JP2505376Y2 - 包装機における折込み時物品保持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 ［産業上の利用分野］ この考案は例えば包装部に供給された包装用の樹脂フ
ィルムを物品に対しその下側で折込んで物品を包装する
包装機において、その折込み時物品を保持する装置に関
するものである。

［従来の技術］ 従来、例えば特開昭58−90010号公報に示す包装機に
おいては、フィルム折込装置の上方に回転ベルトを有
し、包装部でこの回転ベルトにより物品が上方から押さ
えられて搬出されるようになっている。

このような包装機においては物品が柔軟な場合回転ベ
ルトにより物品を押し潰すおそれがあるため、特開昭61
−142107号公報に示す包装機が開発された。この包装機
においては、押出し部材により物品を押して搬出してい
るので、このような欠点はなくなる。この包装機におい
てもフィルム折込装置の上方に回転ベルトを有している
が、この回転ベルトは物品の搬出のためではなく、物品
を上方から支えて物品の振れを防止する機能を果たす。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、フィルムを物品に対し折込む時、その折込
力により物品が移動するおそれがあり、その移動により
フィルムの重なり部分がずれて包装状態が悪くなる問題
があった。

特に、収納物を直接フィルムにより包装するノートレ
イ方式の場合には、収納物をトレイに入れて包装するト
レイ方式の場合に比較して、物品の形状が一定でないた
め、折込み時物品が移動し易くなる問題があった。

本考案は前述した回転ベルトを利用して折込み時物品
を保持することにより、折込力による物品の移動を防止
することを目的している。

考案の構成 ［課題を解決するための手段］ この目的に鑑み本考案は、後記する実施例の図面に示
すように、包装部Ｓで位置固定した前折込部材３に対し
後折込部材４を前後方向に沿って接近離間可能にすると
ともに、この後折込部材４の接近離間に伴いその接近離
間方向にほぼ直交する左右方向へ左右両折込部材５を開
閉可能にして、物品13の下側に包装体Ｆを折込む包装体
折込装置１と、前記後折込部材４の前進に伴い左右両折
込部材５が互いに閉じて包装体Ｆを物品13の下側に後方
及び左右両方向から折込んだ状態で、物品13の後側を前
折込部材３側へ押して前折込部材３により包装体Ｆを物
品13の下側に前方からも折込むように前後方向へ移動可
能な押出し部材７を有する物品搬出装置２とを備えた包
装機において、前記包装体折込装置１の上方に設けた回
転体11には前述したように包装体Ｆを物品13の下側に後
方及び左右両方向から折込む時、その折込力による物品
13の前動を阻止するように同物品13に係止し得る係止位
置（第５図参照）と、物品13の前進を許容するように同
物品13から退避する退避位置（第１図参照）との間で同
回転体11の回転に伴い移動可能なストッパ11aを取付け
たものであって、このストッパ11aを弾性体により形成
することが好ましい。

［作用］ 本考案においては、折込み時回転体11のストッパ11a
に物品13が係止されてその前動が阻止される。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に従って説明する。

第１図に示すように本実施例に係る包装機は特開昭61
−142107号公報に示す包装機と同様に、フィルム折込装
置１と物品搬出装置２とを備えている。フィルム折込装
置１においては、第２図に示すように包装部Ｓで位置固
定された前折込部材３に対し後折込部材４が前後方向に
沿って接近離間するように設けられているとともに、こ
の後折込部材４の接近離間に伴いその接近離間方向にほ
ぼ直交する左右方向へ左右両折込部材５が開閉可能に設
けられ、第３図に示すようにこの左右両折込部材５の上
方には左右両載置部材６が開閉可能に設けられている。
又、物品搬出装置２においては、第３図に示すように押
出し部材７が前折込部材３に対し接近離間する前後方向
へ移動可能に設けられている。なお、両装置1,2の基本
的構造は特開昭61−142107号公報のものとほぼ同様であ
るため、同公報記載のものを参照されたい。

前記フィルム折込装置１の上方において四節平行クラ
ンク機構８により上下方向へ平行移動する枠体９が設け
られ、この枠体９には水平方向へ並設された両プーリ10
間で回転ベルト11が掛渡されている。この回転ベルト11
の外周一部にはスポンジ等の弾性体からなるストッパ11
aが取着されている。第４図に示すようにこの回転ベル
ト11は駆動チェーン12により往復回転するようになって
いる。その往復回転により、回転ベルト11のストッパ11
aはフィルム折込装置１の前折込部材３の上方で第５図
に示すように包装部Ｓに面する係止位置と、第１図に示
すようにこの包装部Ｓから退避する退避位置とを取り得
るようになっている。

さて、第１図に示す物品受台装置14上の物品13が包装
部Ｓまで上昇すると、包装部Ｓに供給された包装用フィ
ルムＦが物品13により持上げられて物品13をその上方か
ら覆う状態となる。この状態で回転ベルト11が回転して
そのストッパ11aが包装部Ｓに面する前記係止位置で停
止する。そして、後折込部材４の前進に伴いまず左右両
載置部材６が物品13の下側に入り込んでこれを載置し、
次に左右両折込部材５が物品13の下側に入り込んで、フ
ィルムＦを物品13の下側に後方及び左右両方向から折込
む。この時、第５図に示すようにストッパ11aに物品13
が当接し、折込力による物品13の前動を阻止する。

その後、第６図に示すように押出し部材７が前進する
とともに、回転ベルト11が回転してそのストッパー11a
が前記退避位置に戻る。物品13はこの押出し部材７によ
り押されて前折込部材３側へ搬出され、その時物品13の
下側でフィルムＦが前折込部材３に当たって前方からも
折込まれ、後方からの折込みに左右両方向からの折込み
が重なるとともにさらに前方からの折込みが重なって物
品13の下側で折畳み部となる。次に、後折込部材４が後
退するとともに、その後退に伴い左右両載置部材６及び
左右両折込部材５が互いに開き、又押出し部材７も後退
する。

このように本実施例においては、折込力による物品13
の前動を阻止するので、後方からの折込みと左右両方向
からの折込みとがずれることなく重なり、良好な包装状
態を得る。

又、ストッパ11aが弾性体であるため、緩衝機能によ
り物品13を保護する。

なお、押出し部材７により物品13を押出す時物品13を
押出し部材７とストッパ11aとの間で挟持しながら搬出
するようにしてもよい。

考案の効果 本考案によれば、回転体11のストッパ11aを利用して
折込み時物品13を保持するので、折込力による物品13の
移動を防止することができ、物品13に対する包装体Ｆの
重なり部分のずれがなくなり、包装状態が良好なものと
なる。又、ストッパ11aの弾性により物品13を保護する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はフィルム折込装置、物品搬出装置及び回転ベル
トを示す包装機の部分側断面図、第２図はフィルム折込
装置において前折込部材、後折込部材及び左右両折込部
材を示す平断面図、第３図はフィルム折込装置の左右両
載置部材及び物品搬出装置の押出し部材を示す平断面
図、第４図は回転ベルトを示す平断面図、第５図及び第
６図は回転ベルトのストッパの作用説明図である。 １…フィルム折込装置、２…物品搬出装置、３…前折込
部材、４…後折込部材、５…左右両折込部材、７…押出
し部材、11…回転ベルト（回転体）、11a…ストッパ、1
3…物品、Ｓ…包装部、Ｆ…包装用フィルム（包装
体）。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】包装部（Ｓ）で位置固定した前折込部材
   （３）に対し後折込部材（４）を前後方向に沿って接近
   離間可能にするとともに、この後折込部材（４）の接近
   離間に伴いその接近離間方向にほぼ直交する左右方向へ
   左右両折込部材（５）を開閉可能にして、物品（13）の
   下側に包装体（Ｆ）を折込む包装体折込装置（１）と、 前記後折込部材（４）の前進に伴い左右両折込部材
   （５）が互いに閉じて包装体（Ｆ）を物品（13）の下側
   に後方及び左右両方向から折込んだ状態で、物品（13）
   の後側を前折込部材（３）側へ押して前折込部材（３）
   により包装体（Ｆ）を物品（13）の下側に前方からも折
   込むように前後方向へ移動可能な押出し部材（７）を有
   する物品搬出装置（２）とを備えた包装機において、 前記包装体折込装置（１）の上方に設けた回転体（11）
   には前述したように包装体（Ｆ）を物品（13）の下側に
   後方及び左右両方向から折込む時、その折込力による物
   品（13）の前動を阻止するように同物品（13）に係止し
   得る係止位置と、物品（13）の前進を許容するように同
   物品（13）から退避する退避位置との間で同回転体（1
   1）の回転に伴い移動可能なストッパ（11a）を取付けた
   ことを特徴とする包装機における折込み時物品保持装
   置。
2. 【請求項２】第１請求項において、ストッパ（11a）を
   弾性体により形成したことを特徴とする包装機における
   折込み時物品保持装置。