JP2504854B2 - 路面ライン引装置 - Google Patents

路面ライン引装置

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JP2504854B2 JP2093458A JP9345890A JP2504854B2 JP 2504854 B2 JP2504854 B2 JP 2504854B2 JP 2093458 A JP2093458 A JP 2093458A JP 9345890 A JP9345890 A JP 9345890A JP 2504854 B2 JP2504854 B2 JP 2504854B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、路面にペイントを噴射し、路面にラインを
引く路面ライン引装置に関する。
[従来の技術] 従来の路面ライン引装置によって、路面に破線を引く
場合について説明する。
路面ライン引装置は、ペイントを路面に向かって噴射
するペイント噴射手段を備える。このペイント噴射手段
は、電磁弁によって制御され、電磁弁が開弁されるとペ
イントを噴射し、逆に電磁弁が閉弁されるとペイントの
噴射を停止する。なお、ペイント噴射手段のペイント噴
射口は、路面より数cm、あるいは十数cm離されて設置さ
れる。また、路面ライン引装置は、車両の走行距離を測
定する距離測定手段、および電磁弁を制御する制御装置
を備える。制御装置は、距離測定手段の測定した車両走
行距離に応じて、電磁弁を操作し、制御装置に設定され
た長さの実線および空線を路面に引くように設けられて
いる。
一方、電磁弁が開く際、電磁弁の通電が開始されてか
ら、実際に路面に実線が描き始めるまでに、描始タイム
ラグが生じる。同様に、電磁弁が閉じる際、電磁弁が閉
じてから実際に実線が描き終わるまでに、描終タイムラ
グが生じる。特に、電磁弁が閉じる際は、残圧によっ
て、描終タイムラグが長くなる。
この様に、描始タイムラグおよび描終タイムラグが生
じると、車両走行速度によって、実線の描き始位置およ
び描き終位置が変化する。つまり、車両走行速度が変化
すると、実線および空線の長さが変化してしまう。
このことを、具体的な数値を用いて説明する。
描始タイムラグが例えば0.02秒で、描終タイムラグが
例えば0.3秒であったとする。
時速4km/hの時、0.02秒で車両は2.2cm進み、時速6km/
hの時、0.02秒で車両は3.3cm進む。
同様に、車速4km/hの時、0.3秒で車両は約33cm進み、
時速6km/hの時、0.3秒で車両は約50cm進む。
つまり、車両走行速度が、時速2km/hの範囲内で変化
すると、実線の長さが約16cmの範囲内で変化する。
そこで従来では、車両の走行速度を所定の速度に保っ
て走行するように、指示されていた。
[発明が解決しようとする課題] しかるに、車両の走行速度を所定の速度に保つのは困
難で、車両のアクセル開度の操作の他、路面の起伏によ
っても、車両の速度が変化してしまう。
このため、従来の路面ライン引装置は、各破線の長さ
にバラツキが生じたり、あるいは、設定された実線およ
び空線の長さと、実際に描かれた実線および空線の長さ
とに、車両の速度変化によって、差が生じてしまう問題
点を備えていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目
的は、車両走行速度が変化しても、設定された実線およ
び空線の長さと、実際に描かれる実線および空線の長さ
とを一致させる路面ライン引装置の提供にある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本発明の路面ライン引
装置は、次の技術的手段を採用する。
路面ライン引装置は、第1図の概略ブロック図に示す
ように、路面101を走行する車両102に搭載され、路面10
1に向かってペイントを噴射するペイント噴射手段103
と、このペイント噴射手段103による、ペイントの噴射
および噴射の停止を行う電磁弁104と、この電磁弁104の
開閉制御を行う制御装置105とを具備し、路面101に破線
を引くことが可能に設けられている。
また、制御装置105は、車両102に走行距離に応じたパ
ルス信号を発生するパルス発生器106と、破線における
実線長に応じた実線パルス数を算出する基本パルス数算
出手段107と、路面101に破線における実線をペイントす
る際、車両102の走行速度を検出して、走行速度に応じ
た誤差パルス数を算出し、前記電磁弁104を開弁してい
る時のパルス信号のカウント数が、前記実線パルス数を
前記誤差パルス数で補正した補正パルス数に達した時
に、前記電磁弁104を閉弁する閉弁時期可変手段108とを
備える。
なお、誤差パルス数は、前記電磁弁104を開弁してい
る時のパルス信号が前記実線パルス数に達する前に算出
しても良いし、前記電磁弁104を開弁している時は常時
算出しても良い。
[作用および効果の発明] 路面ライン引装置が、路面に破線の実線を引く際に、
車両の走行速度に応じて実線パルス数を補正し、車両の
走行速度に応じた電磁弁の閉弁時期を設定する。
具体的には、電磁弁が閉じてから、実際に実線を描き
終わるまでの描終タイムラグは、車両走行速度に関係な
くほぼ一定となる。このため、電磁弁が閉じてから描か
れる実線の長さは、車両走行速度に対応する。そこで、
電磁弁を閉弁する際、車両走行速度を知ることで、電磁
弁が閉じてから描かれる実線の長さを知ることができ
る。
そこで制御装置は、実線が描かれている時に、車両の
走行速度より電磁弁が閉じられてから描かれる実線の長
さを考慮して、電磁弁の閉弁時期を補正する。
この結果、車両走行速度に関係なく、設定された実線
の長さを描くことができる。
また、この結果、設定された実線および空線の長さ
と、実際に描かれる実線および空線の長さとを一致させ
ることができる。
[実施例] 次に、本発明の路面ライン引装置を、図に示す一実施
例に基づき説明する。
(実施例の構成) 第2図は路面ライン引装置の概略ブロック図、第3図
は路面ライン引装置を搭載した車両の側面図、第4図は
路面ライン引装置のガンキャレッジを示す。
路面ライン引装置1は、車両2に搭載、設置されてい
る。路面ライン引装置1は、路面3に向けてペイントを
噴射し、路面3に実線を描くペイント噴射手段4と、こ
のペイント噴射手段4から噴射されるペイントに向けて
ビーズを噴射し、路面3に描かれる実線の視認性を向上
させるビーズ噴射手段5とを備える。
ペイント噴射手段4は、ペイントを噴射するペイント
噴射口6を備える。このペイント噴射口6は、後述する
ガンキャレッジ7に取り付けられ、路面3の十数cm上方
より、路面3に向けてペイントを噴射するものである。
ペイント噴射手段4は、ペイントタンク8から図示しな
いポンプによって圧送されたペイントを導くペイント供
給管9と、ペイント噴射口6より噴射されなかったペイ
ントを再びペイントタンク8へ戻すリターン管10とが接
続されている。また、ペイント噴射口6とペイント供給
管9との間には、図示しない第1開閉弁が設けられてい
る。この第1開閉弁には、第1エア供給管11が接続され
ており、第1エア供給管11から、高圧のエアが供給され
ると第1開閉弁が開き、ペイント供給管9によって供給
されたペイントをペイント噴射口6へ導き、ペイント噴
射口6から路面3へ向けてペイントを噴射する。また、
第1エア供給管11から、第1開閉弁に、高圧のエアの供
給が停止されると、内部に配設されたスプリング力で第
1開閉弁が閉じ、ペイント噴射口6から噴射されていた
ペイントの噴射を停止する。
第1開閉弁へのエアの供給、停止は、第1エア供給管
11のキャレッジ7側の端部に設けられた第1電磁弁12に
よってなされる。この第1電磁弁12は、後述する制御装
置13によって通電制御され、通電されることによって開
弁し、第1開閉弁が開き、結果的にペイントをペイント
噴射口6から路面3に向けて噴射させる。そして、第1
電磁弁12は、通電が停止されると閉弁し、第1開閉弁が
閉じ、結果的にペイントの噴射を停止する。
ビース噴射手段5も、ビーズを噴射するビーズ噴射口
14を備える。このビーズ噴射口14も、キャレッジ7に取
り付けられ、ペイント噴射口6から十数cm離れた位置の
路面3の上方より、ペイント噴射口6から噴射され、路
面3に到達した時のペイントに向けてビーズを噴射す
る。つまり、ペイントとビーズは、同じ箇所の路面3に
吹き付けられる。ビーズ噴射口14には、ビーズタンク15
から図示しないポンプによって圧送されたビーズを導く
ビーズ供給管16が接続されている。また、ビーズ供給管
16のキャレッジ7側の端部にも、図示しない第2開閉弁
が設けられている。この第2開閉弁には、第2エア供給
管17が接続されており、第2エア供給管17から、高圧の
エアが供給されると第2開閉弁が開き、ビーズ供給管16
によって供給されたビーズをビーズ噴射口14へ導き、ビ
ーズ噴射口14から路面3へ向けてビーズを噴射する。ま
た、第2エア供給管17から、第2開閉弁に、高圧のエア
の供給が停止されると、第2開閉弁内に配設されたスプ
リング力で第2開閉弁が閉じ、ビーズ噴射口14から噴射
されていたビーズの噴射を停止する。
第2開閉弁へのエアの供給、停止は、第2エア供給管
17のキャレッジ7側の端部に設けられた第2電磁弁18に
よってなされる。この第2電磁弁18も、後述する制御装
置13によって通電制御され、通電されることによって開
弁して、第2開閉弁を開き、結果的にビーズをビーズ噴
射口14から路面3に向けて噴射させる。そして、第2電
磁弁18は、通電が停止されると閉弁して、第2開閉弁が
閉じ、結果的にビーズの噴射を停止する。
キャレッジ7は、車両2の荷台の両側に、それぞれ設
けられている。各キャレッジ7は、アーム19を介して車
両2に支持されている。そして、キャレッジ7は、油圧
によって、車両2の横方向、および上下方向へ移動可能
に設けられている。キャレッジ7には、キャレッジ7が
下降した際、キャレッジ7を路面上で支える第1車輪20
が設けられている。
一方、車両2には、キャレッジ7とは別に、車両2の
走行距離および走行速度を検出するための図示しないキ
ャレッジが設けられている。この図示しないキャレッジ
にも、キャレッジが下降した際、路面上で回転する図示
しない第2車輪が設けられている。この第2車輪には、
第2車輪の回転に応じてパルス信号を発生するパルス発
生器21(第2図参照)が組み込まれている。このパルス
発生器21の発生するパルス信号は、制御装置13に出力さ
れ、制御装置13によって、パルス数および単位時間当り
のパルス数より、車両2の走行距離を測定するととも
に、車両2の走行速度を検出する。つまり、このパルス
発生器21は、車両2の走行距離を測定する距離測定手段
であるとともに、車両2の走行速度を検出する速度検出
手段でもある。
なお、キャレッジ7に設けられた符号22は、エア噴出
手段で、エア噴射口23からエアを吐出して、実線の描か
れる路面3のごみをエアの噴出圧力によって除去するた
めのものである。
次に、制御装置13の説明をする。
制御装置13は、少なくとも上述の第1電磁弁12および
第2電磁弁18の通電制御を行う。
制御装置13は、上述のパルス発生器21からのパルス信
号を入力する他、第5図に示す操作盤24に設けられた各
種スイッチおよび各種設定器からの各種操作信号を入力
する。
操作盤24には、電源スイッチ25、トータル設定器26、
実線設定器27、トータル補正設定器28、実線補正設定器
29などを含む各種スイッチや、設定器が設けられてい
る。なお、トータル設定器26は、1つの実線と1つの空
線とを合わせたトータルの破線長の設定を行う設定器で
ある。実線設定器27は、1つの実線の長さの設定を行う
設定器である。トータル補正設定器28は、第2車輪の磨
耗変化などによる車両走行距離や車両走行速度の補正を
行い、トータルの破線長の補正を行う設定器である。実
線補正設定器29も、第2車輪の磨耗変化などによる車両
走行距離や車両走行速度の補正を行い、実線の長さの補
正を行う設定器である。
制御装置13は、電源スイッチ25が投入されると、トー
タル設定器26および実線設定器27によって設定された実
線および空線を描くように、第1電磁弁12の通電制御を
行う。具体的に制御装置13は、トータル設定器26および
実線設定器27によって設定された実線および空線を描く
ように、第1電磁弁12の通電時期を制御するためのパル
ス数を算出する基本パルス数算出手段30と、車両2の走
行速度に応じて第1電磁弁12の閉弁時期を変化させるた
め、基本パルス数算出手段30で算出されたパルス数を変
化させる閉弁時期可変手段31とを備える。
また、制御装置13は、第1電磁弁12の通電開始時期お
よび通電停止時期を基準に、第2電磁弁18の通電制御を
行う第2電磁弁制御手段32を備える。
さらに、制御装置13は、第2車輪の磨耗等によって実
際のキャレッジ7の移動量(実際の実線長およびトータ
ル長)とパルス発生器21の発生したパルス数との誤差を
修正する誤差修正手段33を備える。
これら、基本パルス数算出手段30、閉弁時期可変手段
31、第2電磁弁制御手段32および誤差修正手段33を、第
6図のタイムチャートを参照して説明する。
基本パルス数算出手段30は、電源スイッチ25がONされ
ると、トータル設定器26、実線設定器27によって設定さ
れたトータル長Tおよび実線長Jから、トータル長Tお
よび実線長Jに相当するトータルパルス数TPおよび実線
パルス数JPを算出する。このトータルパルス数TPおよび
実線パルス数JPは、キャレッジ7が設定されたトータル
長Tおよび実線長J移動した際に、パルス発生器21の発
生するパルス数に相当するものである。
閉弁時期可変手段31は、基本パルス数算出手段30によ
って算出された実線パルス数JPを,車両走行速度に応じ
て補正し、第1電磁弁12の閉弁時期を変化させるもので
ある。具体的には、基本パルス数算出手段30で設定され
た実線パルス数JPのカウント終了前の所定パルス数SP前
に、パルス発生器21の発生するパルスの発生速度から車
両2の走行速度を算出し、第1電磁弁12が閉じてから実
際に実線を描き終わるまでの誤差長Gに相当する誤差パ
ルス数GPを算出する。そして、基本パルス数算出手段30
で設定された実線パルス数JPより、誤差パルス数GPを減
算し、補正パルス数HPを算出する。
なお、本実施例の誤差パルス数GPは、第1電磁弁12が
開いてから実際に実線を描き始めるまでの誤差長G0に相
当する誤差パルス数GP0を差引いた値としている。誤差
長G0は、大変短い。このため、誤差パルス数GP0を速度
に関係なく一義的に決めても、あるいは、精度を向上す
る目的で速度に応じて変化させても良い。また、所定パ
ルス数SPは、誤差パルス数GP0より多いパルス数である
必要があるが、誤差精度を向上させる目的から、誤差パ
ルス数GP0に近い方が良い。つまり、第1電磁弁12の通
電停止時期に近い方が良く、路面3に破線を描く際の車
両2の走行速度から適宜設定されるものである。
第2電磁弁制御手段32は、ペイントによって描かれる
実線の全長に亘って、確実にビーズが吹き付けられるよ
うに、第1電磁弁12の通電が開始される前から第2電磁
弁18を通電し、第1電磁弁12の通電が停止した後に第2
電磁弁18の通電を停止するものである。具体的には、電
源スイッチ52がONされ、車両2が走行すると、まず、第
2電磁弁18の通電を行なう。そして、第2電磁弁18の通
電が開始されてから、所定時間T1が経過した後に、第1
電磁弁12の通電が開始される。つまり、最初の実線を描
く時は、まず第2電磁弁18を通電し、タイマー手段によ
って所定時間T1が経過した後に、第1電磁弁12の通電を
開始する。また、2本目以降の実線を描く際は、トータ
ルパルス数TPのカウント終了前の所定パルス数SP0前
に、第2電磁弁18の通電を開始する。一方、第2電磁弁
18の通電の停止は、補正パルス数HPのカウント終了後の
所定時間T2の経過後、つまり第1電磁弁12の通電が経過
してから所定時間T2が経過した後に、第2電磁弁18の通
電を停止する。
誤差修正手段33は、第2車輪の磨耗など第2車輪の径
によって発生する。パルス発生器21によって検出された
車両2の移動距離と、実際の車両2の移動距離との誤差
を修正するものである。具体的には、トータル補正設定
器28および実線補正設定器29が操作されると、操作され
た数値に応じて、車両2の走行距離や、車両2の走行速
度を修正するもので、トータル補正設定器28および実線
補正設定器29に設定された数値に応じて基本パルス数算
出手段30、閉弁時期可変手段31の演算が行われる。
そして、制御装置13は、車両2が走行すると、第2車
輪に取り付けられたパルス発生器21の発生するパルス数
をカウントし、そのカウントしたパルス数と、制御装置
13内で算出されたトータルパルス数TPおよび補正パルス
数HPとを比較して第1電磁弁12および第2電磁弁18の通
電制御を行う。
次に、上述の制御装置13による第1電磁弁12の制御
を、第7図のフローチャートを用いて簡単に説明する。
電源スイッチ25がONされ、車両2が走行を開始する
と、ステップS1において、第1電磁弁12を通電する。次
いで、ステップS2において、制御装置13のカウントした
パルス数が、実線パルス数JPから所定パルス数SPを減算
したパルス数に達したか否かの判断を行う。この判断結
果がNOの場合は、ステップS2へ戻り、YESの場合はステ
ップS3において、パルスの間隔から車両速度を算出し、
車両速度に応じた誤差パルス数GPを算出する。次に、ス
テップS4において、実線パルス数JPからステップ3で算
出した誤差パルス数GPを減算し、補正パルス数HPを算出
する。
次に、ステップS5において、制御装置13のカウントし
たパルス数が、補正パルス数HPに達したか否かの判断を
行う。この判断結果がNOの場合は、ステップS5へ戻り、
YESの場合はステップS6において、第1電磁弁12の通電
を停止する。続いて、ステップS7において、制御装置13
のカウントしたパルス数が、トータルパルス数TPに達し
たか否かの判断を行う。この判断結果がNOの場合は、ス
テップS7へ戻り、YESの場合は制御装置13のカウントし
たパルス数をリセットして、ステップS1へ戻る。
(実施例の作動) 次に、車両走行中の第1電磁弁12の通電制御の作動
を、第6図のタイムチャートを参照して簡単に説明す
る。
制御装置13のカウントするパルス数がリセットされ、
制御装置13がパルス発生器21の発生するパルス数をカウ
ントすると同時に、第1電磁弁13が通電される。する
と、第1電磁弁12が開いて、ペイント噴射口6からペイ
ントを路面3に向けて噴射する。第1電磁弁12が開いて
から、ペイントが路面3に届くまでに、描始タイムラグ
T0が生じる。このため、描始タイムラグT0の間に車両2
が走行して、第1電磁弁12が通電されてから誤差長G0だ
け遅れて、路面3に実線が描き始められる。
第1電磁弁12が通電された状態で車両2が走行し、制
御装置13のカウントしたパルス数が、実線パルス数JPか
ら所定パルス数SPを減算したパルス数に達すると、制御
装置13は、補正パルス数HPを算出する。そして、パルス
数が補正パルス数HPに達すると、第1電磁弁12の通電が
停止される。すると、第1電磁弁12が閉じ、ペイント噴
射口6からのペイント噴射が停止される。第1電磁弁12
の通電が停止されてから、噴射したペイントが路面3に
届かなくなるまでに、描終タイムラグEが生じる。この
ため、描終タイムラグEの間に車両2が走行して、第1
電磁弁12の通電が停止されてから、誤差長Gだけ遅れ
て、路面3の実線が描き終わる。
そして、第1電磁弁12の通電停止時期は、誤差長G0
と、誤差長Gとが考慮されているため、路面3には、実
線設定器27で設定された長さの実線が描かれる。
次いで、第1電磁弁12の通電が停止されると、制御装
置13は、パルス発生器21の発生するパルス数がトータル
パルス数TPに達すると、制御装置13のカウントするパル
ス数をリセットして、第1電磁弁12の通電を開始し、上
記を繰り返す。
(実施例の効果) 本実施例では、各実線を描く毎の、実線を描き終わる
直前に、車両2の走行速度から誤差長Gを補正して第1
電磁弁12の通電の停止時期を算出している。このため、
車両2の走行速度が変化しても、実線設定器27およびト
ータル設定器26で設定した実線および空線を、精度良く
路面3に描くことができる。
なお、補正パルス数HPを算出する時期と、第1電磁弁
12の通電が停止される時期とは一致しないが、その間の
時間は短いため、その間に車両2の走行速度が大きく変
化することはない。このため、補正パルス数HPを算出す
る時期と、第1電磁弁12の通電が停止される時期とが一
致しなくとも、実線設定器27およびトータル設定器26で
設定した実線および空線が、精度良く路面3に描かれ
る。
(変形例) 速度検出手段の一例として、車両のスピードメータを
作動させる速度検出手段とは別に、路面ライン引装置専
用の検出手段を設けた例を示したが、例えば車両のスピ
ードメータを作動させる速度検出手段を流用して用いて
も良い。
車両の速度や、車両の走行距離をパルス数を発生する
いわゆるデジタル式の検出手段を用いて検出したが、ア
ナログ式の検出手段を用いて検出しても良い。
制御装置は、マイクロコンピュータを用いて構成して
も良く、またマイクロコンピュータを用いずに構成して
も良い。
閉弁時期の算出を、電磁弁の通電が停止される時期以
前に行ったが、例えば常に閉弁時期を算出するように設
け、その算出する閉弁時期に達したときに電磁弁の通電
を停止させても良い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の路面ライン引装置の概略を示すブロッ
ク図である。 第2図ないし第7図は本実施例を示すもので、第2図は
路面ライン引装置の概略ブロック図、第3図は路面ライ
ン引装置を搭載した車両の側面図、第4図は路面ライン
引装置のガンキャレッジの側面図、第5図は操作盤の平
面図、第6図は制御装置の働きを説明するタイムチャー
ト、第7図は制御装置による第1電磁弁の制御の一例を
示すフローチャートである。 図中 101……路面、102……車両 103……ペイント噴射手段 104……電磁弁、105……制御装置 106……速度検出手段 107……閉弁時期可変手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】路面を走行する車両に搭載され、路面に向
    かってペイントを噴射するペイント噴射手段と、 このペイント噴射手段によるペイントの噴射および噴射
    の停止を行う電磁弁と、 この電磁弁の開閉制御を行う制御装置とを具備し、 路面において破線を引くことが可能な路面ライン引装置
    において、 前記制御装置は、 車両の走行距離に応じたパルス信号を発生するパルス発
    生器と、 破線における実線長に応じた実線パルス数を算出する基
    本パルス数算出手段と、 路面に破線における実線をペイントする際、車両の走行
    速度を検出して、走行速度に応じた誤差パルス数を算出
    し、前記電磁弁を開弁している時のパルス信号のカウン
    ト数が、前記実線パルス数を前記誤差パルス数で補正し
    た補正パルス数に達した時に、前記電磁弁を閉弁する閉
    弁時期可変手段とを備える ことを特徴とする路面ライン引装置。
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