JP3235232B2 - チオカーバメート類の製造方法 - Google Patents

チオカーバメート類の製造方法

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JP3235232B2 JP34453792A JP34453792A JP3235232B2 JP 3235232 B2 JP3235232 B2 JP 3235232B2 JP 34453792 A JP34453792 A JP 34453792A JP 34453792 A JP34453792 A JP 34453792A JP 3235232 B2 JP3235232 B2 JP 3235232B2
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tetrahydro
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巧 香川
浩章 天満
裕 粟野
秀雄 朱山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗真菌剤として有用な
O−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル 6
−メトキシ−2−ピリジル(メチル)チオカーバメート
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】O−5,6,7,8−テトラヒドロ−2
−ナフチル 6−メトキシ−2−ピリジル(メチル)チ
オカーバメートの製造法としては特開平4−28236
9号公報が知られている。また類似化合物のO−tert−
ブチルフェニル 6−メトキシ−2−ピリジル(メチ
ル)チオカーバメートの製造法として特公昭63−43
2号公報、特公昭63−433号公報等が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来技術におい
ては、本反応が反応晶析のため、反応の進行に伴い析出
する結晶により著しく反応液の粘度が上昇し、攪拌が困
難となる問題があった。このため、反応が不均一となり
目的物の純度が低下する問題、さらに、少量スケールで
は実施可能であるが工業的な大量スケールでは実施不可
能であるという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、脱ハロゲ
ン化水素試剤存在下、イソプロパノール−水混合溶媒
中、2−メトキシ−6−メチルアミノピリジンとO−
5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル クロロ
チオホルメイトを反応させO−5,6,7,8−テトラ
ヒドロ−2−ナフチル 6−メトキシ−2−ピリジル
(メチル)チオカーバメートを製造する方法について鋭
意検討した結果、イソプロパノール−水の混合溶媒量を
2−メトキシ−6−メチルアミノピリジンに対して10
〜50重量倍量とし、さらにO−5,6,7,8−テト
ラヒドロ−2−ナフチル クロロチオホルメイトの滴下
時間を3時間以上とすることにより、反応結果に何等悪
影響を与えることなく、著しく反応液粘度の低下が可能
で、大量スケールでも問題なく実施可能であることを見
いだし本発明を完成させるに至った。
【0005】すなわち本発明は、無機または有機の脱ハ
ロゲン化水素試剤存在下、2−メトキシ−6−メチルア
ミノピリジンと2−メトキシ−6−メチルアミノピリジ
ンに対して10〜50重量倍量のイソプロパノール−水
の混合溶媒に、O−5,6,7,8−テトラヒドロ−2
−ナフチル クロロチオホルメイトを3時間以上で供給
することを特徴とするO−5,6,7,8−テトラヒド
ロ−2−ナフチル 6−メトキシ−2−ピリジル(メチ
ル)チオカーバメートの製造方法を提供するものであ
る。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】反応に用いる2−メトキシ−6−メチルア
ミノピリジンと5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナ
フチル クロロチオホルメイトの量比は理論的には等モ
ル量で良いが、目的物を安定した収率で得るために、好
ましくは2−メトキシ−6−メチルアミノピリジンを
5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル クロロ
チオホルメイトに対して当モル倍量〜1.1モル倍量程
度用いる。
【0008】反応に用いる無機または有機の脱ハロゲン
化水素試剤としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウ
ム,水酸化リチウム,水酸化マグネシウム,水酸化カル
シウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化
物、炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸リチウム等の
アルカリまたはアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素ナト
リウム,炭酸水素カリウム,炭酸水素リチウム等のアル
カリ金属またはアルカリ土類金属炭酸水素塩、トリメチ
ルアミン,ジメチルアニリン等の有機塩基等があげられ
るが経済性の面で、炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが好ましい。
【0009】脱ハロゲン化水素試剤は使用するO−5,
6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル クロロチオ
ホルメイトに対して理論的には1当量で良いが安定した
反応結果を得るため通常1.5倍当量〜5倍当量用い
る。
【0010】反応に用いるイソプロパノール−水の混合
溶媒量としては2−メトキシ−6−メチルアミノピリジ
ンに対して10重量倍量以上であれば本発明の効果は認
められるが、あまりにも大過剰の使用は経済的ではな
く、好ましくは10重量倍量以上50重量倍量以下の範
囲である。
【0011】反応に用いるイソプロパノール−水の組成
としては、イソプロパノールの濃度が余りにも低い場合
は2−メトキシ−6−メチルアミノピリジンが分離し、
反応が進行しない場合があり好ましくない。このため好
ましくはイソプロパノールの濃度が70重量%以上、1
00重量%未満とすることが好ましい。
【0012】O−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−
ナフチル クロロチオホルメイトの滴下時間は3時間以
上で著しく反応液の粘度が低下し本発明の効果が認めら
れるが、あまりにも長時間での滴下は何等利益はもたら
さない。このため好ましくは3時間以上で大量スケール
で実施する場合は反応により発生する反応熱の除熱可能
な時間である。
【0013】反応温度としては0℃以上80℃以下で問
題なく反応を行うことができるが、5℃以下では凍結が
発生する場合があり好ましくなく、また50℃以上では
生成物の純度低下、反応収率の低下が発生する場合があ
る。従って好ましくは5℃以上、50℃以下でさらに好
ましくは10℃以上40℃以下の温度範囲である。
【0014】反応はO−5,6,7,8−テトラヒドロ
−2−ナフチル クロロチオホルメイト供給が終了した
時点で反応はほぼ完結しているが、反応液の冷却または
結晶を完全に析出させる目的でさらに1〜8時間の熟成
を行っても何等支障はない。熟成終了後、反応液に水を
添加し脱ハロゲン化試剤の塩酸塩を溶解させた後、ろ
過、洗浄、乾燥することにより粗製のO−5,6,7,
8−テトラヒドロ−2−ナフチル 6−メトキシ−2−
ピリジル(メチル)チオカーバメートを得る。粗製のO
−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル 6−
メトキシ−2−ピリジル(メチル)チオカーバメートは
さらに再結晶等をすることにより精製しても良い。
【0015】
【発明の効果】本発明により、反応液粘度の低下が行
え、工業的な大規模スケールでのO−5,6,7,8−
テトラヒドロ−2−ナフチル 6−メトキシ−2−ピリ
ジル(メチル)チオカーバメートの製造が可能となっ
た。
【0016】
【実施例】以下、実施により本発明を具体的に説明する
が本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。
【0017】実施例1 攪拌機、100mlの滴下ロートを備えた1000ml
の3口丸底フラスコに2−メトキシ−6−メチルアミノ
ピリジン:14.0g、炭酸ナトリウム:10.6g、
水:15.0g並びにイソプロパノール:285gを仕
込み、水浴上で攪拌しながら冷却し、液温を15℃とし
た。
【0018】次いで滴下ロートにO−5,6,7,8−
テトラヒドロ−2−ナフチル クロロチオホルメイト:
22.0gを仕込み3時間かけて滴下した。
【0019】滴下終了後の反応液粘度を芝浦システム製
単一円筒型粘度計で測定したところ342cpであっ
た。さらに1時間攪拌しながら熟成を行った後、107
mlの水を添加、ろ過、150mlの水で洗浄、次いで
乾燥することにより粗製O−5,6,7,8−テトラヒ
ドロ−2−ナフチル6−メトキシ−2−ピリジル(メチ
ル)チオカーバメート:30.70gを得た。ガスクロ
マトグラフィーによる純度は、99.8重量%で、O−
5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチルクロロチ
オホルメイト基準の収率は96.3%であった。
【0020】実施例2〜4 実施例1と同じ反応装置を用い、表1に示した条件下で
反応を行った。結果を表1に示した。
【0021】比較例1 実施例1と同じ反応装置を用い、反応溶媒量を水14.
0g、イソプロパノール88.0gとした以外実施例1
と同じ条件で反応を行った。反応後の反応液粘度は12
500cpでほとんど攪拌できていない状態であった。
結果を表1に示した。
【0022】比較例2 実施例1と同じ反応装置を用い、O−5,6,7,8−
テトラヒドロ−2−ナフチル クロロチオホルメイトの
滴下時間を2時間とした以外、実施例1と同じ条件で反
応を行った。反応終了後の反応液粘度は1000cpで
攪拌がやや困難であった。結果を表1に示した。
【0023】実施例5(大量スケールでの製造) 攪拌機、10リットルの送液タンクを備えたジャケット
付き50リットルのテフロンライニングの反応器に2−
メトキシ−6−メチルアミノピリジン:1.20kg、
炭酸ナトリウム:880g、水:1.25kg並びにイ
ソプロパノール:23.75kgを仕込水浴上で攪拌し
ながら冷却し、反応液温度を15℃とした。
【0024】次いで送液タンクにO−5,6,7,8−
テトラヒドロ−2−ナフチル クロロチオホルメイト:
1.87kgを仕込み3時間かけて反応器に送液した。
【0025】滴下終了後の反応液粘度は360cpであ
った。また反応中の攪拌状況を目視で観察したところ、
均一に攪拌が行えていた。
【0026】攪拌しながら1時間熟成を行った後、9.
0kgの水を添加、さらに2時間攪拌を行った。
【0027】得られたスラリーを、遠心分離機で濾過、
水洗、次いで乾燥することにより粗製O−5,6,7,
8−テトラヒドロ−2−ナフチル6−メトキシ−2−ピ
リジル(メチル)チオカーバメート:2.57kgを得
た。
【0028】ガスクロマトグラフィーによる純度は9
9.9重量%で、収率は95.0%であった。
【0029】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−282369(JP,A) 特公 昭61−30671(JP,B2) 特公 平1−455449(JP,B2) 特公 昭63−432(JP,B2) 特公 昭63−433(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 213/00 - 213/75 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱ハロゲン化水素試剤存在下、2−メトキ
    シ−6−メチルアミノピリジンと2−メトキシ−6−メ
    チルアミノピリジンに対して10から50重量倍量のイ
    ソプロパノール−水の混合溶媒に、O−5,6,7,8
    −テトラヒドロ−2−ナフチル クロロチオホルメイト
    を3時間以上で供給することを特徴とするO−5,6,
    7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル 6−メトキシ−
    2−ピリジル(メチル)チオカーバメートの製造方法。
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