JP2523441B2 - 水系美爪料 - Google Patents

水系美爪料

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JP2523441B2 JP5234473A JP23447393A JP2523441B2 JP 2523441 B2 JP2523441 B2 JP 2523441B2 JP 5234473 A JP5234473 A JP 5234473A JP 23447393 A JP23447393 A JP 23447393A JP 2523441 B2 JP2523441 B2 JP 2523441B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水系美爪料に関し、更に
詳細には、従来美爪料に用いられていた有機溶剤に代え
て水を主体とする、光沢、密着性、耐水性、塗膜強度に
優れるとともに、引火性や溶剤臭が無い水系美爪料に関
する。
【0002】尚、本発明において美爪料とは、ネイルエ
ナメル、ネイルエナメルベースコート、ネイルエナメル
オーバーコート等を含むものである。
【0003】
【従来の技術】ネイルエナメル、ネイルエナメルベース
コート、ネイルエナメルオーバーコート等の美爪料は、
爪を着色あるいは装飾したり、爪の傷の発生を防止する
目的で広く使用されている。
【0004】従来の美爪料は、被膜形成剤としてのニト
ロセルロース、アルキッド樹脂等の樹脂、更に可塑剤、
有機溶剤を主基剤としたものがその主流を占めている。
しかしながら、これらの有機溶剤系美爪料は、塗膜形成
剤としての諸性能は優れてはいるものの、有機溶剤を使
用しているため、それによる引火性、溶剤臭、人体への
悪影響等の問題があり、特に爪そのものへの悪影響にお
いて重大な欠点を有している。
【0005】これらの欠点を解決するため、近年、有機
溶剤を使用しない水系の美爪料が開発、提案されてい
る。例えば、特開昭54−28836号公報や特公昭5
5−43445号公報には、アクリル系ポリマーエマル
ジョンからなる美爪料が開示されているが、本発明者ら
が追試した限りではこれらは筆さばき性、成膜性(特に
低温成膜性)、塗膜の光沢などの点で劣るものである。
【0006】また、特開昭56−131513号公報や
特開昭57−56410号公報には、アクリル系ポリマ
ーマイクロエマルジョンからなる美爪料が開示されてい
るが、これらの美爪料により得られる塗膜は機械的摩擦
に対して全くもろいという欠点を有している。
【0007】更に、特開昭56−131513号公報や
特開昭62−63507号公報には、剥離型の水系美爪
料が開示されているが、これらも日常の使用状態ですぐ
に剥がれてしまうという欠点があり、実用的とはいえな
い。
【0008】また、一般にポリマーエマルジョンは、そ
のままでは造膜性に劣るため、美爪料に用いる場合、最
低造膜温度(以下「MFT」と称する)を低下させ、常
温又はそれ以下の温度においても皮膜形成能を有する必
要がある。かかる観点から通常、ポリマーエマルジョン
には可塑剤又は成膜助剤が使用されている。しかしなが
ら、従来のポリマーエマルジョンと可塑剤又は成膜助剤
の組み合わせでは、生じた皮膜が耐水性及び耐久性に劣
るという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、水を主体と
し、塗膜に光沢を有し、密着性と耐水性に優れ、高い塗
膜強度を有する水系美爪料の開発が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる実状に鑑み、本発
明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、
ポリマーエマルジョンに、特定のオキシアルキレングリ
コール誘導体及び特定範囲の沸点と溶解性パラメータを
有する可塑剤を配合すれば、光沢、密着性、耐水性、塗
膜強度に優れ、しかも引火性、溶剤臭がない等の長所を
備えた水系美爪料が得られることを見出し、本発明を完
成した。
【0011】すなわち、本発明は次の成分(A)、
(B)及び(C); (A)ポリマーエマルジョン、(B)一般式(1)
【0012】
【化2】
【0013】〔式中、R1 は炭素数2〜4のアルキレン
基を示し、R2 及びR3 は同一又は異なっていてもよ
く、炭素数1〜8の炭化水素基又は炭素数1〜4のアシ
ル基を示し、nは1〜3の整数を示す〕で表わされるオ
キシアルキレングリコール誘導体、(C)沸点が100
〜400℃で、かつ溶解性パラメータが7〜12.5で
ある (B)成分以外の可塑剤を含有し、ポリマー固形分の配
合量が5〜60重量%であることを特徴とする水系美爪
料を提供するものである。
【0014】本発明に用いられる(A)成分のポリマー
エマルジョンは、例えば重合可能な二重結合を有する単
量体の1種又は2種以上を重合することにより製造され
る。ここで使用される重合可能な二重結合を有する単量
体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等のエチ
レン性不飽和カルボン酸;スチレン、メチルスチレン、
クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン
等の芳香族モノ及びジビニル化合物;メチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチ
ルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメ
タクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコ
ールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレ
ート、ターシャリーブチルアクリレート、ターシャリー
ブチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
シクロヘキシルメタクリレート等のアクリル酸エステル
及びメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド等のエチレン性ア
ミド;酢酸ビニル等のビニルエステル;塩化ビニル、塩
化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;アミノエチルアク
リレート、アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチル
アミノエチルメタクリレート等のエチレン性アミン;ト
リフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テ
トラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,
3,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、パ
ーフルオロオクチルメタクリレート、パーフルオロオク
チルアクリレート等のフッ素系単量体;下記の一般式
(2)〜(6)で表わされるようなシリコーンマクロモ
ノマーなどが挙げられる。
【0015】
【化3】
【0016】〔上記式中、R4 は水素原子又はメチル基
を示し、R5 〜R13はそれぞれ低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基又はフェニル基を示し、Xは下記式;
【0017】
【化4】
【0018】で表わされる基を示し、mは1〜500の
数を示す〕これらの単量体は1種のみを使用しても、ま
た2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0019】これらの単量体を用いてポリマーエマルジ
ョン(A)を調製するには、例えば上記単量体の1種又
は2種以上を常法に従って重合させ、反応混合物に必要
に応じて水を加えることにより行われる。好ましい重合
法としては、分散重合法、転相乳化重合法、シード重合
法、乳化重合法等が挙げられる。
【0020】本発明において使用される(B)成分は、
一般式(1)で表わされるオキシアルキレングリコール
誘導体であるが、式中R1 で示されるアルキレン基とし
ては、エチレン、プロピレン、ブチレン基が挙げられ
る。またR2 及びR3 の炭化水素基又はアシル基の例と
しては、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル、n−
ブチル、ペンチル、イソペンチル、ベンジル、メチルベ
ンジル、エチルベンジル等の炭素数1〜8の炭化水素
基;アセチル、プロピオニル等のアシル基が挙げられ
る。(B)成分の具体例としてはエチレングリコールジ
エチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル
プロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコ
ール−t−ブチル−メチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリ
コールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチ
ルエーテルイソブチレート等が挙げられ、これらは単独
でも2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】本発明で使用される(C)成分である
(B)成分以外の可塑剤は、常圧における沸点が100
〜400℃、好ましくは150〜350℃で、かつ溶解
性パラメータが7〜12.5、好ましくは8〜11.5
であることが必要である。沸点が100℃未満では可塑
化効果が得られず、400℃を超えると爪に塗布後も揮
散せず、べたついたままになるので好ましくない。ま
た、溶解性パラメータが7未満では可塑化効果が得られ
ず、12.5を超えると親水的で耐水性が低下してしま
う。
【0022】かかる(C)成分の可塑剤の具体例として
は、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、ヘキシルセロソルブ等のセロソルブ類;メチルカル
ビトール、カルビトール、ブチルカルビトール等のカル
ビトール類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボ
ネート等のカーボネート類;ブタノール、ヘキサノー
ル、ベンジルアルコール等のアルコール類;ヘキシレン
グリコール、ジプロピレングリコール等のジオール類;
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチ
ル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジエチル、セ
バシン酸ジエチル、カプリル酸エチル、カプロン酸ブチ
ル、酢酸2−エチルヘキシル、クエン酸アセチルトリエ
チル等のエステル類;ジエチルベンゼン、オクチルベン
ゼン、ブチルベンゼン等が挙げられる。これらは単独で
も2種以上を混合して用いてもよい。
【0023】本発明水系美爪料は、例えば上記(A)成
分、(B)成分及び(C)成分を混合し、更に所望によ
り他の成分を配合することにより製造することができ
る。
【0024】(A)成分、(B)成分及び(C)成分の
混合の方法は特に限定されず常法により行うことがで
き、例えば(A)成分、(B)成分及び(C)成分を単
に攪拌混合する方法、(A)成分のポリマーエマルジョ
ンの製造の際、単量体と共にあるいは単独で(B)成分
と(C)成分を加える方法、あらかじめ水に分散させた
(B)成分及び(C)成分と(A)成分とを混合する方
法等が用いられる。
【0025】本発明の水系美爪料において、(A)成
分、(B)成分及び(C)成分の混合物は塗膜形成基剤
として作用する。水系美爪料とした後のポリマー固形分
の配合量は、5〜60重量%となるようにすることが必
要である。合計量が5重量%未満であると、実用上必要
な塗膜を得るためには数度の重ね塗りが必要となり、一
方、60重量%を超えると得られる水系美爪料の粘度が
高くなり、筆さばき性等の塗布性の低下がみられる。
【0026】また、(B)成分と(C)成分の配合量の
合計は、(A)成分のポリマーエマルジョンのポリマー
固形分に対して1〜50重量%、特に5〜35重量%と
なるのが、本発明の効果を得る点から好ましい。
【0027】本発明の水系美爪料には、本発明の効果を
損なわない範囲で、上記成分の他に水系美爪料成分とし
て一般に使用されている成分、例えば油分、保湿剤、紫
外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、
染料、顔料、香料等を適宜配合することができる。
【0028】ここで顔料としては、特にR−221、R
−226、B−404、Y−401等公知の有機顔料が
挙げられる。このような有機着色剤以外に、二酸化チタ
ン、褐色酸化鉄、ベンガラ、雲母チタン、オキシ塩化ビ
スマスといった無機物質も使用することができる。
【0029】また、増粘剤としては公知のものが使用で
き、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、メチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース等の有機系増粘剤や、無機系のベ
ントナイト系増粘剤、ベーマイト等の含水酸化物が使用
できる。
【0030】
【発明の効果】本発明の水系美爪料は、優れた光沢を有
すると共に、従来の水系美爪料では達成できなかった耐
水性、密着性、耐摩耗性等の性質をすべて満足させ、し
かも引火性、溶剤臭がない等の優れた性質を備えるもの
であり、特に優れた密着性を有するものである。従っ
て、従来の有機溶剤を利用する美爪料に代わるものとし
て広く利用することができる。
【0031】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、
以下において「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、
「重量%」を示す。
【0032】合成例1 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
のついた反応器にメチルエチルケトン50部を仕込み、
窒素ガスを流し、溶存酸素を除去した。一方、滴下ロー
トにメチルエチルケトン35部、スチレン61部、n−
ブチルアクリレート35部、アクリル酸4部及びアゾビ
スイソブチロニトリル0.2部を仕込んだ。攪拌下、反
応器内を80℃まで昇温し、滴下ロートより上記モノマ
ー及びメチルエチルケトン溶液を2.5時間かけて滴下
した。モノマーを滴下終了2時間後、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.2部をメチルエチルケトン10部に溶解
した溶液を加えた。3時間同じ温度で熟成後、再びアゾ
ビスイソブチロニトリル0.1部をメチルエチルケトン
5部に溶解したものを加え、更に5時間反応を続け、共
重合体を得た。反応終了後の共重合体溶液を室温まで冷
却し、トリエチルアミン5.6部を加えて中和し、更に
300rpm で攪拌下イオン交換水400部を加えた後、
減圧下40℃でメチルエチルケトンを留去し、更に50
℃で水を留去することにより濃縮し、ポリマー固形分3
3%のポリマーエマルジョンを得た。上記ポリマーエマ
ルジョン100部にエチレングリコールジブチルエーテ
ル20部及びセバシン酸ジエチル(沸点:308℃、溶
解性パラメータ:8.5)5部を加え、ホモディスパー
を用い30分間攪拌し、ポリマーエマルジョン(1)
(ポリマー固形分26.4%)を得た。
【0033】合成例2 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
のついた反応器にメチルエチルケトン50部を仕込み、
窒素ガスを流し溶存酸素を除去した。一方、滴下ロート
にメチルエチルケトン35部、メチルメタクリレート5
8部、n−ブチルアクリレート38部、アクリル酸4部
及びアゾビスイソブチロニトリル0.2部を仕込んだ。
攪拌下、反応器内を80℃まで昇温し、滴下ロートより
上記モノマー及びメチルエチルケトン溶液を2.5時間
かけて滴下した。モノマーを滴下終了2時間後、アゾビ
スイソブチロニトリル0.2部をメチルエチルケトン1
0部に溶解した溶液を加えた。3時間同じ温度で熟成
後、再びアゾビスイソブチロニトリル0.1部をメチル
エチルケトン5部に溶解したものを加え、更に5時間反
応を続け、共重合体を得た。反応終了後の共重合体溶液
を室温まで冷却し、トリエチルアミン5.6部を加えて
中和し、更に300rpm で攪拌下イオン交換水400部
を加えた後、減圧下40℃でメチルエチルケトンを留去
し、更に50℃で水を留去することにより濃縮し、固形
分30%のポリマーエマルジョンを得た。攪拌機、還流
冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管のついた反応
器に上記ポリマーエマルジョンを200部、水100部
を仕込み、窒素ガスを流し溶存酸素を除去した。一方、
滴下ロートに2,2,3,3−テトラフルオロプロピル
メタクリレート15部、t−ブチルメタクリレート35
部、エタノール100部、2,2′−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)0.2部を仕込んだ。攪拌
下、滴下ロートにより上記モノマーのエタノール溶液を
1時間かけて上記反応器内に滴下した。反応器内を70
℃まで昇温した後、過硫酸カリウム0.2部を水10部
に溶解した溶液を加えた。6時間同じ温度で熟成して、
重合反応を終了した。反応器内を50℃まで冷却後、減
圧下50℃でエタノール及び水を留去することにより濃
縮し、ポリマー固形分35%のポリマーエマルジョンを
得た。上記ポリマーエマルジョン100部にエチレング
リコールジエチルエーテル20部及びフタル酸ジエチル
(沸点:296℃、溶解性パラメータ:9.9)5部を
加え、ホモディスパーを用い30分攪拌し、ポリマーエ
マルジョン(2)(ポリマー固形分28%)を得た。
【0034】合成例3 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
を備えた反応器に水150部、ラウリル硫酸ナトリウム
3部、過硫酸アンモニウム0.5部を仕込み、窒素ガス
を流し、溶存酸素を除去した。一方、滴下ロートにメチ
ルメタクリレート73部、アクリル酸−2−エチルヘキ
シル27部、フタル酸ジブチル(沸点:339℃、溶解
性パラメータ:9.4)10部、n−ドデシルメルカプ
タン2.5部を仕込んだ。攪拌下、反応器内を70℃ま
で昇温し、滴下ロートより上記モノマーを3時間かけて
滴下した。滴下終了後、3時間かけて熟成を行い、若干
の凝集物を除去し、ポリマー固形分45%のポリマーエ
マルジョンを得た。上記ポリマーエマルジョン100部
にジエチレングリコールジメチルエーテル15部を加
え、30分間攪拌し、ポリマーエマルジョン(3)(ポ
リマー固形分39.1%)を得た。
【0035】比較合成例1 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
のついた反応器にメチルエチルケトン50部を仕込み、
窒素ガスを流し、溶存酸素を除去した。一方、滴下ロー
トにメチルエチルケトン35部、スチレン61部、n−
ブチルアクリレート35部、アクリル酸4部及びアゾビ
スイソブチロニトリル0.2部を仕込んだ。攪拌下、反
応器内を80℃まで昇温し、滴下ロートより上記モノマ
ー及びメチルエチルケトン溶液を2.5時間かけて滴下
した。モノマーを滴下終了2時間後、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.2部をメチルエチルケトン10部に溶解
した溶液を加えた。3時間同じ温度で熟成後、再びアゾ
ビスイソブチロニトリル0.1部をメチルエチルケトン
5部に溶解したものを加え、更に5時間反応を続け、共
重合体を得た。反応終了後の共重合体溶液を室温まで冷
却し、トリエチルアミン5.6部を加えて中和し、更に
300rpm で攪拌下イオン交換水400部を加えた後、
減圧下40℃でメチルエチルケトンを留去し、更に50
℃で水を留去することにより濃縮し、ポリマー固形分3
3%のポリマーエマルジョン(4)を得た。
【0036】比較合成例2 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
のついた反応器にメチルエチルケトン50部を仕込み、
窒素ガスを流し、溶存酸素を除去した。一方、滴下ロー
トにメチルエチルケトン35部、スチレン61部、n−
ブチルアクリレート35部、アクリル酸4部及びアゾビ
スイソブチロニトリル0.2部を仕込んだ。攪拌下、反
応器内を80℃まで昇温し、滴下ロートより上記モノマ
ー及びメチルエチルケトン溶液を2.5時間かけて滴下
した。モノマーを滴下終了2時間後、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.2部をメチルエチルケトン10部に溶解
した溶液を加えた。3時間同じ温度で熟成後、再びアゾ
ビスイソブチロニトリル0.1部をメチルエチルケトン
5部に溶解したものを加え、更に5時間反応を続け、共
重合体を得た。反応終了後の共重合体溶液を室温まで冷
却し、トリエチルアミン5.6部を加えて中和し、更に
300rpm で攪拌下イオン交換水400部を加えた後、
減圧下40℃でメチルエチルケトンを留去し、更に50
℃で水を留去することにより濃縮し、ポリマー固形分3
3%のポリマーエマルジョンを得た。上記ポリマーエマ
ルジョン100部にヘキシレングリコール(沸点:19
7℃、溶解性パラメータ:11.2)20部を加え、ホ
モディスパーで30分間攪拌し、ポリマーエマルジョン
(5)(ポリマー固形分27.5%)を得た。
【0037】実施例1〜3、比較例1〜2 下記組成の水系ネイルエナメルを下記製法に従って製造
した。それぞれについて、下記評価方法に従って、乾燥
性、光沢、接着性、耐水性、耐摩耗性及び臭いの評価を
行った。その結果を表2に示す。
【0038】
【表1】 (組成) (%) ポリマーエマルジョン(表2) 90 顔料(赤色顔料R−220) 2.5 イオン交換水 6.6 ベントナイト 0.6 香料 0.1 防腐剤 0.1 シリコーン系消泡剤* 0.1 *シリコーンSH−5505(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
【0039】(製造方法)イオン交換水に顔料を分散さ
せた後、水性ポリマーエマルジョン、次いでその他の成
分を添加し、均一に攪拌混合し、最後に脱気して水系ネ
イルエナメルを製造した。
【0040】(評価方法) (1)乾燥性 温度25℃、相対湿度60%の条件下で爪に試料をネイ
ルエナメル筆にて塗布し、指触、乾燥時間を測定する。 ○:3分未満。 △:3分以上6分未満。 ×:6分以上。
【0041】(2)光沢 乾燥性評価時において、30分後の乾燥塗膜の光沢を肉
眼評価する。
【0042】(3)接着性 乾燥性評価時において、30分後の爪への接着性をミク
ロスパチュラにて、被膜を表面より削り取り評価する。
【0043】(4)耐水性 0.5×15×40mmの大きさのナイロン板に試料をネ
イルエナメル筆にて均一に塗布し、温度25℃、相対湿
度60%の条件下で1時間乾燥後35℃の水に1時間浸
漬して塗膜の劣化の有無(白濁、膨潤、柔軟化、剥離
等)を評価する。
【0044】(5)耐摩耗性 乾燥性評価時において、30分後の乾燥塗膜を木綿布で
50回摩擦した後の状態を観察する。
【0045】(6)臭い ネイルエナメルビンの口元で臭いを官能評価する。 尚、上記評価項目(2)〜(6)については次のように
判定した。 ◎:極めて良好。 ○:良好。 △:普通。 ×:不良。
【0046】
【表2】
【0047】この結果から明らかなように、本発明の水
系美爪料は従来のものに比べ、接着性、耐水性、耐摩耗
性等の点において優れていた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(A)、(B)及び(C); (A)ポリマーエマルジヨン、 (B)一般式(1) 【化1】 〔式中、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R
    及びRは同一又は異なっていてもよく、炭素数1〜
    8の炭化水素基を示し、nは1〜3の整数を示す〕で表
    わされるオキシアルキレングリコール誘導体、 (C)沸点が100〜400℃で、かつ溶解性パラメー
    タが7〜12.5である(B)以外の可塑剤を含有し、
    ポリマー固形分の配合量か5〜60重量%であることを
    特徴とする水系美爪料。
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