JPH0763442B2 - 食器洗浄機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は食器類の洗浄、すすぎ及び乾燥を行う運転コー
スと、乾燥のみを行う運転コースとが選択できる食器洗
浄機に関する。

（従来の技術） 従来この種の食器洗浄機は第１図に示すような構造にな
っていた。すなわち洗浄槽（１）の下方に取り付けられ
たヒーター（２）により洗浄液の温度を高め、この洗浄
液を洗浄槽（１）の底部に取り付けられた洗浄ポンプ
（３）により回転ノズル（４）に設けられたノズル口
（５）より噴射し、食器類の洗浄及びすすぎを行い、前
記ヒーター（２）への通電を時間制御しながら空焼して
食器類の乾燥を行い、この時、前記洗浄槽（１）のヒー
ター（２）の近傍に取り付けられたサーミスタ等の温度
検知器（６）によりヒーター（２）の温度を検知し、洗
浄槽（１）内の部品及び食器の温度が異常に高くならな
いようにヒーター（２）の通電を制御している。

また、この種の食器洗い機の運転は、第５図に示すよう
に洗浄からすすぎ、乾燥までを自動的に行う洗浄〜乾燥
コースと乾燥だけを行う乾燥のみコースがあり、この両
コースの乾燥行程時のヒーターの通電制御を行うための
温度検知器の検知設定値は同じ値に設定されていた。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、このような構成のものでは洗浄〜乾燥コース時
の乾燥性能の効率が悪いという問題があった。

すなわち、洗浄〜乾燥コースにおいてはすすぎ行程に引
き続き乾燥行程に入るので乾燥のみコースに比べ洗浄槽
内（食器表面上も含む）に残留している水の量が多く、
ヒーター（２）より供給される熱量の内、残留水を気化
するのに使われる量が多くなるため洗浄槽内の部品及び
食器類の温度上昇値は低くなる。ところがヒーター
（２）の通電を制御する温度検知器（６）はヒーター
（２）の近傍の洗浄槽（１）に取り付けられているた
め、その温度は洗浄槽内に残留している水の量に関係な
くヒーター（２）の表面温度のみにより決まる。そし
て、従来のものは前記の両コース時の温度検知器（６）
の検知設定温度が同じであるため、ヒーター（２）の表
面温度は第６図に示すようになり、また部品及び食器類
の温度は第５図に示すようになる。第７図から明らかな
ように、洗浄〜乾燥コース時は部品及び食器類の温度が
その許容限界温度Ｔに対し余裕があるのにもかかわらず
ヒーター（２）への通電時間を伸ばすことができず、乾
燥性能の面で効率の悪いものとなっている。

そので、本発明はこの洗浄〜乾燥コース時の乾燥性能の
効率を向上させるようにするものでる。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため本発明は、洗浄槽内に洗浄液
等を噴射するノズル口を有する回動自在なアームノズル
と、空焼きができるヒーターとを設け、食器類の洗浄、
すすぎ及び乾燥までを自動的に行う洗浄〜乾燥コースと
乾燥のみを行うコースとを選択行使できる制御手段と、
前記ヒーター近傍の温度を検知する温度検知器を備えた
食器洗浄機において、前記制御装置は洗浄〜乾燥コース
での乾燥行程時における温度検知器の検知設定値を、乾
燥のみのコースでの乾燥行程時における温度検知器の検
知設定値より高く設定し、検知設定値に基づいて前記ヒ
ーターの通電を制御する構成としたものである。

（作用） 上記構成によれば、洗浄〜乾燥コース時の検知設定温度
を乾燥のみコース時の検知設定温度より高く設定し、こ
の検知設定温度によりヒーターへの通電を制御している
ので、洗浄〜乾燥コースでは洗浄槽内の温度が高くな
り、食器類あるいは洗浄槽内の部品に付着した水滴を効
率よく蒸発させて乾燥することができ、また、乾燥のみ
コースでは上記洗浄〜乾燥コースより洗浄槽内の温度が
低く、食器類が許容限界温度にまで達することがない。

（実施例） 第２図は本発明の食器洗浄機の運転コース及びその行程
の一実施例を示す図である。第２図において、洗浄〜乾
燥コースは、食器類の洗浄からすすぎ、乾燥までを自動
的に行うのであり、また乾燥のみコースは乾燥だけを行
うのであり、これら両コースを選択行使できる制御手段
（図示せず）を備えている。さらに、この両コースの乾
燥行程時にヒーター（２）への通電を制御する温度検知
器（６）の検知設定値はそれぞれ、Ｘ、Ｙの異なった値
となっている。但し、Ｘ＞Ｙである。また、第３図は前
記両コースの乾燥行程時のヒーターの表面温度を示す図
であり、第４図は前記両コース時の洗浄槽内の部品及び
食器類の温度を示す図である。そしてこれらの図に示す
ように、前記洗浄〜乾燥コース時の温度検知器（６）の
検知器設定値Ｘは洗浄槽内の部品及び食器類の温度がそ
の許容限界温度Ｔに近い温度を維持するようなヒーター
表面温度Ａに対応して設定され、また、乾燥のみコース
時の温度検知器（６）の検知設定値Ｙは洗浄槽内の部品
及び食器類の温度が許容限界温度Ｔに近い温度を維持す
るようなヒーター表面温度Ｂに対応して設定されてい
る。

（発明の効果） 以上述べてきたように、本発明はヒーターへの通電を制
御する温度検知器の検知設定値を、洗浄〜乾燥コース時
と乾燥コース時でともに洗浄槽内の部品及び食器類の温
度がその許容限界温度いっぱいになるようにそれぞれ異
なった値に設定するため、ヒーターへの通電時間を最大
限伸ばすことができ、洗浄〜乾燥コース、乾燥のみコー
スとも乾燥性能の向上が図れ、乾燥性能において効率の
良い食器洗浄器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は食器洗浄機の縦断面図、第２図は本発明の運転
コースを示す行程図、第３図は同ヒーターの表面温度を
示す図、第４図は同洗浄槽内の食器類温度を示す図、第
５図は従来の運転コースを示す行程図、第６図は同ヒー
ターの表面温度を示す図、第７図は同洗浄槽内の食器類
温度を示す図である。 （１）……洗浄槽、（２）……ヒーター、（４）……ア
ームノズル、（５）……ノズル口、（６）……温度検知
器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄槽内に洗浄液等を噴射するノズル口を
   有する回動自在なアームノズルと、空焼きができるヒー
   ターとを設け、食器類の洗浄、すすぎ及び乾燥までを自
   動的に行う洗浄〜乾燥コースと乾燥のみを行うコースと
   を選択行使できる制御手段と、前記ヒーター近傍の温度
   を検知する温度検知器を備えた食器洗浄機において、前
   記制御装置は洗浄〜乾燥コースでの乾燥行程時における
   温度検知器の検知設定値を、乾燥のみのコースでの乾燥
   行程時における温度検知器の検知設定値より高く設定
   し、検知設定値に基づいて前記ヒーターの通電を制御す
   る構成とし、洗浄〜乾燥コースの乾燥時における洗浄槽
   内温度を乾燥のみコースの乾燥時における洗浄槽内温度
   より高くした食器洗浄機。