JP2530670Y2 - コンクリート埋設用ボックスの架設装置 - Google Patents

コンクリート埋設用ボックスの架設装置

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JP2530670Y2
JP2530670Y2 JP1992062128U JP6212892U JP2530670Y2 JP 2530670 Y2 JP2530670 Y2 JP 2530670Y2 JP 1992062128 U JP1992062128 U JP 1992062128U JP 6212892 U JP6212892 U JP 6212892U JP 2530670 Y2 JP2530670 Y2 JP 2530670Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、互いに対向する型枠間
に設置されるボックスを、コンクリートの打設前に一方
の型枠に押圧状態で固定させるコンクリート埋設用ボッ
クスの架設装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種従来のコンクリート埋設用ボック
スの架設具として、特公平3ー58023号公報に記載
のものが知られている。このボックスの架設具は、図1
0に示すように、ボックス1の背面側からコンクリート
型枠2Bにボックス1を押圧できる突張り強度を有し、
コンクリート3の支骨をなす鉄筋4に固定される線状の
支持棒5と、この支持棒5をボックス1の背面に取付け
る板状の取付体6とを有し、型枠2A,2B間にコンク
リート3が打設される前に、支持棒5を手で折り曲げて
支持棒5と鉄筋4との接する部分を針金7等で結束し
て、支持棒5を鉄筋4に架設することによって、ボック
ス1を所定の埋設位置に設置し、この時の支持棒5の突
張りによってボックス1を型枠2Bに密着させたのち、
型枠2A,2B間にコンクリート3を打設して、コンク
リート3内にボックス1を埋設するように構成されてい
る。
【0003】しかし、前記従来のコンクリート埋設用ボ
ックスの架設具により、電気配線用ボックス1を埋設す
るのに際して、埋設工程が型枠2Aの設置→電気配線用
ボックス1の架設→型枠2Bの設置の手順でなされる場
合には問題を生じないが、予め両方の型枠2A,2Bを
設置したのちに、型枠2Bに電気配線用ボックス1を当
接させて架設する工程によって埋設する場合には、コン
クリート3を打設する前段状態、つまり支持棒5を介し
て電気配線用ボックス1を鉄筋4に架設した状態で、電
気配線用ボックス1の前面開口部1Aが型枠2Bに密着
して閉じられることになる。したがって、コンクリート
3の打設前に、予め電気配線用ボックス1内に複数の電
線の結線端部を導入し、導入された複数の結線端部に結
線の準備作業を行うことができない。そのために、電気
配線用ボックス1内への電線の結線端部導入、電線の結
線端部に施す結線の準備作業および電気配線用ボックス
1に取付けられる機器への結線作業等が型枠2Bの枠ば
らし後に制限されることになり、型枠2Bの枠ばらし後
における作業が煩雑になる欠点有している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、両方の型枠を設置したのちにボックスを架設する
工程によって埋設される場合には、ボックス内への電線
の結線端部導入、電線の結線端部に施す結線の準備作業
およびボックスに取付けられる機器への結線作業等が型
枠の枠ばらし後に制限されることになるため、型枠の枠
ばらし後における作業が煩雑になる点である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案は、背面を開口し
互いに対向する少なくとも1対の側壁それぞれの背端面
またはその付近に支持棒保持部を形成したコンクリート
埋設用ボックスと、前記支持棒保持部に保持されてコン
クリートの支骨をなす鉄筋に固定される支持棒と、前記
ボックスの背面に着脱可能に取付けられて前記開口を閉
じる裏蓋と、を具備していることを特徴とし、両方の型
枠を設置したのちに、ボックスを架設する工程によって
埋設しなければならない場合でも、コンクリートの打設
前段状態でボックス内への電線の結線端部導入および電
線の結線端部に対する結線の準備作業を実行できるよう
にして、型枠の枠ばらし後における作業を簡単にする目
的を達成した。
【0006】
【作用】本考案によれば、コンクリート埋設用ボックス
の支持棒保持部で保持した線状の支持棒を、支骨鉄筋の
配筋位置に応じて略直線状態もしくクランク状に折り曲
げて支骨鉄筋に固定することにより、所定の位置にボッ
クスを設置することができるとともに、ボックスを前側
の型枠に押圧して密着させることができる。また、両方
の型枠を設置したのちに、前側の型枠にボックスを密着
させて架設する場合には、架設後または架設前に裏蓋を
取外して背面開口を露出させることにより、この開口を
利用してしてコンクリートの打設前にボックス内への電
線の結線端部導入および電線の結線端部に対する結線の
準備作業等を行うことができる。
【0007】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図1はコンクリート埋設用ボックスの正面図、図
2は図1のアーア線断面図、図3は図1の底面図、図4
は線状の支持棒の正面、図5は裏蓋の背面図を示す。こ
れらの図において、コンクリート埋設用ボックスの架設
装置は、ボックス1と、線状の支持棒14および裏蓋1
5を具備している。ボックス1は樹脂製のもので、投影
正面形状が正方形に形成されており、互いに対向する2
対の側壁、つまり両側壁10A,10Aと上壁10Bお
よび下壁10Bのそれぞれに、後述するコネクタを取付
けるための複数の透孔8,8……が形成されている。ボ
ックス1の前側には、正円形の前面開口1Aを形成した
前カバー10Cが設けられている。前カバー10Cにお
ける前面開口1Aは、たとえば手動工具等により容易に
打砕して除去することのできる薄膜9を成型時に一体形
成することによって塞がれており、薄膜9の外側には、
ボックス1に機器類を取付けるための複数のねじ孔1
1,11……を前面開口1Aの軸線に沿う軸線を有して
設けてある。また、両側壁10A,10Aおよび上壁1
0B,下壁10Bの背端部における交差部の外側に突出
して、4つの支持棒保持部12,12……が形成され、
前記交差部の内側には、図5の裏蓋15を着脱可能に取
付けるための取付孔13,13……が形成されている。
なお、支持棒保持部12,12……は、両側壁10A,
10Aおよび上壁10B,下壁10Bの外面に沿う後向
きの支持棒係合溝12Aを形成した突片によってなる。
【0008】図4に示す線状の支持棒14は、通常、番
線と称される軟鋼線によってなり、ボックス1の一辺よ
りも相当に大きい長さと、支持棒係合溝12Aに係合可
能な太さの外径を有している。この支持棒14には、支
持棒保持部12,12の形成スパンL1(図1参照)よ
りも僅かに小さいスパンL2を有して局部的に押圧変形
させた膨出部14a,14aが形成されている。
【0009】図5に示す裏蓋15は、ボックス1の背面
開口1B(図2参照)を塞ぐためのもので、正方形の樹
脂板によってなり、背面開口1Bを塞いだ場合に、支持
棒保持部12,12……(図1参照)をボックス1の背
面側から隠蔽することのできる大きさに形成され、ボッ
クス1に形成された取付孔13,13……に対応する複
数の透孔15A,15A……を形成してある。
【0010】つぎに、コンクリート埋設用ボックス1を
架設して埋設する手順について説明する。図6および図
7のように、両方の型枠2A,2Bを設置したのちにボ
ックス1を架設して埋設する場合。 .図8のように、2本の支持棒14,14の膨出部1
4a,14aを、ボックス1の上壁10Bと下壁10B
に形成されている支持棒保持部12,12の間に位置さ
せて、支持棒14,14を各支持棒保持部12,12の
係合溝12Aに係合したのち、裏蓋15をボックス1の
背面開口1Bにあてがって、透孔15A,15A……を
ボックス1に形成した取付孔13,13……に対応さ
せ、透孔15A,15A……を通してタッピングスクリ
ューのような締結部材16を取付孔13,13……にね
じ込み、ボックス1の背面開口1Bを裏蓋15によって
塞ぐとともに、支持棒保持部12,12の係合溝12A
と裏蓋15によって支持棒14,14を挟持する。支持
棒14,14の軸方向の移動は、膨出部14a,14a
が支持棒保持部12,12に当たることにより防止でき
る。 .ボックス1に取付けられた支持棒14,14を略ク
ランク状に折り曲げ、その両端部を図6および図7に示
すように、後述するコンクリートの支骨をなす鉄筋1
7,17にあてがい、ここを針金18等によって結束し
て、支持棒14,14を鉄筋17,17に架設する。こ
れにより、ボックス1を所定の埋設位置に設置する。つ
まり前側の型枠2Bにボックス1を押圧して密着させた
状態で設置する。なお、図6および図7において、1
9,19……はコネクタを示し、ボックス1の両側壁1
0A,10Aと上壁10Bおよび下壁10Bに形成され
た複数の透孔8,8……に必要個数取付けられ、これら
コネクタ19,19……に電線(図示省略)を挿通する
可撓導電管20が接続される。また、コネクタ19が取
付けられない透孔8は、閉塞部材によって適宜閉塞して
おけばよい。 .全ての締結部材16を除去して裏蓋15を取外し、
ボックス1の背面開口1Bを露出させる。これにより、
露出した開口1Bをを利用してして、コンクリートの打
設前にボックス1内への電線の結線端部導入および電線
の結線端部に対する結線の準備作業等を行うことができ
る。 .裏蓋15をボックス1の背面開口1Bにあてがい、
前記と同様に締結部材16を取付孔13,13……に
ねじ込み、ボックス1の背面開口1Bを裏蓋15によっ
て塞ぐ。 .図9のように、型枠2A,2Bの間にコンクリート
3を打設して、ボックス1をコンクリート3内に埋設す
る。
【0011】こにように、両方の型枠2A,2Bを設置
したのちに、型枠2Bに電気配線用ボックス1を当接さ
せて架設する工程によって埋設する場合には、ボックス
1を所定の埋設位置に設置したのち背面開口1Bを露出
させることにより、この開口1Bを利用してしてコンク
リート3の打設前にボックス1内への電線の結線端部導
入および電線の結線端部に対する結線の準備作業等を行
うことができるので、この種の準備作業が型枠2Bの枠
ばらし後に制限され、コンクリート3の打設前に行うこ
とができない従来のコンクリート埋設用ボックスの架設
具と比較して、型枠2Bの枠ばらし後における作業が簡
単になる。しかも、前カバー10Cにおける前面開口1
Aには、たとえば手動工具等により容易に打砕して除去
することのできる薄膜9が成型時に一体形成されている
ので、前記におけるコンクリート3の打設時におい
て、前側の型枠2Bに対するボックス1の密着度が損な
われて僅かな隙間を生じたとしても、コンクリート3が
ボックス1内に侵入することはない。
【0012】前記実施例では、両側壁10A,10Aお
よび上壁10B,下壁10Bの外面に沿う後向きの支持
棒係合溝12Aを形成した突片によってなる4つの支持
棒保持部12,12……を形成した構成で説明している
が、支持棒係合溝12Aを形成した突片によって5つ以
上の支持棒保持部12,12……を形成した構成、支持
棒係合溝12Aを形成した突条によって4つの以上の支
持棒保持部12,12……を形成した構成、突片もしく
は突条を省略して両側壁10A,10Aおよび上壁10
B,下壁10Bの背端部に形成した支持棒係合溝12A
によって支持棒保持部12,12……とする構成、ある
いは支持棒係合溝12Aに代えて支持棒挿通孔を形成す
ることによって支持棒保持部12,12……とする構成
であってもよい。そして、両側壁10A,10Aおよび
上壁10B,下壁10Bに対応して支持棒保持部12,
12……を形成した構成に代えて、両側壁10A,10
Aもしくは上壁10B,下壁10Bにのみ対応して支持
棒保持部12,12……を形成した構成であってもよ
い。
【0013】また、ボックス1に取付けられた支持棒1
4,14を略クランク状に折り曲げ、その両端部を針金
18等によって鉄筋17,17に結束することで、支持
棒14,14を鉄筋17,17に架設するように説明し
ているが、鉄筋17,17の配筋位置から型枠2Bの設
置までの距離が小さい場合には、直線状または少し折り
曲げた支持棒14,14の両端部を針金18等によって
鉄筋17,17に結束して架設してもよい。
【0014】さらに、支持棒14,14によってボック
ス1を鉄筋17,17に架設し、前側の型枠2Bにボッ
クス1を押圧して密着させたのちに、裏蓋15を取外す
前述の手順に代えて、まず裏蓋15を取外し、裏蓋15
の無いボックス1を支持棒14,14によって鉄筋1
7,17に架設し、結線の準備作業等を行ったのちに裏
蓋15を取付け手順によって埋設してもよい。この場
合、支持棒係合溝12Aによって支持棒保持部12,1
2……が構成されていれば、支持棒14,14を支持棒
係合溝12Aに係合したのち、テープ等の保持材によっ
て支持棒14,14を保持して脱落の防止を図る必要が
ある。
【0015】なお、本考案は、前述のような両方の型枠
2A,2Bを設置したのちにボックス1を架設して埋設
する工程に限らず、後側の型枠2Aを設置してボックス
1を架設したのちに前側の型枠2Bを設置する工程にも
適用可能であることはいうまでもない。
【0016】
【考案の効果】以上説明したように、本考案は、ボック
スの背面に着脱可能に取付けられる裏蓋を設けいるの
で、両方の型枠を設置したのちに、前側の型枠にボック
スを密着させて架設する場合でも、架設後または架設前
に裏蓋を取外して背面開口を露出させることにより、こ
の開口を利用してしてコンクリートの打設前にボックス
内への電線の結線端部導入および電線の結線端部に対す
る結線の準備作業等を行うことができる。したがって、
この種の準備作業が前側の型枠の枠ばらし後に制限さ
れ、コンクリートの打設前に行うことができない従来の
コンクリート埋設用ボックスの架設具と比較して、型枠
の枠ばらし後における作業が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンクリート埋設用ボックスの実施例を示す正
面図である。
【図2】図1のアーア線断面図である。
【図3】図1の底面図である。
【図4】線状の支持棒の正面図である。
【図5】裏蓋の背面図である。
【図6】鉄筋に架設した状態の斜視図である。
【図7】架設状態の縦断側面図である。
【図8】支持棒の取付け状態を背面側から示す分解斜視
図である。
【図9】コンクリート壁内に埋設した状態の縦断側面図
である。
【図10】従来例の埋設状態を示すの横断平面図であ
る。
【符号の説明】
1 ボックス 1B ボックスの背面開口 10A ボックスの両側壁(互いに対向する1対の側
壁) 10B ボックスの上壁と下壁(互いに対向する1対の
側壁) 12 支持棒保持部 14 支持棒 15 裏蓋 17 鉄筋

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背面を開口し互いに対向する少なくとも
    1対の側壁それぞれの背端面またはその付近に支持棒保
    持部を形成したコンクリート埋設用ボックスと、前記支
    持棒保持部に保持されてコンクリートの支骨をなす鉄筋
    に固定される支持棒と、前記ボックスの背面に着脱可能
    に取付けられて前記開口を閉じる裏蓋と、を具備してい
    ることを特徴とするコンクリート埋設用ボックスの架設
    装置。
JP1992062128U 1992-09-03 1992-09-03 コンクリート埋設用ボックスの架設装置 Expired - Lifetime JP2530670Y2 (ja)

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