JP2517026B2 - 食器洗浄機の乾燥制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は食器の洗浄・乾燥を行なう食器洗浄機の乾燥
制御方法に関するものである。

従来の技術 従来の食器洗浄機の構成は第２図に示すように、食器
洗浄機本体１内に洗浄槽２を設置している。３は洗浄槽
２内の洗浄水を循環させる洗浄ポンプで、洗浄ポンプモ
ータ４により回転駆動される。５は洗浄槽２の底部に配
設された残菜フィルターで、この残菜フィルター５から
吸い込まれた洗浄水あるいはすすぎ水は洗浄ポンプ３に
より加圧され、ノズル６より噴出し、かご７に設置され
た食器８を洗浄する。この際に洗浄水あるいはすすぎ水
はヒータ９により加熱される。

洗浄およびすすぎが終了すると洗浄水は排水された
後、排気ファンモータ10により排気ファン10aを駆動し
外気を洗浄槽２内に送風し、前記ヒータ９で食器８及び
洗浄槽２内の気体温度を上昇させ、洗浄槽２内及び食器
８に付着している水滴の蒸発を促進させ、洗浄槽２内の
水蒸気（湿気）を洗浄槽２の前面に開閉自在に設けた蓋
11の排気口12より排出することにより乾燥を行なう。

発明が解決しようとする問題点 一般に食器の乾燥効率を上げ乾燥時間を短縮するため
には、 （１） 乾燥工程に入る直前のすすぎ水温を高く設定し
乾燥時に食器温度を高くし、食器表面の水滴の蒸発速度
を早める。

（２） 洗浄槽内に送風する風量を増加させ、槽内の水
蒸気の排出を早める。

（３） 洗浄槽内に送風する風量を増加させると同時に
ヒーターの入力をアップし、ヒータ表面より発散する熱
エネルギーを空気に効率的に与え洗浄槽内雰囲気温度を
より高くする事により水滴の蒸発速度を早める等々の手
段が用いられている。

しかし、従来の構成によれば、洗浄（すすぎ）終了
後、洗浄槽２内の水蒸気を排出するために排気ファンモ
ータ10を運転した場合に以下の問題点が挙げられる。

（１） 蓋11から排出される風量が多い場合には洗浄槽
２内の水蒸気（すすぎ水排水終了直後には食器や槽内に
水滴が多数付着しており、水蒸気が槽内に充満してい
る）が一気に排気口12から噴出するため、排気口12付近
に人体（卓上型食器洗浄機にあっては大人の目の高さ、
床置型にあっては幼児の目の高さ）が近づくと、水蒸気
のために火傷を負う危険があった。

（２） すすぎ水温を高く設定した場合には、乾燥効率
の増大に効果が大きいが、一方、排出される水蒸気温度
が高くなり、火傷の危険性がより増加することになるた
め、排気風量をかえって抑える必要があった。

（３） 多量の水蒸気が一気に排出されると、冬期にお
いて食器洗浄機周辺の壁面，流し台等が冷えている場合
に著しい結露が発生する問題を有していた。

以上のような問題点が存在するために従来の食器洗い
機では乾燥時間の大幅短縮を果たすことができなかっ
た。

本発明はこのような問題点を解決するもので、食器の
乾燥効率の向上を果たし、乾燥運転時間の短縮を図るこ
とを目的とする。

問題点を解決するための手段 前記問題点を解決するために本発明は、洗浄槽内の水
蒸気を排気口を介して排出する排気ファンと、この排気
ファンにより送風された風を加熱する加熱手段とを備
え、加熱すすぎ後に排気ファンと加熱手段とを動作させ
て乾燥を行う食器洗浄機であって、加熱すすぎ後の乾燥
時には、乾燥工程初期の所定時間、前記排気ファンの風
量を通常時の風量より低下させ、所定時間経過すると前
記排気ファンの風量を通常時の風量とするものである。

作用 本発明の構成によれば、乾燥工程開始直後一定時間乾
燥ファンの送風量を低下させているために、すすぎ終了
直後の高温な水蒸気が排気口より一気に噴出することな
く、徐々に排出されるものである。そして、一定時間経
過して洗浄槽内の温度が低下すれば、送風量を増加させ
て、乾燥効率を高めるため、総合的にみて、乾燥時間を
短縮させることができる。

実施例 以下、本発明の食器洗浄機の一実施例について図面に
基いて説明する。

なお、食器洗浄機そのものの構成は従来と同一である
ため、その説明を省略し、排気ファンの制御を中心に以
下説明を行う。第１図に乾燥工程における乾燥運転時限
と排気ファンの風量を示している。すなわち、乾燥工程
初期に排気ファンを駆動するファンモータを間欠的に通
電し、回転数を低下させることにより洗浄槽内への送風
量を減少せしめ、排気口から流出する水蒸気の量を低下
させている。そして、所定時間T₀終了後、ファンモータ
に通常通電することにより、本来の送風量を発生するも
のである。

ファンモータの回転数の制御方法は、その他に所定回
転数をホール素子等の検知素子で検知して行なってもよ
い。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように本発明によれば、乾
燥工程初期に所定時間排気ファンの風量を通常時より低
下させることにより、すすぎ終了直後の高温な水蒸気は
排気口より一気に噴出することなく徐々に排出されるこ
とになり、人体への火傷や本体周囲の壁面等を濡らすこ
とを防止できるとともに、一定時間経過後には通常時の
排気風量を十分に確保できるため、ヒーターの高ワット
化も図れ、乾燥効率の向上および運転時間の短縮化を図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の食器洗浄機の乾燥制御方法を示す排気
風量と乾燥時間のグラフ、第２図は従来の食器洗浄機を
示す縦断面図である。 ２……洗浄槽、３……洗浄ポンプ、９……ヒーター、10
……排気ファンモータ、10a……排気ファン、12……排
気口。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮内 隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 平井 幸男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−92725（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄槽内の水蒸気を排気口を介して排出す
   る排気ファンと、この排気ファンにより送風された風を
   加熱する加熱手段とを備え、加熱すすぎ後に排気ファン
   と加熱手段とを動作させて乾燥を行う食器洗浄機であっ
   て、加熱すすぎ後の乾燥時には、乾燥工程初期の所定時
   間、前記排気ファンの風量を通常時の風量より低下さ
   せ、所定時間経過すると前記排気ファンの風量を通常時
   の風量とする食器洗浄機の乾燥制御方法。