JP2506618Y2 - ミラ― - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は金属棒材を切削や研削（切削と研削を総称し
て研削とい）加工してミラー面を形成した非球面ミラー
に関するものである。

このようなミラーは、分光光度計などの光学的測定装
置で用いられるが、特にフーリエ変換型赤外分光光度計
などの赤外分光光度計において用いられる。

（従来の技術） 赤外分光光度計で用いられる非球面ミラーを製作する
方法として、円柱状や角柱状の金属棒材を加工治具に固
定し、刃物などを用いて切削加工してミラー面を形成し
ている。金属棒材を治具に固定するには、ミラー面の中
心を基準にして固定している。

（考案が解決しようとする課題） 切削加工してミラー面を形成した非球面ミラーを赤外
分光光度系などの機器に装着する際、ミラー面の中心は
定まっているので、機器のミラーホルダーに装着すると
光軸を含む平面内での位置決めを行なうことができる。
しかしミラー面の回転方向については定まっていないた
め、機器に装着する際に回転方向を調整しなければなら
ず、装着が容易でない問題がある。

本考案は金属棒材を切削加工して得る非球面ミラーを
機器に装着する際の回転方向を含む位置決めを容易にす
ることのできるミラーを提供することを目的とするもの
である。

（課題を解決するための手段） 本考案のミラーでは、切削加工時の加工治具に対する
ミラー面の位置及び回転方向の位置決めと、機器への装
着時のミラーホルダに対するミラー面の位置及び回転方
向の位置決めとを共通に行なう位置決め機構を備えた。

（作用） 切削加工する棒材の状態で、位置決め機構により加工
治具に対するミラー面の位置と回転方向を固定し、切削
加工後、機器に装着する際にもその位置決め機構により
ミラーホルダに地位決めすれば、ミラー面の位置と回転
方向が固定され、別途調整する必要がなくなり、機器へ
の装着が容易になる。

（実施例） 第１図は一実施例の非球面ミラーを加工工程で示す上
面図、第２図は同実施例のミラーの背面図、第３図
（Ａ）は機器に装着された同実施例のミラーを示す上面
図、（Ｂ）はその正面図である。

２はアルミニウムなどの金属丸棒が切削加工されて得
られた非球面ミラーである。加工に際して金属丸棒が治
具10に取りつけられる。ミラーに加工された状態でミラ
ー裏面６となる金属棒材の端面には、ミラー面の中心
と、その中心に対する回転方向θの位置決めを行なうた
めに、２個所のピン穴８−1,8−２があけられている。
加工治具10にはピン穴８−1,8−２に対応して２個の位
置決めピン12−1,12−２が設けられている。加工時には
ピン穴８−1,8−２に加工治具のピン12−1,12−２がそ
れぞれ差し込まれて位置決めされた後、刃物14で切削加
工され、ミラー面４が形成される。

このように切削加工されて得られるミラー２では、加
工時の性格上、ミラー面４とミラー裏面６との位置関係
が一義的に定まる。

加工後、ミラー２が加工治具10から取り外され、フー
リエ変換赤外分光光度計などの機器のミラーホルダ16に
取りつけられる。ミラーホルダ16は光学ベース21に対し
て垂直な面をもつものであり、例えばＬアングル引抜き
材である。光学ベース21に対してミラーホルダ16の垂直
な面には位置決め用のピン18−1,18−２が設けられてい
る。ミラー２の位置決め穴８−1,8−２にミラーホルダ1
6のピン18−1,18−２が差し込まれてミラー２が位置決
めされ、ねじ20−1,20−２によってミラー２がミラーホ
ルダ16に固定される。22−１〜22−３はミラーホルダ16
を光学ベース21に対して位置決めするためのピンであ
る。

ミラー２の位置決め穴８−1,8−２にミラーホルダ16
のピン18−1,18−２を差し込んでミラー２を位置決めす
れば、ミラー面４と光学ベース21との位置関係は一義的
に決定される。23は光軸である。位置決め誤差は各要素
の機械加工誤差のみで支配される。

第４図は他の実施例の非球面ミラーを表わす。

この非球面ミラー24では角柱状の金属棒材が切削加工
されてミラー面26が形成されている。ミラー面26の中心
位置とその中心の回りの回転方向の位置決め機構とし
て、互いに直交する一対の側面28−１と28−２が面出し
加工されており、それらの側面28−１と28−２が加工治
具への取付けの際の基準面となるとともに、赤外分光光
度計などの機器のミラーホルダへの取付けの際の基準面
ともなる。

（考案の効果） 本考案ではミラー面の位置と回転方向を決める位置決
め機構を備え、その位置決め機構を共通に用いて加工時
の加工治具に対する位置決めと、赤外分光光度計などの
機器への装置時のミラーホルダに対する位置決めを行な
うようにしたので、機器への装着時にはその位置決め機
構に従ってミラーホルダに取りつけるだけでミラー面の
位置と回転方向がともに固定され、調整が不要になっ
て、機器への装着が容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の非球面ミラーを加工工程で示す上面
図、第２図は同実施例のミラーの背面図、第３図（Ａ）
は機器に装着された同実施例のミラーを示す上面図、同
図（Ｂ）はその正面図、第４図（Ａ）は他の実施例を示
す上面図、同図（Ｂ）は同図（Ａ）の右側面図である。 2,24……非球面ミラー、4,26……ミラー面、８−1,8−
２……位置決め用ピン穴、10……加工治具、12−1,12−
2,18−1,18−２……位置決めピン、16……ミラーホル
ダ、21……光学ベース、28−1,28−２……位置決め用基
準面。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】金属棒材が切削加工されてミラー面が形成
   されたミラーにおいて、切削加工時の加工治具に対する
   ミラー面の位置及び回転方向の位置決めと、機器への装
   着時のミラーホルダに対するミラー面の位置及び回転方
   向の位置決めとを共通に行なう位置決め機構を備えたこ
   とを特徴とするミラー。