JP4114911B2 - 4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録材料及び医農薬の中間原料等として有用な4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明に関わる4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの製造原料となる4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの製造方法については、特表平11−505820号公報等に記載されているが、例えば、特表平11−505820号公報ではp−フェノールスルホン酸ナトリウム1モルに対して5倍モルの塩化チオニルを用い、多量の未反応の塩化チオニルを加水分解したり、更には、溶媒に1,2−ジクロロエタンを用いたため廃液に1,2−ジクロロエタンが混入している点等、工業的に有利な製造方法とは言い難い。更に、4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドとアリニンとを反応させて4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを製造する方法も、特表平11−505820号公報に開示されているが、例えば、特表平11−505820号公報では反応溶媒に1,2−ジクロロエタンを用い、塩酸水で洗浄を4回行っており、廃液に1,2−ジクロロエタンが混入する問題等があり、工業的製法として見た場合、有用な製造方法であるとは言い難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状に鑑み、本発明の課題は工業的に有利な方法で、高品位、高収率な4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを製造する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、本発明に関する4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの有用な工業的製法について鋭意検討した結果、フェノールと硫酸から得られたp−フェノールスルホン酸の反応組成物を、ベンゼン、トルエン及びキシレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の特定の溶媒とピリジンとを用い、共沸脱水後、ほぼ理論必要量の塩化チオニルでクロル化して得られた4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物とアニリンから4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの反応組成物を製造し、更に、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの精製方法として、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの反応組成物から4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアニリン塩で取り出し、この4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアリニン塩の水溶液をpH8〜13にて共沸蒸溜することによりアニリンを除去し、高収率、高品位の4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを取り出せる製造方法を見出し、本発明を完成させた。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
【0006】
p−フェノールスルホン酸の反応組成物は、フェノールと硫酸を反応させることにより得られる。硫酸の使用量は、フェノール1モルに対して0.9〜1.2モルであり、反応温度は50〜100℃が好ましく、より好ましくは60〜80℃であり、反応時間は4〜48時間であり、従来の概知の方法を何ら制約するものではない。
【0007】
得られたp−フェノールスルホン酸の反応組成物にベンゼン、トルエン及びキシレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の特定の溶媒とピリジンとを加え共沸脱水した後に、塩化チオニルでクロル化を行うことにより4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物が得られる。
【0008】
この時、ベンゼン、トルエン及びキシレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の特定の溶媒の使用量は、p−フェノールスルホン酸の反応組成物に対して0.1〜5倍量が好ましい。ピリジンの使用量は、フェノール1モルに対して0.7〜1.5モルが好ましく、より好ましくは0.9〜1.1モルである。共沸脱水の温度は、用いる溶媒の種類にもよるが一般的には75〜150℃である。クロル化の反応温度は40〜120℃が好ましく、より好ましくは50〜90℃であり、反応時間は1〜24時間程度である。更に、反応に不活性な特定の溶媒を用い共沸脱水したことにより、大過剰な塩化チオニルが必要でなくなり、塩化チオニルの使用量はフェノール1モルに対して0.8〜1.5モルが好ましく、より好ましくは1.0〜1.2モルである。
【0009】
得られた4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物とアリニンの反応によって、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドが得られる。反応そのものは、従来の概知の何ら制約するものではないが、高収率、高品位の4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを得るために本発明は、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアニリン塩を経由して精製するものであり、その方法を以下に示す。
【0010】
<方法1>
前記4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物とアニリン水との反応で、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアリニン塩が結晶状で析出してくるので、これを濾別し、取り出した4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアニリン塩を塩基性物質でpH8〜13に調整し、アニリンを共沸蒸溜により留去させ、酸性物質を加え、pH4〜6に調整した後、80℃〜100℃にて静置し、上層に水層、下層に油層が分離するので、下層の油層を分取し、再結晶溶媒を加え、再結晶法により精製する方法である。
【0011】
尚、使用するアニリンの量は、4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物を製造するのに使用したフェノール1モルに対して2〜5モル程度が好ましい。アミド化の反応温度は−10〜80℃が好ましく、より好ましくは10〜70℃であり、アニリン塩の取り出し温度は5〜30℃が好ましく、より好ましくは10〜20℃である。
【0012】
また、塩基性物質とは、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び水酸化カリウム等が挙げられる。一方、酸性物質とは、硫酸及び塩酸等が挙げられる。再結晶溶媒とは、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、水、酢酸、ヘキサン及びシクロヘキサン等が挙げられる。これ等は、2種類以上混合して用いてもよい。
【0013】
<方法2>
前記4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物とアニリン水及び塩基性物質との反応で、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを得て、反応後更に塩基性物質を加え、pH8〜13に調整し、アニリン、ピリジン及びトルエン等を共沸蒸溜により留去させ、酸性物質を加えpH4〜6に調整した後、80℃〜100℃にて静置し、上層に水層、下層に油層が分離するので、下層の油層を分取し、再結晶溶媒を加え、再結晶法により4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを取り出すが、まだ再結晶濾液に大量の4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドが残留しているので再結晶濾液を濃縮し、濃縮物にアニリン及び再結晶溶媒を加えて加熱溶解し、再結晶法で4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアニリン塩を取り出し、これを方法1で述べた4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアニリン塩の処理と同様にして4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを回収する方法である。
【0014】
尚、塩基性物質、酸性物質及び再結晶溶媒は、方法1のものと同じであって構わない。
【0015】
方法2で使用するアニリン量は、(i)4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物との反応には、4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物を製造するのに使用したフェノール1モルに対してアニリン0.7〜3モル程度が好ましく、より好ましくは0.8〜1.5モルである。(ii)再結晶濾液の濃縮物より4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアニリン塩を製造する時は、再結晶濾液の濃縮物100部に対してアニリンを10〜70部程度が好ましい。
【0016】
4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物とアリニン水及び塩基性物質との反応において、塩基性物質の使用量は4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物を製造するのに使用したフェノール1モルに対して0.2〜3モルが好ましく、より好ましくは1.6〜2.5モルであり、反応中のpHは9以下、より好ましくはpH7以下になるように調整する。
【0017】
また、その反応温度は−10〜80℃が好ましく、より好ましくは10〜70℃である。4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアニリン塩の取り出し温度は5〜30℃が好ましく、より好ましくは10〜20℃である。
【0018】
以上のように2通りあり、いずれを用いてもよい。
【0019】
【実施例】
以下に、具体的は実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
【0020】
(実施例1)…4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの製造
攪拌機、温度計、還流冷却器及び滴下ロートの付いた500mlガラス製反応釜に、フェノール94gr(1モル)を仕込み、80℃以下にて98%硫酸100gr(1モル)を4時間かけて滴下した後、80℃にて10時間熟成させ、p−フェノールスルホン酸の反応組成物194grを得た。該反応組成物を液体クロマトグラフィー(以降HPLCと略す)分析したところp−フェノールスルホン酸の含有量は90%であった。
【0021】
次に、p−フェノールスルホン酸の反応組成物194grに、ピリジン83gr(1.05モル)及びトルエン100grの混合液を70〜80℃にて滴下し、油水分離器をつけて112℃迄に加温昇温し、トルエンとの共沸脱水により水18grを除去した。
【0022】
次に、塩化チオニル125gr(1.05モル)を70℃にて2時間かけ滴下した後、乾燥窒素ガスを吹き込みながら亜硫酸ガス等の発生が収まるまで70℃にて3時間反応させ、4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物437grを得た。本組成物にはHPLC分析によりp−フェノールスルホン酸の残存量はトレースであった。
【0023】
(実施例2)…4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアニリン塩の製造攪拌機、温度計、還流冷却器及び滴下ロートの付いた2リットルガラス製反応釜に、水800gr、アニリン279gr(3モル)を仕込み、反応釜を冷却しながら実施例1で得た4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物437grを、反応釜内温を20℃〜30℃にて2時間かけて滴下した。滴下するにつれ結晶が析出した。滴下終了後に65℃まで昇温し、析出した結晶物を溶解させた後15℃まで除冷し結晶を析出せしめた。結晶物を濾別後、水150grにて洗浄を行った後、乾燥させ白色固体266gr(融点119℃)を得た。
【0024】
本品はHPLC、IR及びH−NMRによる分析により、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド1モルとアニリン1モルとの塩であることを確認した。
【0025】
従って、本方法による4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのフェノールからの収率は78%であった。また、再結晶濾液中の4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの量はHPLCの全面積比で0.5%であり、非常に少ないことを確認した。
【0026】
(実施例3)…4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの製造
攪拌機、温度計、還流冷却器及び滴下ロートの付いた1リットルガラス製反応釜に、水500grと実施例2で得た4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアニリン塩171gr(0.5モル)を仕込み、攪拌しながら25%水酸化ナトリウム水溶液85grを加えpH10に調整した。水酸化ナトリウム水溶液を加えるにつれ結晶物が溶解していった。
【0027】
滴下ロートをはずし、油水分離器をつけ昇温し、水との共沸により水、アニリンを留出させた。油分のアニリンを分取し、釜内からアニリンを除去し、水分は再び反応釜に戻した。6時間後、釜内のアニリンはHPLC分析でトレースとなった。
【0028】
油水分離器をはずし滴下ロートをつけ、90〜95℃にて希硫酸を加え、pH5に調整した。静置し、下層に油分、上層に水層が分離したので、油分を分取し、これにメタノール160gr、水300grを加え、加温溶解し、濾過後に除冷し、結晶が析出したので15℃まで冷却し、結晶を濾別後に乾燥し、白色固形物112gr(融点141℃)を得た。
【0029】
本品はHPLC、IR及びH−NMR分析等から4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドであることを確認した。尚、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのフェノールからの収率は70%であった。
【0030】
(実施例4)…4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの製造
攪拌機、温度計、還流冷却器及び2個の滴下ロートの付いた2リットルガラス製反応釜に、アニリン93gr(1モル)と水400grを仕込み、片方の滴下ロートに48%水酸化ナトリウム水溶液167gr及びもうひとつの滴下ロートに実施例1で得られた4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物437grを仕込んだ。反応釜を氷水で20〜30℃に保ち、両滴下ロートからpHを7以下に保つように調整しながら2時間かけて滴下した。
【0031】
滴下終了後60℃に昇温し、更に48%水酸化ナトリウム水溶液190grを滴下ロートより滴下し、pH10にした。滴下ロートをはずし油水分離器をつけ、加温し共沸蒸留させ、共沸した油分及び水を油水分離器により油分を分取し、水は釜に戻した。
【0032】
この操作を10時間行い、反応釜内のアニリン、ピリジン及びトルエンがHPLC分析でトレースであることを確認した。釜の温度を90℃に保ちながら、希硫酸でpH5に調整し、静置した。
【0033】
上層に水層、下層に油層に分離したので、下層の油層を分取した。得られた油層にメタノール250gr、水500grを加え、加温溶解後に濾過し、濾液を15℃まで除冷し、析出した結晶物を濾別し、乾燥させ、白色固形物150gr(融点141℃)を得た。
【0034】
本品はHPLC、IR及びH−NMR分析等から、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドであることを確認した。この4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのフェノールからの収率は60%であった。
【0035】
そして、再結濾液を濃縮し、ペースト状物50grを得て、これにアニリン20gr、トルエン50grを加え、加温溶解した後、除冷した。析出した結晶物を濾別し、乾燥し、白色固形物34gr(融点119℃)を得た。本品はHPLC、IR及びH−NMR分析等により、4−ヒドロキシベンゼンスルホニルアニリド1モルとアニリン1モルの付加塩であることを確認した。
【0036】
次に、攪拌機、温度計、還流冷却器及び滴下ロートの付いた500mlガラス製反応釜に、水100grとこの4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド1モルとアニリン1モルの付加塩34grを仕込み、攪拌しながら、25%水酸化ナトリウム水溶液17grを加えpH10に調整した。水酸化ナトリウム水溶液を加えるにつれ、結晶物が溶解していった。
【0037】
滴下ロートをはずし、油水分離器をつけ昇温し、共沸により水、アニリンを留出させ、油分のアニリンを分取し、釜内からアニリンを除去し、水分は反応釜に戻した。4時間後、釜内のアニリンはHPLC分析にてトレースとなった。油水分離器をはずし、滴下ロートをつけ、90〜95℃にて希硫酸を加え、pH5に調整した。静置し、下層に油分上層に水層が分離したので、油分を分取し、これにメタノール30gr、水60grを加え、加温溶解し、濾過後に除冷し、結晶が析出したので、15℃まで冷却し、結晶を濾別、乾燥し、白色固形物22gr(融点141℃)を得た。
【0038】
本品はHPLC、IR及びH−NMR分析等から、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドであることを確認した。従って4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド全収量は177grであり、フェノールからの収率は71%であった。
【0039】
(比較例1)…p−フェノールスルホン酸ナトリウム塩の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器及び滴下ロートの付いた1リットルガラス製反応釜に実施例1で得られたp−フェノールスルホン酸の反応組成物194grを仕込み、次に反応釜を冷却しながら水を200gr加えて反応生成物を溶解させた後、24%水酸化ナトリウム水溶液200grを滴下した。
【0040】
更に80℃まで加温後、不溶解物を濾過し、濾液に塩化ナトリウム123grを加えた。
【0041】
加温して均一に溶かし、攪拌しながら冷却し、析出した結晶物を濾別し、40℃で乾燥し、白色固形物162grを得た。
【0042】
本品は示差熱分析の結果、2水塩のp−フェノールスルホン酸ナトリウムであることを確認した。
【0043】
尚、HPLCの分析ではp−フェノールスルホン酸ナトリウム塩の純度は99.4%であった。従って、本方法によるp−フェノールスルホン酸ナトリウム塩のフェノールからの収率は70%であった。
【0044】
(比較例2)…p−フェノールスルホン酸ナトリウム塩から4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの製造
特表平11−505820号公報に従って、p−フェノールスルホン酸ナトリウム塩から4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドを製造した。攪拌機、温度計、還流冷却器及び滴下ロートの付いた2リットルガラス製反応釜にp−フェノールスルホン酸ナトリウム塩の2水和物232gr(1モル)、ジメチルホルムアミド5ml、更に1,2−ジクロロエタン1320mlを仕込み、塩化チオニル595gr(5モル)を25分間かけて室温にて、攪拌しながら滴下した。滴下するにつれp−フェノールスルホン酸ナトリウム塩が溶解して行った。滴下終了後80℃まで昇温し、12時間反応させた。反応液を20℃以下まで冷却し、氷水3.3リットル中に注ぎ静置、分液後、水層に1,2−ジクロロエタン300mlを加えて抽出した。これを更に2回繰り返した。
【0045】
全1,2−ジクロロエタン油層を合わせ無水硫酸ナトリウムで脱水後、濾過し、4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの1,2−ジクロロエタン溶液2950grを得た。
【0046】
尚、本1,2−ジクロロエタン溶液中の4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの純度はHPLC分析では、全面積比で97%であった。
【0047】
(比較例3)
比較例2から得られた4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドから4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの製造
本操作は特表平11−505820号公報に従って行った。攪拌機、温度計、還流冷却器及び滴下ロートを付けた5リットルガラス製反応釜にアニリン233gr(2.5モル)を仕込み、反応釜を冷却しながら、20〜30℃にて実施例2で得られた4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの1,2−ジクロロエタン溶液2950grを滴下した。滴下後、80℃で2時間熟成した。
【0048】
その後、15%塩酸水200grで4回水洗した。次に、無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧濃縮し、150grの粗生成物が得られた。これにエチルエーテル150grとシクロヘキサン300grを加え、加温溶解後に濾過し、濾液を150℃まで冷却し、析出した結晶物を濾別、乾燥し、淡黄色固体120grを得た(融点141℃)。本品はHPLC、IR、H−NMR分析から4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドであることを確認した。
【0049】
p−フェノールスルホン酸ナトリウム塩の2水和物からの4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの収率は48%であった。
【0050】
(比較例4)…4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの製造
攪拌機、温度計、還流冷却器及び油水分離器を付けた1リットルガラス製反応釜に水500grと実施例2で得た4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアニリン塩171gr(0.5モル)を仕込み、攪拌しながら10%水酸化ナトリウム水溶液20grでpH5に調整した後、昇温し、水との共沸を行った。留出液を分液し、水は再び反応釜に戻し、アニリンは系外に除去した。この操作を6時間続けた後、反応釜内のアニリンをHPLCにて分析した所、アニリンの除去率は60%であった。
【0051】
更に、共沸を続け12時間後にはアニリンの除去率は70%、24時間後にはアニリンの除去率は80%、48時間後にはアニリンの除去率は85%であった。加熱を止め静置すると、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの溶液が分離したので分液した。得られた4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド溶液140grをメタノール160gr及び水300grの混液に溶解後に濾過し、得られた濾液を15℃まで除冷すると結晶が析出したので、濾別し乾燥させ、黄色固形物100grを得た(融点135℃)。本品はHPLC分析で4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドが95%、アニリン5%からなる混合物であった。
【0052】
(比較例5)
攪拌機、温度計、還流冷却器及び油水分離器の付いた200mlガラス製反応釜に実施例4中で、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド150grを濾別した再結濾液を濃縮して得たペースト状物50grを仕込み、次にメタノール40gr、水80grを加え加温溶解し、濾過後に除冷した。
【0053】
結晶が析出したので15℃迄冷却し、結晶を濾別後乾燥し、淡黄色固形物23grを得た(融点137℃)。淡黄色固形物中の4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの純度は、HPLC分析の全面積比で70%であった。
【0054】
【発明の効果】
上述したように、本発明によって、工業的に有利な方法で、高品位、高収率な4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを製造する方法を提供することが可能となった。

Claims (3)

  1. 4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを得る製造方法において、フェノールと硫酸から得られたp−フェノールスルホン酸の反応組成物を、ベンゼン、トルエン及びキシレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒とピリジンとを用い共沸脱水後、塩化チオニルにてクロル化して得られた、4−ヒドロキシベンゼンスルホニルクロリドの反応組成物を原料として用い、該反応組成物をアニリンと反応させて4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを得ることを特徴とする4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの製造方法。
  2. 4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの精製方法として、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアニリン塩として取り出して精製する請求項1に記載の4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの製造方法。
  3. 4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアニリン塩より4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを得る方法において、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドのアニリン塩水溶液を、pH8〜13にて共沸蒸留することによりアニリンを除去する請求項1又は2に記載の4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの製造方法。
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