JP4857613B2 - 1−アルコキシ−4,4−ジヒドロカルビルオキシ−1−ブテン−3−オン及びその製法 - Google Patents

1−アルコキシ−4,4−ジヒドロカルビルオキシ−1−ブテン−3−オン及びその製法 Download PDF

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Description

本発明は、新規な1-アルコキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オン及びその製法に関する。1-アルコキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンは、医薬・農薬等の合成中間体や原料として有用な化合物である。
従来、本発明の1-アルコキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンは新規な化合物であり、その存在及び製法は全く知られていなかった。
本発明の課題は、即ち、新規な1-アルコキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オン及びその製法を提供するものである。
本発明の課題は、一般式(1)
Figure 0004857613
(式中、 は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、R は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、R は、メチル基又はエチル基を示す。
で示される1−アルコキシ−4,4−ジヒドロカルビルオキシ−1−ブテン−3−オンによって解決される。


本発明の課題は、又、塩基の存在下、一般式(2)
Figure 0004857613
(式中、R及びRは、前記と同義である。)
で示される1,1-ジヒドロカルビルオキシ-2-プロパノンと一般式(3)
Figure 0004857613
(式中、Rは、炭化水素基を示す。)
で示されるギ酸エステルとを反応させて、一般式(4)
Figure 0004857613
(式中、R及びRは、前記と同義であり、Mは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属原子を示し、nは、1又は1/2である。)
で示される1-ヒドロキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンの金属塩を製造し、次いで、一般式(4)
Figure 0004857613
(式中、R、R、M及びnは、前記と同義である。)
で示される1-ヒドロキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンの金属塩とアルキル化剤とを反応させる、一般式(1)
Figure 0004857613
(式中、R、R及びRは、前記と同義である。)
で示される1-アルコキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンの製法によっても解決される。
本発明により、医薬・農薬等の合成中間体や原料として有用な、新規な1-アルコキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オン及びその製法を提供することが出来る。
本発明の新規な1-アルコキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンは、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、R及びRは、置換基を有していても良い炭化水素基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。なお、RとRは、互いに結合して環を形成していても良い。
前記の炭化水素基又は複素環基は、置換基を有していても良い。その置換基としては、炭素原子を介して出来る置換基、酸素原子を介して出来る置換基、窒素原子を介して出来る置換基、硫黄原子を介して出来る置換基、ハロゲン原子等が挙げられる。
前記炭素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基等のアルケニル基;キノリル基、ピリジル基、ピロリジル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基等の複素環基;フェニル基、トリル基、フルオロフェニル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、トルオイル基等のアシル基(アセタール化されていても良い);カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基;シアノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記酸素原子を介して出来る置換基としては、例えば、ヒドロキシル基;メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基、ペンチルオキシル基、ヘキシルオキシル基、ヘプチルオキシル基、ベンジルオキシル基等のアルコキシル基;フェノキシル基、トルイルオキシル基、ナフチルオキシル基等のアリールオキシル基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記窒素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロへキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基等の第一アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N-メチル-N-メタンスルホニルアミノ基等の第二アミノ基;モルホリノ基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、ピラゾリジニル基、ピロリジノ基、インドリル基等の複素環式アミノ基;イミノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記硫黄原子を介して出来る置換基としては、例えば、メルカプト基;チオメトキシル基、チオエトキシル基、チオプロポキシル基等のチオアルコキシル基;チオフェノキシル基、チオトルイルオキシル基、チオナフチルオキシル基等のチオアリールオキシル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
又、Rは、アルキル基であるが、これは前記R及びRで定義したものと同義である。
本発明の反応は、下記の反応工程式(1)
Figure 0004857613
(式中、R、R、R、M及びnは、前記と同義である。)
で示されるように、縮合反応及びアルキル化反応の二つからなる。これら二つの反応について順次説明する。
(1)縮合反応
本発明の縮合反応において使用する1,1-ジヒドロカルビルオキシ-2-プロパノンは、前記の一般式(2)で示される。その一般式(2)において、R及びRは、前記と同義である。
本発明の縮合反応において使用するギ酸エステルは、前記の一般式(3)で示される。その一般式(3)において、Rは、炭化水素基であるが、これは前記R及びRで定義したものと同義である。
本発明の縮合反応で使用する塩基は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む塩基ならば特に限定されないが、好ましくは金属アルコキシド、更に好ましくはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムn-プロポキシド、ナトリウムi-プロポキシド、ナトリウムn-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムn-プロポキシド、カリウムi-プロポキシド、カリウムn-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、マグネシウムn-プロポキシド、マグネシウムi-プロポキシド、マグネシウムn-ブトキシド、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、カルシウムn-プロポキシド、カルシウムi-プロポキシド等のアルカリ土類金属アルコキシドが挙げられるが、特に好ましくはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシドが使用される。なお、これらの塩基は、含有するアルカリ金属又はアルカリ土類金属が同一であれば、二種以上を混合して使用しても良く、金属アルコキシドは、粉末又は低級アルコール溶液のいずれの形態でも良い。
前記塩基の使用量は、1,1-ジヒドロカルビルオキシ-2-プロパノン1モルに対して、好ましくは0.5〜2.5モル、更に好ましくは1.0〜2.0モルである。
本発明の縮合反応は、溶媒の存在下で行っても良く、使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定はされないが、例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド類;N,N'-ジメチル-2-イミダゾリジノン等の尿素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素類;塩化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられるが、好ましくはアルコール類、ニトリル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類、エーテル類、更に好ましくはメタノール、エタノール、アセトニトリル、プロピオニトリル、トルエン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、テトラヒドロフランが使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性により適宜調節するが、1,1-ジヒドロカルビルオキシ-2-プロパノン1gに対して、好ましくは1〜100ml、更に好ましくは2〜50mlである。
本発明の縮合反応は、例えば、1,1-ジヒドロカルビルオキシ-2-プロパノン、ギ酸エステル及び塩基を混合して、攪拌する等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは0〜200℃、更に好ましくは10〜100℃であり、反応圧力は特に制限されない。
本発明の反応によって得られる1-ヒドロキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンの金属塩は、反応終了後、例えば、抽出、濾過、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離・精製されるが、1-ヒドロキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンの金属塩を単離・精製することなく、次のアルキル化反応に使用しても構わない。
なお、1-ヒドロキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンの金属塩は、前記の一般式(4)で示されるが、その一般式(4)において、R及びRは、前記と同義である。又、Mは、ナトリウム原子、カリウム原子等のアルカリ金属原子;マグネシウム原子、カルシウム原子等のアルカリ土類金属原子であり、nは、1又は1/2であるが、Mがアルカリ金属原子の場合には1、アルカリ土類金属の場合には1/2である。
(2)アルキル化反応
本発明のアルキル化反応において使用するアルキル化剤としては、例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等の硫酸ジアルキル;ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル等のハロゲン化アルキルが挙げられるが、好ましくは硫酸ジアルキル、更に好ましくは硫酸ジメチルである。なお、これらのアルキル化剤は、アルキル基が同一のものであれば、二種以上を混合して使用しても良い。
前記アルキル化剤の使用量は、1-ヒドロキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンの金属塩1モルに対して、好ましくは0.5〜2.5モル、更に好ましく1.0〜2.0モルである。
本発明のアルキル化反応においては、反応性を調節するために、無機塩基を存在させるのが望ましく、使用する塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアリカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸水素塩が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、更に好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素マグネシウムが使用される。なお、これらの塩基は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記無機塩基の使用量は、1-ヒドロキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンの金属アルコラート1モルに対して、好ましくは0.1〜5モル、更に好ましくは0.5〜3モルである。
本発明のアルキル化反応は、溶媒の存在下で行うのが望ましく、使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定はされないが、例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ブチルプロピルケトン、ジブチルケトン等のケトン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド類;N,N'-ジメチル-2-イミダゾリジノン等の尿素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素類;塩化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられるが、好ましくはアルコール類、ケトン類、アミド類、ニトリル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類、エーテル類、更に好ましくはメタノール、エタノール、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、トルエン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、テトラヒドロフランが使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性により適宜調節するが、1-ヒドロキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンの金属塩1gに対して、好ましくは1〜100ml、更に好ましくは2〜50mlである。
本発明のアルキル化反応は、例えば、1-ヒドロキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンの金属塩、メチル化剤、溶媒及び必要ならば無機塩基を混合して、攪拌する等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは0〜200℃、更に好ましくは10〜100℃であり、反応圧力は特に制限されない。
本発明のアルキル化反応によって得られる1-アルコキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンは、反応終了後、例えば、中和、抽出、濾過、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離・精製される。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1([R=R=メチル基、M=ナトリウム原子、n=1];1-ヒドロキシ-4,4-ジメトキシ-1-ブテン-3-オンのナトリウム塩の合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積1000mlのフラスコに、1,1-ジメトキシ-2-プロパノン129.9g(1.10mol)及びギ酸エチル370.4g(5.00mol)を加えた後、室温でナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液192.9g(1.00mol)をゆるやかに加え、同温度で24時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、濃縮物にジエチルエーテル1240mlを加え、室温で30分間攪拌した。濾過後、濾物をジエチルエーテルで洗浄して乾燥させ、黄土色粉末として、純度90%(高速液体クロマトグラフィーによる分析値)の1-ヒドロキシ-4,4-ジメトキシ-1-ブテン-3-オンのナトリウム塩91.9gを得た(単離収率;49.2%)。
1-ヒドロキシ-4,4-ジメトキシ-1-ブテン-3-オンのナトリウム塩の物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));3.19(6H,s)、4.25(1H,s)、4.79(1H,d,J=9.3Hz)、9.27(1H,d,J=10.0Hz)
実施例2([R=R=R=メチル基];1,4,4-トリメトキシ-1-ブテン-3-オンの合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積500mlのフラスコに、実施例1で得られた純度90%の1-ヒドロキシ-4,4-ジメトキシ-1-ブテン-3-オンのナトリウム塩74.7g(0.40mol)、炭酸カリウム66.3g(0.48mol)及びアセトン160mlを加えた後、室温で硫酸ジメチル60.5g(0.48mol)をゆるやかに加え、同温度で24時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、暗褐色液体として、純度95%(高速液体クロマトグラフィーによる分析値)の1,4,4-トリメトキシ-1-ブテン-3-オン57.3gを得た(単離収率;85.0%)。
1,4,4-トリメトキシ-1-ブテン-3-オンは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));3.42(6H,s)、3.76(3H,s)、4.59(1H,s)、5.87(1H,d,J=12.7Hz)、7.82(1H,d,J=12.7Hz)
実施例3([R=R=R=メチル基];1,4,4-トリメトキシ-1-ブテン-3-オンの合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積25mlのフラスコに、実施例1で得られた純度90%の1-ヒドロキシ-4,4-ジメトキシ-1-ブテン-3-オンのナトリウム塩1.87g(10mmol)、炭酸カリウム1.38g(10mmol)及びアセトン6mlを加えた後、室温で硫酸ジメチル1.51g(12mmol)をゆるやかに加え、57〜59℃で3時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、暗褐色液体として、純度95%(高速液体クロマトグラフィーによる分析値)の1,4,4-トリメトキシ-1-ブテン-3-オン1.47gを得た(単離収率;86.9%)。
実施例4([R=R=R=メチル基];1,4,4-トリメトキシ-1-ブテン-3-オンの合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積25mlのフラスコに、実施例1で得られた純度90%の1-ヒドロキシ-4,4-ジメトキシ-1-ブテン-3-オンのナトリウム塩1.87g(10mmol)及びアセトン6mlを加えた後、室温で硫酸ジメチル1.51g(12mmol)をゆるやかに加え、57〜59℃で3時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、暗褐色液体として、純度95%(高速液体クロマトグラフィーによる分析値)の1,4,4-トリメトキシ-1-ブテン-3-オン1.38gを得た(単離収率;82.1%)。
本発明は、新規な1-アルコキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オン及びその製法に関する。1-アルコキシ-4,4-ジヒドロカルビルオキシ-1-ブテン-3-オンは、医薬・農薬等の合成中間体や原料として有用な化合物である。

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004857613
    (式中、Rは、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、Rは、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、Rは、メチル基又はエチル基を示す。)
    で示される1−アルコキシ−4,4−ジヒドロカルビルオキシ−1−ブテン−3−オン。
  2. 塩基の存在下、一般式(2)
    Figure 0004857613
    (式中、 は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、R は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示す。
    で示される1,1−ジヒドロカルビルオキシ−2−プロパノンと一般式(3)
    Figure 0004857613
    (式中、Rは、炭化水素基を示す。)
    で示されるギ酸エステルとを反応させる、一般式(4)
    Figure 0004857613
    (式中、 は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、R は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、Mは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属原子を示し、nは、1又は1/2である。)
    で示される1−ヒドロキシ−4,4−ジヒドロカルビルオキシ−1−ブテン−3−オンの金属塩の製法。
  3. 一般式(4)
    Figure 0004857613
    (式中、 は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、R は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、Mは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属原子を示し、nは、1又は1/2である。
    で示される1−ヒドロキシ−4,4−ジヒドロカルビルオキシ−1−ブテン−3−オンの金属塩とアルキル化剤とを反応させる、一般式(1)
    Figure 0004857613
    (式中、 は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、R は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、R は、メチル基又はエチル基を示す。
    で示される1−アルコキシ−4,4−ジヒドロカルビルオキシ−1−ブテン−3−オンの製法。
  4. 塩基の存在下、一般式(2)
    Figure 0004857613
    (式中、R は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、R は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示す。)
    で示される1,1−ジヒドロカルビルオキシ−2−プロパノンと一般式(3)
    Figure 0004857613
    (式中、Rは、炭化水素基を示す。)
    で示されるギ酸エステルとを反応させ、一般式(4)
    Figure 0004857613
    (式中、R は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、R は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、Mは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属原子を示し、nは、1又は1/2である。)
    で示される1−ヒドロキシ−4,4−ジヒドロカルビルオキシ−1−ブテン−3−オンの金属塩を製造し、次いで、1−ヒドロキシ−4,4−ジヒドロカルビルオキシ−1−ブテン−3−オンの金属塩とアルキル化剤とを反応させる、一般式(1)
    Figure 0004857613
    (式中、R は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、R は、各種異性体を含む、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を示し、R は、メチル基又はエチル基を示す。)
    で示される1−アルコキシ−4,4−ジヒドロカルビルオキシ−1−ブテン−3−オンの製法。
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