JP2514835B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2514835B2 JP63200190A JP20019088A JP2514835B2 JP 2514835 B2 JP2514835 B2 JP 2514835B2 JP 63200190 A JP63200190 A JP 63200190A JP 20019088 A JP20019088 A JP 20019088A JP 2514835 B2 JP2514835 B2 JP 2514835B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
    • G03C7/305Substances liberating photographically active agents, e.g. development-inhibiting releasing couplers

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はハロゲン化銀写真感光材料に関し、さらに詳
しくは、還元されることによって写真的有用基を放出す
る化合物と、この酸化還元反応を促進する酸化還元メデ
ィエーターを含有することによって、放出化合物の機能
を向上させたハロゲン化銀写真感光材料に関する。
(従来の技術) 還元されることによって写真的に有用な基を放出する
化合物を含有するハロゲン化銀写真感光材料は数多く知
られている。
これらの化合物の例として例えば、米国特許4,138,38
9号、米国特許4,139,379号、特開昭59-189333号、特開
昭59-190172号、特開昭57-84453号、米国特許4,232,107
号、特開昭59-101649号、特開昭61-88257号、リサーチ
・ディスクロージャー(1984)IV、No.24025、OLS3,00
8,588号、特開昭56-142530号、米国特許4,343,893号、
米国特許4,619,884号、米国特許4,450,223号、米国特許
4,609,610号、特開昭62-215270号、特開昭62-244048号
に記載された化合物を挙げることが出来る。
このような還元によって、写真的に有用な基を放出す
る化合物を使用する場合、酸化還元反応の速度は多くの
場合、速くかつ効率良く起こることが望ましい。また、
低いpHで酸化還元反応がおこれば、処理の自由度を大き
く広げることが出来る。
しかし、一般にこれまで知られている方法は、上記の
還元されて機能する化合物とこれを還元する還元性物質
を予め感光材料中に含有させるか、処理液から供給する
か、または感光材料に含有させたうえにさらに処理液か
ら供給する方法で混合し、ある定められたpH、温度で酸
化還元反応を起こさせるものであった。従って、還元性
物質と上記機能性化合物が特定されると、反応速度は著
しく限定された範囲になり自由度がないという問題があ
った。
特に、特願昭62-43704号に記載されているような、露
光時に必要で処理時には感光材料から溶出させてしまい
たいフィルター染料などの場合や、現像薬などの処理開
始直後から必要になるものを放出させたい場合では可能
なかぎり速く放出が起こることが望ましい。
また、米国特許4,138,389号、米国特許4,139,379号、
特開昭62-215270号に例が記載されているような、還元
されて色素を放出する化合物とこれを還元する化合物を
組み合わせてポジ画像を形成する場合においては、還元
剤からハロゲン化銀を現像する現像薬の酸化体に速やか
に電子を移動させることがS/Nのとれた画像を得るため
には必須である。しかし、このように電子の移動を媒介
する作用を持つ化合物と還元性されて色素を放出する化
合物を組み合わせて電子の移動を促進する方法は知られ
ていなかった。
そこで、このような上記の問題点を解決する手段が大
いに望まれていた。
(発明の目的) 本発明の目的は、第一に還元されて写真的有用基を放
出する化合物を含有するハロゲン化銀写真感光材料にお
いて、電子の移動を促進する方法を開発することであ
る。第二に放出化合物の機能が改善されたハロゲン化銀
写真感光材料を提供することにある。
(発明の構成) 本発明者らは還元によって写真的有用基を放出する化
合物に対して、電子の移動を促進する方法についての研
究を行った。
この結果、ある種の酸化還元性の化合物が還元性物質
から放出化合物や現像薬の酸化体への電子の移動を著し
く促進することを見出した。
本発明の目的はこのような電子移動を促進する物質
(以下メディエーターと呼ぶ)と共に、下記一般式
(I)で表される化合物と還元性物質とを含有するハロ
ゲン化銀感光材料によって達成された。
一般式(I) PWR−(Time)t−PUG 式中、PWRは電子を受け取ることによって、(Time)t
PUGを放出する基を表す。
PWRの例としては、米国特許4,138,389号あるいは米国
特許4,139,379号、特開昭59-189333号、特開昭59-19017
2号、特開昭57-84453号に開示されたように、還元され
た後に分子内の求核置換反応によって写真用試薬を放出
する化合物における電子受容性中心と分子内求核置換反
応中心を含む部分に相当するものであってもよいし、米
国特許4,232,107号、特開昭59-101649号あるいは特開昭
61-88257号、リサーチ・ディスクロージャー(1984)I
V、No.24025に開示された如く、還元されたあとに分子
内の電子移動反応による写真用試薬を脱離させる化合物
における電子受容性のキノノイド中心およびそれと写真
用試薬を結びつけている炭素原子を含む部分に相当して
もよい。またOLS3,008,588号、特開昭56-142530号、米
国特許4,343,893号、米国特許4,619,884号に開示された
ような還元後に一重結合が開裂し写真用試薬を放出する
化合物中の電子吸引性基で置換されたアリール基および
それと写真用試薬を連結している原子(硫黄原子、また
は炭素原子または窒素原子)を含む部分に相当するもの
であってもよい。また米国特許4,450,223号に開示され
ているような電子受容後に写真用試薬を放出するニトロ
化合物中のニトロ基およびそれと写真用試薬を連結する
炭素原子を含む部分に相当するものであってもよい。米
国特許4,609,610号に記載された電子受容後に写真用試
薬をβ脱離するジニトロ化合物中のジェミナルジニトロ
部分およびそれと写真用試薬を連結する炭素原子を含む
部分に相当するものであってもよい。さらに特開昭62-2
15270号、同62-244048号、特願昭62-34953号、同62-106
885号、同62-106887号、同62-106895号に記載の還元に
よって単結合が開裂することを引き金にして、写真的有
用基を放出する機能部分であってもよい。
(Time)tはPWRが電子を受け取った時にPUGを放出する
機能を有する基であり、tは0または1の整数を表す。
t=0の時、Timeは単なる結合手を表す。
PUGは写真的に有用な基を表す。
本発明の目的は一般式(I)で表される化合物が一般
式(II)で表される構造の化合物のときにさらに効果的
に達成される。
式中、EAGは還元性物質から電子を受け取る基を表
す。Nは窒素原子を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、あ
るいは窒素原子を含む基〔−N(-R3)−〕を表す。R1、R2
R3は水素原子以外の置換基を表す。R1もしくはR2が(Tim
e)t−PUGと結合している場合には単なる結合手または水
素原子以外の置換基を表す。R1とR2、R1とR3は互いに結
合して環を形成してもよい。
Timeは式中の窒素−X基一重結合の開裂を引き金とし
て後続する反応を介してPUGを放出する基を表し、tは
0または1の整数を表す。
t=0の時、Timeは単なる結合手を表す。
PUGは写真的に有用な基を表す。
また、式中実線は結合を、破線は少なくとも一つが結
合していることを表す。
一般式(II)で表される化合物は安定性や合成的な観
点から一般式(III)で表わされるものが好ましい。
式中R4は窒素原子、X基と結合し、3ないし8員の単
環あるいは縮合した複素環を形成するのに必要な原子群
を表す。
R3とR4は3ないし8員の単環あるいは縮合した複素環
を形成しても良い。その他の意味は、一般式(I)、
(II)で述べたものと同じである。
次に、さらに詳しく一般式(II)、(III)の置換基
について説明する。
EAGは、還元性物質から電子を受け取る基を表し、窒
素原子に結合する。EAGとしては次の一般式〔A〕で表
される基が好ましい。
一般式〔A〕において、 を表す。
Vn′はZ1、Z2とともに3〜8員の環を形成する原子団
を表し、n′は3〜8の整数をあらわすが V3:-Z3-、V4:-Z3-Z4−、 V5:-Z3-Z4-Z5-V6:-Z3-Z4-Z5-Z6−、 V7:-Z3-Z4-Z5-Z6-Z7−、 V8:-Z3-Z4-Z5-Z6-Z7-Z8−である。
Z2〜Z8はそれぞれが −S−、あるいは−SO2−を表し、Subは単なる結合(π
結合)、水素原子あるいは以下に記した置換基を表す。
Subはそれぞれが同じであっても、異なっていても良
く、またそれぞれ互いに結合して3〜8員の飽和あるい
は不飽和の炭素環あるいは複素環を形成しても良い。一
般式〔A〕では、置換基のハメット置換基定数σpの総
和が+0.30以上、さらに好ましくは+0.7以上、最も好
ましくは+1.0以上になるようにSubを選択する。
Subが置換基の時の例を列挙する。(炭素数はそれぞ
れ0〜40個が好ましい) 置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置
換のアルケニル基、置換あるいは無置換のアルキニル
基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素)、置換あるいは無置換のヘテロ環残
基、スルホ基、カルボキシル基、置換あるいは無置換の
アリールオキシカルボニルまたはアルコキシカルボニル
基、置換あるいは無置換のカルバモイル基、ヒドロキシ
ル基、置換あるいは無置換のアゾ基、置換あるいは無置
換のアリールオキシまたはアルコキシ基、スルフィノ
基、スルフェノ基、メルカプト基、置換あるいは無置換
のアシル基、置換あるいは無置換のアリールまたはアル
キルチオ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あ
るいは無置換のスルホニル基、置換あるいは無置換のス
ルフィニル基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あ
るいは無置換のスルファモイル基、置換あるいは無置換
のアシルオキシ基、置換あるいは無置換のスルホニルオ
キシ基が挙げられる。
EAGのより具体的な例をあげると、少なくとも一つの
電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、4−ニ
トロフェニル基、2−ニトロ−4−N−メチル−N−オ
クタデシルスルファモイルフェニル基、2−シアノ−4
−オクタデシルスルホニルフェニル基、2−ニトロ−4
−N−メチル−N−オクタデシルカルバモイルフェニル
基、2−ニトロ−5−オクチルチオフェニル基、2,4−
ジメタンスルホニルフェニル基、3,5−ジニトロフェニ
ル基、2−ニトロ−3,5−ジメチル−4−テトラデシル
スルホニルフェニル基、2−エチルカルバモイル−4−
ニトロフェニル基、2−アセチル−4−ニトロフェニル
基、2−ニトロ−4−トリフルオロメチルフェニル基な
ど)、置換あるいは無置換の複素環(例えば、5−ニト
ロ−2−ピリジル基、5−N−ヘキサデシルカルバモイ
ル−2−ピリジル基、4−ピリジル基、3,5−ジシアノ
−2−ピリジル基、4−ニトロチオフェン−2−イル
基、5−ニトロ−1,2−ジメチルイミダゾール−4−イ
ル基、1−ドデシル−5−カルバモイルピリジニウム−
2−イル基など)、置換あるいは無置換のキノン類(例
えば、1,4−ベンゾキノン−2−イル基、3,5,6−トリメ
チル−1,4−ベンゾキノン−2−イル基、3−メチル−
1,4−ナフトキノン−2−イル基、5−ペンタデシル−
1,2−ベンゾキノン−4−イル基など)あるいは、以上
あげたもののビニローグの他にニトロアルキル基(例え
ば、2−ニトロ−2−プロピル基)、ニトロアルケニル
基(例えば、2−ニトロエテニル基)、α−ジケト化合
物の一価の基(例えば,2−オキソプロパノイル基など)
があげられる。
R1、R2、R3の好ましい例としては、置換あるいは無置換
のアルキル基(メチル基、エチル基、t−ブチル基、オ
クタデシル基、カルボキシメチル基など)、置換あるい
は無置換のアリール基(フェニル基、3−ニトロフェニ
ル基、4−メトキシフェニル基、4−メタンスルホニル
フェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、4−テトラデ
シルオキシフェニル基、など)、置換あるいは無置換の
複素環基(2−ピリジル基、2−フリル基、3−ピリジ
ル基など)が挙げられる。
次に−(Time)t−PUGについて説明する。
Timeは窒素−X基間の一重結合の開裂を引き金とし
て、後続する反応を介してPUGを放出する基を表す。t
は0または1を表す。
Timeの例については特開昭62-215270号に記載のTime
を参考にすることができる。
PUGは写真的に有用な基であり、例えば、現像抑制
剤、現像促進剤、造核剤、カプラー、拡散性あるいは非
拡散性の色素、脱銀促進剤、ハライド、ハロゲン化銀溶
剤、脱銀抑制剤、レドックス競争化合物、現像薬、補助
現像薬、定着促進剤、定着抑制剤、銀画像安定化剤、色
調剤、処理依存性良化剤、網点良化剤、写真用染料、界
面活性剤、色像安定化剤、硬膜剤、減感剤、硬調化剤、
キレート剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、造核促進剤な
どあるいはこれらの前駆体を表す。これについても特開
昭62-215270号記載のPUGを参考にすることができる。
以下に、本発明に用いられる一般式(I)で表わされ
る化合物についてPUGの部分とPWR-Timeの部分とに分け
て示すが本発明の範囲はこの具体例に限定されるもので
はない。
(PUGの(*)の部分とPWR-Timeの(*)の部分が結合
することを表す。
PUGの部分 PWRTimetの例 式中(*)はPUGに結合する部位を表わす。なお以下
において(*)の位置が(*)−0−、(*)−S−、 のようにヘテロ原子になっている場合は、前記したPUG
の(*)の位置にあるヘテロ原子は省略される。
本発明の一般式(I)で表される化合物の合成法につ
いては特開昭62-215270号に記載の方法、特願昭107570
号、同104496号等に記載の合成法を参考にすることが出
来る。
次に、本発明で用いられる、メディエーターについて
述べる。
メディエーターは現像時に存在する還元剤から、放出
化合物へ、あるいは還元剤から現像薬の酸化体への電子
の移動を促進する化合物である。
即ち、現像時に存在する還元剤から電子を受取り、放
出化合物へ、または還元剤から現像薬の酸化体への電子
の移動を促進する作用を行い、全体として還元剤と放出
化合物だけ、あるいは還元剤と現像薬の酸化体だけが存
在するよりも速度を速めることが出来る。
このような作用は均一な系で電子の受けわたしを促進
するものであっても、また還元剤と放出化合物や現像薬
の酸化体が物理的に異なる状態に置かれている時、電子
の受けわたしを媒介するものであっても良い。
このメディエーターは放出化合物と接触して感光材料
中に存在せしめるときは、酸化体で共存させることが必
要である。
このメディエーターは具体的には酸化還元化合物であ
って、可逆的に電子を受け渡すことが出来るものであれ
ば何でも良い。例えば、キノン類、ピリジニウム誘導
体、フラビン類、ピラジニウム誘導体、フェナジンある
いはフェナジニウム誘導体やティー・エイチ・ジェイム
ズ(T.H.James)著、ザ・セオリー・オブ・ザ・フォト
グラフィック・プロセス第4版(The Theory of the Ph
otografic Process)fourth editionの363頁から366頁
に記載、あるいは引用された化合物がある。
さらに好ましいのは以下の一般式〔1〕、〔2〕、
〔3〕で表されるものが好ましい。
式中R1、R2、R3、R4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原
子、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、スルホ基、あ
るいはそれぞれ置換されてもよい、アルキル基、アルコ
キシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、ア
シルアミノ基、アミド基、スルファモイル基、カルバモ
イル基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、
アルキルチオ基、アリールチオ基を表す。またこれらの
置換基が環を形成可能な位置にあるときは飽和、あるい
は不飽和の炭素環またはヘテロ環を形成してもよい。
以上の置換基は炭素数の合計が50個以内が好ましく、
さらに好ましくは、30個以内である。
式中R1、R2、R3、R4、R5、R6はそれぞれ水素原子、ハロゲ
ン原子、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、スルホ
基、あるいはそれぞれ置換されてもよい、アルキル基、
アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ
基、アシルアミノ基、アミド基、スルファモイル基、カ
ルバモイル基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニ
ル基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表す。またこ
れらの置換基が環を形成可能な位置にあるときは飽和、
あるいは不飽和の炭素環やヘテロ環を形成してもよい。
は対アニオンを表わし、分子内でも分子間であって
も良い。
以上の置換基は炭素数の合計が50個以内が好ましく、
さらに好ましくは30個以内である。
式中R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ水素原子、ハロゲン原
子、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、スルホ基、あ
るいはそれぞれ置換されてもよい、アルキル基、アルコ
キシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、ア
シルアミノ基、アミド基、スルファモイル基、カルバモ
イル基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、
アルキルチオ基、アリールチオ基を表す。またこれらの
置換基が環を形成可能な位置にあるときは飽和、あるい
は不飽和の炭素環やヘテロ環を形成してもよい。X
対アニオンを表わし、分子内でも分子間でもよい。
以上の置換基は炭素数の合計が50個以内が好ましく、
さらに好ましくは30個以内である。
次に本発明に使用される、具体的な化合物例を示す。
具体的化合物例 以下に本発明で用いられるメディエーターの合成に関
して述べる。
一般式(I)のメディエーターの合成は任意の置換基
を有するハイドロキノンを種々の酸化剤、例えば酸化
銀、二酸化マンガン、酢酸銀、炭酸銀、酸化クロム、テ
トラクロロベンゾキノン、ジクロロジシアノベンゾキノ
ン等により合成することができる。
また、任意の置換基を有するハイドロキノン類の合成
に関しては一般に広く知られている方法を用いることが
でき、例えば、新実験化学講座14巻、有機化合物の合成
と反応〔1〕534〜567ページに記載の方法を参考にする
ことができる。
キノン化合物類一般の合成については、HOUBEN-WEYL:
METHODEN DER ORGANISCHE CHEMIE(メソデン デア オ
ルガニシェ ヘミー)7/3A(VIERTE AUFLAGE,EUGEN MUL
LER著)、7/3B、7/3C(VIERTE AUFLAGE著)に詳しく記
載されている。
一般式(2)で表される化合物の合成法に関しては、
COMPREHENSIVE HETEROCYCLIC CHEMISTRY(コンレヘンシ
ブ ヘテロサイクリック ケミストリー)(ALAN R.KAT
RITSKY,CHARLES W.REES編)第二巻全編にわたって、多
数の引用文献とともに詳しく述べられている。
一般式(3)で表される化合物の合成法に関しては、
COMPREHENSIVE HETEROCYCLIC CHEMISTRY(コンレヘンシ
ブ ヘテロサイクリック ケミストリー)(ALAN R.KAT
RITSKY,CHARLES W.REES編)第三巻157〜197ページに多
数の引用文献とともに詳しく述べられている。
本発明で用いられる一般式(I)で表される化合物、
還元性物質およびメディエーターは、ハロゲン化銀乳剤
層中、該乳剤層の上方、乳剤層間、もしくは下方に設け
られる層中あるいはバック面層中、または現像過程の浴
中に、目的に応じて単独もしくは複数組み合わせて添加
することが出来る。その添加量は、写真感光材料の種類
等によって、あるいは一般式(I)の化合物から放出さ
れる写真的有用基の種類などによっても異なってくる
が、一般に一般式(I)の化合物では1×10-7モル/m2
〜1モル/m2、特に1×10-5モル/m2〜5×10-2/m2
範囲が好ましい。また、メディエーターに関しては、1
×10-7モル/m2〜1モル/m2、特に1×10-6モル/m2
5×10-2/m2の範囲が好ましく、特に好ましくは5×10
-5モル/m2〜5×10-3/m2の範囲である。
これらの化合物は目的に応じて、種々の方法により感
光材料中に含有させることができる。例えば、フィッシ
ャー分散、オイル分散、固体分散、ポリマー分散あるい
はこれらの組み合わせに寄り特定の層中に含有させるこ
とが出来る。
本発明で用いられる一般式(I)の化合物は還元され
ることによって写真的有用基を放出する。この還元には
通常還元性化合物が用いられるが、使用する現像液のpH
が十分高ければその中の水酸イオンが還元的に作用して
写真的有用基を放出することが出来る。ここで、本発明
において現像液とはハロゲン化銀を本発明の一般式
(I)の化合物から放出された化合物(放出化合物が現
像薬の時)および/または他の現像主薬により現像する
のに用いるアルカリ性の処理液を指し、必ずしも現像薬
が入っていることを要しない。
本発明の一般式(I)の化合物を機能させるために必
要な還元剤について述べる。
本発明において用いられる還元性物質は、無機化合物
あるいは有機化合物の何れでも良く、その酸化電位は銀
イオン/銀の標準酸化還元電位0.80Vより低いものが好
ましい。
無機化合物においては、酸化電位0.8V以下の金属、例
えばMn、Ti、Si、Zn、Cr、Fe、Co、Mo、Sn、Pb、W、
H2、Sb、CuまたはHgなどが挙げられる。また酸化電位0.
8V以下のイオンあるいはその錯化合物、例えば、Cr2+、V
2+、Cu+、Fe2+、MnO4 2-、I-、〔Co(CN)64-、〔Fe(CN)64-
または(Fe-EDTA)2-などが挙げられる。さらに、酸化電
位0.8V以下の金属水素化物、例えば、NaH、LiH、KH、Na
BH4、LiBH4、LiAl(OC4H9-t)3HまたはLiAl(OCH3)3Hなどが
挙げられる。また、酸化電位0.8V以下の硫黄あるいは燐
化合物、例えばNa2SO3、NaHS、NaHSO3、H3P、H2S、Na2Sまた
はNa2S2等が挙げられる。
有機化合物の還元性物質としては脂肪族アミン、もし
くは芳香族アミンのような有機窒素化合物、芳香族チオ
ールまたは脂肪族チオールのような有機硫黄化合物、も
しくは脂肪族ホスフィン、もしくは芳香族ホスフィンの
ような有機燐化合物、ティー・エイチ・ジェームズ(T.
H.James)著、ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフ
ィック・プロセス(The Theory of the Photographic P
rocess)第四版291〜334ページに記載の化合物を挙げる
ことができる。
本発明において還元性物質として使用しうる化合物の
例としては亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素ナトリウム等
の無機の還元剤、ベンゼンスルフィン酸、ヒドロキシル
アミン類、ヒドラジン類、ヒドラジド類、ヒドロキサム
酸類、セミカルバジド類、アミノ酸類、各種アミン類、
ボラン・アミン錯体、ハイドロキノン類、アミノフェノ
ール類、カテコール類、p−フェニレンジアミン類、3
−ピラゾリジノン類、ヒドロキシテトロン類、アスコル
ビン類、4−アミノ−5−ピラゾロン類等が挙げられる
他、前記ティー・エイチ・ジェームズ(T.H.James)の
著書291〜334ページに記載の還元剤も利用できる。ま
た、特開昭56-138,736号、同57-40,245号、米国特許第
4,330,617号等に記載されている還元剤プレカーサーも
利用できる。
より好ましい還元剤の例としては以下のものが挙げら
れる。
3−ピラゾリドン類およびそのプレカーサー〔例え
ば、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−
4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、4−ヒドロキシメ
チル−4−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリドン、
1−m−トリル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−
3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピ
ラゾリドン、1−フェニル−4,4−ビス−(ヒドロキシ
メチル)−3−ピラゾリドン、1,4−メチル−3−ピラ
ゾリドン、4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−
(3−クロロフェニル)−4−メチル−3−ピラゾリド
ン、1−(4−クロロフェニル−4−メチル−3−ピラ
ゾリドン、1−(4−トリル)−4−メチル−3−ピラ
ゾリドン、1−(2−トリル)−4−メチル−3−ピラ
ゾリドン、1−(3−トリル)−3−ピラゾリドン、1
−(3−トリル)−4,4−ジメチル−3−ピラゾリド
ン、1−(2−トリフルオロエチル)−4,4−ジメチル
−3−ピラゾリドン、5−メチル−3−ピラゾリドン、
1,5−ジフェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−
4−、メチル−4−ステアロイルオキシメチル−3−ピ
ラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ラウロイ
ルオキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,
4−ビス−(ラウロイルオキシメチル)−3−ピラゾリ
ドン、1−フェニル−2−アセチル−3−ピラゾリド
ン、1−フェニル−3−アセトキシ−ピラゾリドン〕。
ハイドロキノン類およびそのプレカーサー〔例えば、
ハイドロキノン、トルハイドロキノン、2,6−ジメチル
ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ
−t−ブチルハイドロキノン、t−オクチルハイドロキ
ノン、ペンタデシルハイドロキノン、5−ペンタデシル
ハイドロキノン−2−スルホン酸ナトリウム、p−ベン
ゾイルオキシフェノール、2−メチル−4−ベンゾイル
オキシフェノール、2−t−ブチル−4−(4−クロロ
ベンゾイルオキシ)フェノール、ハイドロキノン−2−
スルホン酸ナトリウム、2−{3,5−ビス(2−ヘキサ
デカンアミド)ベンズアミド}ハイドロキノン、2−
(3−ヘキサデカンアミド)ベンズアミドハイドロキノ
ン、2−(2−ヘキシルデカンアミド)ハイドロキノ
ン、2,5−ジ−n−オクチルハイドロキノン、2−(3
−ヘキサデカンアミドフェニル)メチル−5−t−アミ
ルハイドロキノン〕。
パラフェニレンジアミン類のカラー現像薬〔例えば、
4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4
−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、4−アミノ−N−
エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチ
ル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ブトキシエチル
アニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−
β−メタンスルホンアミドエチルアニリン、4−アミノ
−3−メチル−N−エチル−N−β−メトキシエチルア
ニリン〕。
アミノフェノール類の還元剤としては、4−アミノ−
2,6−ジクロロフェノール、4−アミノ−2,6−ジブロモ
フェノール、4−アミノ−2−メチルフェノールサルフ
ェート、4−アミノ−3−メチルフェノールサルフェー
ト、4−アミノ−2,6−ジクロロフェノールハイドロク
ロライド等がある。さらにリサーチ・ディスクロージャ
ー誌151号、No.15108、米国特許4,021,240号には2,6−
ジクロロ−4−置換スルホンアミドフェノール、2,6−
ジブロモ−4−置換スルホンアミドフェノール、特開昭
59-116740号にはp−(N,N−ジアルキルアミノフェニ
ル)スルファミンなどが記載され、有用である。上記の
フェノール系還元剤に加え、ナフトール誘導体および4
−置換スルホンアミドナフトール誘導体も有用である。
さらに、適用しうる一般的なカラー現像薬としては、米
国特許2,892,714号記載のアミノピラゾリドン誘導体
が、またリサーチ・ディスクロージャー誌1980年6月号
227〜230、236〜240ページ(RD-19412、RD-19415)に
は、ヒドラゾン誘導体が記載されている。これらのカラ
ー現像薬は、単独で用いても、2種以上組み合わせて用
いても良い。
以下に感光材料中に内蔵させる好ましい還元性物質の
例を示す。
本発明において一般式(I)の化合物を還元せしめる
還元性物質を同一支持体上に含有せしめる場合、2つの
位置関係は同一の層内かもしくは隣接の層内に存在する
ことが好ましい。また混色防止剤や退色防止剤の作用を
兼ねていてもよい。
一方処理液に含有せしめることのできる還元性物質
は、通常の現像主薬類、ハイドロキノン類、無機還元性
剤などアルカリ可溶な還元性物質がこれに含まれる。こ
れらの還元性物質の多くは別の機能のために用いられる
ことが多いが、本発明においては一般式(I)の化合物
の還元性物質としての機能をも兼ね備えて用いることが
出来る。例えばDRR化合物を用いたカラー拡散写転法の
場合フェニドンなどの現像主薬は銀現像からDRR化合物
(色素供与レドックス化合物)のクロス酸化という機能
に加えて本発明の一般式(I)の化合物の還元性物質と
しても作用する。
本発明は支持体上に少なくとも2つの異なる分光感度
を有する多層多色写真材料に適用できる。多層天然色カ
ラー写真材料は、通常支持体上に赤感性乳剤層、緑感性
乳剤層および青感性乳剤層をそれぞれ少なくとも一つ有
する。場合によっては赤外感光性乳剤層をこれらの1つ
又は2つ以上と置き換えた疑似カラー層構成にしてもよ
い。これらの層の配列順序は必要に応じて任意にえらべ
る。好ましい層配列は支持体側から赤感性、緑感性およ
び青感性の順、青感層、緑感層および赤感層の順または
青感性、赤感性および緑感性の順である。また任意の同
じ感色性の乳剤層を感度の異なる2層以上の乳剤層から
構成して到達感度を向上してもよく、3層構成としてさ
らに粒状性を改良してもよい。また同じ感色性をもつ2
つ以上の乳剤層の間に非感光性層が存在していてもよ
い。ある同じ感色性の乳剤層の間に異なった感色性の乳
剤層が挿入される構成としてもよい。高感度層特に高感
度青感層の下に微粒子ハロゲン化銀などの反射層を設け
て感度を向上してもよい。
本発明の一般式(I)の化合物はハロゲン化銀カラー
感光材料、例えばカラーネガフィルム、カラーペーパ
ー、カラー反転フィルム、カラー反転ペーパーその他の
いずれにも使用することができるし、またカラー拡散転
写法の感光要素にも使用できる。
この中でも特に撮影用のカラー反転フィルム又はカラ
ー拡散転写感光要素において効果が顕著である。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、通常水溶性
銀塩(例えば硝酸銀)溶液と水溶性ハロゲン塩(例えば
臭化カリウム)溶液とをゼラチンの如き水溶性高分子溶
液の存在下で混合してつくられる。このハロゲン化銀と
しては、塩化銀、臭化銀のほかに、混合ハロゲン化銀、
例えば塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等を用いること
ができる。ハロゲン化銀の平均粒子サイズ(球状または
球に近似の粒子の場合は、粒子直径、立方体粒子の場合
は、稜長を粒子サイズとし、投影面積にもとづく平均で
表す)は、2μ以下が好ましいが、特に、好ましいのは
0.4μ以下である。粒子サイズ分布は狭くても広くても
いずれでもよい。
これらのハロゲン化銀粒子の形は立方晶形、八方面
体、その混合晶形又は特開昭58-127921号、同58-113926
号に記載の平板状等どれでもよい。
又、別々に形成した2種以上のハロゲン化銀写真乳剤
を混合してもよい。更に、ハロゲン化銀粒子の結晶構造
は内部まで一様なものであっても、また内部と外部が異
質の層状構造をしたものや、英国特許635,841号、米国
特許3,622,318号に記載されているような、いわゆるコ
ンバージョン型のものであってもよい。又、潜像を主と
して表面に形成する型のもの、粒子内部に形成する内部
潜像型のもののいずれでもよい。
ハロゲン化銀粒子形成又は物理熟成の過程において、
カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム
塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯塩、鉄塩又は鉄
錯塩などを共存させてもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、化学増感を行わない、いわゆる
未後熟乳剤(プリミティブ乳剤)を用いることもできる
が、通常は化学増感される。化学増感のためには、活性
ゼラチンや銀と反応しうる硫黄を含む化合物(例えばチ
オ硫酸塩、チオ尿素類、メルカプト化合物、ローダニン
類)を用いる硫黄増感法、還元性物質(例えば第一すず
塩、アミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスル
フィン類、シラン化合物)を用いる還元増感法、貴金属
化合物(例えば金化合物の他、白金、イリジウム、パラ
ジウムなどの周期律表第VIII族金属の錯塩)を用いる貴
金属感法などを単独或いは組み合わせて実施することが
できる。
本発明に用いられる写真乳剤は、メチン色素類、その
他によって分光増感されてもよい。用いられる色素に
は、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色
素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミオキソ
ノール色素が包含される。特に有用な色素は、シアニン
色素、メロシアニン色素、および複合メロシアニン色素
に属する色素である。これらの色素類には、塩基性異節
環核としてシアニン色素類に通常利用される核のいずれ
をも適用できる。すなわち、ピロリン核、オキサゾリン
核、チアゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チア
ゾール核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾ
ール核、ピリジン核など;これらの核に脂環式炭化水素
環が融合した核;及びこれらの核に芳香族炭化水素環が
融合した核、即ち、インドレニン核、ベンズインドレニ
ン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオ
キサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール
核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール核、キ
ノリン核などが適用できる。これらの核は炭素原子上に
置換されていてもよい。
メロシアニン色素または複合メロシアニン色素にはケ
トメチレン構造を有する核としてピラゾリン−5−オン
核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−2,
4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダニ
ン核、チオバルビツール酸核などの5〜6員異節環核を
適用することができる。これらの増感色素は単独に用い
てもよいが、それらの組合せを用いてもよく、増感色素
の組合せは特に、強色増感の目的でしばしば用いられ
る。
本発明の写真感光材料は色像形成カプラー、即ち、発
色現像処理において芳香族1級アミン現像薬(例えば、
フェニレンジアミン誘導体や、アミノフェノール誘導体
など)との酸化カップリングによって発色しうる化合物
を含有してもよい。カプラーは分子中にバランス基とよ
ばれる疎水性基を有する非拡散性のもの、またはポリマ
ー化されたものが望ましい。カプラーは、銀イオンに対
し4当量性あるいは2当量性のどちらでもよい。又、色
補性の効果をもつカラードカプラー、あるいは現像にと
もなって現像抑制剤を放出するカプラー(いわゆるDIR
カプラー)を含んでもよい。又、カップリング反応の生
成物が無色であって、現像抑制剤を放出する無呈色DIR
カップリング化合物を含んでもよい。
例えばマゼンタカプラーとして、5−ピラゾロンカプ
ラー、ピラゾロベンツイミダゾールカプラー、シアノア
セチルクマロンカプラー、開鎖アシルアセトニトリルカ
プラー、ピラゾロトリアゾールカプラー等があり、イエ
ローカプラーとして、アシルアセトアミドカプラー(例
えばベンゾイルアセトアニリド類、ピバロイルアセトア
ニリド類)、等があり、シアンカプラーとして、ナフト
ールカプラー、及びフェノールカプラー等がある。
上記カプラー等は、感光材料に求められる特性を満足
するために同一層に二種類以上を併用することもできる
し、同一の化合物を異なった2層以上に添加すること
も、もちろん差支えない。
カプラーをハロゲン化銀乳剤層に導入するには公知の
方法、例えば米国特許2,322,027号に記載の方法などが
用いられる。例えばフタル酸アルキルエステル(ジブチ
ルフタレート、ジオクチルフタレート)、リン酸エステ
ル(ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフ
ェート、トリクレジルフォスフェート、ジオクチルブチ
ルフォスフェート)、クエン酸エステル(例えばアセチ
ルクエン酸トリブチル)、安息香酸エステル(例えば安
息香酸オクチル)、アルキルアミド(例えばジエチルラ
ウリルアミド)、脂肪酸エステル類(例えばジブトキシ
エチルサクシネート、ジエチルアゼレート)、トリメシ
ン酸エステル類(例えばトリメシン酸トリブチル)な
ど、又は沸点約30℃ないし150℃の有機溶媒、例えば酢
酸エチル、酢酸ブチルの如き低級アルキルアセテート、
プロピオン酸エチル、2級ブチルアルコール、メチルイ
ソブチルケトン、β−エトキシエチルアセテート、メチ
ルセロソルブアセテート等に溶解したのち、親水性コロ
イドに分散される。上記の高沸点有機溶媒と低沸点有機
溶媒とは混合して用いてもよい。
又、特公昭48-30494号、特公昭51-39853号、特開昭50
-102334号、特開昭51-25133号、特開昭51-59943号、特
願昭61-162813号、特願昭61-187996号、特願昭61-18977
1号、西ドイツ特許第2830917号、米国特許第3619195号
に記載されている重合物による分散法も使用することが
できる。
カプラーがカルボン酸、スルフォン酸の如き酸基を有
する場合には、アルカリ性水溶液として親水性コロイド
中に導入される。この方法は特公昭43-7,561号に記載の
ものである。
本発明の写真感光材料には、公知の退色防止剤を用い
ることができる。公知の退色防止剤としては、ハイドロ
キノン誘導体、没食子酸誘導体、p−アルコキシフェノ
ール類、p−オキシフェノール誘導体及びビスフェノー
ル類等がある。
本技術に関する感光材料には、前述の種々の添加剤が
用いられるが、それ以外にも目的に応じて種々の添加剤
を用いることができる。
これらの添加剤は、より詳しくはサーチ・ディスクロ
ージャーItem/7643(1978年12月)および同Item/8716
(1979年11月)に記載されており、その該当個所を後掲
の表にまとめて示した。
本発明の感光材料の写真処理には、公知の方法のいず
れをも用いることができるし処理液には公知のものを用
いることができる。又、処理温度は通常、18℃から50℃
の間に選ばれるが、18℃より低い温度または50℃をこえ
る温度としてもよい。目的に応じ、ネガあるいはオート
ポジ画像を形成する現像処理、或いは、反転画像を形成
すべき現像処理から成るカラー写真処理のいずれをも適
用することが出来る。
カラー反転処理に用いる黒白現像液には、ジヒドロキ
シベンゼン類(例えばハイドロキノン)、3−ピラゾリ
ドン類(例えば1−フェニル−3−ピラゾリドン)、ア
ミノフェノール類(例えばN−メチル−p−アミノフェ
ノール)等の公知の現像主薬を単独或いは組み合わせて
用いることができる。
カラー現像液は、一般に、発色現像主薬を含むアルカ
リ性水溶液から成る。発色現像主薬は公知の一級芳香族
アミン現像剤、例えばフェニレンジアミン類(例えば4
−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−
アミノ−N,N−ジエチルアニリン、4−アミノ−N−エ
チル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル
−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル
アニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−
β−メタンスルホアミドエチルアニリン、4−アミノ−
3−メチル−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニ
リンなど)を用いることができる。
この他L.F.Aメソン著「フォトグラフィック・プロセ
ッシング・ケミストリー」、フォーカル・プレス刊(19
66年)の226〜229頁、米国特許2,193,015号、同2,592,3
64号、特開昭48-64933号などに記載のものを用いてもよ
い。
現像液はその他、アルカリ金属の亜硫酸塩、炭酸塩、
ホウ酸塩、及びリン酸塩の如きpH緩衝剤、臭化物、沃化
物、及び有機カブリ防止剤の如き現像抑制剤ないし、カ
ブリ防止剤などを含むことができる。又必要に応じて、
硬水軟化剤、ヒドロキシルアミンの如き保恒剤、ベンジ
ルアルコール、ジエチレングリコールの如き有機溶剤、
ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン
類の如き現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラ
ー、ナトリウムボロンハイドライドの如きかぶらせ剤、
1−フェニル−3−ピラゾリドンの如き補助現像薬、粘
性付与剤、米国特許4,083,723号に記載のポリカルボン
酸系キレート剤、西独公開(OLS)2,622,950号に記載の
酸化防止剤などを含んでもよい。
カラー写真処理を施した場合、発色現像後の写真感光
材料は通常漂白処理される。漂白処理は、定着処理と同
時に行われてもよいし、個別に行われてもよい。漂白剤
としては、例えば鉄(III)、コバルト(III)、クロム
(IV)、銅(II)などの多価金属の化合物、過酸類、キ
ノン類、ニトロソ化合物等が用いられる。例えば、フェ
リシアン化物、重クロム酸塩、鉄(III)またはコバル
ト(III)の有機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢
酸、ニトリロトリ酢酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノ
ール四酢酸、などのアミノポリカルボン酸類あるいはク
エン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸の錯塩;過硫酸
塩、過マンガン酸塩;ニトロソフェノールなどを用いる
ことができる。これらのうちフェリシアン化カリ、エチ
レンジアミン四酢酸鉄(III)ナトリウム及びエチレン
ジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウムは特に有用であ
る。エチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩は独立の漂
白液においても、一浴漂白定着液においても有用であ
る。
漂白または漂白定着液には、米国特許3,042,520号、
同3,241,966号、特公昭45-8506号、特公昭45-8836号な
どに記載の漂白促進剤、特開昭53-65732号に記載のチオ
ール化合物の他、種々の添加剤を加えることもできる。
水洗工程は、1槽で行なわれる場合もあるが、多くは
2槽以上の多段向流水洗方式で行なわれる。水洗工程に
おける水量は、カラー感光材料の種類、目的に応じて任
意に設定できるが、例えばジャーナル・オブ・モーショ
ン・ピクチャー・アンド・テレビジョン・エンジニアリ
ング第64巻248〜253頁(1955年5月号)の“ウォーター
・フロー・レイツ・イン・イマージョンウォッシング・
オブ・モーション・ピクチャー・フィルム”(Water Fl
ow Rates in Immersion-Washing of Motion Picture Fi
lm,S.R.Goldwasser著)に記載の方法によって算出する
こともできる。
水洗水量を節減する場合、バクテリアやカビの発生が
問題となるが、その対応として、特願昭61-131632号明
細書に記載のカルシウム、マグネシウムを低減せしめた
水洗水、殺菌剤や防ばい剤、例えば、ジャーナル・オブ
・アンチバクテリアル・アンド・アンチファニンガル・
エージェンツ(J.Antibact.Antifung.Agents)vol.11、
No.5、p207〜223(1983)に記載の化合物および堀口博
著“防菌防黴の化学”に記載の化合物)、の添加を行な
うことができる。又、硬水軟化剤として、エチレンジア
ミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のキレート
剤を添加することもできる。
水洗水量を節減する場合、その水量としては、通常カ
ラー感光材料1m2当り100ml〜200mlが用いられるが、特
には200〜1000mlの範囲が色像安定性と節水効果を両立
させる点で好ましく用いられる。
水洗工程におけるpHは通常5〜9の範囲にある。
本発明をカラー拡散転写法の感光要素に応用する場
合、有用な色素供与性物質は次式(V)で表わされ、ハ
ロゲン化銀乳剤と組合せて用いられる。
Dy−Y (V) ここでDyは色素部分(またはその前駆体部分)を表わ
し、Yは現像の結果として色素供与性物質(V)の拡散
性が変化する機能性を持った基質を表わす。
ここで「拡散性が変化する」とは、(1)色素供与性
物質(V)が本来、非拡散性であり、これが拡散性に変
化するか、または拡散性の色素が放出される事、あるい
は(2)本来拡散性の色素供与性物質(V)が非拡散性
に変化することを意味している。また、この変化はYの
性質によりYが酸化されて起こる場合と還元されて起こ
る場合がある。
Yの酸化によって、“拡散性が変化する”例としては
まず、p−スルホンアミドナフトール類(p−スルホン
アミドフェノール類も含む:特開昭48-33826号、同53-5
0736号、欧州特許第76,492号に具体例の記載あり)、o
−スルホンアミドフェノール類(o−スルホンアミドナ
フトール類も含む;特開昭51-113624号、同56-12642
号、同56-16130号、同56-16131号、同57-4043号、同57-
650号、米国特許4,053,312号、欧州特許第76,492号に具
体例の記載あり)、ヒドロキシスルホンアミド複素環類
(特開昭51-104,343号、欧州特許第76,492号に具体例の
記載あり)、3−スルホンアミドインドール類(特開昭
51-104,343号、同53-46730号、同54-130122号、同57-85
055号、欧州特許第76,492号に具体例の記載あり)、α
−スルホンアミドケトン類(特開昭53-3819号、同54-48
534号、欧州特許第76,492号に具体例の記載あり)等の
いわゆる色素放出レドックス基質を挙げることができ
る。
別の例としてはYが被酸化後、分子内求核攻撃によっ
て色素を放出する型として特開昭57-20735号、特開昭59
-65839号に記載の分子内アシスト型基質が挙げられる。
また別の例としては、塩基性条件下では分子内閉環反
応により色素を放出するが、Yが酸化されると色素放出
を実質的に起こさなくなる基質を挙げることができる
(特開昭51-63618号に具体例の記載がある)。さらにこ
れの変型として求核試薬によりイソオキサゾロン環が環
巻き換えを起こして色素を放出する基質も有用である
(特開昭49-111628号、同52-4819号に具体例の記載あ
り)。
また別の例としては、塩基性条件下では酸性プロトン
の解離により色素部分が離脱するが、Yが酸化されると
実質的に色素が放出しなくなる基質を挙げることができ
る(特開昭53-69033号、同54-130927号に具体例の記載
あり)。
一方、Yが還元されることによって拡散性が変化する
例としては、特開昭53-110827号に記載されているニト
ロ化合物:特開昭53-110829号、米国特許4,356,249号、
同4,358,525号に記載されているキノン化合物を挙げる
ことができる。これらは現像過程で消費されない残存し
ている還元剤(エレクトロン・ドナーと称する)により
還元され、その結果生じた求核基の分子内攻撃により色
素を放出するものである。この変型として、還元体の酸
性プロトンが解離することにより色素部分が離脱するキ
ノン型基質も有用である(特開昭54-130927号、同56-16
4342号に具体例の記載あり)。同様の作用を持つ色素供
与性化合物が特願昭61-88625号、同61-87721号、同62-3
4954号、同62-34953号に記述されている。
上記の還元により拡散性が変化する基質を使用する場
合には、露光されたハロゲン化銀と色素供与性物質との
間を仲介する適当な還元剤(エレクトロン・ドナー)を
用いることが必須であり、その具体例は上記の公知資料
に記載されている。また、基質Y中にエレクトロン・ド
ナーが供存する基質(LDA化合物と称する)も有用であ
る。
カラー拡散転写法に用いるフィルム・ユニットの代表
的な形態は、一つの透明な支持体上に受像要素と感光要
素とが積層されており、転写画像の完成後、感光要素を
受像要素から剥離する必要のない形態である。更に具体
的に述べると、受像要素は少なくとも一層の媒染層から
なり、又感光要素の好ましい態様に於いては青感性乳剤
層、緑感性乳剤層及び赤感性乳剤層の組合せ、又は緑感
性乳剤層、赤感性乳剤層及び赤外光感光性乳剤層の組合
せ、或いは青感性乳剤層、赤感性乳剤層及び赤外光感光
性乳剤層の組合せと、前記の各乳剤層にイエロー色素供
与性物質、マゼンタ色素供与性物質及びシアン色素供与
性物質がそれぞれ組合わせて構成される(ここで「赤外
光感光性乳剤層」とは700nm以上、特に740nm以上の光に
対して感光性を持つ乳剤層をいう)。そして、該媒染層
と感光層或いは色素供与性物質含有層の間には、透明支
持体を通して転写画像が観賞できるように、酸化チタン
等の固体顔料を含む白色反射層が設けられる。
明所で現像処理を完成できるようにするために白色反
射層と感光層の間に更に遮光層を設けてもよい。又、所
望により感光要素の全部又は一部を受像要素から剥離で
きるようにするために適当な位置に剥離層を設けてもよ
い(このような態様は例えば特開昭56-67840号やカナダ
特許674,082号に記載されている)。
また、別の剥離不要の形態では、一つの透明支持体上
に前記の感光要素が塗設され、その上に白色反射層が塗
設され、更にその上に受像層が積層される。同一支持体
上に受像要素と白色反射層と剥離層と感光要素とが積層
されており、感光要素を受像要素から意図的に剥離する
態様については、米国特許3,730,718号に記載されてい
る。他方、二つの支持体上にそれぞれ感光要素と受像要
素が別個に塗設される代表的な形態には大別して二つあ
り、一つは剥離型であり、他は剥離不要型である。これ
らについて詳しく説明すると、剥離型フィルム・ユニッ
トの好ましい態様では、支持体の裏面に光反射層を有し
そしてその表面には少なくとも一層の受像層が塗設され
ている。又感光要素は遮光層を有する支持体上に塗設さ
れていて、露光終了前は感光層塗布面と媒染層塗布面は
向き合っていないが露光終了後(例えば現像処理中)は
感光層塗布面がひっくり返って受像層塗布面と重なり合
うように工夫されている。媒染層で転写画像が完成した
後は速やかに感光要素が受像要素から剥離される。
また、剥離不要型フィルム・ユニットの好ましい態様
では、透明支持体上に少なくとも一層の媒染層が塗設さ
れており、又透明又は遮光層を有する支持体上に感光要
素が塗設されていて、感光層塗布面と媒染層塗布面とが
向き合って重ね合わされている。
以上述べた形態に更にアルカリ性処理液を含有する、
圧力で破裂可能な容器(処理要素)を組合わせてもよ
い。なかでも一つの支持体上に受像要素と感光要素が積
層された剥離不要型フィルム・ユニットではこの処理要
素は感光要素とこの上に重ねられるカバーシートの間に
配置されるのが好ましい。又、二つの支持体上にそれぞ
れ感光要素と受像要素が別個に塗設された形態では、遅
くとも現像処理時に処理要素が感光要素と受像要素の間
に配置されるのが好ましい。処理要素には、フィルム・
ユニットの形態に応じて遮光剤(カーボン・ブラックや
pHによって色が変化する染料等)及び/又は白色顔料
(酸化チタン等)を含むのが好ましい。更にカラー拡散
転写方式のフィルム・ユニットでは、中和層と中和タイ
ミング層の組合せからなる中和タイミング機構がカバー
シート中、又は受像要素中、或いは感光要素中に組込ま
れているのが好ましい。
(実施例) 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに
詳細に説明する。
実施例1 第1層用の乳剤(I)の作り方について述べる。
良く攪はんしているゼラチン水溶液(水1000ml中にゼ
ラチン20gと塩化ナトリウム3gを含み75℃に保温したも
の)に塩化ナトリウムと臭化カリウムを含有している水
溶液600mlと硝酸銀水溶液(水600mlに硝酸銀0.59モルを
溶解させたもの)を同時に40分にわたって等流量で添加
した。このようにして平均粒子サイズ0.35μの単分散立
方体塩臭化銀乳剤(臭素80モル%)を調製した。
水洗、脱塩後チオ硫酸ナトリウム5mgと4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン20mgを添
加して60℃で化学増感を行った。乳剤の収量は600gであ
った。
次に第3層用の乳剤(II)の作り方について述べる。
良く攪はんしているゼラチン水溶液(水1000ml中にゼ
ラチン20gと塩化ナトリウム3gを含み75℃に保温したも
の)に塩化ナトリウムと臭化カリウムを含有している水
溶液600mlと硝酸銀水溶液(水600mlに硝酸銀0.59モルを
溶解させたもの)と以下の色素溶液(I)とを、同時に
40分にわたって等流量で添加した。このようにして平均
粒子サイズ0.35μの色素を吸着させた単分散立方体塩臭
化銀乳剤(臭素80モル%)を調製した。
水洗、脱塩後チオ硫酸ナトリウム5mgと4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン20mgを添
加して60℃で化学増感を行った。乳剤の収量は600gであ
った。
色素溶液(I) 160mg 下記構造の色素 メタノール 400mg 次に第5層用の乳剤(III)の作り方について述べ
る。
良く攪はんしているゼラチン水溶液(水1000ml中にゼ
ラチン20gとアンモニウムを溶解させ50℃に保温したも
の)に沃化カリウムと臭化カリウムを含有している水溶
液1000mlと硝酸銀水溶液(水1000mlに硝酸銀1モルを溶
解させたもの)を同時にpAgを一定に保ちつつ添加し
た。このようにして平均粒子サイズ0.5μの単分散八面
体沃臭化銀乳剤(沃素5モル%)を調製した。
水洗、脱塩後塩化金酸(4水塩)5mgとチオ硫酸ナト
リウム2mgを添加して60℃で金および硫黄増感を施し
た。乳剤の収量は1kgであった。
次に色素供与性物質のゼラチン分散物の作り方につい
て述べる。
イエローの色素供与性物質(1)*を18g、電子供与体
(1)*を12g、高沸点有機溶剤(1)*を9gおよび本発
明のメディエーターを第1表に示した量を秤量し、酢酸
エチル46mlを加え、約60℃に加熱溶解させ、均一な溶液
とした。この溶液と石灰処理ゼラチンの10%溶液100g、
水60ccおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.
5gとを攪はん混合した後、ホモジナイザーで10分間、10
000rpmで分散した。この分散液をイエローの色素供与性
物質の分散物という。
マゼンタおよびシアンの色素供与性物質の分散物はイ
エローの色素供与性物質と同様に、マゼンタの色素供与
性物質(2)*、またはシアンの色素供与性物質(3)*
を使って作った。
これらにより次表Aおよび第1表に示した構成を有す
る感光材料1〜4を作成した。
硬膜剤(1)* 1,2−ビス(ビニルスルフォニルアセト
アミド)エタン なお還元剤(1)*は以下の方法でポリマー(1)*
分散して添加した。
還元剤(1)*15gとポリマー(1)*7.5gを酢酸エチ
ル40mlに約60℃で溶解させ均一な溶液とした。この溶液
と石灰処理ゼラチンの10%水溶液100gおよび界面活性剤
(5)*の5%水溶液3.8mlとを攪拌混合したのち、ホモ
ジナイザーで10分間10000rpmで分散した。
次に色素固定材料の作り方について述べる。
ポリエチレンでラミネートした紙支持体上に次表Bの
構成で塗布した色素固定材料R-1を作った。
上記多層構成のカラー感光材料1〜4にタングステン
電球を用い、連続的に濃度が変化しているB、G、R及
びグレーの色分解フィルターを通して500ルクスで1秒
間露光した。
この露光済みの感光材料を水に5秒間浸したのち一対
のゴムローラーの間を通し、過剰の水を除去した後、色
素固定材料と膜面が接するように重ね合わせた。
吸水した膜の温度が85℃となるように温度調節したヒ
ートローラーを用い、15秒間加熱した。次に色素固定材
料からひきはがすと、固定材料上にB、G、Rおよびグ
レーの色分解フィルターに対応してブルー、グリーン、
レッド、グレーの鮮明な像が得られた。
得られたイエロー、マゼンタ、シアンのDmaxおよびD
minを測定し、結果を第1表に示した。
Y、M、Cはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアンの
濃度を表わす。
第1表の結果より、本発明のメディエーターは本発明
の一般式(I)で表わされる化合物(色素供与体)の機
能を促進し、高いDmaxを維持したままDminを低下させる
ことが出来る。
実施例2 (乳剤Aの調製) 硝酸銀水溶液と、銀1モルあたり2.5×10-5モルの六
塩化ロジウム(III)酸アンモニウムを含む塩化ナトリ
ウム水溶液をダブルジェット法により35℃のゼラチン溶
液中でpHを2.3になるようにコントロールしつつ混合
し、平均粒子サイズ0.1ミクロンの単分散塩化銀乳剤を
作った。
粒子形成後、当業界でよく知られているフロキュレー
ション法により可溶性塩類を除去し、安定剤として4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデ
ンおよび1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを
添加した。乳剤1kg中に含有されるゼラチン55g、銀は10
5gであった。(乳剤A) (感光材料の作成) サンプル5の作成 前記乳剤Aに次の式で示される造核剤を20mg/銀1g
と、有機減感剤を2mg/銀1gを添加し、 さらに硬膜剤として2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ1,
3,5−トリアジンナトリウム塩を添加して、1m2あたり
3.5gの銀量となるようにポリエチレンテレフタレート透
明支持体上にハロゲン化銀乳剤層を塗布し、さらにその
上層にゼラチン(1.3g/m2)、化合物UV-1(0.1g/m2)を
含む保護層を塗布、乾燥した(サンプル5)。
なお、化合物UV-1は、次の手順で、ゼラチン分散物を
作成して塗布に供した;化合物UV-1の4.9gをメチルエチ
ルケトン39mlに溶かした溶液を、5.0%(重量)ゼラチ
ン水溶液260gに、45℃で攪拌しながら混合し、わずかに
乳濁した分散物を得た。
サンプル6〜9の作成 サンプル5の化合物UV-1を加えた分散物に更に第2表
に示した本発明のメディエーターを第2表に従って添加
した以外は、サンプル5と同様にしてサンプル6〜9を
作成した。
(性能の評価) 上記の5つのサンプルを、大日本スクリーン(株)製
明室プリンターP-607で、光学ウェッジを通して露光し
次の現像液1および2で38℃、20秒現像し、通常の方法
で定着し、水洗、乾燥した。
現像液1処方 ハイドロキノン 35.0g N−メチル−p−アミノフェノール1/2硫酸塩 0.8g 水酸化ナトリウム 13.0g 第三リン酸カリウム 74.0g 亜硫酸カリウム 90.0g エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩 1.0g 臭化カリウム 4.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.6g 3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール15.0g 水を加えて 1 (pH=11.5) 現像液2処方 現像液1に希硫酸を加えてpH11.0とした。
本実施例で用いたUV-1は現像時に還元によってUV吸収
を有する部分を放出、感光材料中より溶出脱色させるこ
とにより露光時に感度を低下させるとともに調子可変性
をもたせることがねらいである。試料5〜9はいずれも
感度については目標の0.5の低下を達成出来、調子可変
性も良好であった。
試料5〜9は他の感光材料へのUV光による焼付のため
にUV吸収部が完全に脱色される必要がある。
第2表にこれらの結果について示した。
第2表からわかるように本発明の一般式(I)の化合
物(UV-1)とメディエーターを併用することにより、低
いpHでも酸化還元反応が促進されることがわかる。
実施例3 以下のようにして、積層一体型カラー拡散転写感光シ
ートおよびカバーシートを作成した。
感光シートの作成 ポリエチレンテレフタレート透明支持体上に、次の順
に各層を塗布して感光シート(サンプル10〜15)を作成
した。
(1)コポリ〔スチレン−N−ビニルベンジル−N−メ
チル−ピペリジニウムクロライド〕3.0g/m2、ゼラチン
3.0g/m2を含有する受像層。
(2)二酸化チタン20g/m2、ゼラチン2.0g/m2を含有す
る白色反射層。
(3)カーボンブラック2.0g/m2とゼラチン1.5g/m2を含
有する遮光層。
(4)下記のシアン色素放出レドックス化合物0.44g/
m2、トリシクロヘキシルホスフェート0.09g/m2、2,5−
ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン0.008g/m2、およ
びゼラチン0.8g/m2を含有する層。
(5)赤感性内潜型直接ポジ臭化銀乳剤(銀の量で1.03
g/m2)、ゼラチン1.2g/m2、下記の造核剤0.04mg/m2およ
び2−スルホ−5−n−ペンタデシルハイドロキノン・
ナトリウム塩0.13g/m2を含有する赤感性乳剤層。
(6)2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン0.60g
/m2、トリヘキシルホスフェート0.15g/m2およびゼラチ
ン0.6g/m2および本発明の化合物を第3表に示した量を
含有する層。
(7)下記のマゼンタ色素放出レドックス化合物を0.3g
/m2、トリシクロヘキシルホスフェート(0.08g/m2)、
2,5−ジ−tert−ペンタデシルハイドロキノン(0.009g/
m2)及びゼラチン(0.5g/m2)を含有する層。
(8)緑感性内潜型直接ポジ臭化銀乳剤(銀の量で0.82
g/m2)、ゼラチン(0.9g/m2)、層(5)と同じ造核剤
(0.03mg/m2)、および2−スルホ−5−n−ペンタデ
シルハイドロキノンナトリウム塩(0.08g/m2)を含有す
る緑感性乳剤層。
(9)(6)と同一の層。
(10)下記構造のイエロー色素放出レドックス化合物
(0.53g/m2)、トリシクロヘキシルホスフェート(0.13
g/m2)、2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン
(0.014g/m2)およびゼラチン(0.7g/m2)を含有する
層。
(11)青感性内潜型直接ポジ臭化銀乳剤(銀の量で1.09
g/m2)、ゼラチン(1.1g/m2)、層(5)と同じ造核剤
(0.04mg/m2)、2−スルホ−5−n−ペンタデシルハ
イドロキノン・ナトリウム塩(0.07g/m2)を含有する青
感性乳剤層。
(12)下記構造の紫外線吸収剤をそれぞれ4×10mol/
m2、及びゼラチン0.30g/m2を含む紫外線吸収層。
(13)ポリメチルメタクリレートラテックス(平均粒子
サイズ4μ、0.10g/m2)、ゼラチン(0.8g/m2)及び硬
膜剤としてトリアクロイルトリアジン(0.02g/m2)を含
む保護層。
カバーシートAの構成 透明なポリエチレンテレフタレート支持体上に順次、
以下の層(1′)〜(4′)を塗布してカバーシートを
作製した。
(1′)平均分子量50,000のアクリル酸−ブチルアクリ
レート(重量比8:2)共重合体を10g/m2および1,4−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)−ブタン0.2g/m2を塗布し
た中和層。
(2′)酢化度51.0%のセルロースアモテートおよびメ
チルビニルエーテル−マレイン酸モノメチルエステル交
互共重合体を重量比95/5で7.5g/m2塗布した第2タイミ
ング層。
(3′)メチルビニルエーテル−無水マレイン酸交互共
重合体1.05g/m2、および5−(2−シアノ−1−メチル
チオ)−1−フェニルテトラゾールを0.98mmol/m2を含
む補助中和層。
(4′)スチレン−n−ブチルアクリレート−アクリル
酸−N−メチロールアクリルアミドの49.7対42.3対3対
5(重量比)の共重合体ラテックスとメチルメタアクリ
レート−アクリル酸−N−メチロールアクリルアミドの
93対4対3(重量比)共重合体ラテックスを前者のラテ
ックスと後者のラテックスの固形分比が6対4になるよ
うに混合し、塗布した厚さ2μの第1タイミング層。
処理液Aの組成 このようにして作製した感光シート10〜15を連続くさ
びウェッジで露光した後、処理液とカバーシートと組合
わせ一対の加圧ローラーを通して展開処理した。1時間
後にカラー濃度計で濃度を測定し、第3表に示すDmax、D
minを得た。
上記の結果より、一般式(I)で表わされる化合物と
メディエーターの組合せにより高Dmaxを維持しつつ、D
minを低下させることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−56837(JP,A) 特開 昭57−201231(JP,A) 特開 昭60−154245(JP,A) 特開 昭62−215270(JP,A) 特開 昭63−287851(JP,A) 特開 昭63−208846(JP,A) 特開 昭63−271258(JP,A) 特開 昭64−38746(JP,A) 特開 平1−158439(JP,A) 特開 平2−96745(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも一層の感光性ハロゲ
    ン化銀乳剤層を有し、かつ、該層あるいはその隣接層に
    下記一般式(I)で表わされる、還元されることによっ
    て写真的に有用な基を放出する化合物、還元性物質、お
    よび一般式(I)の化合物への電子移動を媒介する酸化
    還元性の化合物を酸化体として含有することを特徴とす
    るハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(I) PWR−(Time)t−PUG 式中、PWRは還元を受けることによって(Time)t−PUGを
    放出する基を表し、(Time)tはPWRが電子を受け取った時
    にPUGを放出する機能を有する基であり、tは0または
    1の整数を表し、t=0の時、Timeは単なる結合手を表
    し、PUGは写真的に有用な基を表す。
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