JP5216744B2 - 高耐熱性アクリル系共重合体およびその製造方法 - Google Patents

高耐熱性アクリル系共重合体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5216744B2
JP5216744B2 JP2009244746A JP2009244746A JP5216744B2 JP 5216744 B2 JP5216744 B2 JP 5216744B2 JP 2009244746 A JP2009244746 A JP 2009244746A JP 2009244746 A JP2009244746 A JP 2009244746A JP 5216744 B2 JP5216744 B2 JP 5216744B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylic copolymer
monomer derivative
resistant acrylic
high heat
methacrylic monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009244746A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010155971A (ja
Inventor
國誠 時
茂霖 薛
誼珍 陳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Industrial Technology Research Institute ITRI
Original Assignee
Industrial Technology Research Institute ITRI
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Industrial Technology Research Institute ITRI filed Critical Industrial Technology Research Institute ITRI
Publication of JP2010155971A publication Critical patent/JP2010155971A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5216744B2 publication Critical patent/JP5216744B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
    • C08F220/10Esters
    • C08F220/12Esters of monohydric alcohols or phenols
    • C08F220/14Methyl esters, e.g. methyl (meth)acrylate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
    • C08F220/10Esters
    • C08F220/20Esters of polyhydric alcohols or phenols, e.g. 2-hydroxyethyl (meth)acrylate or glycerol mono-(meth)acrylate

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、高耐熱性を有するアクリル系共重合体およびその製造方法に関する。
光学用アクリル系ポリマー材料は、透明性が高く、複屈折性が低く、耐候性が高く、しかも、他の材料より低コストであるので、例えば、導光板(LGP)、プラズマディスプレイ(PDP)フロントパネル、光学拡散板、光学ディスクなどの様々な用途に幅広く用いることができる。しかし、光学用アクリル系ポリマー材料は、例えば、耐熱性が低く、吸水性が高いなどのいくつかの欠点を有する。したがって、改良された光学用アクリル系ポリマー材料の開発が望ましい。
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の耐熱性を向上させるいくつかの方法が開発されている。例えば、メタクリル酸メチル(MMA)とα−メチルスチレンとを共重合させる方法(特許文献1を参照)、MMAと無水マレイン酸とを共重合させる方法(特許文献2を参照)、MMAとマレイミドとを共重合させる方法(特許文献3を参照)、MMAと多官能性モノマーとを架橋共重合させる方法(特許文献4を参照)、第1級アミンとメタクリル樹脂とを共重合させて、メタクリルイミド含有ポリマーを調製する方法(特許文献5を参照)などである。しかし、PMMAの耐熱性は向上しても、例えば、共重合速度が低下したり、着色ポリマーが形成したり、透明度が低下したりするなど、いくつかの欠点がまだ存在する。
また、PMMAの吸水性を低下させるいくつかの方法が開発されている。例えば、MMAとメタクリル酸シクロヘキシルとを共重合させる方法(特許文献6を参照)、MMAとメタクリル酸ベンジルとを共重合させる方法(特許文献7を参照)などである。しかし、PMMAの吸水性は低下しても、その耐熱性が低下する。したがって、高耐熱性と低吸水性とを有する光学用高分子樹脂材料の開発が望ましい。
米国特許第3,135,723号明細書 特公昭49−10156号公報 特開昭61−95011号公報 特開昭63−30510号公報 特開昭61−64703号公報 特開昭58−5318号公報 特開昭58−13652号公報
上述した状況の下、本発明が解決すべき課題は、高耐熱性を有するアクリル系共重合体およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、種々検討の結果、所定の構造を有するα−アクリル系モノマー誘導体とメタクリル系モノマー誘導体とを共重合すれば、α−アクリル系モノマー誘導体が、環化重合により、環化してテトラヒドロピラン構造を形成することから、テトラヒドロピラン構造を有するモノマーからなる繰り返し単位とメタクリル系モノマー誘導体からなる繰り返し単位とを有するアクリル系共重合体であって、高耐熱性を有するアクリル系共重合体が得られることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1):
[式中、xは1〜3であり、yは0〜3である]
で示されるモノマーからなる繰り返し単位とメタクリル系モノマー誘導体からなる繰り返し単位とを有することを特徴とする高耐熱性アクリル系共重合体を提供する。
本発明の高耐熱性アクリル系共重合体は、その数平均分子量(Mn)が好ましくは5,000〜1,000,000である。本発明の高耐熱性アクリル系共重合体において、前記メタクリル系モノマー誘導体は、好ましくは、下記式(3):
[式中、Rは水素またはメチル基であり、Rは炭素数1〜22のアルキル基または炭素数5〜22のシクロアルキル基である]
で示される。前記式(1)で示されるモノマーからなる繰り返し単位と前記メタクリル系モノマー誘導体からなる繰り返し単位とのモル比は、好ましくは5〜95:95〜5である。
また、本発明は、下記式(2):
[式中、xは1〜3であり、yは0〜3である]
で示されるα−アクリル系モノマー誘導体とメタクリル系モノマー誘導体とを、1個またはそれ以上のO−O結合を有する過酸化物である重合反応開始剤の存在下で、共重合する工程を包含することを特徴とする高耐熱性アクリル系共重合体の製造方法を提供する。高耐熱性アクリル系共重合体を製造する際に、上記式(2)で示されるα−アクリル系モノマー誘導体は、環化重合により、環化してテトラヒドロピラン構造を形成する。
本発明の高耐熱性アクリル系共重合体の製造方法において、前記重合反応開始剤は、好ましくは、過酸化ベンゾイル(BPO)、2−エチルペルオキシヘキサン酸tert−ブチル(PBO)、過酸化ジ−tert−ブチル(PBD)、過炭酸tert−ブチルイソプロピル(PBI)または4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)吉草酸n−ブチル(PHV)である。前記メタクリル系モノマー誘導体は、好ましくは、下記式(3):
[式中、Rは水素またはメチル基であり、Rは炭素数1〜22のアルキル基または炭素数5〜22のシクロアルキル基である]
で示される。前記α−アクリル系モノマー誘導体と前記メタクリル系モノマー誘導体とのモル比は、好ましくは5〜95:95〜5である。
本発明によれば、従来のPMMAやアクリル系共重合体に比べて、共重合速度を低下させることなく、また、着色したり、透明性を低下させたりすることなく、高い熱安定性を有する高耐熱性アクリル系共重合体が高収率で得られる。
本発明についての目的、特徴、長所が一層明確に理解されるように、以下に実施形態を例示し、詳細に説明する。
≪高耐熱性アクリル系共重合体≫
本発明の高耐熱性アクリル系共重合体は、下記式(1):
[式中、xは1〜3であり、yは0〜3である]
で示されるモノマーからなる繰り返し単位とメタクリル系モノマー誘導体からなる繰り返し単位とを有することを特徴とする。
本発明の高耐熱性アクリル系共重合体は、その数平均分子量(Mn)が、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは50,000〜1,000,000、さらに好ましくは50,000〜500,000の範囲内である。
メタクリル系モノマー誘導体は、好ましくは、下記式(3):
[式中、Rは水素またはメチル基であり、Rは炭素数1〜22のアルキル基または炭素数5〜22のシクロアルキル基である]
で示される。メタクリル系モノマー誘導体の具体例としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチルなどが挙げられる。
本発明の高耐熱性アクリル系共重合体において、上記式(1)で示されるモノマーからなる繰り返し単位とメタクリル系モノマー誘導体からなる繰り返し単位とのモル比は、好ましくは5〜95:95〜5、より好ましくは30〜85:70〜15、さらに好ましくは40〜85:60〜15である。
≪高耐熱性アクリル系共重合体の製造方法≫
本発明による高耐熱性アクリル系共重合体の製造方法は、下記の工程を包含することを特徴とする。すなわち、下記式(2):
[式中、xは1〜3であり、yは0〜3である]
で示されるα−アクリル系モノマー誘導体とメタクリル系モノマー誘導体とを、重合反応開始剤の存在下で、共重合する工程である。重合反応開始剤は、1個またはそれ以上のO−O結合を有する過酸化物である。
重合反応開始剤としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、過酸化ベンゾイル(BPO)、2−エチルペルオキシヘキサン酸tert−ブチル(PBO)、過酸化ジ−tert−ブチル(PBD)、過炭酸tert−ブチルイソプロピル(PBI)または4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)吉草酸n−ブチル(PHV)である。
メタクリル系モノマー誘導体は、好ましくは、下記式(3):
[式中、Rは水素またはメチル基であり、Rは炭素数1〜22のアルキル基または炭素数5〜22のシクロアルキル基である]
で示される。メタクリル系モノマー誘導体の具体例としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチルなどが挙げられる。
上記式(2)で示されるα−アクリル系モノマー誘導体とメタクリル系モノマー誘導体とのモル比は、好ましくは5〜95:95〜5、より好ましくは30〜85:70〜15、さらに好ましくは40〜85:60〜15である。
本発明の高耐熱性アクリル系共重合体は、従来の重合法(例えば、カチオン重合法、反応基転移重合(GTP;group transfer polymerization)法または遊離ラジカル重合法)により製造される。共重合における重合温度や重合時間などの重合条件は、適用する重合法などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
遊離ラジカル重合を行う際、1個またはそれ以上のO−O結合を有する重合反応開始剤を用いることが好ましい。収率が効果的に向上するからである。重合反応開始剤の使用量は、全モノマー100質量部に対して、好ましくは0.1〜1質量部の範囲内である。
上記の重合法において、溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘキサンなどの炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン;ジメチルスルホキシド(DMSO);ジエチルエーテル;などが挙げられる。
本発明の高耐熱性アクリル系共重合体は、上記式(1)で示されるモノマーからなる繰り返し単位とメタクリル系モノマー誘導体からなる繰り返し単位とを有する。この高耐熱性アクリル系共重合体は、上記式(2)で示されるα−アクリル系モノマー誘導体とメタクリル系モノマー誘導体とを、1個またはそれ以上のO−O結合を有する過酸化物である重合反応開始剤の存在下で、共重合することにより製造される。この高耐熱性アクリル系共重合体を製造する際に、上記式(2)で示されるα−アクリル系モノマー誘導体は、環化重合により、環化してテトラヒドロピラン構造を形成する。
なお、アクリル系共重合体およびアクリル系重合体の数平均分子量(Mn)および分子量分布は、ポリスチレン(PS)の較正曲線を用いたGPC法(溶媒:THF)により得られる。アクリル系共重合体およびアクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)は、DSC法により測定される。
≪製造例1≫
アクリル系モノマー(TCDHM)の製造
式中、Rのメチレン基は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの8位に結合しているが、この位置に限定されるものではない。
まず、11.02g(50ミリモル)の8−ヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルアクリレート(HMTCDA、Industrial Technology Research Institute(ITRI)Southより入手)、1.75×10−2g(1.59×10−4モル)のハイドロキノン、1.50g(50ミリモル)のパラホルムアルデヒド、0.75g(6.63×10−3モル)の1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO、アルドリッチより入手;白色固体)および3.83mL(40ミリモル)のtert−ブタノール(無色液体)を容量100mLの反応容器中で混合し、80℃で5日間反応させた。次いで、溶剤を除去した後、得られた溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/ジエチルエーテル=10:1)により精製した。かくして、トリシクロデカニル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート(TCDHM)を、無色液体として、収量6.52g、収率54%で得た。
なお、HMTCDAの合成方法は、下記の式に示されるとおりである。
式中、Rのメチレン基は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの8位に結合しているが、この位置に限定されるものではない。
≪実施例1≫
アクリル系共重合体(PMMA−co−PTCDHM;Mn=63,000)の製造
まず、0.48g(1ミリモル)のTCDHM(製造例1で製造した)、0.96mL(9ミリモル)のMMA、5.67mg(2.34×10−2ミリモル)のBPO、2mLのトルエンを容量50mLの反応容器中で混合した。窒素ガス下で、この溶液を80℃に加熱し、1.5時間反応させた。次いで、反応が完結した後、50mLのメタノールを添加したところ、大量の白色固体が沈殿した。濾過した後、沈殿物を10mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、メタノールにより再沈殿させた(テトラヒドロフラン/メタノール=1:6)。再沈殿の工程を3回繰り返した後、生成物を乾燥させた。かくして、アクリル系共重合体(PMMA−co−PTCDHM)を、白色固体として、収量1.19g、収率86%で得た。得られたアクリル系共重合体(PMMA−co−PTCDHM)の数平均分子量(Mn)は、63,000であった。また、アクリル系共重合体(PMMA−co−PTCDHM)の分子量分布(PDI)は、1.84であり、ガラス転移温度(Tg)は、114℃であった。これらの結果を表1に示す。
≪実施例2≫
アクリル系共重合体(PMMA−co−PTCDHM;Mn=80,400)の製造
まず、0.96g(2ミリモル)のTCDHM(製造例1で製造した)、0.85mL(8ミリモル)のMMA、5.67mg(2.34×10−2ミリモル)のBPO、2mLのトルエンを容量50mLの反応容器中で混合した。窒素ガス下で、この溶液を80℃に加熱し、1.5時間反応させた。次いで、反応が完結した後、50mLのメタノールを添加したところ、大量の白色固体が沈殿した。濾過した後、沈殿物を10mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、メタノールにより再沈殿させた(テトラヒドロフラン/メタノール=1:6)。再沈殿の工程を3回繰り返した後、生成物を乾燥させた。かくして、アクリル系共重合体(PMMA−co−PTCDHM)を、白色固体として、収量1.58g、収率90%で得た。得られたアクリル系共重合体(PMMA−co−PTCDHM)の数平均分子量(Mn)は、80,400であった。また、アクリル系共重合体(PMMA−co−PTCDHM)の分子量分布(PDI)は、1.73であり、ガラス転移温度(Tg)は、125℃であった。これらの結果を表1に示す。
≪比較例1≫
アクリル系重合体(PMMA;Mn=106,300)の製造
まず、1g(10ミリモル)のMMA、5.67mg(2.34×10−2ミリモル)のBPO、2mLのトルエンを容量50mLの反応容器中で混合した。窒素ガス下で、この溶液を80℃に加熱し、1.5時間反応させた。次いで、反応完結後、50mLのメタノールを添加したところ、大量の白色固体が沈殿した。濾過した後、沈殿物を10mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、メタノールにより再沈殿させた(テトラヒドロフラン:メタノール=1:6)。再沈殿の工程を3回繰り返した後、生成物を乾燥させた。かくして、アクリル系重合体(PMMA)を、白色固体として、収量0.85g、収率85%で得た。得られたアクリル系重合体(PMMA)の数平均分子量(Mn)は、106,300であった。また、アクリル系重合体(PMMA)の分子量分布(PDI)は、1.14であり、ガラス転移温度(Tg)は、105℃であった。これらの結果を表1に示す。
≪比較例2≫
アクリル系共重合体(PMMA−co−PTCDMA;Mn=113,400)の製造
まず、0.3g(1.28ミリモル)のTCDMA、0.5mL(5.12ミリモル)のMMA、0.21g(8.5×10−2ミリモル)のBPO、2mLのトルエンを容量50mLの反応容器中で混合した。窒素ガス下で、この溶液を80℃に加熱し、1.5時間反応させた。次いで、反応完結後、50mLのメタノールを添加したところ、大量の白色固体が沈殿した。濾過した後、沈殿物を10mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、メタノールにより再沈殿させた(テトラヒドロフラン:メタノール=1:6)。再沈殿の工程を3回繰り返した後、生成物を乾燥させた。かくして、アクリル系共重合体を、白色固体として、収量1.11g、収率91%で得た。得られたアクリル系共重合体(PMMA−co−PTCDMA)の数平均分子量(Mn)は、113,400であった。また、アクリル系共重合体(PMMA−co−PTCDMA)の分子量分布(PDI)は、1.10であり、ガラス転移温度(Tg)は、108℃であった。これらの結果を表1に示す。
なお、TCDMAの合成方法は、下記の式に示されるとおりである。
式中、Rのメチレン基は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの8位に結合しているが、この位置に限定されるものではない。
表1から明らかなように、実施例1および2で製造したアクリル系共重合体は、比較例1で製造した従来のPMMAおよび比較例2で製造した従来のアクリル系共重合体(Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.42,5617-5626(2004)を参照)に比べて高いガラス転移温度(Tg)を有する。すなわち、実施例1および2で製造したアクリル系共重合体は、従来のPMMAおよび従来のアクリル系共重合体に比べて高い熱安定性を有する。
また、実施例1および2で製造したアクリル系共重合体は、比較例1で製造した従来のPMMAおよび比較例2で製造した従来のアクリル系共重合体に比べて同程度の高収率で得られる。さらに、実施例1および2における共重合速度は、比較例1および2における重合速度と同程度であり、しかも、実施例1および2で製造したアクリル系共重合体は、比較例1で製造した従来のPMMAおよび比較例2で製造した従来のアクリル系共重合体と同様に白色固体であり、フィルムやシート状に成形すれば、高い透明性を有する。
かくして、従来のPMMAおよび従来のアクリル系共重合体に比べて、共重合速度を低下させることなく、また、着色したり、透明性を低下させたりすることなく、高い熱安定性を有する高耐熱性アクリル系共重合体が高収率で得られることがわかる。
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、これらの実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明の精神および範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る少々の変更や修飾を付加することが可能である。したがって、本発明が請求する保護範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
本発明の高耐熱性アクリル系共重合体は、従来のPMMAおよび従来のアクリル系共重合体に比べて、共重合速度を低下させることなく、また、着色したり、透明性を低下させたりすることなく、高い熱安定性を有するので、改良された光学用アクリル系ポリマー材料として、幅広い分野で利用可能である。

Claims (8)

  1. 下記式(1):
    [式中、xは1〜3であり、yは0〜3である]
    で示される繰り返し単位とメタクリル系モノマー誘導体からなる繰り返し単位とを有することを特徴とする高耐熱性アクリル系共重合体。
  2. 数平均分子量(Mn)が5,000〜1,000,000である請求項1に記載の高耐熱性アクリル系共重合体。
  3. 前記メタクリル系モノマー誘導体が下記式(3):
    [式中、R3は水素またはメチル基であり、R4は炭素数1〜22のアルキル基または炭素数5〜22のシクロアルキル基である]
    で示される請求項1または2に記載の高耐熱性アクリル系共重合体。
  4. 前記式(1)で示される繰り返し単位とメタクリル系モノマー誘導体からなる繰り返し単位とのモル比が5〜95:95〜5である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高耐熱性アクリル系共重合体。
  5. 下記式(2):
    [式中、xは1〜3であり、yは0〜3である]
    で示されるα−アクリル系モノマー誘導体とメタクリル系モノマー誘導体とを、1個またはそれ以上のO−O結合を有する過酸化物である重合反応開始剤の存在下で、共重合する工程を包含することを特徴とする高耐熱性アクリル系共重合体の製造方法。
  6. 前記重合反応開始剤が、過酸化ベンゾイル(BPO)、2−エチルペルオキシヘキサン酸tert−ブチル(PBO)、過酸化ジ−tert−ブチル(PBD)、過炭酸tert−ブチルイソプロピル(PBI)または4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)吉草酸n−ブチル(PHV)である請求項5に記載の高耐熱性アクリル系共重合体の製造方法。
  7. 前記メタクリル系モノマー誘導体が下記式(3):
    [式中、R3は水素またはメチル基であり、R4は炭素数1〜22のアルキル基または炭素数5〜22のシクロアルキル基である]
    で示される請求項5または6に記載の高耐熱性アクリル系共重合体の製造方法。
  8. 前記α−アクリル系モノマー誘導体と前記メタクリル系モノマー誘導体とのモル比が5〜95:95〜5である請求項5〜7のいずれか1項に記載の高耐熱性アクリル系共重合体の製造方法。
JP2009244746A 2008-12-31 2009-10-23 高耐熱性アクリル系共重合体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP5216744B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW097151748 2008-12-31
TW97151748 2008-12-31
TW098111347A TWI397538B (zh) 2008-12-31 2009-04-06 高耐熱性壓克力共聚合物及其製備方法
TW098111347 2009-04-06

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010155971A JP2010155971A (ja) 2010-07-15
JP5216744B2 true JP5216744B2 (ja) 2013-06-19

Family

ID=42285734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009244746A Expired - Fee Related JP5216744B2 (ja) 2008-12-31 2009-10-23 高耐熱性アクリル系共重合体およびその製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8076435B2 (ja)
JP (1) JP5216744B2 (ja)
TW (1) TWI397538B (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101519184B1 (ko) * 2010-10-14 2015-05-12 주식회사 엘지화학 용융 가공용 수지 혼합물
EP2628774B1 (en) 2010-10-14 2016-03-23 LG Chem, Ltd. Resin blend for melting process
KR20160032107A (ko) * 2013-07-22 2016-03-23 가부시키가이샤 구라레 공중합체의 제조 방법
CN109071910B (zh) 2016-03-21 2021-08-17 Sabic环球技术有限责任公司 具有良好光学性质和耐热性的包含(甲基)丙烯酸类聚合物的聚合物组合物
US20190169339A1 (en) 2016-08-10 2019-06-06 Sabic Global Technologies B.V. Polymer composition comprising a (meth)acrylic polymer

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL266881A (ja) * 1960-08-19
JPS4910156A (ja) 1972-04-21 1974-01-29
JPS585318A (ja) 1981-07-02 1983-01-12 Mitsubishi Rayon Co Ltd 低吸湿性メタクリル系樹脂
JPS5813652A (ja) 1981-07-17 1983-01-26 Mitsubishi Rayon Co Ltd 情報記録体用メタクリル系樹脂
JPS6164703A (ja) 1984-09-05 1986-04-03 Mitsubishi Rayon Co Ltd 透明性および耐熱性に優れたメタクリルイミド含有重合体の製造方法
JPS6195011A (ja) 1984-10-17 1986-05-13 Toray Ind Inc 光デイスク基板
JPS6330510A (ja) 1986-07-24 1988-02-09 Kyowa Gas Chem Ind Co Ltd 架橋メタクリル系樹脂用シラツプ組成物
EP0936227B1 (en) * 1996-10-29 2002-07-31 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Lowly birefringent polymer, process for the production thereof, and optical pickup lens
JPH10298239A (ja) * 1997-04-30 1998-11-10 Mitsubishi Rayon Co Ltd 光拡散性面状成形体
JPH10298237A (ja) 1997-04-30 1998-11-10 Mitsubishi Rayon Co Ltd ランプレンズ
JP3559423B2 (ja) * 1997-04-30 2004-09-02 三菱レイヨン株式会社 プラスチック光ファイバ
JPH10300901A (ja) * 1997-05-01 1998-11-13 Mitsubishi Rayon Co Ltd レーザービームプリンター用レンズ
JP3657113B2 (ja) * 1998-04-23 2005-06-08 三菱レイヨン株式会社 低複屈折共重合体、その製法およびピックアップレンズ
JP4381166B2 (ja) * 2004-02-25 2009-12-09 株式会社日本触媒 α位置換アクリレート類の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW201024327A (en) 2010-07-01
US8076435B2 (en) 2011-12-13
TWI397538B (zh) 2013-06-01
US20100168355A1 (en) 2010-07-01
JP2010155971A (ja) 2010-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mosnácek et al. Atom transfer radical polymerization of tulipalin A: A naturally renewable monomer
JP4529696B2 (ja) フマル酸ジエステル共重合体
JP5216744B2 (ja) 高耐熱性アクリル系共重合体およびその製造方法
JP4781083B2 (ja) 3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環を有する構造単位を含む共重合体とその製造法
JP5021282B2 (ja) 3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環を有する構造単位を含む共重合体とその製造法
JPH0463810A (ja) アクリル―ノルボルネン系共重合体およびその製造法
Li et al. Synthesis of poly (tert‐butyl methacrylate)‐graft‐poly (dimethylsiloxane) graft copolymers via reversible addition‐fragmentation chain transfer polymerization
CN101691417A (zh) 一种星型聚(甲基)丙烯酸长链酯聚合物及其制备方法
WO1998004601A1 (fr) Procede pour la preparation d'une resine optique non birefringente et d'elements optiques obtenus au moyen de cette resine
JP5638209B2 (ja) N−ビニルカルバゾール重合体およびn−ビニルカルバゾール重合体の製造方法
JP5457160B2 (ja) 脂環式構造を有する可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びその製造方法
JP4520377B2 (ja) 含フッ素共重合体およびその製造方法
JP2509274B2 (ja) 光架橋性含フツ素スチレン系重合体
JP5596390B2 (ja) アルコール性水酸基を有する可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びその製造方法
CN101824120B (zh) 高耐热性丙烯酸酯类共聚物及其制备方法
JP2008291198A (ja) アクリル樹脂組成物およびその成形体
JP2005281363A (ja) メタクリル樹脂組成物および透明部材
JP2006124569A (ja) マレイミド系共重合体およびその製造方法、並びにそれから得られる光学フィルム
JPH02193958A (ja) メタルクリル酸エステル及びその製造法
JPH0524926B2 (ja)
JP2000198810A (ja) スチレン系重合体の製造方法
JP5951286B2 (ja) フルオレン骨格を有する熱可塑性(メタ)アクリル樹脂
JPH09263616A (ja) 耐熱性樹脂の製造方法
JPH0339304A (ja) アダマンチルモノクロトネート系重合体
Cao et al. Synthesis and Properties of Polyol Copolymer with Alternating Methacrylate–Vinyl Ether Backbone

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120710

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130304

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5216744

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160308

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees