JP2000327652A - フタロニトリル誘導体およびその製造方法 - Google Patents

フタロニトリル誘導体およびその製造方法

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JP2000327652A
JP2000327652A JP11136706A JP13670699A JP2000327652A JP 2000327652 A JP2000327652 A JP 2000327652A JP 11136706 A JP11136706 A JP 11136706A JP 13670699 A JP13670699 A JP 13670699A JP 2000327652 A JP2000327652 A JP 2000327652A
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Ikuyo Ikeno
育代 池野
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Nippon Shokubai Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般式(1): 【化1】 (X1〜X3:水素原子、ハロゲン原子、アルキル基また
はアルコキシル基)、または一般式(2): 【化2】 (X1〜X3:上記と同じ、R1〜R2:シアノ基またはC
OOR3(R3はアルキル基))で表される新規なフタロ
ニトリル誘導体、およびその製造法を提供する。 【解決手段】 一般式(3): 【化3】 (記号:上記と同じ)の化合物と一般式(4): 【化4】 (記号:上記と同じ)の化合物とを塩基性化合物の存在
下に反応させて一般式(2)のフタロニトリル誘導体を
製造する。このフタロニトリル誘導体を酸触媒の存在下
に反応させて一般式(1)のフタロニトリル誘導体を製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフタロニトリル誘導
体およびその製造方法、詳しくは2−(3,4−ジシア
ノ−2,5,6−トリフルオロフェニル)マロン酸ジエ
チル、2−(3,4−ジシアノ−2,5,6−トリフル
オロフェニル)酢酸などに代表される新規なフタロニト
リル誘導体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】後記の一般式(1)および(2)で表さ
れるフタロニトリル誘導体は、その構造から、医薬品、
抗菌剤などとして、あるいは医薬品、抗菌剤などを製造
するための中間体などとして利用されることが期待され
るものである。これら化合物は未だ知られていない新規
な物質である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は新規な化学物
質およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
(1):
【0005】
【化7】
【0006】(式中、X1〜X3はそれぞれ独立して水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシル基
である)で表されるフタロニトリル誘導体(A)であ
る。
【0007】また、本発明は、一般式(2):
【0008】
【化8】
【0009】(式中、X1〜X3は上記と同じであり、R
1〜R2はそれぞれ独立してシアノ基またはCOOR
3(ここで、R3はアルキル基である))で表されるフタ
ロニトリル誘導体(B)である。
【0010】また、本発明は、一般式(3):
【0011】
【化9】
【0012】(式中、X1〜X3は上記と同じである)で
表される化合物と一般式(4):
【0013】
【化10】
【0014】(式中、R1〜R2は上記と同じである)で
表される化合物とを塩基性化合物の存在下に反応させる
ことを特徴とする上記フタロニトリル誘導体(B)の製
造方法である。
【0015】また、本発明は、上記フタロニトリル誘導
体(B)を酸触媒の存在下に反応させることを特徴とす
る上記フタロニトリル誘導体(A)の製造方法である。
【0016】さらに、本発明は、一般式(3)で表され
る化合物と一般式(4)で表される化合物とを塩基性化
合物の存在下に反応させて上記フタロニトリル誘導体
(B)を製造し、次いでこのフタロニトリル誘導体
(B)を酸触媒の存在下に反応させることを特徴とする
上記フタロニトリル誘導体(A)の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のフタロニトリル誘導体
(A)は一般式(1)で表されるものであり、一般式
(1)において、X1〜X3はそれぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシル基で
ある。ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。ま
た、アルキル基およびアルコキシル基としては、それぞ
れ、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基およびt−ブチル基)、および炭素数
1〜6のアルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブト
キシ基、イソブトキシ基およびt−ブトキシ基)が好ま
しい。なかでも、X1〜X3のうち少なくとも一つがフッ
素原子である化合物が好ましい。
【0018】一般式(1)で表されるフタロニトリル誘
導体(A)の代表例を挙げると次のとおりである。
【0019】 2−(3,4−ジシアノ−2−フルオロフェニル)酢酸 2−(3,4−ジシアノ−5−フルオロフェニル)酢酸 2−(3,4−ジシアノ−6−フルオロフェニル)酢酸 2−(3,4−ジシアノ−2,5−ジフルオロフェニ
ル)酢酸 2−(3,4−ジシアノ−2,6−ジフルオロフェニ
ル)酢酸 2−(3,4−ジシアノ−5,6−ジフルオロフェニ
ル)酢酸 2−(3,4−ジシアノ−2,5−ジフルオロ−6−メ
チルフェニル)酢酸 2−(3,4−ジシアノ−2,5−ジフルオロ−6−メ
トキシフェニル)酢酸 2−(3,4−ジシアノ−2,5,6−トリフルオロフ
ェニル)酢酸 フタロニトリル誘導体(B)は一般式(2)で表される
ものであり、この一般式(2)において、X1〜X3は前
記と同意義であり、R1、R2はそれぞれ独立してシアノ
基またはCOOR3(ここで、R3はアルキル基である)
である。アルキル基としては、炭素数1〜6、特に炭素
数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0020】一般式(2)で表されるフタロニトリル誘
導体(B)の代表例を挙げると次のとおりである。
【0021】2−(3,4−ジシアノ−2−フルオロフ
ェニル)マロン酸ジエチル 2−(3,4−ジシアノ−5−フルオロフェニル)マロ
ン酸ジエチル 2−(3,4−ジシアノ−6−フルオロフェニル)マロ
ン酸ジエチル 2−(3,4−ジシアノ−2,5−ジフルオロフェニ
ル)マロン酸ジエチル 2−(3,4−ジシアノ−2,6−ジフルオロフェニ
ル)マロン酸ジエチル 2−(3,4−ジシアノ−5,6−ジフルオロフェニ
ル)マロン酸ジエチル 2−(3,4−ジシアノ−2,5−ジフルオロ−6−メ
チルフェニル)マロン酸ジエチル 2−(3,4−ジシアノ−2,5−ジフルオロ−6−メ
トキシフェニル)マロン酸ジエチル 2−(3,4−ジシアノ−2,5,6−トリフルオロフ
ェニル)マロン酸ジメチル 2−(3,4−ジシアノ−2,5,6−トリフルオロフ
ェニル)マロン酸ジエチル 2−(3,4−ジシアノ−2,5,6−トリフルオロフ
ェニル)マロン酸ジプロピル 2−(3,4−ジシアノ−2,5,6−トリフルオロフ
ェニル)マロン酸ジイソプロピル 2−(3,4−ジシアノ−2,5,6−トリフルオロフ
ェニル)マロン酸ジブチル 2−(3,4−ジシアノ−2,5,6−トリフルオロフ
ェニル)マロン酸ジイソブチル 2−(3,4−ジシアノ−2,5,6−トリフルオロフ
ェニル)マロン酸ジt−ブチル 一般式(2)で表されるフタロニトリル誘導体(B)は
前記の一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で
表される化合物とを塩基性化合物の存在下に反応させる
ことにより得られる。
【0022】出発原料である一般式(3)で表される化
合物において、X1〜X3はそれぞれ独立して水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシル基であ
る。ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。ま
た、アルキル基およびアルコキシル基としては、それぞ
れ、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基およびt−ブチル基)、および炭素数
1〜6のアルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブト
キシ基、イソブトキシ基およびt−ブトキシ基)が好ま
しい。なかでも、X1〜X3のうち少なくとも一つがフッ
素原子である化合物が好ましい。
【0023】一般式(3)の化合物の代表例としては、
3,4−ジフルオロフタロニトリル、3,5−ジフルオ
ロフタロニトリル、4,5−ジフルオロフタロニトリ
ル、3,4,5−トリフルオロフタロニトリル、3,
4,6−トリフルオロフタロニトリル、3,4,6−ト
リフルオロ−5−メチルフタロニトリル、3,4,6−
トリフルオロ−5−メトキシフタロニトリル、3,4,
5,6−テトラフルオロフタロニトリルなどを挙げるこ
とができる。これらのなかでも、3,4,5,6−テト
ラフルオロフタロニトリルが好適に用いられる。
【0024】もう一つの出発原料である一般式(4)で
表される化合物において、R1〜R2はそれぞれ独立して
シアノ(CN)基またはCOOR3(ここで、R3はアル
キル基である)である。アルキル基としては、炭素数1
〜6、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0025】一般式(4)の化合物の代表例としては、
マロン酸ジメチルエステル、マロン酸ジエチルエステ
ル、マロン酸ジn−プロピルエステル、マロン酸ジイソ
プロピルエステル、マロン酸ジn−ブチルエステル、マ
ロン酸ジイソブチルエステル、マロン酸ジt−ブチルエ
ステル、マロノニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢
酸エチルなどを挙げることができる。これらのうち、マ
ロン酸ジメチルエステルおよびマロン酸ジエチルエステ
ルが好適に用いられる。
【0026】一般式(3)で表される化合物と一般式
(4)で表される化合物とを塩基性化合物の存在下に反
応させて一般式(2)で表される化合物を製造する。こ
の塩基性化合物としては、アルカリ金属の水素化物、ア
ルカリ土類金属の水素化物、アルカリ金属の炭酸塩、ア
ルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属のアルコラー
ト、アルカリ土類金属のアルコラート、アミン類、環状
アミン類およびピリジン類から選ばれる少なくとも一種
を使用することができる。
【0027】塩基性化合物の代表例としては、水素化ナ
トリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラー
ト、ナトリウムプロピラート、ナトリウムイソプロピラ
ート、ナトリウムブチラート、ナトリウムイソブチラー
ト、ナトリウムt−ブチラート、カリウムメチラート、
カリウムエチラート、カリウムプロピラート、カリウム
イソプロピラート、カリウムブチラート、カリウムイソ
ブチラート、カリウムt−ブチラート、マグネシウムメ
チラート、マグネシウムエチラート、マグネシウムプロ
ピラート、マグネシウムイソプロピラート、マグネシウ
ムブチラート、マグネシウムイソブチラート、マグネシ
ウムt−ブチラート、カルシウムメチラート、カルシウ
ムエチラート、カルシウムプロピラート、カルシウムイ
ソプロピラート、カルシウムブチラート、カルシウムイ
ソブチラート、カルシウムt−ブチラート、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、1−メチルピロリジン、1
−メチルピペリジン、1,4−ジメチルピペラジン、4
−(ジメチルアミノ)ピリジン、1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタンなどを挙げることができる。こ
れらのうち、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナ
トリウム、水素化カルシウム、ナトリウムメチラート、
ナトリウムエチラート、ナトリウムt−ブチラート、カ
リウムメチラート、カリウムエチラートおよびカリウム
t−ブチラートが好適に用いられる。
【0028】上記反応の機構は必ずしも明らかではない
が、例えば一般式(4)で表される化合物としてマロン
酸ジエチルを、また塩基性化合物として炭酸カリウムを
用いる場合、カリウムがマロン酸ジエチルのメチレン基
の水素原子と置換し、さらに一般式(3)の化合物のフ
ッ素原子(パラ位)と置換して、フッ化カリウム(K
F)として離脱しながら置換反応が進行するものと考え
られている。なお、本発明はこのような理論的考察によ
り限定されるものではない。
【0029】塩基性化合物の使用量は、一般式(3)で
表される化合物1モルに対し、通常、0.1〜10モル
であり、好ましくは0.5〜1.5モルである。塩基性
化合物の不存在下では反応は進行せず、また10モル以
上を使用してもそれに見合った更なる収率の向上などは
得られない。
【0030】上記反応は、通常、有機溶媒中で行う。有
機溶媒としては、いずれの有機溶媒も使用できるが、な
かでも非プロトン性極性有機溶媒が好適に用いられる。
その代表例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリド
ン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、テトラメチル尿素などを挙げることができる。
なお、塩基性化合物としてアルコラートを用いる場合に
は、アルコール溶媒が好適に用いられる。その代表例と
しては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタ
ノール、エチレングリコールなどを挙げることができ
る。
【0031】反応温度は、通常、0〜200℃であり、
好ましくは20〜100℃である。200℃を超える温
度にすると分解が起こるおそれがある。
【0032】一般式(3)で表される化合物と一般式
(4)で表される化合物との割合については、通常、両
者を等モル量で反応させるが、必要に応じてその割合を
適宜変更してもよい。
【0033】反応終了後は、必要に応じて熟成する。反
応ないしは熟成終了後、反応液を冷却することにより反
応により副生されたフッ化カリウムなどの副生物を折出
させた後、これら折出物をろ過して分離する。ろ液中に
は一般式(2)で表されるフタロニトリル誘導体(B)
が含まれているので、このろ液をそのまま次の反応に供
しても、あるいはろ液から回収し、必要に応じて精製し
た後、次の反応に供してもよい。
【0034】ろ液からの一般式(2)で表されるフタロ
ニトリル誘導体(B)の回収、精製方法には特に制限は
なく、例えば、ろ液をそのまま濃縮するか、あるいは内
容物を溶解し得る非水溶性溶媒を添加し、塩酸などの酸
からなる酸性水溶液で洗浄し、必要に応じて乾燥した
後、濃縮すればよい。もちろん、再結晶により化合物の
純度を高めることもできる。
【0035】次に、一般式(2)で表されるフタロニト
リル誘導体(B)から一般式(1)で表されるフタロニ
トリル誘導体(A)の製造方法について説明する。
【0036】一般式(1)で表されるフタロニトリル誘
導体(A)は、一般式(2)で表されるフタロニトリル
誘導体(B)を酸触媒の存在下に反応させて得られる。
この反応により、一般式(2)で表されるフタロニトリ
ル誘導体(B)の−CHR12が加水分解・脱炭酸され
てCH2COOHに変換される。この酸触媒としては、
上記のような加水分解・脱炭酸反応に一般に用いられて
いる酸触媒を用いることができ、その代表例としては、
硫酸、塩酸、硝酸、ギ酸、酢酸、メタンスルホン酸、p
−トルエンスルホン酸などを挙げることができる。これ
らは単独でも、2種以上適宜混合して使用することもで
きる。これらのうち、塩酸が好適に用いられる。
【0037】酸触媒の使用量は、一般式(2)で表され
るフタロニトリル誘導体(B)1モルに対し、通常、
0.01〜50モルであり、好ましくは0.1〜20モ
ルである。
【0038】上記反応は、通常、水および/または有機
溶媒中で行う。有機溶媒の代表例としては、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、テトラメチル尿素などを挙
げることができる。
【0039】反応温度は、通常、0〜300℃であり、
好ましくは50〜200℃である。反応終了後は、必要
に応じて熟成する。反応ないしは熟成終了後、反応溶媒
が水の場合は、例えば、反応液を冷却することにより目
的物を折出させた後、ろ過によって回収する。得られた
化合物は、必要に応じて、水などで洗浄、精製してもよ
い。あるいは、反応液に非水溶性溶媒を添加して目的物
を抽出し、抽出液を、必要に応じて水で洗浄し、乾燥し
た後、濃縮すればよい。また、反応溶媒が有機溶媒の場
合は、必要に応じて水で洗浄し、乾燥した後、濃縮すれ
ばよい。
【0040】本発明の一般式(1)で表されるフタロニ
トリル誘導体(A)および一般式(2)で表されるフタ
ロニトリル誘導体(B)は医薬品、抗菌剤など、あるい
はこれらの中間体として有用なものである。
【0041】
【発明の効果】本発明の方法によれば、新規なフタロニ
トリル誘導体(A)および(B)を簡便な方法により高
収率で製造することができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0043】実施例1 <フタロニトリル誘導体(B)の製造>十分に窒素置換
した4つ口フラスコに、フルオロフタロニトリルとして
の3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリル1
9.998gを仕込み、ジメチルホルムアミド70ml
を加え溶解させた。さらに、マロン酸ジエチル16.0
18g、塩基性化合物としての炭酸カリウム16.61
8gを仕込んだ。攪拌下60℃に加熱し、6時間反応さ
せた。
【0044】反応終了後放冷し、析出した結晶をろ過し
た。ろ液に1N−塩酸を加え、エーテルで抽出した。抽
出液を硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ
別し、ろ液を濃縮し、結晶を32.454g得た。この
結晶を19F−NMRで分析したところ、2−(3,4−
ジシアノ−2,5,6−トリフルオロフェニル)マロン
酸ジエチルが85.7%の純度で含まれていた。
【0045】この結晶をイソプロピルエーテルで再結晶
したところ、結晶が24.370g得られた。この結晶
19F−NMRで分析したところ、2−(3,4−ジシ
アノ−2,5,6−トリフルオロフェニル)マロン酸ジ
エチルが100%の純度で含まれていた。
【0046】1H−NMR(CDCl3):1.32(6
H,t),4.30(4H,m),5.04(1H,
S)19 F−NMR(CDCl3):CF3COOHを標準物質
として用いた。
【0047】−52.5(1F,m),−43.0(1
F,m),−28.1(1F,m) M/e=340 実施例2 <フタロニトリル誘導体(A)の製造>4つ口フラスコ
に、実施例1で得られた2−(3,4−ジシアノ−2,
5,6−トリフルオロフェニル)マロン酸ジエチル1
0.121g、濃塩酸13.775gおよび酢酸12m
lを仕込んだ。この混合物を攪拌下加熱し、103℃で
3時間反応させた。
【0048】反応終了後放冷し、水を加え、折出した結
晶をろ過した。得られたケーキを水で洗浄し、減圧下で
乾燥したところ、結晶が4.539g得られた。この結
晶を19F−NMRで分析したところ、2−(3,4−ジ
シアノ−2,5,6−トリフルオロフェニル)酢酸が純
度100%で含まれていた。
【0049】1H−NMR(CDCl3):4.03(2
H,s)19 F−NMR(CDCl3):−57.0(1F,
m),−48.6(1F,m),−33.0(1F,
m)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、X1〜X3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲ
    ン原子、アルキル基またはアルコキシル基である)で表
    されるフタロニトリル誘導体(A)。
  2. 【請求項2】 一般式(2): 【化2】 (式中、X1〜X3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲ
    ン原子、アルキル基またはアルコキシル基であり、R1
    〜R2はそれぞれ独立してシアノ基またはCOOR3(こ
    こで、R3はアルキル基である))で表されるフタロニ
    トリル誘導体(B)。
  3. 【請求項3】 一般式(3): 【化3】 (式中、X1〜X3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲ
    ン原子、アルキル基またはアルコキシル基である)で表
    される化合物と一般式(4): 【化4】 (式中、R1〜R2はそれぞれ独立してシアノ基またはC
    OOR3(ここで、R3はアルキル基である)で表される
    化合物とを塩基性化合物の存在下に反応させることを特
    徴とする請求項2のフタロニトリル誘導体(B)の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項2のフタロニトリル誘導体(B)
    を酸触媒の存在下に反応させることを特徴とする請求項
    1のフタロニトリル誘導体(A)の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(3): 【化5】 (式中、X1〜X3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲ
    ン原子、アルキル基またはアルコキシル基である)で表
    される化合物と一般式(4): 【化6】 (式中、R1〜R2はそれぞれ独立してシアノ基またはC
    OOR3(ここで、R3はアルキル基である)で表される
    化合物とを塩基性化合物の存在下に反応させて請求項2
    のフタロニトリル誘導体(B)を製造し、次いでこのフ
    タロニトリル誘導体(B)を酸触媒の存在下に反応させ
    ることを特徴とする請求項1のフタロニトリル誘導体
    (A)の製造方法。
JP11136706A 1999-05-18 1999-05-18 フタロニトリル誘導体およびその製造方法 Withdrawn JP2000327652A (ja)

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