JP4983112B2 - 3−(ヒドロキシ又はアルコキシ)−4−アルコキシ−6−ニトロ安息香酸化合物の製法 - Google Patents

3−(ヒドロキシ又はアルコキシ)−4−アルコキシ−6−ニトロ安息香酸化合物の製法 Download PDF

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Description

本発明は、3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物から、3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物を製造する方法に関する。3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物は、例えば、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。
従来、3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物から、3-ヒドロキシ-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物を製造する方法としては、例えば、4,5-ジメトキシ-6-ニトロ安息香酸化合物と水酸化カリウムとを水中で反応させた後、濃塩酸で酸性化して3-ヒドロキシ-4-メトキシ-6-ニトロ安息香酸カリウムを得、更に、濃塩酸で酸性化して3-ヒドロキシ-4-メトキシ-6-ニトロ安息香酸を得る方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、2回における濃塩酸による酸性化が必要であるとともに、3-ヒドロキシ-4-メトキシ-6-ニトロ安息香酸を固体として取り出さなければならないという問題があった。
又、3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物を得るためには、前記の3-ヒドロキシ-4-メトキシ-6-ニトロ安息香酸を更にアルキル化しなければならず、脱アルキル化とアルキル化という相反するふたつの反応を必要とするという問題点を有しており、いずれの場合においても、3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物から、3-ヒドロキシ-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物を工業的に製造する方法としては不利であった。
J.Ind.Chem.Soc.,Vol.47,No.10,925(1970)
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、煩雑な操作をすることなく、簡便な方法にて、3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物から、3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物を得ることが出来る、工業的に好適な3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物の製法を提供することにある。
本発明の課題は、塩基の存在下、一般式(1)
Figure 0004983112
(式中、R及びRは、反応に関与しない基を示し、R、R及びRは、水素原子又は置換基を有していても良い炭化水素基を示す。)
で示される3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物と、一般式(2)
Figure 0004983112
(式中、Rは水素原子又は置換基を有していても良い炭化水素基を示す。)
で示されるヒドロキシ化合物を反応させることを特徴とする、一般式(3)
Figure 0004983112
(式中、R’、R、R、R及びRは、前記と同義である。)
で示される3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物の製法により解決される。
本発明により、煩雑な操作をすることなく、簡便な方法にて、3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物から3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物を得ることが出来る、工業的に好適な3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物の製法を提供することが出来る。
本発明の反応において使用する3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物は、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、R及びRは、反応に関与しない基を示すが、具体的には、例えば、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシル基、アルキルチオ基、シアノ基、カルボニル基又はカルボキシル基を示す。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、p-トリル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記アルコキシル基としては、例えば、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
なお、R及びRは、置換基を有していても良く、置換基としては、炭素原子を介して出来る置換基、酸素原子を介して出来る置換基、窒素原子を介して出来る置換基、硫黄原子を介して出来る置換基、ハロゲン原子等が挙げられる。
前記炭素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基等のアルケニル基;キノリル基、ピリジル基、ピロリジル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基等の複素環基;フェニル基、トリル基、フルオロフェニル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、トルオイル基等のアシル基(アセタール化されていても良い);カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基;シアノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記酸素原子を介して出来る置換基としては、例えば、ヒドロキシル基;メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基、ペンチルオキシル基、ヘキシルオキシル基、ヘプチルオキシル基、ベンジルオキシル基等のアルコキシル基;フェノキシル基、トルイルオキシル基、ナフチルオキシル基等のアリールオキシル基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記窒素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロへキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基等の第一アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N-メチル-N-メタンスルホニルアミノ基等の第二アミノ基;モルホリノ基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、ピラゾリジニル基、ピロリジノ基、インドリル基等の複素環式アミノ基;イミノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記硫黄原子を介して出来る置換基としては、例えば、メルカプト基;チオメトキシル基、チオエトキシル基、チオプロポキシル基等のチオアルコキシル基;チオフェノキシル基、チオトルイルオキシル基、チオナフチルオキシル基等のチオアリールオキシル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
又、R、R及びRは、水素原子又は置換基を有していても良い炭化水素基を示すが、炭化水素基としては、具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基であり、これらは前記のR及びRで示したものと同義であり、置換基も前記のR及びRで示したものと同義である。
本発明の反応で使用するヒドロキシ化合物は、前記の一般式(2)で示される。その一般式(2)において、Rは水素原子又は置換基を有していても良い炭化水素基を示すが、置換基を有していても良い炭化水素基としては、前記のR、R及びRで示したものと同義である。
本発明で使用するヒドロキシ化合物の使用量としては、3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物1モルに対して、好ましくは1.0〜200モル、更に好ましくは1.0〜100モルである。
本発明の反応で使用する塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等のアルキルアミン類;ピリジン、ジメチルピリジン、ピコリン等のピリジン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが挙げられるが、好ましくはアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物が使用される。なお、これらの塩基は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記塩基の使用量は、3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物1モルに対して、好ましくは0.1〜20モル、更に好ましくは0.5〜10モルである。
本発明の反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。溶媒を使用する場合、その溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類;N,N'-ジメチルイミダゾリジノン等の尿素類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン等のスルホン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられるが、好ましくはアミド類、エーテル類が使用される。なお、これらの有機溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物1gに対して、好ましくは0〜100ml、更に好ましくは0〜50mlである。
本発明の反応は、例えば、3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物、ヒドロキシ化合物、塩基及び溶媒を混合して、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは10〜200℃、更に好ましくは20〜150℃であり、反応圧力は特に制限されない。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-6-ニトロ安息香酸の合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積200mlのガラス製容器に、3,4-ジメトキシ-6-ニトロ安息香酸化合物20.0g(88.0mmol)及び4mol/l水酸化ナトリウム水溶液99ml(396mmol)を加え、攪拌しながら95〜105℃で6時間反応させた。反応終了後、酢酸エチル60ml及び濃塩酸40.33ml(484ml)を加え、有機層を分液した(この時の水層のpHは0.35であった)。得られた有機層を減圧下で濃縮し、黄色固体として、3-ヒドロキシ-4-メトキシ-6-ニトロ安息香酸18.04gを得た(単離収率;96%)。
なお、3-ヒドロキシ-4-メトキシ-6-ニトロ安息香酸の物性値は以下の通りであった。
EI-MS;213(M+)
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));3.50(1H,brs)、3.89(3H,s)、7.08(1H,s)、7.56(1H,s)、10.6(1H,brs)
参考例1(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-6-ニトロ安息香酸メチルの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積200mlのガラス製容器に、3-ヒドロキシ-4-メトキシ-6-ニトロ安息香酸16.0g(75mmol)、メタノール160ml及び濃硫酸4.3ml(75mmol)を加え、攪拌しながら60〜70℃で55時間反応させた。次いで、オルト蟻酸メチル8.21ml(75mmol)及び濃硫酸6.5ml(113mmol)を加え、更に20時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、析出した固体を濾過した。得られた固体をジエチルエーテルで洗浄後に乾燥し、薄黄色固体として、3-ヒドロキシ-4-メトキシ-6-ニトロ安息香酸メチル14.8gを得た(単離収率;87%)。
なお、3-ヒドロキシ-4-メトキシ-6-ニトロ安息香酸メチルの物性値は以下の通りであった。
EI-MS;227(M+)
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));3.91(3H,s)、4.01(3H,s)、6.22(1H,s)、7.14(1H,s)、7.52(1H,s)
実施例2(4-エトキシ-3-ヒドロキシ-6-ニトロ安息香酸の合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積200mlのガラス製容器に、3,4-ジエトキシ-6-ニトロ安息香酸メチル15g(52.9mmol)及び4mol/l水酸化ナトリウム水溶液66ml(265mmol)を加え、攪拌しながら95〜105℃で7時間反応させた。反応終了後、濃塩酸26.5ml(318mol)を加え、析出した固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=1/1(容量比))し、黄色固体として、4-エトキシ-3-ヒドロキシ-6-ニトロ安息香酸4.79gを得た(単離収率;40%)。
4-エトキシ-3-ヒドロキシ-6-ニトロ安息香酸の物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));1.32(3H,t,J=6.8Hz)、4.02(2H,q,J=6.8Hz)、5.0(2H,brs)、6.92(1H,s)、7.26(1H,s)
実施例3(3-ヒドロキシ-4-(2-メトキシエトキシ)-6-ニトロ安息香酸の合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積50mlのガラス製容器に、3-メトキシ-4-(2-メトキシエトキシ)-6-ニトロ安息香酸メチル3g(10.5mmol)及び4mol/l水酸化ナトリウム水溶液13ml(52.6mmol)を加え、攪拌しながら95〜105℃で6時間反応させた。反応終了後、6mol/l塩酸8.8ml(52.6mol)を加え、黄色固体として、3-ヒドロキシ-4-(2-メトキシエトキシ)-6-ニトロ安息香酸2.12gを得た(単離収率;79%)。
なお、3-ヒドロキシ-4-(2-メトキシエトキシ)-6-ニトロ安息香酸の物性値は以下の通りであった。
CI-MS;258(M+1)
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));3.31(3H,s)、3.67〜3.70(2H,m)、4.19〜4.22(2H,m)、7.08(1H,s)、7.53(1H,s)、10.0(2H,brs)
実施例4(3-ベンジルオキシ-4-ヒドロキシ-6-ニトロ安息香酸の合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積200mlのガラス製容器に、3-ベンジルオキシ-4-メトキシ-6-ニトロ安息香酸メチル3g(10.5mmol)及び4mol/l水酸化ナトリウム水溶液13ml(52.6mmol)を加え、攪拌しながら95〜105℃で6時間反応させた。反応終了後、6,ol/l塩酸8.8ml(52.6mol)を加え、黄色固体として、3-ベンジルオキシ-4-ヒドロキシ-6-ニトロ安息香酸2.12gを得た(単離収率;79%)。
3-ベンジルオキシ-4-ヒドロキシ-6-ニトロ安息香酸の物性値は以下の通りであった。
CI-MS;290(M+1)
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));5.25(2H,s)、7.10(1H,s)、7.35-7.50(5H,m)、7.66(1H,s)、10.84(1H,brs)、13.43(1H,brs)
実施例5(3,4-ビス(2-メトキシエトキシ)-6-ニトロ安息香酸の合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積200mlのガラス製容器に、4-メトキシ-3-(2-メトキシエトキシ)-2-ニトロ安息香酸メチル3g(10.5mmol)及び4mol/l水酸化ナトリウム水溶液13ml(52.6mmol)を加え、攪拌しながら95〜105℃で6時間反応させた。反応終了後、6mol/l塩酸8.8ml(52.6mol)を加え、黄色固体として、3,4-ビス(2-メトキシエトキシ)-6-ニトロ安息香酸2.12gを得た(単離収率;79%)。
3,4-ビス(2-メトキシエトキシ)-6-ニトロ安息香酸の物性値は以下の通りであった。
CI-MS;316(M+1)
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));3.31(3H,s)、3.32(3H,s)、3.64〜3.68(4H,m)、4.11〜4.17(4H,m)、7.07(1H,s)、7.25(1H,s)
本発明は、3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物から、3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物を製造する方法に関する。3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物は、例えば、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。

Claims (6)

  1. 水酸化ナトリウムの存在下、一般式(1)
    Figure 0004983112

    (式中、R及びRは、水素原子を示し、
    Rはアリール基又は置換基を有していても良いアルキル基を示し、該置換基はアルコキシル基であり、
    は置換基を有していても良いアルキル基を示し、該置換基はアルコキシル基であり、
    は水素原子又はアルキル基を示す。
    で示される3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物と、一般式(2)
    Figure 0004983112

    (式中、R’は水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基を示し、該置換基はアルコキシル基である。
    で示されるヒドロキシ化合物を反応させることを特徴とする、一般式(3)
    Figure 0004983112

    (式中、R’、R、R、R及びRは、前記と同義である。)
    で示される3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物の製法。
  2. 前記アルコキシル基がメトキシル基、エトキシル基又はプロポキシル基である、請求項1に記載の3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物の製法。
  3. 前記R 及びR が水素原子であり、
    前記Rがメチル基、エチル基、ベンジル基又はメトキシエチル基であり、
    前記R がメチル基、エチル基又はメトキシエチル基であり、
    前記R が水素原子又はメチル基であり、
    前記R’が水素原子である、請求項1又は2に記載の3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物の製法。
  4. 前記R 及びR が水素原子であり、
    前記Rがメチル基、エチル基、ベンジル基又はメトキシエチル基であり、
    前記R がメチル基、エチル基又はメトキシエチル基であり、
    前記R が水素原子又はメチル基であり、
    前記R’が置換基を有していても良いアルキル基であり、該置換基はアルコキシル基である、請求項1又は2に記載の3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物の製法。
  5. 前記水酸化ナトリウムの使用量が、前記3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物1モルに対して0.5〜10モルである、請求項1〜4のいずれかに記載の3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物の製法。
  6. 前記3,4-ジアルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物と前記ヒドロキシ化合物とを反応させた後、引き続いて塩酸を一回加えることにより前記3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物を得ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の3-(ヒドロキシ又はアルコキシ)-4-アルコキシ-6-ニトロ安息香酸化合物の製法。
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