JP4518065B2 - 新規ジアルコキシアミドオキシム誘導体及びその製法 - Google Patents
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Description
で示されるジアルコキシアミドオキシム誘導体によって解決される。
(A)酸性条件下、一般式(2)
で示されるシアノケトン類に、一般式(3)
で示されるオルトギ酸エステルを反応させて、一般式(4)
で示されるジアルコキシニトリル誘導体とするアセタール工程、
(B)次いで、塩基性条件下、ジアルコキシニトリル誘導体にヒドロキシルアミンを反応させて、一般式(1)
で示されるジアルコキシアミドオキシム誘導体とするオキシム化工程、
を含んでなることを特徴とする、ジアルコキシアミドオキシム誘導体の製法によっても解決される。
で示される4-置換-3-アミノイソオキサゾール誘導体に導くことが出来(後の参考例3に記載)、導かれた4-置換-3-アミノイソオキサゾール誘導体は、血圧降下剤や抗動脈硬化剤として有用なスルホンアミドエンドセリンアンタゴニスト化合物の合成原料として利用出来る(例えば、特開平6-9585号公報)。
(A)酸性条件下、一般式(2)で示されるシアノケトン類に、一般式(3)で示されるオルトギ酸エステルを反応させて、一般式(4)で示されるジアルコキシニトリル誘導体とするアセタール化工程、
(B)次いで、塩基性条件下、ジアルコキシニトリル誘導体にヒドロキシルアミンを反応させて、一般式(1)で示されるジアルコキシアミドオキシム誘導体とするオキシム化工程、
の二つの工程によって得ることが出来る。
(A)アセタール化工程
本発明のアセタール化工程は、酸性条件下、一般式(2)で示されるシアノケトン類に、一般式(3)で示されるオルトギ酸エステルを反応させて、一般式(4)で示されるジアルコキシニトリル誘導体とする工程である。
本発明のオキシム化工程は、塩基性条件下、アセタール化工程において得られたジアルコキシニトリル誘導体にヒドロキシルアミンを反応させて、一般式(1)で示されるジアルコキシアミドオキシム誘導体とする工程である。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積300mlのガラス製フラスコに、ナトリウムメトキシド13.0g(0.24mol)、プロピオニトリル19.9g(0.36mol)、酢酸n-ブチル37.2g(0.32mol)及びトルエン100mlを加え、窒素雰囲気にて、90℃で24時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、析出物を濾過して乾燥させ、無色粉末として3-シアノ-2-ブタノンのナトリウム塩12.0gを得た(単離収率;41.7%)。
3-シアノ-2-ブタノンのナトリウム塩の物性値は以下の通りであった。
内容積300mlのガラス製フラスコに、参考例1と同様な方法で合成した3-シアノ-2-ブタノンのナトリウム塩30.0g(0.25mol)、水40ml及び酢酸エチル100mlを加えた。次いで、濃塩酸21.7ml(0.26mol)を加えた後、有機層を取り出して無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、無色液体として3-シアノ-2-ブタノン22.3gを得た(単離収率;92%)。
3-シアノ-2-ブタノンの物性値は以下の通りであった。
攪拌装置及び温度計を備えた内容積25mlのガラス製フラスコに、濃硫酸10mg(0.1mmol)、参考例2と同様な方法で合成した3-シアノ-2-ブタノン1.94g(24mmol)、オルトギ酸エチル3.56g(24mmol)及びエタノール5mlを加え、窒素雰囲気にて、室温で7時間反応させた。反応終了後、反応液に、炭酸カリウム0.75g(5mmol)を加えて、更に室温で1時間攪拌させた。析出物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、薄黄色液体として2-メチルブチロニトリル-3-オン-ジエチルアセタール2.91gを得た(単離収率;85%)。
2-メチルブチロニトリル-3-オン-ジエチルアセタールは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積25mlのガラス製フラスコに、水酸化ナトリウム1.46g(36.5mmol)、水7ml及びヒドロキシルアミン塩酸塩1.97g(28.3mmol)を混合し、氷冷下、実施例1と同様な方法で合成した2-メチルブチロニトリル-3-オン-ジエチルアセタール2.40g(14.0mmol)をメタノール7mlに溶解した液ををゆるやかに滴下し、窒素雰囲気にて、10℃で2時間、室温で13時間、更に加熱還流下(70〜75℃)で1.5時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、酢酸エチル20mlで3回抽出した。有機層を取り出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で濃縮して、薄黄色液体として2-メチルブチルアミドオキシム-3-オン-ジエチルアセタール2.45gを得た(単離収率;86%)。
2-メチルブチルアミドオキシム-3-オン-ジエチルアセタールは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
攪拌装置及び温度計を備えた内容積25mlのガラス製フラスコに、実施例2と同様な方法で合成した2-メチルブチルアミドオキシム-3-オン-ジエチルアセタール2.25g(11mmol)、エタノール13ml及び濃硫酸20mg(0.2mmol)を加え、窒素雰囲気にて、室温で15時間反応させた。反応終了後、減圧下で濃縮し、濃縮物をイソプロピルアルコール1mlで再結晶させて、白色粉末として3-アミノ-4,5-ジメチルイソオキサゾール1.00gを得た(単離収率;81%)。
3-アミノ-4,5-ジメチルイソオキサゾールの物性値は以下の通りであった。
攪拌装置及び温度計を備えた内容積50mlのガラス製フラスコに、濃硫酸10mg(0.1mmol)、参考例2と同様な方法で合成した3-シアノ-2-ブタノン7.14g(73.5mmol)、オルトギ酸メチル15.6g(147mmol)及びメタノール30mlを加え、窒素雰囲気にて、室温で23時間反応させた。反応終了後、反応液に、炭酸カリウム1.02g(6.8mmol)を加えて、更に室温で1時間攪拌させた。析出物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤;ワコーゲルC-200(和光純薬社製)、展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=3/1(容量比))で精製して、薄黄色液体として2-メチルブチロニトリル-3-オン-ジメチルアセタール9.5gを得た(単離収率;90%)。
2-メチルブチロニトリル-3-オン-ジメチルアセタールは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積50mlのガラス製フラスコに、ヒドロキシルアミン塩酸塩3.48g(50.0mmol)及びメタノール10mlを混合し、氷冷下、トリエチルアミン6.33g(62.6mmol)、実施例3と同様な方法で合成した2-メチルブチロニトリル-3-オン-ジメチルアセタール3.58g(25.0mmol)をメタノール5mlに溶解した液をを順次ゆるやかに滴下し、窒素雰囲気にて、加熱還流下(60〜64℃)で8時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、減圧下で濃縮し、濃縮物に酢酸エチル120ml及び水40mlを加えた。次いで、有機層を取り出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で濃縮して、無色粉末として2-メチルブチルアミドオキシム-3-オン-ジメチルアセタール3.15gを得た(単離収率;72%)。
2-メチルブチルアミドオキシム-3-オン-ジメチルアセタールは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに、ナトリウムメトキシド8.1g(0.15mol)、ベンジルシアニド17.6g(0.15mol)、ギ酸エチル12.3g(0.17mol)及びメタノール70mlを加え、窒素雰囲気にて、室温で6時間反応させた。反応終了後、固体が析出して来たので、濾過して乾燥させた。この固体を水200mlに溶解させ、濃塩酸5.8ml(70mol)を加えた。析出して来た結晶を濾過して乾燥させ、無色粉末として2-ホルミルベンジルシアニド9.0gを得た(単離収率;41%)。
2-ホルミルベンジルシアニドの物性値は以下の通りであった。
攪拌装置及び温度計を備えた内容積100mlのガラス製フラスコに、濃硫酸10mg(0.1mmol)、参考例4と同様な方法で合成した2-ホルミルベンジルシアニド5.81g(40mmol)、オルトギ酸メチル17.76g(120mmol)及びエタノール40mlを加え、窒素雰囲気にて、室温で15時間反応させた。反応終了後、反応液に、炭酸カリウム4.0g(5mmol)を加えて、更に室温で1時間攪拌させた。析出物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤;ワコーゲルC-200(和光純薬社製)、展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=4/1(容量比))で精製して、無色粉末として2-(β-ジエトキシホルミル)ベンジルシアニド4.1gを得た(単離収率;47%)。
2-(β-ジエトキシホルミル)ベンジルシアニドの物性値は以下の通りであった。
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積25mlのガラス製フラスコに、ヒドロキシルアミン塩酸塩695mg(10mmol)及びメタノール5mlを混合し、氷冷下、トリエチルアミン1.52g(15mmol)、実施例5と同様な方法で合成した2-(β-ジエトキシホルミル)ベンジルシアニド1.1g(5mmol)をメタノール1mlに溶解した液を順次ゆるやかに滴下し、窒素雰囲気にて、加熱還流下(60〜64℃)で4時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、減圧下で濃縮し、濃縮物に酢酸エチル30ml及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液3mlを加えた。次いで、有機層を取り出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤;ワコーゲルC-200(和光純薬社製)、展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=1/2(容量比))で精製して、無色粉末として2-(β-ジエトキシホルミル)-2-フェニルアセトアミドオキシム0.8gを得た(単離収率;64%)。
2-(β-ジエトキシホルミル)-2-フェニルアセトアミドオキシムは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
Claims (8)
- R1及びR2が、炭素数1〜4のアルキル基である請求項1記載のジアルコキシアミドオキシム誘導体。
- R1及びR2が、メチル基である請求項1乃至2のいずれかに記載のジアルコキシアミドオキシム誘導体。
- (A)酸性条件下、一般式(2)
で示されるシアノケトン類に、一般式(3)
で示されるオルトギ酸エステルを反応させて、一般式(4)
で示されるジアルコキシニトリル誘導体とするアセタール化工程、
(B)次いで、塩基性条件下、ジアルコキシニトリル誘導体にヒドロキシルアミンを反応させて、一般式(1)
で示されるジアルコキシアミドオキシム誘導体とするオキシム化工程、
を含んでなることを特徴とする、請求項1記載のジアルコキシアミドオキシム誘導体の製法。 - オルトギ酸エステルが、オルトギ酸メチル又はオルトギ酸エチルである請求項4記載のジアルコキシアミドオキシム誘導体の製法。
- 塩基の存在下、一般式(6)
で示されるカルボン酸エステルと一般式(7)
で示されるニトリル化合物とを反応させてシアノケトン類を得た後、
(A)酸性条件下、一般式(2)
で示されるシアノケトン類に、一般式(3)
で示されるオルトギ酸エステルを反応させて、一般式(4)
で示されるジアルコキシニトリル誘導体とするアセタール化工程、
(B)次いで、塩基性条件下、ジアルコキシニトリル誘導体にヒドロキシルアミンを反応させて、一般式(1)
で示されるジアルコキシアミドオキシム誘導体とするオキシム化工程、
を含んでなることを特徴とする、請求項1記載のジアルコキシアミドオキシム誘導体の製法。 - R1及びR2が、炭素数1〜4のアルキル基である請求項4乃至6のいずれかに記載のジアルコキシアミドオキシム誘導体の製法。
- R1及びR2が、メチル基である請求項4乃至7のいずれかに記載のジアルコキシアミドオキシム誘導体の製法。
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