JP2922999B2 - 高純度の3,3’,4,4’―ビフェニルテトラカルボン酸及びその酸二無水物の製造方法 - Google Patents

高純度の3,3’,4,4’―ビフェニルテトラカルボン酸及びその酸二無水物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性の高いポリイミド樹脂等の原料であ
る高純度3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸
(以下、BPTAと略する)及び3,3′,4,4′−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと略する)を得
る方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、BPDAは耐熱性の高いポリイミド樹脂等の原料と
して注目されている。最近、BPDAの純度が年々高純度の
ものが要求されるようになった。
従来、BPDAの製造方法は種々の提案がなされている。
その主な方法としては、例えば、下記の反応式による、
即ち、オルトフタル酸ジアルキルエステルの脱水素二量
化反応によって得られる主生成物であるビフェニルテト
ラカルボン酸テトラエステル(3,3′,4,4′−異性体及
び2,3,3′,4′−異性体の混合物)を加水分解し、次い
で、得られるBPTAを脱水反応させて製造する。
最終的に得られるBPDAには未反応の原料、副生成物、
触媒等の無機物及びそのイオンなどの種々の不純物の一
部が混入するため、順序が必ずしも高くならない。
また、下記の反応式による、例えば、4−クロロオル
トフタル酸ナトリウム塩を、水酸化ナトリウムと共に溶
解させている水溶液中に金属パラジウムを担体に担持さ
せた触媒及びメタノール等の助触媒を存在させ、その溶
液を加熱させる二重化反応によってBPTAのアルカリ塩が
得られ、これを酸析して析出させ、ろ過で白色沈殿物BP
TAを分離する。更にこれを乾燥してBPTAを得る。次い
で、得られるBPTAを脱水反応させてBPTAを製造する。
この方法では、反応後、反応液をろ過してパラジウム
系触媒を除去し、ろ液に酸を加えてBPTAを析出させ、ろ
過で白色沈殿物BPTAを分離する。更にこれを乾燥してBP
TAを得る。ろ過で白色沈殿物BPTAを分離する工程で得ら
れた白色沈殿物BPTAが微細であるためにろ過しにくく、
洗浄が十分にできない。この粗BPTAの中には前者の例と
同様に種々の不純物が含まれる。その不純物とは原料に
起因するフタル酸、アルカリ金属塩類、アルカリ土類金
属塩類、或いはその他の金属塩、塩酸等の強酸等であ
る。(特開昭55−20705号) また、4−ハロゲノオルトフタル酸ジアルキルをニッ
ケル触媒、助触媒等の存在下で二量化反応によってBPTA
のエステル体が得られる方法等もある。
これらの方法で得られた粗BPTAの純度は85〜90%であ
ることが一般的である。
従来、この粗BPTAの脱水反応により純度の高いBPDAを
得る方法には、無水酢酸のような脂肪族の酸無水物等の
存在下での脱水する方法、また粗BPTA又は粗BPDAを加熱
昇華してその蒸気を冷却してBPDAを得る方法(特開昭61
−249977号、特開昭62−257934号)が知られている。
前者は粗BPTAを多量の無水酢酸のような脂肪族の酸無
水物と共に還流、脱水してBPDAにすると共に同時に溶解
度の差によって不純物の無水フタール酸等を溶解除去し
てBPDAの純度を高める方法である。しかしながら、刺激
臭の強い無水酢酸等を取り扱うために取り扱い方が不便
であるとともに大量の無水酢酸等を消費するためBPDAの
コストが高くなる。
また、後者は加熱昇華により脱水と昇華精製を行なう
ものである。しかしながら、大規模な装置を必要とする
ためにBPDAのコストが高くなる。またフタール酸、無水
フタル酸等も同時に昇華するのでこの精製には特別の工
夫を要する。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上の事情に鑑み、本発明は、取り扱いの不便な無水
酢酸等を使用せず、また大規模な装置を必要とせず、簡
便で経済的な手段によって高純度のBPTAまたはBPDAを製
造する方法を提供すべくなされたものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、上記の課題を解決するために種々研究を
重ねた結果、水溶液に分散された微細な白色沈殿物粗BP
TA溶液から、高純度BPTAを結晶化させることによって、
これをろ過しやすくし、ろ過、洗浄により不純物を除去
して容易に高純度のBPTAを得ることを見出したものであ
る。
すなわち、本発明は、水溶液に分散された微細な白色
沈殿物粗3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸溶
液の熱処理で3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸を結晶化させる工程、結晶化した3,3′,4,4′−ビフ
ェニルテトラカルボン酸から不純物を除去する工程から
なることを特徴とする高純度3,3′,4,4′−ビフェニル
テトラカルボン酸の製造方法に関する。
ここにおいて、結晶化のための熱処理は、水溶液に分
散された白色沈殿物粗3,3′,4,4′−ビフェニルテトラ
カルボン酸を定圧下還流するか、又は加圧下90℃〜150
℃で加熱することによってなされる。
また、本発明は、高純度3,3′,4,4′−ビフェニルテ
トラカルボン酸の結晶化物を加熱処理することを特徴と
する高純度3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物の製造方法に関する。この加熱処理の望ましい
温度範囲は150〜260℃である。
以下、本発明を詳細に説明する。
従来、カップリング反応で得られた粗BPTAアルカリ塩
を酸析(BPTAアルカリ塩に強酸を加えてBPTAにする)す
る方法又は粗BPTAのエステル体を強酸で加水分解するか
水酸化アルカリで加水分解し、酸析する方法ではいずれ
も微細な白色沈殿物BPTAが得られる。得られた微細な白
色沈殿物粗BPTAを含む水溶液からBPTAをろ過で分離する
ことは容易ではなく、更にこのBPTAから不純物を除去
し、高純度化するには長時間を必要とし、コスト高にな
る。
本発明の高純度BPTAを製造する方法においては、微細
な白色沈殿物粗BPTAを含む水溶液を加熱容器の中に仕込
み、定圧下で還流するか又は加圧下で90℃〜150℃で加
熱処理すると微細な白色沈殿物の粗BPTAが結晶化して比
較的大きな結晶となり、BPTAのろ過が容易になる。この
水溶液をろ過、イオン交換水又は熱湯イオン交換水洗い
を繰り返すと純度の高いBPTAが得られる。この操作は結
晶化するとろ過し易いと同時に未反応物、副生成物であ
るフタル酸、無機塩、酸等の不純物が容易に除去され易
い。水溶液に分散された微細な白色沈殿物粗BPTA溶液は
酸析でのpH1〜5、好ましくはpH1〜3の溶液で、このま
まの状態で熱処理しても良い。又は微細な白色沈殿物粗
BPTAを精製したものを熱処理しても良い。又BPDAを製造
する際に、白色沈殿物の脱水反応より結晶化物の脱水反
応の方が短時間で進行する。かくすることにより再びBP
TAの溶解度の差によって微量のフタル酸及び種々の金属
イオン類及び陰イオン類が除去される。フタル酸等の除
去を効率よく行なうためにはBPTAを出来るだけ大きい結
晶化物にすることが必要である。還流や高圧下の加熱処
理に要する時間は、1〜8時間、好ましくは3〜6時間
が適当である。
還流の場合の加熱温度は、仕込み量によって異なる
が、90℃から110℃、好ましくは95℃から105℃である。
加圧下での加熱温度は、仕込み量や反応機によって異な
るが、90℃から150℃、好ましくは95℃から130℃であ
り、圧力は仕込み量や反応機によって異なるが、0.5kg/
cm2から30kg/cm2で結晶化を行う。
熱処理をしない粗BPTAを単に水又は熱湯水洗浄処理に
よって精製しようとすると、粒子が極めて微細であるた
めろ過が困難である。また片栗粉を水に溶かしたような
ペースト状となり、取り扱いが困難で実用的でない。前
記のように熱処理によってBPTAがろ過しやすい結晶とし
て析出される。つまり、粒径が大きくなりろ過、洗浄の
工程が容易に行われる。微細な白色沈殿物粗BPTAを含む
水溶液にはカップリング反応で使用した少量の助触媒ア
ルコール類、例えばメタノール、エタノール、プロピル
アルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプ
ロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エタノールアミン等、酸析用として使用した試薬、
例えば、塩酸、硫酸、リン酸、などの鉱酸等、カップリ
ング反応中又は酸析で生成した無機塩等が含まれても良
い。但し、少量のアルコール類は微細な白色沈殿物であ
るBPTAの結晶化を促進するが、多量のアルコール類の添
加はBPTAを溶解するため、BPTAの収率が悪くなる。従っ
て、少量とは、結晶化時に水(イオン交換水)に対する
BPTAの溶解性を加速するために必要な最小限度の量であ
って且つBPTAの収率を低下させない範囲の量であり、例
えば二量化反応時に用いた触媒であるメタノール、2エ
タノールアミンなどのアルコール類の添加量の範囲内
〔全ハロゲン化フタル酸塩の混合物の総モル数に対して
1.5から40倍、好ましくは2から25倍更に好ましくは2.5
倍から15倍程度の割合となるような量〕であれば良い。
従って、二量化反応終了後、酸析後に二量化反応時に用
いた触媒であるメタノール、2エタノールアミンなどの
アルコール類を含んだ状態でBPTAの結晶化工程を行なっ
ても良い。
本発明の高純度BPDAを製造する方法として、純度の高
いBPTAから未反応物や副生成物である無水フタル酸等を
除去して更に純度を高めるためにトラップ付加熱容器の
中に仕込み、150〜260℃の範囲で加熱処理するとBPTAか
ら脱水され、高純度BPDAが得られる。この加熱処理時に
BPTAの脱水による酸二無水物の生成と同時に微量の無水
フタル酸として昇華され、トラップ等に分離される。加
熱温度は150℃〜260℃であるが、好ましくは200℃〜240
℃、更に好ましくは220℃付近が最も効率良い。即ち、
脱水効率もよくするには150℃〜260℃で150℃未満では
脱水効率があまり良くなく、260℃越えると製品が着色
する虞れがある。また150℃〜260℃に加熱処理をするこ
とによってBPDAの結晶が成長し、粒度がやや大きくな
り、取り扱いが極めて容易になる。加熱に要する時間
は、1〜8時間、好ましくは2〜4時間が適当である。
熱処理−ろ過・熱湯水洗浄−加熱処理の1サイクルの
精製工程で得られるBPDAは通常の目的には十分使用され
る純度を有し、BPDAの純度としては99.5%以上100%近
くに達する。この工程において熱湯水洗浄のあと水洗を
行なって加熱処理を行なうと、更に高純度のBPDAとな
り、BPDAの純度としては99.8%以上、金属イオン及びハ
ロゲンイオンは1ppm以下となり高信頼性の要求される製
品(例えば半導体)用材料の原料としての使用に充分耐
え得るものとなる。
〔作用〕
本発明においては、粗BPTAを熱処理することによって
BPTAを結晶化するので、ろ過を短時間で行うことがで
き、またこの結晶化物をイオン交換水又は熱湯イオン交
換水洗浄することによって、短時間で容易に不純物の除
去をすることができ、純度の高いBPTAを得ることができ
る。さらに、この高純度BPTAを加熱処理することによ
り、容易に純度の高いBPDAを得ることができる。
以下に本発明の一部実施例を挙げて説明する。なお、
実施例中の部とは、重量部を表わす。
実施例1 (1)ビフェニルテトラカルボン酸の調製 撹拌機及び加熱装置を備えた反応機に、4−クロロオ
ルトフタル酸ナトリウムの二量化反応で得られたBPTAの
ナトリウム塩の水溶液(BPTA5.4%,フタル酸4.2%を含
む)69部を仕込み、撹拌下濃塩酸14部を添加し(pH
2)、酸析後、3時間還流し、冷却後ろ過した。ろ過が
容易にできた。得られた白色結晶7.2部をイオン交換水3
6部とともに再び反応機に仕込み、撹拌下加熱し、熱ろ
過した。得られた白色結晶4.7部を、120℃で5時間熱風
乾燥して、白色結晶のBPTA3.5部を得た。このものの純
度は99.5%で、フタル酸は殆ど含まれていなかった。
(2)脱水反応 上記BPTAの結晶化物を、排気口に冷却トラップを付け
た加熱装置に入れ、軽く吸引しながら、220℃で2時間
加熱脱水して、白色結晶状の精製BPDA2.1部を得た。こ
のものの純度は99.8%以上で、無水フタル酸は含まれて
いなかった。また、イオン含有量は、ナトリウムイオ
ン、塩素イオンともに1ppm以下であった。
実施例2 (1)ビフェニルテトラカルボン酸の調製 撹拌機及び加熱処理を備えた反応機に、オルトフタル
酸ジメチルエステルの二量化反応で得られたビフェニル
テトラカルボン酸テトラメチルエステル(2,3′,,3,4′
−異性体45%,3,3′,4,4′−異性体65%の混合物)73.0
部に濃塩酸100mlを添加し、5時間還流し、ビフェニル
テトラカルボン酸テトラメチルの異性体混合物を加水分
解してビフェニルテトラカルボン酸を得た。次いで、反
応液(ビフェニルテトラカルボン酸の異性体混合物)を
蒸発乾固し、これを水に分散し、各々3時間還流し、冷
却後ろ過した。ろ過が容易にできた。更に純水で2,3回
洗った。得られた各々の白色結晶を、120℃で2時間熱
風乾燥して、白色結晶のビフェニルテトラカルボン酸の
異性体混合物を得た。このものの純度は99.6%以上で、
フタル酸は含まれていなかった。
(2)脱水反応 各純度の高い白色結晶のビフェニルテトラカルボン酸
の異性体混合物を220℃で3時間加熱脱水して、白色結
晶状の精製ビフェニルテトラカルボン酸の異性体混合物
51部を得た。これらの純度は99.8%以上で、無水フタル
酸は含まれていなかった。
また、イオン含有量は、各実施例でナトリウムイオ
ン、塩素イオンともに1ppm以下であった。
実施例3〜5 (1)ビフェニルテトラカルボン酸の調製 撹拌機及び加熱処理を備えた反応機に、4−クロロフ
タル酸ナトリウムの二量化反応で得られたBPTAのナトリ
ウム塩の水溶液(BPTA5.4%,フタル酸4.2%を含む)各
々70部を仕込み、撹拌下濃塩酸を添加し(各pH2)、得
られた微細な白色沈殿物を120℃で2時間熱風乾燥して
組BPTAを得た。得られた微細な白色沈殿物3部とイオン
交換水20部とともに再び反応機に仕込み(各々の溶液は
pH:1,3,5になるように調整した)、撹拌下3時間還流
し、冷却後ろ過した。得られた白色結晶を更に純水、熱
湯の純水で数回洗った、120℃で5時間熱風乾燥して、
白色結晶のBPTA2.8、2.9、2.9部を得た。このものの純
度は99.5%以上で、フタル酸は殆ど含まれていなかっ
た。
(2)脱水反応 上記BPTAの結晶を、排気口に冷却トラップを付けた加
熱装置に入れ、軽く吸引しながら、220℃で2時間加熱
脱水して、白色結晶の精製BPDA2.3、2.1、2.5部を得
た。このものの純度は99.8%以上で、無水フタル酸は含
まれていなかった。また、イオン含有量は、ナトリウム
イオン、塩素イオンともに1ppm以下であった。
実施例6 (1)ビフェニルテトラカルボン酸の調製 撹拌機及び加熱処理を備えた反応機に、4−クロロオ
ルトフタル酸ナトリウムの二量化反応で得られたBPTAの
ナトリウム塩の水溶液(BPTA5.4%、フタル酸4.2%を含
む)80部を仕込み、撹拌下pH2になるように濃塩酸を添
加して酸析した。この溶液を入れた反応機を密閉し、10
2℃から104℃に加熱した後、3時間保持した。加熱後約
50℃〜60℃に冷却し熱ろ過した。得られた白色結晶をイ
オン交換水で2、3回洗った後、110℃で2時間熱乾燥
して白色結晶のBPTA8.4部を得た。このものの純度は、9
9.6%で、フタル酸は殆ど含まれていなかった。
(2)脱水反応 上記BPTAの結晶化物4.0部を、排気口に冷却トラップ
をつけた加熱装置に入れ、軽く吸引しながら220℃で2
時間加熱脱水して、白色結晶の精製BPDA3.9部を得た。
このものの純度は99.8%以上で、イオン含有量は、ナト
リウムイオン、塩素イオンともに1ppm以下であった。
比較例1 <昇華法による精製> 撹拌機及び加熱装置を備えた反応機に、4−クロロフ
タル酸ナトリウムの二量化反応で得られたBPTAナトリウ
ム塩の水溶液(BPTA5.4%、フタル酸4.2%を含む)各々
70部を仕込み、撹拌下濃塩酸を添加し(各pH2)、酸析
後、ろ過し、更に純水で2,3回洗った。微細な白色沈殿
物を水と分離するのに長時間かかった。ペースト状物を
120℃で2時間熱風乾燥して大きな塊状の粗BPTAを得
た。これを粉砕し、下部に加熱装置、上部に冷却装置の
板状冷却面、頂部にガス排気口をそれぞれ有する密閉形
反応器に実施例1の粗BPTA1部を仕込み、減圧下加熱し
た。40mmHgで200℃で2時間加熱して、BPTAとしたの
ち、20mmHg,300℃で1時間加熱した。冷却面に析出した
黄色味を帯びた結晶のBPDA0.9部を回収した。このもの
の純度は99.2で、無水フタル酸0.5%が含まれていた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、簡便でかつ経済的な方法により高純
度のBPTA及びBPDAを得ることができるので、ポリイミド
樹脂等の原料として用いられるBPDAの製造方法として有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 63/331 C07C 51/43 C07D 307/89

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶液に分散された微細な白色沈殿物粗3,
    3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸を定圧下還流
    するか、または加圧下で90〜150℃で加熱処理して3,
    3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸を結晶化させ
    る工程と、結晶化した3,3′,4,4′−ビフェニルテトラ
    カルボン酸から不純物を除去する工程からなることを特
    徴とする高純度3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボ
    ン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】上記水溶液に分散された微細な白色沈殿物
    粗3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸溶液はpH1
    〜5で、必要に応じてその溶液にはアルコール類及び反
    応副生成物の無機塩を含むことを特徴とする請求項1記
    載の高純度3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸
    の製造方法。
  3. 【請求項3】水溶液に分散された微細な白色沈殿物粗3,
    3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸溶液を定圧下
    還流するか、または加圧下で90〜150℃で加熱処理して
    3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸を結晶化さ
    せる工程と、結晶化した3,3′,4,4′−ビフェニルテト
    ラカルボン酸から不純物を除去する工程と、3,3′,4,
    4′−ビフェニルテトラカルボン酸の結晶化物を温度150
    ℃から260℃までの範囲で加熱処理する工程からなるこ
    とを特徴とする高純度3,3′,4,4′−ビフェニルテトラ
    カルボン酸二無水物の製造方法。
  4. 【請求項4】上記水溶液に分散された微細な白色沈殿物
    粗3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸溶液はpH1
    〜5で、必要に応じてアルコール類及び反応副生成物の
    無機塩を含むことを特徴とする請求項3記載の高純度3,
    3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の製
    造方法。
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