JP2503087B2 - 光学用樹脂の製造方法 - Google Patents

光学用樹脂の製造方法

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JP2503087B2
JP2503087B2 JP1330351A JP33035189A JP2503087B2 JP 2503087 B2 JP2503087 B2 JP 2503087B2 JP 1330351 A JP1330351 A JP 1330351A JP 33035189 A JP33035189 A JP 33035189A JP 2503087 B2 JP2503087 B2 JP 2503087B2
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森  薫
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高屈折率で光学特性のすぐれた光学樹脂、
なかでも架橋タイプのプラスチックレンズに関するもの
である。
[従来の技術] 最近、光学樹脂の新しいタイプとして分子内に硫黄を
含むものが開発されている。硫黄は原子屈折が高く、従
来から高屈折率要素として多用化されてきた臭素の欠点
の高比重を補う意味で重要である。
このような目的に対して、メルカプト基とイソシアナ
ート基を反応させて得られるチオカルバミン酸S−アル
キルエステル系レンズ用樹脂(特開昭60−199016号)が
知られている。しかし、この方法は高屈折率樹脂を得る
方法としては優れているものの、反応速度の速いメルカ
プト基とイソシアナート基を成型用ガラスモールド内で
直接反応しなければならず、モノマのポットライフの短
さによる操作上、品質上の問題や成型後の離型性に問題
がある。
また硫黄を含むポリオールとポリイソシアナートを反
応して得られる硫黄原子含有ポリウレタン系レンズ用樹
脂が知られている(特開昭60−217229号)。
しかし、この場合も特開昭60−199016号と同様の問題
が内在する。
これに対して、(メタ)アクリロイル基を有する化合
物とチオール基を有する化合物を、ビニル基過剰の状態
で混合し、硬化して得られる合成樹脂製光学用素子が知
られている(特開昭63−234032号)。この方法では先述
のポットライフの問題が部分的に回避できるものの、屈
折率を十分に上げられない問題があった。そこで、(メ
タ)アクリロイル基を有する化合物に脂肪族チオール化
合物を、ビニル基過剰の状態で付加反応させてプレポリ
マを得て、それと重合性脂肪族多官能ビニルモノマの混
合物の硬化物からなる光学用素子が考えられた(特開昭
63−235332号)。この方法により、ポットライフの問題
が完全に回避できるようになり、品質の優れた重合斑の
ない光学用素子ができるようになった反面、屈折率を十
分高くすることはできない。
屈折率を高くするためには、硫黄及びベンゼン環の含
有率をできるだけ高くする必要があり、前記の特開昭63
−234032号や63−235332号のように、(メタ)アクリロ
イル基や脂肪族炭化水素を使用するのは有利な方法ほと
はいえない。
これに対して、ジビニルベンゼンとp−ベンゼンジチ
オールを1:1の割合で反応させた直鎖状ポリマであっ
て、フェニル基と硫黄の含有率がきわめて高い含硫黄ポ
リマが知られている(特開昭62−270627号)。このポリ
マは1.80前後の高い屈折率を示すものの、熱可塑性であ
り、切削加工性必要とするネガレンズ用ポリマとしては
耐熱性が不足しており、実用性に乏しい。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はかかる従来技術を改善することを目的とし、
高屈折率で、かつ耐熱性を有し、離型性がよく、さらに
剛性が十分に高い光学用樹脂の製造方法を提供すること
を目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明は下記の構成からな
る。
ジビニルベンゼンと一般式(I) HS−R1−SH (I) (式中、R1は炭素数2〜12個の脂肪族性の有機基、また
は炭素数6〜16個の芳香族基含有の有機基であって、R1
中に−S−の化学形態の硫黄または−O−の化学形態の
酸素を含んでいてもよい)で表されるジチオール化合物
とを、チオール基に対するビニル基の官能基当量比が1.
8以上である範囲で、ビニル基にチオール基を付加反応
させて得られる重合性プレポリマを少なくとも重合成分
として含有する光学用樹脂の製造方法。
本発明で用いられるジビニルベンゼンは、オルト、メ
タ、パラ位のいずれのものでもよく、あるいはそれらの
混合物でもよい。
本発明においては、一般式(I) HS−R1−SH (I) (式中、R1は炭素数2〜12個の脂肪族性の有機基、また
は、炭素数6〜16個の芳香族基含有の有機基であって、
R1中に−S−の化学形態の硫黄または−O−の化学形態
の酸素を含んでいてもよい)で表されるジチオール化合
物が用いられる。R1が脂肪族性の有機基である場合に
は、その炭素数が2〜12個であるものを用いるが、炭素
数が13個を越えると本発明の重合性プレポリマが固体に
なりやすい、重合後の光学用樹脂の屈折率が低くなりや
すいといった問題を有する。また、R1が芳香族基含有の
有機基である場合も、炭素数が16個を越えると、同様の
問題を有するため、炭素数が6〜16個のものを用いる。
また、一般式(I)の化合物としては、下記一般式
(II)、(III)および(IV)で示されるジチオール化
合物から選ばれる少なくとも1種を用いることが好まし
い。
HSCH2 aSH (aは2〜6の整数を示す。) (II) HSCH2XCH2 cXCH2−SH (bは1〜6の整数、cは0、1および2から選ばれる
整数、XはOまたはSを示す。) (III) HS▲▼CH22XCH2eR2CH2e[X(C
H2 dSH (R2はフェニレン基、XはOまたはS、dは0または
1、eは0〜3の整数を示す。) (IV) 一般式(II)のaが1である場合は化学的安定性が悪
い。またaが7より大きくなると重合性プレポリマが液
状化しにくく、また液状化しても高粘性になる傾向があ
る。また、一般式(III)において、bが7を越える場
合も、重合性プレポリマが液状化しにくく、また液状化
しても高粘性になる傾向があるため、bは1〜6の整数
であることが好ましい。また、同様の理由で、cは0、
1および2から選ばれる整数であることが好ましい。ま
た、一般式(IV)のdは0または1、eは0〜3の整数
数であることが好ましい。特にeは1〜3の整数の時、
得られた光学用樹脂の耐光性が良好である。
さらに、一般式(I)で表わされる化合物のうち本発
明で最も好適に用いられる化合物は、分子内の炭素/硫
黄元素数比が5以下であって、かつ酸素を含まない化合
物であり、さらに芳香族系化合物においては、その核臭
化物が好ましい。
一般式(I)で示される化合物の具体例としては、1,
2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,6
−ヘキサンジチオール、1,12−ドデカンジチオール、メ
ルカプトメチルスルフィド、2−メルカプトエチルスル
フィド、3−メルカプトプロピルスルフィド、6−メル
カプトヘキシルスルフィド、1,2−ビス−2−メルカプ
トエチルチオエタン、1,2−ビス−3−メルカプトプロ
ピルチオエタン、1,3−ビス−2−メルカプトエチルチ
オプロパン、1,4−ビス−2−メルカプトエチルチオブ
タン、1,6−ビス−2−メルカプトエチルチオヘキサ
ン、ビス−2−(2−メルカプトエチルチオ)エチルス
ルフィド、2−メルカプトエチルエーテル、3−メルカ
プトプロピルエーテル、6−メルカプトヘキシルエーテ
ル、1,4−シクロヘキサンジチオール、ビス−2−メル
カプトエトキシメタン、1,2−ビス−2−メルカプトエ
トキシエタン、ビス−2−(2−メルカプトエトキシ)
エチルエーテルなどの脂肪族や脂環族ジチオール化合物
などが挙げられる。
また、1,4−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチ
オール、1,2−ベンゼンジチオール、、4−t−ブチル
−1,2−ベンゼンジチオール、1,2−ビス(メルカプトメ
チレン)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチレン)
ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチレン)ベンゼ
ン、1,2−ビス(メルカプトエチレン)ベンゼン、1,3−
ビス(メルカプトエチレン)ベンゼン、1,4−ビス(メ
ルカプトエチレン)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプト
メチレンチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチ
レンチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチレン
チオ)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチレン
チオ)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチレン
チオ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチレン
チオ)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチレン
チオメチレン)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプト
エチレンチオメチレン)ベンゼン、1,4−ビス(2−メ
ルカプトエチレンチオメチレン)ベンゼン、1,2−ビス
(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2−ビス
(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、4,4′−チオ
ジチオフェノール、4,4′−ビフェニルジチオールなど
の芳香族系ジチオール化合物などとその核塩化物、核臭
化物、核メチル化物および核エチル化物なども挙げられ
る。
本発明では、ジビニルベンゼンと一般式(I)で表わ
されるジチオール化合物とを、チオール基に対するビニ
ル基の官能基当量比が1.8以上、好ましくは2.0以上にな
る範囲で付加反応させて重合性プレポリマにする。官能
基当量比が1.8未満になるとプレポリマ化の際にゲル化
する傾向がある。
一方、官能基当量比の上限は原理的にいって限度はな
いが、高屈折率を得る観点からは、一般に10以下が好ま
しい。
付加反応方法としては、ジビニルベンゼンと一般式
(I)で表わされる化合物(以下、化合物(I)と略す
る)とを直接加えて反応させる方法がある。この場合、
化合物(I)が芳香族系である場合は、反応速度が速い
ために一般に発熱反応を伴いながら急速に反応する。化
合物(I)が脂肪族である場合には、一般に反応速度が
遅いために、紫外線照射したり、50〜80℃に加熱した
り、少量のアゾ系やパーオキサイド系のラジカル反応開
始剤を加えたり、トリフェニルフォスフィンやトリエチ
ルアミンなど少量の塩基性触媒を加えると都合よく反応
することが多い。これら付加反応は、ベンゼン、トルエ
ン、オクタンなど不活性な溶媒中で行なうことにより、
反応速度をコントロールでき、より一定した品質のプレ
ポリマを得ることができる。反応終了後は、低温減圧で
脱未反応モノマと脱溶媒することにより、ビニル基同士
の重合を起こさずにプレポリマを回収することができ
る。また、未反応モノマを特に除去する必要のない場合
には、脱溶媒だけでプレポリマ混合物として光学用樹脂
の成型に用いる。なお、付加反応および脱溶媒に際して
は、ハイドロキンモノメチルエーテルのような少量のラ
ジカル重合禁止剤を加えておくことも、ビニル基同士の
重合を防止する上で有効である。
付加反応においては、1,3,5−トリメルカプトベンゼ
ンやトリメルカプトエチルイソシアヌレートやペンタエ
リスリトールテトラチオグリコレートのようなチオール
基を分子内に3個あるいはそれ以上含有するチオール化
合物を、架橋剤として少量使用することも可能である。
この場合、プレポリマがゲル化しやすくなるので、トル
エン等の溶媒中の付加反応とし、チオール基に対するビ
ニル基の官能基当量比が好ましくは3以上の範囲になる
ようにし、チオール化合物をジビニルベンゼン溶液へ滴
下する等のゲル化対策をとることが必要になる。
本発明の重合性プレポリマは常温で流動性のある液状
をしていることが好ましい。それは、該プレポリマを使
用して光学溶樹脂を成型する際に注型操作や脱泡操作が
容易だからである。
本発明の重合性プレポリマを利用して光学用樹脂を成
型するときには単独であっても、混合して用いてもよ
く、スチレン、ジブロムスチレン、ジビニルベンゼンの
ようなビニル化合物、ジエチレングリコールジアリルカ
ーボネートのようなアリル化合物、3,3′,5,5′−テト
ラブロムビスフェノールAエトキシアクリレート、トリ
ブロムフェノキシエチルアクリレートのようなエチレン
性二重結合を有する他のモノマ類やオリゴマ類、チオー
ル化合物、チオール基やアルコール性、フェノール性水
酸基と反応し得るイソシアネート化合物、イソチオシア
ネート化合物および、エポキシ化合物、アミノ基を含む
化合物とエポキシ化合物など該重合性プレポリマと直
接、間接あるいは全く別個に重合反応し得る化合物、さ
らには、非反応性のポリマやオリゴマや可塑剤を併用し
てもよい。これらの併用物は該重合性プレポリマと混合
した際に、常温で液状であることが好ましい。
本発明の重合性プレポリマの大部分はビニル基を分子
内に2個原則的に持つので、架橋性プレポリマである。
このプレポリマに併用する他のモノマ類がスチレンやジ
ブロムスチレンやトリブロムフェノキシエチルアクリレ
ートのように一官能性である場合、該重合性プレポリマ
は高屈折率付与性架橋剤として作用する。また、該重合
性プレポリマをジビニルベンゼンのように多官能性且つ
架橋密度の高いモノマと併用する場合には、該重合性プ
レポリマは高屈折率付与性架橋密度調節剤として作用
し、得られた光学用樹脂の機械的強度、特に靭性付与に
有効な働きをする。従って本発明の重合性プレポリマは
全体の5重量%以上含まれていることが好ましく、さら
に好ましくは10重量%以上含まれておれば、光学用樹脂
として本発明の効果が得られるのである。
上記重合性プレポリマもしくは併用物との混合物から
本発明の光学用樹脂を得るには、通常のラジカル重合で
用いられるラジカル開始剤を加えたり、光重合開始剤を
加え、加熱もしくは活性光線照射することによってエチ
レン性二重結合部分を重合させる。この時、少量の紫外
線吸収剤や酸化防止剤を加えるのが普通である。
本発明により得られる光学用樹脂は架橋樹脂であるの
で、板間重合やモールド内重合を行ない成型状樹脂物と
するのが一般的である。
本発明により得られる光学用樹脂はレンズとして用い
る場合は必要に応じ、ハードコート、反射防止コート、
防曇剤コート、防汚剤コートなど機能材の表面コートを
行なうことができるし、染色なども行なうことができ
る。
[実施例] 以下、実施例により、本発明を詳しく説明する。
本発明の実施例および比較例で用いる屈折率、アッベ
数及びショアD硬度の測定方法を次に示す。
屈折率:ヘリウムd線(587nm)における屈折率をプル
フリッヒ屈折計で測定した。
アッベ数:水素C線(656nm),F線(486nm)およびヘリ
ウムd線(587nm)の屈折率をそれぞれnc、nF、ndとす
ると、次式に従いアッベ数νを計算した。
ショアD硬度:ショアD硬度計により測定した。
実施例1〜3、比較例1 p−ジビニルベンゼンと1,4−ベンゼンジチオールを
[CH2=CH−]/[−SH]比率で表1のとおりに計量
し、20℃で攪拌しながら反応させ、IRでSH基(2550c
m-1)を経時的に定量し、約2時間かけてプレポリマを
合成した。ついでこのものに重合開始剤としてt−ブチ
ルパーオキシイソブチレートを0.5wt%添加し、混合脱
気後ガラス製モールド中に注入した。60℃で2時間、80
℃で4時間、100℃で3時間、さらに120℃で4時間加熱
して重合反応させた。
得られた実施例1〜3の樹脂はいずれもガラス型から
の離型性が極めて容易であり、光学的ひずみがなく、剛
性が高く、充分な耐熱性を有し、切削研磨も容易に行な
えた。光学特性および硬度を表1に示した。
比較例1で得られた樹脂はプレポリマ化中にゲル化し
やすく反応が容易でなかった。また表1に示すごとく硬
化物の硬度も低かった。
実施例4、5、比較例2 p−ジビニルベンゼンと2−メルカプトエチルスルフ
ィドを[CH2=CH−]/[−SH]比率で表2のように計
量し、さらにクロロホルム50g、アゾビスジメチルバレ
ロニトリル0.2gを加えてよく混合した。経時的にSH基を
定量しながら、60℃で反応させ、約2時間後に残存SH基
のないことを確認してプレポリマ合成の終点とした。つ
いでこのものを30℃に加熱しながらクロロホルムを減圧
除去した。重合開始剤としてt−ブチルパーオキシイソ
ブチレート0.25gを加えてよく混合した後、脱泡、脱気
してこれをガラスモールド中に注入した。実施例1と同
じ条件で重合させて得られた実施例4および実施例5の
樹脂は、充分な耐熱性を有し、離型性もよく、光学的ひ
ずみがなく、強靭であり、切削、研磨加工も容易であっ
た。
光学特性および硬度を表2に示した。実施例4および
実施例5に比べて比較例2はゲル化しやすいためプレポ
リマ化が容易でなく、また硬化物の硬度も低かった。
実施例6 実施例1においてp−ジビニルベンゼンの代わりに市
販のジビニルベンゼン(ジビニルベンゼン57wt%、エチ
ルビニルベンゼン39wt%)66.7g、1,4−ベンゼンジチオ
ールの代わりに1,4−ジメルカプトメチルベンゼン33.3g
(この場合[CH2=CH−]/[−SH]=2.0)を用いる以
外はすべて同様にしてプレポリマの合成と重合反応をさ
せた。
得られた樹脂はガラスモールドから容易に離型し、光
学的ひずみがなく、充分な耐熱性を有し、剛性が高く、
切削、研磨も容易であった。屈折率nd1.63、アッベ数ν
d31と高く、室温でのショア硬度[D]は75でレンズ用
樹脂として十分な硬さであった。
実施例7 実施例1においてp−ジビニルベンゼンの代わりに市
販のジビニルベンゼン(ジビニルベンゼン57wt%、エチ
ルビニルベンゼン39wt%)78.4g、1,4−ベンゼンジチオ
ールの代わりに1,2−エタンジチオール21.6g(この場合
[CH2=CH−]/[−SH]=2.0)を用いる以外はすべて
同様にしてプレポリマの合成と重合反応をさせた。
得られた樹脂は離型性が良好であり、光学的ひずみも
なく、充分な耐熱性を有し、強靭で切削、研磨も容易で
あった。屈折率はnd1.61と高く、アッベ数νは31であ
った。室温でのショア硬度[D]は78でありレンズ用樹
脂として十分な硬さであった。
比較例3 実施例1において、p−ジビニルベンゼンと1,4−ベ
ンゼンジチオールの混合物をプレポリマ化せずに、実施
例1と同様の重合開始剤を加えてガラスモールドに注入
し、同様の重合条件で直接重合反応させた。攪拌不能の
静置反応によるためか、得られた樹脂はショア硬度
[D]が50と低かった。また、スポットライトによる観
察で顕著な光学的ひずみが観測された。
比較例4 実施例3において、p−ジビニルベンゼンと1,4−ベ
ンゼンジチオールの混合物をプレポリマ化せずに、実施
例3と同様の重合開始剤を加えてガラスモールドに注入
し、同様の重合条件で直接重合させた。
得られた樹脂の硬さはレンズ用素材として十分であっ
たが、攪拌不能の静置反応によるためか、スポットライ
トによる観察で顕著な光学的ひずみが多くみられた。
実施例8 実施例1において合成したプルポリマ30.0gと市販の
ジビニルベンゼン(ジビニルベンゼン57wt%、エチレビ
ニルベンゼン39wt%)70.0g、さらに重合開始剤として
t−ブチルパーオキシイソブチレート0.5wt%を添加
し、実施例1と同様にして重合反応させた。
得られた樹脂は、ガラス型からの離型が容易であり、
ジビニルベンゼン単独ポリマでは多発する光学ひずみが
全くみられなかった。剛性も高く、切削加工、研磨も容
易であった。
また屈折率ndは1.63、アッベ数νは29と高く、室温
でのショア硬度[D]は89であった。
実施例9 実施例1において合成したプレポリマ50.0gとジエチ
レングリコールビスアリルカーボネート(CR−39モノ
マ)50.0g、さらに重合開始剤としてジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート1.5wt%、t−ブチルパーオキ
シイソブチレート0.3wt%を添加し、混合脱気後、ガラ
ス製モールド中に注入した。
40℃で5時間、60℃で2時間、80℃で4時間、100℃
で3時間、さらに120℃で4時間加熱して重合反応させ
た。
得られた樹脂のガラス型からの離型は容易であり、高
剛性で光学的ひずみもなかった。また、切削、研磨加工
も容易であった。
屈折率ndは1.59、アッベ数νは34と高く、室温での
ショア硬度は85であり、レンズ用樹脂として充分な硬さ
であった。
実施例10 市販のジビニルベンゼン(ジビニルベンゼン57wt%、
エチルビニルベンゼン39wt%)100gとビス−2−(2−
メルカプトエチルチオ)エチルスルフィド64.2g(この
場合[CH2=CH]/[−SH]=2.5)の混合物にt−ブチ
ルパーオキシネオデカノエートを0.2wt%加え、50℃で
5時間反応させて重合性プレポリマを合成した。
両末端にエチレンオキサイドを1モルずつ付加した3,
3′5,5′−テトラブロモビスフェノールAのジアクリレ
ート50gと上記の重合性プレポリマ50gを加熱混合後、重
合開始剤としてt−ブチルパーオキシイソブチレートを
0.1wt%加えて60℃で2時間、80℃で4時間、100℃で3
時間、さらに120℃で4時間加熱して重合した、屈折率
1.62で剛性且つ靭性の優れたポリマが得られた。
実施例11 市販のジビニルベンゼン(ジビニルベンゼン57wt%、
エチルビニルベンゼン39wt%)100gと1,4−ビス(2−
メルカプトエチレンチオメチレン)ベンゼン68.0g(こ
の場合[CH2=CH]/[−SH]=2.5)の混合物にt−ブ
チルパーオキシネオデカノエートを0.2wt%加え、45℃
で5時間反応させて重合性プレポリマを合成した。
ジエチレングリコールジメタクリレート50gと上記の
重合性プレポリマ50gを混合後、重合開始剤としてt−
ブチルパーオキシイソブチレートを0.1wt%加えて60℃
で2時間、80℃で4時間、100℃で3時間、さらに120℃
で4時間加熱重合した。屈折率およそ1.56の硬度、靭性
の優れたポリマが得られた。
[発明の効果] 本発明により得られる光学用樹脂はガラスモールドか
らの離型性が良好であり、高屈折率で高剛性、高硬度、
高耐熱性、高靭性、さらに光学的ひずみがないなどとい
った優れた性能を持っている。さらに、重合操作が容易
なため均質、均一な製品を安定に提供することができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−270627(JP,A) 特開 昭63−150324(JP,A) 特開 昭63−277244(JP,A) 特開 平1−197528(JP,A) 特開 平2−251533(JP,A) 特開 平2−283731(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジビニルベンゼンと一般式(I) HS−R1−SH (I) (式中、R1は炭素数2〜12個の脂肪族性の有機基、また
    は、炭素数6〜16個の芳香族基含有の有機基であって、
    R1中に−S−の化学形態の硫黄または−O−の化学形態
    の酸素を含んでいてもよい)で表されるジチオール化合
    物とを、チオール基に対するビニル基の官能基当量比が
    1.8以上である範囲で、ビニル基にチオール基を付加反
    応させて得られる重合性プレポリマを少なくとも重合成
    分として含有する光学用樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】一般式(I)で表される化合物として、下
    記一般式(II)、(III)および(IV)で示されるジチ
    オール化合物から選ばれる少なくとも1種を用いること
    を特徴とする請求項(1)記載の光学用樹脂の製造方
    法。 HS−(CH2−SH(aは2〜6の整数を示す。) (I
    I) HS−(CH2−[X−(CH2−]−X−(CH2
    −SH (bは1〜6の整数、cは0、1および2から選ばれる
    整数、XはOまたはSを示す。) (III) HS−[(CH22X]−(CH2eR2−(CH2)−[X
    (CH2−SH (R2はフェニレン基、XはOまたはS、dは0または
    1、eは0〜3の整数を示す。) (IV)
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