JP2501643Y2 - フロア―用チェ―ンコンベヤ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案はエンドレス平面搬送路
を構成するフロアー用チェーンコンベヤに関するもであ
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、トップローラ（キャリヤロー
ラ）付きチェーンコンベヤの搬送路の構成としては、前
後端に配設したスプロケットにエンドレスのチェーンを
掛け、キャリヤ部とリターン部をもつ直線搬送路の態様
を採るにすぎない。即ち、従来のチェーンコンベヤは直
線搬送路のみであり、カーブ箇所の使用はできず、カー
ブ箇所ではカーブドチェーンとかカーブローラコンベヤ
等の専用搬送手段を別途介在せねばならず、１本の循環
せるフロアー搬送路を得られなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、近時、オート
メーション化する工場等にあっての搬送路では、搬送速
度等の制御がし易い一連のチェーンコンベヤを用いるフ
ロアーコンベヤ態様が望まれてきている。この場合、特
に搬送物体（搬送パレット）の負荷に対応するチェーン
コンベヤでは、少なくともチェーンコンベヤを２条（複
数列）、所定間隔で平行敷設とする必要がある。だが、
このフロアー態様にあって２条を用いるチェーンコンベ
ヤ方式で問題となる点は、平面敷設の平行チェーンコン
ベヤがカ−ブ部分（蛇行部）に達したとき、外側チェー
ンコンベヤと内側チェーンコンベヤとは曲率半径が異な
ってくるため、同一速度で走行するチェーンコンベヤに
載置した搬送パレットの左右（内外）位置間に搬送遅れ
を招き、先方にて搬送パレットの載置姿勢が乱れる結果
を生ずる。

【０００４】本考案は上記実情に鑑み、このチェーンコ
ンベヤのカーブ部分に達したとき小径の走行ローラとト
ップローラ（キャリヤローラ）とで倍速補強が成される
ようにし、上記課題を解決するフロアー用チェーンコン
ベヤを提供することを目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、サイドローラ
を配設のチェーン本体を構成する一方のリンクプレート
の中央に突設したトップ受部に、キャリヤローラと該キ
ャリヤローラより小径の走行ローラを並設軸支し、他の
リンクプレートの中央に横突設した張出し受部にガイド
ローラを軸支し単一のチェーンを形成し、このチェーン
を２条、それぞれエンドレス平面搬送路となる一対のチ
ェーンガイドレール枠体に、前記サイドローラとガイド
ローラ部を臨ませると共に、この平行の平面搬送路中、
少なくともカーブ部分にあって外側位置のチェーンガイ
ドレール枠体の上縁部に設けた倍速凸レールに、前記ト
ップ受部の走行ローラを接触させ、キャリヤローラ上の
搬送物体を部分速送りするようにしたものでる。

【０００６】

【作用】上記のように、一対の平面搬送路となるチェー
ンガイドレール枠体にチェーンを、トップ位置の並設の
キャリヤローラと走行ローラを露出させ、サイドローラ
とガイドローラを枠体内に収容するように敷設し、且つ
チェーンガイドレール枠体のカーブ部分にあって外側チ
ェーンガイドレール枠体の上縁部に設けた倍速凸レール
部に、外側のチェーンの走行ローラが接触するようにし
たので、直線搬送路からカーブ部分に達したとき、曲率
半径が大となる外側カーブ部分のレール枠体に有する倍
速凸レールにキャリヤローラと一体の小径の走行ローラ
が接触して転がり回転をするため、該走行ローラより大
径のキャリヤローラには実質的に周速が大きくなる。こ
のため、キャリヤローラに載置したワークセットの搬送
パレットは、部分的（カーブ部分の外側）に速送りがな
され、搬送パレット全体として搬送姿勢を変えることな
く平行移送される。

【０００７】

【実施例】以下、本考案を実施例の図面に基づいて説明
すれば、次の通りである。

【０００８】１は中央にトップ受部２を起立突設した内
側リンクプレートで、３は中央側部にコ字状の張出し受
部４を横突設した外側リンクプレートであり、該外側リ
ンクプレート３と内側リンクプレート１の各プレート端
を交互に重ねると共に、この重ね部分にサイドローラ５
を配設してピン６を挿通し公知のチェーン連結としてチ
ェーン本体７を形成し、前記内側リンクプレート１の起
立せるトップ受部２の上部に大径のキャリヤローラ８と
小径の走行ローラ９を搬送ピン１０をもって一体並設の
軸支とし、且つ前記コ字状張出し受部４の間隙にはガイ
ドローラ１１を嵌合しガイドピン１２で軸支し、全体と
してフロアー用チェーン１３を構成する。このフロアー
用チェーン１３を２条、平面位置にエンドレス敷設した
平面搬送路となる２本のコ字枠型チェーンガイドレール
枠体１４に、該ガイドレール枠体１４の上面中央の開口
１５にトップ受部２を案内しサイドローラ５とガイドロ
ーラ１１を枠内に収容し、キャリヤローラ８と走行ロー
ラ９を上方に露出したセットとする。しかも、平行のチ
ェーンガイドレール枠体１４中、蛇行搬送路となるカー
ブ部分１４Ａにおいて、カーブの曲率半径が大となる同
外側ガイドレール枠体１４のカーブ部分１４Ａ′の両側
上縁部１４ａには倍速凸レール１６を一定長さ分（コー
ナ外側Ｒの開始部から終了部まで）を取付け、これら全
体構成でフロアー用チェーンコンベヤ１７となる。この
場合、倍速凸レール１６の厚さは、小径となる走行ロー
ラ９に達する高さ寸法とし、該走行ローラ９を接触転動
する構造とする。また、チェーンガイドレール枠体１４
の枠内に臨んだサイドローラ５は枠内下面１４ｂに接触
しガイドローラ１１は側壁１４ｃに接触する配置とな
る。

【０００９】いまこの作用を説明すると、先ずこの全体
としてフロアーＦに対し平面配置のエンドレス構成のフ
ロアー用チェーンコンベヤ１７にあって（図４参照）、
一対（２条）のチェーン１３に突設の複数個（少なくと
も前後左右の４個）のキャリヤローラ８に搬送物体を乗
せる搬送パレット１８を載置し適宜移送する。

【００１０】ここにおいて、移動される搬送パレット１
８は、２条のチェーン１３（内，外チェーン）が同一速
度で回転している直線部分１４Ｂでは左右均一に移動す
るため、該搬送パレット１８にセットする搬送物体（図
示せず）にセット姿勢の位置ずれを招かない。

【００１１】次に、この搬送パレット１８がカーブ部分
１４Ａに達した場合、この平行となるチェーン１３，１
３はカーブの曲率半径Ｒ，Ｒ′が異なるため、小径の曲
率半径Ｒのカーブ部分１４Ａに対し大径の曲率半径Ｒ′
のカーブ部分１４Ａ′の方にチェーンの移送量に遅れが
生ずる。この移送遅れを補正する手段として、カーブ部
分１４Ａ′の上縁部１４ａに倍速凸レール１６が位置
し、キャリヤローラ８と一体の小径の走行ローラ９を転
がり接触させるため、該走行ローラ９で受ける回転に対
し大径のキャリヤローラ８は周速が大きく実質的な高速
回転がなされ、該キャリヤローラ８に載置した搬送パレ
ット１８は少し速送りされるものとなる。即ち、カーブ
部分１４Ａでは遅れぎみとなる外側位置のカーブ部分１
４Ａ′は一種の倍速チェーン機構をもって少し速送りが
なされ、全体として搬送パレット１８には移送遅れを招
かず、カーブ箇所の通過にあっても平行姿勢で移動す
る。

【００１２】勿論、この小径となる走行ローラ９の径
は、内外のカーブの曲率半径，チェーンスピード等を勘
案して設定するものである。

【００１３】

【考案の効果】上述の様に、本考案のフロアー用チェン
コンベヤは２本の内外チェーン中、カーブ部分にあっ
て、搬送物体を受ける外側チェーンのキャリヤローラに
一体とした小径走行ローラをレール枠体側の倍速凸レー
ルに転動するようにしたため、カーブ部分で部分的なス
ピードアップの移動が可能となる。即ち、一定のチェー
ンスピードにあってもカーブＲの中心を起点として搬送
物が搬送され、直線搬送に移行しても、搬送物体を初期
に置いた状態位置に復元されることになり、カーブがあ
る搬送条件でも、一連のチェーンでも、物体の搬送が可
能となる。また、レール枠体内にあってはサイドローラ
とガイドローラが転動するため、カーブ位置等の通過も
円滑となる。しかも、本考案は簡略構成のため、製作の
容易で、誤動作も招かない等の実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示すチェーン本体の要部の
平面図である。

【図２】同一部切り欠き平面図である。

【図３】同縦断正面図である。

【図４】フロアー用チェーンコンベヤのフロアー態様の
平面図である。

【図５】２条のチェーンコンベヤに搬送物体を載置した
説明図でる。

【符号の説明】

１ 内側リンクプレート ２ トップ受部 ３ 外側リンクプレート ４ 張出し受部 ５ サイドローラ ７ チェーン本体 ８ キャリヤローラ ９ 走行ローラ １１ ガイドローラ １４ チェーンガイドレール枠体 １４′ カーブ部分 １６ 倍速凸レ−ル

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 サイドローラを配設のチェーン本体を構
   成する一方のリンクプレートの中央に突設したトップ受
   部に、キャリヤローラと該キャリヤローラより小径の走
   行ローラを並設軸支し、他のリンクプレートの中央に横
   突設した張出し受部にガイドローラを軸支し単一のチェ
   ーンを形成し、このチェーンを２条、それぞれエンドレ
   ス平面搬送路となる一対のチェーンガイドレール枠体
   に、前記サイドローラとガイドローラ部を臨ませると共
   に、この平行の平面搬送路中、少なくともカーブ部分に
   あって外側位置のチェーンガイドレール枠体の上縁部に
   設けた倍速凸レールに、前記トップ受部の走行ローラを
   接触させ、キャリヤローラ上の搬送物体を部分速送りす
   るようにしたフロアー用チェーンコンベヤ。