JP3872155B2 - 硬化性組成物およびそれからなる光学材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性組成物およびそれからなる光学材料に関する。さらに詳しくは、眼鏡用プラスチックレンズ、フレネルレンズ、レンチキュアーレンズ、光ディスク基板、プラスチック光ファイバー、LCD用プリズムシート、導光板、拡散シート等の光学材料、塗料、接着剤、封止材等の原料として有用な硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ジエチレングリコールジアリルカーボネート樹脂等は、ガラス等と対比して軽量で取扱いが容易であることから、光学材料用樹脂として汎用されている。
しかしながら、これらの光学材料用樹脂には、屈折率が低く、複屈折率や分散能が大きく、耐熱性や耐衝撃性に劣るという欠点がある。
【0003】
これらの欠点、なかでも特に屈折率を向上させる方法について近年検討されており、例えば、特公平5−4404号公報には、芳香環にハロゲンを導入した樹脂が提案されている。しかしながら、前記樹脂は、屈折率が1.60と高いが、比重が1.37と大きいため、例えばプラスチックレンズに用いた場合には、かかるレンズに要求される軽量性が満足されないという欠点がある。
【0004】
一方、樹脂の高屈折率化を図ることを目的として、樹脂原料のモノマー分子内に原子屈折率が高い硫黄原子の含有率を高めることが試みられている(特開平2−270859号公報、特開平5−208950号公報)。ここで、硫黄原子の含有率を高めるためには、一般にメルカプト化合物が用いられている。メルカプト化合物としては、例えばメタンチオール、エタンチオール、エタンジチオールなどの低分子量メルカプト化合物が広く知られている。ところが、これらの低分子量メルカプト化合物は、メルカプト基に基づく特有の臭気があり、また、樹脂を硬化させるために用いられる他の樹脂原料との組成比の関係でその使用量が制限されるという欠点がある。
【0005】
このため、低分子量メルカプト化合物の代わりに、トリメチロールプロパントリス−(チオグリコレート)やペンタエリスリトールテトラキス−(チオグリコレート)などのエポキシ樹脂硬化剤として用いられている分子量が大きい多官能性のメルカプト化合物の使用が考えられている。しかしながら、この種のメルカプト化合物は、分子量が大きいので臭気が少なく、取扱い性が良好であるという利点があるが、分子内の硫黄原子の含有率が低いため、樹脂中の硫黄原子の含有率を理想的に高め所望の屈折率を得ることが困難であるという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、本発明の第1の目的は、屈折率が高く、比重が小さい樹脂を与え、しかも取り扱い性に優れた硬化性組成物を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、前記硬化性組成物からなる光学材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 式(I):
C(CH2 SCH2 CH2 SCH2 CH2 SH)4 (I)
で表わされるテトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン5〜90重量%および該テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンと共重合可能な化合物10〜95重量%を含有してなる硬化性組成物であって、前記共重合可能な化合物が、ポリイソシアナート化合物、ポリイソチオシアナート化合物およびイソシアナート基を有するイソチオシアナート化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である硬化性組成物、
〔2〕 式(I):
C(CH 2 SCH 2 CH 2 SCH 2 CH 2 SH) 4 (I)
で表わされるテトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン5〜90重量%および該テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンと共重合可能な化合物10〜95重量%を含有してなる硬化性組成物であって、前記共重合可能な化合物が重合性不飽和結合を有するモノマーである硬化性組成物、
〔3〕 式(I):
C(CH 2 SCH 2 CH 2 SCH 2 CH 2 SH) 4 (I)
で表わされるテトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン5〜90重量%および該テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンと共重合可能な化合物10〜95重量%を含有してなる硬化性組成物であって、前記共重合可能な化合物がエポキシ化合物である硬化性組成物、ならびに
〔4〕 前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の硬化性組成物を共重合させてなる光学材料
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の硬化性組成物は、前記したように、式(I):
C(CH2 SCH2 CH2 SCH2 CH2 SH)4 (I)
で表わされるテトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン5〜90重量%および該テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンと共重合可能な化合物10〜95重量%を含有したものである。
【0009】
本発明に用いられるテトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンは、特願平8−103173号に記載された方法で製造することができる。即ち、例えば、ビス−(2−メルカプトエチル)サルファイトとペンタエリスリチルテトラブロミドなどのペンタエリスリチルテトラハライドとを水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下で必要に応じテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミドなどの4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩を触媒として反応させることにより得ることができる。ビス−(2−メルカプトエチル)サルファイトとペンタエリスリチルテトラハライドとの反応は、両者を混合し、加熱下で上述の塩基を添加しながら攪拌することにより行なわれる。このときの反応温度は、通常、30〜120℃に設定することが好ましい。ビス−(2−メルカプトエチル)サルファイトとペンタエリスリチルテトラハライドとの使用割合は、ペンタエリスリチルテトラハライドに対してビス−(2−メルカプトエチル)サルファイトを4倍モル以上に設定することが好ましく、4〜50倍モルに設定することがより好ましい。また、塩基の使用量は、通常、ペンタエリスリチルテトラハライドの4〜6倍モルに設定することが好ましい。触媒の使用量は、通常、ペンタエリスリチルテトラハライドの0.01〜1.0倍モルに設定することが好ましい。
【0010】
前記テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンと共重合可能な化合物としては、ポリイソシアナート化合物、ポリイソチオシアナート化合物およびイソシアナート基を有するイソチオシアナート化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマー(第1の態様)、重合性不飽和結合を有するモノマー(第2の態様)、エポキシ化合物(第3の態様)が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、任意のモノマーを適宜組み合わせて使用することもできる。
いずれの態様においてもテトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンの配合量は、5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは10〜75重量%である。5重量%未満であると得られる光学材料の屈折率が低くなり、90重量%を越えると硬化性組成物の重合反応が困難となる。
【0011】
即ち、第1の態様の硬化性組成物は、テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン(5〜90重量%)、並びにポリイソシアナート化合物、ポリイソチオシアナート化合物及びイソシアナート基を有するイソチオシアナート化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマー(10〜95重量%)とをモノマー成分として含有することを特徴とする。
第1の態様におけるポリイソシアナート化合物としては特に限定されず、例えば、脂肪族ポリイソシアナート類、脂環式ポリイソシアナート類、芳香族ポリイソシアナート類、含硫黄ポリイソシアナート類などを挙げることができる。
【0012】
脂肪族ポリイソシアナート類としては、エチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナートエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナートプロピル)ベンゼン、ビス(イソシアナートブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナートメチル)ナフタリン等であり、好ましくはヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナートエチル)ベンゼンであり、さらに好ましくはキシリレンジイソシアナートである。
【0013】
脂環式ポリイソシアナート類としては、イソホロンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、2,2’−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアナート等であり、好ましくはイソホロンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート、ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンである。
【0014】
芳香族ポリイソシアナート類としては、トリレンジイソシアナート、フェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、エチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ベンゼントリイソシアナート、トリメチルベンゼントリイソシアナート、ナフタリンジイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、トルイジンジイソシアナート等であり、好ましくはトリレンジイソシアナートである。
【0015】
含硫黄ポリイソシアナート類としては、チオジエチルジイソシアナート、ジチオジエチルジイソシアナート、チオジプロピルジイソシアナート、ジチオジプロピルジイソシアナート、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルスルフィド−2,4’−ジイソシアナート、ビス(4−イソシアナートメチルベンゼン)スルフィド、1,4−ジチアン−2,5−ジイソシアナート、ジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアナート等であり、好ましくはジフェニルスルフィド−4,4’−ジイソシアナートである。
【0016】
第1の態様におけるポリイソチオシアナート化合物としては特に限定されず、例えば、脂肪族または脂環式ポリイソチオシアナート類、芳香族ポリイソチオシアナート類、含硫黄ポリイソチオシアナート類などを挙げることができる。
【0017】
脂肪族または脂環式ポリイソチオシアナート類としては、1,2−ジイソチオシアナートエタン、1,3−ジイソチオシアナートプロパン、1,4−ジイソチオシアナートブタン、p−フェニレンジイソプロピリデンジイソチオシアナート、シクロヘキサンジイソチオシアナート等である。
【0018】
芳香族ポリイソチオシアナート類としては、1,2−ジイソチオシアナートベンゼン、1,3−ジイソチオシアナートベンゼン、1,4−ジイソチオシアナートベンゼン、2,4−ジイソチオシアナートトルエン、2,5−ジイソチオシアナート−m−キシレン、4,4’−ジイソチオシアナート1,1’−ビフェニル、1,1’−メチレンビス(4−イソチオシアナートベンゼン)等であり、好ましくは1,2−ジイソチオシアナートベンゼン、1,3−ジイソチオシアナートベンゼン、1,4−ジイソチオシアナートベンゼンである。
【0019】
含硫黄ポリイソチオシアナート類としては、チオビス(2−イソチオシアナートエタン)、ジチオビス(2−イソチオシアナートエタン)、チオビス(3−イソチオシアナートプロパン)、チオビス(4−イソチオシアナートベンゼン)、スルホニルビス(4−イソチオシアナートベンゼン)等である。
【0020】
第1の態様におけるイソシアナート基を有するイソチオシアナート化合物としては特に限定されず、例えば、脂肪族または脂環式化合物、芳香族化合物、含硫黄化合物などを挙げることができる。
【0021】
脂肪族または脂環式化合物としては、1−イソシアナート−3−イソチオシアナートプロパン、1−イソシアナート−6−イソチオシアナートヘキサン、1−イソシアナート−4−イソチオシアナートシクロヘキサン等である。
【0022】
芳香族化合物としては、1−イソシアナート−4−イソチオシアナートベンゼン、4−メチル−3−イソシアナート−1−イソチオシアナートベンゼン等である。
【0023】
含硫黄化合物としては、4−イソシアナート−4’−イソチオシアナートジフェニルスルフィド等である。
【0024】
第2の態様の硬化性組成物は、式(I)で表されるメルカプト化合物(5〜90重量%)、重合性不飽和結合を有するモノマー(10〜95重量%)とをモノマー成分として含有することを特徴とする。
【0025】
上記重合性不飽和結合を有するモノマーとしては特に限定されず、例えば、芳香族ビニル化合物、脂環式ビニル化合物、(メタ)アクリル酸、単官能(メタ)アクリル酸誘導体、多官能(メタ)アクリル酸誘導体などを挙げることができる。ここで、「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」および「メタクリ」の双方を意味する(以下同様)。
【0026】
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、ブチルチオスチレン、ジビニルベンゼン等であり、好ましくはスチレン、ジビニルベンゼンである。
【0027】
脂環式ビニル化合物としては、シクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキセン、1,5−シクロオクタジエン、5−ビニルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン等である。
【0028】
単官能(メタ)アクリル酸誘導体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、クロロフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、シアノフェニル(メタ)アクリレート、クロロメチル(メタ)アクリレート、ブロモエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等であり、好ましくはメチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートである。
【0029】
多官能(メタ)アクリル酸誘導体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(またはテトラ)(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド等のポリチオールポリ(メタ)アクリレートであり、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(またはテトラ)(メタ)アクリレート、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィドである。
上記重合性不飽和結合を有するモノマーは、単独で用いても良いし、2種以上の任意のモノマーを組み合わせて用いることもできる。
【0030】
第3の態様の硬化性組成物は、式(I)で表わされるメルカプト化合物(5〜90重量%)及びエポキシ化合物(10〜95重量%)とをモノマーとして含有することを特徴とする。
上記エポキシ化合物としては、エポキシ基を有するモノマー、エポキシ基を有するオリゴマーなどが挙げられる。
【0031】
上記エポキシ基を有するモノマー及び上記エポキシ基を有するオリゴマーとしては特に限定されず、例えば、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル等の単官能グリシジルエーテル類;
【0032】
1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の多官能グリシジルエーテル類;
【0033】
ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル〕スルフィド、1,4−ジ(2,3−エポキシプロピルチオ)ベンゼン等の多官能グリシジルチオエーテル類;
【0034】
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジメチルジグリシジルヘキサヒドロフタレート等のグリシジルエステル類;ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル、ブロモ化ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビフェノールグリシジルエーテル、テトラメチルビフェノールグリシジルエーテル、レゾルシングリシジルエーテル、ハイドロキノングリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレングリシジルエーテル、ビスフェノールノボラック樹脂グリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂グリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂グリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂グリシジルエーテル、テルペンフェノール樹脂グリシジルエーテル、ナフトールノボラック樹脂グリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類;
【0035】
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、アリルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレンオキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジエチルシロキサン等の脂環式エポキシ樹脂化合物等を挙げることができる。
【0036】
好ましくは、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル〕スルフィド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ブロモ化ビスフェノールAグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートである。
上記エポキシ化合物は、単独で用いても良いし、2種以上の任意のエポキシ化合物を組み合わせて用いることもできる。
【0037】
本発明の硬化性組成物は、通常の方法により熱、あるいは紫外線等の光により、また重合開始剤等を用いることにより共重合させることができる。
第1の態様の場合は、例えば60〜150℃に加熱することにより共重合させることができる。
第2の態様の場合は、重合開始剤として、例えば2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のラジカル重合開始剤を用いて共重合させることができる。
第3の態様の場合は、例えば、カチオン重合開始剤を用いて共重合させることができる。
【0038】
上記カチオン重合開始剤としては特に限定されず、例えば、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素・アミン錯体、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、塩化鉄(III) 、塩化亜鉛等のルイス酸類;アンモニウム塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、ホスホニウム塩等を挙げることができる。
また、本発明ではいずれの態様においても、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、重合禁止剤、離型剤、消泡剤、ブルーイング剤、蛍光染料などの添加剤を必要に応じて適宜加えてもよい。
【0039】
本発明の光学材料は、以上の硬化性組成物を共重合させることにより得られるものである。共重合反応は、前記のような硬化触媒や重合開始剤を適宜使用して、通常公知の方法に準じて行えばよい。
【0040】
即ち、共重合に際しての重合温度および重合時間については、硬化性組成物の組成、用途、使用する重合開始剤の種類およびその使用量により異なるため一概には規定できないが、例えば重合温度については0〜200℃、好ましくは20〜150℃の範囲であり、なかでも第1の態様では前記のように60〜150℃が好ましい。重合時間については0.2〜100時間、好ましくは1〜72時間である。
なお、本発明の光学材料は、このような方法で得られる光学材料と同一の構造、即ち本発明におけるモノマー成分を繰り返し単位として有するものであれば、上記以外の方法で得られるものであってもよい。
【0041】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
【0042】
製造例1
攪拌機、温度計および冷却器を備えた1000mL容の四つ口フラスコを用意し、これにビス−(2−メルカプトエチル)サルファイトを600g(3.9モル)、ペンタエリスリチルテトラブロミドを50g(0.129モル)および触媒としてのテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミドを4.1g(0.0127モル)加えた。次に、これを80〜100℃に加熱し、窒素雰囲気下で10%水酸化ナトリウム水溶液を219g(0.53モル)滴下した。その後、80〜100℃に維持しながら3時間攪拌した。
つぎに、反応液を50℃まで冷却し、分液して2回水洗した後に有機層を減圧下で濃縮した。この濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離したところ、式(I)で示されるテトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン72.6g(0.107モル)が得られた。
【0043】
実施例1
テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン(HIS4)11.6g(64重量%)とm−キシリレンジイソシアナート6.4g(36重量%)との混合物を均一に混合して硬化性組成物を得た。
この硬化性組成物を充分に脱気した後、直径5cm、厚さ0.3cmのガラスモールドに注入し、60℃で5時間加熱した後、15時間かけて100℃まで昇温し、100℃で3時間、ついで120℃で3時間保った後、脱型した。得られた光学材料は、均一で無色透明であった。以下の方法により、得られた光学材料の各物性を評価した。その結果を表1に示す。
【0044】
(1)屈折率およびアッベ数
アッベ屈折計((株)アタゴ製、4T型)を用いて、20℃における屈折率およびアッベ数を測定した。
(2)比重
JIS−K6911に従って測定した。
【0045】
実施例2
表1に示した組成を有する硬化性組成物100重量部に、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製、商品名:V−65)0.8重量部を添加し、均一に溶解させた。
つぎに、この硬化性組成物を充分に脱気し、直径5cm、厚さ0.3cmのガラスモールドに注入し、36℃で7時間加熱した後、7時間かけて80℃まで昇温し、80℃で1時間保った後、脱型した。得られた光学材料は、均一で無色透明であった。実施例1と同様にして、各物性を評価した。その結果を表1に示す。
【0046】
実施例3
表1に示した組成を有する硬化性組成物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして光学材料を調製し、各物性を評価した。その結果を表1に示す。
【0047】
実施例4
表1に示した硬化性組成物100重量部に、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(和光純薬工業(株)製)0.5重量部を添加し、均一に溶解させた。
つぎに、この硬化性組成物を充分に脱気した後、直径5cm、厚さ0.3cmのガラスモールドに注入し、50℃で2時間加熱した後、3時間かけて80℃まで昇温し、80℃で5時間保った後、3時間かけて100℃まで昇温し、100℃で10時間保った後、脱型した。得られた光学材料は、均一で無色透明であった。実施例1と同様にして、各物性を評価した。その結果を表1に示す。
【0048】
実施例5
表1に示した硬化性組成物100重量部に、ラジカル重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製、商品名:パーブチルO)1.0重量部を添加し、均一に溶解させた。
つぎに、この硬化性組成物を充分に脱気した後、直径5cm、厚さ0.3cmのガラスモールドに注入し、55℃で7時間加熱した後、4時間かけて90℃まで昇温し、90℃で2時間保った後、1時間かけて130℃まで昇温し、130℃で1時間保った後、脱型した。得られた光学材料は均一で無色透明であった。実施例1と同様にして、各物性を評価した。その結果を表1に示す。
【0049】
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜5で得られた光学材料は、いずれも、従来の優れた光学材料(屈折率1.60、比重1.37)よりも優れた性質を有する。即ち、実施例1で得られた光学材料は屈折率1.66、比重1.35であり、実施例2で得られた光学材料は屈折率1.64、比重1.19であり、実施例3で得られた光学材料は屈折率1.66、比重1.24であり、実施例4で得られた光学材料は屈折率1.70、比重1.35であり、実施例5で得られた光学材料は屈折率1.69、比重1.324である。
【0050】
表1中、HIS4は、テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンを、mXDIは、m−キシリレンジイソシアナートを、DVBは、純度80%の高純度ジビニルベンゼンを、MPSMAは、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィドを、Stは、スチレンを、MPGは、ビス〔4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニル〕スルフィドを、TDIは、トリレンジイソシアナートを、DMDSは、ビス−(2−メルカプトエチル)サルファイトをそれぞれ表す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】
本発明は、硫黄原子の含有率が高く従って屈折率が高く、しかも比重の小さな樹脂を製造するための、光学材料として極めて有用な硬化性組成物を提供することができる。さらに該硬化性組成物を硬化反応に付すことにより得られる光学材料を提供することができる。
Claims (4)
- 式(I):
C(CH 2 SCH 2 CH 2 SCH 2 CH 2 SH) 4 (I)
で表わされるテトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン5〜90重量%および該テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンと共重合可能な化合物10〜95重量%を含有してなる硬化性組成物であって、前記共重合可能な化合物が、ポリイソシアナート化合物、ポリイソチオシアナート化合物およびイソシアナート基を有するイソチオシアナート化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である硬化性組成物。 - 式(I):
C(CH 2 SCH 2 CH 2 SCH 2 CH 2 SH) 4 (I)
で表わされるテトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン5〜90重量%および該テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンと共重合可能な化合物10〜95重量%を含有してなる硬化性組成物であって、前記共重合可能な化合物が重合性不飽和結合を有するモノマーである硬化性組成物。 - 式(I):
C(CH 2 SCH 2 CH 2 SCH 2 CH 2 SH) 4 (I)
で表わされるテトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン5〜90重量%および該テトラキス−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタンと共重合可能な化合物10〜95重量%を含有してなる硬化性組成物であって、前記共重合可能な化合物がエポキシ化合物である硬化性組成物。 - 請求項1〜3いずれか記載の硬化性組成物を共重合させてなる光学材料。
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