JP2521007Y2 - 小型ショベルのドーザ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、小型ショベルに装備するドーザ装置に関
する。

従来の技術 第６図は、従来技術のドーザ装置１を装備した小型シ
ョベル２の側面図である。図において、３は小型ショベ
ル２の下部走行体、４は下部走行体３のフレーム、５は
上部旋回体、６は上部旋回体５のフロント部に装着した
作業アタッチメント、７は作業アタッチメント６のブー
ム、８はアーム、９はバケット、10はドーザ装置１の排
土板、11はドーザシリンダである。第７図は、従来技術
のドーザ装置１を示す要部斜視図である。

次に、従来技術のドーザ装置１を第６図および第７図
について述べる。小型ショベル２がドーザ作業を行うと
きには、ドーザシリンダ11を伸縮操作することにより排
土板10を上下方向（第６図における矢印イの方向）に回
動調整することができる。それにより、ドーザ作業を支
障なく行うこととができる。また、ドーザ作業を行わな
いときにはドーザシリンダ11を縮小させて、排土板10を
持上げ状態に保持するようにしている。

考案が解決しようとする課題 従来技術のドーザ装置では、ドーザシリンダをそなえ
ているので、そのドーザシリンダを作動させるための制
御バルブ，配管装置，油圧源などを必要としていた。上
記の施工工事は費用が高く、また小型ショベルに特別な
スペースを要するので、不具合であった。

この考案は上記の課題を解決し、ドーザシリンダを使
用しない安価なドーザ装置を提供することを目的とす
る。

課題を解決するための手段 上記の課題を解決するために講じたこの考案の手段
は、 イ．排土板にバケットの爪を引掛ける引掛部を設け、 ロ．上記引掛部にバケットを引掛ける引掛部を設け、そ
の引掛部にバケットの爪を引掛け、かつ作業アタッチメ
ントを操作することにより排土板を上下方向に回動する
ように構成した。

作用 イ．作業アタッチメントを操作することによりバケット
の爪を排土板に設けた引掛部に引掛け、作業アタッチメ
ントと排土板とを連結状態にすることができる。

ロ．上記イ項の状態で作業アタッチメントを操作するこ
とにより、排土板を上下方向に回動調整することができ
る。

ハ．上記ロ項により小型ショベルは、上記引掛部にバケ
ットの爪を引掛けた状態でドーザ作業を行うことができ
る。

ニ．ドーザ作業を行わないときには、排土板を地上より
上方に、ストッパピンなどにより係止せしめ、上記引掛
部よりバケットの爪を抜き外す。それにより小型ショベ
ルは、たとえば掘削作業を行うことができる。

実施例 以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。第１図は、この考案にかかるドーザ装置12を装備
した小型ショベル13の一部切欠き側面図である。図にお
いて、14は小型ショベル13の下部走行体、15は下部走行
体14のフレーム、16はフレーム15に胡着した排土板取付
用ブラケット、17は上部旋回体、18は上部旋回体17の前
部に取付けたスイングブラケット、19は作業アタッチメ
ント、20は作業アタッチメント19のブーム、21はアー
ム、22はバケツト、23はバケット22の爪、24はドーザ装
置12の排土板、25は排土板24に固着した引掛金具、26は
排土板24のアーム部である。第２図は、第１図のＡ部詳
細図である第３図は、第１図のB-Bより見た要部平面図
である。図において、27はフレーム15のブラケット16
と、排土板24のアーム部26基端とを結合している枢支ピ
ンである。第４図は、この考案のドーザ装置12を示す要
部斜視図である。図において、25は排土板24の引掛部と
して排土板24上部に固着した側面視がＬ型の引掛金具26
は引掛金具25の横板、27はたて板、28はたて板27に開穿
した引掛用窓穴である。

次に、この考案にかかるドーザ装置12の構成を第１図
〜第４図について述べる。排土板24に、バケット22の爪
23を引掛ける引掛部として引掛金具25を固着して設け
た。そしてその引掛金具25にバケット22の爪23を引掛
け、かつ作業アタッチメント19を操作するとにより排土
板24を上下方向に回動調整できるようにし、小型ショベ
ル13がドーザ作業を行うとき上記引掛金具25にバケット
22の爪23を引掛けた状態でドーザ作業を行うように構成
した。

次に、この考案にかかるドーザ装置12の作用機能につ
いて述べる。作業アタッチメント19を操作することによ
りバケット22の爪23を排土板24の上部に固着した引掛金
具25に引掛けることができる。すなわちバケット22の中
央の爪23を引掛金具25の窓穴28に前側から挿入すると、
中央の爪23の上面が窓穴28の上縁部に接するとともに、
バケット22の底板（第４図における符号ロの板）上面
は、引掛金具25の横板26下面側に接する。また左右の爪
23（第４図における符号ハ，ニの位置にそれぞれ取付け
られている爪）の下面側は、排土板24の上端縁部ホに対
接するようになる。それにより、作業アタッチメント19
と排土板24とを連結状態にすることができる。そこで作
業アタッチメント19を操作すると、排土板24は上下方向
に回動移動する。したがって小型ショベル13は、上記引
掛金具25にバケット22の爪23を引掛けた状態でドーザ作
業を行うことができる。

ドーザ作業を行わないときには、排土板24を地上より
上方に、ストッパピン（図示しない）などにて係止せし
め、上記引掛金具25よりバケット22の爪23を抜き外す。
それにより小型ショベル13は、たとえば掘削作業を行う
ことができる。

第５図は、この考案の他のドーザ装置29を装備した非
旋回式小型ショベル30の側面図である。作業アタッチメ
ント19′のバケット22′の爪23′は、排土板24′に固着
した引掛金具25′に引掛けられている。第５図では、作
業アタッチメント19′を操作し、排土板24′下端を地面
Ｇより高さＨの位置に上昇移動せしめている。このドー
ザ装置29の構成および作用機能は、ドーザ装置12の場合
と同様である。

考案の効果 この考案にかるドーザ装置では、排土板にバケットの
爪を引掛ける引掛部を設け、小型ショベルがドーザ作業
を行うとき上記引掛部にバケットの爪を引掛けた状態で
ドーザ作業を行うようにした。排土板の上下方向の回動
調整は作業アタッチメントを操作することにより可能で
あるので、従来技術におけるドーザシリンダ，ドーザ用
制御バルブ，配管装置，ドーザ用操作レバー装置など
や、それらを配設するためのスペースも不要となった。

したがってこの考案にかかるドーザ装置をそなえた小
型ショベルでは、小型ショベルの製造費のコストダウン
ができるとともに、小型ショベルに装備する各種機器の
レイアウトをコンパクトにすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかるドーザ装置を装備した小型シ
ョベルの一部切欠き側面図、第２図は第１図のＡ部詳細
図、第３図は第１図のB-Bより見た要部平面図、第４図
はこの考案のドーザ装置を示す要部斜視図、第５図はこ
の考案の他のドーザ装置を装備した非旋回式小型ショベ
ルの側面図、第６図は従来技術のドーザ装置を装備した
小型ショベルの側面図、第７図は従来技術のドーザ装置
を示す要部斜視図である。 1,12,29……ドーザ装置 2,13,30……小型ショベル 4,15……フレーム 6,19,19′……作業アタッチメント 9,22,22′……バケット 11……ドーザシリンダ 10,24,24′……排土板 16……ブラケット 23,23′……爪 25,25′……引掛金具 26……アーム部 27……枢支ピン・28……窓穴

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体のフロント部にブーム，アーム，バケ
   ットなどを連設した作業アタッチメントを装着し、また
   車体に上下方向に回動自在に排土板を取付けた小型ショ
   ベルにおいて、排土板にバケットの爪を引掛ける引掛部
   を設け、その引掛部にバケットの爪を引掛け、かつ作業
   アタッチメントを操作することにより排土板を上下方向
   に回動するように構成したことを特徴とする小型ショベ
   ルのドーザ装置。