JPH0525084A - 2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸の製造法 - Google Patents

2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸の製造法

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JPH0525084A
JPH0525084A JP3206197A JP20619791A JPH0525084A JP H0525084 A JPH0525084 A JP H0525084A JP 3206197 A JP3206197 A JP 3206197A JP 20619791 A JP20619791 A JP 20619791A JP H0525084 A JPH0525084 A JP H0525084A
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JP
Japan
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acid
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tetrafluorobenzoic acid
reaction
tetrafluorobenzoic
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JP3206197A
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Yoshiyuki Tachibana
芳幸 立花
Shigetarou Matsushita
卯太朗 松下
Masao Watanabe
雅男 渡辺
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SDS Biotech Corp
Original Assignee
SDS Biotech Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 農薬、医薬、その他の工業製品の中間体とし
て有用な2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸の新
規な製造法を提供する。 【構成】 テトラフルオロフタル酸を、沸点が110℃
以上で非反応性・非プロトン性極性溶媒中、110〜2
50℃の温度範囲で反応させ、脱炭酸せしめることを特
徴とする2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸の製
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2,3,4,5−テト
ラフルオロ安息香酸の新規な製造法に関し、該2,3,
4,5−テトラフルオロ安息香酸は、農薬、医薬、その
他の工業製品の中間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、有機溶媒を用いて、テトラフルオ
ロフタル酸を脱炭酸せしめ、2,3,4,5−テトラフ
ルオロ安息香酸とする製法は、著しく困難であるか、又
は収率が低かった。テトラフルオロフタル酸を脱炭酸す
る方法については、イギリス特許第2122190号に
記載がある。この方法はすべて有機溶媒中での反応であ
り、200℃の温度で反応させているが2,3,4,5
−テトラフルオロ安息香酸は得られておらず、ただ1,
2,3,4−テトラフルオロベンゼンが0.5%の収率
で得られておるのみである。有機溶媒ジメチルホルムア
ミドを用いてテトラフルオロフタル酸を脱炭酸せしめ、
64%の収率で2,3,4,5−テトラフルオロ安息香
酸が得られたことを、Yakobson,G.G.らが
Zh.Obshch.Khim.,第36巻第139頁
(1966年)に報告していることが、「Synthe
sis ofFluoroorganic Compo
unds」I.L.KnunyantsとG.G.Ya
kobson共編,Springer−Verlag社
1985年発行の第161頁及び第229頁に記載され
ている。しかし、後記するように、収率、副成物の生成
など満足なものとは言えない。
【0003】これまで、有機溶媒を用いる製造法は困難
であったため、良い製造法が求められていたが、水溶媒
を用いる製造法が平成1年特許公告報第13700号に
記載されており、2,3,4,5−テトラフルオロ安息
香酸が94パーセントを越える収率で得られている。
【0004】しかし、水溶媒を用いる製造法は100〜
250℃の温度範囲で脱炭酸せしめるため、水蒸気及び
生成する炭酸ガスのため、密閉条件下では常圧を越える
圧力を生じ安全面で問題があった。更に、有機溶媒を用
いる製造法はこれまで収率が低く実用的ではなかった。
有機溶媒を用いる実用的且つ常圧を越えない安全な製造
法がもとめられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の2,3,4,5
−テトラフルオロ安息香酸の製造法は以下の問題点があ
り、本発明によって解決されるものである。
【0006】(1)有機溶媒を用いる製造法は実用上困
難であり収率が低い。
【0007】(2)水溶媒を用いる製造法は、高収率で
あり勝れている。しかし、特許公報平成1年第1370
0の記載によると温度範囲は100〜250℃であり水
蒸気及び生成する炭酸ガスによる圧力で、安全上問題が
ある。
【0008】本発明は、沸点の高い有機溶媒を用いる工
業的に有利で安全な製造法を提供するものである。沸点
の高い有機溶媒を用いると、常圧下有機溶媒を系外にだ
さずに生成する炭酸ガスを系外にだすことができるた
め、工業的に安全である。
【0009】
【課題を解決するための手段】2,3,4,5−テトラ
フルオロ安息香酸の製造を記載している平成1年特許公
告報第13700号によれば、水溶液を用い、190℃
で3〜4時間脱炭酸反応を行っている。しかし高温のた
め圧力が12kg/cm2 位かかるのでオートクレーブを用
いなければならず、作業に危険がともなう。そこで常圧
下の反応の可能性を見つけ出すために、有機溶媒を用い
る反応について検討した。
【0010】本発明者らは、ジメチルホルムアミド、及
びジメチルアセタミドを溶媒として用いる製造法を検討
したが2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸は低収
率であり、副生成物が多く、溶媒を脱水しなければその
副生を抑えることが困難であり、更に溶媒の回収が抽出
法では困難であり実用的でなかった。沸点100℃以上
の溶媒で反応条件下安定な多数の有機溶媒を検討したと
ころ、驚くべきことに沸点が110℃以上の非反応性・
非プロトン性極性溶媒中で110〜250℃の温度範囲
で反応させることによって良い結果が得られたので以下
本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の出発原料であるテトラフルオロフ
タル酸は、例えば、米国特許第4,769,493号
(特許権者、株式会社エス・ディー・エス バイオテッ
ク)によって容易に得ることができる。
【0012】本発明に使用される反応溶媒は、沸点が1
10℃以上であり、反応原料のテトラフルオロフタル酸
や反応生成物の2,3,4,5−テトラフルオロ安息香
酸に対しては反応することなく(非反応性)、かつ非プ
ロトン性極性溶媒である。例示すれば、スルホラン、
2,4−ジメチルスルホラン、ジメチルスルホキシド、
ジメチルスルホン、スルホレン、キノリン、イソキノリ
ン、2,6−ルチジン、2,4,6−トリメチルピリジ
ンであるが、これに限定されるものではない。
【0013】本発明の反応温度は110〜250℃であ
り、好ましくは130〜200℃である。この温度範囲
で反応を行えば、何ら加圧することなく、常圧で脱炭酸
反応を行うことができる。そのため、オートクレーブ法
のような、高温高圧の危険性がない。しかも、130〜
150℃の温度範囲では、スチームで加温できるので、
特別な熱媒を使う必要がない。
【0014】反応溶媒は回収して使えるので溶媒の繰り
返し使用が可能であり、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセタミドに比べると悪臭がしない。触媒としては、
炭酸アルカリ塩、炭酸水素アルカリ塩が用いられるが、
炭酸カリウムが好ましい。炭酸カリウムは多量に加える
と副反応が起ってしまうが、0モル〜0.1モル、好ま
しくは0.005モル〜0.025モルの範囲で使用す
れば反応性が良く、2,3,4,5−テトラフルオロ安
息香酸を80%以上の収率で得ることができた。テトラ
フルオロフタル酸は反応溶媒100mlに対して、0.0
1モル〜0.1モル、好ましくは0.05モル〜0.1
5モルを用いて反応を行うと良い結果が得られた。テト
ラフルオロフタル酸は吸湿性があり、従来、本反応溶媒
のかわりに、ジメチルアセタミド溶媒を用いた脱炭酸反
応では、水の影響で、不純物が2%以上副生してしまっ
た。しかし、本反応溶媒を溶媒として用いる本発明で
は、水の影響をほとんどうけないことが明らかとなっ
た。水は、本反応溶媒に対して0〜50容量%、好まし
くは0〜5容量%まで収率の低下が認められなかった。
【0015】反応時間は30分〜8時間、好ましくは1
〜2時間であった。
【0016】
【実施例】
実施例1 スルホラン100mlに、テトラフルオロフタル酸23.
8g、炭酸カリウム0.7g、水5gを加えて撹拌す
る。140±5℃に加熱して、1時間半撹拌する。室温
に冷却後、カ性ソーダ水溶液(カ性ソーダ4.4g、水
40ml)を加えてアルカリ性とする。塩化メチレン20
0mlでスルホランを抽出回収する。更に、反応母液を塩
化メチレン75mlを用いて2回抽出を繰り返した。反応
母液に濃塩酸を添加してpH1とする。2,3,4,5
−テトラフルオロ安息香酸の結晶が析出する。この反応
混合物をトルエン100mlで抽出する。更にトルエン5
0mlで2回目の抽出を行った。トルエン溶液を温水50
ml(60〜70℃)で30分撹拌洗浄し、原料のテトラ
フルオロフタル酸を除去する。トルエン層は、濃縮し
て、2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸を結晶化
する。結晶は、3倍量の水を加えて加熱還流下15分間
撹拌し、15℃まで冷却する。析出した結晶をろ取し、
風乾後、40℃で真空乾燥をした。2,3,4,5−テ
トラフルオロ安息香酸17.3g、収率89.2パーセ
ント、純度98.69%、水分0.13パーセント、融
点82〜83℃、赤外吸収スペクトル(KBr,cm-1
1680,1620,1525,1480,1425,
1340,1250,1095,1030,900。
【0017】実施例2〜10 表1に示したように、溶媒の種類、溶媒量、水の量、及
び塩基の添加量を変えた以外は、実施例1と同様の反応
処理を行った。実験に使用した原料のテトラフルオロフ
タル酸は純度98.5パーセント、水分0.05%であ
った。液体クロマトグラフィー分析により、純度を求め
た。
【0018】
【表1】
【0019】実施例2〜10で得られた、2,3,4,
5−テトラフルオロ安息香酸はすべて、融点81〜83
℃であった。 水分は0.09〜0.2%であった。 純度は98.7%以上であった。
【発明の効果】実施例の結果から明らかなように、本発
明による2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸の製
造法は安全性が高く、収率、純度ともに非常にすぐれた
製造法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 雅男 神奈川県横浜市神奈川区恵比須町8 株式 会社エス・デイー・エスバイオテツク横浜 工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラフルオロフタル酸を、沸点が11
    0℃以上の非反応性・非プロトン性極性溶媒中、110
    〜250℃の温度範囲で反応させ、脱炭酸せしめること
    を特徴とする2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸
    の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1において温度範囲が130〜2
    00℃である2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸
    の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において水を共存せしめ
    る2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3において、テトラフ
    ルオロフタル酸に対して1当量以下の炭酸アルカリ金属
    塩及び/又は炭酸水素アルカリ金属塩を触媒として添加
    する2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸の製造
    法。
  5. 【請求項5】 テトラフルオロフタル酸を、水を5容量
    パーセント以下を含むスルホラン溶媒中、テトラフルオ
    ロフタル酸に対してモル比で0.05〜0.25の炭酸
    アルカリ金属塩を触媒として添加し、130〜150℃
    の温度範囲で反応させ脱炭酸せしめることを特徴とする
    2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸の製造法。
JP3206197A 1991-07-24 1991-07-24 2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸の製造法 Pending JPH0525084A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107778161A (zh) * 2016-10-29 2018-03-09 江苏沙星化工有限公司 一种制备2,3,4,5‑四氟苯甲酸的工艺方法
CN110437056A (zh) * 2019-07-17 2019-11-12 浙江华基生物技术有限公司 工业化制备2,3,4,5-四氟苯甲酸的方法

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