JPH10330450A - 硬化性組成物およびそれからなる光学材料 - Google Patents

硬化性組成物およびそれからなる光学材料

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JPH10330450A
JPH10330450A JP9155808A JP15580897A JPH10330450A JP H10330450 A JPH10330450 A JP H10330450A JP 9155808 A JP9155808 A JP 9155808A JP 15580897 A JP15580897 A JP 15580897A JP H10330450 A JPH10330450 A JP H10330450A
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JP
Japan
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polythiol
meth
acrylate
curable composition
compound
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Pending
Application number
JP9155808A
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English (en)
Inventor
Katsumasa Yamamoto
勝政 山本
Kenichi Wakimura
謙一 脇村
Naoko Sato
直子 佐藤
Michio Suzuki
道夫 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd filed Critical Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority to JP9155808A priority Critical patent/JPH10330450A/ja
Publication of JPH10330450A publication Critical patent/JPH10330450A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高屈折率を有し、低分散能の光学特性に優れた
樹脂を与える硬化性組成物を提供すること。 【解決手段】(A)一般式(I): 【化1】 (式中、pおよびqはそれぞれ独立して1または2、m
およびnはそれぞれ独立して0、1または2を示す)で
表わされるポリチオール5〜90重量%および(B)前
記ポリチオールと共重合可能な化合物10〜95重量%
を含有してなる硬化性組成物、ならびに前記硬化性組成
物を共重合させてなる光学材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性組成物およ
びそれからなる光学材料に関する。さらに詳しくは、眼
鏡用プラスチックレンズ、フレネルレンズ、レンチキュ
アーレンズ、光ディスク基板、プラスチック光ファイバ
ー、LCD用プリズムシート、導光板、拡散シートなど
の光学材料、塗料、接着剤、封止剤などとして有用な硬
化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリスチレン系樹脂、ポリメチル
メタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ジエ
チレングリコールジアリルカーボネート樹脂などは、ガ
ラスと対比して軽量で取扱いが容易であることから、光
学材料用樹脂として汎用されている。しかしながら、こ
れらの光学材料用樹脂には、屈折率が低く、複屈折率や
分散能が大きく、耐熱性や耐衝撃性に劣るという欠点が
ある。特にレンズ用材料として用いられているジエチレ
ングリコールジアリルカーボネート樹脂などは、屈折率
が1.50と低いため、レンズとして使用した場合には
コバ厚や中心厚が大きくなるため、レンズの外観が悪く
なり、また重量の増大を招くという欠点がある。
【0003】これらの欠点、なかでも特に屈折率を向上
させる方法について近年検討されている。例えば、特公
平5−4404号公報には、芳香環にハロゲンを導入し
た樹脂が提案されている。しかしながら、前記樹脂は、
屈折率が1.60と高いが、比重が1.37と大きいた
め、例えばプラスチックレンズに用いた場合には、かか
るレンズに要求される軽量性が満足されないという欠点
がある。
【0004】また、特公平4−15249号公報および
特開昭60−199016号公報には、イソシアナート
化合物とポリチオールとを共重合させて得られた樹脂が
開示されている。しかしながら、この樹脂は、屈折率が
1.60と大きいものの、製造時における重合温度が比
較的低く、また重合速度が高いので重合時の熱制御が困
難であり、そのため光学歪が大きいという欠点がある。
【0005】また、特開平3−54226号公報には、
ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、
スチレンおよびポリチオールを共重合させて得られた樹
脂が開示されている。しかしながら、この樹脂は、屈折
率が1.65と大きいが、アッベ数が低く、分散能が大
きいという欠点がある。
【0006】そこで、本発明者らは、これらの欠点を解
消する化合物として、新規な含硫黄化合物および該硫黄
化合物を含有する硬化性組成物をすでに提案している
(特開平9−59248号公報)。しかしながら、これ
らの硬化性組成物においても、屈折率や分散能等の面で
より一層の向上が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、高屈折率を有し、低分
散能の光学特性に優れた樹脂を与える硬化性組成物を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
(1) (A)一般式(I):
【0009】
【化2】
【0010】(式中、pおよびqはそれぞれ独立して1
または2、mおよびnはそれぞれ独立して0、1または
2を示す)で表わされるポリチオール5〜90重量%お
よび(B)前記ポリチオールと共重合可能な化合物10
〜95重量%を含有してなる硬化性組成物、(2)
(B)前記ポリチオールと共重合可能な化合物が、ポリ
イソシアナート化合物、ポリイソチオシアナート化合
物、イソシアナート基を有するイソチオシアナート化合
物、重合性不飽和結合を有するモノマー、エポキシ基を
有するモノマー、エポキシ基を有するオリゴマー、およ
び前記(A)ポリチオール以外の複数のチオール基を有
するモノマーからなる群より選ばれた少なくとも1種で
ある前記(1)記載の硬化性組成物、ならびに(3)
前記(1)または(2)記載の硬化性組成物を共重合さ
せてなる光学材料に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の硬化性組成物は、前記し
たように、(A)一般式(I):
【0012】
【化3】
【0013】(式中、pおよびqはそれぞれ独立して1
または2、mおよびnはそれぞれ独立して0、1または
2を示す)で表わされるポリチオール5〜90重量%お
よび(B)前記ポリチオールと共重合可能な化合物10
〜95重量%を含有したものである。
【0014】本発明においては、前記一般式(I)で表
わされるポリチオールが用いられている点に、1つの大
きな特徴がある。
【0015】本発明においては、前記ポリチオールは、
前記ポリチオールと共重合可能な化合物との相溶性に優
れたものであり、該ポリチオールよりも融点が高い化合
物と容易に共重合するという優れた性質を有する。ま
た、前記ポリチオールのなかでも、特に室温において液
体であるものは、低温での取扱いが容易であるので、作
業性および安全性にも優れた化合物である。
【0016】前記一般式(I)で表わされるポリチオー
ルにおいて、pおよびqは、3以上の整数である場合に
は、その合成が困難であり、実用的ではないので、それ
ぞれ独立して1または2とされる。
【0017】また、mおよびnは、3以上の整数である
場合には、得られる光学材料の屈折率が低下するので、
それぞれ独立して0、1または2とされる。
【0018】前記ポリチオールの具体例としては、例え
ば、4,4’−ビス(メルカプトメチル)フェニルスル
フィド、2,4’−ビス(メルカプトメチル)フェニル
スルフィド、2,4,4’−トリ(メルカプトメチル)
フェニルスルフィド、2,2’,4,4’−テトラ(メ
ルカプトメチル)フェニルスルフィド、4,4’−ビス
(4−メルカプト−2−チアブチル)フェニルスルフィ
ド、2,4’−ビス(4−メルカプト−2−チアブチ
ル)フェニルスルフィド、2,4,4’−トリ(4−メ
ルカプト−2−チアブチル)フェニルスルフィド、2,
2’,4,4’−テトラ(4−メルカプト−2−チアブ
チル)フェニルスルフィド、4,4’−ビス(7−メル
カプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィ
ド、2,4’−ビス(7−メルカプト−2,5−ジチア
ヘプチル)フェニルスルフィド、2,4,4’−トリ
(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニル
スルフィド、2,2’,4,4’−テトラ(7−メルカ
プト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィド、
4−メルカプトメチル−4’−(4−メルカプト−2−
チアブチル)フェニルスルフィド、2−メルカプトメチ
ル−4’−(4−メルカプト−2−チアブチル)フェニ
ルスルフィド、4−メルカプトメチル−2’−(4−メ
ルカプト−2−チアブチル)フェニルスルフィド、4−
(4−メルカプト−2−チアブチル)−4’−(7−メ
ルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィ
ド、2−(4−メルカプト−2−チアブチル)−4’−
(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニル
スルフィド、4−(4−メルカプト−2−チアブチル)
−2’−(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)
フェニルスルフィド、4−メルカプトメチル−4’−
(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニル
スルフィド、2−メルカプトメチル−4’−(7−メル
カプト−2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィ
ド、4−メルカプトメチル−2’−(7−メルカプト−
2,5−ジチアヘプチル)フェニルスルフィドなどがあ
げられる。これらのポリチオールは、単独でまたは2種
以上を混合して用いられる。
【0019】ところで、一般式(I)において、pおよ
びqが1であり、かつ硫黄原子に対してベンゼン環のp
位に[HS(CH2 CH2 S)m CH2 ]−基および−
[CH2 (SCH2 CH2 n SH]基を有するポリチ
オール、具体的には、4,4’−ビス(メルカプトメチ
ル)フェニルスルフィド、4,4’−ビス(4−メルカ
プト−2−チアブチル)フェニルスルフィドおよび4,
4’−ビス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチ
ル)フェニルスルフィドは、室温で固体である。
【0020】したがって、かかるポリチオールは、作業
性および安全性の観点から、それぞれ単独で使用するの
ではなく、室温において固体ではなく液体となるよう
に、他のポリチオールと併用することが好ましい。
【0021】本発明においては、ポリチオールが液体と
して好適に使用されるようにするためには、前記一般式
(I)において、pおよびqが1であり、かつ硫黄原子
に対してベンゼン環のp位に[HS(CH2 CH2 S)
m CH2 ]−基および−[CH2 (SCH2 CH2 n
SH]基を有するポリチオールを用いる場合には、かか
るポリチオールは、ポリチオール全量中に、85重量%
以下、なかんづく80重量%以下の割合で含有されるこ
とが好ましい。また、かかるポリチオールは、高屈折
率、高硬度および耐熱性を有する光学材料を与えるとい
う観点から、ポリチオール全量中に、10重量%以上、
なかんづく20重量%以上の割合で含有されることが好
ましい。
【0022】前記ポリチオールを製造する方法には、特
に限定がない。その一例としては、例えば、一般式
(I)において、mおよびnがそれぞれ1または2であ
る場合には、以下の方法にしたがって調製することがで
きる。即ち、鉱酸の存在下で、ジフェニルスルフィド
に、ホルムアルデヒド誘導体と無機臭素化合物とを脂肪
酸溶媒中で反応させ、該ジフェニルスルフィドをブロモ
メチル化させる。この際、ジフェニルスルフィド、ホル
ムアルデヒド誘導体、無機臭素化合物および鉱酸の使用
量を調整することにより、一般式(II) :
【0023】
【化4】
【0024】(式中、pおよびqは前記と同じ)で表わ
されるジフェニルスルフィドブロモメチルを異性体混合
物として得ることができる。得られたジフェニルスルフ
ィドブロモメチルを、さらに塩基の存在下でジチオール
と反応させることにより、前記一般式(I)で表わされ
るポリチオールもまた、異性体混合物として得ることが
できる。
【0025】また、一般式(I)において、mおよびn
がいずれも0であるポリチオールは、前記方法によって
得られた一般式(II)で表わされるジフェニルスルフィド
ブロモメチルをチオ尿素と反応させてイソチウロニウム
塩とした後、該イソチウロニウム塩を塩基で加水分解さ
せることによって得ることができる。
【0026】前記ポリチオールと共重合可能な化合物の
代表例としては、ポリイソシアナート化合物、ポリイソ
チオシアナート化合物、イソシアナート基を有するイソ
チオシアナート化合物、重合性不飽和結合を有するモノ
マー、エポキシ基を有するモノマー、エポキシ基を有す
るオリゴマー、および前記(A)ポリチオール以外の複
数のチオール基を有するモノマーからなる群より選ばれ
た少なくとも1種をあげることができる。
【0027】前記ポリイソシアナート化合物の具体例と
しては、例えば、脂肪族ポリイソシアナート、脂環式ポ
リイソシアナート、芳香族ポリイソシアナート、含硫黄
ポリイソシアナートなどがあげられる。
【0028】脂肪族ポリイソシアナートの代表例として
は、例えば、エチレンジイソシアナート、トリメチレン
ジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、
ヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシ
アナート、ビス(イソシアナートエチル)ベンゼン、ビ
ス(イソシアナートプロピル)ベンゼン、ビス(イソシ
アナートブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナートメチ
ル)ナフタリンなどがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。これらのなか
では、ヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジ
イソシアナートおよびビス(イソシアナートエチル)ベ
ンゼン、なかでもとくにキシリレンジイソシアナート
は、高屈折率を有する光学材料を与え、しかも経済性に
優れる点から、本発明において好適に使用しうるもので
ある。
【0029】脂環式ポリイソシアナートの代表例として
は、例えば、イソホロンジイソシアナート、シクロヘキ
サンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシ
アナート、ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサ
ン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、2、2
´−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアナー
ト、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアナート
などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合
して用いることができる。これらのなかでは、イソホロ
ンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート
およびビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン
は、高屈折率および高アッベ数を有する光学材料を与え
る観点から、本発明において好適に使用しうるものであ
る。
【0030】芳香族ポリイソシアナートの代表例として
は、例えば、トリレンジイソシアナート、フェニレンジ
イソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナー
ト、エチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェ
ニレンジイソシアナート、ベンゼントリイソシアナー
ト、トリメチルベンゼントリイソシアナート、ナフタリ
ンジイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、
4、4´−ジフェニルメタンジイソシアナート、トルイ
ジンジイソシアナートなどがあげられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。これら
のなかでは、トリレンジイソシアナートおよび4、4´
−ジフェニルメタンジイソシアナートは、高屈折率を有
する光学材料を与え、しかも経済性に優れるという観点
から、本発明において好適に使用しうるものである。
【0031】含硫黄ポリイソシアナートの代表例として
は、例えば、チオジエチルジイソシアナート、ジチオジ
エチルジイソシアナート、チオジプロピルジイソシアナ
ート、ジチオジプロピルジイソシアナート、ジフェニル
スルフィド−4、4´−ジイソシアナート、ジフェニル
スルフィド−2、4´−ジイソシアナート、ビス(4−
イソシアナートメチルベンゼン)スルフィド、l、4−
ジチアン−2,5−ジイソシアナート、ジフェニルジス
ルフィド−4,4´−ジイソシアナートなどがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。これらのなかでは、ジフェニルスルフィド
−4,4´−ジイソシアナートは、高屈折率を有する光
学材料を与えるという観点から、本発明において好適に
使用しうるものである。
【0032】前記ポリイソチオシアナート化合物の具体
例としては、例えば、脂肪族ポリイソチオシアナート、
脂環式ポリイソチオシアナート、芳香族ポリイソチオシ
アナート、アラルキルポリイソチオシアナート含硫黄ポ
リイソチオシアナートなどがあげられる。
【0033】脂肪族ポリイソチオシアナートまたは脂環
式ポリイソチオシアナートの代表例としては、例えば、
1,2−ジイソチオシアナートエタン、1,3−ジイソ
チオシアナートプロパン、1,4−ジイソチオシアナー
トブタンなどの脂肪族ポリイソチオシアナート;シクロ
ヘキサンジイソチオシアナートなどの脂環式ポリイソチ
オシアナートなどがあげられ、これらは単独でまたは2
種以上を混合して用いることができる。
【0034】芳香族ポリイソチオシアナートまたはアラ
ルキルポリイソチオシアナートの代表例としては、例え
ば、l,2−ジイソチオシアナートベンゼン、1,3−
ジイソチオシアナートベンゼン、l,4−ジイソチオシ
アナートベンゼン、2,4−ジイソチオシアナートトル
エン、2,5−ジイソチオシアナート−m−キシレン、
4,4´−ジイソチオシアナート1,1´−ビフェニ
ル、1,1´−メチレンビス(4−イソチオシアナート
ベンゼン)などの芳香族ポリイソチオシアナート;p−
フェニレンジイソプロピリデンジイソチオシアナートな
どのアラルキルポリイソチオシナートなどがあげられ、
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることが
できる。これらのなかでは、1,2−ジイソチオシアナ
ートベンゼン、1,3−ジイソチオシアナートベンゼン
および1,4−ジイソチオシアナートベンゼンは、高屈
折率を有する光学材料を与える観点から、本発明におい
て好適に使用しうるものである。
【0035】含硫黄ポリイソチオシアナートの代表例と
しては、例えば、チオビス(2−イソチオシアナートエ
タン)、ジチオビス(2−イソチオシアナートエタ
ン)、チオビス(3−イソチオシアナートプロパン)、
チオビス(4−イソチオシアナートベンゼン)、スルホ
ニルビス(4−イソチオシアナートベンゼン)などがあ
げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用い
ることができる。
【0036】前記イソシアナート基を有するイソチオシ
アナート化合物の具体例としては、例えば、脂肪族イソ
チオシアナート化合物、脂環式イソチオシアナート化合
物、芳香族イソチオシアナート化合物、含硫黄イソチオ
シアナート化合物などがあげられる。
【0037】脂肪族イソチオシアナート化合物および脂
環式イソチオシアナート化合物の代表例としては、例え
ば、1−イソシアナート−3−イソチオシアナートプロ
パン、1−イソシアナート−6−イソチオシアナートヘ
キサンなどの脂肪族イソチオシアナート化合物;1ーイ
ソシアナート−4−イソチオシアナートシクロヘキサン
などの脂環式イソチオシアナート化合物などがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0038】芳香族イソチオシアナート化合物の代表例
としては、例えば、l−イソシアナート−4−イソチオ
シアナートベンゼン、4−メチル−3−イソシアナート
−1−イソチオシアナートベンゼンなどがあげられ、こ
れらは単独でまたは2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0039】含硫黄イソチオシアナート化合物の代表例
としては、例えば、4−イソシアナート−4′−イソチ
オシアナートジフェニルスルフィドなどがあげられ、こ
れらは単独でまたは2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0040】前記重合性不飽和結合を有するモノマーの
具体例としては、例えば、芳香族ビニル化合物、脂環式
ビニル化合物、(メタ)アクリル酸、単官能(メタ)ア
クリル酸誘導体、多官能(メタ)アクリル酸誘導体、ビ
ニルスルフィド化合物などがあげられる。ここで「(メ
タ)アクリ」とは、「アクリ」および「メタクリ」の双
方を意味する(以下同様)。これらの重合性不飽和結合
を有するモノマーは、単独でまたは2種以上を混合して
用いることができる。
【0041】芳香族ビニル化合物の代表例としては、例
えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、クロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルス
チレン、メトキシスチレン、ブチルチオスチレン、ジビ
ニルベンゼンなどがあげられ、これらは単独でまたは2
種以上を混合して用いることができる。これらのなかで
は、スチレンおよびジビニルベンゼンは、本発明におい
て好適に使用しうるものである。
【0042】脂環式ビニル化合物の代表例としては、例
えば、シクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキセン、
1,5−シクロオクタジエン、5−ビニルビシクロ
〔2,2,1〕ヘプト−2−エンなどがあげられ、これ
らは単独でまたは2種以上を混合して用いることができ
る。
【0043】単官能(メタ)アクリル酸誘導体の代表例
としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)ア
クリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシ
ル(メタ)アクリレ一ト、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)ア
クリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレ
ート、クロロフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフ
ェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メ
タ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレ
ート、シアノフェニル(メタ)アクリレート、クロロメ
チル(メタ)アクリレート、ブロモエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
エチル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)ア
クリレートなどがあげられ、これらは単独でまたは2種
以上を混合して用いることができる。これらのなかで
は、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートおよ
びグリシジル(メタ)アクリレートは、高アッベ数およ
び低比重を有する光学材料を与え、しかも経済性に優れ
るという観点から、本発明において好適に使用しうるも
のである。
【0044】多官能(メタ)アクリル酸誘導体の代表例
としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、1、4−ブタンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレートなどのポリオールポリ(メタ)アクリ
レート;ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スル
フィドなどのポリチオールポリ(メタ)アクリレートな
どがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合し
て用いることができる。これらのなかでは、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ぺンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ぺンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレートおよびビス(4−メタクリロイル
チオフェニル)スルフィドは、高アッベ数および低比重
を有する光学材料を与え、しかも経済性に優れるるとい
う観点から、本発明において好適に使用しうるものであ
る。
【0045】ビニルスルフィド化合物の代表例として
は、例えば、エチルビニルスルフィド、n−プロピルビ
ニルスルフィド、イソブチルビニルスルフィド、t−ブ
チルビニルスルフィド、n−アミルビニルスルフィド、
イソアミルビニルスルフィド、シクロヘキシルビニルス
ルフィド、2−エチルヘキシルビニルスルフィド、n−
オクタデシルビニルスルフィド、ドデシルビニルスルフ
ィド、プロペニルスルフィドプロピレンカーボネート、
1,2−ジビニルチオエタン、1,3−ジビニルチオプ
ロパン、1,4−ジビニルチオブタン、1,6−ジビニ
ルチオヘキサン、ビス(2−ビニルチオエチル)スルフ
ィド、フェニルビニルスルフィド、ビス(4−ビニルチ
オフェニル)スルフィドなどがあげられ、これらは単独
でまたは2種以上を混合して用いることができる。これ
らのなかでは、高屈折率を有する光学材料を与えるとい
う観点から、ビス(2−ビニルチオエチル)スルフィ
ド、フェニルビニルスルフィドおよびビス(4−ビニル
チオフェニル)スルフィド、なかでもとくにビス(4−
ビニルチオフェニル)スルフィドは、本発明において好
適に使用しうるものである。
【0046】前記エポキシ基を有するモノマーおよび前
記エポキシ基を有するオリゴマーの具体例としては、例
えば、単官能グリシジルエーテル、多官能脂肪族グリシ
ジルエーテル、多官能芳香族系グリシジルエーテル、グ
リシジルエステル、脂環式エポキシ樹脂などがあげられ
る。これらのエポキシ基を有するモノマーおよびエポキ
シ基を有するオリゴマーは、単独でまたは2種以上を混
合して用いることができる。
【0047】単官能グリシジルエーテルの代表例として
は、例えば、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシ
ジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2−エチ
ルヘキシルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニ
ルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリ
シジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテ
ルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混
合して用いることができる。
【0048】多官能脂肪族グリシジルエーテルの代表例
としては、例えば、1,6−へキサンジオールグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエ
ーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロール
トリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混
合して用いることができる。これらのなかでは、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテルは、高アッベ数を有
する光学材料を与え、しかも経済性に優れるという観点
から、本発明において好適に使用しうるものである。
【0049】多官能芳香族系グリシジルエーテルの代表
例としては、例えば、ビスフェノールAグリシジルエー
テル、ビスフェノールFグリシジルエーテル、ブロモ化
ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビフェノールグ
リシジルエーテル、テトラメチルビフェノールグリシジ
ルエーテル、レゾルシングリシジルエーテル、ハイドロ
キノングリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレング
リシジルエーテル、ビスフェノールノボラック樹脂グリ
シジルエーテル、フェノールノボラック樹脂グリシジル
エーテル、クレゾールノボラック樹脂グリシジルエーテ
ル、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂グリシジルエ
ーテル、テルペンフェノール樹脂グリシジルエーテル、
ナフトールノボラック樹脂グリシジルエーテルなどがあ
げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用い
ることができる。これらのなかでは、ビスフェノールA
グリシジルエーテルおよびブロモ化ビスフェノールAグ
リシジルエーテルは、高屈折率を有する光学材料を与
え、しかも経済性に優れるという観点から、本発明にお
いて好適に使用しうるものである。
【0050】グリシジルエステルの代表例としては、例
えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルヘキサヒ
ドロフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレー
ト、ジメチルジグリシジルヘキサヒドロフタレートなど
があげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して
用いることができる。これらのなかでは、グリシジルア
クリレートおよびグリシジルメタクリレートは、高アッ
ベ数を有する光学材料を与え、しかも経済性にすぐれる
という観点から、本発明において好適に使用しうるもの
である。
【0051】脂環式エポキシ樹脂の代表例としては、例
えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4
−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−
エポキシシクロヘキシルエチル−3,4−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジ
オキシド、アリルシクロヘキセンジオキシド、3,4−
エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレン
オキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−
5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−
m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)ジエチルシロキサンなどがあげられ、これ
らは単独でまたは2種以上を混合して用いることができ
る。これらのなかでは、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルエチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシ
レートは、高アッベ数を有する光学材料を与え、しかも
経済性に優れるという観点から、本発明において好適に
使用しうるものである。
【0052】前記ポリチオール以外の複数のチオール基
を有するモノマーの具体例としては、例えば、脂肪族ポ
リチオール、脂肪族スルフィド、芳香族ジチオールなど
をあげることができる。これらは、単独でまたは2種以
上混合して用いることができる。
【0053】脂肪族ポリチオールの代表例としては、例
えば、1,2−エタンジチオール、l,3−プロパンジ
チオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−へキサ
ンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,2−
シクロヘキサンジチオール、エチレングリコールビスチ
オグリコレート、エチレングリコールビスチオブロピオ
ネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、ブタン
ジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロ
パントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパン
トリスチオプロピオネート、ぺンタエリスリトールテト
ラキスチオグリコレート、ぺンタエリスリトールテトラ
キスチオプロピオネート、トリス(2−メルカプトエチ
ル)イソシアヌレート、トリス(3−メルカプトプロピ
ル)イソシアヌレートなどがあげられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。これら
のなかでは、トリメチロールプロパントリスチオグリコ
レート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネ
ート、ぺンタエリスリトールテトラキスチオグリコレー
ト、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネー
ト、トリス(2−メルカプトエチル)イソシアヌレート
およびトリス(3−メルカプトプロピル)イソシアヌレ
ートは、高屈折率および高アッベ数を有する光学材料を
与え、しかも経済性に優れるという観点から、本発明に
おいて好適に使用しうるものである。
【0054】脂肪族スルフィドの代表例としては、例え
ば、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス
(3−メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(4−メ
ルカプトブチル)スルフィド、ビス(8−メルカプトオ
クチル)スルフィド等などがあげられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。これら
のなかでは、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド
は、高屈折率および高アッベ数を有する光学材料を与
え、しかも経済性に優れるという観点から、本発明にお
いて好適に使用しうるものである。
【0055】芳香族ジチオールの代表例としては、例え
ば、1,2−べンゼンジチオール、1,4−べンゼンジ
チオール、4−メチル−1,2−べンゼンジチオール、
4−ブチル−1,2一べンゼンジチオール、4−クロロ
−1,2−べンゼンジチオールなどがあげられ、これら
は単独でまたは2種以上を混合して用いることができ
る。これらのなかでは、1,4−べンゼンジチオール
は、高屈折率を有する光学材料を与えるという観点か
ら、本発明において好適に使用しうるものである。
【0056】本発明の硬化性組成物中における一般式
(I)で表わされるポリチオールの含有量は、硬化させ
て得られる樹脂の屈折率を高める観点から、5重量%以
上、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重
量%以上とされ、また前記硬化性組成物に十分な硬化性
を付与する観点から、90重量%以下、好ましくは85
重量%以下、より好ましくは80重量%以下とされる。
【0057】また、本発明の硬化性組成物中における前
記ポリチオールと共重合可能な化合物の含有量は、前記
硬化性組成物に十分な硬化性を付与する観点から、10
重量%以上、好ましくは15重量%以上、より好ましく
は20重量%以上とされ、また硬化させて得られる樹脂
の屈折率を高める観点から、95重量%以下、好ましく
は80重量%以下とされる。
【0058】なお、前記ポリチオールと共重合可能な化
合物がポリイソシアナート化合物、ポリイソチオシアナ
ート化合物またはイソシアナート基を有するイソチオシ
アナート化合物である場合には、それらの化合物のイソ
シアナート基およびイソチオシアナート基の合計当量数
と、前記一般式(I)で表わされるポリチオールおよび
前記ポリチオール以外の複数のチオール基を有するモノ
マーのチオール基の合計当量数との比(NCO基とNC
S基との合計当量)/(SH基の合計当量)は、得られ
る硬化性組成物の硬化性を高める観点から、0.5〜
3.0、好ましくは0.5〜2.0であることが望まし
い。
【0059】本発明の硬化性組成物の代表例としては、
例えば、前記ポリチオールとポリイソシアナート化合物
とからなる硬化性組成物;前記ポリチオールとポリイソ
チオシアナート化合物とからなる硬化性組成物;前記ポ
リチオール、ポリイソシアナート化合物および前記ポリ
チオール以外の複数のチオール基を有するモノマーから
なる硬化性組成物;前記ポリチオールと重合性不飽和結
合を有するモノマーとからなる硬化性組成物;前記ポリ
チオール、重合性不飽和結合を有するモノマーおよび前
記ポリチオール以外の複数のチオール基を有するモノマ
ーからなる硬化性組成物;前記ポリチオールと、エポキ
シ基を有するモノマーまたはエポキシ基を有するオリゴ
マーとからなる硬化性組成物;前記ポリチオール、エポ
キシ基を有するモノマーまたはエポキシ基を有するオリ
ゴマーおよび重合性不飽和結合を有するモノマーからな
る硬化性組成物などをあげることができる。
【0060】本発明の硬化性組成物は、通常の方法、例
えば、熱、紫外線などの光線によって硬化させることが
できる。
【0061】なお、前記ポリチオールと共重合可能な化
合物が、前記ポリイソシアナート化合物、ポリイソチオ
シアナート化合物またはイソシアナート基を有するイソ
チオシアナート化合物である場合、本発明の硬化性組成
物には、公知の硬化触媒を用いることができる。前記硬
化触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、
ジメチルチンジクロライド、スタナスオクトエート、塩
化第二スズなどをあげることができる。
【0062】また、前記ポリチオールと共重合可能な化
合物が、前記重合性不飽和結合を有するモノマーである
場合、重合開始剤としてラジカル重合開始剤を用いるこ
とができる。前記ラジカル重合開始剤には特に限定がな
いが、かかるラジカル重合開始剤としては、例えば、
2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−ア
ゾビスイソバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、1,1′−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などのアゾ系
化合物、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソ
ブチルケトンパーオキシドなどのケトンパーオキシド
類、べンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾ
イルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド類などを
あげることができる。
【0063】さらに、前記ポリチオールと共重合可能な
化合物が、前記エポキシ基を有するモノマーまたはエポ
キシ基を有するオリゴマーである場合、公知の硬化促進
剤を用いることができる。前記硬化促進剤としては、例
えば、トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミンな
どの第三級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール、2、4−ジメチルイミダゾールなどのイミダゾー
ル類、ジオクチル錫ラウレート、錫オクチレートなどの
金属塩類などをあげることができる。
【0064】また、本発明においては、前記硬化性組成
物には、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防
止剤、重合禁止剤、離型剤、消泡剤、ブルーイング剤、
蛍光染料などの添加剤を必要に応じて適宜添加してもよ
い。
【0065】本発明の光学材料は、前記硬化性組成物を
共重合させることによって得られる。
【0066】共重合反応は、前記硬化触媒や重合開始剤
を適宜用い、通常、公知の方法に準じて行なえばよい。
【0067】即ち、共重合に際しての重合温度および重
合時間については、硬化性組成物の組成、用途、使用す
る重合開始剤の種類およびその使用量によって異なるた
め一概には規定できないが、例えば、重合温度について
は0〜200℃、好ましくは20〜150℃の範囲であ
り、重合時間については0.2〜100時間、好ましく
は1〜72時間であればよい。
【0068】なお、本発明の光学材料は、このような方
法で得られる光学材料と同一の構造、即ち本発明におけ
るモノマー成分を繰り返し単位として有するものであれ
ば、前記以外の方法で得られるものであってもよい。
【0069】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0070】製造例〔ポリチオールの調製〕 2リットル容の四つ口フラスコ内にジフェニルスルフィ
ド111.8g、92%パラホルムアルデヒド41.1
g、臭化ナトリウム160.5gおよび酢酸300gを
仕込み、80〜90℃に保ちながら3時間かけて96%
硫酸232.8gを滴下し、さらに同温度で3.5時間
撹拌した。その後、トルエンで抽出し、水洗後トルエン
を留去することにより、ジフェニルスルフィドブロモメ
チル異性体混合物214gを得た。ついでこのブロモメ
チル異性体混合物に、1,2−エタンジチオール84
7.7gおよび臭化−テトラn−ブチルアンモニウム
9.7gを添加し、0〜10℃に保ちながら、2時間か
けて20%水酸化ナトリウム水溶液264gを滴下し
た。滴下終了後、室温で2時間撹拌し、塩酸で中和した
後、有機層と水層とに分液した。得られた有機層を水洗
後、濃縮することにより、一般式(I)においてp、
q、mおよびnがそれぞれ1であるポリチオール異性体
混合物227gを得た(4,4’−異性体と2,4’−
異性体の比率(モル比)=75:25)。
【0071】前記と同様の方法により、ブロモメチル異
性体混合物を調製したのち、これをジチオールと反応さ
せる方法、メルカプトアルコールと反応させたのち、イ
ソチウロニウム塩とし、加水分解する方法、チオ尿素と
反応させたのち、加水分解する方法などにより、種々の
ポリチオール異性体混合物を調製した。
【0072】得られたポリチオール異性体混合物を約2
5℃の雰囲気中における性状とともに表1に示す。な
お、表1中、記号p、q、mおよびnは、それぞれ一般
式(I)中における記号を意味する。
【0073】
【表1】
【0074】実施例1 製造例で得られたポリチオールA15gとm−キシリレ
ンジイソシアナート7.1gとを均一に混合し、硬化性
組成物を得た。得られた硬化性組成物は、室温(約25
℃)において液状を呈した。
【0075】得られた硬化性組成物を充分に脱気した
後、直径5cm、厚さ0.3cmのガラスモールドに注
入し、60℃で5時間加熱した後、10時間かけて10
0℃まで昇温し、100℃で3時間、次いで120℃で
3時間保った後、脱型した。
【0076】得られた光学材料は、均一で無色透明であ
った。
【0077】次に、得られた光学材料の物性を以下の方
法に従って調べた。その結果を表2に示す。
【0078】(1)屈折率、アッベ数 アッベ屈折計(アタゴ製、4T型)を用いて、20℃に
おける屈折率、アッベ数を測定した。
【0079】(2)比重 JIS−K6911に従って測定した。
【0080】実施例2〜8 実施例1において、ポリチオールおよび前記ポリチオー
ルと共重合可能な化合物を表2に示すように変更したほ
かは、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
【0081】得られた硬化性組成物を用いて実施例1と
同様にして光学材料を調製し、各物性を調べた。その結
果を表2に示す。
【0082】実施例9〜11 実施例1において、ポリチオールおよび前記ポリチオー
ルと共重合可能な化合物を表2に示すように変更したほ
かは、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
【0083】次に、実施例1において、得られた硬化性
組成物100重量部に対し、ラジカル重合開始剤として
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和
光純薬(株)製、商品名:V−59)0.8重量部を添
加したほかは、実施例1と同様にして光学材料を調製
し、各物性を調べた。その結果を表2に示す。
【0084】なお、表2中、各略号は、以下のことを表
わす。
【0085】mXDI:m−キシリレンジイソシアナー
ト TMTP:トリメチロールプロパントリスチオプロピオ
ネート MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート DVB:純度80%の高純度ジビニルベンゼン MPSMA:ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)
スルフィド EGDM:エチレングリコールジメタクリレート
【0086】
【表2】
【0087】表2に示された結果から、実施例1〜11
で得られた硬化性組成物は、いずれも、その取扱い性に
優れたものであり、また前記硬化性組成物を用いて得ら
れた光学材料は、高屈折率および高アッベ数を有し、ま
た低比重を有するものであることがわかる。
【0088】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、硫黄原子の含
有率が高いポリチオールが用いられているので、屈折率
が高く、しかも比重の小さい樹脂を製造するのに好適に
使用しうるものであり、なかでも特に光学材料として極
めて有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 道夫 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住 友精化株式会社第一研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(I): 【化1】 (式中、pおよびqはそれぞれ独立して1または2、m
    およびnはそれぞれ独立して0、1または2を示す)で
    表わされるポリチオール5〜90重量%および(B)前
    記ポリチオールと共重合可能な化合物10〜95重量%
    を含有してなる硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 (B)前記ポリチオールと共重合可能な
    化合物が、ポリイソシアナート化合物、ポリイソチオシ
    アナート化合物、イソシアナート基を有するイソチオシ
    アナート化合物、重合性不飽和結合を有するモノマー、
    エポキシ基を有するモノマー、エポキシ基を有するオリ
    ゴマー、および前記(A)ポリチオール以外の複数のチ
    オール基を有するモノマーからなる群より選ばれた少な
    くとも1種である請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の硬化性組成物を
    共重合させてなる光学材料。
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