JP3668734B2 - クランプ用金具の支持部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランプ用金具の支持部材に関するものであり、特に、機械加工、プレス加工及び検査等の各分野で利用でき、センサ等のワークを締付固定可能なクランプ用金具の支持部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、主に金属製の板材を変形させて加工するための機械として、プレス加工機がある。このプレス加工機は、所定の大きさに切断された金属製の板材を作業台上に載置し、所定の形状の凸型のパンチと凹型のダイとにより上下から板材を押圧し変形させて加工するもので、最近では、多くのプレス加工機の作業が自動化されている。そして、このようなプレス加工機においては、板材及び製品の位置を検出するセンサの取付及びその位置決めには、クランプ用金具が使用されている。
【0003】
図9及び図10は共にクランプ用金具を説明する図であり、図9はクランプ用金具を示す分解斜視図、図10はクランプ用金具の使用状態を示す斜視図である。
【0004】
図9に示すように、クランプ用金具21は、正面左側に正面から背面に貫通する孔22bが中心に穿設されたすり鉢状の凹部22aを有し、右側に上面から底面に貫通する支柱取付孔22cを有するとともに、上面から底面及び支柱取付孔22cに貫通する切込部22dを有する支持部材22と、外枠部材24及び中子部材25からなるワーク固定部材と、中子部材25のネジ棒25bが、外枠部材24、支持部材22、バネ部材23及びワッシャ26を挿通して締付固定される締付ツマミ27とで構成されている。また、外枠部材24及び中子部材25には貫通状態でワーク取付孔24a,25aが穿設されている。更に、中子部材25の後部にはネジ棒25bが垂設されており、外枠部材24の背面にはネジ棒25bが挿通可能な孔(図示せず)が穿設されている。なお、支持部材22、外枠部材24及び中子部材25は、全て金属塊の切削加工によって成形されている。
【0005】
このクランプ用金具21は、図10に示すように、支持部材22の支柱取付孔22cにプレス加工機の作業台近傍の支柱28を挿通させるとともに、外枠部材24内に中子部材25を挿入し、外枠部材24及び中子部材25のワーク取付孔24a,25aにセンサ9及びケーブル9aを挿通させ、センサ9の位置及び向きを調節し、中子部材25のネジ棒25bを締付ツマミ27の雌ネジ部27aに螺着して締付ツマミ27を締付けることによって固定するものである。このため、センサ9及びケーブル9aを支柱8に対して上下移動及び左右回転させることにより、センサ9及びケーブル9aの傾斜角度を無段階に調節して所望の位置及び状態に固定できる。また、センサ9及びケーブル9aに限らず様々なワーク類を極めて手軽に位置決め及び固定することができる。なお、上記外枠部材24は、支持部材22によって支柱28に支持される部材である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようなクランプ用金具は、締付ツマミ27を締付けていくと支持部材22の切込部22dの隙間が次第に狭まっていき、図11に示すように、特に支柱取付孔22cから遠い方の端部において切込部22dの隙間が狭まり、切込部22dの各部における隙間に不均衡が生じていた。このため、締付ツマミ27と支持部材22との当接する面が傾斜し、ここに隙間22eが発生し、締付ツマミ27と支持部材22との接触面積が小さくなっていた。また、支持部材22の凹部22aと外枠部材24との当接面にも隙間22f,22gが発生し、支持部材22と外枠部材24との接触面積が小さくなっていた。
【0007】
その結果、締付ツマミ27の締付力に対して、締付ツマミ27と支持部材22との間に生じる静止摩擦力が小さくなるとともに、支持部材22と外枠部材24との静止摩擦力が小さくなり、センサ9及びケーブル9aを支持するのに充分な静止摩擦力が得られず、センサ9及びケーブル9aがネジ棒25bを軸に回転してしまう等の不具合が生じていた。また、センサ9及びケーブル9aを極力強固に固定するためには、締付ツマミ27を何回転もさせて締付ける必要があり、その作業が極めて面倒であった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のように支柱にセンサ及びケーブル等を支持させたときに、締付ツマミと支持部材との当接面が略密着状態で当接し、支持部材と部材との当接面が略密着状態で当接し、センサ及びケーブル等がネジ棒を軸に回転しないような静止摩擦力が得られるクランプ用金具の支持部材の提供を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にかかるクランプ用金具の支持部材は、締付部材によって締着されることで支柱等に部材を支持するクランプ用金具の支持部材であって、前記部材に当接する第一外側面と、該第一外側面に対向して配置される第二外側面と、前記第一外側面と前記第二外側面との間に形成され、前記支柱等に締着可能な支柱取付孔と、前記第一外側面の端部から折り曲げられ、内側へ所定幅で突出する一対の第一フランジと、前記第二外側面の端部から折り曲げられ、内側へ所定幅で突出する一対の第二フランジと、前記第一フランジまたは前記第二フランジのうちいずれか一方から突出して、先端が他方のフランジへと向かう突起部を含み、前記締付部材により前記部材を前記支柱等に締着するときに、前記突起部の先端が前記他方のフランジに当接し、前記第一外側面及び前記第二外側面を略平行状態に保持することにより、前記部材と前記第一外側面とを、略平行に略密着状態で当接させる密着手段とを備え、前記第一外側面及び前記第二外側面と前記支柱取付孔とは、プレス加工によって一体成形され、全体としてU字形の形状を呈していることを特徴とするものである。
【0010】
したがって、請求項1の発明のクランプ用金具の支持部材によれば、締付部材によりワークを支柱等に締着するときに、部材及び支持部材の互いに当接する面が略均一な密着状態で当接するので、部材と第一外側面との間には、部材が回転したり落下したりしないような充分な大きさの静止摩擦力が生まれる。
【0011】
請求項2の発明にかかるクランプ用金具の支持部材は、請求項1のクランプ用金具の支持部材において、前記支柱取付孔の周囲には、プレス加工によって成形されたフランジが形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
したがって、請求項2の発明のクランプ用金具の支持部材によれば、請求項1のクランプ用金具の支持部材の作用に加えて、支柱取付孔の周囲にフランジが形成されていることにより、支柱にかかる剪断力を分散させることができるとともに、摩擦力が増加し、曲りにくい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態について説明をする。図1は本発明の第一実施形態であるクランプ用金具の支持部材の使用状態を示す斜視図、図2の(a)は図1のクランプ用金具のC方向矢視による平面図、(b)は図1のクランプ用金具のD−D断面を示す断面図である。
【0019】
図1及び図2に示すように、クランプ用金具1は、図9乃至図11に示したクランプ用金具21において、支持部材22の形状を変えたものである。
【0020】
つまり、図1及び図2に示すように、クランプ用金具1は、正面左側に正面から背面に貫通する孔2bが中心に穿設されたすり鉢状の凹部2aを有し、右側に上面から底面に貫通する支柱取付孔2cを有するとともに、上面から底面及び支柱取付孔2cに貫通する切込部2dを有する支持部材2と、外枠部材4及び中子部材5からなるワーク固定部材と、中子部材5のネジ棒5bが、外枠部材4、支持部材2、バネ部材3及びワッシャ6を挿通して締付固定される締付ツマミ7とで構成されている。また、外枠部材4及び中子部材5には貫通状態でワーク取付孔4a,5aが穿設されている。更に、中子部材5の後部にはネジ棒5bが垂設されており、外枠部材4の背面にはネジ棒5bが挿通される孔4bが穿設されている。なお、支持部材2、外枠部材4及び中子部材5は、全て金属塊の切削加工によって成形されている。そして、支持部材2の切込部2dが形成されている部分の向い合う面の一方には、支柱取付孔2cから遠い方の端部近傍に突起部2eが形成されている。
【0021】
この突起部2eは、切込部2dを構成する向い合う面間の距離が何処も略等しくなるときに先端が対向する面に当接し、それ以上の幅方向からの締付けに対して切込部2dを構成する向い合う面間の距離が何処も略等しい状態を保持する作用効果を奏する。しかも、このとき、支柱取付孔2cの内径は、支柱8にセンサ9及びケーブル9aを支持するのに最適な締まり具合になるような大きさとなる。
【0022】
このクランプ用金具1は、図1に示すように、支持部材2の支柱取付孔2cにプレス加工機の作業台近傍の支柱8を挿通させるとともに、外枠部材4内に中子部材5を挿入し、外枠部材4及び中子部材5のワーク取付孔4a,5aにセンサ9及びケーブル9aを挿通させ、センサ9の位置及び向きを調節し、中子部材5のネジ棒5bを締付ツマミ7の雌ネジ部7aに螺着して締付ツマミ7を締付けることによって固定するものである。このため、センサ9及びケーブル9aを支柱8に対して上下移動及び左右回転させることにより、センサ9及びケーブル9aの傾斜角度を無段階に調節して所望の位置及び状態に固定できる。また、センサ9及びケーブル9aに限らず様々なワーク類を極めて手軽に位置決め及び固定することができる。しかも、締付ツマミ7を締付け過ぎても、切込部2dの隙間は何処も略一定となるため、支持部材2の向い合う外側面は互いに略平行となる。そのため、支持部材2と締付ツマミ7とは互いに当接する面が略平行となり密接し、外枠部材4及び中子部材5からなるワーク固定部材は支持部材2の外側面に略垂直な状態で凹部2aに嵌合し、当接する面どうしが密着する。
【0023】
このように、クランプ用金具1は、支持部材2に形成された切込部2dにおいて、分割されて向い合う面に一方の面より突出して延設された突起部2eを備えたものであり、この突起部2eの先端が他方の面へ当接するようになっている。
【0024】
したがって、クランプ用金具1は、締付ツマミ7を締付けたときに、支持部材2の切込部2dの隙間がどの部分でも略一定となる位置で、切込部2dを挟んで向い合う面の一方より突出する突起部2eの先端が、他方の面に当接し、支持部材2の向い合う外側面を互いに平行に保つので、締付ツマミ7の締付け具合に関係なく、締付ツマミ7と支持部材2の各々が当接する面は略密着するとともに、外枠部材4及び中子部材5からなるワーク固定部材は支持部材2の外側面に略垂直な状態で凹部2aに嵌合し、当接する面どうしが密着する。この結果、センサ9及びケーブル9aが回転しないように支持するのに必要な大きさの摩擦力を得られる。
【0025】
続いて、本発明の第二実施形態について説明をする。図3は本発明の第二実施形態であるクランプ用金具の支持部材を示す分解斜視図、図4はクランプ用金具の支持部材を示す三面図、図5は外枠部材を示す三面図、図6は中子部材を示す断面図、正面図及び側面図である。図中、上記例と同一符号及び記号は上記例と同一または相当部分である。
【0026】
図3に示すように、クランプ用金具10は、支柱等に締着可能な支持部材11と、この支持部材11の側面に当接する外枠部材13と、外枠部材13の内部に挿入される中子部材14とを有し、支持部材11と外枠部材13と中子部材14とをボルト15及び締付ツマミ17によって締付固定するようになっている。
【0027】
支持部材11は、予め両端に孔11a,11bが穿設された長さ約6cm乃至8cm程度,幅約2cm乃至4cm程度の金属製の板材を、プレス加工によって略U字型に曲げまたはシボリ成形されたものであり、外観が略箱状の形状を呈している。上面及び底面の右側、即ちU字型に加工された支持部材11の曲加工された側の上面及び底面には、直径約12mm程度の支柱取付孔11cが形成されており、その支柱取付孔11cから左側には切込部11dが開口状態に形成されている。つまり、支持部材11の向い合う2つの外側面11hには各々に内側へ所定幅で突出するフランジ11gが形成され、これらフランジ11gのうち向い合うものどうしの間に切込部11dが構成されている。そして、これら向い合うフランジ11gには、支柱取付孔11cより遠い端部近傍において一方のフランジ11gに突出して先端が他方のフランジ11gへと向かう突起部11fが形成されている。なお、このような突起部11fは、支持部材11の上方における切込部11dだけでなく、支持部材11の下方における切込部11dにも同様に備えられている。また、上下の支柱取付孔11cには部材の内側に向けて、幅約2mm程度のフランジ11eが形成されている。
【0028】
この支持部材11の孔11aの周囲には、外枠部材13及び中子部材14で構成されるワーク固定部材が圧接状態で当接する。
【0029】
外枠部材13は、プレス加工によって略コの字型に曲げまたはシボリ成形されたものであり、全体として正面が開口した箱状の形状を呈している。この外枠部材13の左右の両側面には、直径約12mm程度のワーク取付孔13aが穿設され、背面中心には孔13bが穿設されている。また、外枠部材13の部材の外側に向けて、幅約2mm程度のフランジ13cが形成されている。この外枠部材13は、略コの字型に曲加工された背面が支持部材11に当接するようになっている。
【0030】
中子部材14は、プレス加工によって略コの字型に曲げまたはシボリ成形されたものであり、左右両側面には直径約8mm乃至12mm程度のワーク取付孔14aが穿設され、背面中心には孔14bが穿設されている。また、ワーク取付孔14aには部材の内側に向けて、高さ約2mm程度のフランジ14cが形成されている。この中子部材14は、外枠部材13の内側に挿入されて使用される。
【0031】
支持部材11及びワーク固定部材は、各々の孔11a,11b,13b,14bに長さ約25mm乃至30mm程度のボルト15が挿通される。挿通されたボルト15は、支持部材11の背面に突出し、突出部分にはバネ部材12及びワッシャ16が通され、先端に締付ツマミ17が締付けられて、支持部材11及びワーク固定部材が固定される。
【0032】
外枠部材13と中子部材14は組合わせてワーク固定部材として機能する。つまり、外枠部材13のワーク取付孔13aと中子部材14のワーク取付孔14aが同位置に合わさるように、中子部材14を外枠部材13の内側に嵌込み、双方のワーク取付孔13a,14aにワークが挿通されて固定される。つまり、双方のワーク取付孔13a,14aが同位置に合わさった状態では、外枠部材13のU字型の背面内側と中子部材14のU字型の背面との間に、約2mm乃至5mm程度の隙間が空いた状態になり、ネジ部材15によって締付けることによって、ワーク取付孔13a,14aに位置のズレを生じさせ、そのズレによってワークはワーク取付孔13a,14aの端部によって締付固定される。
【0033】
次に、クランプ用金具10の各部材の詳細について説明する。まず、支持部材11の構造は、図4の(a)に示すように、上面から見た場合、切込部11dが形成され、その反対側には、支柱取付孔11cが形成されている。また、図4の(b),(d)に示すように、支持部材11の向い合う2つの外側面11hには、径の相違する孔11a,11bが穿設されている。さらに、これらの外側面11hには各々に内側へ所定幅で突出するフランジ11gが形成され、これらフランジ11gのうち向い合うものどうしの間に切込部11dが形成されている。そして、これら向い合うフランジ11gには、支柱取付孔11cより遠い端部近傍において一方のフランジ11gより突出して先端が他方のフランジ11gへと向かう突起部11fが形成されている。この突起部11fの突出距離は、切込部11dの隙間が何処も略一定になるときの切込部11dの隙間に略等しく、突起部11fの先端が他方のフランジ11gに当接するとき、向い合う2つの外側面11hは略平行状態になる。なお、このような突起部11fは、支持部材11の上方における切込部11dだけでなく、支持部材11の下方における切込部11dにおいても同様に備えられている。また、上下の支柱取付孔11cには部材の内側に向けて、幅約2mm程度のフランジ11eが形成されている。
【0034】
外枠部材13は、図5の(a),(c)に示すように、上面から見た場合、ワーク取付孔13aの周囲には外側に向けてフランジ13cが突出して設けられており、上面及び下面の左右辺には強度を増すためと、中子部材14を保持するためのフランジ13dが形成されている。また、図5の(c)に示すように、背面には孔13bが穿設されている。
【0035】
中子部材14は、図6の(a)に示すように、左右側面のワーク取付孔14aの周囲には内側に向けてフランジ14cが突出して設けられている。また、図6の(b)に示すように、背面には孔14bが穿設されている。
【0036】
次に、クランプ用金具10を使用して実際にセンサ及びケーブルをプレス加工機の作業台近傍の支柱に固定する場合の使用状態について説明する。図7はクランプ用金具の使用状態を示す斜視図である。
【0037】
図7に示すように、まず、支持部材11の支柱取付孔11cに、プレス加工機の作業台近傍の支柱8を切込部11dを開いて嵌込む、または、支柱8が取外し可能であれば支柱8を取外して挿通させる。
【0038】
外枠部材13と中子部材14が組合わさったワーク固定部材には、外枠部材13と中子部材14双方の孔13b,14bにボルト15を挿通させた後、外枠部材13のワーク取付孔13aと中子部材14のワーク取付孔14aが同位置に合わさった状態にして、このワーク取付孔13a,14aにケーブル9aを挿通させる。
【0039】
そして、ケーブル9aが挿通された状態でワーク固定部材の略U字型に加工された底面を、支持部材11の正面に当接させて、ボルト15を支持部材11の孔11bに挿通させるとともに、支持部材11の背面からボルト15を突出させ、突出した部分にバネ部材12及びワッシャ16を挿通させ、締付ツマミ17を螺着する。
【0040】
締付ツマミ17を強固に締付ける前の状態においては、支柱8に取付られた支持部材11は支柱8上を上下に自由に移動ができるとともに、支柱8を中心とした回転動作ができ、ワーク固定部材は、挿通されたボルト15を中心に回転動作ができる。また、ワーク固定部材も支持部材11を介して支柱8を中心に回動させることができる。したがって、センサ9を所望の位置に調節することができる。そして、センサ9の位置が決定したならば、締付ツマミ17を強固に締付けて固定する。
【0041】
このとき、向い合うフランジ11gの一方から突出する突起部11fの先端が他方のフランジ11gに当接し、向い合う2つの外側面11hは互いに平行な状態に保たれるので、外枠部材13は支持部材11との当接面において密着する。また、締付ツマミ17と支持部材11とも密着状態で当接する。つまり、突起部11fが密着手段として機能する。そのため、支持部材11と外枠部材13の間には大きな静止摩擦力が発生し、センサ9及びケーブル9aがあらゆる角度において、容易に回転しないで支持されるのに充分な強度が確保される。
【0042】
このように、クランプ用金具10は、支柱8等に締着可能な支柱取付孔11cを有するプレス加工による支持部材11と、前記支持部材11の側面に当接し、センサ9及びケーブル9a等のワークが挿通可能なワーク取付孔である支柱取付孔11cを有するプレス加工による外枠部材13と、前記外枠部材13の内部に挿入され、前記ワークが挿通可能なワーク取付孔を有するプレス加工による中子部材14と、前記外枠部材13のワーク取付孔及び中子部材14のワーク取付孔に前記ワークを挿通した状態で、前記支持部材11に外枠部材13及び中子部材14を圧接し、前記外枠部材13のワーク取付孔の端部と中子部材14のワーク取付孔の端部とにより前記ワークを挟込んで締付固定するとともに、前記支持部材11を支柱等に締着する締付部材である締付ツマミ17と、前記締付部材により前記ワークを支柱等に締着するときに前記外枠部材13及び前記支持部材11の互いに当接する面が互いに略平行に略密着状態で当接するための密着手段とを備えている。
【0043】
また、上記密着手段は、前記支持部材11が長手方向で前記支柱取付孔11cから遠い方の端部より支柱取付孔11cを挟む幅方向の略中央を所定幅で切込まれ支柱取付孔11cへと達する切込部11dを有するとともに、前記端部近傍において切込部11dを構成する2つの面の一方より突出し、切込部11dの隙間が何処も略一定な条件のもとで先端が他方の面に当接する長さの突起部11fを有する構成となっている。
【0044】
したがって、クランプ用金具10は、簡易な構成の密着手段により、切込部11dの隙間がどこも略一定な所定幅よりも更に切込部11dの隙間が狭まろうとする方向に外力が加わるときに、そのままの隙間を保とうとするので、締付ツマミ17によりワークを支柱8等に締着するときに、外枠部材13と支持部材11との互いに当接する面が互いに略平行に略密着状態で当接し、外枠部材13と支持部材11との間には、ワークが回転したり落下したりしないような充分な大きさの静止摩擦力が生まれる。そのため、振動に対しても強く、重い物も保持でき、ワークの設置位置を長期にわたって安定して保持でき、信頼性が増す。しかも、締付ツマミ17による締付作業が、従来に比べて極めて容易にできる。
【0045】
また、簡単な取付操作でセンサ9及びケーブル9a等のワークを所望の位置に正確かつ強固に固定できるだけでなく、支持部材11及びワーク固定部材が金属製の板材をプレス加工したものであるため、従来の金属塊が切削加工されたものに比べ、加工が極めて容易かつ短時間ででき、材料も比較的少なく済み、軽量で、切削時に削取られて廃棄される余分な材料も発生しないため、極めて効率よく、安価で大量生産に向く。
【0046】
この他、支持部材11の支柱取付孔11cは、プレス加工によるフランジ11eを有するので、支柱8にかかる剪断力を分散させることができるとともに、摩擦力が増加し、曲りにくいために、支柱8の保護ができ、より強固に確実且つ正確に固定することができる。
【0047】
また、外枠部材13のワーク取付孔13aは、プレス加工によるフランジ13cを有するとともに、中子部材14のワーク取付孔14aも、プレス加工によるフランジ14cを有するので、ケーブル9aにかかる剪断力を分散させることができるとともに、摩擦力も増加させることができるため、ケーブル9aの表面を保護することができ、ケーブル9aをより強固に確実に固定することができる。しかも、フランジ13c,14cが合わさった状態でケーブル9aを挟むために、ケーブル9aをしっかり固定するために締付ツマミ17を締付けても、従来のようにケーブル9aが曲げ応力で変形しないので、ケーブル9a先端のセンサ9の位置が移動せず、正確に固定できる。
【0048】
なお、各部材の外寸及び各部材に穿設された孔の大きさ、形状及び位置は、クランプ用金具10を取付ける場所及び取付けられるワーク類に応じて適宜変化させてもよく、各部材の素材も金属製の板材に限らず、プラスチックを素材として成形されたものでも同様の作用効果を奏する。プラスチック素材を使用すれば、より大量生産に向き、安価に提供できるうえ、軽量化も促進できる。
【0049】
また、各部材に設けたフランジの形成方法は、プレス加工による成形や溶接による接着が挙げられるが、フランジを設けることができればどのような方法でも構わない。
【0050】
バネ部材12及びワッシャ16は必ずしも必要なものではなく、省略した構成としても十分な効果はあるが、バネ部材12及びワッシャ16を設けた方が、実際の取付及び位置決めをする場合の調節がし易く、振動等に対しても強い。
【0051】
さらに、支持部材11の孔11a周辺に、孔11aを中心とした円錐状の凹部を設け、この円錐状の凹部に略合致可能な円錐状の凸部を外枠部材13の孔13b周辺に孔13bを中心として設けてもよい。この場合には、支持部材11に対する外枠部材13の位置決めがより確実になる。
【0052】
ところで、上記説明では、ボルト15は中子部材14に固着してなかったが、中子部材14にボルト15を固着させた構造としてもよい。そうすれば、締付ツマミ17を締付けるときに、中子部材14が一緒になって回転することがないので、クランプ用金具10によるワークの設置作業が容易になる。
【0053】
また、中子部材14に雌捩子を備え、中子部材14に備えた雌捩子に螺合可能でボルト15の首下長さと略等しい長さの捩子棒を締付ツマミ17に固着させた構造としてもよい。この場合も、締付ツマミ17を締付けるときに中子部材14が一緒になって回転することがないので、クランプ用金具10によるワークの設置作業が容易になる。
【0054】
さらに、支持部材2,11に突起部2e,11fを設ける代わりに、切込部2d,11dの突起部2e,11fが設けられている位置と略同じ位置に、突起部2e,11fと略同じ高さの座板等を介在させても上記各実施形態と略同様の作用効果を奏する。
【0055】
さらにまた、外枠部材13及び中子部材14のワーク取付孔13a,14aに共にプレス加工によるV字型片を設け、各V字型片の開口側を向い合わせた状態でワークを締付固定可能な構成としてもよい。この場合、外枠部材13のワーク取付孔13aの先端を切欠いて開放状態にすれば、外枠部材13及び中子部材14のV字型片を共に外方向に形成できるので、ワークを固定する際に剪断力が作用せず、安定して支持できる。この他に、V字型片に代えて、略半円弧状のフランジとしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明のクランプ用金具の支持部材は、締付部材により部材を支柱等に支持するときに、支持される部材及び支持部材の互いに当接する面が略均一な密着状態で当接することにより、支持される部材と支持部材との間には、部材が回転したり落下したりしないような充分な大きさの静止摩擦力が生まれるので、部材を長期にわたって安定して支持でき、信頼性が高い。
【0057】
請求項2の発明のクランプ用金具の支持部材は、請求項1のクランプ用金具の支持部材の効果に加え、支柱取付孔の周囲にフランジが形成されていることにより、支柱にかかる剪断力を分散させることができるとともに、摩擦力が増加し、曲りにくいために、支柱の保護ができ、より強固に確実且つ正確に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態である支持部材を用いたクランプ金具の使用状態を示す斜視図である。
【図2】(a)は図1のクランプ用金具のC方向矢視による平面図、(b)は図1のクランプ用金具のD−D断面を示す断面図である。
【図3】本発明の第二実施形態である支持部材を用いたクランプ金具を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の第二実施形態である支持部材を示す三面図である。
【図5】図3のクランプ用金具の外枠部材を示す三面図である。
【図6】図3のクランプ用金具の中子部材を示す断面図、正面図及び側面図である。
【図7】図3のクランプ用金具の使用状態を示す斜視図である。
【図8】(a)は図7のクランプ用金具のE方向矢視による平面図、(b)は図7のクランプ用金具のF−F断面を示す断面図である。
【図9】従来の支持部材を用いたクランプ用金具を示す分解斜視図である。
【図10】図9のクランプ金具の使用状態を示す斜視図である。
【図11】(a)は図10のクランプ用金具のA方向矢視による平面図、(b)は図10のクランプ用金具のB−B断面を示す断面図である。
【符号の説明】
1,10 クランプ用金具
2,11 支持部材
2c,11c 支柱取付孔
2d,11d 切込部
2e,11f 突起部
4,13 外枠部材
4a,13a ワーク取付孔
5,14 中子部材
5a,14a ワーク取付孔
5b ネジ棒
7 締付ツマミ
8 支柱8
9 センサ
9a ケーブル
15 ボルト
17 締付ツマミ
Claims (2)
- 締付部材によって締着されることで支柱等に部材を支持するクランプ用金具の支持部材であって、
前記部材に当接する第一外側面と、
該第一外側面に対向して配置される第二外側面と、
前記第一外側面と前記第二外側面との間に形成され、前記支柱等に締着可能な支柱取付孔と、
前記第一外側面の端部から折り曲げられ、内側へ所定幅で突出する一対の第一フランジと、
前記第二外側面の端部から折り曲げられ、内側へ所定幅で突出する一対の第二フランジと、
前記第一フランジまたは前記第二フランジのうちいずれか一方から突出して、先端が他方のフランジへと向かう突起部を含み、前記締付部材により前記部材を前記支柱等に締着するときに、前記突起部の先端が前記他方のフランジに当接し、前記第一外側面及び前記第二外側面を略平行状態に保持することにより、前記部材と前記第一外側面とを、略平行に略密着状態で当接させる密着手段とを備え、
前記第一外側面及び前記第二外側面と前記支柱取付孔とは、プレス加工によって一体成形され、全体としてU字形の形状を呈している
ことを特徴とするクランプ用金具の支持部材。 - 前記支柱取付孔の周囲には、プレス加工によって成形されたフランジが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクランプ用金具の支持部材。
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