JP2509274B2 - 光架橋性含フツ素スチレン系重合体 - Google Patents

光架橋性含フツ素スチレン系重合体

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JP2509274B2
JP2509274B2 JP63019621A JP1962188A JP2509274B2 JP 2509274 B2 JP2509274 B2 JP 2509274B2 JP 63019621 A JP63019621 A JP 63019621A JP 1962188 A JP1962188 A JP 1962188A JP 2509274 B2 JP2509274 B2 JP 2509274B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な光架橋性重合体に関し、さらに詳しく
は、光フアイバーの鞘材あるいはネガ型フオトレジスト
材等として有用な低屈折率の光架橋性含フッ素スチレン
系重合に関する。
[従来の技術] 光フアイバーの鞘材用重合体に要求される物性として
は、屈折率が低いこと;透明性、耐熱性が良好なこと;
芯材との接着性が大きいこと;フイルム形成能が高いこ
となどが挙げられる。
このような物性要求に応えるものとして、従来、アク
リル酸又はメタクリル酸のフッ素含有エステルの重合体
又は共重合体(特公昭43−8978号公報及び特公昭53−42
260号公報参照)や、ポリメタクリル酸2,2,2−トリフル
オロエチルを主体とする重合体(特開昭49−107790号公
報参照)等が提案されている。しかしながら、これらの
重合体は透明性、耐熱性の点では満足しうるが、フイル
ム形成能に劣るという欠点がある。
一方、フイルム形成能が比較的良好な鞘材として、フ
ッ化ビニリデンを主体とする重合体も提案されている
(特公昭43−8978号公報及び特公昭53−42260号公報参
照)が、この重合体は屈折率の点で問題がある。
他方、近年光フアイバー製造における生産性および作
業性の向上等の観点から、芯成分への鞘成分の被覆は、
通常の溶媒留去法ではなく、溶媒を使用しない光架橋法
によつて行なうことも検討されている。
[本発明が解決しようとしている問題点] 本発明者らも、光架橋法によつて芯成分に被覆しうる
鞘材用の光架橋性重合体について鋭意研究を行なつた結
果、今回、後述する或る種の特定の光架橋性含フッ素ス
チレン系重合体が、低い屈折率及び優れたフイルム形成
能と透明性、耐熱性を有し、前記の物性要求を満足する
のみならず、良好な光架橋性を有しており、光フアイバ
ーの鞘材として極めて有用であることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
[問題点を解決するための手段] 本発明によれば、 (a)一般式 式中、 R1は水素原子または低級アルキル基を表わし、 R2は水素原子または低級ポリフルオロアルキル基を表
わし、 R3はエーテル結合を含んでいてもよいポリフルオロア
ルキル基を表わし、 Xは−O−又は を表わし、ここで R4及びR5は各々低級アルキル基を表わし、 Y1〜Y5は各々水素原子又はハロゲン原子を表わし、 n及びmは各々0又は1を表わす、 で示される繰返し単位と、 (b)光重合性官能基を有する繰返し単位とから成るこ
とを特徴とする重量平均分子量が1,000以上の光架橋性
含フッ素スチレン系重合体が提供される。
本明細書において、「光架橋性」の重合体とは、光照
射によって重合体分子鎖間において架橋反応が生起しう
る重合体を包含し、一般に200nm〜500nm、好ましくは22
0nm〜400nmの範囲内の波長の照射によって架橋するもの
が、架橋効率やフイルム形成性等の点で望ましい。ま
た、「光重合性官能基」なる語は、光照射によりその基
自体が活性化されて重合を開始しうる官能基のみなら
ず、光の照射下に光増感剤又は光カチオン開始剤の作用
により重合反応を起こしうる官能基をも包含する意味で
使用する。
「低級」なる語は、この語が付された基又は化合物の
炭素原子数が5個以下、好ましくは3個以下であること
を意味する。
「アルキル基」及び「ポリフルオロアルキル基」は直
鎖状又は分枝鎖状のいずれのタイプのものであつてもよ
く、またポリフルオロアルキル基はアルキル基における
水素原子の少なくとも2個、好ましくは5個以上がフッ
素原子で置換された基である。しかして、アルキル基と
しては例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチ
ル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−
ノニル、イソノニル、n−デシル、イソ−デシル、n−
ウンデシル、sec−ウンデシル、n−ドデシル、n−テ
トラデシル等が挙げられ、ポリフルオロアルキル基とし
ては例えば、ジフルオロメチル、ペルフルオロメチル;
2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、
1,1,2,2−テトラフルオロエチルなどの2〜4個のフッ
素原子で置換されたエチル基;ペルフルオロエチル;3,3
−ジフルオロプロピル、2,2,3,3−テトラフルオロプロ
ピル、1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピルなどの2〜
6個のフッ素原子で置換されたプロピル;ペルフルオロ
プロピル;4,4−ジフルオロブチル、3,3,4,4,4−ペンタ
フルオロブチル、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブ
チルなどの2〜8個のフッ素原子で置換されたブチル;
ペルフルオロブチル、ペルフルオロペンチル、ペルフル
オロヘキシル、ペルフルオロヘプチル;8,8,8−トリフル
オロオクチル、5,5,6,6,7,7−ヘキサフルオロオクチ
ル、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘキサデカフ
ルオロオクチルなどの3〜16個のフッ素原子で置換され
たオクチル;ペルフルオロオクチル、ペルフルオロノニ
ル、ペルフルオロデシル基等が挙げられる。
また、前記式(I)においてR3はエーテル結合を含ん
でいてもよいポリフルオロアルキル基を表わすが、エー
テル結合を鎖中に含むポリフルオロアルキル基の例に
は、3−オキサ−2−トリフルオロメチル−2,4,4,5,5,
6,6,6−オクタフルオロヘキシル、2,5,8−トリオキサ−
1,1,3,3,4,4,6,6,7,7,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカ
フルオロウンデシル、2,5−ジオキサ−2−トリフルオ
ロメチル−2,4,4,5,5,6,6,6−オクタフルオロヘキシル
等が包含される。
「ハロゲン原子」にはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素
原子が包含され、中でもフッ素原子が好適である。
しかして、前記一般式(I)で示される繰返し単位
(a)として、好適なものは、 R1が水素原子またはメチル基を表わし、 R2は水素原子又は炭素原子数3個以下の低級ポリフル
オロアルキル基を表わし、 R3が5個以上のフッ素原子で置換されたエーテル結合
を含んでいてもよいアルキル基を表わし、 Xが−O−又は を表わし、ここで R4及びR5は炭素原子数3個以下の低級アルキル基を表
わし、 Y1〜Y5が水素原子またはフッ素原子を表わす ものである。
一般式(I)で示される繰返し単位(a)の代表的具
体例を示せば次のとおりである。
一方、光重合性官能基を有する繰返し単位(b)は、
前記式(I)の繰返し単位と共重合可能な構造単位より
成りる光重合性官能基を有する単位である限り、特に制
限はなく、最終重合体に望まれる物性等に応じて、広範
囲の光重合性官能基を有する繰返し単位の中から自由に
1種またはそれ以上を選ぶことができる。前記式(I)
の繰返し単位はスチレンとほぼ同等の共重合性を有して
いるため、上記の式(I)の繰返し単位と共重合可能な
繰返し単位な換言すれば「スチレンと共重合可能な構造
単位より成る」ということもできる。
そのような光重合性官能基を有する繰返し単位(b)の
好適例には、下記一般式 式中、 R6は水素原子又は低級アルキル基を表わし、 表わし、 Bは−OCH2−、 OCH2CH2−、 を表わし、 ここで、R7は水素原子又は低級アルキル基を表わし、 R8は低級アルキル基を表わし、 Zは光重合性官能基を表わし、 lは0、1、2又は3を表わし、 kは0又は1を表わす、 で示されるものが挙げられる。
光重合性官能基は、前述したとおり、 (i)光照射によりその基自体が活性化されて重合反応
を開始しうるタイプのものと、 (ii)光の照射下に光カチオン開始剤の作用により重合
反応を起しうるタイプのもの とに大別することができ、前者(i)のタイプに属する
ものとしては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル
基、シンナモイル基、ハロメチル基、アジド基等が挙げ
られ、また、後者(ii)のタイプに属するものとして
は、例えばオキシラニル基、ビニルオキシ基、ビニルア
ミノ基、スチリル基、イソプロペニル基等が挙げられ
る。
しかして、前記式(II)で示される繰返し単位として
好適なものは、架橋効率の点で、 R6が水素原子または炭素原子数3個以下の低級アルキ
ル基を表わし、 Zがアクリロイル基、メタクリロイル基、シンナモイ
ル基またはオキシラニル基を表わすものである。
上記の光重合性官能基を有する繰返し単位(b)の好
適具体例を示せば次のとおりである。
前記(i)のタイプの光重合性官能基は光の照射によ
つてそれ自体で重合反応を開始しうるが、場合により、
光増感剤等の光重合促進剤の併用により、該重合反応を
促進することができる。この目的に使用しうる光重合促
進剤としては、例えばベンゾフエノン、アセトフエノ
ン、フルオレノン、キサントン、アントラキノン、フエ
ニルアジド、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、
ジフエニルジスルフイド等が包含される。一方、上記
(ii)のタイプの光重合性官能基に対して使用しうる光
カチオン開始剤としては、例えばベンゼンジアゾニウム
テトラフルオロボレート、トルエンジアゾニウムヘキサ
フルオロホスフエート、p−メトキシベンゼンジアゾニ
ウムテトラフルオロボレートなどの芳香族ジアゾニウム
塩、ジメチルフエニルヨードニウムテトラフルオロボレ
ートなどの芳香族ヨードニウム塩、ジメチルフエニルス
ルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのスルホ
ニウム塩等が挙げられる。これらの光重合促進剤又は光
カチオン開始剤は、光重合性基の種類及び含量により異
なるが、一般に0.1重量%〜10重量%、通常1重量%〜
5重量%の割合で使用することができる。
本発明の重合体は、上記の光重合性官能基を有する繰
返し単位(b)を一般に1〜30モル%、好ましくは2〜
25モル%、さらに好ましくは5〜20モル%の割合で含有
するのが、光重合させた後の生成架橋重合体の安定性の
点で好都合である。該繰返し単位(b)の量があまりに
も少ないと、得られる重合体の光架橋反応が充分に進行
せず、また、あまりにも多いと、得られる重合体を光重
合した場合に生成する架橋重合体は脆くなるので好まし
くない。
本発明の重合体は以上に述べた繰返し単位(a)及び
(b)に加えて、重合体の屈折率、柔軟性、粘性等を調
節する目的で、繰返し単位(a)及び(b)以外の繰返
し単位を最大限20モル%まで、好ましくは10モル%以下
の量で含有していてもよい。そのような繰返し単位の具
体例としては、例えば、下記の単量体から誘導される繰
返し単位が包含される。
(1)アクリル酸又はメタクリル酸のC1〜C10アルキル
エステル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アク
リル酸イソオクチル、アクリル酸n−デシル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸
n−ヘキシル、メタクリル酸n−オクチルなど。
(2)アクリル酸又はメタクリル酸のC1〜C10ポリフル
オロアルキルエステル、例えばアクリル酸2,2,2−トリ
フルオロエチル、アクリル酸2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフ
ルオロブチル、アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフ
ルオロヘキシル、アクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,
8−トリデカフルオロオクチル、アクリル酸1−トリフ
ルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリ
ル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、メタクリル
酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−デカフルオロヘプチル、メタ
クリル酸4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ペンタデ
カフルオロデカンなど。
(3)アクリル酸又はメタクリル酸のC2〜C6ヒドロキシ
アルキルエステル、例えばアクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸5−ヒドロキシペ
ンチル、アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸6−ヒドロキシヘキシル
など。
(4)ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、α−メチ
ルスチレン、p−クロロスチレン、ペンタフルオロスチ
レン、p−ヒドロキシスチレン、m−フルオロスチレ
ン、p−エチルスチレン、p−トリメチルシリルスチレ
ン、2−ビニルナフタレン、4−ビニルピリジン、N−
ビニルピロールなど。
(5)その他、例えばエチルビニルエーテル、塩化ビニ
ル、オクチビニルエーテル、 ビニルトリメチルシラン、アクリロニトリル、N−ビニ
ルピロリドン、無水マレイン酸、酢酸ビニルなど。
本発明の重合体は、光フアイバーの鞘材として用いる
場合には、光架橋法によって芯材に被覆することができ
るように、一般に常温で液状ないし溶融温度が80℃以下
の固体であることが好適であり、重量平均分子量が1,00
0〜20,000、好ましくは1,500〜10,000、最も好ましくは
2,000〜5,000の範囲内にあることができる。
また、本発明の重合体は、屈折率が一般に1.50以下通
常1.45以下であり、光フアイバーの芯材として使用され
る石英(1.54)、ポリスチレン(1.59)、ポリメタクリ
ル酸メチル(1.49)等より低いため、光フアイバーの鞘
材として好適に使用することができる。
さらに、本発明の重合体をネガ型フオトレジスト材と
して用いる場合には、被膜安定性、解像度等の観点か
ら、重量平均分子量が2,000〜1,000,000、好ましくは5,
000〜100,000の範囲内にあることが好ましい。
本発明の光架橋性含フッ素スチレン系重合体は、例え
ば下記一般式 式中、R1、R2、R3、X、Y1〜Y5、n及びmは前記の意
味を有する、 で示される含フッ素スチレン誘導体を、光重合性官能基
を有するエチレン性不飽和単量体と共重合させるか、或
いは上記式(III)で示される含フッ素スチレン誘導体
を予め光重合性基を導入しうる官能基を有するエチレン
性不飽和単量体と共重合させ、得られる共重合体を該光
重合性基を有する反応性化合物と反応させて該共重合体
に光重合性官能基を導入する当の方法により製造するこ
とができる。
より具体的に、本発明の重合体は例えば、 (A) 上記式(III)で示される含フッ素スチレン誘
導体を下記一般式 式中、R6、A、B、l及びkは前記の意味を有する、 で示される水酸基含有単量体と共重合させ、得られる共
重合体をさらに下記一般式 ZQ (V) 式中、 Zは光重合性官能基を表わし、 Qはハロゲン原子、トシル基または−OZを表わす、 の化合物と反応させるか、或いは (B) 前記式(III)で示される含フッ素スチレン誘
導体を下記一般式 式中、R6、A、B、Z、l及びkは前記の意味を有す
る、 で示される光重合性官能基含有単量体と共重合させる ことにより製造することができる。
これにより、前記式(I)で示される繰返し単位と前
記式(II)で示される繰返し単位を含む共重合体が得ら
れる。上記共重合に際して、所望に応じて、第3の単量
体成分として、前記(1)〜(5)に述べた如き単量体
を併用することもでき、これにより、上記2種の繰返し
単位に加えて、かかる第3の単量体から誘導される繰返
し単位をも含む共重合体を得ることができる。
上記の共重合反応はそれ自体既知の方法、例えばバル
ク重合、溶液重合、懸濁重合などの方法を用いて行なう
ことができる。該共重合は通常ラジカル開始剤の添加に
より速やかに開始される。好適に用いられるラジカル開
始剤としては例えば、ジラウロイルペルオキシド、ベン
ゾイルペルオキシド(BPO)などの有機過酸化物;α,
α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなア
ゾ化合物などを例示することができる。また、溶液重合
に際して利用できる有機溶媒としては、生成する重合体
が可溶であるものが好ましく、例えばトルエン、クロロ
ベンゼン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホル
ム、メチルエチルケトン、フルオロベンゼン、ヘキサフ
ルオロベンゼン等を用いることができるが、これらに限
定されるものではない。上記共重合反応は通常40〜100
℃の範囲内の温度で行なうことができる。
さらに、上記共重合反応において連鎖移動剤を使用す
ることにより、生成重合体の分子量を調節することがで
きる。かかる連鎖移動剤としては例えば、n−ブタンチ
オール、メルカプトエタノール、メルカプトエチルアミ
ン、チオリンゴ酸、チオフエノール、p−ニトロ安息香
酸エチル、m−ニトロ安息香酸メチル等が挙げられる。
一方、上記(A)の方法において中間に生成する共重
合体と式(V)の化合物との反応は、通常塩基の存在下
に溶媒を用いて行なうことができる。
式(V)の化合物としては、例えばアクリル酸クロリ
ド、メタクリル酸クロリド、アクリル酸ブロミド、メタ
クリル酸無水物、シンナミルクロリド、アジド安息香酸
クロリド、p−ビニル安息香酸クロリド、p−ブロモメ
チル安息香酸クロリド等を挙げることができ、また、塩
基としてはトリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリ
ジン、N,N−ジメチルアニリン等を例示することができ
る。さらに溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、トルエン、N,N
−ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド等を用
いることができる。上記反応は通常0℃〜100℃、好ま
しくは室温ないし70℃の温度で円滑に進行し、本発明の
共重合体が好収率で得られる。
前記一般式(III)で示される含フッ素スチレン誘導
体は、下記一般式(VII)で示されるハロゲン置換スチ
レン誘導体、例えばクロロメチルスチレン、クロロスチ
レン、ペンタフルオロスチレンあるいはフルオロアセト
フエノン、ヒドロキシアセトフエノン等から容易に製造
しうる化合物である。
例えば、一般式(III)で示される含フッ素スチレン
誘導体のうち、Xが−O−で表わされるものは、下記一
般式 式中、 Y6はハロゲン原子を表わし、 R1、Y1〜Y4及びnは前記の意味を有する、 で示されるハロゲン置換スチレン誘導体に下記一般式 式中、R2及びR3は前記の意味を有する、 で示される含フッ素アルコールを塩基の存在下反応させ
ることにより得ることができる。
該反応は溶媒中で行うことが望ましく、用いることの
できる溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン等を例示することがで
きる。また該反応に用いる塩基としては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリ
ウム等のアルカリ金属化合物;ナトリウム、カリウム、
リチウムなどのアルカリ金属;及びジアザビシクロ[3.
4.0]ノネン−5(DBN)、1,5−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデセン−5(DBU)等のアミン類を例示すること
ができる。
また、上記式(VIII)の含フッ素アルコールとして
は、例えば2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3
−ペンタフルオロ−1−プロパノール、2,2,3,3,4,4,4
−ヘプタフルオロ−1−ブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロ−1−オクタノー
ル、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチ
ル)エタノール、2,2−ジフルオロエタノール、2,2,3,
3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、2,2,3,3−テ
トラフルオロ−1−プロパノール、2,2,3,3,4,4,5,5−
オクタフルオロ−1−ペンタノール、3,3,4,4,4−ペン
タフルオロ−1−ブタノール、4,4,4−トリフルオロ−
1−ブタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−
プロパノール、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘ
プタデカフルオロ−1−デカノール、1,1,1,6,6,7,7,7
−オクタフルオロ−2−ヘプタノール、3−オキサ−2
−トリフルオロメチル−2,4,4,5,5,6,6,6−オクタフル
オロヘキサノール、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ
ヘキサノールなどを挙げることができる。
また、一般式(III)においてXが で表わされる含フッ素スチレン誘導体は、例えば下記一
般式 式中、R2、R3、R4及びR5は前記の意味を有し、 Eはハロゲン原子を表わす、 で示されるフルオロアルキル置換ハロシランを下記一般
式中、 R1、Y1〜Y4及びnは前記の意味を有し、 Halはハロゲン原子を表わす、 で示されるビニル置換フエニルマグネシウムハライドと
反応させることにより合成することができる。
上記一般式(IX)で示されるフルオロアルキル置換ハ
ロシランは、例えばフルオロアルキル基を有するオレフ
インへのヒドロシリル化反応等の如きそれ自体既知の方
法により合成しうる化合物であり、ジメチル(3,3,3−
トリフルオロプロピル)クロロシラン、ジメチル(3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)
クロロシラン、ジエチル(4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフ
ルロヘプチル)ブロモシラン、ジメチル[3−(トリフ
ルオロメチル)−3,4,4,4−テトラフルオロブチル)フ
ルオロシラン、ジメチル(2,2,3,3,4,4−ヘプタフルオ
ロブチル)クロロシラン等を例示することができる。
さらに、一般式(III)においてn=0及びm=0の
場合の一般式 式中、R1、R2、R3及びY5は前記の意味を有する、 で示される単量体は、下記反応式に従って製造しうる。
他方、上記式(III)の単量体と重合せしめられる前
記式(IV)の水酸基含有単量体及び式(VI)の光重合せ
い官能基含有単量体としては、例えば、p−ヒドロキシ
スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、m−ヒドロ
キシエチルスチレン、ヒドロキシエチルアクリレート、
ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、p−ヒドロキシ−α−メチルメチレン;グリシジ
ルメタクリレート、p−グリシジルスチレン、p−グリ
シジルオキシメチルスチレン、3−メチル−3−ブテニ
ルアクリレート、4,5−エポキシペンチルメタクリレー
ト等が挙げられる。
本発明により提供される含フッ素スチレン系重合体は
光重合性官能基を有しており、該光重合性官能基の種類
に応じて、それ自体或いは光カチオン開始剤の存在下
で、光照射により架橋する。この光架橋反応を起させう
る光の波長は一般に200nm〜600nm、好ましくは220nm〜5
00nmであり、このような波長の光を発する光源としては
通常の高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノン−水銀ラン
プ、エキシマレーザー等を例示することができる。ま
た、該架橋反応は前述した如き架橋促進剤の使用により
その進行をやめることができる。
さらに、本発明の重合体は、適当な単量体と混合して
光架橋反応に供することもできる。使用しうる単量体は
ラジカル重合性を有するものである限り特に制限される
ものではないが、アクリル酸又はメタクリル酸のポリフ
ルオロアルキルエステルや含フッ素スチレン誘導体など
が低屈折率の架橋重合体を与えるという点で好適であ
る。
本発明により提供される光架橋性重合体は、重量平均
分子量が1,000以上であり、良好な光架橋性を示し、光
フアイバーの鞘材として有利に利用しうる。また、ネガ
型のフオトレジストとしても有用であると考えられる。
次に、参考例、実施例及び試験例を掲げて本発明をさ
らに具体的に説明する。
参考例1 テトラヒドロフラン(THF)100ml及び60%油性水素化
ナトリウム2.32gをフラスコに加え、これに2,2,3,3,4,
4,4−ヘプタフルオロブタノール9.87gを加えてアルゴン
気流下に攪拌した。次に、ペンタフルオロスチレン8.54
gをTHF100mlに溶かした溶液を滴下した。室温でさらに
1晩反応させた後、反応液を濃縮し、大量の水を加え、
有機層をエーテルで抽出した。有機層は水洗をくり返し
て洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥したあと、エーテル
を減圧蒸留で除いた。残留物を蒸留により精製し、収量
11.84g、収率79%で4−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフル
オロブチル)−2,3,5,6−テトラフルオロスチレン(以
下FHF3と略記する)を得た。
b.p.:69〜70℃/3.5mmHg 参考例2 アルコールを2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペン
タデカフルオロオクタノールにかえ、溶媒としてTHFと
ヘキサメチルホスホルアミド(15:2)の混合液を用いた
以外は、参考例1と同様の操作を繰り返すことにより、
4−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフ
ルオロオクチルオキシ)−2,3,5,6−テトラフルオロス
チレン(以下FHF7と略記する)を収率67.0%で得た。
(NMR(ppm);4.43〜4.87(−OCH2−,2H)、5.55〜6.2
(=CH2,2H)、6.47〜6.85(−CH=,1H) 参考例3 アルコールを2,2,3,3,3−ペンタフルオロブタノール
にかえる以外、参考例1と同様な方法で反応を行ない、
p−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロブチロキシメチル)
スチレン(以下FHF2と略記する)を収率63%で得た。
b.p.:80℃/6mmHg 参考例4 フラスコに酢酸ナトリウム3水和物81.65g(0.6mo
l)、p−クロロメチルスチレン30.53g(0.2mol)硫酸
水素テトラブチルアンモニウム3.40g、水35ml、ベンゼ
ン30ml及びt−ブチルカテコール少量を加え、60℃で20
時間攪拌した。水を加え、ベンゼンで有機層を抽出し
た。有機層をさらに水洗したのち、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を蒸留し
て、p−アセトキシメチルスチレンを25.34g(収率72
%)を得た。
b.p.:95℃/5mmHg 50%水酸化ナトリウム水溶液11.5g、エタノール45ml
及びt−ブチルカテコール少量を三口フラスコに加え、
p−アセトキシメチルスチレンを3時間かけて加熱還流
下に滴下した。滴下後さらに同温度で1時間30分攪拌し
た。反応混合物を大量の水に注ぎ、ベンゼンで抽出し、
有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧下に溶
媒を留去した。残留物を蒸留することにより、p−ヒド
ロキシメチルスチレンを12.8g(収率66%)で得た。
b.p.:76〜79℃/2mmHg IR(cm-1):3300(OH)、1920、1830、1725(芳香
環)、1625(C=CH2) 三口フラスコに50wt%水酸化ナトリウム水溶液70g、
エピブロモヒドリン34g(0.248mol)及び硫酸水素テト
ラブチルアンモニウム1.296g(3.8mol)を加え、p−ヒ
ドロクシメチルスチレン12.8g(0.095mol)を反応温度
が25℃以下に保ちながら1時間かけて滴下した。同温度
でさらに3時間攪拌したのち、反応液を水に注ぎ、有機
層をベンゼンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。残留物を2回蒸
留して2,3−エポキシプロピルビニルベンジルエーテル
(以下EPと略記する)を11.4g(収率63%)で得た。
b.p.:102〜104℃/0.15mmHg IR(cm-1):1920、1830、1730(芳香環)、1635(CH=C
H2)、1090(−C−O−C)、920(オキシラニル基) 参考例5 参考例1で得たFHF310.102g及びヒドロキシエチルア
クリレート(HEA)0.348g、メルカプトエタノール0.587
g及びα,α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)4
9.31mgを重合用アンプルに仕込み、さらに溶媒としてTH
F19mlを加えた。これを常法により脱気後高真空下(10
-5mmHg以下)にて封管した。これを60℃にて45時間振り
まぜながら重合反応を行ない、反応混合物を濃縮後、水
−メタノールの1:5(vol/vol)の溶液に注ぎ、油状の重
合体を沈澱させた。油分をろ別し、さらにこの操作をく
り返したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を
減圧留去することにより、無色透明な油分としてFHF3
HEA共重合体を得た。ゲル・パーミユエーシヨン・クロ
マトグラフイー(GPC)により測定した重量平均分子量
はポリスチレン換算で2.5×103、屈折率はnD=1.425で
あつた。構造はNMR、IRなどにより確認した。
NMR:1.52〜3.08、3.5〜3.88(−CH2OH)、4.22〜4.82
(−OCH2−、CO2CH2−) 実施例1 参考例5で得たFHF3−HEA共重合体1.545g、アクリル
酸クロライド0.140g及びトリエチルアミン0.156gをフラ
スコに加え、さらに溶媒としてTHF45mlを加え、アルゴ
ン雰囲気下、室温で48時間反応させ、過剰のアクリル酸
クロライドをメタノールで処理した。反応液を濃縮し、
n−ヘキサンと酢酸エチルの5:1(vol/vol)溶液を溶出
液に用いたシリカゲルカラムに通して精製し、0.751gの
無色の液体生成物FHF3−HEA−A共重合体を得た。この
液体の屈折率はnD=1.425、GPCにより測定した重量平均
分子量はポリスチレン換算で2.1×103であつた。構造は
NMRにより確認し、原料のFHF3−HEA共重合体の水酸基由
来の3.65ppm付近のブロードなピークが消失し、他方、
ビニル基の5.78〜6.52ppmのピークが観察された。さら
に光重合性のアクリロイル基の含量は9.8モル%であつ
た。
NMR(ppm):1.72〜3.07、3.98〜4.33(−CO2CH2−)、
4.33〜4.83(−OCH2−CF2−)、5.78〜6.52(−CH=C
H2) 参考例6 FHF3をFHF7に代えた以外、参考例5と同様の方法で重
合反応を行ない、FHF7−HEA共重合体を得た。得られた
共重合体の重量平均分子量はポリスチレン換算で3.0×1
03、屈折率はnD=1.392であつた。
NMR(ppm):1.37〜3.04、3.48〜3.83(−CH2OH)、4.29
〜4.82(−OCH2、−CO2CH2−) 実施例2 参考例6で得た共重合体を用い、実施例1と同様の方
法でアクリロイル基を導入した共重合体FHF7−HEA−A
を得た。NMRよりアクリロイル基の含量は9.3モル%であ
り、分子量はGPCにより3.1×103であつた。また屈折率
は1.395であつた。
NMR(ppm):1.38〜3.09、4.02〜4.82(−OCH2、−CO2CH
2−)、5.65〜6.53(−CH=CH2) 実施例3 参考例5で得たFHF3−HEA共重合体1.673g、シンナモ
イルクロライド279mg、ピリジン132mg及び少量のt−ブ
チルカテコールをフラスコに加え、THF30mlを溶媒に
し、アルゴン雰囲気下に50℃で3時間加熱攪拌した。反
応液を濃縮し、水:エタノール=1.5(vol/vol)の溶液
中にあけ、沈澱した油分をろ別し、さらにこの操作をく
り返したのち油分をろ別し、乾燥して0.986gの反応生成
物FHF3−HEA−C共重合体を得た。構造はNMR等で確認し
た。これより光重合性のシンナモイル基の含量は7.4モ
ル%であり、分子量は3.0×103であつた。また屈折率は
1.437であつた。
NMR(ppm):1.47〜3.13、3.45〜3.85、4.12〜4.92、6.0
5〜6.63(CH=)、7.20〜7.78(arom.CH=) 実施例4 参考例3で得たFHF22.593g(8mmol)参考例4で得たE
P0.38g(2mmol)、n−ブタンチオール55mg(0.6mmo
l)、AIBN16.43mg及び溶媒としてのTHF7.0mlを重合反応
管に仕込み、常法により脱気封管後、60℃で38時間振り
まぜながら反応した。反応液を濃縮後、メタノール−水
の5:1混合溶媒(vol/vol)に注ぎ、沈澱した油をろ別
し、この操作をくり返して精製したのち、無水硫酸マグ
ネシウムにより乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、液状
の共重合体FHF2−EP共重合体を1.832g得た。この共重合
体の重量平均分子量をGPCで測定したところ、スチレン
換算で6.7×103であつた。構造はNMRで確認した。これ
より光重合性のEPの含量は17.1%であり、また屈折率は
1.442であつた。
実施例5 参考例1で得たFHF32.993g(8mmol)、参考例4で得
たEP0.38g(2mmol)、n−ブタンチオール164mg(1.8mm
ol)、AIBN16.43mg及びTHF7.0mlを用いて実施例4と同
様な操作で重合反応を行ない、油状の共重合体FHF3−EP
を1.71g得た。この共重合体の重量平均分子量をGPCで測
定しスチレン換算で求めたところ2.6×103であり、また
この液体の屈折率nD=1.437であつた。構造はNMRで確認
した。これより光重合性のEPの含量は19.1モル%であつ
た。
参考例7 アルゴン気流下、マグネシウム0.495gにTHFを5ml加え
た中に、少量の臭化エチルを加え反応を開始させた。そ
こへp−クロロスチレン2.82gのTHF15ml溶液をゆつくり
と滴下した。滴下終了後、80℃で1時間攪拌し、10gの
ジメチル(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘ
プタデカフルオロデシル)クロロシランを滴下した。加
熱還流を約30分間行なった後、反応液を冷却し、その後
水をあけエーテル抽出した。エーテール相を水洗後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去し
た。粗生成物は蒸留の後(沸点144〜146℃/1mmHg)さら
にシリカゲルカラムクロマトにより精製し、4−[ジメ
チル(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタ
デカフルオロデシル)シリル]スチレン(SiFS)を4.8g
得た。収率40.5%。
元素分析値(%): 実測値:C:39.4、H:2.9 理論値:C:39.5、H:2.8 NMR(ppm):0.51〜0.80(2H)、1.3〜1.97(2H)、4.79
〜5.0(1H)、5.25〜5.34(1H)、6.15〜6.53(1H)、
7.05(4H)。
参考例8 FHF3を参考例7で得たSiFSに代え、参考例5と同様の
方法で重合反応を行ないSiFS−HEA共重合体を得た。こ
の共重合体の重量平均分子量はポリスチレン換算で3.2
×103、屈折率は1.433であつた。
NMR(ppm):0.5〜0.8、1.3〜3.0、3.5〜3.8(−CH2O
H)、4.2〜4.8、6.9〜7.1(ベンゼン環プロトン) 実施例6 参考例8で得た共重合体を用い実施例1と同様の方法
でアクリロイル基を導入し、SiFS−HEA−A共重合体を
得た。NMRよりアクリロイル基の含量は9.5モル%であ
り、重量平均分子量はポリスチレン換算で3.3×103であ
り、また屈折率は1.435であつた。
試験例1 実施例1で得た光架橋性FHF3−HEA−A共重合体50mg
及びベンゾフエノン2mgをTHF1mlに溶解させ、その溶液
の約0.35mlをとり、18×24mmの清浄なガラス板上に流延
し、室温で溶媒をゆつくりと蒸発させ、さらに減圧下で
乾燥した。ガラス上には20mgの重合体がコートされた。
これに10cmの距離から500Wの高圧水銀灯を5分間照射
し、ガラス板ごとTHF溶媒に30分間浸漬し、不溶分をろ
別し、乾燥後その重量を測定したところ12mgであつた。
ゲル化率は60%であつた。
試験例2〜6 実施例1、2、3、4、5及び6で得た光架橋性共重
合体FHF3−HEA−A、FHF7−HEA−A、FHF3−HEA−C、F
HF2−EP、FHF3−EP及びSiFS−HEA−Aをそれぞれ用い
て、試験例1と同様な方法で光架橋反応を行なった。そ
の結果を下記表1にまとめて示す。
参考例9 2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオ
ロオクタノール15.4g及び硫酸水素テトラn−ブチルア
ンモニウム(TBAS)13.0g及びベンゼン128mlを三ツ口フ
ラスコに仕込みアルゴン気流下で攪拌した。次に50wt%
の水酸化ナトリウム水溶液7.4mlを入れ15分間攪拌した
後、p−クロロメチルスチレン4.9gを加え、室温にて一
晩攪拌した。反応混合物に希塩酸を加え中和し、次に有
機層を分液ロートに取り充分に水洗した。その後、無水
硫酸マグネシウムにより乾燥し、減圧下トルエンを留去
した。残留物をn−ヘキサンを溶出液としてシリカゲル
カラムに通し精製し、n−ヘキサンを留去することによ
り収量8.4g、収率51%でp−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシメチル)ス
チレン(OHF7)を得た。
元素分析値(%): 実測値:C:39.5、H:2.2 計算値:C:39.6、H:2.2 IR(cm-1);2800〜3000、1610、1510(芳香環)、1630
(CH2=CH)、1210、1145(C−F)、1100〜1180(−
O−)。
NMR(ppm);3.8〜4.2(2H)、4.8(2H)、5.1〜5.8(2
H)、6.5〜6.8(1H)、7.1〜7.4(4H)。
融点;29℃ 実施例7 OHF7とEPとのモル比が50/50になるように参考例9で
得られたOHF72.581g及びEP95.2mgをガラス製重合アンプ
ルに仕込みこれに溶媒として1.4−ビス(トリフルオロ
メチル)ベンゼン(BTB)6.5ml、重合開始剤としてα,
α′−アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)8.22mgを加
え常法により脱気後、高真空下に封管した。これを60℃
にて23.5時間ふりまぜることにより共重合反応を行なっ
た。反応混合物を大量のメタノール中に注ぎ重合体を沈
澱させ収量1.185g、収率33.5%でOHF7−EP共重合体を得
た。元素分析の結果共重合体中のEPのモル組成は51%で
あり分子量は1.8×104であつた。
実施例8 実施例7においてOHF7の代りにFHF32.806gを用い、EP
1.427g、BTB10.7ml、AIBN12.33mgを各々用いて実施例7
と同様の操作を行なうことにより、収量2.94g、収率69.
5%でFHF3−EP共重合体を得た。元素分析の結果、共重
合体中のEPのモル組成は48.8%であり、重量平均分子量
は2.5×104であつた。
実施例9 実施例7においてOHF7の代りにFHF74.306gを用い、FP
1.427g、BTB9.4ml、AIBN12.33mgを各々用いて実施例7
と同様の操作を行なうことにより、収量4.15g、収率72.
4%でFHF7−EP共重合体を得た。元素分析の結果、共重
合体中のEPのモル組成は49.6%であり、重量平均分子量
は2.2×104であつた。
参考例10 参考例9において、含フツ素アルコールとして3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタノール
を用いた以外は同様の操作を行ない、収率68.2%でp−
(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオク
チルオキシメチル)スチレン(OH2F6)を得た。沸点104
〜106℃/0.12mmHg。
元素分析(%); 実測値:C,42.3;H,2.8 計算値:C,42.5;H,2.7 参考例11 実施例7においてOHF7の代りにOH2F64.322g、EPの代
りにアクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)0.116g、
溶媒としてBTBの代りにテトラヒドロフラン(THF)5.6m
lを用い、AIBN8.22mgを使用して実施例7と同様の操作
を行なうことにより、収量2.1g、収率47.3%でOH2F6−H
EA共重合体を得た。元素分析の結果、共重合体中のHEA
のモル組成は22%であり、重量平均分子量は1.2×104
あつた。
実施例10 OH2F6−HEA共重合体2.1gをTHF10mlとBTB10mlの混合溶
媒中に溶解し、トルエチルアミン253mg及びアクリル酸
クロリド203μを加えた。遮光しながら、アルゴン雰
囲気下、室温で65時間攪拌を続けた。そ後、反応液を大
量のメタノールにあけ、析出したポリマーを濾取した。
メタノールへの再沈を二回繰り返して精製し、0.35gの
アクリロイル化OH2F6−HEA−A共重合体を得た。元素分
析の結果、アクリロイル基を有する繰り返し単位のモル
%は17.7%であつた。また重量平均分子量は1.3×104
あつた。
IRスペクトルにおいて、3500cm-1の水酸基に由来する
吸収が消失し、新たに1730cm-1にカルボニル基に由来す
る強い吸収が観測された。
参考例12 実施例7においてOHF7の代りにFHF75.168g、EPの代り
にHEA0.116g、BTBの代りにTHF4.7mlを用い、AIBN8.22mg
を使用して実施例7と同様の操作を行なうことにより、
収量4.2g、収率79.5%でFHF7−HEA共重合体を得た。元
素分析の結果、共重合体中のHEAモル組成は5.3%であ
り、重量平均分子量は1.8×104であつた。
実施例11 FHF7−HEA共重合体4.2gをTHF5mlとBTB25mlの混合溶媒
中に溶解し、トリエチルアミン400mg及びアクリル酸ク
ロリド321μを加えた。遮光しながら、アルゴン雰囲
気下、室温で65時間攪拌を続けた。その後、反応液を大
量のメタノールにあけ、析出したポリマーを濾取した。
メタノールへの再沈を二回繰り返して精製し、2.0gのオ
クリロイル化THF7−HEA−A共重合体を得た。元素分析
の結果、アクリロイル基を有する繰り返し単位のモル%
は7.5%であつた。また重量平均分子量は2.0×104であ
つた。
IRスペクトルにおいて、3500cm-1の水酸基に由来する
吸収が消失し、新たに1730cm-1にカルボニル基に由来す
る強い吸収が観測された。
参考例13 参考例7において、クロロシラン化合物としてジメチ
ル(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8トリデカフルオロオク
チル)クロロシラン9.7gを用いた以外は同様の操作を行
ない、4−[ジメチル(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−
トリデカフルオロオクチル)シリル]スチレン(SiF
6S)を6.5g得た。収率63%。
元素分析値(%): 実測値:C,42.2%;H,3.4% 理論値:C,42.5%;H,3.4%1 H−NMRスペクトル(δ,ppm):0.53〜0.80(2H)、1.3
〜2.0(2H)、4.8〜5.1(1H)、5.2〜5.4(1H)、6.2〜
6.5(1H)、7.05(4H)。
参考例14 実施例7においてOHF7の代りにSiF6S2.448g、EPの代
りにアクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)0.062g、
溶媒としてBTBの代りにテトラヒドロフラン(THF)2.8m
lを用い、AIBN4.40mgを使用して実施例7と同様の操作
を行なうことにより、収量1.4g、収率55.8%でSiF6S−H
EA共重合体を得た。元素分析の結果、共重合体中のHEA
のモル組成は8.3%であり、重量平均分子量は1.5×104
であつた。
実施例12 SiF6S−HEA共重合体1.4gをTHF10mlとBTB10mlの混合溶
媒中に溶解し、トリエチルアミン151mg及びアクリル酸
クロリド121μを加えた。遮光しながら、アルゴン雰
囲気下、室温で65時間攪拌を続けた。その後、反応液を
大量のメタノールにあけ、析出したポリマーを濾取し
た。メタノールへの再沈を二回繰り返して精製し、1.12
gのアクリロイル化SiF6S−HEA−A共重合体を得た。元
素分析の結果、アクリロイル基を有する繰り返し単位の
モル%は8.1%であつた。また重量平均分子量は、1.6×
104であつた。
IRスペクトルにおいて、3500cm-1の水酸基に由来する
吸収が消失し、新たに1730cm-1にカルボニル基に由来す
る強い吸収が観測された。
試験例7 実施例7で得た光架橋性OHF7−EP共重合体50mgをBTB1
mlに溶解させ、その溶液の約0.35mlをとり、18×24mmの
清浄なガラス板上に流延し、室温で溶媒をゆつくりと蒸
発させ、さに減圧下で乾燥した。ガラス上には20mgの重
合体がコートされた。これに10cmの距離からキセノン水
銀灯を10分間照射し、ガラス板ごとBTB溶媒に30分間浸
漬し、不溶分をろ別し、乾燥後その重量を測定したとこ
ろ17mgであつた。ゲル化率は87%であつた。
試験例 実施例8、9、10、11及び12で得た光架橋性距離FHF3
−EP、FHF7−EP、OH2F6−HEA−A、FHF7−HEA−A及びS
iF6S−HEA−Aをそれぞれを用いて、試験例7と同様な
方法で光架橋反応を行なった。その結果を下記表2にま
とめて示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 一般式 式中、 R1は水素原子または低級アルキル基を表わし、 R2は水素原子または低級ポリフルオロアルキル基を表わ
    し、 R3はエーテル結合を含んでいてもよいポリフルオロアル
    キル基を表わし、 Xは−O−又は を表わし、ここで R4及びR5は各々低級アルキル基を表わし、Y1〜Y5は各々
    水素原子又はハロゲン原子を表わし、 n及びmは各々0又は1を表わす、 で示される繰返し単位 50〜99モル%と、 (b) 一般式 式中、 R6は水素原子又は低級アルキル基を表わし、 Aは −O−、−CH2−、 を表わし、 Bは−OCH2−、 OCH2CH2−、 −O−、 を表わし、 ここで、R7、R8は水素原子又は低級アルキル基を表わ
    し、 Zは光重合性官能基を表わし、 1は0、1、2又は3を表わし、 kは0又は1を表わす、 で示される繰返し単位 1〜30モル% とから成ることを特徴とする重量平均分子量が1,000以
    上の光架橋性含フッ素スチレン系重合体。
  2. 【請求項2】光重合性官能基がアクリロイル基、メタク
    リロイル基、シンナモイル基又はオキシラニル基である
    特許請求の範囲第1項に記載の重合体。
  3. 【請求項3】アクリル酸又はメタクリル酸のC1〜C10
    ルキルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC1〜C
    10ポリフルオロアルキルエステル、アクリル酸又はメタ
    クリル酸のC2〜C6ヒドロキシアルキルエステル、ビニル
    芳香族化合物、エチルビニルエーテル、塩化ビニル、オ
    クチルビニルエーテル、 ビニルトリメチルシラン、アクリロニトリル、N−ビニ
    ルピロリドン、無水マレイン酸及び酢酸ビニルよりなる
    群から選ばれる単量体から誘導される繰返し単位(a)
    及び(b)以外の繰返し単位 0〜20モル%をさらに含
    有する特許請求の範囲第1又は2項記載の重合体。
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