JP2527774B2

JP2527774B2 - インクジェット記録装置

Info

Publication number: JP2527774B2
Application number: JP62335367A
Authority: JP
Inventors: 厚野田
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1987-12-29
Filing date: 1987-12-29
Publication date: 1996-08-28
Anticipated expiration: 2011-08-28
Also published as: EP0323261A3; EP0323261B1; DE3884368D1; US4959673A; JPH01174458A; EP0323261A2; DE3884368T2

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明はインクジェット記録装置に関し、特に記録ヘ
ッドのインク吐出面に生じた結露や濡れを除去するため
のワイピング手段を具えたインクジェット記録装置に関
する。

［従来の技術］インクジェット記録装置においては、インクや記録媒
体に含まれる水分が蒸発して記録ヘッドの雰囲気が高湿
になり、記録ヘッドおよび雰囲気における温度等の条件
次第でインク吐出面に結露を生ずることがある。

また、吐出インクの記録媒体からのはねかえりによっ
て、インク吐出面に濡れを生じさせることもある。

上述した結露や濡れといった現象は、記録画像の記録
媒体への定着を促進するための定着ヒータを用いる場合
やドットデューティが高い場合により顕著になる。

このように、吐出面に結露や濡れが生じた場合、吐出
面には不均一に水滴等が付着し、インクがインク吐出口
から吐出されて離れるときに不均一に吐出インクを引っ
張るので、吐出方向や吐出速度、またインク滴の粒径が
ばらつき、記録品位の低下をもたらすことになる。ま
た、吐出面の濡れによって紙粉、塵埃等が付着し易くな
り、これが記録品位低下の原因となることもある。

これに対して、吐出面を所定のタイミングでワイピン
グし、結露，濡れ等を取り除くことが行なわれてきた。

第５図（Ａ）〜（Ｃ）はワイピング手段としてブレー
ドを用いたワイピング動作の一従来例を示す上面図であ
る。

図において、20は記録媒体33の記録面に対向してイン
ク吐出を行なうノズル群を具えた記録ヘッドである。16
は記録ヘッド20を保持するキャリッジであり、駆動ベル
ト18の一部と連結し、互いに平行に配設された２本のガ
イドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能とすることによ
り、記録ヘッド20の記録紙33の全幅にわたって往復移動
が可能となる。

26はヘッド回復装置であり、記録ヘッド20の移動経路
の一端、例えばホームポジションと対向する位置に配設
される。不図示のモータおよび伝動機構によって、ヘッ
ド回復装置26を動作せしめ、記録ヘッド20のキャッピン
グを行なう。このヘッド回復装置26のキャップ部26Aに
よる記録ヘッド20へのキャッピングに関連させて、ヘッ
ド回復装置26内に設けた適宜の吸引手段によるインク吸
引もしくは記録ヘッド20へのインク供給経路に設けた適
宜の加圧手段によるインク圧送を行ない、イングを吐出
口より強制的に排出させることによりノズル内の増粘イ
ンクを除去する等の吐出回復処理を行なう。また、記録
終了時等にキャッピングを施すことにより記録ヘッドが
保護される。

31はヘッド回復装置26の側面に配設され、シリコンゴ
ム等で形成されるワイピング部材としてのブレードであ
る。ブレード31はブレード保持部材31Aにカンチレバー
形態で保持され、ヘッド回復装置26と同様、不図示のモ
ータおよび伝動機構によって動作し、記録ヘッド20の吐
出面との係合が可能となる。これにより、記録ヘッド20
の記録動作における適切なタイミングで、あるいはヘッ
ド回復装置26を用いた吐出回復処理後に、ブレード31を
記録ヘッド20の移動経路中に突出させ、ヘッド20の往復
動作に伴なってヘッド20の吐出面における結露，濡れあ
るいは塵埃等をふきとる。

以上のような構成に基づくワイピング動作について以
下に説明する。

第５図（Ａ）は記録ヘッド20が記録終了後図中矢印Ａ
で示す方向に移動してホームポジションに戻る場合を示
しており、このときヘッド回復装置26およびブレード31
は記録ヘッド20の移動経路から退避した位置にある。

第５図（Ｂ）は記録ヘッド20がホームポジションに停
止し、ヘッド回復装置26のキャップ部26Aが記録ヘッド2
0の吐出面に当接してキャッピングを行なっている場合
であり、これはヘッド回復装置26のキャップ部26Aの図
中矢印Ｂ方向への移動によって行なわれる。この時ブレ
ード31はヘッド回復装置26と共に移動するが、ヘッド回
復装置26に相対する移動は行なわれない。

第５図（Ｃ）は記録ヘッド20が図中矢印Ｄで示す方
向、すなわちホームポジションから記録開始位置へ移動
する場合を示しており、このときヘッド回復装置26のキ
ャップ部26Aは記録ヘッド20の移動経路から退避してい
る。これに対し、ブレード31は図中矢印Ｃで示す方向に
ヘッド回復装置26に相対して移動し、記録ヘッド20の移
動経路中に突出する。この結果、記録ヘッド20の吐出面
はブレード31によってワイピングされる。

このブレード31によるワイピングによって、結露や記
録媒体からのインクのはねかえりによる吐出面の濡れを
除去することが可能となる。

［発明が解決しようとする問題点］しかしながら、ワイピングにあたってはブレードを記
録ヘッドの移動経路中に突出させ、その後退避させる動
作およびそのための複雑な機構が必要となる。

本発明はかかる観点においてなされたものであり、ブ
レードを突出および退避させる動作を省くことによって
ワイピング動作を簡略化し、さらにワイピングによるイ
ンク吐出面の摩耗を極力押えたインクジェット記録装置
を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］そのために本発明では、インクを吐出する吐出口が配
設された吐出面を有し記録領域で前記吐出口からインク
を吐出して記録を行う記録ヘッドを前記記録領域と該記
録領域に隣接した非記録領域との間で往復移動させるた
めの移動手段と、前記非記録領域に配され、前記移動手
段の往復移動を利用して前記吐出面をワイピングするた
めのワイピング部材と、前記移動手段による前記非記録
領域から前記記録領域への前記記録ヘッドの移動時より
前記記録領域から前記非記録領域への前記記録ヘッドの
移動時の方が、前記ワイピング部材によるワイピング力
が小さくなるように調整するための調整手段と、を有す
ることを特徴とする。

［作用］以上の構成によれば、記録ヘッドにおけるインク吐出
面のワイピング力を記録ヘッドの移動の双方向において
行うことができ、この場合に、記録領域から非記録領域
への移動のときに行うワイピングの力は、その逆方向の
ときのワイピング力より小さくなるよう調整される。

［実施例］以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。

第１図（Ａ）〜（Ｃ）は本発明の第１実施例を示すイ
ンクジェット記録装置の上面図である。第１図は第５図
と同様ワイピング動作を示すものであり、第５図に示し
た要素と同様の要素には同一の符号を付してその説明は
省略する。以下、第２図〜第４図についても同様であ
る。

第１図において、ワイピング手段はワイピング部材と
してのブレード31がその一端がブレード保持部材31Aと
ブレード長さ調整部材31Bとによって挾持されて固定端
となるカンチレバーの構成をなす。さらにこの構成にお
いて、ブレード長さ調整部材31Bはブレード31に関して
記録媒体33側に配設され、ブレード31に沿ってブレード
31の途中まで延在する。このようなワイピング力の調整
手段によってブレード31はその曲げられる方向によって
実質的な腕の長さが変化する。ブレード保持部材31Aは
ヘッド回復装置26に固定されている。

第１図（Ａ）は記録ヘッド20が記録終了等で図中矢印
Ａで示す方向に移動し、ホームポジションに戻る場合を
示している。このとき、ヘッド回復装置26のキャップ部
26Aは記録ヘッド20の移動経路から退避しているが、ブ
レード31は移動経路中に突出している。この結果、記録
ヘッド20のインク吐出面はワイピングされる。

第１図（Ｂ）は記録ヘッド20がホームポジションに停
止し、ヘッド回復装置26のキャップ26Aが記録ヘッド20
の吐出面に当接してキャッピングを行なっている場合で
あり、このときヘッド回復装置26のキャップ部26Aは図
中矢印Ｂ方向に移動する。

第１図（Ｃ）は記録ヘッド20が図中矢印Ｄで示す方
向、すなわちホームポジションから記録開始位置へ移動
する場合を示しており、このときヘッド回復装置26およ
びブレード31は第１図（Ａ）に示した位置と同一の位置
にある。この結果、この移動においても、記録ヘッド20
のインク吐出面はワイピングされる。

このように、第１図（Ａ）および（Ｃ）で示すワイピ
ングは、ブレード31の実質的な腕の長さが変化すること
でワイピングの方向によりその力が異なったものとな
る。すなわち、ホームポジション方向に移動する場合は
弱く、記録開始位置方向へ移動する場合は結露等を十分
に除去できる程強いものとなる。

なお、ワイピングにかかる往復動作はヘッド回復装置
26を用いた吐出回復処理の際に行なわれるものとは限ら
れず、所定のタイミングでワイピングのための往復動作
を行なってもよいことは勿論である。

第２図（Ａ）〜（Ｃ）は本発明の第２実施例を示すイ
ンクジェット記録装置の上面図であり、第１図と同様、
ワイピング動作を示す。

第２図において、ブレード保持部材31Aはヘッド回復
装置26に固定され、ブレード31は第５図に示した構成と
同様にブレード保持部材31Aに保持される。第５図に示
した構成と異なるのは、ブレード31の記録媒体33側の側
面に刻み等が施されていることである。これにより、ブ
レード31はその曲げられる方向によって曲げ剛性を異な
らせたワイピング力の調整手段をもっている。

第２図（Ａ）〜（Ｃ）はそれぞれ第１図（Ａ）〜
（Ｃ）に示す動作と同様の動作を示す。これら動作の結
果、ワイピングの力は、記録ヘッド20がホームポジショ
ン方向へ移動する場合は弱く、記録開始位置方向へ移動
する場合は結露等を十分に除去できる程強いものとな
る。

第３図（Ａ）〜（Ｃ）は本発明の第３実施例を示すイ
ンクジェット記録装置の上面図であり、第１図および第
２図と同様、ワイピング動作を示す。

第３図において、ブレード保持部材31Aはヘッド回復
装置26に固定され、ブレード31は第５図に示した構成と
同様にしてブレード保持部材31Aに保持される。ブレー
ド保持部材31Aは、ブレード31を保持するための腕をヘ
ッド回復装置26側へ傾けた形状を有する。このようなワ
イピング力の調整手段により、ブレード31が記録ヘッド
20のインク吐出面をワイピングする際、その方向によっ
てブレード31の撓み量が異なる。

第４図（Ａ）〜（Ｃ）は本発明の第４実施例を示すイ
ンクジェット記録装置の上面図であり、第１図〜第３図
と同様、ワイピング動作を示す。

第４図において、ブレード保持部材31Aはその延在す
る部材の中程をヘッド回復装置26に固定された支点部材
31Cに回動自在に軸支される。また、ブレード保持部材3
1Aのブレード31を保持する端部とは異なる端部が、一端
がヘッド回復部材26に固定されたばね31Eの他端と連結
することによって、ブレード保持部材31Aの一部がヘッ
ド回復装置26に固定されたストッパ31Dに押し当てられ
る。この結果、ブレード31が吐出面のワイピングを行な
わないときは第４図（Ｂ）に示す状態となる。このよう
なワイピング力の調整手段の構成によって、ブレード31
によるワイピングの方向によりその力が異なるものとな
る。

第３図（Ａ）〜（Ｃ）または第４図（Ａ）〜（Ｃ）に
示す動作の結果、ワイピングの力は、記録ヘッド20がホ
ームポジション方向へ移動する場合は弱く、記録開始位
置方向へ移動する場合は結露等を十分に除去できる程度
に強いものとなる。

上述した各例によれば、記録位置からホームポジショ
ンに戻る方向で行なうワイピングは弱い力で行なわれる
ため、インクの飛びちりによって記録媒体を汚すことは
ない。

なお、ブレードの配設される位置は、上例に限られず
記録ヘッドの移動経路中適宜の場所に配設されることが
可能である。

以上、本発明においてはワイピング部材として所謂ブ
レードを用いた例を挙げて説明してきたが、本発明はブ
レードに限らず、吐出口面をふくあるいはぬぐうことも
含めてワイピング可能なものであれば使用し得るもので
ある。具体的に一例をあげれば、一枚ブレードでなく、
たんざく状にしたブレードやブラシ様の部材をワイピン
グ部材として良い。

しかしながら、本発明実施例中で詳述したブレードに
よれば、優れたワイピング効果を発揮できるので大変好
ましい。

また、本発明のワイピング力の調整手段とは、ワイピ
ングの方向によってワイピング力を異ならしめる手段を
総称している。従って、個々夫々の条件によってワイピ
ング力を制御させ変化させるものに限られないし、多く
の異なる変形例もまた本発明の主題を逸脱しない範囲で
考え得るものである。

［発明の効果］以上の説明から明らかなように、本発明によれば、以
上の構成によれば、記録ヘッドにおけるインク吐出面の
ワイピング力を記録ヘッドの移動の双方向において行う
ことができ、この場合に、記録領域から非記録領域への
移動のときに行うワイピングの力は、その逆方向のとき
のワイピング力より小さくなるよう調整される。

その結果、ワイピング部材を記録ヘッドの往復移動経
路中に設けて記録ヘッドのこの移動の際には常に記録ヘ
ッドと係合するようにしても、記録領域から非記録領域
へ向う際に行われるワイピングによって生ずるインクの
飛び散りを抑制することができる。

これにより、記録ヘッドの移動経路中にブレードを出
し入れする動作およびそのための機構を必要とせず、装
置が簡略化される。

また、結露等の除去以外で行なわれるワイピングには
必要以上の力が加わらないのでインク吐出面の摩耗を最
小限におさえることができる。

この結果、簡単な構成で必要充分な、所期の目的を充
分に達成したワイピングが行なわれ安定した記録品位が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）〜第４図（Ａ），
（Ｂ），（Ｃ）はそれぞれ本発明の実施例にかかるイン
クジェット記録装置におけるワイピング動作を示す上面
図、第５図（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）はインクジェット記録装
置におけるワイピング動作の一従来例を示す上面図であ
る。 16……キャリッジ、 18……ベルト、 19A,19B……ガイドシャフト、 20……記録ヘッド、 26……ヘッド回復装置、 26A……キャップ部、 31……ブレード、 31A……ブレード保持部材、 31B……ブレード長さ調整部材、 31C……支点部材、 31D……ストッパ、 31E……ばね、 33……記録媒体。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】インクを吐出する吐出口が配設された吐出
面を有し記録領域で前記吐出口からインクを吐出して記
録を行う記録ヘッドを前記記録領域と該記録領域に隣接
した非記録領域との間で往復移動させるための移動手段
と、前記非記録領域に配され、前記移動手段の往復移動を利
用して前記吐出面をワイピングするためのワイピング部
材と、前記移動手段による前記非記録領域から前記記録領域へ
の前記記録ヘッドの移動時より前記記録領域から前記非
記録領域への前記記録ヘッドの移動時の方が、前記ワイ
ピング部材によるワイピング力が小さくなるように調整
するための調整手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項２】特許請求の範囲第１項に記載のインクジェ
ット記録装置において、前記調整手段は前記ワイピング
部材の腕の長さについて、前記記録領域から前記非記録
領域への前記記録ヘッドの移動時の腕の長さをより短く
することによりワイピング力を小さくするものであるこ
とを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項３】特許請求の範囲第１項に記載のインクジェ
ット記録装置において、前記調整手段は前記ワイピング
部材の曲げ剛性について、前記調整手段は前記ワイピン
グ部材の腕の長さについて、前記記録領域から前記非記
録領域への前記記録ヘッドの移動時の曲げ剛性をより小
さくすることによりワイピング力を小さくするものであ
ることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項４】特許請求の範囲第１項または第３項に記載
のインクジェット記録装置において、前記調整手段は前
記ワイピング部材の前記記録領域側の側面に刻みを設け
ることによってワイピング力を小さくすることを特徴と
するインクジェット記録装置。
【請求項５】特許請求の範囲第１項に記載のインクジェ
ット記録装置において、前記調整手段は前記ワイピング
部材の撓み量について、前記調整手段は前記ワイピング
部材の腕の長さについて、前記記録領域から前記非記録
領域への前記記録ヘッドの移動時の撓み量を大きくする
ことによりワイピング力を小さくするものであることを
特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項６】特許請求の範囲第１項または第５項に記載
のインクジェット記録装置において、前記調整手段は前
記ワイピング部材を前記方向の法線に対して前記非記録
領域側に傾けることによりワイピング力を小さくするこ
とを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項７】特許請求の範囲第１項に記載のインクジェ
ット記録装置において、前記調整手段は前記ワイピング
部材を回動自在に支持する構成であって、前記記録領域
方向への回動を阻止する部材と、前記非記録領域方向へ
の回動を柔に規制する弾性体とを有することにより、ワ
イピング力を小さくすることを特徴とするインクジェッ
ト記録装置。
【請求項８】特許請求の範囲第１項ないし第７項のいず
れかの項に記載のインクジェット記録装置において、前
記ワイピング部材がブレードであることを特徴とするイ
ンクジェット記録装置。
【請求項９】特許請求の範囲第１項に記載のインクジェ
ット記録装置において、前記ワイピング部材が前記吐出
面をワイピングするときに、前記調整手段は前記吐出面
に当接しないことを特徴とするインクジェット記録装
置。