JP2016054848A - 食器洗浄機 - Google Patents

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Tatsunari Ohashi
龍成 大橋
隼大 大平
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Abstract

【課題】
洗浄槽内の多段階の水位を簡素な構成で検出しうる食器洗浄機を提供する。
【解決手段】
食器洗浄機1は、食器類Wを収容する洗浄槽2と、洗浄槽2の貯水部と連通する水位検出槽7と、水位検出槽7の水位が所定水位であることを検出する水位検出手段7aと、洗浄槽2に送風する送風手段6と、洗浄槽2に水を給水する給水手段2fと、所定の制御周期における送風手段6の作動期間の割合を変更して送風手段6を作動させた状態で、水位検出手段7aにより所定水位であることが検出されるまで給水手段2fにより給水することによって、洗浄槽2に前記割合に応じた複数段階の水位の給水を行う制御手段10とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、食器洗浄機に関する。
従来、洗浄槽と連通する水位検出槽に設けられたフロート式センサによって当該洗浄槽の水位を検出する食器洗浄機が知られている。
この種の食器洗浄機では、洗浄かすすぎか、あるいは運転モードの相違等によって検出すべき洗浄槽内の水位が異なっていることが多い。この検出すべき水位ごとに水位検出槽内にフロート式センサを設けると、部品点数が増え、コストが高くなってしまうとともに、配置スペースが大きくならざるを得なかった。
この点に鑑みて、特許文献1においては、洗浄槽内に食器を乾燥するために送風する送風ファンの回転速度を変更して洗浄槽内を加圧または減圧することにより、洗浄槽内と水位検出槽内に水位差を発生させて、1つのフロート式センサにより多段階の水位を検出する技術が提案されている。
特開2004−283431号公報
特許文献1の技術では、送風ファンの回転速度を変更するための駆動回路が必要となるが、駆動回路として送風ファンのモータに印加する電圧を変更する構成を新たに採用した場合には、たとえばファン駆動電圧を変化させる回路が必要となる。この場合、駆動回路の構成が複雑になってしまう。
そこで、本発明は、この点に鑑み、洗浄槽内の多段階の水位を、簡素な構成によって検出する食器洗浄機を提供することを目的とする。
本願発明者らは、送風手段の作動によって洗浄槽の内部気圧を変更するための構成を検討した結果、一定の制御周期における送風手段の作動期間(ON期間)の割合を変更すると、それに応じて洗浄槽の内部圧力が変化することを知見した。すなわち、この制御周期における送風手段の作動期間の割合が高いほど、洗浄槽内の内部気圧が高くなり、洗浄槽内の水位が低下する。この結果、洗浄槽内に連通する水位検出槽の水位が上昇する。
この点に着目した本発明の食器洗浄機は、次のように構成される。
すなわち、本発明の食器洗浄機は、食器類を収容する洗浄槽と、前記洗浄槽の貯水部と連通する水位検出槽と、前記水位検出槽の水位が所定水位であることを検出する水位検出手段と、前記洗浄槽に送風する送風手段と、前記洗浄槽に水を給水する給水手段と、所定の制御周期における前記送風手段の作動期間の割合を変更して送風手段を作動させた状態で、前記水位検出手段により前記所定水位であることが検出されるまで前記給水手段により給水することによって、前記洗浄槽に前記割合に応じた複数段階の水位の給水を行う制御手段とを備えることを特徴とする。
なお、本発明において、制御周期における送風手段の作動期間の割合には、制御周期を通して送風手段が停止状態に維持される割合が0%の場合も含まれる。
本発明の食器洗浄機によれば、所定の制御周期における送風手段の作動期間の割合を変更することにより、洗浄槽内の内部気圧によって洗浄槽内の水位を変化させることが出来る。従って、洗浄槽内の水位が異なる複数の状態において、水位検出槽の水位を水位検出手段による検出水位とすることが出来る。また、送風手段の作動期間の割合は、たとえばスイッチング手段によって切り替えることが出来るので、送風手段の送風量を印加電圧を変更して調節する場合に比べ、制御手段の構成を簡易な構成にすることが出来る。
また、一般に、食器洗浄機は、食器類についた汚れ等を落とす洗浄工程と、食器類をすすぐすすぎ工程とを備えることが多い。洗浄工程においては、洗浄槽内に貯められた水に汚れが多く分散するため、水量を減らすと水の粘性が高くなって、給水手段として一般的に採用されるポンプにエアかみが発生するおそれがある。このため、洗浄工程において、洗浄槽内の水量を減らすことは難しい。一方、すすぎ工程においては、このようなおそれは軽減されているため、洗浄工程よりも水量を減らしてもよい。
そこで、本発明の食器洗浄機では、前記食器類をすすぐすすぎ工程における前記洗浄槽への給水を前記送風手段の前記作動期間の割合を第1の割合として行い、前記食器類を洗浄する洗浄工程における前記洗浄槽への給水を前記送風手段の前記作動期間の割合を前記第1の割合よりも小さい第2の割合として行うことが好ましい。
この食器洗浄機によれば、すすぎ工程における送風手段の作動期間が、洗浄工程における送風手段の作動期間(送風手段が最初から最後まで停止しているゼロ期間を含む。)よりも長くなるので、すすぎ工程における給水時における内部気圧が、洗浄工程における給水時における内部気圧よりも高くなる。この結果、すすぎ工程における洗浄槽内の水位が洗浄工程の洗浄槽内の水位よりも低い状態において、水位検出手段が検出することが出来る。この検出を基にすすぎ工程の給水量を調節することにより、洗浄工程における水量よりも少ない水量ですすぎ工程を実行できるので、すすぎ工程の水量を節約することが出来る。
また、当該構成の食器洗浄機では、前記洗浄槽内の水を加熱可能な加熱手段を備え、前記制御手段は、前記すすぎ工程のうち前記加熱手段による加熱が行われない水すすぎ工程における前記洗浄槽への給水を前記送風手段の前記作動期間の割合を第3の割合として行い、前記すすぎ工程のうち前記加熱手段による加熱が行われる加熱すすぎ工程における前記洗浄槽への前記送風手段の前記作動期間の割合を前記第3の割合よりも小さい第4の割合として行うことが好ましい。
加熱手段によって洗浄槽内の水を加熱する場合において、洗浄槽内の水位が低いと、加熱手段が洗浄槽内に貯められた水から露出してしまい、洗浄槽内の水の加熱が不十分になる場合も生じうる。
この点に鑑みて構成された本発明の食器洗浄機によれば、加熱すすぎ工程における送風手段の作動期間(送風手段が最初から最後まで停止しているゼロ期間を含む。)が、水すすぎ工程における送風手段の作動期間よりも短くなるので、加熱すすぎ工程における給水の前又は給水時における内部気圧が、水すすぎ工程における給水の前又は給水時における内部気圧よりも低くなる。この結果、加熱すすぎ工程における給水量を水すすぎ工程における給水量よりも多くできる。この結果、加熱手段が露出する蓋然性が低下するので、洗浄槽内の水が十分に加熱される。
第1実施形態の食器洗浄機の全体構成図。 第1実施形態の制御ブロック図。 食器洗浄機における一連の食器洗浄運転のフローチャート。 洗浄工程のフローチャート。 水すすぎ工程のフローチャート。 加熱すすぎ工程のフローチャート。 乾燥工程のフローチャート。 乾燥ファン制御周期におけるON期間の割合と検出可能な水位との関係を示すグラフ。 第2実施形態の食器洗浄機の全体構成図。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の食器洗浄機1は、食器類Wを収容した洗浄槽2を外装ケース3に内装する前面引き出し式の構成となっている。洗浄槽2は、上部が開口した箱型形状をしており、洗浄槽2の前面に扉が設けられている。
食器洗浄機1において、外装ケース3の内部には、洗浄槽2に水を供給する給水管4、洗浄槽2の排水を行なう排水ホース5、洗浄槽2内に乾燥用の空気を送風する乾燥ファン6、洗浄槽2と連通管7bを介して連通する水位検出槽7、及び、洗浄槽2の運転を制御する制御手段10が設けられている。
そして、給水管4には、洗浄槽2への給水を制御する電磁式の給水弁4aが設けられている。排水ホース5には、逆流防止のための逆U字状の立上り部5aと、エア抜き部5bと、排水トラップ部5cと、逆止弁5dとが設けられている。
洗浄槽2の内部には、食器類Wを保持する食器カゴ2aと、食器カゴ2aに保持された食器類Wに向けて洗浄水を噴射する洗浄ノズル2bと、洗浄水を加温するヒータ2cと、洗浄槽2内部の温度を測定する温度センサ2dが設けられている。
温度センサ2dは、例えばサーミスターによって構成される。温度センサ2dは、洗浄槽2に水が貯められている場合には、その水温Twに応じた信号を出力し、洗浄槽2に水が貯められていない場合には、洗浄槽2内の温度Taに応じた信号を出力する。
洗浄槽2の底部には、残菜フィルタ2eを介して接続される洗浄・排水ポンプ2fが設けられている。洗浄・排水ポンプ2fは、正転することにより食器を洗浄する水を洗浄ノズル2bを介して洗浄槽2内に循環させ、逆転することにより洗浄槽2内の水を排水ホース5を介して排水する。なお、各電装品(洗浄・排水ポンプ2f、給水弁4a、乾燥ファン6、及び制御手段10等)は、図示しない電源コードを介して家庭用電源から供給される電力により駆動される。
洗浄槽2の前端部3aには、電源スイッチ10a及びスタート/一時停止スイッチ10bが設けられている。前端部3aには、洗浄槽2が外装ケース3内に確実に収納されているときに信号を制御手段10に出力する位置スイッチ10cが設けられている。更に、洗浄槽2の前面にはブザー3b及び表示器3cが設けられている。
また、扉には、乾燥ファン6により、洗浄槽2内の空気を排出するための排気通路8が設けられている。排気通路8は、洗浄槽2の前方(図1の左側)に開口8aを備えるとともに、扉の前端部に排気口8bを備える。
また、排気通路8の途中には、ダンパ8cが設けられている。ダンパ8cは、洗浄槽2内の内部圧力が所定の圧力以上となった場合に開状態となり、洗浄槽2と外部とを連通させる一方、洗浄槽2内の内部圧力が所定の圧力未満となった場合に閉状態となり、洗浄槽2と外部との連通を遮断する。このダンパ8cにより、洗浄槽2の内部圧力の安定化を図ることができる。
水位検出槽7の内部には、フロート式の水位スイッチ7aが設けられている。水位スイッチ7aは、水位検出槽7の水位が所定の水位となった場合に、検出信号を制御手段10に出力するように構成されている。後述する乾燥ファン6の間欠動作が停止している場合、洗浄槽2の水位が第1水位になった時に、水位検出槽7の水位が所定の水位となり、水位スイッチ7aが検出信号を制御手段10に出力する。
次に、図2を参照して、第1実施形態の制御系の構成を説明する。
制御手段10は、CPU、RAM、ROM、及びタイマにより構成されている。
制御手段10には、表示器3cの操作キー等の各種操作キー3d、温度センサ2d、水位スイッチ7a、電源スイッチ10a、スタート/一時停止スイッチ10b及び位置スイッチ10cからの信号が入力される。
また、制御手段10は、ブザー3b及び表示器3cに各種信号を出力することにより、ブザー3bからのブザー音の出力及び表示器3cによる表示を行うように構成されている。
また、制御手段10は、駆動回路10dに各種信号を入力することにより、ヒータ2c、洗浄・排水ポンプ2f、給水用電磁弁4a、乾燥ファン6の動作を制御するように構成されている。加えて、制御手段10は、切替器10eに切替信号を出力することにより、乾燥ファン6のON(作動)及びOFF(停止)を切り替えるように構成されている。
駆動回路10dは、制御手段10からの各種信号の入力に応じて、所定の電力を供給することにより、ヒータ2c、洗浄・排水ポンプ2f、給水用電磁弁4a、乾燥ファン6を動作させる。特に、駆動回路10dは、乾燥ファン6に対し、一定電圧による電力を供給するように構成されている。
次に、食器洗浄機1の機能の概略について説明する。
食器洗浄機1の制御手段10は、洗浄槽2に収容した食器類Wを洗浄するため、各種入力に基づいて各種機器の動作を制御することにより、一般的な洗浄として、図3に示すように、洗浄工程(STEP100)と、水すすぎ工程(STEP200)と、加熱すすぎ工程(STEP300)と、乾燥工程(STEP400)とからなる一連の食器洗浄運転を実行する。洗浄工程の詳細については、図4のフローチャートに示され、水すすぎ工程の詳細については、図5のフローチャートに示され、加熱すすぎ工程の詳細については、図6のフローチャートに示され、乾燥工程の詳細については、図7のフローチャートに示されている。
本実施形態では、制御手段10は、上記工程のうち水すすぎ工程(STEP200)における給水(図5/STEP208)時に、切替器10eの動作を制御することにより、乾燥ファン6を間欠作動させるように構成されている(STEP206)。
図8のグラフは、水位スイッチが検出信号を出力する貯水量(給水量)(縦軸)と、乾燥ファン6の一定の演算周期におけるON期間の割合(横軸)との関係を示したグラフである。この図8において、実線で示されるグラフは本実施形態(排気口を開放する実施形態)におけるグラフであり、破線で示されるグラフは後述する第2実施形態(排気口を閉塞する実施形態)におけるグラフである。これらのグラフに示されるように、給水(STEP208)時において一定の演算周期におけるON期間(作動期間)の割合が所定割合となるように乾燥ファン6を間欠動作させることにより、洗浄工程・加熱すすぎ工程の給水時(乾燥ファン6が停止した大気圧下)と比較して、貯水量(給水量)が低いレベルで、水位スイッチ7aが検出信号を出力する。
これは、この乾燥ファン6の間欠作動により洗浄槽2内部の気圧が上昇することにより、当該洗浄槽2と連通する水位検出槽7内の水位が押し上げられ、水すすぎ工程における洗浄槽2の給水水位が、洗浄工程及び加熱すすぎ工程の給水水位である第1水位よりも低い第2水位となった時に、水位検出槽7内の水位が検出水位に到達するためである。
なお、乾燥ファン6を間欠作動させる場合、乾燥ファン6への通電を停止するOFF期間においても、乾燥ファン6が慣性で回転し続け、また、食器洗浄機1の空気の抜け道が狭く構成されているため、間欠作動のOFF期間中も、洗浄槽2内部の気圧が維持される。
制御手段10は、この検出信号が入力されることを要件として給水を停止する。これにより、水すすぎ工程における給水量が節約される。
また、水を加熱する洗浄工程(STEP100)及び加熱すすぎ工程(STEP300)においては、乾燥ファン6がOFFに維持された状態で洗浄槽2への給水が行われる(図4/STEP110、図6/STEP302)。
以下、図4〜図7を参照して、洗浄工程、水すすぎ工程、加熱すすぎ工程及び乾燥工程における処理の詳細を説明する。
[洗浄工程]
図4に示すように、制御手段10は、電源スイッチ10a、位置スイッチ10c、スタート/一時停止スイッチ10bの全てがONとなっているか否かを判定する(STEP102〜STEP106)。いずれかの判定結果が否定的である場合(STEP102でNO、STEP104でNO又はSTEP106でNO)、制御手段10は、再び各判定を実行する(STEP102〜STEP106)。
続いて、制御手段10は、駆動回路10dに排水信号を出力することにより、洗浄・排水ポンプ2fを逆転動作させて、洗浄槽2内に貯留された水を排水する(STEP108)。
排水終了後、制御手段10は、駆動回路10dに給水信号を出力することにより給水用電磁弁4aを開状態に制御して、給水を開始する。制御手段10は、水位スイッチ7aからの検出信号が入力されたときに、駆動回路10dに給水停止信号を出力することにより給水用電磁弁4aを閉状態に制御して、給水を終了する(図4/STEP110)。
上記洗浄工程では、乾燥ファン6の動作がなされないため、洗浄槽2内の気圧は大気圧となっている。この結果、洗浄槽2の水位が第1水位(洗浄用水位)になったときに、水位スイッチ7aは検出信号を出力する。換言すれば、STEP110では、洗浄槽2の水位が第1水位となるまで給水が行われる。
続いて、制御手段10は、駆動回路10dに洗浄信号を出力することにより、洗浄・排水ポンプ2fを正転動作させる(STEP112)。洗浄・排水ポンプ2fが正転動作することにより、水が洗浄ノズル2bを介して洗浄槽2に循環し、食器類Wの洗浄が行われる。なお、この際、食器かご内部に設けられた洗剤容器内の洗剤が、洗浄水に溶け出す。また、制御手段10は、STEP112で洗浄を開始したときにタイマによる計時を開始する。
続いて、制御手段10は、駆動回路10dにヒータ駆動信号を出力することにより、ヒータ2cをON(発熱状態)にする(STEP114)。ヒータ2cの発熱により、洗浄槽2内の水が加熱される。そして、制御手段は、温度センサ2dで検出される水温Twが第1温度(たとえば60度)以上になったときに(STEP116でYES)、駆動回路10dにヒータ停止信号を出力して、ヒータ2cをOFF(発熱停止状態)にする(STEP118)。
続いて、制御手段10は、タイマの計時時間が設定時間(たとえば10分)になった時にSTEP122に進む(STEP120)。
制御手段10は、駆動回路10dにポンプ停止信号を出力することにより、洗浄・排水ポンプ2fの動作を停止させる(STEP122)。
続いて、制御手段10は、駆動回路10dに排水信号を出力して洗浄・排水ポンプ2fを逆転動作させることによって、洗浄槽2の排水を行う(STEP124)。
以上の処理により、洗浄工程が終了する。
[水すすぎ工程]
制御手段10は、洗浄工程の終了後、引き続き、水すすぎ工程を開始する。
図5に示すように、水すすぎ工程において、制御手段10は、駆動回路10dに給水信号を出力することにより給水用電磁弁4aを開状態に制御して、給水を開始する。制御手段10は、水位スイッチ7aからの検出信号が入力されたときに、駆動回路10dに給水停止信号を出力することにより給水用電磁弁4aを閉状態に制御して、給水を終了する(STEP202)。
続いて、制御手段10は、駆動回路10dに排水信号を出力することにより、洗浄・排水ポンプ2fを逆転動作させて、洗浄槽2内に貯留された水を排水する(STEP204)。
上記STEP202〜STEP204の給水及び排水により、洗浄槽2内に残存していた洗剤が洗い流される。
続いて、制御手段10は、駆動回路10dに乾燥ファン動作信号を出力するとともに、切替器10eに切替信号を出力することにより、乾燥ファン6の間欠作動を開始する(STEP206)。この工程において、制御手段10は、所定の制御周期におけるON期間の割合が所定の割合(たとえば25%)となるように(たとえば、1制御周期(2秒)のうち、ON期間が0.5秒、OFF期間が1.5秒となるように)、切替器10eに切替信号を出力する。
続いて、制御手段10は、駆動回路10dに給水信号を出力することにより給水用電磁弁4aを開状態に制御して、給水を開始する。制御手段10は、水位スイッチ7aからの検出信号が入力されたときに、駆動回路10dに給水停止信号を出力することにより給水用電磁弁4aを閉状態に制御して、給水を終了する(STEP208)。
乾燥ファン6の間欠作動により、洗浄槽2内の内部気圧が上昇している。このため、洗浄槽2の水位が押し下げられる一方、水位検出槽7の水位が押し上げられる。この結果、洗浄槽2の水位が第1水位よりも低い第2水位に到達したときに、水位スイッチ7aが制御手段10に検出信号を出力する。制御手段10は、この検出信号が入力されることを要件として駆動回路10dに給水停止信号を出力するので、STEP208では、洗浄槽2の水位が第2水位となった時点で給水が停止される。
給水終了後、制御手段10は、駆動回路10dに乾燥ファン停止信号を出力することにより、乾燥ファン6の動作を停止する(STEP210)。
続いて、制御手段10は、駆動回路10dに洗浄信号を出力することにより、洗浄・排水ポンプ2fを正転動作させる(STEP212)。洗浄・排水ポンプ2fが正転動作することにより、洗浄槽2に貯められた水がノズル2bから噴出されて洗浄槽2内を循環し、食器類Wのすすぎが行われる。また、制御手段10は、STEP212で洗浄・排水ポンプ2fの正転動作を開始したときにタイマによる計時を開始する。
制御手段10は、タイマの計時時間が設定時間(たとえば2分)になった時にSTEP216に進む(STEP214)。
制御手段10は、駆動回路10dにポンプ停止信号を出力することにより、洗浄・排水ポンプ2fの動作を停止する(STEP216)。
続いて、制御手段10は、駆動回路10dに排水信号を出力することにより、洗浄・排水ポンプ2fを逆転動作させて、洗浄槽2に貯められた水の排水を行う(STEP218)。
続いて、制御手段10は、すすぎ回数をカウントするための変数N(初期値0)に1を加える(STEP220)。
制御手段10は、Nが2以上か否かを判定する(STEP222)。当該判定結果が否定的である場合(STEP222でNO)、制御手段10は、再度STEP202以下の処理を実行する。
当該判定結果が肯定的である場合(STEP222でYES)、制御手段10は、水すすぎ工程(STEP200)を終了する。
[加熱すすぎ工程]
制御手段10は、水すすぎ工程の終了後、加熱すすぎ工程を実行する。
図6に示すように、制御手段10は、駆動回路10dに給水信号を出力することにより給水用電磁弁4aを開状態に制御して、給水を開始する。制御手段10は、水位スイッチ7aからの検出信号が入力されたときに、駆動回路10dに給水停止信号を出力することにより給水用電磁弁4aを閉状態に制御して、給水を終了する(STEP302)。
前記すすぎ工程のSTEP206による乾燥ファン6の間欠作動により、洗浄槽2内の内部気圧は一時的に上昇するが、その後の処理(STEP212〜STEP218)では乾燥ファン6が停止しているため、洗浄槽2内の内部気圧は大気圧程度まで下がっている。
このため、加熱すすぎ工程では、洗浄槽2の水位が第1水位となった場合に水位スイッチ7aから検出信号が制御手段10に出力され、この出力に応じて制御手段10は給水を停止させる。換言すれば、加熱すすぎ工程では、洗浄槽2の水位が第1水位となるまで、給水が行われる。
続いて、制御手段10は、駆動回路10dに洗浄信号を出力することにより、洗浄・排水ポンプ2fを正転動作させる(STEP304)。洗浄・排水ポンプ2fが正転動作することにより、洗浄槽2に貯められた水がノズル2bから噴出されて洗浄槽2内を循環し、食器類Wのすすぎが行われる。また、制御手段10は、STEP304で洗浄・排水ポンプ2fの正転動作を開始したときにタイマによる計時を開始する。
続いて、制御手段10は、駆動回路10dにヒータ駆動信号を出力することにより、ヒータ2cをONにする(STEP306)。ヒータ2cの発熱により、洗浄槽2内の水が加熱される。そして、制御手段は、温度センサ2dに示される水温Twが第2温度(たとえば70度)以上になったことを要件として(STEP308でYES)、駆動回路10dにヒータ停止信号を出力することにより、ヒータ2cをOFFにする(STEP310)。
続いて、制御手段10は、タイマの計時時間が設定時間(たとえば5分)になった時にSTEP314に進む(STEP312)。
制御手段10は、駆動回路10dにポンプ停止信号を出力することにより、洗浄・排水ポンプ2fの動作を停止させる(STEP314)。
続いて、制御手段10は、駆動回路10dに排水信号を出力することにより、洗浄・排水ポンプ2fを逆転動作させ、洗浄槽2に貯められた水の排水を行う(STEP316)。
以上の処理により、加熱すすぎ工程(STEP300)が終了する。
[乾燥工程]
制御手段10は、上記加熱すすぎ工程の終了後、乾燥工程を実行する。
図7に示す乾燥工程において、制御手段10は、まず、乾燥ファン6を所定時間だけ作動(間欠作動及び連続作動)させる(STEP402〜STEP406)。この間、制御手段10は、温度センサ2dから取得した洗浄槽2内の温度Taに基づいて、ヒータの動作制御を行う(STEP408〜STEP414)。制御手段10は、所定時間の乾燥ファン6の作動の後(STEP406‥YES)、終了処理(各種機器の停止(STEP416〜STEP418)、ブザー3bへの食器洗浄運転が完了した旨を報知するブザー音の出力(STEP420)、電源スイッチ10aのOFF処理(STEP422))を行って、乾燥工程を終了する。
本願発明者らは、乾燥ファン6(送風手段)の作動によって洗浄槽2の内部気圧を変更するための構成を検討した結果、一定の制御周期における乾燥ファン6のON期間(作動期間)の割合を変更すると、それに応じて洗浄槽2の内部圧力が変化することを知見した。すなわち、図8に示されるように、この制御周期における乾燥ファン6のON期間の割合が高いほど、洗浄槽2内の内部気圧が高くなり、洗浄槽2内の水位が低下する。この結果、洗浄槽2内に連通する水位検出槽7の水位が上昇する。
この点に着目して構成された食器洗浄機1によれば、所定の制御周期における乾燥ファン6のON期間の割合を変更することにより、洗浄槽2内の内部気圧によって洗浄槽2内の水位を変化させることが出来る。従って、洗浄槽2内の水位が異なる複数の状態において、水位検出槽7の水位を水位検出手段7aによる検出水位とすることが出来る。また、乾燥ファン6のON期間の割合は、たとえば切替器10e(スイッチング手段)によって切り替えることが出来るので、乾燥ファン6の送風量を印加電圧を変更して調節する場合に比べ、制御手段10の構成を簡易な構成にすることが出来る。
また、一般に、食器洗浄機1は、食器類Wについた汚れ等を落とす洗浄工程(図3/STEP100)と、食器類Wをすすぐすすぎ工程(図3/STEP200〜STEP300)とを備えることが多い。洗浄工程においては、洗浄槽内2に貯められた水に汚れが多く分散するため、水量を減らすと水の粘性が高くなって、給水・洗浄ポンプ2fにエアかみが発生するおそれがある。このため、洗浄工程において、洗浄槽2内の水量を減らすことは難しい。一方、すすぎ工程においては、このようなおそれは軽減されている。
この点に着目して構成された食器洗浄機1によれば、すすぎ工程における乾燥ファン6のON期間が、洗浄工程における乾燥ファン6の作動期間(送風手段が最初から最後まで停止しているゼロ期間を含む。)よりも長くなるので、すすぎ工程における給水の前又は給水時における内部気圧が、洗浄工程における給水の前又は給水時における内部気圧よりも高くなる。
この結果、すすぎ工程における洗浄槽内の水位が洗浄工程の洗浄槽内の水位よりも低い状態において、水位検出手段7aから検出信号を出力させることが出来る。この検出信号を基にすすぎ工程の給水量を調節することにより、洗浄工程における水量よりも少ない水量ですすぎ工程を実行できるので、すすぎ工程の水量を節約することが出来る。
なお、乾燥ファン6の作動にかかる電力を節約するため、水位スイッチ7aが検出信号を出力する直前に洗浄槽2の内部気圧が所定の気圧で安定するように乾燥ファン6の作動制御が行われることが好ましい。たとえば、制御手段10は、乾燥ファン6の間欠作動の開始前(STEP206の実行前)に給水(STEP208)を開始してもよいし、又は乾燥ファン6の作動開始後(STEP206の実行開始後)所定の時間をおいてから給水(STEP208)を開始してもよい。この給水の開始タイミングは、予め実験等により求められうる。
また、食器洗浄機1によれば、加熱すすぎ工程(図3/STEP300)における乾燥ファン6のON期間(送風手段が最初から最後まで停止しているゼロ期間を含む。)が、水すすぎ工程(図3/STEP200)における乾燥ファン6のON期間よりも短くなるので、加熱すすぎ工程における給水の前又は給水時における内部気圧が、水すすぎ工程における給水の前又は給水時における内部気圧よりも低くなる。この結果、加熱すすぎ工程における給水量を水すすぎ工程における給水量よりも多くできるので、加熱手段によって洗浄槽内の水が効率よく加熱される。
[変形態様]
第1実施形態では、2つの水位である第1水位と第2水位とが用いられたが、これに代えて、たとえば運転モードに応じて、3つ以上の水位が用いられてもよい。この場合、水位とON/OFF期間との関係を表すマップ又は図8のグラフ等を用いて当該水位にするためのON/OFF期間が決定されうる。
第1実施形態では、水すすぎ工程(図3/STEP200)において乾燥ファン6の間欠作動が実行されたが、これに代えてまたは加えて、洗浄工程(図3/STEP100)又は加熱すすぎ工程(図3/STEP300)の給水時に乾燥ファン6の間欠作動が実行されてもよい。たとえば、加熱すすぎ工程において、第1水位よりも低く、第2水位よりも高い第3水位となるように乾燥ファン6の間欠作動が行われてもよい。
加熱すすぎ工程における給水量を、第1水位よりも低く、第2水位よりも高い第3水位とするため、加熱すすぎ工程におけるON期間の割合(第4の割合)を、洗浄工程におけるON期間の割合(第2の割合)よりも大きく、水すすぎ工程におけるON期間の割合(第1の割合、第3の割合)よりも小さくして洗浄槽2への給水を行えばよい。
また、加熱すすぎ工程における給水量を全工程の中で最も多くするため、加熱すすぎ工程におけるON期間の割合(第4の割合)を、洗浄工程におけるON期間の割合(第2の割合)をよりも小さく、かつ、水すすぎ工程におけるON期間の割合(第1の割合、第3の割合)よりも小さくして洗浄槽2への給水を行ってもよい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について、図9を参照して説明する。第1実施形態と共通する部分について同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態においては、排気経路11の連通箇所が洗浄槽2の下端である点で、第1実施形態と異なる。排気経路11が洗浄槽2の下端の排気口11aと外装ケース上部に設けられた排気口11bとが連通しているため、洗浄槽2に給水されると、排気口11aが水によって封鎖される。これにより、洗浄槽2から排気経路への排気の流通が遮断されて、洗浄槽2の密閉度が増大し、内部気圧が上昇しやすくなる。
図8のグラフに示すように、第2実施形態においては、第1実施形態のグラフに比べて、短いON期間でより洗浄槽2の水位を下げることが出来る。すなわち、第2実施形態では、第2水位に制御する場合であっても、乾燥ファン6の動作時間が短縮されるので、乾燥ファン6の駆動に係るエネルギーが節約される。
1‥食器洗浄機、2‥洗浄槽、6‥乾燥ファン(送風手段)、7‥水位検出槽、7a‥水位スイッチ(水位検出手段)、10‥制御手段。

Claims (3)

  1. 食器類を収容する洗浄槽と、
    前記洗浄槽の貯水部と連通する水位検出槽と、
    前記水位検出槽の水位が所定水位であることを検出する水位検出手段と、
    前記洗浄槽に送風する送風手段と、
    前記洗浄槽に水を給水する給水手段と、
    所定の制御周期における前記送風手段の作動期間の割合を変更して前記送風手段を作動させた状態で、前記水位検出手段により前記所定水位であることが検出されるまで前記給水手段により給水することによって、前記洗浄槽に前記割合に応じた複数段階の水位の給水を行う制御手段とを備えることを特徴とする食器洗浄機。
  2. 請求項1記載の食器洗浄機において、
    前記制御手段は、前記食器類をすすぐすすぎ工程における前記洗浄槽への給水を前記送風手段の前記作動期間の割合を第1の割合として行い、前記食器類を洗浄する洗浄工程における前記洗浄槽への給水を前記送風手段の前記作動期間の割合を前記第1の割合よりも小さい第2の割合として行うことを特徴とする食器洗浄機。
  3. 請求項2記載の食器洗浄機において、
    前記洗浄槽内の水を加熱可能な加熱手段を備え、
    前記制御手段は、前記すすぎ工程のうち前記加熱手段による加熱が行われない水すすぎ工程における前記洗浄槽への給水を前記送風手段の前記作動期間の割合を第3の割合として行い、前記すすぎ工程のうち前記加熱手段による加熱が行われる加熱すすぎ工程における前記洗浄槽への給水を前記送風手段の前記作動期間の割合を前記第3の割合よりも小さい第4の割合として行うことを特徴とする食器洗浄機。
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