JP2011057575A - 4−ヒドロキシベンゾチオフェン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 医薬品の製造中間体として有用である4−ヒドロキシベンゾチオフェン誘導体を、工業的に簡便で有利な製造方法を用いることにより提供すること。
【解決手段】 3−(2−チエニル)アリルアルコールと一酸化炭素を、パラジウム触媒、リガンド、有機酸無水物及び塩基存在下、シクロカルボニル化反応を行いベンゾチオフェン骨格を構築し、当該中間体を単離又は単離することなく、その後加水分解反応することを特徴とする4−ヒドロキシベンゾチオフェン誘導体の工業的に有利な製造方法を解決手段とする。
【選択図】なし
【解決手段】 3−(2−チエニル)アリルアルコールと一酸化炭素を、パラジウム触媒、リガンド、有機酸無水物及び塩基存在下、シクロカルボニル化反応を行いベンゾチオフェン骨格を構築し、当該中間体を単離又は単離することなく、その後加水分解反応することを特徴とする4−ヒドロキシベンゾチオフェン誘導体の工業的に有利な製造方法を解決手段とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、医薬品の中間体として有用な4−ヒドロキシベンゾチオフェン誘導体の製造方法に関する。
4−ヒドロキシベンゾチオフェン誘導体は、医薬品(例えば、特許文献1参照。)の中間体として有用である。当該誘導体の製造方法としては、3−(2−チエニル)アリル アセテート又は1−(2−チエニル)アリル アセテートからシクロカルボニル化反応によって製造することが知られている(例えば、非特許文献1及び特許文献2参照。)。これらの製造方法は、原料のアリル アセテート誘導体を2−チオフェンカルボアルデヒド及びグリニャール試薬(塩化又は臭化ビニルマグネシウム)から製造すること、170℃の高温条件が必要なこと等、必ずしも工業的に有利な製造方法とはいえない。
J.Org.Chem.,1991,56,1992−1997
本願発明の課題は、工業的に有利な製造方法で医薬品の中間体として有用な4−ヒドロキシベンゾチオフェン誘導体を提供することである。
本願発明者等は前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、2−チオフェンカルボアルデヒドから容易に変換できる3−(2−チエニル)アリルアルコールと一酸化炭素を、パラジウム触媒、リガンド、有機酸無水物及び塩基の存在下反応した後、加水分解することにより、高収率で4−ヒドロキシベンゾチオフェン誘導体が製造できることを見出し、本願発明を完成した。
即ち、本発明は、
[1]一般式(II)
(式中、Xは、酸素原子、硫黄原子又はNR基(Rは、水素原子、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルキルカルボニル基又は(C1-C6)アルコキシカルボニル基を示す。)を示し、Yは、同一又は異なっても良く、水素原子;フッ素原子;塩素原子;シアノ基;ニトロ基;カルボキシル基;(C1-C6)アルコキシカルボニル基;(C1-C6)アルキル基;(C1-C6)アルコキシ基;(C1-C6)アルキルチオ基;アルキルスルフィニル基;(C1-C6)アルキルスルホニル基又はアミノ基を示す。)で表されるアリルアルコール誘導体と一酸化炭素を、パラジウム触媒、リガンド、有機酸無水物及び塩基の存在下反応した後、加水分解することを特徴とする、一般式(I)
(式中、X及びYは前記に同じ。)で表される4−ヒドロキシベンゾチオフェン誘導体の製造方法、
[2]
パラジウム触媒が、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである[1]に記載の製造方法、
[3]
リガンドが、トリフェニルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンである[1]に記載の製造方法、
[4]
有機酸無水物が、無水酢酸である[1]に記載の製造方法、
[5]
塩基が、トリエチルアミンである[1]に記載の製造方法、
に関する。
[1]一般式(II)
[2]
パラジウム触媒が、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである[1]に記載の製造方法、
[3]
リガンドが、トリフェニルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンである[1]に記載の製造方法、
[4]
有機酸無水物が、無水酢酸である[1]に記載の製造方法、
[5]
塩基が、トリエチルアミンである[1]に記載の製造方法、
に関する。
本願発明によれば、入手容易な原料を用い、簡便な操作で目的物を効率的且つ経済的に工業的規模で製造できる。
本願発明の実施態様として、好ましくは、Xは硫黄原子、Yは水素原子である。
次に本明細書中に記載する各置換基を説明する。本発明の一般式(I)〜(IV)で表される誘導体の置換基の定義中、「(C1-C6)アルキル基」とは、例えばメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダリ−ブチル基、タ−シャリーブチル基、ノルマルヘキシル基又はイソヘキシル基等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、
次に本明細書中に記載する各置換基を説明する。本発明の一般式(I)〜(IV)で表される誘導体の置換基の定義中、「(C1-C6)アルキル基」とは、例えばメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダリ−ブチル基、タ−シャリーブチル基、ノルマルヘキシル基又はイソヘキシル基等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、
「(C1−C6)アルコキシ基」とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、ノルマルブトキシ基、セカンダリーブトキシ基、ターシャリーブトキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基又はイソヘキシルオキシ基等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルコキシ基を示し、「(C1−C6)アルキルチオ基」としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ノルマルプロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ノルマルブチルチオ基、セカンダリーブチルチオ基、ターシャリーブチルチオ基、ノルマルヘキシルチオ基又はイソヘキシルチオ基等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキルチオ基を示し、
「(C1−C6)アルキルスルフィニル基」とは、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ノルマルプロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ノルマルブチルスルフィニル基、セカンダリーブチルスルフィニル基、ターシャリーブチルスルフィニル基、ノルマルヘキシルスルフィニル基又はイソヘキシルスルフィニル基等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキルスルフィニル基を示し、
「(C1−C6)アルキルスルホニル基」とは、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ノルマルプロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ノルマルブチルスルホニル基、セカンダリーブチルスルホニル基、ターシャリーブチルスルホニル基、ノルマルヘキシルスルホニル基又はイソヘキシルスルホニル基等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキルスルホニル基を示し、
「(C1-C6)アルキルカルボニル基」とは、(C1-C6)アルキル基が結合したカルボニル基を、「(C1-C6)アルコキシカルボニル基」とは、(C1-C6)アルコキシ基が結合したカルボニル基を示す。また、「(C1-C6)」の表記は各種置換基の炭素原子数の範囲を示す。
本願発明に関与する反応は以下のように図示される。
一般式(II) → 一般式(I)
即ち、本願発明は、一般式(II)で表されるアリルアルコール誘導体(X及びYは、前記と同じ。)と一酸化炭素を、パラジウム触媒、リガンド、有機酸無水物及び塩基の存在下反応し生成した誘導体(III)(X及びYは、前記と同じくし、Rは、(C1-C6)アルキル基を示す。)を単離又は単離せずして、加水分解し、一般式(I)(X及びYは、前記と同じ。)で表される4−ヒドロキシベンゾチオフェン誘導体を製造することである。
一般式(II) → 一般式(I)
本願発明で触媒として使用できるパラジウム触媒としては、例えば金属パラジウム、パラジウムカーボン、パラジウムアルミナ等の担体にパラジウム金属を担持させたもの、塩化パラジウム(PdCl2)、臭化パラジウム、沃化パラジウム、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)等のパラジウム塩、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PdCl2(tpp)2)、[1,4− ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]ジクロロパラジウム、ジクロロビスベンゾニトリルパラジウム、ジクロロビスアセトニトリルパラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等のパラジウム錯体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。パラジウム触媒の使用量は一般式(II)で表されるアリルアルコール誘導体1モルに対して、0.00001〜0.1モル当量の範囲で、好ましくは0.00005〜0.01モル当量の範囲で、特に好ましくは0.0003〜0.01モル当量の範囲で使用するのが好ましい。この範囲より少ない場合、反応の進行が遅く原料が多く残存する。また、この範囲より多い場合、反応の進行が早くジカルボニル体が多く生成する。
本願発明で使用できるリガンドとしては、例えばトリt−ブチルホスフィン(TBP)、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン(TPP)、トリo-トリルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(DPPE) 、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(DPPP)、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DPPB)等のホスフィン類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。リガンドの使用量は一般式(II)で表されるアリルアルコール誘導体1モルに対して、0.00001〜0.3モル当量の範囲で、好ましくは0.0001〜0.1モル当量の範囲で、特に好ましくは0.003〜0.01モル当量の範囲で使用するのが良い。この範囲より少ない場合、反応の進行が遅く原料が多く残存する。また、この範囲より多い場合、反応の進行が早くジカルボニル体が多く生成する。
本願発明は常圧から加圧下で反応することができ、一酸化炭素の圧力は20〜100Kgf/cm2の範囲で適宜選択すれば良いが、好ましくは20〜50Kgf/cm2である。
本願発明で使用できる有機酸無水物としては、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、又は無水プロピオン酸、無水安息香酸等を挙げることができ、好ましくは無水酢酸である。有機酸無水物の使用量は、一般式(II)で表されるアリルアルコール誘導体1モルに対して、0.1〜20モル当量の範囲で、好ましくは1〜5モル当量の範囲で使用することが好ましい。
本願発明で使用できる塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン等の有機塩基類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム
、炭酸水素ナトリウム 、炭酸カリウム等の無機塩基類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等を挙げることができるが、好ましくはトリエチルアミンである。塩基の使用量は、一般式(II)で表されるアリルアルコール誘導体1モルに対して、1〜20モル当量の範囲で、好ましくは2〜5モル当量の範囲で使用するのが良い。
、炭酸水素ナトリウム 、炭酸カリウム等の無機塩基類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等を挙げることができるが、好ましくはトリエチルアミンである。塩基の使用量は、一般式(II)で表されるアリルアルコール誘導体1モルに対して、1〜20モル当量の範囲で、好ましくは2〜5モル当量の範囲で使用するのが良い。
本願発明で使用できる溶媒としては、反応の進行を著しく阻害しないものであれば良く、例えばヘプタン、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の鎖状又は環状のアミド類、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド、水等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で使用しても良く、二種以上混合して使用することもできる。反応温度は通常50〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは80〜120℃である。反応時間は反応規模、反応温度により一定しないが、1時間乃至48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
本願発明で行う加水分解反応は既知の方法で行えば良く、例えば、公知文献(日本化学会編、「新実験化学講座」、14巻、II、1977年、928〜943頁、丸善株式会社等を参照。)に記載されている方法から適宜選択すれば良い。好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム
、炭酸水素ナトリウム 、炭酸カリウム等の無機塩基類を用いたアルカリ加水分解が良い。塩基の使用量は、一般式(II)で表されるアリルアルコール誘導体1モルに対して、1〜20モル当量の範囲で、好ましくは1〜5モル当量の範囲で使用するのが良い。使用できる溶媒としては、反応の進行を著しく阻害しないものであれば良く、例えばヘプタン、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の鎖状又は環状のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類、水等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で使用しても良く、また2種以上の溶媒を混合して使用することもできる。好ましくは、トルエンと水との2層系混合溶媒又はメタノールで行うことが好ましい。反応温度は通常0〜100℃の範囲で行うことができ、好ましくは10〜50℃である。反応時間は反応規模、反応温度により一定しないが、1時間乃至48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
、炭酸水素ナトリウム 、炭酸カリウム等の無機塩基類を用いたアルカリ加水分解が良い。塩基の使用量は、一般式(II)で表されるアリルアルコール誘導体1モルに対して、1〜20モル当量の範囲で、好ましくは1〜5モル当量の範囲で使用するのが良い。使用できる溶媒としては、反応の進行を著しく阻害しないものであれば良く、例えばヘプタン、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の鎖状又は環状のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類、水等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で使用しても良く、また2種以上の溶媒を混合して使用することもできる。好ましくは、トルエンと水との2層系混合溶媒又はメタノールで行うことが好ましい。反応温度は通常0〜100℃の範囲で行うことができ、好ましくは10〜50℃である。反応時間は反応規模、反応温度により一定しないが、1時間乃至48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
本反応終了後、必要に応じて目的物を含む反応系から常法により単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。
即ち、2−チオフェンカルボアルデヒド及びマロン酸とのKnoevenagel
Condensation Doebner Modification(Deutsch.
Chem. Ges., 1898, 31, 2596〜2619、 ; Ber. Deutsch.
Chem. Ges., 1900, 33, 2140−2142.)により、3−(2−チオフェン)アクリル酸に誘導し、当該アクリル酸を常法(日本化学会編、「新実験化学講座」、15巻、酸化と還元 II、1977年、丸善株式会社、Syn.,1987、647などを参照。)により、還元して3−(2−チオフェン)アリルアルコールを製造することができる。
Condensation Doebner Modification(Deutsch.
Chem. Ges., 1898, 31, 2596〜2619、 ; Ber. Deutsch.
Chem. Ges., 1900, 33, 2140−2142.)により、3−(2−チオフェン)アクリル酸に誘導し、当該アクリル酸を常法(日本化学会編、「新実験化学講座」、15巻、酸化と還元 II、1977年、丸善株式会社、Syn.,1987、647などを参照。)により、還元して3−(2−チオフェン)アリルアルコールを製造することができる。
以下に本発明の代表的な実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1. 4−ヒドロキシベンゾチオフェンの製造方法
100mlのオートクレーブに3−(2−チオフェン)アリルアルコール 2.8g(20mmol)、トルエン12.0g、無水酢酸4.9g(48mmol)、トリエチルアミン4.86g(48mmol)、酢酸パラジウム 22mg(0.1mmol)及びトリフェニルホスフィン262mg(1mmol)を入れた。一酸化炭素3Kgf/cm2で3回オートクレーブ内を置換し、その後一酸化炭素を25Kgf/cm2で封入した。内温を110℃まで加熱し同温度で3時間攪拌した。反応終了後、オートクレーブを60℃以下に冷却し、排気した。水8gを加え、30分間攪拌した。溶液を分液し、有機層を8%重曹水で洗浄し、溶媒を留去して黒褐色の油状物3.8gを得た。この残渣にメタノール6g及び10%水酸化ナトリウム水溶液12gを加え、25℃で1時間攪拌し、溶媒を留去した。残渣にトルエン及び水を加えて分液し、水層に濃塩酸3.4gをゆっくりと滴下した。その水溶液を酢酸エチルで抽出し、8%重曹水で洗浄後、濃縮し4−ヒドロキシベンゾチオフェンを1.97g(収率65.6%)得た。融点:76〜78℃
100mlのオートクレーブに3−(2−チオフェン)アリルアルコール 2.8g(20mmol)、トルエン12.0g、無水酢酸4.9g(48mmol)、トリエチルアミン4.86g(48mmol)、酢酸パラジウム 22mg(0.1mmol)及びトリフェニルホスフィン262mg(1mmol)を入れた。一酸化炭素3Kgf/cm2で3回オートクレーブ内を置換し、その後一酸化炭素を25Kgf/cm2で封入した。内温を110℃まで加熱し同温度で3時間攪拌した。反応終了後、オートクレーブを60℃以下に冷却し、排気した。水8gを加え、30分間攪拌した。溶液を分液し、有機層を8%重曹水で洗浄し、溶媒を留去して黒褐色の油状物3.8gを得た。この残渣にメタノール6g及び10%水酸化ナトリウム水溶液12gを加え、25℃で1時間攪拌し、溶媒を留去した。残渣にトルエン及び水を加えて分液し、水層に濃塩酸3.4gをゆっくりと滴下した。その水溶液を酢酸エチルで抽出し、8%重曹水で洗浄後、濃縮し4−ヒドロキシベンゾチオフェンを1.97g(収率65.6%)得た。融点:76〜78℃
実施例2.4−ヒドロキシベンゾチオフェンの製造方法
2Lのオートクレーブに3−(2−チオフェン)アリルアルコール 210.5g(1.50mol)、トルエン 525.0g、無水酢酸367.6g(3.60mol)、トリエチルアミン364.4g(3.60mol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム2.1g(0.003mol)及びトリフェニルホスフィン 6.3g(0.024mol)を仕込み、一酸化炭素を3Kgf/cm2で3回オートクレーブ内を置換し、次いで一酸化炭素を45Kgf/cm2で封入した。内温を110℃まで加熱し、この間、内圧43〜47Kgf/cm2を維持するように一酸化炭素を供給し続け、同温度で3時間攪拌を続けた。反応後オートクレーブを60℃以下に冷却し排気した。反応液に水を加えて分液し約1.5Kgの反応液を得た。同様にして2回製造し、合わせて約4.5Kgの反応液を得た。
2Lのオートクレーブに3−(2−チオフェン)アリルアルコール 210.5g(1.50mol)、トルエン 525.0g、無水酢酸367.6g(3.60mol)、トリエチルアミン364.4g(3.60mol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム2.1g(0.003mol)及びトリフェニルホスフィン 6.3g(0.024mol)を仕込み、一酸化炭素を3Kgf/cm2で3回オートクレーブ内を置換し、次いで一酸化炭素を45Kgf/cm2で封入した。内温を110℃まで加熱し、この間、内圧43〜47Kgf/cm2を維持するように一酸化炭素を供給し続け、同温度で3時間攪拌を続けた。反応後オートクレーブを60℃以下に冷却し排気した。反応液に水を加えて分液し約1.5Kgの反応液を得た。同様にして2回製造し、合わせて約4.5Kgの反応液を得た。
10Lの反応容器に、当該反応液及び水1100gを加え1時間攪拌熟成し、その後分液した。有機層を10%塩酸990gで洗浄し、次いで、水洗、飽和重曹水で洗浄した後、シリカゲル280gを通してろ過し反応液3Kgを得た。
10Lの反応容器に反応液及び15%水酸化ナトリウム水溶液1643g(6.16mol)を加え、50℃で2時間反応した。冷却後分液し塩基性水溶液3Kgを得た。この溶液に活性炭(カルボラフィン)19.6gを加え、アルゴンガス雰囲気下、室温で30分攪拌し、ろ過で固体を除去した。この水溶液を10℃以下に冷却した後、濃塩酸408.4g(3.92mol)を徐々に滴下した。その後、10℃以下で1時間熟成した。析出した結晶をろ集し、2回水洗して結晶408.6gを得た。45℃で通風乾燥して、4−ヒドロキシベンゾチオフェンを298.5g(収率71.0%)得た。融点:76〜78℃
上記、実施例に準じて実施例3〜13を実施し、結果を下記表1にまとめた。
10Lの反応容器に反応液及び15%水酸化ナトリウム水溶液1643g(6.16mol)を加え、50℃で2時間反応した。冷却後分液し塩基性水溶液3Kgを得た。この溶液に活性炭(カルボラフィン)19.6gを加え、アルゴンガス雰囲気下、室温で30分攪拌し、ろ過で固体を除去した。この水溶液を10℃以下に冷却した後、濃塩酸408.4g(3.92mol)を徐々に滴下した。その後、10℃以下で1時間熟成した。析出した結晶をろ集し、2回水洗して結晶408.6gを得た。45℃で通風乾燥して、4−ヒドロキシベンゾチオフェンを298.5g(収率71.0%)得た。融点:76〜78℃
上記、実施例に準じて実施例3〜13を実施し、結果を下記表1にまとめた。
HPLC分析条件
カラム :inertsil ODS−3(4.6mm×150mm)
カラム温度:40℃
移動相 :MeOH:H3PO4=60:40
流量 :1ml/min.
検出波長 :254nm
注入量 :2μl
分析時間 :20分
参考例1. 3−(2−チエニル)アクリル酸の合成
1Lの反応容器に2-チオフェンカルボアルデヒド116.7g(1.04mol)、マロン酸113.7g(1.09mol)、ピリジン57.60g(0.73mol)を入れ、70〜80℃で5時間反応を行った。同温度で水100g次いで10%塩酸385gをゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ集し、水100mlで3回洗浄した。得られた結晶を60℃で通風乾燥して、3−(2−チエニル)
アクリル酸を淡褐色結晶として137.2g(収率86%)得た。mp 146−147℃
1Lの反応容器に2-チオフェンカルボアルデヒド116.7g(1.04mol)、マロン酸113.7g(1.09mol)、ピリジン57.60g(0.73mol)を入れ、70〜80℃で5時間反応を行った。同温度で水100g次いで10%塩酸385gをゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ集し、水100mlで3回洗浄した。得られた結晶を60℃で通風乾燥して、3−(2−チエニル)
アクリル酸を淡褐色結晶として137.2g(収率86%)得た。mp 146−147℃
参考例2. 3−(2−チエニル)アリルアルコール(II)の合成
水酸化ナトリウム6.67g(0.16mol)、炭酸水素ナトリウム6.72g(0.08mol)を水72mlに溶解した。次いで3−(2−チエニル)アクリル酸30.84g(0.2mol)を加え、THF48mlで洗い込んだ。15℃に冷却後、クロロ炭酸メチル22.68g(0.24mol)の48mlTHF溶液をこの温度を保ちながら滴下し、同温度で1時間を反応した。その後内温を10℃に下げた。その反応溶液に水素化ホウ素ナトリウム11.35g(0.3mol)の40mlの0.2%水酸化ナトリウム水溶液を、内温を10℃から20℃の範囲に保つように滴下した。滴下終了後、15℃で1時間反応を続けた。その反応溶液に10%塩酸73gを滴下して30分間熟成した。THFを留去し、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和重曹水、食塩水の順番で洗浄した。溶媒を留去して24.84g(収率89%)の3−(2−チエニル)アリルアルコールを得た。
1H−NMR(400Hz, TMS−CDCl3, δ) 1.95
(br s, 1H)、 4.28(dd, 2H)、 6.20(m, 1H)、 6.75(d, 1H)、 6.96(2d, 2H)、 7.16(dd, 1H)
水酸化ナトリウム6.67g(0.16mol)、炭酸水素ナトリウム6.72g(0.08mol)を水72mlに溶解した。次いで3−(2−チエニル)アクリル酸30.84g(0.2mol)を加え、THF48mlで洗い込んだ。15℃に冷却後、クロロ炭酸メチル22.68g(0.24mol)の48mlTHF溶液をこの温度を保ちながら滴下し、同温度で1時間を反応した。その後内温を10℃に下げた。その反応溶液に水素化ホウ素ナトリウム11.35g(0.3mol)の40mlの0.2%水酸化ナトリウム水溶液を、内温を10℃から20℃の範囲に保つように滴下した。滴下終了後、15℃で1時間反応を続けた。その反応溶液に10%塩酸73gを滴下して30分間熟成した。THFを留去し、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和重曹水、食塩水の順番で洗浄した。溶媒を留去して24.84g(収率89%)の3−(2−チエニル)アリルアルコールを得た。
1H−NMR(400Hz, TMS−CDCl3, δ) 1.95
(br s, 1H)、 4.28(dd, 2H)、 6.20(m, 1H)、 6.75(d, 1H)、 6.96(2d, 2H)、 7.16(dd, 1H)
Claims (5)
- 一般式(II)
- パラジウム触媒が、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである請求項1に記載の製造方法。
- リガンドが、トリフェニルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンである請求項1に記載の製造方法。
- 有機酸無水物が、無水酢酸である請求項1に記載の製造方法。
- 塩基が、トリエチルアミンである請求項1に記載の製造方法。
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JP2009206167A JP2011057575A (ja) | 2009-09-07 | 2009-09-07 | 4−ヒドロキシベンゾチオフェン誘導体の製造方法 |
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-
2009
- 2009-09-07 JP JP2009206167A patent/JP2011057575A/ja active Pending
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CN115805103A (zh) * | 2021-09-14 | 2023-03-17 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种失活钛硅分子筛的再生方法 |
CN115805103B (zh) * | 2021-09-14 | 2024-04-09 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种失活钛硅分子筛的再生方法 |
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