JPS5914015B2 - 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸塩の製造方法 - Google Patents

3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸塩の製造方法

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JPS5914015B2
JPS5914015B2 JP9247078A JP9247078A JPS5914015B2 JP S5914015 B2 JPS5914015 B2 JP S5914015B2 JP 9247078 A JP9247078 A JP 9247078A JP 9247078 A JP9247078 A JP 9247078A JP S5914015 B2 JPS5914015 B2 JP S5914015B2
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尭穂 金田
宏 大門
雅博 上田
忠弘 本藤
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、4−ハロゲノオルソフタル酸アルカリ金属
塩を主として含有するハロゲン化オルソフタル酸アルカ
リ金属塩類の混合物を使用して、金属パラジウムを担体
に担持させた触媒(パラジウムー担体触媒またはPd−
担体触媒と略記することもある)およびメタノールの存
在下に、水酸5 化アルカリ水溶液中でのカップリング
反応によつて、3 ・ 3’ ・ 4 ・ 4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸アルカリ金属塩(以下、S−B
PTA塩と略記することもある)を製造する方法に係る
ものである。
前記の3 ・ 3’ ・ 4 ・ 4’−ビフェニルテ
トラカル10ホン酸アルカリ金属塩(S−BPTA塩)
は、その反応液から強酸で酸析させて、3 ・ 3’
・ 4 ・ 4’−ビフェニルテトラカルボン酸(S−
BPTA)として単離し、次いで、そのS−BPTAを
脱水することによつて、3 ・ 3’ ・ 4 ・ 4
’−ビフェニルテトラ15カルボン酸二無水物(以下、
S−BPDAと略記することがある)を製造することが
できる。そのS−BPDAは、各種のジアミン化合物と
縮重合してポリアミツク酸を製造し、さらにイミド化し
てポリイミド樹脂を製造することができる非常に有20
用なものである。従来、3 ・ 3’ ・ 4 ・ 4
’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(S−BPD
A)の製造方法としては、パラジウム触媒の存在下、オ
ルソフタル酸ジエステルの溶液に分子状酸素を含有する
気体を吹25き込みながら、オルソフタル酸ジエステル
をカップリング反応させて、ビフェニルテトラカルボン
酸テトラエステルを製造し、そのビフェニルテトラカル
ボン酸テトラエステルを加水分解して相当する酸とし、
その酸を脱水してS−BPDAを製造30する方法、あ
るいは、パラジウム触媒の存在下、オルソキシレンの溶
液に分子状酸素を含有する気体を吹き込みながら、オル
ソキシレンをカップリング反応させてビフェニルテトラ
メチルを製造し、そのビフェニルテトラメチルのメチル
基を酸化し35て相当する酸とし、その酸を脱水してS
−BPDAを製造する方法が知られている。
しかしながら、上述の公知のS−BPDAの製造方法で
は、いずれもカツプリング反応の際に多種多様の副生物
が生成し、S−BPDAの収率が低いと共に、高性能の
ポリイミドの製造に必要な高純度のS−BPDAを得る
ために、カツプリング反応生成物の精製について複雑で
困難な精製工程が必要であるという欠点があつた。
この発明者らは、高純度の3・3′・4・4′−ビフエ
ニルテトラカルボン酸二無水物(S−BPDA)を得る
ことができ、副生物の生成がない3・3′・4・4′−
ビフエニルテトラカルボン酸アルカリ金属塩(S−BP
TA塩)の製造方法について鋭意研究した結果、この発
明の方法に到達した。
すなわち、この発明は、4−ハロゲノオルソフタル酸ア
ルカリ金属塩を、ハロゲン化オルソフタル酸アルカリ金
属塩類の全使用量に対して30〜99.5モル%の比率
で含有しているハロゲン化オルソフタル酸アルカリ金属
塩(以下、単にハロゲン化フタル酸アルカリ金属塩とい
うこともある)の混合物が、水酸化アルカリと共に溶解
されている水溶液中に、金属パラジウムを担体に担持さ
せ 二た触媒(Pd一担体触媒)および少量のアルコー
ルを存在させて、その混合液を50〜150℃に加熱し
て、0.2〜30時間反応させることを特徴とする3・
3′・4・4′−ビフエニルテトラカルボン酸アルカリ
金属塩(S−BPTA塩)の製造方法 二に関するもの
である。
この発明の方法では、前記のハロゲン化フタル酸アルカ
リ金属塩の混合物は、4−ハロゲノオルソフタル酸アル
カリ金属塩のほかに、3−ハロゲノオルソフタル酸アル
カリ金属塩、3・4−ジハロゲノオルソフタル酸アルカ
リ金属塩、4・5−ジハロゲノオルソフタル酸アルカリ
金属塩などを含有しているモノまたはジハロゲン化オル
ソフタル酸アルカリ金属塩の混合物である。
したがつて、この発明の方法では、ハロゲン化オルソフ
タル酸アルカリ金属塩類の混合物として、次亜塩素酸塩
または次亜臭素酸塩と水酸化アルカリとを溶解しており
さらにオルソフタル酸(その無水物)またはその塩を溶
解している水溶液を調製して、その水溶液のPH値を5
.5以下に調整しながら、オルソフタル酸またはその塩
をハロゲン化することによつて得られたものを使用する
ことができる。
この発明の方法は、公知のS−BPDAの製造方法のよ
うに、分子状酸素を含有する気体を吹き込んで高温高圧
で接触カツプリング反応するようなことがないので、こ
の発明の方法における反応液中の生成物は、オルソフタ
ル酸アルカリ金属塩類、3・3′・4・4′−ビフエニ
ルテトラカルボン酸アルカリ金属塩(S−BPTA塩)
および少量の2・3・3ζl−ビフエニルテトラカルボ
ン酸アルカリ金属塩(以下、a−BPTA塩と略記する
こともある)の三種類の化合物が主体であり、他の副生
物は非常に微量である。
よつて、この発明の方法における反応液から公知の精製
方法によつて、前記三種類の化合物に対応する酸をそれ
ぞれ分離でき、得られた3・3′・4・4′−ビフエニ
ルテトラカルボン酸(S−BPTA)を脱水することに
よつて高純度の3・3ζ4・4′−ビフエニルテトラカ
ルボン酸二無水物(S−BPDA)を得ることができる
。この発明の方法では、ハロゲン化フタル酸アルカリ金
属塩類の混合物が、4−ハロゲノオルソフタル酸アルカ
リ金属塩のほかに、3−ハロゲノオルソフタル酸アルカ
リ金属塩、3・4−ジハロゲノオルソフタル酸アルカリ
金属塩、4・5−ジハロゲノオルソフタル酸アルカリ金
属塩などを含有している混合物であるにもかかわらず、
カツプリング反応による生成物(二量体)として、3・
3″・4・4′−ビフエニルテトラカルボン酸アルカリ
金属塩(S−BPTA塩)が選択的に高割合で生成し、
a−BPTA塩の生成が予想よりはるかに少なく、他の
二量体の生成は微量である。
さらに、この発明の方法によつて副生するオルソフタル
酸アルカリ金属塩は、オルソフタル酸またはその無水物
として回収されて、再びハロゲン化フタル酸塩の製造の
ために循壊使用することができるので、カツプリング反
応におけるハロゲン化7タル酸塩に対するS−BPTA
塩のモル収率が実質的にかなり高いのである。
以下、この発明の方法について、さらに詳しく説明する
なお、この明細書において、種々の「酸アルカリ金属塩
」について、単に[酸塩」と略記する。
この発明の方法において、水酸化アルカリと共に水溶液
中に溶解されているハロゲン化オルソフタル酸塩の混合
物は、4−ハロゲノオルソフタル酸塩をハロゲン化フタ
ル酸塩類の全使用量に対して30〜99.5モル%、特
に50〜99モル%の比率で含有しているハロゲン化フ
タル酸塩の混合物である。ハロゲン化フタル酸塩の混合
物における前記の4−ハロゲノオルソフタル酸塩の含有
比率が30モル%より低いと、S−BPTA塩の収率が
低くなるので適当ではない。
前記4−ハロゲノオルソフタル酸塩としては、4−クロ
ロオルソフタル酸、4−ブロモオルソフタル酸、4−ヨ
ウ素オルソフタル酸などのナトリウム、カリウム、リチ
ウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属塩を挙
げることができ、特に4−クロロオルソフタル酸または
4〜ブロモオルソフタル酸のナトリウム、カリウムまた
はリチウム塩が好適である。
この発明の方法において、ハロゲン化フタル酸塩の混合
物は、4−ハロゲノオルソフタル酸塩のほかに、3−ハ
ロゲノオルソフタル酸塩および/またはジハロゲノオル
ンフタル酸塩を含有していても良く、全ハロゲン化フタ
ル酸塩に対して3ハロゲノオルソフタル酸塩を50モル
%以下、特に30モル%以下の比率で含有していて、ジ
・・ロゲノオルソフタル酸塩を30モル%以下、特に2
0モル%以下の比率で含有している混合物であることが
好ましい。
前記の3−ハロゲノオルソフタル酸塩として、3−クロ
ロオルソフタル酸、3−ブロモオルソフタル酸、3−ヨ
ウ素オルソフタル酸などのナトリウム、カリウム、リチ
ウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属塩を挙
げることができる。
また、前記のジハロゲノオルソフタル酸塩として、3・
4−ジクロロオルンJャ^ル酸、3・4ジブロモオルソフ
タル酸、4・5−ジクロロオルンフタル酸、4・5−ジ
ブロモオルソフタル酸などのアルカリ金属塩を挙げるこ
とができる。この発明の方法においては、前述のハロゲ
ン化フタル酸塩の混合物が、水酸化アルカリと共に溶解
されている水溶液が使用される。前記の水酸化アルカリ
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
リチウムなどを好適に挙げることができる。
前述の水溶液中には、ハロゲン化フタル酸塩の混合物の
総モル数に対して1〜8倍モル、特に1〜6倍モル、さ
らに好ましくは1.05〜4倍モル)の遊離の水酸化ア
ルカリが、ハロゲン化フタル酸塩の混合物と共に溶解さ
せていることが好ましい。
また、前述の水溶液中に溶解されているハロゲン化フタ
ル酸塩類の混合物の全使用量の溶液中の濃度は、特に限
定されないが、3〜60重量%、特に5〜50重量%、
さらに好ましくは10〜40重量%程度であることが好
ましい。この発明の方法においては、ハロゲン化フタル
酸塩類の混合物の全使用量に対して30〜99.5モル
%の比率の4−ハロゲノオルソフタル酸塩、50モル%
以下の比率の3−ハロゲノオルソフタル酸塩および30
モル%以下の比率のジハロゲノオルソフタル酸塩が、全
ハロゲン化フタル酸塩の混合物の総モル数に対して1〜
8倍モルの比率の水酸化アルカリと共に溶解されている
水溶液が、カツプリング反応に使用する場合に特に好ま
しい。
この発明の方法で使用するハロゲン化フタル酸塩の混合
物を水酸化アルカリと共に溶解している水溶液としては
、例えば、次亜塩素酸塩または次亜臭素酸塩と水酸化ア
ルカリとが溶解しており、さらにオルソフタル酸(その
酸無水物でもよい)またはその塩を溶解している水溶液
を調製し、そのPH値を5.5以下、特に3〜5に調整
しながらオルソフタル酸またはその塩をハロゲン化して
得られたハロゲン化フタル酸塩の混合物を含有する反応
液をそのままかまたは適当に水酸化アルカリを追加して
得られた水溶液、あるいは、前述のハロゲン化反応液か
ら強酸によつて対応するハロゲン化オルソフタル酸の混
合物を酸析または抽出して回収し、その酸の混合物を水
酸化アルカリ水溶液に溶解させて得られる水溶液を使用
することもできる。止述のハロゲン化反応の反応条件は
、芳香族炭化水素化合物をハロゲン化するためのこの種
の公知のハロゲン化反応と同様の条件であればよく、例
えば、反応温度が約5〜80℃、特に10〜60℃程度
であつて、反応圧が常圧または加圧下であり、さらに反
応時間が0.5〜30時間、特に1〜25時間程度であ
ればよい。
また、前述のハロゲン化反応に使用される次亜塩素酸塩
または次亜臭素酸塩は、次亜塩素(または臭素)酸のナ
トリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属塩が
好ましく、その次亜塩素(または臭素)酸アルカリ塩の
総使用量は、反応に使用されたオルソフタル酸またはそ
の塩の総モル数に対して0.8〜2倍モル、特に0.9
〜1.6倍モル程度の比率となる量であればよい。
さらに前述のハロゲン化反応において、次亜塩素(また
は臭素)酸塩と水酸化アルカリとの水溶液は、次亜塩素
(または臭素)酸塩を水酸化アルカリの水溶液に溶解し
て調製されたもの、次亜塩素(または臭素)カルシウム
の水溶液に炭酸アルカリ塩を加えて調製されたもの、あ
るいは、水酸化アルカリの水溶液に分子状の塩素または
臭素を含有する気体を吹き込むことによつて調製された
ものであればよい。上述のハロゲン化反応によるハロゲ
ン化オルソフタル酸塩の製造方法の具体例としては、例
えば、オルソフタル酸無水物を水に添加して分散または
溶解させて、次亜塩素(臭素)酸アルカリ塩の水溶液を
水酸化アルカリの水溶液と共に徐々に前記分散液に添加
し、その反応液のPH値を3〜5.5に調整しながら、
オルソフタル酸またはその塩をハロゲン化する方法、あ
るいは、オルソフタル酸無水物を水酸化アルカリの水溶
液に分散または溶解させて、その溶液に分子状塩素(臭
素)を含有する気体を吹き込んで、次亜塩素(臭素)酸
塩を生成させると共に、その反応液のPH値を3〜5.
5に調整しながら、オルソフタル酸またはその塩をハロ
ゲン化する方法を挙げることができる。
前述のハロゲン化する方法において、ハロゲン化反応の
際に、反応液のPH値を3〜5.5、特に3.5〜5、
好ましくは4〜5に調整することが、生成する全ハロゲ
ン化フタル酸塩の混合物に対し jて、高い比率で4−
ハロゲノオルソフタル酸塩を含有する混合物を得ること
ができるので重要である。また反応液のPH値の調整は
、反応液に塩酸、硫酸、しゆう酸、酢酸などの酸を添加
することによつて行うことができる。前述のハロゲン化
方法によつて得られた反応液中には、反応によつて生成
した全ハロゲン化フタル酸塩の混合物に対して、4−ハ
ロゲノオルソフタル酸塩が50〜90モル%の比率で含
有されており、また3−ハロゲノオルソフタル酸塩が5
〜30モル%の比率であつて、ジハロゲノオルソフタル
酸塩が5〜20モル%の比率で含有されている。
したがつて、前記のハロゲン化方法によつて得られた反
応液中のハロゲン化フタル酸塩の混合物はその組成のま
まで、この発明の方法に好適に使用することができる。
なお、前述のハロゲン化方法によつて得られたハロゲン
化フタル酸塩の混合物は、種々の溶媒(例えばメタノー
ル、エタノール、アセトンなど)中で再結晶、精製する
ことによつて、さらに4−ハロゲノオルソフタル酸の含
有率の高い・・ロゲン化フタル酸の混合物として、この
発明の方法のカツプリング反応に使用することができ、
その場合には、S−BPTA塩を高い収率で製造するこ
とができる。この発明の3・3′・4・4′−ビフエニ
ルテトラカルボン酸塩(S−BPTA塩)の製造方法に
おいては、前述のハロゲン化フタル酸塩の混合物が水酸
化アルカリと共に溶解させている水溶液中に、金属パラ
ジウムを担体に担持させた触媒(Pd−担体触媒)およ
び少量のメタノールを存在させて、その混合液を50〜
150℃、特に60〜130℃に加熱して、0.2〜3
0時間、特に0.5時間反応させるのである。
前記のPd一担体触媒は、大略0価の金属パラジウムを
、カーボン(活性炭)、炭酸カルシウム(炭カル)、シ
リカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化チタンなどの
担体に担持させたものであればよぐ、特にPd−カーボ
ン(活性炭)触媒、またはPd一炭カル触媒が好ましく
、さらにPd−カーボン(活性炭)触媒がこの反応にお
いて取扱い易いので好適である。
また、Pd一担体触媒に担持されている金属パラジウム
は、Pd一担体触媒に対して0.5〜10重量%、特に
0.5〜8重量%程度の比率で、担体に担持されている
ことが好ましい。この発明の方法におけるPd一担体触
媒の使用量は、金属パラジウムが、反応液中の全ハロゲ
ン化フタル酸塩の混合物に対して0.005〜2重量%
、特に0.01〜1重量%程度の比率となるような量で
あればよく、そのPd一担体触媒の添加方法は、公知の
どのような方法であつてもよく、ハロゲン化フタル酸塩
の混合物と水酸化アルカリと共に水に添加しても、ハロ
ゲン化フタル酸塩の混合物と水酸化アルカリとの水溶液
に継続してまたは分割してPd一担体触媒を添加しても
また一度に全量のPd一担体触媒を添加してもよい。
前述の・・ロゲン化フタル酸塩の混合物および水酸化ア
ルカリの水溶液にPd一担体触媒が添加されている混合
液に少量のメタノールを存在させるには、どのような方
法で行つてもよいが、例えば、前記混合液に最初から少
量のメタノールを添加しておいたり、あるいは、カツプ
リング反応を開始した後前記混合液を充分に撹拌しなが
らその混合液に少量ずつのメタノールを断続的に添加す
るかまたは混合液に微量ずつのメタノールを連続または
断続的に滴下して行うことができる。この発明の方法に
おいては、メタノールの総使用量は、全ハロゲン化フタ
ル酸塩の混合物の総モル数に対して1.5〜40倍モル
、特に2〜25倍モル、さらに好ましくは2.5〜15
倍モル程度の比率となるような量であることが好ましい
前述のメタノールの総使用量が全・・ロゲン化フタル酸
塩の混合物に対して多過ぎると、カツプリング反応にお
けるS−BPTA塩の収率が低下するので好ましくない
。なお、この発明の方法において、カツプリング反応を
行つている際に、反応液中に存在させる少量のメタノー
ルは、反応液に添加するPd一指体触媒中のPdl7あ
たりメタノール(比重;0.97)700m1以下、特
に0.001〜500m1の比率となるような範囲内の
量であることが好適である。
したがつて、カツプリング反応にお(・て反応液中に最
初からPd一担体触媒およびメタノールを全量添加して
おき、その後触媒およびメタノールを添加しない場合に
は、前述の反応液中のPdlyあたりメタノール100
〜700m11特に150〜500m1の比率となるよ
うな量のメタノールを使用することが好ましい。また、
メタノールを少量づつ添加する場合には、反応液中のP
dl7あたりメタノール0.01〜500m1/Hrl
特に0.1〜200m1/Hrの割合で添加することが
好ましい。この発明の方法において、反応圧は、常圧で
あればよいが、50Y−g/d以下、特に25k9/C
li以下の加圧下であつてもよい。
この発明の方法において、反応液中のハロゲン化オルソ
フタル酸塩の混合物は、脱・・ロゲン化反応およびハロ
ゲン化フタル酸塩同志のカツプリング反応によつて、オ
ルソフタル酸塩およびビフエニルテトラカルボン酸塩(
二量体)およびその他微量の二量体となる。
この発明の方法によつて生成したビフエニルテトラカル
ボン酸塩(二量体)は、3・3′・4・4′−ビフエニ
ルテトラカルボン酸塩(S−BPTA塩)が主体であつ
て、2・3ζ3・4′−ビフエニルテトラカルボン酸塩
(ABPTA塩)がS−BPTA塩と比較して非常に少
量であつて、その他の二量体を実質的に含有していない
。この発明の方法によつて得られた反応液は、Pd一担
体触媒をろ別によつて除去した後、その反応液に強酸(
例えば、塩酸、硫酸などの鉱酸)を添加すれば、3・3
ζ4・4′−ビフエニルテトラカルボン(S−BPTA
)およびフタル酸が酸析し、ろ別によつて混合結晶体と
して回収され、その混合結晶体を鉱酸水溶液または各種
溶媒に対する溶媒度の差によつてそれぞれの酸に分離し
たり、混合結晶体を加熱して減圧蒸留したりして分離す
ることによつて、3・3′・4・4′−ビフエニルテト
ラカルボン酸を回収することができる。
以下、実施例を示す。
実施例 1 温度計、PHメーター、撹拌器が設けられている内容積
10′のガラス製容器に、、水1.51とオルソフタル
酸無水物592y(約4.0モル)とを加え、オルソフ
タル酸無水物の分散水溶液を調製した。
また、別の51のガラス製容器に、水3.61、次亜塩
素酸ナトリウム塩474y(約6.3モル)および水酸
化ナトリウム937を加えて、次亜塩素酸塩と水酸化ア
ルカリとの水溶液を調製した。前述の攪拌機付の101
のガラス製容器中の分散液を攪拌しながら、これに次亜
塩素酸塩と水酸化アルカリとの前記水溶液を、7時間か
けて徐々に添加し、その間、反応温度を20〜45℃に
維持し、反応液のPH値を塩酸液の添加によつて4.5
〜5に調整して、オルソフタル酸をハロゲン化した。
その後、反応液を約10時間、常温で放置した後、反応
液に濃塩酸500tを加えて酸析によつて白色沈澱物7
93.77を得た。
この白色沈澱物は、オルソフタル酸10.7モル%、4
−クロルオルソフタル酸61.6モル%、3−クロロオ
ルソフタル酸15.5モル%、ジクロロオルソフタル酸
12.2モル%を含有する混合結晶物であつた。次いで
、温度計、滴下ロード、還流冷却器、攪拌機が設けられ
ている内容積51の四つ口プラスコに、前述のハロゲン
化反応で得られた白色沈澱物(ハロゲン化オルソフタル
酸の混合物の総モル数2.8モル)6427、水酸化ナ
トリウム606y(約14.4モル)および水1900
m1を加えて攪拌し、ハロゲン化オルソフタル酸塩の混
合物が水酸化アルカリと共に溶解されている水溶液を調
製した。その水溶液に金属パラジウム−カーボン触媒(
日本エンゲルハルト社製;金属パラジウムを2重量%担
持している)46.67を分散させて、その分散液を約
100℃に加熱し撹拌しながら、メタノール300m1
を約8時間かけて滴下し、その間反応液を約85〜95
℃に維持してメタノールを還流させながら、カツプリン
グ反応させ、さらに、メタノールの添加が終了した後、
約85〜95℃に反応液を維持してメタノールの還流を
続けて、カツプリング反応させた。反応液中には、オル
ソフタル酸ナトリウム塩2.10モル、3・3′・4・
4′−ビフエニルテトラカルボン酸ナトリウム塩(S−
BPTA塩)0.29モル、および2・3′・3・4′
−ビフエニルテトラカルボン酸ナトリウム塩(a−BP
TA塩)0.026モルが生成していた。
前述のカツプリング反応の反応液は、Pd−カーボン触
媒をろ別した後、そのろ過液に濃塩酸を加えて、白色沈
澱物を析出させ、その白色沈澱物を塩酸の希薄水溶液で
再結晶をくり返すことによつて、3・3′・4・4′−
ビフエニルテトラカルボン酸(S−BPTA)を高純度
で得ることができた。
実施例 2カツプリング反応において、Pd−カーボン
触媒の使用量を537にかえ、メタノール700m1を
10時間かけて滴下し、メタノールの添加が終了した後
に8時間の還流を続けたほかは、実施例1と同様に実施
した。
その反応液中には、オルソフタル酸ナトリウム塩1.7
2モル、S−BPTA塩0.47モル、a−BPTA塩
0.040モルが生成していた。
実施例1と同様にして、カツプリング反応の反応液から
3・3′・4・4′−ビフエニルテトラカルボン酸を高
純度で得た。実施例 3 カツプリング反応において、水酸化ナトリウムのかわり
に水酸化カリウム850yを使用したほかは、実施例2
と同様に実施した。
その反応液中には、オルソフタル酸カリウム塩1.72
モル、S−BPTA塩0.46モノレ、a−BPTA塩
0.041モルが生成していた。
その反応液からS−BPTAが高純度で得られた。
実施例 4カツプリング反応において、水酸化ナトリウ
ムのかわりに水酸化リチウム水和物(LiOH−H2O
)635yを使用したほかは、実施例2と同様に実施し
た。
その反応液中には、オルソフタル酸リチウム塩1.70
モル、S−BPTA塩0.55モル、a−BPTA塩0
.045モルが生成していた。
その反応液から高純度のS−BPTAが得られた。
実施例 5カツプリング反応において、実施例1と同様
のハロゲン化反応で得られた白色沈澱物(ハロゲン化オ
ルソフタル酸の混合物の総モル数2.8モル)642y
、水酸化カリウム850t.Pd−カーボン触媒53y
1メタノール500m1および水1900m1を、同時
に攪拌機付オートクレーブに仕込み、反応温度130℃
、反応圧力5kg/Crl.として、7時間カツプリン
グ反応させた。
その反応液中には、オルソフタル酸カリウム塩2.24
モル、S−BPTA塩0.23モル、a−BPTA塩0
.020モルが生成していた。
その反応液から、高純度のS−BPTAが得られた。
実施例 6 実施例1で、オルソフタル酸のハロゲン化によつて得ら
れた白色沈澱物(オルソフタル酸10.7モル%、4−
クロルオルトフタル酸61.6モル%、3−クロルオル
ソフタル酸15,5モル%、ジクロルオルソフタル酸1
2.2モル%)をメタノールで再結晶することによつて
精製された白色沈澱物を得た。
その白色沈澱物2.32f〔オルソフタル酸無水物0.
147(0.95mm01)、4−クロルオルソフタル
酸無水物1.957(10.7mm01)、3−クロル
オルソフタル酸無水物0.02y(0.01mm01)
およびジクロルオルソフタル酸無水物0.21f(0,
95mm01)]、水酸化ナトリウム2.07、メタノ
ール1.5TL11水157!11およびPd−カーボ
ン触媒(日本エンゲルハルト社製;Pdを2重量%担持
)0.2yを、オートクレーブ中に入れて密封し、攪拌
しながら、100、℃に加熱し、1.5時間反応させた
。反応液中には、オルソフタル酸ナトリウム塩4.25
mm0114−クロルオルソフタル酸ナトリウム塩0.
06Tnm011ジクロルオルソフタル酸ナトリウム0
.18mm01、3・3′・4・4′−ビフエニルテト
ラカルボン酸ナトリウム3.13mm01および2・3
・3′・4′−ビフエニルテトラカルボン酸ナトリウム
0.01mm01以下含有されていた。
その反応液から高純度のS−BPTAが得られた。実施
例 7温度計、滴下ロード、還流冷却器を設けた三ツロ
フラスコ(容量500m1)内に、フタル酸無水物14
.87(0.10モル)と水酸化ナトリウム27を入れ
、さらに水100m1を加えた懸濁液を加温し、40〜
50℃にて撹拌しながら、10重量%の次亜臭素酸ナト
リウム水溶液1407(0.118モル)を1時間をか
けて滴下し、滴下終了時に反応液を均一溶液とした。
その溶液をさらに加温し、80〜90℃にて20時間攪
拌した後、さらに10重量%の次亜臭酸ナトリウム水溶
液1407を加えて9時間撹拌して、その後空温に冷却
した。この反応液に濃塩酸100dを加え、遊離した臭
素を窒素ガスで追い出した後、エーテル抽出によつて淡
黄色の固体を回収した。その淡黄色の固体は、フタル酸
51.9モル%、4−ブロムフタル酸42.1モル%、
3−ブロムフタル酸6.0モル%を含有していた。この
淡黄色の固体を、水酸化ナトリウム47が溶解している
60m1の熱水によつて再結晶し、さらにその再結晶物
を、濃塩酸20m1と水100aの溶液に溶解し、その
溶液からエーテル抽出によつて精製された白色結晶物6
.627を得た。
その精製された白色結晶物は、フタル酸22.3モル%
、4−ブロムフタル酸76.9モル%、および3−ブロ
ムフタル酸0.8モル%を含有していた。前記白色結晶
物2.507(フタル酸2.45mm01.4−ブロム
フタル酸8,46mm011および3−ブロムフタル酸
0.09mm01)、水酸化ナトリウム1.827、水
15m1.Pd−カーボン触媒(Pd2重量%)0.2
07、およびメタノール1.5m1をオートクレーブ内
に密封して、100℃で3時間攪拌してカツプリング反
応させた。その反応液中には、ブロムフタル酸化合物類
は残存しておらず、3・3′・4・4′−ビフエニルテ
トラカルボン酸ナトリウム(S−BPTA塩)が0.9
87(2.96mm01)生成しており、2・3・3′
・4′−ビフエニルテトラカルボン酸ナトリウムの生成
が痕跡であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 4−ハロゲノオルソフタル酸アルカリ金属塩を、ハ
    ロゲン化オルソフタル酸アルカリ金属塩類の全使用量に
    対して30〜99.5モル%の比率で含有しているハロ
    ゲン化オルソフタル酸アルアリ金属塩の混合物が、水酸
    化アルカリと共に溶解されている水溶液中に、金属パラ
    ジウムを担体に担持させた触媒および少量のメタノール
    を存在させて、その混合液を50〜150℃に加熱して
    、0.2〜30時間反応させることを特徴とする3・3
    ′・4・4′−ビフェニルテトラカルボン酸アルカリ金
    属塩の製造方法。
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