)に示すノズル40の閉塞状態から前方に相対移動しており、閉塞部材44cの後端が中央壁42bから離間している。一方、連結部材42の外周壁42aは、中央壁42bよりも更に前方まで延在するため、閉塞部材44cは依然として外周壁42aに当接した状態を維持している。これによって、ノズル流路Nに通じる筒状流路42cと噴出孔44dとが連通する一方、ノズル流路Nと噴出孔44eとは非連通状態を維持することになる。このため、容器本体10内の内容液を噴出孔44dから噴出可能(第1の噴出パターン)な状態となる。
ノズル40が図3(a)に示す第1の噴出パターンに対応した開放状態に位置決めされると、容器本体10の胴部12を圧搾することでノズル40から泡状の内容液をジェット吐出により噴出させることができる。つまり、胴部12が圧搾されると、容器本体10の収容空間Sに収容された内容液がチューブ55と液導入孔54を介して混合室52に導入されるとともに容器本体10内の空気が空気導入孔53を介して混合室52に導入され、混合室52の内部で内容液が空気と混合されて発泡し、泡状化される。また、泡状化された内容液は、発泡部材57を通過することで、さらに発泡、整泡されながら流通路25aを通過し、流出孔38を通ってノズル流路Nに達する。泡状化されたノズル流路N内の内容液は、正圧によってノズル40に達し、筒状流路42cを通って中央の噴出孔44dから噴出される。ノズル流路Nの断面積に比べて噴出孔44dの開口面積が十分に小さいため、噴出孔44dを通過する内容液は、流速を高められた状態で勢いよく噴出される。
利用者は、ノズル40が図3(a)に示す第1の噴出パターンに対応した開放状態にあることを、隙間G、及び位置合わせマークの周方向位置により認識することができる。すなわち、隙間Gがノズル40の閉塞状態における隙間よりも所定距離だけ大きくなっており、且つ先端ノズル部44側の位置合わせマークの周方向位置がノズル筒30側の第1の噴出パターンに対応するマークに合致していると認識することにより、ノズル40が第1の噴出パターンに対応した開放状態にあると理解することができる。
また、利用者は、先端ノズル部44を前方から見て中心軸線周りに更に反時計回りに回転させることにより、ノズル40を、図3(b)に示す第2の噴出パターンに対応した開放状態とすることができる。図示の例では、先端ノズル部44は、図3(a)に示す第1の噴出パターンに対応した開放状態から更に所定距離だけ前方に相対移動しており、閉塞部材44cの後端が中央壁42bに加えて外周壁42aからも離間している。これに伴い、ノズル流路Nに通じる筒状流路42cと噴出孔44d,44eとが連通し、容器本体10内の内容液を噴出孔44d,44eから噴出可能な状態となる。
ノズル40が図3(b)に示す第2の噴出パターンに対応した開放状態に位置決めされると、容器本体10の胴部12を圧搾することでノズル40から泡状の内容液をシャワー吐出により噴出させることができる。つまり、胴部12が圧搾されると、容器本体10の収容空間Sに収容された内容液がチューブ55と液導入孔54を介して混合室52に導入されるとともに容器本体10内の空気が空気導入孔53を介して混合室52に導入され、混合室52の内部で内容液が空気と混合されて発泡し、泡状化される。また、泡状化された内容液は、発泡部材57を通過することで、さらに発泡、整泡されながら流通路25aを通過し、流出孔38を通ってノズル流路Nに達する。泡状化されたノズル流路N内の内容液は、正圧によってノズル40に達し、筒状流路42cを通って径方向中央の噴出孔44d及び径方向外側の噴出孔44eからシャワー状に噴出される。
利用者は、ノズル40が図3(b)に示す第2の噴出パターンに対応した開放状態にあることを、隙間G、及び位置合わせマークの周方向位置により認識することができる。すなわち、隙間Gがノズル40の第1の噴出パターンに対応した開放状態における隙間よりも所定距離だけ大きくなっており、且つ先端ノズル部44側の位置合わせマークの周方向位置がノズル筒30側の第2の噴出パターンに対応するマークに合致していると認識することにより、ノズル40が第2の噴出パターンに対応した開放状態にあると理解することができる。
内容液の噴出後に胴部12の圧搾が解除されると、胴部12が元の形状に復元することで容器本体10内に負圧が発生し、図1に示すように、この負圧によりシール膜部61bが段差部23から離れて第1逆止弁61が開き、ノズル流路Nの内部に残留した内容液がノズル40から吸引される空気(外気)とともに戻し流路60を介して容器本体10の収容空間Sの内部に引き込まれる。サックバック機能とも呼ばれるこのような機能により、噴出後にノズル流路Nの内部に残留した内容液を空気とともに容器本体10の内部に向けて引き込むことができる。
なお、本実施形態では、嵌合周壁42d及び被嵌合周壁44fが雄ねじ部42e及び雌ねじ部44hによりねじ係合され、先端ノズル部44をノズル筒30の中心軸線周りに回転させることで先端ノズル部44を連結部材42に対して並進移動させてノズル40を閉塞状態と開放状態との間で切り換えるように構成したが、この態様には限定されない。例えば、嵌合周壁42d及び被嵌合周壁44fの対向面が中心軸線方向に延びる一対のリブ及び凹溝を有し、先端ノズル部44を連結部材42に対して中心軸線に沿って並進移動させることで、ノズル40を閉塞状態と開放状態との間で切り換えるように構成してもよい。また、先端ノズル部44を中心軸線に沿って並進移動させることなく中心軸線周りに回転させることで、連結部材側に形成されている流路と先端ノズル部側に形成されている噴出孔との連通の有無を切り換えてノズルの閉塞状態と開放状態とを切り換えるように構成してもよい。
また、本実施形態では、先端ノズル部44を連結部材42に対して1回転させる毎にノズル40の閉塞状態と開放状態との切り換え、及び第1開放状態と第2開放状態との切り換えを行うように構成したが、この態様には限定されない。先端ノズル部44を連結部材42に対してn回転(nは2以上の整数)させる毎に上記切り換えが行われるように構成してもよい。
また、本実施形態では、連結部材42及び先端ノズル部44は、閉塞状態において前後方向に対向して互いに係合する係合リブ42k及び凹溝44j(一対の係合部)を有するように構成したが、この態様には限定されない。係合リブ及び凹溝は、例えば半径方向に対向するように設けてもよい。また、係合リブ及び凹溝の組み合わせに代えて、例えば、径方向に突出する突部同士が互いにアンダーカット係合することで前後方向の動きが規制されるように構成してもよい。
また、本実施形態では、ノズル40の断面形状は円形に構成したが、この態様には限定されず、楕円形や矩形形状とするなど、種々変更可能である。
また、本実施形態では、装着キャップ20とノズル筒30とを一体形成するように構成したが、この態様には限定されず、装着キャップ20とノズル筒30とは別体で設けてもよい。
以上述べたように、本実施形態では、可撓性を有する胴部12を備え、内容液の収容空間Sを形成する容器本体10と、内容液を噴出させるノズル40と、容器本体10の口部11に装着される装着キャップ20と、ノズル40が装着されるノズル筒30とを備えるノズルキャップCとを備え、ノズル40は、ノズル筒30に装着される連結部材42と、連結部材42に保持され、複数の噴出孔44d,44eを有する先端ノズル部44とを有し、連結部材42に対して先端ノズル部44が、ノズル筒30の中心軸線に沿った並進移動、又は中心軸線周りに回転移動することにより、内容液を噴出不能とする閉塞状態と、内容液を噴出可能な開放状態とを切り換え可能であるように構成した。これによって、胴部12を誤ってスクイズすることで、利用者の意図に反して内容物がノズル40から噴出されてしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態では、ノズル40の開放状態は、内容液を第1の噴出パターンで噴出可能な第1開放状態と、内容液を第2の噴出パターンで噴出可能な第2開放状態とを有するように構成した。これによって、ノズル40に内容液を噴出不能とする機能に加えて、噴出状態を少なくとも第1の噴出パターンと第2の噴出パターンの間で切り換える機能を付加することができるので、利用者の多様なニーズに合致させた泡噴出容器1を提供することができる。
また、本実施形態では、連結部材42は、中央壁42bと外周壁42aとの間に形成され中心軸線に沿う筒状流路42cを有し、先端ノズル部44は、複数の噴出孔44d,44eを有しノズル筒30の先端を覆うノズル壁44aと、ノズル壁44aから上流方向に延び筒状流路42cに嵌合可能な筒状の閉塞部材44cと、連結部材42の嵌合周壁42dが中心軸線に沿って相対移動可能に嵌合可能な被嵌合周壁44fとを有し、複数の噴出孔44d,44eは、閉塞部材44cの径方向内側及び径方向外側にそれぞれ形成されるように構成した。これによって、先端ノズル部44を連結部材42に対して中心軸線に沿って並進移動させるだけでノズル40を閉塞状態と開放状態との間で切り換えることができる。
また、本実施形態では、嵌合周壁42d及び被嵌合周壁44fの対向面に雄ねじ部42e及び雌ねじ部44h(一対のねじ係合部)が形成されるように構成した。これによって、先端ノズル部44を中心軸線周りに回転させることで連結部材42に対して並進移動させてノズル40を閉塞状態と開放状態との間で切り換えることができる。
また、本実施形態では、連結部材42及び先端ノズル部44は、ノズル40の閉塞状態において互いに係合する係合リブ42k及び凹溝44j(一対の係合部)を有するように構成した。これによって、ノズル40の閉塞状態から開放状態へと遷移させる際に先端ノズル部44に所定の回転モーメントを作用させる必要があるので、利用者の意図に反してノズル40が開放されてしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態では、混合室52に発泡部材57が設けられるように構成した。これによって、混合室52において発泡された内容液を更にきめ細かな泡状の内容液へと整泡することができる。
また、本実施形態では、区画部材50の外側に設けられ、ノズル40を収容空間Sに連ねる戻し流路60と、戻し流路60に設けられ、収容空間Sから戻し流路60を通したノズル40側への内容液の流れを阻止すると共にノズル40から戻し流路60を通した収容空間Sへの内容液の流れを許容する第1逆止弁61を有するように構成した。これによって、内容液を噴出後に、ノズル流路N内に残留する内容液を空気と共に戻し流路60を経由して容器本体10の内部に向けて引き込むことができる。
次に、本発明の第2実施形態である泡噴出容器101について、図面を参照して例示説明する。
図4に示す本発明の第2実施形態である泡噴出容器101は、第1実施形態と同様に、可撓性を有する胴部12を備え、内容液の収容空間Sを有する容器本体10と、内容液を噴出させるノズル40と、容器本体10の口部11に装着される装着キャップ20と、ノズル40が装着されるノズル筒30とを備えるノズルキャップCと、ノズル40に連なる混合室52を内部に備えるとともに混合室52を収容空間Sに連ねる空気導入孔53および液導入孔54を底部に備える区画部材50を有している。なお、本実施形態は、流出孔138に第2逆止弁165を設けることを除いては、第1実施形態と近似している。従って、主に第2逆止弁165の構成について詳説する。
本実施形態では、ノズル筒30の下面には流通路25aに通じる流出孔138、及び戻し流路60に通じる流入孔36が形成されている。ノズル筒30は、断面円形となる筒状に形成されており、内側空間が流出孔138からの内容液をノズル40へと導くノズル流路Nを形成している。流出孔138には、胴部12の押圧時に収容空間S内の内容液をノズル40へ導くと共にノズル40から収容空間Sへの内容液及び空気の流入を規制する第2逆止弁165が設けられている。第2逆止弁165は、保持部165aの上端部に傘状の弁体165bが形成されており、弁体165bの外周端がノズル筒30の下壁の内周面に当接することで閉塞状態となる。
ノズル40が第1の噴出パターンに対応した開放状態に位置決めされると、容器本体10の胴部12を圧搾することでノズル40から泡状の内容液をジェット吐出により噴出させることができる。つまり、胴部12が圧搾されると、容器本体10の収容空間Sに収容された内容液がチューブ55と液導入孔54を介して混合室52に導入されるとともに容器本体10内の空気が空気導入孔53を介して混合室52に導入され、混合室52の内部で内容液が空気と混合されて発泡し、泡状化される。また、泡状化された内容液は、発泡部材57を通過することで、さらに発泡、整泡されながら流通路25aを通過する。胴部12の圧搾による収容空間S内の正圧によって流通路25a内にも正圧が生じているため、第2逆止弁165は開放状態となり、発泡された内容液は流出孔138を通ってノズル流路Nに達する。泡状化されたノズル流路N内の内容液は、正圧によってノズル40に達し、筒状流路42cを通って径方向中央の噴出孔44dから噴出される。
内容液の噴出後に胴部12の圧搾が解除されると、胴部12が元の形状に復元することで容器本体10内に負圧が発生し、シール膜部61bが段差部23から離れて第1逆止弁61が開き、ノズル流路Nの内部に残留した内容液がノズル40から吸引される空気(外気)とともに戻し流路60を介して容器本体10の収容空間Sの内部に引き込まれる。このとき、収容空間S内の負圧により流通路25a内にも負圧が生じるため、第2逆止弁165は閉塞状態となる。これによって、ノズル流路Nから流通路25aを通じて収容空間Sに戻る流路が閉塞されるため、ノズル流路N内に残留する内容液及び空気が再び流通路25a及び混合室52に戻ることがない。従って、常に空気導入孔53と液導入孔54の面積比で定まる所定の混合比で内容液と空気が混合されることになり、混合室52内の内容液と空気との比率が変化することがない。
以上述べたように、本実施形態では、流出孔138に第2逆止弁165を設けたので、内容液を噴出させるために胴部12を圧搾すると、この第2逆止弁165の上流側に所定圧力がかかるまでは第2逆止弁165が閉塞状態を維持するため、蓄圧感を向上させることができる。すなわち、第2逆止弁165が開放されるまでに容器本体10内部に所定圧力が蓄圧され、その所定圧力を超えるように胴部12を圧搾すると初めて第2逆止弁165が開放されて、蓄圧された容器本体10内部の内容液が一気にノズル40から噴出される。従って、内容液を勢いよく噴出させることができ、容器本体10の胴部12を圧搾する際の蓄圧感を高めることができる。また、ノズル流路N内に残留する内容液及び空気が再び流通路25a及び混合室52に戻ることがなく、常に空気導入孔53と液導入孔54の面積比で定まる所定の混合比で内容液と空気を混合することができる。従って、内容液と空気とを混合し、発泡させた後の泡質を良好に維持することができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。