JP2505346B2

JP2505346B2 - ダイ成形金型

Info

Publication number: JP2505346B2
Application number: JP4093229A
Authority: JP
Inventors: 弘斉藤
Original assignee: Amada Metrecs Co Ltd
Current assignee: Amada Metrecs Co Ltd
Priority date: 1992-04-14
Filing date: 1992-04-14
Publication date: 1996-06-05
Anticipated expiration: 2011-06-05
Also published as: JPH05285553A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、パンチプレスにおい
てワークに上向き成形を行うためのダイ成形金型に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えばタレットパンチプレスにお
いて、ワークに上向き成形を行うためのダイ成形金型
は、金型ホルダを介して下部タレットに複数のダイ本体
が着脱自在に装着されていると共に、このダイ本体にダ
イチップが一体的にかつパスラインに突出して設けてあ
る。そして、このダイチップを囲んで、エジェクタープ
レートが板押えスプリングにより上方へ付勢されて設け
られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のダイ成形金型を用いてワークに上向き成形加工を行
なうには、ダイの高さが高くなり、成形加工の利用のス
ペースが減少してしまう。そのため、高さの高い製品の
成形加工ができないという問題があった。

【０００４】また、エジェクタープレート周りの構造
が、板押えと製品リフタを兼ねる構造にしかできないか
ら、上向き成形加工開始前の板押え力を十分強くできな
いため、製品に反り、歪みが発生すると言う問題があっ
た。

【０００５】この発明の目的は、上記問題点を改善する
ために、成形加工の利用スペースを拡大し、高さの高い
成形加工を可能にすると共に、板押え力を強力にして製
品の反り、歪みの問題を解消せしめるようにしたダイ成
形金型を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、パンチプレスにおける上向き成形を行
うためのダイ成形金型であって、ダイ本体の上方に板押
えスプリングの付勢力で上方向へ付勢されたエジェクタ
ープレートを設けると共に、前記ダイ本体並びに前記エ
ジェクタープレートの軸心部に下方向へ常時付勢された
ダイチップを上下動自在に設けてなることを特徴とする
ものである。

【０００７】

【作用】前記の構成において、エジェクタープレート上
に加工すべき板材を載置せしめた後、例えばラムにより
パンチ金型を下降させると、先ずパンチガイドがワーク
に当接する。依って、エジェクタープレートは僅かに下
方に押圧されただけで、パンチ金型のパンチリフタース
プリングを圧縮して上方向成形が可能な位置に達する。
従って、ワークはエジェクタープレートとパンチ金型の
パンチガイドとにより十分な板押え力で押圧された状態
にある。しかる後、ダイチップが下方向の付勢力に抗し
て突き上げられるとワークに上向き成形が施される。

【０００８】このように、エジェクタープレートの押圧
量が僅少になる上に、ダイチップが加工前にはパスライ
ン下にあるため、パンチガイドの上限位置とパスライン
間のスペースは、そのまま成形品の高さスペースとして
利用できる。そのため、成形量の大きな上向き成形加工
が可能になる。また、板材が強力に保持された状態で上
向き成形が行われるから、製品に反りや歪みが生ずるこ
とはない。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

【００１０】図１はワークに上向き成形加工を開始する
前の成形金型の正面図、図２はワークに上向き成形加工
を行なった際の成形金型の正面図である。

【００１１】図１および図２を参照するに、タレットパ
ンチプレス（パンチプレス）１には上下に対向した上部
フレームと下部フレームが設けてある。この下部フレー
ム上面には、ワークＷを支持するテーブルと、板材移動
位置決め装置が設けてあり、ワークＷの所定の加工位置
を加工領域に移動位置決めできるようになっている。

【００１２】一方、上記テーブルの後方には、下部タレ
ット３が垂直軸周りに回転自在に設けてある。この下部
タレット３には、複数のダイ成形金型５が下部金型ホル
ダ７を介して着脱自在に装着されている。

【００１３】他方、上記下部タレット３の上方には、こ
の下部タレット３と一致した垂直軸周りに回転自在な上
部タレット９が上記上部フレーム下面に設けてある。こ
の上部タレット９には、複数のパンチ金型１１が上部金
型ホルダ１３を介して着脱自在に装着されている。そし
て、上記下部タレット３と上部タレット９とは、タレッ
ト同期回転装置に連動連結されていて、所定のパンチ金
型１１とダイ成形金型５とを加工領域に割り出し可能に
設けてある。さらに、上記上部フレームには、上記加工
領域上にパンチ金型１１を押圧するためのラムが上下動
自在に設けてある。

【００１４】さて、上記ダイ成形金型５は、前述のよう
に下部金型ホルダ７を介して下部タレット３に着脱自在
に装着されている。より詳細には、ダイ本体１５が下部
金型ホルダ７に固定されて設けてある。このダイ本体１
５の上には、強力な例えばウレタンゴム材質の板押えス
プリング１７を介してエジェクタープレート１９が常時
上方向へ付勢されている。そして、このエジェクタープ
レート１９の上限位置は、エジェクタープレート１９下
面に設けられたボルト２１の頭がダイ本体１５に設けら
れた２段穴２３によって規制されている。なお、この上
限位置におけるエジェクタープレート１９の上面が、ワ
ークＷが前記加工領域に搬入搬出されるときのパスライ
ンＰと一致している。

【００１５】さて、上記ダイ本体１５とエジェクタプレ
ート１９の軸心部にはダイチップ２５が上下動可能に設
けてある。このダイチップ２５の下方には、棒状のドラ
イバ２７が一体的に垂下して設けてあり、さらにこのド
ライバ２７の下端にはフランジ状のばね座２９が一体的
に設けてある。そして、このばね座２９と上記ダイ本体
１５の下面との間に圧縮ばねであるダイ下降スプリング
３１が介在されてあるから、ダイチップ２５は常時下方
向へ付勢されている。このダイチップ２５の下限位置は
ダイ本体１５に設けられたざぐり穴３３にダイチップ２
５の下面が当接することによって規制されている。この
時ダイチップ２５の上面は、前記パスラインＰよりやや
低く、例えば１ｍｍ位低く保持されている。

【００１６】上記ダイチップ２５、ドライバ２７、ばね
座２９をダイ下降スプリング３１の付勢力に抗して押し
上げるために、前記下部タレット３の下面における加工
領域には、ディスクサポート内に油圧シリンダ（図示省
略）が設けてあり、この油圧シリンダには上方へ突出か
つ没入自在のピストンロッド３５が設けられている。こ
のピストンロッド３５の上端には、上記ばね座２９下面
への当接部材３７がロックナットにより締め付け固定さ
れて設けてある。

【００１７】前記パンチ金型１１は、上部金型ホルダ１
３を介して上部タレット９に着脱可能に装着されてい
る。より詳細には、上方からワークＷを押さえるための
パンチガイド３９が上部金型ホルダ１３に上下動自在に
装着されている。そして上記パンチガイド３９は、パン
チガイドストリッパスプリング（図示省略）により常時
上方向に付勢されている。一方、パンチガイド３９内に
は段付穴４１が設けてあり、この段付穴４１の小径部に
は上方向成形用のパンチチップ４３が上下動自在に設け
てある。そして、このパンチチップ４３と段付穴４１を
おおう上部カバー４５との間には圧縮ばねであるパンチ
下降スプリング４７が設けてあり、パンチチップ４３を
常時下方向へ付勢している。なお、パンチチップ４３に
はフランジ部４９が一体的に設けてあり、上記段付穴４
１の肩部５１に当接することによりパンチチップ４３の
パンチガイド３９に対する下限位置を規制するようにな
っている。さらに、上記上部カバー４５の上方にはパン
チヘッド５３が設けてあって、前記ラムによりパンチヘ
ッド５３を打撃するようになっている。

【００１８】上記構成により、図１，図２および図３に
基づいてダイ成形金型５および関連部分の作動について
説明する。先ずワークＷが、タレットパンチプレス１の
テーブル上に搬入されると、原点位置決めがなされた
後、前記板材移動位置決め装置のクランパによってクラ
ンプされる。そして、上記板材移動位置決め装置を適宜
操作することにより、ワークＷにおける所望の加工位置
が上、下部タレット９，３に挾まれた前記加工領域に位
置決めされる。一方、この間に前記タレット同期回転装
置も適宜に操作されて、上、下部タレット９，３に上、
下部金型ホルダ１３，７を介して装着されている所望の
パンチ金型１１およびダイ成形金型５が加工領域に割り
出される（図１および図３（ａ）参照）。

【００１９】そこで、前記ラムが下降されてパンチ金型
１１のパンチヘッド５３を打撃すると、パンチガイド３
９は前記ストリッパスプリングの付勢力に抗して下降せ
しめられる。すると、パンチガイド３９の下面がワーク
Ｗの上面に当接せしめられると共に、ワークＷはパンチ
ガイド３９とエジェクタープレート１９に挾持される。
そして更に、ラムが下降されて下死点に達した時、板押
えスプリング１７が撓んでエジェクタープレート１９は
強く押圧される。しかも、上記板押えスプリング１７は
強力であるので、板押えスプリング１７の撓み量は例え
ば０．５ｍｍ程度と僅少である。そして、図３（ｂ）に
示したようにワークＷは、エジェクタープレート１９と
パンチガイド３９によって強力に挾持される。

【００２０】しかる後、前記ディスクサポート内の油圧
シリンダを適宜に操作することによりピストンロッド３
５を上昇せしめると、ダイ下降スプリング３１の付勢力
に抗してばね座２９、ドライバ２７を介してダイチップ
２５が上方へ移動されるから、図２および図３（ｃ）に
示したようにワークＷには上向き成形が行われる。この
時パンチチップ４３は、パンチ下降スプリング４７の付
勢力に抗して押し上げられる。依って、ワークＷの成形
部分も適宜な力で挾持されながら成形されるので、成形
部分に反りや歪みが生じることはない。

【００２１】成形加工完了後、図３（ｄ）に示したよう
にピストンロッド３５を下降せしめると同時に前記ラム
を上昇せしめると、先ず、ダイチップ２５がダイ下降ス
プリング３１の付勢力で下限位置まで下降すると共に、
エジェクタープレート１９も成形されたワークＷととも
に板押えスプリング１７の付勢力により上限位置まで押
し上げられる。この押し上げ量は、上述のように例えば
０．５ｍｍ程度に僅少である。

【００２２】一方ラムが上昇すると、パンチガイド３９
は前記ストリッパスプリングの付勢力により上限位置ま
で上昇すると共に、パンチチップ４３はパンチ下降スプ
リング４７の付勢力により、パンチガイド３９内におけ
る下限位置まで下降する。するとエジェクタープレート
１９上の成形されたワークＷは、パスラインＰに沿って
搬出することができる。

【００２３】以上のごとく、この実施例によれば、上述
の強大な板押え力を発生させるためのエジェクタープレ
ート１９の押圧量が僅少であることと、ダイチップ２５
が上下動自在なため、成形加工前にパスラインＰ以下に
位置せしめることができることから、パンチガイド３９
の上限位置とパスラインＰ間のスペースは、そのまま成
形品の高さスペースとして利用することができる。従っ
て、従来よりも上向き成形量を大きくできるという効果
がある。また、板押えスプリング１７の力を強くできる
ので、上向き成形加工直前の板押え力が強大である。依
って、成形加工されたワークＷに反りや歪みが発生しな
いという効果がある。

【００２４】なお、この発明は前述のごとき実施例の説
明に限るものではなく、適宜の変更を行うことにより、
その他種々の態様で実施可能である。

【００２５】

【発明の効果】以上のごとき実施例の説明により理解さ
れるように、この発明によれば、板押えスプリングの力
を強くできるので、エジェクタープレートの押圧量が僅
少であることと、ダイチップが上下動自在なため、成形
加工前にパスライン以下に位置せしめることができるこ
とから、パンチガイドの上限位置とパスライン間のスペ
ースは、そのまま成形品の高さスペースとして利用でき
るので、上向き成形量を増大できるという効果がある。

【００２６】また、板押えスプリングの力を強くできる
ので、上向き成形加工直前の板押え力が増大である。依
って、成形加工された製品に反りや歪みが発生しないと
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】ワークに上向き成形加工を開始する前の成形金
型の正面図である。

【図２】ワークに上向き成形加工を行なった際の成形金
型の正面図である。

【図３】成形金型でワークに上向き成形加工を行なう動
作説明図である。

【符号の説明】

１タレットパンチプレス（パンチプレス）５ダイ成形金型１１パンチ金型１５ダイ本体１７板押えスプリング１９エジェクタープレート２５ダイチップ３１ダイ下降プリング

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】パンチプレスにおける上向き成形を行う
ためのダイ成形金型であって、ダイ本体の上方に板押え
スプリングの付勢力で上方向へ付勢されたエジェクター
プレートを設けると共に、前記ダイ本体並びに前記エジ
ェクタープレートの軸心部に下方向へ常時付勢されたダ
イチップを上下動自在に設けてなることを特徴とするダ
イ成形金型。