JP2613515B2 - ソジオホルミルアセトンの製造法 - Google Patents

ソジオホルミルアセトンの製造法

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圭吾 西平
秀二 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はソジオホルミルアセト
ンの製造法に関するものである。ソジオホルミルアセト
ンは、その分子中に、ケトンおよびアルデヒド基を含
み、有機合成原料として有用な化合物であり、それ単独
でまたさらに中和・アセタール化した化合物は、医薬、
農薬の製造原料に用いられる。
【0002】
【従来の技術】アセトン、ギ酸メチル、およびナトリウ
ムメトキシドを原料として、ソジオホルミルアセトンを
製造する方法に関しては、U.S.Patent 2,
760,985に記載があるが、この方法では、原料と
して粉末状態で固体のナトリウムメトキシドを使用して
おり、粉末状でのナトリウムメトキシドは酸素と反応し
たり空気中の湿度の水分により分解が進むなどの影響が
あるので、高価なナトリウムメトキシドの損失があり、
製造コストの面からも満足できるものではない。また、
ナトリウムメトキシドが人の皮膚に付着すると薬傷など
の衛生上の支障があるので、粉体では取扱いが煩雑であ
る上に、反応時の反応液も粘度の極めて高いスラリーと
なって、十分な反応を行わせるための反応槽での混合が
困難であるなどの工業化上での問題点がある。
【0003】前述のように、アセトン、ギ酸メチル、ナ
トリウムメトキシドを原料として、ソジオホルミルアセ
トンを製造する方法において、従来公知のナトリウムメ
トキシドを固体で反応させる方法は、粉末による固相接
触反応であり再現性に乏しく、また液液反応に比較して
操作性が煩雑なので、工業的な製法としては十分でな
く、しかも収率も十分でない問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】当発明の目的は、アセ
トン、ギ酸メチル、ナトリウムメトキシドを原料とし
て、ソジオホルミルアセトンを製造するにあたって、工
業的に操作し易くするために液々反応で製造出来る簡略
化された製造工程で、高純度のソジオホルミルアセトン
を高収率で得ることができる工業的なソジオホルミルア
セトンの製法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来公知
のソジオホルミルアセトンの製造方法における前述した
ような問題点を克服すべく、液相で反応を行うためにナ
トリウムメトキシドを、メタノール溶液の液相で供給
し、ソジオホルミルアセトンを製造する方法に関して鋭
意研究を行った。本発明は、アセトン、ギ酸メチルおよ
びナトリウムメトキシドを原料として、ソジオホルミル
アセトンを製造する方法において、ナトリウムメトキシ
ドをメタノール溶液として用い、該ナトリウムメトキシ
ドのメタノール溶液中に、アセトンとギ酸メチルの混合
液または各液別に同時に供給し、一定時間以上かけてア
セトンが過剰に成らない様に供給しながら十分に混合
し、反応させることを特徴とするソジオホルミルアセト
ンの製造法に関する。
【0006】当発明の反応は、メタノールの生成する反
応であり、初期のメタノール濃度が高いほど、反応速度
は遅くなる((1)式で表す)。また、この反応は強ア
ルカリ中での反応であるので、公知のようにアセトン
は、強アルカリ中では二量化反応を起こし、ジアセトン
アルコールの化合物となり((2)式で表す)、あるい
は、さらに反応が進むとジアセトンアルコールのメチル
エーテル体が生成してくる((3)式で表す)。各反応
段階を化学式で表すと以下の様に記述できる。
【0007】したがって、上記反応機構により主反応
(1)式の生成速度が遅くなると、相対的に(2),
(3)式の副反応が進みジアセトンアルコールおよびジ
アセトンアルコールのメチルエーテル体である副生成物
の割合が大きくなって、目的生成物のソジオホルミルア
セトンの反応収率の低下とともに、得られるソジオホル
ミルアセトンの品質も悪くなることが明確になった。そ
こで、本発明者らは、(1)式の反応を最適に促進でき
る条件を確立するために、反応中アセトンの液中の濃度
を制限することにより、ナトリウムメトキシドをメタノ
ール溶液として使用した液相反応によって、高収率でか
つ副生成物の極めて少ない高純度のソジオホルミルアセ
トンの製造法を確立したのである。
【0008】以下に、この発明の方法を詳しく説明す
る。まず、この反応に使用する原料の使用割合である
が、ナトリウムメトキシドをメタノール溶液として10
〜40%の濃度で、好ましくは20〜30%で使用する
ことにより液相の状態で反応を行う。ナトリウムメトキ
シドに対し、アセトンは、モル比で好適には0.9〜
1.2の範囲で行うが、特に好ましくは0.95〜1.
1を使用する。これは前述したように、この反応条件の
範囲外では、過剰のアセトンは副反応を起こし、またア
セトンの反応量比が少ないとナトリウムメトキシドが残
存して主生成物のソジオホルミルアセトンを分解するこ
とになり、反応収率を低下させるためである。
【0009】次に、ギ酸メチルはナトリウムメトキシド
に対し、モル比で好適には1〜10であり、好ましくは
1〜3を使用する。前述したように、副反応を抑制する
方法の一つは、主反応速度を高めることであるので、こ
のためにはギ酸メチルが、過剰である方が好ましい。し
かし、経済的な面から見れば、ギ酸メチルの沸点は32
℃と低くメタノール中からの分離回収はかなり困難であ
るので、原料コストを低減するために、過剰の使用量は
できるだけ少ない方がよい。したがって、特に好ましく
は1.5〜2.5の範囲で反応を行う。
【0010】仕込みのナトリウムメトキシドのメタノー
ル溶液に、アセトン、ギ酸メチルを加えていくのである
が、アセトン、ギ酸メチルはそれぞれ別々でもあるいは
混合液で加えてもよい。しかし、アセトンについては前
述のように、液中濃度が高くなるほど、副反応が起こり
やすくなるので、反応液中のアセトンが3%以下で残存
する反応速度で行われる様に、時間をかけて供給し反応
させることが好ましい。上記のモル比率で反応を行う場
合、反応時間は1時間以上、好ましくは2時間以上で上
限は特にないが、工業的に製造する上で生産性を考慮す
れば10時間以下で通常行われる。
【0011】一方、ギ酸メチルについては、主反応速度
を上げるため、液中の濃度は高いほうがよいが、反応液
は強アルカリ性であり、ギ酸メチルの分解反応も起こる
ため、これもアセトンと同時に供給するのが好ましく、
上記の原料比率でナトリウムメトキシドのメタノール溶
液中に供給する。すなわち、例えば、仕込みのナトリウ
ムメトキシドに対して2倍モルのギ酸メチルと、等モル
のアセトンをこの比率でナトリウムメトキシドのメタノ
ール溶液中に同時に3時間以上かけて供給することが好
ましい。先に述べたように、アセトンとギ酸メチルのモ
ル比率は、アセトンに対しギ酸メチルが1.5〜3.0
が好ましい。
【0012】また、この反応は、回分式でも連続式でも
実施できるが、回分式の場合は、前述した反応量比の条
件で行い、連続式の場合は、ナトリウムメトキシド、ア
セトンおよびギ酸メチルを上記比率で混合し反応させ、
滞留時間が例えば、3時間以上になるように同時に供給
して反応を行う。反応を行う際に十分な攪拌を行うこと
が望ましいので、回分か連続反応かで十分な反応が行え
る攪拌翼および反応器の形状を選択し十分な混合が行え
る装置が好ましい。
【0013】反応温度は、主反応と副反応の反応速度の
競合により、主反応の収率が最も高い温度を選択し決定
されるが、上記の条件の原料使用モル比率においての反
応温度は、10℃〜60℃で行うことが出来、好ましく
は25℃〜50℃であり、特に35℃〜45℃の範囲で
行うのが最も望ましい。反応圧力については、特に制限
はないが、扱う化合物が低沸点のものであることから反
応系からの原料の蒸発を防止するために、常圧から若干
加圧(1〜2kg/cmG)で行うのが好ましい。ま
た、常圧で行う場合は反応器に凝縮器を設置し、冷水で
蒸発分を凝縮して、ギ酸メチルを十分還流させることが
好ましい。
【0014】生成したソジオホルミルアセトンの精製
は、工業的には公知の単位操作である晶析操作の濃縮冷
却法や溶液蒸発法によって、メタノール溶液から分離し
精製することにより高純度の製品を、高収率で得ること
が出来る。当方法で得られた高純度ソジオホルミルアセ
トンは、医薬品の原料として使用する場合には、非常に
有用であり、得られたソジオホルミルアセトンは、更に
種々の反応に供されるが、中和・アセタール化して4,
4−ジメチル−2−ブタノンを得る場合には、メタノー
ル溶液のまま使用することができるので、メタノールを
分離回収する工程を省略出来るので、工業的に実施する
際には更に非常に有用である。
【0015】
【実施例】次に、実施例により本発明の方法をさらに具
体的に説明するが、これらはこの発明の方法を何ら限定
するものではない。 実施例1 温度計、滴下ロート、ジムロート冷却器、攪拌装置、お
よびドラフトへの排気管を備えた2l4つ口フラスコ
に、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液579
g(3.0モル)を入れ、これを40℃迄加温し、ギ酸
メチル540g(9.0モル)とアセトン191g
(3.3モル)の混合液を3時間かけて滴下した。反応
中は、液温を40℃に保ち十分に攪拌した。
【0016】滴下後1時間攪拌を続けた後、液体クロマ
トグラフィーにてソジオホルミルアセトンを、定量分析
したところ302g(2.8モル)のソジオホルミルア
セトンが生成していることが判った(ナトリウムメトキ
シド基準で93.3%収率)。また、副生成物のジアセ
トンアルコールのメチルエーテル体は約8g(0.06
モル)であった。
【0017】実施例2 アセトンの使用量を174g(3.0モル)にしたこと
以外は、実施例1と同様に行った。分析の結果、ソジオ
ホルミルアセトンの生成量は292g(2.7モル)
(ナトリウムメトキシド基準で90%収率)であった。
また、副生物のジアセトンアルコールのメチルエーテル
体は、約5g(0.04モル)であった。
【0018】比較例1(引例の追試) 実施例1と同様な装置に、ギ酸メチル180g(3.0
モル)を仕込み、冷却下で粉末のナトリウムメトキシド
162g(3.0モル)をゆっくり加えて行き、15分
間、加熱・還流後、アセトン192g(3.3モル)を
15分間で滴下した。滴下後1時間攪拌を続け、加熱・
還流を行った後、実施例と同様に分析を行ったところ、
ソジオホルミルアセトンの生成量は約60g(0.55
モル)(ナトリウムメトキシド基準で18.3%収率)
であった。また、反応液は、非常に粘度の高いスラリー
であった。
【0019】比較例2 ギ酸メチル540g(9.0モル)とアセトン191g
(3.3モル)の混合液の滴下時間を30分で行ったこ
と以外は、実施例1と同様に行った。その結果、ソジオ
ホルミルアセトンの生成量は185g(1.7モル)
(ナトリウムメトキシド基準で56.6%収率)であっ
た。また,副生物のジアセトンアルコールのメチルエー
テル体は約55g(0.51モル)であった。
【0020】実施例3〜9 実施例1と同様な装置を用いて、28%ナトリウムメト
キシドメタノール溶液579g(3.0モル)を入れ、
これを40℃迄加温し、アセトン191g(3.3モ
ル)とギ酸メチルの量を変えた混合液を3〜10時間か
けて滴下し、反応させた。反応中は、液温を40℃に保
ち十分に攪拌した。反応後、反応液を液体クロマトグラ
フイーにてソジオホルミルアセトンの定量分析した。反
応結果は、ソジオホルミルアセトンの収率(ナトリウム
メトキシド基準)および副生成物のジアセトンアルコー
ルのメチルエーテル体の生成量とを表1に示した。
【0021】
【表1】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アセトン、ギ酸メチルおよびナトリウムメ
    トキシドを原料として、ソジオホルミルアセトンを製造
    する方法において、ナトリウムメトキシドをメタノール
    溶液として用い、該ナトリウムメトキシドのメタノール
    溶液中に、アセトンとギ酸メチルの混合液または各液別
    に同時に供給し、一定時間以上かけてアセトンが過剰に
    成らない様に供給しながら十分に混合し、反応させるこ
    とを特徴とするソジオホルミルアセトンの製造法。
JP33383591A 1991-10-18 1991-10-18 ソジオホルミルアセトンの製造法 Expired - Lifetime JP2613515B2 (ja)

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US07/961,402 US5276200A (en) 1991-10-18 1992-10-15 Method of preparing sodium formyl acetone and 4,4-dimethoxy-2-butanone

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