JP2520339Y2 - 屋根パネルのジョイント構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本願考案は予め屋根葺き材を工場で取り付けたパネル
相互のジョイント構造に関するものである。

（従来の技術） 従来は第７図に示すように流れ方向でのパネル１のジ
ョイント部においては、屋根材２を工場で予め取り付け
る際、前記パネル１の側端より相当長さ控えた位置Ｐま
でとし、施工現場で前記パネル1,1を設置した後、第８
図に示すように空いた部分に相当する幅にカットした屋
根材３を葺き段毎に差し込み、釘打ち４して屋根葺き施
工を行っていた。

なお、図中５はルーフィング、６は防水テープ、７は
パネル1,1の接合線、８は軒先、Ｗは防水上１段毎にず
らす幅をそれぞれ示している。

（考案が解決しようとする課題） 上述した従来の方法では、パネルを設置した後、パネ
ルジョイント部における屋根葺き施工が必要で、手間が
かかっていた。殊に、１枚のパネル幅が狭い場合は差し
込む屋根材も多く、屋根材を最初から葺く場合と大差が
なくなり、パネル化の意味が失われてしまう。また、カ
ットされた小幅の屋根材を各々釘止めしていくため、防
水上も不利である。

従って、本願考案の目的は施工現場での屋根葺きを省
き、かつ防水上も効果のある屋根パネルのジョイント構
造を提供するにある。

（課題を解決するための手段） 本願考案に係る屋根パネルのジョイント構造の特徴
は、パネルの一側では屋根材を適宜の長さ突出させ、他
側では前記突出長さ程度に引っ込ませ、引っ込めた側の
屋根材とルーフィング間には屋根材側とパネル剥き出し
側に渡って捨て板を配設し、突出側ではルーフィングも
パネル端部より突出させ、さらに該ルーフィング下方
に、前記屋根材の突出長さ以下で、かつパネルを配設し
た際パネル相互に生じる隙間を覆うに足る目止め板を配
設したパネルを、順次合抉り加工した板をはめ合わせる
ように設置してなるところにある。

（作用） パネルの一側では屋根材を適宜の長さ突出させ、他側
では前記突出長さ程度に引っ込ませ、引っ込めた側の屋
根材とルーフィング間には屋根材側とパネル剥き出し側
に渡って捨て板を配設し、突出側ではルーフィングもパ
ネル端部より突出させ、さらに該ルーフィング下方に、
前記屋根材の突出長さ以下で、かつパネルを配設した際
パネル相互に生じる隙間を覆うに足る目止め板を配設し
たパネルを、順次合抉り加工した板をはめ合わせるよう
に設置すれば、パネルジョイント部での屋根葺き作業を
することなしに屋根施工ができる。

（実施例） 本願考案の実施例につき、第１図乃至第６図を参照し
て、以下詳細に説明する。

第１図及び第２図は本願考案の第１実施例を示す。11
は四辺形の枠からなるパネル本体、12は該パネル本体11
に敷設される野地で、これらのパネル本体11と野地12と
でパネル13を構成している。

パネル13の一側では平板屋根材14を適宜の長さＬ突出
させ、他側では前記屋根材14を前記突出長さ程度Ｌ′に
引っ込ませてある。引っ込めた側の屋根材14とルーフィ
ング15間には屋根材側とパネル剥き出し側に渡って両側
端部を折り返してなる捨て板16を配設し、突出側ではル
ーフィング15もパネル側端より突出させ、さらに該ルー
フィング15下方に、前記屋根材14の突出長さＬ以下で、
かつパネル13を設置した際パネル13,13相互に生じる隙
間を覆うに足るＬ字状の目止め板17をパネル本体11に釘
止めしてある。

従って、第１図において、左上方のパネル13を右下方
のパネル13に合抉り加工した板をはめ合わせるように矢
印の方向に下ろして設置するのみで、ジョイント部の屋
根葺き施工が完了し、施工現場での屋根葺きを省くこと
ができて、手間がかからない。

第３図は本願考案の第２実施例を示すもので、第１実
施例における捨て板16の上部両側に発泡材等の防水テー
プ18,18を配設し、屋根材14,14間の隙間Ｓからパネルジ
ョイント部への漏水をより一層防止するようにしてい
る。

第４図は本願考案の第３実施例を示すもので、第１実
施例における捨て板部分の野地12を切込んで、捨て板1
6′の深さＨを大きくし、第２実施例と同様にパネルジ
ョイント部への漏水をより一層防止するようにしてい
る。

第５図は本願考案の第４実施例を示すもので、捨て板
16″のパネルジョイント側を厚さの異なるスペーサー1
9,19′を介して持ち上げ、ジョイント部への水回りを減
らすようにして第2,第３実施例と同様にパネルジョイト
部への漏水をより一層防止するようにしている。

第６図は本願考案の第５実施例を示すもので、特に目
止め板17′の剛性を高め、その突出長さを屋根材14と同
じにして運搬中などでの屋根材14の養生を兼ねさせてい
る。なお、図中12′は野地12より幾分薄い合板を示す。

（考案の効果） 以上の説明から理解されるように、本願考案によれ
ば、下記の効果を奏することができる。

（１）屋根の施工現場では、屋根パネルを順次合抉り加
工した板をはめ合わせるように設置するのみで、施工が
完了するので、パネルジョイント部での屋根葺きを省く
ことができて、手間がかからない （２）防水上の弱点である屋根材ジョイント部がパネル
ジョイント部とズラして位置付けされる結果になり、か
つ屋根材ジョイント部の下方には捨て板が、パネルジョ
イント部の上方には目止め板がそれぞれ配設されている
ので、漏水の可能性は極めて少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図は本願考案の実施例を示すもので、第
１図は第１実施例を示し、屋根パネルの現場施工を説明
するための斜視図、第２図は第１図と同様に第１実施例
を示し、屋根パネルの現場施工後のジョイント部の横断
面図、第３図は第２実施例を示すもので、第２図と同様
の屋根パネルジョイント部の横断面図、第４図は第３実
施例を示すもので、第２図と同様の屋根パネルジョイン
ト部の横断面図、第５図は第４実施例を示すもので、第
２図と同様の屋根パネルジョイント部の横断面図、第６
図は第５実施例を示すもので、第２図と同様の屋根パネ
ルジョイント部の横断面図をそれぞれ示す。 また、第７図及び第８図は従来例を示すもので、第７図
は屋根パネルの斜視図、第８図は第７図に示す屋根パネ
ルによる現場施工を説明するための屋根パネルジョイン
ト部の斜視図である。 13……パネル、14……屋根材、15……ルーフィング、16
……捨て板、17……目止め板

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パネルの一側では屋根材を適宜の長さ突出
   させ、他側では前記突出長さ程度に引っ込ませ、引っ込
   めた側の屋根材とルーフィング間には屋根材側とパネル
   剥き出し側に渡って捨て板を配設し、突出側ではルーフ
   ィングもパネル端部より突出させ、さらに該ルーフィン
   グ下方に、前記屋根材の突出長さ以下で、かつパネルを
   配置した際パネル相互に生じる隙間を覆うに足る目止め
   板を配設したパネルを、順次合抉り加工した板をはめ合
   わせるように設置してなることを特徴とする屋根パネル
   のジョイント構造。