JP2516948Y2 - 自動販売機の防盗構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、商品取出口の下方に搬
出された商品を商品取出口まで搬送する機構を備えた自
動販売機の防盗構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の自動販売機として、例え
ば実願平１−１２９５７８号に提案されたものが知られ
ている。この自動販売機は、外扉の上下方向略中央部に
商品取出口を設けるとともに、商品取出口よりも下方に
搬出された商品を商品取出口まで搬送する、いわゆるエ
レベータ機構を備えている。また、商品取出口の内側に
は、例えば実願昭６２−１７５３７９号に示されている
ような防盗扉が取付けられ、この防盗扉は商品の搬出に
連動する専用の駆動機構を有し、この駆動機構によって
商品取出口を開閉するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自動販売機の防盗構造では、専用の駆動機構を有する防
盗扉を取付けているため、コストが高く、しかも防盗扉
用の取付スペースによって自動販売機本体が大型化する
という問題点があった。また、防盗扉の駆動機構は近接
スイッチや電気的な制御回路等を介して動作するように
なっているため、構造が複雑で故障し易く、信頼性にも
若干の懸念があった。

【０００４】本考案は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、構造が簡単でコスト
が安く、しかも動作に確実性のある自動販売機の防盗構
造を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は前記目的を解決
するために、商品取出口が設けられた外扉の内側に、外
扉の内面に沿って上下に走行するチェーンと、該チェー
ンによって昇降するバケットとを配設し、商品取出口よ
りも下方に搬出された商品をバケットに収容して商品取
出口まで搬送するようにした自動販売機の防盗構造にお
いて、前記チェーンの上端を商品取出口よりも高く位置
させ、チェーンの一部区間に、前記バケットが商品取出
口よりも下方の所定位置まで下降しているとき商品取出
口の裏側に位置して商品取出口を閉鎖し、バケットが商
品取出口まで上昇したときはチェーンと共に移動して商
品取出口を開放するシャッタを設けるとともに、前記シ
ャッタをチェーンの所定のリンクに取付けられた複数の
閉鎖部材によって形成し、商品取出口に商品取出口の裏
側にのみ回動する扉を設けている。

【０００６】

【作用】本考案に係る自動販売機の防盗構造によれば、
バケットが下待機位置にあるときは、シャッタが商品取
出口の裏側に位置し、外部からの異物の侵入が阻止され
る。その際、商品取出口の扉を開けようとすると、扉は
商品取出口の内側にしか回動しないので、シャッタに当
たって開放することができない。また、バケットが商品
取出口に移動したときは、シャッタがチェーンと共に移
動して商品取出口が開放される。更に、シャッタはチェ
ーンの所定のリンクに取付けられた複数の閉鎖板によっ
て形成されていることから、シャッタをチェーンの反転
部分を巻回するように湾曲させることができる。

【０００７】

【実施例】図１乃至図４は本考案の一実施例を示すもの
である。

【０００８】同図において、１は前面を開口した自動販
売機本体で、その内部には商品貯蔵室２及び機械室３が
上下に区画形成され、商品貯蔵室２内にはサーペンタイ
ンラック等に収納された商品Ａが貯蔵されている。

【０００９】４は自動販売機本体１の前面開口部に取付
けられた外扉で、一端を回動自在に支持されている。こ
の外扉４の上下方向略中央部には商品取出口５が設けら
れ、商品取出口５には外扉４の内側のみに回動する取出
扉５ａが上端を回動自在に支持されて取付けられてい
る。

【００１０】６は断熱壁６ａからなる内扉で、商品貯蔵
室２の前面に開閉自在に取付けられている。この内扉６
の下部には商品搬出口７が設けられ、商品搬出口７には
回動自在な遮蔽板７ａが取付けられている。また、商品
搬出口７の奥には前方に傾斜したデリバリシュート８が
配置され、デリバリシュート８上に落下した商品Ａが商
品搬出口７から転動搬出されるようになっている。

【００１１】９は商品搬出口７から搬出された商品Ａを
商品取出口５へ搬送するバケットで、開口した上面を前
方へやや傾斜させている。このバケット９の後端には上
下に配置された二つのローラ１０が支持金具１１を介し
て回転自在に取付けられている。また、前記内扉６の前
面には上下方向に延びる案内レール１２が取付けられ、
ローラ１０を案内レール１２に嵌め込むことにより、バ
ケット９が上下移動自在に支持される。

【００１２】１３はバケット９の両側に配設された一対
のチェーンで、外リンク１３ａと内リンク１３ｂを軸ピ
ン１３ｃで交互に連結してなる、いわゆるコンビネーシ
ョンチェーンである。各チェーン１３は両端をバケット
９の側面にて対向させるとともに、該両端の軸ピン１３
ｃをバケット９の側面に固定されている。また、商品取
出口５の上方と、下待機位置にあるバケット９の下方に
は、横方向に延びるシャフト１４，１５がそれぞれ配置
され、下方のシャフト１５の一端にはモータ１５ａが連
結されている。各シャフト１４，１５の両端にはスプロ
ケット１６，１７がそれぞれ取付けられ、各スプロケッ
ト１６，１７には各チェーン１３がそれぞれ巻き掛けら
れている。尚、各チェーン１３の間隔は商品取出口５の
幅よりも大きくとられ、商品取出口５の取出扉５ａが各
チェーン１３の間に回動進入できるようになっている。
また、各チェーン１３の一部区間には商品取出口５の裏
側を閉鎖するシャッタ１８が取付けられている。このシ
ャッタ１８は各チェーン１３間に亘って延びる多数の閉
鎖板１８ａからなり、各閉鎖板１８ａは各チェーン１３
の外リンク１３ａに取付けられている。この場合、シャ
ッタ１８はバケット９が下待機位置にあるときは商品取
出口５の裏側に位置し、バケット９が商品取出口５に移
動したときは、チェーン１３と共に商品取出口５の下方
に移動するようになっている。

【００１３】ここで、本実施例による自動販売機の動作
を説明する。

【００１４】まず、販売待機時においては、バケット９
は商品搬出口７のやや下方にて待機している。この時、
シャッタ１８が商品取出口５の裏側に位置して商品取出
口５を閉鎖し、外部からの異物の侵入が阻止される。そ
の際、商品取出口５の取出扉５ａを開けようとすると、
取出扉５ａは商品取出口５の内側にしか回動しないの
で、シャッタ１８に当接して開放することができない。

【００１５】次に、購買者が商品を選択すると、選択さ
れた商品Ａがデリバリシュート８に落下し、デリバリシ
ュート８を転動して商品搬出口７から搬出され、バケッ
ト９に収容される。続いて、モータ１５ａが作動し、図
４（ａ）に示すようにチェーン１３が半時計回りに回動
する。これにより、商品Ａを収容したバケット９が商品
取出口５の真下まで上昇するとともに、シャッタ１８が
チェーン１３の一部区間と共に商品取出口５の下方に移
動し、図４（ｂ）に示すように商品取出口５の閉鎖が解
除される。この後、取出扉５ａを開けて商品Ａを取出す
とバケット９が下降し、シャッタ１８が再び商品取出口
５の裏側まで移動して商品取出口５が閉鎖される。その
際、シャッタ１８は各チェーン１３の外リンク１３ａに
取付けられた多数の閉鎖板１８ａによって形成されてい
ることから、図４（ａ）に示すようにシャッタ１８がチ
ェーン１３の反転部分、即ち上方のスプロケット１６ま
で移動すると、シャッタ１８はチェーン１３と共に湾曲
してスプロケット１６を巻回し、その一部がチェーン１
３の後側まで移動する。

【００１６】このように、本実施例の自動販売機の防盗
構造によれば、バケット９を昇降させるチェーン１３に
商品取出口５の裏側を閉鎖するシャッタ１８を取付けた
ので、従来例のような専用の駆動機構を有する防盗扉を
別途設ける必要がなく、コストを大幅に低減することが
できるとともに、防盗扉用の取付スペースも不要とな
り、自動販売機本体１の小型化も達成することができ
る。また、シャッタ１８はチェーン１３の一部区間に多
数の閉鎖板１８ａを取付けたものにすぎないから、構造
が極めて簡単で設計製造が容易になるのは勿論のこと、
電気的な制御回路等を使用していないので故障が少なく
動作も確実であるという利点をも有する。更に、商品取
出口５の取出扉５ａを商品取出口５の内側にのみ回動す
るように設けたので、商品取出口５をシャッタ１８で閉
鎖した状態では取出扉５ａがシャッタ１８に当接して開
かず、シャッタ１８の閉鎖に加えて防盗効果をより高め
ることができる。また、シャッタ１８を各チェーン１３
の外リンク１３ａに取付けられた多数の閉鎖板１８ａに
よって形成したので、シャッタ１８をチェーン１３と共
にスプロケット１６を巻回するように湾曲させることが
でき、シャッタ１８をチェーン１３の全周の如何なる位
置にも移動させることができる。

【００１７】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の自動販売
機の防盗構造によれば、従来例のような専用の駆動機構
を有する防盗扉を設ける必要がないので、コストを大幅
に低減することができるとともに、防盗扉用の取付スペ
ースも不要となり、自動販売機本体の小型化も達成する
ことができる。また、本考案による防盗構造は構造が極
めて簡単であることから設計製造を容易に行うことがで
き、また、電気的な制御回路等を使用していないので故
障が少なく動作も確実であるという利点をも有する。更
に、商品取出口を商品取出口閉鎖部材で閉鎖した状態で
は商品取出口の扉を開けることができないので、シャッ
タの閉鎖に加えて防盗効果をより高めることができる。
また、シャッタをチェーンの反転部分を巻回するように
湾曲させることができるので、シャッタをチェーン全周
の如何なる位置にも移動させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実旅例を示す自動販売機の防盗構造
の側面図

【図２】本考案の一実施例を示す自動販売機の防盗構造
の正面図

【図３】開放状態を示す自動販売機の全体斜視図

【図４】防盗構造の動作説明図

【符号の説明】

４…外扉、５…商品取出口、５ａ…取出扉、９…バケッ
ト、１３…チェーン、１８…シャッタ、１８ａ…閉鎖
板。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 商品取出口が設けられた外扉の内側に、
   外扉の内面に沿って上下に走行するチェーンと、該チェ
   ーンによって昇降するバケットとを配設し、商品取出口
   よりも下方に搬出された商品をバケットに収容して商品
   取出口まで搬送するようにした自動販売機の防盗構造に
   おいて、 前記チェーンの上端を商品取出口よりも高く位置させ、
   チェーンの一部区間に、前記バケットが商品取出口より
   も下方の所定位置まで下降しているとき商品取出口の裏
   側に位置して商品取出口を閉鎖し、バケットが商品取出
   口まで上昇したときはチェーンと共に移動して商品取出
   口を開放するシャッタを設けるとともに、 前記シャッタをチェーンの所定のリンクに計けられた複
   数の閉鎖部材によって形成し、 商品取出口に商品取出口の裏側にのみ回動する扉を設け
   たことを特徴とする自動販売機の防盗構造。