JP2514451Y2 - Ｏａ用床構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はOA機器のための二重床式の床構造に関する
ものである。

［従来の技術］ 近年、各種OA機器の発達が著しく、種々なOA機器が各
オフィスや一般住宅、或はマンション等にて使用され、
このために新旧の建築構造物においてOA機器用の床上配
線が問題と成っている。この様な問題の解決策として
は、OA機器用の配線を床下に設けるために、所謂「二重
床」を敷設構成して二重床の床下に配線されるのが好適
である。この様な二重床の敷設構成の一例としては、例
えば、OA用の床材の四隅に孔を穿けてその裏面にねじ孔
付の台座を取付けた状態で現場に搬入して、現場におい
て「すりわり」を入れたねじ付レベル調整支持ボルトを
ねじ孔付台座に差込み乍らOA用床材を敷込んだ後に、床
材であるパネル上面からねじ付レベル調整支持ボルトを
マイナスドライバー等にて回転させて最終仕上がりのレ
ベル調整を行い、ねじ孔付台座とねじ付レベル調整支持
ボルトのねじ同志のガタつきを防止するために液状の接
着剤をねじ部分に点滴して台座にレベル調整支持ボルト
を固着する方法がある。

［考案が解決しようとする問題点］ 併し乍ら、この様な従来の方法においては、床材の四
隅にねじ付レベル調整支持ボルトの貫通孔を穿けて、こ
の貫通孔にねじ付台座を取付けて、このねじ付台座にね
じ付調整支持ボルトをねじ着してねじ同志のガタつきを
液状の接着剤の上方からの点滴によって防止するように
しているが、貫通孔に取付けられるねじ付台座が床材の
裏面に突出するために、 床材の輸送時の数量が減少すること、 床材の輸送時の取扱い時の床材を損傷し易いこと、 工場における床材の在庫管理のためのスペースが多く
要ること、 総ての床材の裏面にねじ付台座が突出させているので
コスト高になること、 等の欠点が見られる。

従って、この考案の目的はこの様な従来における問題
点を解決するために、床材の四隅に裏面から何等突出す
ることなくナット管を取付け、このナット管にねじ付レ
ベル調整支持ボルトを挿入して床材を敷設して、ねじ付
きレベル調整支持ボルトを回転してレベル調整すること
が出来る様にし、必要に応じてレベル調整した後にねじ
付レベル調整支持ボルトに緩み止め用の止ナットを螺合
してねじ付レベル調整支持ボルトを固定保持することが
出来るようにしたことを特徴とするOA用床構造を提供す
ることにある。

［問題点を解決するための手段］ 上述の目的を達成するために、この考案に依れば、OA
用床構造は、床材の四隅に裏面から何等突出することな
くナット管を取付け、これらナット管に鍔付のねじ管を
ねじ着して、ねじ付レベル調整支持ボルトを鍔付のねじ
管に挿入して床材を敷設し、ねじ付レベル調整支持ボル
トを回転することによって床材のレベルを調整すること
が出来、必要に応じてレベル調整したねじ付レベル調整
支持ボルトの上方から緩み止め用の止部材をナット管ま
たはねじ管にねじ着してねじ付レベル調整支持ボルトを
固定することが出来る様に成っている。

［作用］ そして、この考案は上述の手段により、床材の四隅に
ナット管を裏面から突出することなく取付け、ナット管
に鍔付のねじ管をねじ着して該鍔付のねじ管にねじ付レ
ベル調整支持ボルトを挿入して敷設された床材を、ねじ
付レベル調整支持ボルトの回転にてレベル調整して、必
要に応じてねじ付レベル調整支持ボルトの上方から緩み
止め用の止部材をナット管またはねじ管にね着してねじ
付レベル調整支持ボルトを固定して一体化することによ
って、ねじ部分のガタつきを防止すると共に、床材との
一体化強度と耐震性を向上することが出来、且つ床材の
裏面からナット管が何等突出することが無いようにして
床材の輸送時の取り扱いを良好にすることが出来る等
の、好適な二重床のOA用床構造が得られるものである。

この考案の他の目的と特長および利点は以下の添付図
面に沿っての詳細な説明から明らかになろう。

［実施例］ 図面の第１図乃至第７図にはこの考案のOA用床構造の
第１、２、３、４、の実施例が夫々示されている。先
ず、第１図に示される様に、床材１は、硬質けい酸カル
シウム板、無機繊維混入セメント板、他のケイ酸カルシ
ウム板等を基材とし、必要に応じては亜鉛鉄板で補強さ
れたり、或は適宜な仕上げ材が表面に設けられた一般の
床材等が使用されるもので、特に床材の材質構成等には
限定されるものではない。この様な床材１の四隅にはナ
ット管５を取り付けるための貫通した孔２が設けられ
て、これらの貫通した各孔２に床材１の表面は勿論のこ
と裏面からも何等突出することが無いようにナット管５
が床材１と一体成形またはねじ着、乃至は接着等によっ
て一体的に固着される。このナット管５は図示される様
に二段にねじ６、７が切られていて、床材１の四隅に取
付けられた各ナット管５の下方のねじ孔７の部分に、鍔
付のねじ管９がねじ着される。ねじ管９は上端に鍔10が
設けられ、外側および内側に雄ねじ11および雌ねじ12が
夫々切られている。

ねじ付レベル調整支持ボルト14は上部にねじ部15が設
けられ、上端に「すりわり」と一般に呼称される切欠き
16が形成されていて、下端が合成ゴムの様なカバー18で
覆われており、図示の各実施例では下側から挿入され
る。勿論、必要に応じては上からねじ付レベル調整支持
ボルト14を挿入することも出来る。従って、ねじ付レベ
ル調整支持ボルト14の上部の切欠き16にドライバー等の
先端を係合して回転させることによってレベル調整をす
ることが出来る。

また、図示される様にナット管５の調整用の孔を蓋部
材20によって閉鎖して、女性がハイヒールで歩行する時
に、ハイヒールのカカトの先端がナット管５の孔に入っ
て転倒する危険を防止するのが好適である。

この様に床材１の四隅にナット管５が取付けられた床
材１に、現場にて鍔付のねじ管９をねじ着して取付ける
と共にねじ付レベル調整支持ボルト14も一緒に取付けて
コンクリート床面３に敷込んだ後に、床材１の上からね
じ付レベル調整支持ボルト14の上端の切欠き16にドライ
バー等の先端を差し込んでねじ付レベル調整支持ボルト
14を回転させて所要のレベルに床材１のレベルが調整さ
れる。こうして、床材１が所要のレベルに調整されたな
らば、床材１の四隅の各孔２のねじ付レベル調整支持ボ
ルト14の上からナット管５の上部に蓋部材20を取付けて
ナット管５の孔を閉鎖する。

また、第２図および第３図にはこの考案のOA用床構造
の第２の実施例が示めされており、この実施例では、先
の第１の実施例におけるナット管５と鍔付のねじ管９と
レベル調整支持ボルト14とに加えて、緩み止め用のスリ
ーブ形の止部材22がレベル調整支持ボルト14の上部に取
付けられていることが異なっている。この緩み止め用の
止部材22は図示される様にスリーブ形を成し、上部に回
転用の溝24が設けられると共に、止部材22をレベル調整
支持ボルト14にしっかりと取付できる様に成っている。
従って、この様な緩み止め用の止部材22によってねじ付
レベル調整支持ボルト14を鍔付のねじ管９に対して固定
し、ねじ付レベル調整支持ボルト14がねじ管９、従っ
て、床材１に対して強固に一体的に固定されてねじ部分
のガタつきが防止される共に、ナット管５にねじ着固定
されたねじ管９と、ねじ付レベル調整支持ボルト６とが
床材１と一体と成って床材１との一体化強度と耐震性と
が一層向上される。

更に、第４図および第５図、第６図および第７図には
この考案のOA用床構造の第３および第４の実施例が夫々
図示されており、先の第２の実施例とは止部材だけが夫
々異なっている。すなわち、第４図および第５図の第３
の実施例では止部材25は周囲にねじが切られていて下面
に突部27が設けられ、上面に回転用の六角穴26が設けら
れている。また、第６図および第７図の第４の実施例で
は止部材28は円柱形を成していて、周囲にねじが切ら
れ、上面に六角穴29が設けられていて、鍔付のねじ管９
の雌ねじ12の切られたねじ孔にねじ着される様に成って
いる。勿論、ナット管５の上部に蓋部材20を取付けて、
ナット管５の孔を塞ぐことが出来る。

［考案の効果］ この様に、この考案のOA用床構造に依れば、床材の四
隅に取付けられたナット管を床材の表面は勿論のこと裏
面からも何等突出すること無く取付けて、このナット管
に現場にて鍔付のねじ管をねじ着して取付けると共に、
鍔付のねじ管にねじ付レベル調整支持ボルトを挿入して
床材を敷設した後に、ねじ付レベル調整支持ボルトを回
転してレベル調整を行い、必要に応じてこのねじ付レベ
ル調整支持ボルト或は鍔付のねじ管に上方から緩み止め
用の止部材をねじ着してねじ付レベル調整支持ボルトを
一層強固に固定して、床材とナット管とねじ管とねじ付
レベル調整支持ボルトとを強固に一体化することが出来
ると共に、ねじ管とねじ付レベル調整支持ボルトのねじ
部分のガタつきを防止し、且つ耐震性および床材の一体
化強度を一層向上することが出来るし、レベル調整範囲
を大きくすることが出来る。更に、ナット管が床材の裏
面から何等突出すること無く取付けられているので、床
材を密着して包装して輸送時の数量を増大できるし、輸
送時の取り扱い時にも床材を損傷することが無く、工場
における在庫管理のスペースも少なくて済み、大幅なコ
スト高にも成らず、現場で必要に応じて鍔付のねじ管を
ナット管にセットすることによりレベル調整範囲を大き
く採ることが出来る等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のOA用床構造の第１の実施例を示す断
面部分図、第２図は第２の実施例を示す断面部分図、第
３図は第２の実施例の止部材の平面図、第４図は第３の
実施例を示す断面部分図、第５図は第３の実施例の止部
材の平面図、第６図は第４の実施例を示す断面部分図、
第７図は第４の実施例の止部材の平面図である。図中、
1:床材、2:孔、3:コンクリート床面、5:ナット管、９鍔
付のねじ管、14:ねじ付レベル調整支持ボルト、20:蓋部
材、22、25、28:止部材。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】床材の四隅に裏面から突出することなくナ
   ット管を取付け、このナット管に鍔付のねじ管をねじ着
   して、この鍔付のねじ管にねじ付レベル調整支持ボルト
   を挿入して床材を敷設し、ねじ付レベル調整支持ボルト
   を回転して床材のレベルを調整することが出来る様にし
   たことを特徴とするOA用床構造。
2. 【請求項２】床材の四隅に裏面から突出することなくナ
   ット管を取付け、このナット管に鍔付のねじ管をねじ着
   して、この鍔付のねじ管にねじ付レベル調整支持ボルト
   を挿入して床材を敷設し、ねじ付レベル調整支持ボルト
   を回転して床材のレベル調整した後に，ねじ付きレベル
   調整支持ボルトに上方から緩み止め用の止部材をねじ着
   してねじ付レベル調整支持ボルトを固定することが出来
   る様にしたことを特徴とするOA用床構造。