JP2509622B2 - アダマンチルジアクリレ―トもしくはジメタクリレ―ト誘導体 - Google Patents

アダマンチルジアクリレ―トもしくはジメタクリレ―ト誘導体

Info

Publication number
JP2509622B2
JP2509622B2 JP14171187A JP14171187A JP2509622B2 JP 2509622 B2 JP2509622 B2 JP 2509622B2 JP 14171187 A JP14171187 A JP 14171187A JP 14171187 A JP14171187 A JP 14171187A JP 2509622 B2 JP2509622 B2 JP 2509622B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adamantyl
polymer
derivative
meth
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14171187A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63307844A (ja
Inventor
康浩 的場
卓治 岡林
守正 荒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HAKUSUI KAGAKU KOGYO KK
NAADO KENKYUSHO KK
Original Assignee
HAKUSUI KAGAKU KOGYO KK
NAADO KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HAKUSUI KAGAKU KOGYO KK, NAADO KENKYUSHO KK filed Critical HAKUSUI KAGAKU KOGYO KK
Priority to JP14171187A priority Critical patent/JP2509622B2/ja
Publication of JPS63307844A publication Critical patent/JPS63307844A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2509622B2 publication Critical patent/JP2509622B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規なアダマンチルジアクリレートもしくは
ジメタクリレート誘導体に関するものである。
[従来の技術] ある種のアダマンタン不飽和エステル誘導体はすでに
公知であり、たとえば特公昭57-500785号公報には下記
の一般式で示されるアダマンチルジ(メタ)アクリレー
トが開示されている。
[式中、Rは水素またはメチルからなる群から選ばれ
る基であり;R′は水素又はメチルからなる群から選ばれ
る基であり;そしてAはシグマ結合;又は式(CH2
n(式中、nは1ないし4の整数である)を満足する基
であるか;又はフェニレンであるか;又はフェニレンの
アルキル誘導体のいずれかである] このアダマンチルジ(メタ)アクリレートを主要モノ
マー成分とする重合体は優れた耐熱性を有しているばか
りでなく、硬度が高く且つ耐衝撃性や耐塩素系溶剤性に
も優れており、更には有機ガラス(例えば、ポリメタク
リレートやポリカーボネートなど)に対する接着性も良
好であるところから、有機ガラス保護用被膜形成材とし
ての有効利用が期待されている。
他方、特開昭60-100537号公報には、アダマンタンジ
カルボン酸ジアリルが開示されており、このアダマンタ
ンジカルボン酸ジアリルを主要モノマー成分とする重合
体は、アダマンチルジ(メタ)アクリレート重合体と同
程度の物理的強度を有し、更に光屈折率が大きいといっ
た特徴を有しているところから、耐熱性プラスチック材
料やめがね用レンズをはじめとする色々の光学材料とし
ての有効利用が期待されている。
即ち、例えばプラスックレンズ用としての用途に注目
した場合、従来から汎用されているアクリル系樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、アリルジグリコールカーボネート
樹脂、ポリスチレン樹脂等からなるプラスチックレンズ
は、ガラスレンズに比べて耐熱性が悪く且つ光屈折率が
小さいという欠点を有しているが、上記アダマンタンジ
カルボン酸ジアリルを主要モノマー成分とするプラスチ
ックレンズは、従来のプラスチックレンズに比べて非常
に優れた耐熱性を有しているばかりでなく、高レベルの
光透過性と大きな光屈曲率を有しているので、プラスチ
ックレンズの性能向上を図るうえで大きな期待が寄せら
れている。
[発明の目的] ところがアダマンタン不飽和エステル誘導体は比較的
新しい重合性単量体であって、その製造方法も確立して
いる訳ではなく、重合性モノマーとしての反応性改善あ
るいは重合体としての物性改善等を含めて今後の研究に
負うところが大きい。
本発明者らはかねてより各種プラスチック材料の性能
改善及び新用途開発に主眼を置いて研究を行なっている
が、本発明の目的は特にアダマンタン系重合体の前述の
様な特徴に着目し、前述のアダマンチルジ(メタ)アク
リレート誘導体と同程度の物理的特性を有し、光学的特
性、特に屈折率においては前述のアダマンタンジカルボ
ン酸ジアリル重合体を陵駕する特性を発揮し得る様な重
合体を与える新規なアダマンタン系モノマーを提供しよ
うとするものである。
[発明の開示] 本発明に係るアダマンチルジ(メタ)アクリレート誘
導体は、下記一般式[I]で示される反応性二重結合2
個を有するアダマンタン誘導体からなるところに特徴を
有するものである。
[式中R1は水素または低級アルキル基、X1〜X2は同一
もしくは異なってハロゲンまたは水酸基である。] そして、上記[1]式のアダマンタン誘導体を重合成
分あるいは共重合成分として重合すると、分子中に下記
[II]式で示される重合単位を有し、耐熱性、光透過
性、光屈折率、耐衝撃性、低収縮性等に優れたアダマン
タン系重合体を得ることができる。
[式中R1は水素または低級アルキル基、X1〜X2は同一
もしくは異なってハロゲンまたは水酸基である。] 上記式[I],[II]において低級アルキルとして
は、メチル,エチル,プロピル,ブチル等が挙げられる
が、最も一般的なのはメチルである。またハロゲンとし
てはBr,Cl,I,Fが挙げられるが最も好ましいのはBr,Clで
ある。
上記一般式[I]で示されるアダマンチルジ(メタ)
アクリレート誘導体のうち代表的なものを例示すると下
記の通りである。但し本発明の目的物質はこの例示によ
って限定解釈されるものではない。
上記(A)〜(D)に例示した様なアダマンチルジ
(メタ)アクリレート誘導体は、例えば下記(1)〜
(6)に示す様な反応を経て製造することができる。
(1) アダマンタンのテトラハロゲン化 アダマンタンをハロゲン化アルミニウムの存在下でハ
ロゲンと反応させると、テトラハロゲン化物が得られ
る。
(2) テトラハロゲン化物のテトラヒドロキシル化 テトラハロゲン化アダマンタンをたとえば硫酸銀の存
在下で濃硫酸と反応させると、テトラヒドロキシアダマ
ンタンが得られる。テトラヒドロキシマダマンタンは水
相に溶解しているので、反応液を蒸発乾固させた後エタ
ノール等で抽出すると目的物を得ることができる。
(3) テトラヒドロキシル化物のテトラアセトキシル
化 テトラヒドロキシアダマンタンを硫酸あるいはアミ
ンの存在下で無水酢酸と加熱反応させると、容易にテト
ラアセトキシアダマンタンが得られる。
(4) テトラアセトキシル化物の部分加水分解 テト
ラアセトキシアダマンタンは、通常の加水分解剤(たと
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメ
トキシド等)によって容易に部分加水分解し、ジヒドロ
キシジアセトキシアダマンタンが得られる。
(5) ジヒドロキシジアセトキシアダマンタンのハロ
ゲン化 ジヒドロキシジアセトキシアダマンタンは、ハロゲン
化剤(たとえば臭化チオニル、塩化チオニル、三臭化リ
ン等)によって容易にハロゲン化され、ジハロゲノジア
セトキシアダマンタンが得られる。
(6) ジハロゲノジアセトキシル化物のエステル交換 ジハロゲノジアセトキシアダマンタンを、酸触媒の存
在下でアクリル酸またはメタクリル酸と加熱反応せし
め、脱酢酸理論量に達した時点で反応を終了すると、ジ
ハロゲノアダマンチルジ(メタ)アクリレートを得るこ
とができる。反応終了後はアルカリで中和した後不溶物
及び溶媒を除去し、シリカゲル(クロロホルムで展開)
を通すことにより高純度のジハロゲノアダマンチルジ
(メタ)アクリレート(目的物)が得られる。
本発明のアダマンチルジ(メタ)アクリレート誘導体
はたとえば上記の様な方法によって製造することができ
るが、本発明では製造方法そのものは一切限定されない
ので、上記の方法の他、公知の様々の方法を適宜応用し
て製造することも勿論可能であり、それらは前記一般式
[I]の構成要件を満たすものである限りすべて本発明
の技術的範囲に含まれる。
この様にして得られるアダマンチルジ(メタ)アクリ
レート誘導体中のアクリル基またはメタクリル基はラジ
カル重合活性を有しており、またアダマンタン核に導入
された−OH及びハロゲンは通常の水酸基及びハロゲン基
としての反応活性を有しているので、様々の有機合成の
原料として有効に活用することができるが、最も実用性
の高いのはアクリル基またはメタクリル基の重合活性を
利用した重合性モノマーとしての用途である。即ちこの
アダマンチルジ(メタ)アクリレート誘導体は、たとえ
ば2,2−ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン
類、ベンジルパーオキサイド等の過酸化物類、アゾビス
イソブチロニトリル等のアゾ系化合物の如きラジカル重
合開始剤の存在下で容易に重合し、耐熱性、耐衝撃性に
すぐれ、高光透過性、高屈折率を示すほか、硬質で重合
収縮率が小さいといった特異な物性を示す重合体を与え
る。尚、重合反応を熱や光により促進させることも勿論
可能であり、また該重合体をプラスチックレンズその他
の光学材料として利用する場合は、光重合法を採用する
ことにより無色で高透過性のものが得られ易い。
またこのアダマンチルジ(メタ)アクリレート誘導体
は単独重合せしめ得るほか、該誘導体の中の2種以上を
共重合させることにより、あるいは該誘導体以外の共重
合性モノマーと共重合させることにより、用途・目的に
応じて物性の更に改善された共重合体を得ることができ
る。この様な共重合性モノマーの種類は特に制限されな
いが、得られる共重合体を光学材料として利用しようと
する場合の好ましい共重合性モノマーとしては、アクリ
ル酸、メタクリル酸およびそれらの重合性誘導体、スチ
レン、酢酸ビニル、アリールアルコール、塩化ビニル、
ビニルシクロヘキセン、ビニルナフタレン等の芳香族も
しくは脂肪族のビニル化合物、アルキルアリルエーテ
ル、更には本発明者らが先に開発したアダマンチルモノ
(メタ)アクリレート誘導体等の単官能性または多官能
性モノマーが非限定的に例示される。
重合または共重合の方法も特に制限されず、たとえば
バルク重合、乳化重合、溶液重合、紫外線重合、放射線
重合等を適宜選択して採用することができる。
前記一般式[I]で示されるアダマンチルジ(メタ)
アクリレート誘導体の単独もしくは共重合体は、従来の
光学用プラスチック材料に比べて非常に高い融点を有し
ており、且つ無色透明で表面硬度が高く、更には光屈折
率が大きいといった数々の特性を有しているので、特に
めがね用、コンタクトレンズ用、カメラレンズ用等の各
種レンズ類、プリズム類、記録用感光材料、光ファイバ
ー等の光学繊維、ビデオディスク、コンパクトディスク
等の光の透過・反射を利用する光学部材の素材として極
めて有用である。特にアダマンタン核にハロゲンの導入
された誘導体を主原料として得られる重合体の光学特性
(特に光透過性及び光屈折率)はとりわけ優れたもので
あり、光学材料用としての適性は非常に高いものと言え
る。またこの重合体の耐熱性は勿論重合度等によって変
わるが、一般のビニル重合体はアクリル系重合体に比べ
て融点および表面硬度が高く、且つモノマーが二官能性
であるので強度も大きい。従って耐熱性のプラスチック
材料あるいは耐熱被膜形成材料としての用途開発も期待
される。
[実施例] 実施例1(5,7−ジブロムアダマンチル−1,3−ジメタク
リレートの製造) (1−1) マダマンタンのテトラクロル化 2lのガラス製コルベンに四塩化炭素1.0l、無水塩化ア
ルミニウム34.5g(0.26モル)及びアダマンタン68.0g
(0.5モル)を入れ、撹拌しつつ四塩化炭素の還流温度
(73〜75℃)で7時間反応させた。反応終了後吸引濾過
し、濾液を20%水酸化ナトリウムで中和した。有機相を
除去して粗生成物を得た後n−ヘキサンで再結晶させる
と、白色粉末状のテトラクロルアダマンタン78.4g(収
率57%、融点190.0℃)が得られた。
(1−2) テトラクロルアダマンタンのヒドロキシル
500mlのガラス製コルベンに、硫酸銀200.0g(0.64モ
ル)、濃硫酸300ml及びテトラクロルアダマンタン50.0g
(0.18モル)を入れ、攪拌しつつ80℃で4時間反応させ
た。反応終了後、反応液を氷水に注ぎ、生成する沈殿
(塩化銀)を吸引濾過した後濾液を20%水酸化ナトリウ
ムで中和し、減圧下で蒸発乾固した後、更に120℃で5
時間乾燥を行なった。その後熱エタノール500mlで3回
抽出し、抽出液を合して減圧下にエタノールを除去する
と、白色粉末状のテトラヒドロキシアダマンタン33.0g
(収率90%、融点260.0℃)が得られた。
(1−3) テトラヒドロキシアダマンタンのアセトキ
シル化 500mlのガラス製コルベンに、テトラヒドロキシアダ
マンタン30.0g(0.15モル)、無水酢酸300ml(3.2モ
ル)及び濃硫酸2mlを入れ、攪拌しつつ100℃で5時間反
応させた。反応終了後氷水に注ぎ、20%水酸化ナトリウ
ムで中和した後クロロホルムで抽出した。有機層から溶
剤を減圧除去すると、テトラアセトキシアダマンタン4
9.5g(収率89.7%、融点164.5℃)が得られた。
(1−4) テトラアセトキシアダマンタンの部分加水
分解 500mlのガラス製コルベンに、テトラヒドロキシアダ
マンタン20.0g(54.3ミリモル)、テロラヒドロフラン4
00ml及びナトリウムメトキシド30.0g(500ミリモル)を
入れ、攪拌しながらテトラヒドロフランの還流下で30分
反応させた。反応終了後吸引濾過し、溶剤を減圧除去す
ると、5,7−ジヒドロキシアダマンチル−1,3−ジアセテ
ート9.2g(収率59.7%)が得られた。
(1−5) 5,7−ジヒドロキシアダマンチル−1,3−ジ
アセテートの臭素化 100mlのガラス製コルベンに、5,7−ジヒドロキシアダ
マンチル−1,3−ジアセテテート8.0g(28.2ミリモル)
及び臭化チオニル50.0g(240.6ミリモル)を入れ、攪拌
しながら90℃で30分間反応させた。反応終了後、臭化チ
オニルを減圧下に除去し、残留物にクロロホルム80mlを
加えた。更に残存する臭化チオニルを亜硫酸ナトリウム
(氷水中)で分解した後、有機相を除去して粗組成物を
得た。この粗組成物を、クロロホルムを展開剤としてシ
リカゲルの充填されたカラムに通すと、淡黄色透明の粘
稠液11.0g(収率95.1%)が得られた。
この粘稠液は、ゲルバーミエーシヨンクロマトグラフ
分析、1H−NMR及び13C−NMRスペクトル分析、IRスペ
クトル分析の結果、5,7−ジブロムアダマンチル−1,3−
ジアセテートであることが確認された。1H−NMR及び13
C−NMRスペクトルを第1,2図に示す。1 H−NMR(CDCl3,TMS基準):δ1.98(6H,CH3),2.5〜
2.56(12H,CH213 C−NMR(CDCl3,TMS基準):δ21.9(CH3,q),41.9
(t),48.9(t),53.9(C−Br,s),55.9(t),78.2
(C−O,s),168.9(C=0,s) またIRスペクトルは第3図に示す通りであり、1740cm
-1にエステル基のC=0に由来するピークが確認され
る。
(1−6) 5,7−ジブロムアダマンチル−1,3−ジアセ
テートのメタクリル酸エステルへの変換 水分離器を備えた100mlのガラス製コルベンに、5,7−
ジブロムアダマンチル−1,3−ジアセテート2.1g(5.1ミ
リモル)、メタクリル酸12.0g(139.5ミルモル)、硫酸
1.2g、トルエン60ml、ハイドロキノン20mgを入れ、攪拌
しながらトルエンの還流温度(105〜110℃)に加熱し、
生成する酢酸を除去しながら約4〜5時間エステル交換
させた。反応生成物を10%水酸化ナトリウム水溶液で中
和した後、トルエンを減圧除去した。得られた粗生成物
を、クロロホルムを展開剤としてシリカゲルの充填され
たカラムに通すと、無色透明の粘稠液1.8g(収率76%)
が得られた。
この粘稠液は、ゲルバーミエーションクロマトグラフ
分析、1H−NMR及び13C−NMRスペクトル分析、IRスペ
クトル分析の結果、5,7−ジブロムアダマンチル−1,3−
ジメタクリレートであることが確認された。
1H−NMR及び13C−NMRスペクトルを第4、5図に示
す。1 H−NMR(CDCl3,TMS基準):δ1.87(6H,CH3),2.63
(12H),5.5(1H),6.0(1H)13 C−NMR(CDCl3,TMS基準):δ18.0(CH3,q),41.8
(t),48.9(t),53.7(C−Br,s),56.0(t),78.4
(C−O,s),125.6(−C=CH2,t),136.2(−C=CH2,
s),165.3(C=0,s) またIRスペクトルは第6図に示す通りであり、1720cm
-1にエステル基のC=0に由来するピークが、また1640
cm-1にはC=0に由来するピークが夫々確認される。
実施例2(5,7−ジクロルアダマンチル−1,3−ジメタク
リレート) 5,7−ジヒドロキシアダマンチル−1,3−ジアセテート
2.0g(7.1ミリモル)を原料とし、上記実施例1の(1
−5)と同様にして塩化チオニル7.0g(58.8ミリモル)
を加えて反応させ、5,7−ジクロルアダマンチル−1,3−
ジアセテート2.1g(収率92.1%)を得た。次いで水分離
器付きガラス製コルベンに、5,7−ジクロルアダマンチ
ル−1,3−ジアセテート2.0g(6.2ミリモル)、メタクリ
ル酸12.0g(139.5ミルモル)、硫酸1.2g、トルエン60m
l、ハイドロキノン20mgを入れ、実施例1の(1−6)
と同様にして攪拌しながら還流温度で約4〜5時間反応
させると5,7−ジクロルアダマンチル−1,3−ジメタクリ
レートが1.8g(収率77.8%)得られた。
実施例3(5,7−ジブロムアダマンチル−1,3−ジアクリ
レート) 5,7−ジブロムアダマンチル−1,3−ジアセテート2.0g
(4.9ミリモル)とアクリル酸13.0g(180.6ミリモル)
を用いた以外は実施例1の(1−6)と同様にして反応
を行なうと、5,7−ジブロムアダマンチル−1,3−アクリ
レート1.39g(収率65%)が得られた。
応用例1 実施例1で得た5,7−ジブロムアダマンチル−1,3−ジ
メタクリレートに、光重合開始剤として0.1重量%の2,2
−ジエトキシアセトフェノンを溶解したモノマーを、2
枚のガラス板とガスケットを組付けてなるモールド中に
注入し、高圧水銀灯を用いて5〜10分間の紫外線照射を
行なって光硬化させると、無色透明の重合体(A)が得
られた。
この重合体の物性及び光学特性は、後記第1表に示す
通りであった。
応用例2 実施例2で得た5,7−ジブロルアダマンチル−1,3−ジ
メタクリレートに、光重合開始剤として0.1重量%の2,2
−ジエトキシアセトフェノンを溶解したモノマーを、応
用例1と同様にして紫外線により光硬化させ、重合体
(B)を得た。
この重合体の物性及び光学特性は後記第1表に示す通
りであった。
応用例3 実施例1で得た5,7−ジブロムアダマンチル−1,3−ジ
メタクリレート70重量部と、共重合成分として3,5,7−
トリブロムアダマンチルメタクリレート30重量部の混合
モノマーに、0.1重量%の2,2−ジエトキシアセトフェノ
ンを溶解し、以下応用例1と同様にして光重合を行なっ
て無色透明の共重合体(C)を得た。
この重合体の物性及び光学特性は後記第1表に示す通
りであった。
対照例1 アダマンチルメタアクリレートに光重合開始剤とし
て、0.1重量%の2,2−ジエトキシアセトフェノンを溶解
したモノマーを用い、応用例1と同様にして紫外線によ
る光硬化を行なって重合体(D)を得た。
この重合体の物性及び光学特性は後記第1表に示す通
りであった。
尚第1表に示した評価項目の各試験法は下記の通りと
した。
屈曲率 :アッベの屈折計において、ヨウ化メチレンを
接触液に用いて測定 分散率 :アッベの屈折計において、ヨウ化メチレンを
接触液に用いて測定 光透過率:ASTM−D−1003−61 表面硬度:JIS−K−5400鉛筆硬度 軟化点 :熱分析装置を用い、示差熱を測定。
吸水率 :ASTM-D570(100℃−2hr) また参考のため現在めがねレンズ用として最も汎用さ
れているジエチレングリコールビスアリルカーボネート
(米国PPG社製、商品名:CR-39)の物性及び光学特性を
第1表に併記した。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、その効果を要約
すると下記の通りである。
(1) 本発明のアダマンチルジ(メタ)アクリレート
誘導体は優れた反応活性(特に重合活性)を有してお
り、重合性モノマーとして広汎に利用い得るばかりでな
く、他の有用化合物を製造する為の中間物質としても利
用できる。
(2) 本発明のアダマンチルジ(メタ)アクリレート
誘導体をモノマー成分とする重合体および共重合体は、
従来の汎用プラスチック材に比べて耐熱性や表面硬度に
優れており、また耐衝撃性も良好であるので、耐熱、硬
質のプラスチック材料として各種の成形体、注型体、表
面保護材(コーティング材)等に幅広く利用することが
できる。また本発明の重合体は組合せる共重合性モノマ
ーの種類や共重合組成を変えることによって任意の物性
を与えることができるので、その適用範囲は更に拡大さ
れる。更に本発明のアダマンチル(メタ)アクリレート
誘導体をモノマー成分として使用することによって得ら
れる重合体または共重合体は、カーボンファイバー,ガ
ラスファイバー等の繊維状充填材、またはシリカ,アル
ミナ,炭酸カルシウム等の無機質充填材と併用すること
により、強度,耐熱性,寸法安定性の一段と優れた複合
材料として活用することもできる。
(3) 本発明のアダマンチル(メタ)アクリレート誘
導体をモノマー単位として含む重合体および共重合体
は、光透過性、屈折率等において非常に優れた光学特性
を有しているので、めがね用、コンタクトレンズ用、カ
メラレンズ用等のレンズ類、プリズム類、記録用感光材
料、光ファイバー等の光学繊維材料、ビデオディスクや
コンパクトディスク等のディスク類等の光学用材料とし
て実用価値はすこぶる大きい。
【図面の簡単な説明】
第1、2、4、5図は実施例で得たアダマンチルジ(メ
タ)アクリレート誘導体のNMRスペクトル、第3、6図
は同誘導体のIRスペクトルである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式で示されることを特徴とするア
    ダマンチルジアクリレートもしくはジメタクリレート誘
    導体。 [式中、R1は水素または低級アルキル基、X1〜X2は同一
    もしくは異なってハロゲンまたは水酸基を意味する。]
JP14171187A 1987-06-06 1987-06-06 アダマンチルジアクリレ―トもしくはジメタクリレ―ト誘導体 Expired - Fee Related JP2509622B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14171187A JP2509622B2 (ja) 1987-06-06 1987-06-06 アダマンチルジアクリレ―トもしくはジメタクリレ―ト誘導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14171187A JP2509622B2 (ja) 1987-06-06 1987-06-06 アダマンチルジアクリレ―トもしくはジメタクリレ―ト誘導体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63307844A JPS63307844A (ja) 1988-12-15
JP2509622B2 true JP2509622B2 (ja) 1996-06-26

Family

ID=15298423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14171187A Expired - Fee Related JP2509622B2 (ja) 1987-06-06 1987-06-06 アダマンチルジアクリレ―トもしくはジメタクリレ―ト誘導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2509622B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0927711A4 (en) 1997-03-11 2004-12-08 Daicel Chem ADAMANT DERIVATIVES AND METHOD FOR THEIR PRODUCTION
US6391520B1 (en) 1998-05-25 2002-05-21 Daicel Chemical Industries, Ltd. Compounds for photoresist and resin composition for photoresist
JP4173352B2 (ja) 2001-12-25 2008-10-29 出光興産株式会社 パーフルオロアダマンチルアクリル酸エステル類及びその中間体
EP1637526B1 (en) 2003-06-20 2011-11-09 Tokuyama Corporation Curable polycyclic compounds and process for the production thereof
JP2006089412A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Idemitsu Kosan Co Ltd アダマンタン誘導体、その製造方法及びフォトレジスト用感光材料
JPWO2009122935A1 (ja) * 2008-03-31 2011-07-28 コニカミノルタオプト株式会社 光学素子の製造方法
JP5502799B2 (ja) * 2011-05-02 2014-05-28 出光興産株式会社 耐熱光学部品用材料
JP5889655B2 (ja) * 2012-01-31 2016-03-22 大阪有機化学工業株式会社 ハードコートフィルム及びその製造に用いる樹脂組成物
JP6048029B2 (ja) * 2012-09-21 2016-12-21 三菱瓦斯化学株式会社 高硬度樹脂組成物
JP5561381B2 (ja) * 2013-01-07 2014-07-30 三菱瓦斯化学株式会社 アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法
JP7192796B2 (ja) * 2017-12-19 2022-12-20 Jsr株式会社 硬化性樹脂組成物、積層体、光学フィルターおよび化合物

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63307844A (ja) 1988-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2509622B2 (ja) アダマンチルジアクリレ―トもしくはジメタクリレ―ト誘導体
JPH0761980B2 (ja) アダマンチルモノ(メタ)アクリレート誘導体
JPS598709A (ja) 高屈折率レンズ用樹脂
JPS61127712A (ja) 高屈折率レンズ用樹脂
US4742136A (en) Optical plastic material
JP2570776B2 (ja) イオウ含有脂肪族系アクリル化合物
AU757140B2 (en) Brominated materials
JP2005008527A (ja) 重合性アダマンタン化合物
JPS6322205B2 (ja)
US6528601B1 (en) Polymerizable sulfur-containing (meth) acrylate, polymerizable composition and optical lens
JP2923316B2 (ja) アダマンチルジクロトネート誘導体
JP2656109B2 (ja) トリアジン化合物及びその製造方法
JPH0359062B2 (ja)
JP2505574B2 (ja) ノルボルナン化合物及びその製造方法
JP2563267B2 (ja) 多環式アルキル(メタ)アクリレ−トとその製造方法
JP2893933B2 (ja) イオウ含有アクリルオリゴマー組成物
JPH0684333B2 (ja) ビフェニル化合物及びその製造方法
JP3541420B2 (ja) イオウ含有スチレン系化合物
JPH06279543A (ja) 新規イタコン酸ジエステル誘導体及び該誘導体を重合成分として含む重合体
JPH0415204A (ja) マレイン酸ジエステルもしくはフマル酸ジエステル誘導体および該誘導体をモノマー単位として含む重合体
JP3595615B2 (ja) 含硫黄(メタ)アクリル酸エステル
JPS63173001A (ja) 光学用低分散樹脂組成物
JP3981602B2 (ja) ラジカル重合性含硫黄アダマンタン化合物および硬化体
JPH04187668A (ja) イオウ含有アクリルオリゴマー組成物
JPS6322204B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees