JP2502991B2 - ビフエニルテトラカルボン酸の回収方法 - Google Patents

ビフエニルテトラカルボン酸の回収方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は3、4、3′、4′−ビフェニルテトラカル
ボン酸(以下、s−BTCと言う)の回収方法に関するも
のであり、詳しくは、s−BTCの塩を含むアルカリ水溶
液を酸析してs−BTCを回収する方法に関するものであ
る。
(従来の技術) 従来、s−BTCの製造法として、例えば、特公昭59−1
4015に記載されているように、4−ハロゲノフタル酸塩
をアルカリ水溶液中に溶解し、金属パラジウムを担体に
担持した触媒及び少量のメタノールの存在下、50〜150
℃の温度に加熱し脱ハロゲン二量化反応させて製造する
方法が知られている。この方法は、アルカリ水溶液中で
反応を行なつているため、s−BTCはアルカリ塩として
得られるので、このs−BTCのアルカリ塩を酸析して目
的とするs−BTCを回収する必要がある。
しかしながら、この酸析処理は通常、反応混合物を冷
却し、次いで、パラジウム触媒を分離した後のアルカリ
水溶液に鉱酸を加えることにより行なわれるが、この場
合、酸析系内が強アルカリ性から強酸性に移行するため
現実的には装置材質の面から高温での酸析は困難であ
り、低温実施せざるを得なかつた。この方法により回収
されるs−BTCの結晶は微細なものなので、結晶を分離
する際の過性が悪く、また、回収結晶の乾燥操作も面
倒であつた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者等は、上記実情に鑑み、s−BTCの塩を含む
アルカリ水溶液を酸析してs−BTCを回収する方法にお
いて、上記アルカリ水溶液を特定な温度範囲に保持して
酸析することにより過性及び乾燥性の良好な大きいサ
イズのs−BTC結晶を得、また過温度を特定温度以上と
することにより、副生物のフタル酸塩との分離を良好に
行うことができるビフェニルテトラカルボン酸の回収方
法を提供しようとするものである。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明は、s−BTCの塩を含むアルカリ水
溶液を鉱酸により酸析してs−BTC結晶を回収する方法
において、酸析温度を80〜140℃とし、かつ過する温
度が80℃以上であることを特徴とするs−BTCの回収方
法である。
本発明において、s−BTCの塩としては通常、ナトリ
ウム塩、カリウム塩又はリチウム塩を挙げることができ
る。このアルカリ水溶液中のs−BTCの塩の濃度は通
常、1〜40重量%である。また、アルカリ水溶液のpHは
通常、12〜14であり、更に、このアルカリ水溶液中には
その他の任意な成分を含有していても差し支えない。
このようなアルカリ水溶液は、具体的には、例えば、
4−ハロゲノフタル酸塩をアルカリ水溶液中に溶解し、
金属パラジウムを担体に担持した触媒及び少量のメタノ
ールの存在下、50〜150℃に加熱し、脱ハロゲン二量化
反応させ、得られた反応混合物より固形分を別した後
のs−BTCのアルカリ塩を含むアルカリ水溶液が挙げら
れる。この場合、通常、副生物であるフタル酸塩などが
相当量含有されている。
また4−ハロゲノフタル酸塩をアルカリ水溶液中に溶
解し、金属パラジウム系触媒及び一酸化炭素の存在下で
脱ハロゲン二量化反応させたs−BTCのアルカリ塩を含
むアルカリ水溶液も適用することができる。
本発明では、このアルカリ水溶液を酸析するのに酸析
温度を80〜140℃とすることを必須の要件とする。この
酸析温度が前記範囲よりも低い場合には、大きいサイズ
のs−BTC結晶を得ることができず、高い場合には効果
に変わりがないがエネルギー的に損である。また酸析圧
力は常圧下又は加圧下で差し支えないが、酸析混合物の
沸点以上で酸析を実施する場合には、当然のことながら
加圧下となる。
酸析操作は一般的に実施されているような、前記アル
カリ水溶液中に鉱酸を添加する方法でも差し支えない
が、この場合には、酸析系が強アルカリから強酸性に移
行するため、装置材質として特殊な高級材質のものを用
いる必要がある。したがつて、本発明の場合には、鉱酸
水溶液中に前記アルカリ水溶液を添加する方法が望まし
い。この場合、回分法又は連続法で実施することができ
る。回分法の場合には、鉱酸水溶液を敷液として、これ
にアルカリ水溶液を供給することにより実施され、ま
た、連続法の場合には、鉱酸水溶液の一部を敷液とし、
残りをアルカリ水溶液とともに供給することにより実施
される。
アルカリ水溶液の供給は連続又は間欠で行う事ができ
るが、供給速度は反応のスケールによつて異なるもの
の、酸析温度がほぼ一定になるように調節する。
酸析に用いる鉱酸としては、通常、硫酸、塩酸、リン
酸等を挙げる事ができるが、硫酸を用いた場合には、酸
析温度を高くすることが可能であるので特に好ましい。
硫酸を用いる場合、敷液中(反応系中)の硫酸濃度は通
常、50〜1重量%好ましくは30〜3重量%に維持しつつ
酸析を行う事が好ましい。系内の硫酸濃度があまり高い
場合には、大きいサイズの結晶を得る事が難しくなる。
また、酸析時のpHはカルボン酸塩を完全に中和する為に
通常、3以下に好ましくは2以下に保持するのが好まし
い。酸析によつて析出したs−BTCは過により容易に
回収することができる。過は80℃以上の温度で実施す
る。これは4−ハロゲノフタル酸をアルカリ水溶液中
で、パラジウム触媒及び、メタノールの存在下、脱ハロ
ゲン二量化反応によりs−BTC塩を生成する方法の場合
にはフタル酸塩が副生するが、過を80℃以上の温度で
行うと、このフタル酸塩との分離が良好に行うことがで
きる。従ってフタル酸含有量の少ないs−BTC結晶を得
ることができ、しかも得られる結晶も大きいという効果
がある。次いで回収したケーキは必要に応じて、脱塩水
で洗浄することにより、更に高純度のものとすることが
できる。
(実施例) 次に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発
明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定される
ものではない。
実施例1 撹拌機,還流冷却器及び加熱装置を備えた1.0ガラ
ス製4つ口フラスコに、20%硫酸395gを入れ、撹拌しつ
つ還流温度(約104℃)迄昇温し、これにs−BTCのナト
リウム塩41.83g(0.1mole)と水酸化ナトリウム27.04g
(0.676mole)を含むアルカリ水溶液350gを還流下、2
時間かけて滴下することによりs−BTCの酸析を行なつ
た。
酸析終了後、混合物を80℃迄冷却しヌツチエにて吸引
過して析出したs−BTC結晶を別し、次いで、この
結晶を脱塩水90mlで振りかけ洗浄した後、140℃で一昼
夜真空乾燥を行いs−BTCの結晶32.3gを回収した。
このs−BTC結晶の回収率は98%であり、また得られ
た結晶のサイズは平均150×50μmで、過性の良好な
ものであつた。尚、参考の為に、この結晶の顕微鏡写真
(100倍)を参考写真1として示す。
実施例2 酸析温度を95℃にした以外は実施例1と同様に反応を
実施した。回収したs−BTCは32.20gで回収率は97%で
あつた。得られた結晶のサイズは140×40μmであつ
た。
比較例1 酸析温度を60℃、過温度を60℃にした以外は実施例
1と同様に実施した。回収したs−BTCは32.45gで、回
収率は98%であつた。得られた結晶のサイズは平均5×
1μmであつた。尚、参考の為にこの結晶の顕微鏡写真
(100倍)を参考写真2として示す。
実施例3 撹拌機、還流冷却器及び加熱装置を備えた0.5ガラ
ス製4つ口フラスコに、50%硫酸81.1gを入れ撹拌しつ
つ還流温度(約115℃)迄昇温し、これに、4−クロル
フタル酸塩を水酸化ナトリウム水溶液中で活性炭担持の
パラジウム触媒及びメタノールの存在下、脱ハロゲン二
量化反応して得られた反応液よりパラジウム触媒を分離
する方法で得たs−BTCのナトリウム塩18.06mmoleとフ
タル酸のナトリウム塩56.84mmoleを含むアルカリ水溶液
150gを還流下、2時間かけて滴下することによりs−BT
Cの酸析を行なつた。酸析終了後、90℃迄冷却しヌツチ
エにて吸引過し、析出した結晶を別し、次いで、こ
の結晶を脱塩水50mlで振りかけ洗浄した後、140℃で一
昼夜真空乾燥を行ない乾燥結晶5.83gを回収した。
この結晶のサイズは平均110×30μmであつた。ま
た、液体クロマトグラフイーによる分析の結果この結晶
中にはs−BTC5.31g(16.08mmole)、フタル酸0.41g
(2.46mmole)を含んでいた。
比較例2 過温度を50℃にした以外は実施例3と同様に反応を
実施した。回収した乾燥結晶は11.30gであり、そのサイ
ズは平均70×20μmであつた。また、液体クロマトグラ
フイーによる分析の結果、ケーキ中にはs−BTC5.50g
(16.65mmole)フタル酸5.66g(34.08mmole)を含んで
いた。
参考例1 実施例1の方法において、4ツ口フラスコにs−BTC
のナトリウム塩と水酸化ナトリウムを含むアルカリ水溶
液を仕込み、撹拌しつつ還流温度約104℃迄昇温し、こ
れに20%硫酸を2時間かけて滴下した以外は全く同様な
酸析を行なつたところ、s−BTC結晶の回収率は98%で
あり、また、得られた結晶サイズは平均130×45μmで
あつた。
(発明の効果) 本発明によれば、s−BTCの塩を含むアルカリ水溶液
を特定の温度範囲に保持して酸析することにより結晶サ
イズの大きいs−BTCが得られる。
また4−ハロゲノフタル酸塩の脱ハロゲン二量化反応
で得たs−BTCの塩を含有するアルカリ水溶液を酸析す
る場合には、過温度を選定することにより副生物であ
るフタル酸含有量の少ない高純度のs−BTC結晶を良好
に得ることができ、しかも、結晶サイズも大きいので好
ましい。
そのため本発明で得られるs−BTC結晶は過性が良
好である上、乾燥時間も短かくてすみ、また不純物の混
入も少ない優れたものである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン
    酸の塩を含むアルカリ水溶液を鉱酸により酸析し、さら
    に過して3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸
    の結晶を回収する方法において、酸析温度を80〜140℃
    の温度とし、かつ過する温度が80℃以上であることを
    特徴とする、ビフェニルテトラカルボン酸の回収方法。
  2. 【請求項2】酸析を鉱酸水溶液中に前記アルカリ水溶液
    を供給することにより行うことを特徴とする特許請求の
    範囲第(1)項記載の方法。
  3. 【請求項3】鉱酸として硫酸を用いることを特徴とする
    特許請求の範囲第(2)項記載の方法。
  4. 【請求項4】鉱酸の濃度を50〜1重量%に維持しつつ酸
    析を行うことを特徴とする特許請求の範囲第(3)項記
    載の方法。
  5. 【請求項5】酸析時のpHを3以下に保持することを特徴
    とする特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  6. 【請求項6】3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン
    酸の塩を含むアルカリ水溶液がフタル酸の塩を含むもの
    である特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
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