JPH0230192Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考考案は被加工物に形成された円形穴や円形
突部などの中心位置を容易に位置出しできる中心
位置出し工具に関するものである。

〔従来の技術およびその問題点〕

従来、例えば円形穴のあいた板材の円形穴の内
周面を加工する場合、円形穴の中心位置に加工装
置の加工軸を合わせて板材を固定するが、この中
心位置出しは手間がかかり、煩雑であつた。

〔問題点を解決するための手段〕

中心軸に取付部材を取付け、取付部材の中心軸
を中心とする同一円周上に三つの対接片を取付
け、この対接片には円錐面が形成してあり、円錐
面の頂点は等しく、頂点は中心軸と直交する平面
上に位置している。そして対接片は、取付部材
の、中心軸を中心とする複数の円周上に設けられ
ている複数の取付孔に取付可能である。

〔作 用〕

加工軸に中心軸をチヤツク止めし、板材の円形
穴の周囲に対接片の円錐面を接触させて板材を固
定すれば、円形穴の中心に加工軸が一致する。対
接片を取付部材の複数の取付孔に選択的に取付け
ることによつて、円径穴の径が小径である被加工
物から大径である被加工物まで広く対応すること
ができる。また、対接片が三つ設けられているた
め、特に円形穴が大径である被加工物において、
中心出しが行ない易い。

〔実施例〕

第１〜３図において、中心軸１には取付部材２
がねじ止めしてある。取付部材２は中心軸１と直
交する面方向にそれぞれ120度の間隔をもつて三
方に延出する取付腕部２ａ……が設けてある。取
付部材２の各取付腕部２ａ……には、中心軸１を
中心とする円周上に３個の取付孔３……が設けて
ある。また取付孔３……の外周の中心軸１を中心
とする円周上に３個の取付孔４……が、さらに外
周の中心軸１を中心とする円周上に３個の取付孔
５……が設けてある。そして中間の取付孔４……
には対接片６……がねじ７……により固定してあ
る。したがつて対接片６……は中心軸１から等距
離の位置に固定されている。対接片６……は先端
側に円錐面６ａ……が形成してある。円錐面６ａ
……は被加工物の円形穴などに対接するものであ
る。円錐面６ａ……は頂角が等しく、頂点６ｂ…
…は中心軸１と直交する平面８上に位置してい
る。

つぎに第４〜５図を参照して作用について説明
する。まず中心軸１を工作機械の加工軸のチヤツ
ク９に固定する。そして加工軸を第４図下方に移
動させ、被加工物１０の円形穴１０ａに対接片６
……の円錐面６ａ……を均一に対接させた状態で
被加工物１０を所定の手段により固定する。この
あと加工軸を第４図上方に後退させ、チヤツク９
より中心軸１を外す。そしてチヤツク９に所定の
工具を取付け、円形穴１０ａの加工を行う。この
ように被加工物１０の円形穴１０ａの中心と加工
軸のチヤツク９との中心を極めて容易に一致させ
ることができる。

円形穴が小径の場合は対接片６……を取外し、
取付孔３……に取付ければよく、また円形穴が大
径の場合は取付孔５……に取付ければよい。

また被加工物が円形の突部の場合は、円形突部
の外周縁部に対接片の円錐面の内側を対接させて
行えばよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、被加工物の円形穴などの中心
と、工作機械などの加工軸とを容易に一致させる
ことができる。

また対接片を複数の円周上に選択的に取付ける
ことにより小径のものから大径のものまで対応で
きる。さらに本考案によれば、三つの対接片の内
側を対接させることにより、円柱状の被加工物に
おいても容易に正確な中心出しが行なえる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は平面
図、第２図は第１図−線断面図、第３図は正
面図、第４図は動作状態を示す正面図、第５図は
その底面図である。 １……中心軸、２……取付部材、２ａ……取付
腕部、３，４，５……取付孔、６……対接片、６
ａ……円錐面、６ｂ……頂点、８……平面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 工作機械のチヤツクに把持可能な中心軸と、 この中心軸に設けた取付部材と、 この取付部材の上記中心軸を中心とした同一円
   周上に三つ設けてあり、被加工物に対接する円錐
   面をそれぞれに設けてある対接片とを具備し、 上記円錐面は同一頂角を有し、その頂点は上記
   中心軸と直交する平面上に位置するものであり、 上記対接片は、上記取付部材の、上記中心軸を
   中心とする複数の円周上に設けられている複数の
   取付孔に選択的に取付可能である ことを特徴とする中心位置出し工具。