JP2502992B2 - ビフエニルテトラカルボン酸の回収方法 - Google Patents

ビフエニルテトラカルボン酸の回収方法

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JP2502992B2 JP61276246A JP27624686A JP2502992B2 JP 2502992 B2 JP2502992 B2 JP 2502992B2 JP 61276246 A JP61276246 A JP 61276246A JP 27624686 A JP27624686 A JP 27624686A JP 2502992 B2 JP2502992 B2 JP 2502992B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は3,4,3′,4′−ビフエニルテトラカルボン酸
(以下、s−BTCと言う)の回収方法に関するものであ
り、詳しくは、s−BTCの塩を含むアルカリ水溶液を酸
析してs−BTCを回収する方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、s−BTCの製造法として、例えば、特公昭59−1
4015号に記載されているように、4−ハロゲノフタル酸
塩をアルカリ水溶液中に溶解し、金属パラジウムを担体
に担持した触媒及び少量のメタノールの存在下、50〜15
0℃の温度に加熱し脱ハロゲン二量化反応させて製造す
る方法が知られている。この方法はアルカリ水溶液中で
反応を行なつているため、s−BTCはアルカリ塩として
得られるので、このs−BTCのアルカリ塩を酸析して目
的とするs−BTCを回収する必要がある。しかしなが
ら、この酸析処理は通常、反応混合物を冷却し、次いで
パラジウム触媒を分離した後のアルカリ水溶液に鉱酸を
加える事により行なわれるが、この方法により回収され
るs−BTCの結晶は微細なものである為、結晶を分離す
る際の過性が悪く、また、回収結晶の乾燥操作も面倒
であつた。なお、この方法の場合、酸析系内が強アルカ
リ性から強酸性に移行するため、現実的には装置の材質
の面から高温での酸析は困難であり、低温にて実施せざ
るを得なかつた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者等は、上記実情に鑑み、s−BTCの塩を含む
アルカリ水溶液を酸析してs−BTCを回収する方法にお
いて、過性及び乾燥性の良好な大きいサイズのs−BT
C結晶を得る方法を提供しようとするものである。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明は、s−BTCの塩を含むアルカリ水
溶液を鉱酸により酸析してs−BTC結晶を回収する方法
において、酸析処理を50〜200℃の温度で鉱酸水溶液中
に前記アルカリ水溶液を供給することにより行なうこと
を特徴とするs−BTCの回収方法である。
本発明において、s−BTCの塩としては通常、ナトリ
ウム塩、カリウム塩又はリチウム塩を挙げることができ
る。このアルカリ水溶液中のs−BTCの塩の濃度は通
常、1〜40重量%である。また、アルカリ水溶液のpHは
通常、12〜14であり、更に、このアルカリ水溶液中には
その他の任意な成分を含有していても差し支えない。
このようなアルカリ水溶液は、具体的には、例えば、
4−ハロゲノフタル酸塩をアルカリ水溶液中に溶解し、
金属パラジウムを担体に担持した触媒及び少量のメタノ
ールの存在下、50〜150℃に加熱し、脱ハロゲン二量化
反応させ、得られた反応混合物より固形分を別した後
のs−BTCのアルカリ塩を含むアルカリ水溶液が挙げら
れる。この場合、通常、副生物であるフタル酸塩などが
相当量含有されている。
また4−ハロゲノフタル酸塩をアルカリ水溶液中に溶
解し、金属パラジウム系触媒及び一酸化炭素の存在下で
脱ハロゲン二量化反応させたs−BTCのアルカリ塩を含
むアルカリ水溶液も適用することができる。
本発明では、鉱酸水溶液中に上記アルカリ水溶液を供
給して酸析処理するが、この酸析処理は、回分法又は連
続法で実施することができる。回分法の場合には、鉱酸
水溶液を敷液として、これにアルカリ水溶液を供給する
ことにより実施され、また、連続法の場合には、鉱酸水
溶液の一部を敷液とし、残りをアルカリ水溶液とともに
供給することにより実施される。
アルカリ水溶液の供給は連続又は間欠で行う事ができ
るが、供給速度は反応のスケールによつて異なるもの
の、酸析温度がほぼ一定になるように調節される。
本発明では、このような酸析方法を採用することによ
り、結晶サイズの大きいs−BTC結晶を得ることができ
るが、逆に、アルカリ水溶液を敷液とした場合にはこの
ような効果は得られない。
酸析に用いる鉱酸としては、通常、硫酸、塩酸、リン
酸等を挙げる事ができるが、硫酸を用いた場合には、酸
析温度を高くすることが可能であるので特に好ましい。
硫酸を用いる場合、敷液中(反応系中)の硫酸濃度は通
常、50〜1重量%、好ましくは30〜3重量%に維持しつ
つ酸析を行う事が好ましい。系内の硫酸濃度があまり高
い場合には、大きいサイズの結晶を得る事が難しくな
る。また、酸析時のpHはカルボン酸塩を完全に中和する
為に通常、3以下に、好ましくは2以下に保持するのが
好ましい。
酸析は通常、常圧又は加圧下で実施でき、また、その
温度は50〜200℃の高温であることが必要で、好ましく
は80〜140℃である。酸析温度があまり低いと大きなサ
イズの結晶を得る事が難しい。酸析によつて析出したs
−BTCは過により容易に回収することができる。過
は酸析温度から常温の間で実施できるが、脱ハロゲン二
量化反応で副生するフタル酸との分離を良好に行う為に
は、酸析処理及び過を80℃以上の温度で実施するのが
好ましい。次いで、回収したケーキは必要に応じて、脱
塩水で洗浄することにより、更に高純度のものとするこ
とができる。
(実施例) 次に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発
明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定される
ものではない。
実施例1 撹拌機,還流冷却器及び加熱装置を備えた1.0ガラ
ス製4つ口フラスコに、20%硫酸395gを入れ、撹拌しつ
つ還流温度(約104℃)迄昇温し、これにs−BTCのナト
リウム塩41.83g(0.1mole)と水酸化ナトリウム27.04g
(0.676mole)を含むアルカリ水溶液350gを還流下、2
時間かけて滴下することによりs−BTCの酸析を行なつ
た。
酸析終了後、混合物を80℃迄冷却しヌツチエにて吸引
過して析出したs−BTC結晶を別し、次いで、この
結晶を脱塩水90mlで振りかけ洗浄した後、140℃で一昼
夜真空乾燥を行いs−BTCの結晶32.3gを回収した。
このs−BTC結晶の回収率は98%であり、また、得ら
れた結晶のサイズは平均150×50μmで、過性の良好
なものであつた。尚、参考の為に、この結晶の顕微鏡写
真(100倍)を参考写真1として示す。
比較例1 撹拌機及び加熱装置を備えた1.0ガラス製4つ口フ
ラスコに、s−BTCナトリウム塩41.83g(0.1mole)、水
酸化ナトリウム27.04g(0.676mole)を含むアルカリ水
溶液350gを入れ、室温にて20%硫酸を滴下したところ、
約200g滴下した時点で反応液がクリーム状となり撹拌が
不能となつたので実験を中止した。
実施例2 酸析温度を95℃とした以外は、実施例1と同様に実施
した場合の結果を表−1に示す。
実施例3〜6 酸析に用いた硫酸の濃度及び酸析温度を表−1に示す
ものに変更した以外は実施例1と同様に実施した場合の
結果を表−1に示す。
(発明の効果) 本発明によれば、s−BTCの塩を含むアルカリ水溶液
を鉱酸水溶液中に滴下することにより結晶サイズの大き
いs−BTCが得られる。
また4−ハロゲノフタル酸塩の脱ハロゲン二量化反応
で得たs−BTCの塩を含有するアルカリ水溶液を酸析す
る場合には、酸析温度及び過温度を選定することによ
り副生物であるフタル酸含有量を少ない高純度のs−BT
C結晶を良好に得ることができる。
そのため本発明で得られるs−BTC結晶は過性が良
好である上、乾燥時間を短かくてすみ、また不純物の混
入も少ない優れたものである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン
    酸の塩を含むアルカリ水溶液を鉱酸により酸析して3,4,
    3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸の結晶を回収す
    る方法において、酸析処理を50〜200℃の温度で鉱酸水
    溶液中に前記アルカリ水溶液を供給することにより行う
    ことを特徴とする、ビフェニルテトラカルボン酸の回収
    方法。
  2. 【請求項2】鉱酸として硫酸を用いることを特徴とする
    特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  3. 【請求項3】鉱酸水溶液の硫酸濃度を50〜1重量%に保
    持することを特徴とする特許請求の範囲第(2)項記載
    の方法。
  4. 【請求項4】鉱酸水溶液のpHを3以下に保持することを
    特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  5. 【請求項5】酸析時の温度を80〜140℃とすることを特
    徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
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