JP4771489B2 - 食器洗い機 - Google Patents
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図1(a)に示すように、食器洗い機の本体1には、前面の扉2により引き出し可能な洗浄槽3と、この洗浄槽3に給水する給水電磁弁5を備える給水管21と、該洗浄槽3内の洗浄水を排水する排水管22を設けている。
上記洗浄槽3には、食器類を収納する食器カゴ4と、洗浄水を噴射する回転ノズル(噴射ノズル)6と、洗浄水を加圧する洗浄・排水ポンプ7(洗浄運転時は「洗浄ポンプ7a」、排水運転時は「排水ポンプ7b」という。)と、洗浄水や空気を加熱するヒーター8と、洗浄槽3内の温度を検出するサーミスター9と、洗浄槽3内の水位を検知する水位検知器11と、洗浄槽3内に空気を送り込む乾燥ファン12と、洗浄槽3内の空気を排出する排気口19を設けている。
なお、符号14は残菜フィルター13を有する水溜めであり、符号23、24は、排水管22に設けた排水トラップと逆止弁である。
上記制御部20は、図1(b)に示すように、CPU、RAM、ROM、及びタイマー等を有する制御手段25と、各種の負荷を駆動する負荷駆動回路26を備えている。この制御手段25は、操作部28、水位検知器11、サーミスター9等からの入力信号を受けて、表示部27と負荷駆動回路26へ制御信号を出力して、洗浄・排水ポンプ7、給水電磁弁5、ヒーター8、及び乾燥ファン12を駆動することにより食器洗い機の運転を制御する。
使用者が食器類をセットする等の準備をした後、希望する運転コースを選択して運転を開始すると、その運転コースにしたがって、食器類の洗浄を行う洗浄行程、洗浄された食器類のすすぎを行うすすぎ行程、及び濡れた食器類を乾燥する乾燥行程が順次自動的に実行される。
このような問題を解決するために、洗剤の代わりに、昔から洗浄剤として使われている重曹を用いる食器洗い機が、特開2003−339615号公報(特許文献1)に記載されているように、既に提案されている。
この従来の食器洗い機は、図1に示す一般的な食器洗い機と同様の構成を備えており、複数の運転コースの一つとして、重曹を用いる「簡単洗浄専用コース」が設けられているものである。
洗浄槽3を本体1から引き出して、食器カゴ4に食器類をセットし、洗浄槽3内に重曹を投入する等の準備をした後、電源ボタン15により電源スイッチをオンする(ステップ61、図では「S61」で示す。以下同じ)。次に、コース選択ボタン17により「簡単洗浄専用コース」を選択して(ステップ62)、さらにスタート/一時停止ボタン16を押して運転を開始する(ステップ63)。
上記簡単洗浄専用コースの「簡単洗浄行程」と「すすぎ行程」(ステップ64、65)では洗浄水を加熱せず、その後の「加熱すすぎ行程」(ステップ66)でのみ所定の温度まで加熱して加熱すすぎを行う。図12には、「簡単洗浄専用コース」運転時の洗浄水の温度変化を実線で示しているが、「加熱すすぎ行程」を除いて大きな変化はない。なお、同図における点線は、標準的な「食器洗浄コース」運転時の洗浄水の温度変化を示している。
この特許文献2に記載された従来の食器洗い機は、洗浄槽内の洗浄水に重曹又は炭酸ナトリウムを添加して、洗浄槽の貯水部に設置した電極間に電圧を印加して洗浄水を電気分解して洗浄力を高めながら、該洗浄水の温度を30〜50℃にして食器類の洗浄を行うものである。
このように重曹を用いる場合の洗浄率を考慮すれば、上記特許文献1の食器洗い機では、洗浄水を加熱しない非加熱洗浄であるから、水温の高い夏季ではかなり高い洗浄率が得られるが、それ以外の季節では水温がそれ程高くないため、重曹の洗浄能力を充分発揮することができない。
したがって、重曹を用いる運転コースにおいて、洗浄率(洗浄力)を充分高くしようとして、ヒーターによる加熱や給湯器からの給湯によって洗浄水の温度を高くすると、炭酸カルシウムの発生率が高くなり食器類や洗浄槽の表面に付着する量も多くなる。また、炭酸カルシウムは水に溶け難く、一度付着するとその上に付着し易くなるという性質があるので、付着した炭酸カルシウムはその直後に洗い流す必要がある。食器類や洗浄槽の表面に炭酸カルシウムの付着が繰り返されて蓄積されると、付着した部分が白く変色するという問題が発生する。
(1) 本発明に係る食器洗い機は、食器類を収納し且つ洗浄水を貯水する洗浄槽と、この洗浄槽に洗浄水を給水する給水弁と、食器類へ洗浄水を噴射する回転ノズルと、この回転ノズルへ洗浄水を圧送する洗浄ポンプと、上記洗浄槽に貯水された洗浄水を機外へ排水する排水ポンプと、洗浄水の温度を検出する温度検出器と、上記給水弁、洗浄ポンプ及び排水ポンプを制御する制御部を備えて成り、
少なくとも、重曹を用いて食器類を洗浄する洗浄行程と、該食器類をすすぐすすぎ行程を有する「重曹コース」による運転を行うことができる食器洗い機を前提として、
上記洗浄行程における洗浄水の温度に応じて、上記すすぎ行程でのすすぎ回数を変更することにより、洗浄行程で食器類に付着した炭酸カルシウムをすすぎ行程において洗い流すことである。
炭酸カルシウムは水に溶け難く、一度付着するとその上に付着し易くなるという性質があるので、付着した炭酸カルシウムはその直後に洗い流す必要がある。食器類や洗浄槽の表面に炭酸カルシウムの付着が繰り返されて蓄積されると、付着した部分が白く変色する。
そこで、上記のように構成することにより、洗浄行程において食器類を洗浄する洗浄水の温度に応じてすすぎ行程での食器類のすすぎ回数を変更することによって、洗浄行程において食器類や洗浄槽に付着した炭酸カルシウムを残らず洗い流すことが可能となり、炭酸カルシウムの付着が繰り返されて蓄積されることはない。
このような構成により、洗浄行程において食器類の洗浄を所定時間行うと、洗浄水の温度が洗浄槽や食器類の温度と略同じになって安定する。このときの温度を検出することにより、洗浄水の温度を正確に測定することが可能となる。その結果、すすぎ行程で必要とするすすぎ回数を適正に決定することができる。
このような構成により、洗浄中の洗浄水の温度を測定することなく、洗浄行程における洗浄水の温度を洗浄槽への給水温度に基づいて決めることができるので、時間を要することなく洗浄水の温度を決定することが可能である。
このような構成により、洗浄行程における洗浄水の温度を給水管での給水温度に基づいて決めることができるので、時間を要することなく、且つ精度よく洗浄水の温度を決定することが可能である。また、給水管にスチーム発生器が設けられる場合には、このスチーム発生器中に用いられているサーミスターを、給水温度を検出する温度検出器として利用することが可能である。
このような構成により、洗浄力が高いにも関わらず、炭酸カルシウムの発生量が少ない状態で食器類を洗浄することができる。これにより、充分な洗浄を行うことができるだけでなく、炭酸カルシウムの付着量を少なく抑えることができるので、すすぎ回数を減らすことが可能である。
例えば、洗浄水の温度を30℃前後に保持することにより、洗浄行程での洗浄率(洗浄力)が、略90%と充分に高いにも関わらず、洗浄水中に発生する炭酸カルシウム発生率(発生量)は、略10数%と充分に低いので、充分な洗浄を行うことができ、且つ、すすぎ回数を最少にすることができる。
また、洗浄行程において、食器類の洗浄を所定時間行った後、洗浄水の温度を検出することにより、洗浄水の温度を正確に測定することができるので、すすぎ行程で必要とするすすぎ回数を適正に決定することができる。その結果、すすぎ行程において食器類に付着した炭酸カルシウムを残さず洗い流すことが可能である。
また、洗浄槽への給水温度を給水管に設けた温度検出器で測定するので、精度よく洗浄行程での洗浄水の温度を決定することができる。そして、給水管にスチーム発生器が設けられる場合には、このスチーム発生器内に設けられているサーミスターを、給水管に設ける温度検出器として利用することができる。
以下に、本発明の実施例1について、図1〜図5を参照しながら説明する。
この実施例1は、洗浄行程での食器類の洗浄中に洗浄水の温度を検出して、すすぎ行程でのすすぎ回数を変更するものである。
(食器洗い機の構成)
先ず、食器洗い機の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は一般的な構成を備える食器洗い機に関する模式図、図2は本実施例1の食器洗い機における操作パネルの模式図である。
本実施例1による食器洗い機は、図1に示すような一般的な構成を備え、食器類の洗浄、すすぎ、及び乾燥の基本的な動作を行うことができるものであり、運転コースの一つとして洗浄剤に重曹を用いる「重曹コース」を備えていると共に、操作パネル18の表示部27に「重曹コース」を報知する表示ランプを備えているものである。使用者が、コース選択ボタン17を押すことにより「重曹コース」を選択すると、この表示ランプが点灯する。
次に、本実施例1の食器洗い機における「重曹コース」の動作について、図3−1及び図3−2を参照しながら説明する。図3−1は「重曹コース」における洗浄行程の動作を説明するフロー図であり、図3−2は同じく「重曹コース」におけるすすぎ行程、加熱すすぎ行程、及び乾燥行程の動作を説明するフロー図である。
洗浄槽3を本体1から引き出して食器カゴ4内に食器類をセットすると共に、洗浄槽3内に重曹を投入する等の準備をした後、図3−1に示すように、電源ボタン15を押して電源スイッチをオンすると共に(ステップ1)、コース選択ボタン17を押して「重曹コース」を選択する(ステップ2)。次に、スタート/一時停止ボタン16を押しスタートスイッチをオンして、「洗浄行程」の運転を開始する(ステップ3)。
本実施例1の「重曹コース」では、洗浄行程における洗浄水の温度が、洗浄率が充分高く、且つ炭酸カルシウム発生率が低い所定温度(例えば、略30℃)よりも低い場合には、ヒーター8をオン/オフ制御して略30℃に保持するように予め設定されている。洗浄行程中に、洗浄水の温度が28℃以下のときはヒーター8をオンして加熱し、30℃以上のときはヒーター8をオフして冷ますことにより、常に洗浄水の温度を28〜30℃に保持している(ステップ6〜16)。食器類の洗浄を開始してから所定時間(例えば、5分)が経過して洗浄水の温度が安定状態になったとき、この洗浄水の温度をサーミスター9により検出する(ステップ10、11)。この検出した洗浄水の温度は、次のすすぎ行程においてすすぎ回数を決定するとき使用される。
本実施例1では、上述したように、洗浄行程における洗浄水の温度を予め所定温度(例えば、略30℃)に設定しているが、使用者が運転コースとして「重曹コース」を選択したとき(ステップ2)、操作パネル18により洗浄水の温度を所望する温度(例えば、40℃又は50℃)に設定し得るようにすることもできる。
また、食器洗い機の給水口に給湯器を接続して、洗浄槽3にお湯(例えば、40〜50℃の洗浄水)を直接供給することにより、洗浄行程での洗浄率(洗浄力)を高くすることもできる。
先ず、給水電磁弁5の開閉により洗浄槽3内に規定量を給水する給水処理を行い(ステップ19)、続いて、洗浄ポンプ7aの運転を開始し回転ノズル6から洗浄水を噴射して食器類のすすぎを実行する(ステップ20)。このすすぎを所定時間(例えば、2分)継続した後、洗浄ポンプ7aの運転を停止すると共に(ステップ21、22)、排水ポンプ7bの運転を開始して、洗浄槽3内の洗浄水を外部に排出する排水処理を行い(ステップ23)、1回目のすすぎ(基本すすぎ)を終了する。このとき、2回目以降のすすぎ(追加すすぎ)回数のカウント値nをリセット(n=0)する(ステップ24)。
なお、上記すすぎ回数表は、予め実験等を行うことにより作成して制御手段25のメモリーに記憶させておく。
この「加熱すすぎ行程」では、上記すすぎ行程と同様に、洗浄槽3内に規定量の給水を行った後(ステップ31)、洗浄ポンプ7aの運転を開始すると共に、ヒーター8をオンすることにより、洗浄水を加熱しながら食器類の加熱すすぎを行う(ステップ32)。この加熱すすぎは洗浄水の温度が所定温度(例えば、70℃)になるまで継続し、所定温度に達するとヒーター8をオフし(ステップ33、34)、さらに所定時間(例えば、30秒)が経過したら、洗浄ポンプ7aの運転を停止すると共に(ステップ35、36)、排水ポンプ7bの運転を開始する。これにより、洗浄槽3内の洗浄水を外部に排出して(ステップ37)、加熱すすぎ行程を終了する。
その後、さらに「乾燥行程」を実行して(ステップ38)、「重曹コース」の運転を完了する(ステップ39)。
次に、本実施例1の食器洗い機における「重曹コース」を選択して、食器類を洗浄した場合の炭酸カルシウムの付着率(付着量)について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4及び図5は、食器洗い機の運転時間に対する炭酸カルシウムの付着率を洗浄水の温度の変化と共に示したグラフである。
先ず、洗浄行程での洗浄水の設定温度が30℃で、洗浄槽3への給水温度が20℃の場合について、図4を参照しながら説明する。洗浄槽3に供給される洗浄水は20℃であるが、ヒーター8により加熱され温められて略30℃になり、30分間の加熱洗浄が行われる。この時、洗浄水中に発生する炭酸カルシウムの発生率(発生量)は、洗浄水の温度が略30℃であるから10数%であり(図10を参照)、洗浄中に食器類の表面に付着する炭酸カルシウムの付着率も10数%程度である。
なお、図4における炭酸カルシウムの付着量は、上述の炭酸カルシウムの発生量と同様に、洗浄水中に含有するカルシウムイオン量により変動するため、洗浄水60℃の炭酸カルシウム付着率を100%とした場合の炭酸カルシウム付着率で表している。また、後述の図5及び図8についても同様である。
上記すすぎ行程が終了すると、続いて加熱すすぎ行程が実行され、70℃のお湯で食器類の加熱すすぎが行われる。
洗浄行程では洗浄槽に45℃のお湯が供給されるが、洗浄が開始すると食器類や洗浄槽によって徐々に冷やされて略40℃になり、30分間の加熱洗浄が行われる。洗浄水は洗浄中にヒーターにより加熱されることはないが、洗浄水の温度は略40℃に維持されている。この時、洗浄水中に発生する炭酸カルシウムの発生率(発生量)は、洗浄水の温度が40〜40数℃であるから略30%程度であり(図10を参照)、洗浄中に食器類の表面に付着する炭酸カルシウムの付着率も略30%程度である。
上記すすぎ行程が終了すると、続いて加熱すすぎ行程が実行され、70℃のお湯で食器類の加熱すすぎが行われる。
以下に、本発明の実施例2について、図6、図7及び図3−2を参照しながら説明する。
この実施例2は、洗浄槽への給水温度に基づき洗浄行程での洗浄水の温度を推定して、すすぎ行程でのすすぎ回数を変更するものであり、この点において上記実施例1とは異なるものである。しかしながら、その他の構成や動作については全て共通するものであるから、本実施例2については、上記実施例1と異なる点を中心に説明し、共通する点についてはその説明を省略する。
先ず、本実施例2の食器洗い機において、上記実施例1のものとは異なる構成について、図6を参照しながら説明する。図6は、食器洗い機の給水管部分の模式図である。
この実施例2による食器洗い機には、図6(a)に示すように、給水管21に給水温度を検出するサーミスター29が設けられている。このサーミスター29は給水管21の内側又は外側に設置することができ、これによって検出された給水温度に関する信号は食器洗い機の制御手段25(図1(b)を参照)に入力される。
ここで、上記スチーム発生器30について、図6(c)を参照しながら簡単に説明する。このスチーム発生器30は給水管21の途中に接続され、洗浄槽3の後壁面に設置されている。洗浄行程での給水処理において、給水電磁弁5を開けて洗浄槽3内に水(又は湯)を供給するとき、給水管21から加熱室入口21aを経て加熱室31へ供給される水は、満水時の水面Lまで溜まり、さらにこの水面Lを超えて加熱室出口21bから洗浄槽3内へ供給される。そして、洗浄槽3内の水が所定量になれば給水電磁弁5が閉じられる。
加熱室31の壁部に設けられたサーミスター32は、該加熱室31内の温度を検出することができるので、上記給水管21に設けられたサーミスター29(図6(a)を参照)と同様に、洗浄槽3へ供給される水の温度を検出することができる。
なお、符号33は、サーミスター32の故障時に異常加熱を防止するためのバイメタルスイッチである。
次に、本実施例2の食器洗い機における「重曹コース」の動作について、図7及び図3−2を参照しながら説明する。図7は「重曹コース」における洗浄行程の動作を説明するフロー図でり、図3−2は同じく「重曹コース」におけるすすぎ行程、加熱すすぎ行程、及び乾燥行程の動作を説明するフロー図である。
この実施例2の食器洗い機の「重曹コース」においても、上記実施例1の食器洗い機の場合と同様に、洗浄槽3を本体1から引き出して食器カゴ4内に食器類をセットすると共に、洗浄槽3内に重曹を投入する等の準備をした後、図7に示すように、電源ボタン15を押して電源スイッチをオンすると共に(ステップ41)、コース選択ボタン17を押して「重曹コース」を選択する(ステップ42)。次に、スタート/一時停止ボタン16を押しスタートスイッチをオンして、「洗浄行程」の運転を開始する(ステップ43)。
即ち、食器類を洗浄する洗浄水の温度が28℃以下のときは、ヒーター8をオンして洗浄水を加熱し(ステップ49、50)、30℃以上のときはヒーター8をオフして冷ますことにより(ステップ51、52)、常に洗浄水の温度を28〜30℃に保持している。
また、食器洗い機の給水口に給湯器を接続して、洗浄槽3にお湯(例えば、40〜50℃の洗浄水)を直接供給して高温の洗浄水で洗浄することにより、洗浄行程での洗浄率(洗浄力)を高くすることも可能である。
即ち、すすぎ回数(必要追加すすぎ回数α)に影響を及ぼす洗浄槽3での洗浄水の温度は、洗浄槽3への給水温度から推定することができるので、検出した給水温度(図7のステップ45を参照)に基づいてすすぎ行程でのすすぎ回数を決定することができる。このとき、給水温度と環境温度とが大きく異なる場合は、洗浄水の温度は環境温度により影響を受けるので、給水温度と環境温度との温度差を考慮しながらすすぎ回数を決定することも可能である。
なお、それぞれの給水温度に対応する必要追加すすぎ回数αは、予め実験等を行うことにより求めることができる。
次に、上記両実施例に対する比較例として、洗浄槽への給水温度が20℃であり、60℃の加熱洗浄が行われる場合について、図8を参照しながら説明する。図8は、食器洗い機の運転時間に対する炭酸カルシウムの付着率(付着量)を洗浄水の温度変化と共に示したグラフである。
この比較例では、洗浄槽3へ給水される洗浄水の温度は20℃であるが、ヒーター8により60℃まで加熱されて、30分間の加熱洗浄が行われる。この時、洗浄水中に発生する炭酸カルシウムの発生率は、洗浄水の温度が60℃であるから略100%であり(図10を参照)、洗浄中に食器類の表面に付着する炭酸カルシウムの付着率も100%程度である。
上記すすぎ行程が終了すると、続いて加熱すすぎ行程が実行され、70℃のお湯で食器類の加熱すすぎが行われる。この加熱すすぎでは、図8に示すように、略すすぎ1回分の炭酸カルシウムが除去されるが、食器類には最終的に80数%の炭酸カルシウムが付着したまま残る。
なお、本発明の実施例1及び実施例2については、ビルトインタイプの引き出し式食器洗い機を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ビルトインタイプの他の方式のものや、卓上タイプのものについても適用し得ることは言うまでもない。
3…洗浄槽 4…食器カゴ
5…給水電磁弁 6…回転ノズル(洗浄ノズル)
7…洗浄・排水ポンプ 8…ヒーター
9…サーミスター
11…水位検知器 12…乾燥ファン
15…電源ボタン 16…スタート/一時停止ボタン
17…コース選択ボタン 18…操作パネル
20…制御部 21…給水管
21a…加熱室入口 21b…加熱室出口
25…制御手段 26…負荷駆動回路
27…表示部 28…操作部
29…サーミスター
30…スチーム発生器 31…加熱室
32…サーミスター 35…ヒーター
Claims (5)
- 食器類を収納し且つ洗浄水を貯水する洗浄槽と、この洗浄槽に洗浄水を給水する給水弁と、食器類へ洗浄水を噴射する回転ノズルと、この回転ノズルへ洗浄水を圧送する洗浄ポンプと、上記洗浄槽に貯水された洗浄水を機外へ排水する排水ポンプと、洗浄水の温度を検出する温度検出器と、上記給水弁、洗浄ポンプ及び排水ポンプを制御する制御部を備えて成り、
少なくとも、重曹を用いて食器類を洗浄する洗浄行程と、該食器類をすすぐすすぎ行程を有する「重曹コース」による運転を行うことができる食器洗い機において、
上記洗浄行程における洗浄水の温度に応じて、上記すすぎ行程でのすすぎ回数を変更することにより、洗浄行程で食器類に付着した炭酸カルシウムをすすぎ行程において洗い流すことを特徴とする食器洗い機。 - 上記洗浄行程において、食器類の洗浄を所定時間行った後、洗浄水の温度を検出することを特徴とする請求項1に記載の食器洗い機。
- 上記洗浄行程における洗浄水の温度を給水温度に基づいて決めることを特徴とする請求項1に記載の食器洗い機。
- 上記給水温度を検出する温度検出器を給水管に設けることを特徴とする請求項3に記載の食器洗い機。
- 上記洗浄行程における洗浄水の温度を、洗浄力が高く且つ炭酸カルシウムの発生量の少ない温度に保持して、食器類の洗浄を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の食器洗い機。
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