JPH0741688Y2 - スラットコンベヤ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、立体駐車場設備での自動車移載用コンベヤ等
に活用することが出来るスラットコンベヤに関するもの
である。

（従来の技術） この種のスラットコンベヤは、移動方向に対し直交する
左右横方向に長い多数の被搬送物支持部材を、搬送経路
部と戻り経路部とから成る循環経路に沿って無端状駆動
チェンにより等間隔おきの並列状態に連結して成るもの
であるが、前記のような自動車移載用コンベヤ等に使用
し得る従来の大荷重用スラットコンベヤは、第８図に示
すように被搬送物支持部材１として、矩形断面の角鋼管
を、その長辺方向が移動方向と直交する上下方向となる
ように使用し、そして当該被搬送物支持部材１の両端内
側に無端状駆動チェン２を連結していた。

（考案が解決しようとする課題） 上記のような従来のスラットコンベヤでは、各被搬送物
支持部材１の高さが大きいので、搬送経路部３と戻り経
路部４との間のＵターン部５に於いて無端状駆動チェン
２の外側を各被搬送物支持部材１が回動するとき、被搬
送物支持面1aを形成する各被搬送物支持部材１の外端部
間の隙間６が大きく広がることになる。従って、このよ
うなスラットコンベヤＡを自動車移載用コンベヤとして
使用した場合、同様のスラットコンベヤＢから前記スラ
ットコンベヤＡ上に送り込まれてくる自動車のタイヤ
が、前記スラットコンベヤＡのＵターン部５に於いて隙
間６が広がっている状態の被搬送物支持部材１上に乗り
移り、この被搬送物支持部材１が搬送経路部３に進入す
るときに前記隙間６が閉じてゆくのに従って、タイヤが
隣接する被搬送物支持部材１間に挟み込まれ、タイヤを
損傷させたり、被搬送物支持部材１や無端状駆動チェン
２との連結部に無理な力が加わって破損する恐れがあっ
た。

上記のような問題点を解消するためには、各被搬送物支
持部材１に対する無端状駆動チェン２の連結レベルを、
被搬送物支持部材１の内端部から外端部（被搬送物支持
面1a）側に上げれば良いが、この場合には、各被搬送物
支持部材１が前記Ｕターン部５を回動するときに各被搬
送物支持部材１の内端部側が互いに接近することになる
ので、この各被搬送物支持部材１の内端部が互いに干渉
しない程度にＵターン部５の回転半径を大きくしなけれ
ばならない。Ｕターン部５の回転半径が大きくなると、
互いに接続状態にある前記両スラットコンベヤA,B間の
三角形状の凹入空間Ｃが深く大きくなり、両スラットコ
ンベヤA,B間を乗り移る自動車のタイヤが不当に落ち込
むため、前記凹入空間Ｃ内に中継用ローラーを軸支しな
ければならず、構造が複雑になって設備コストが増大す
る。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記のような従来の問題点を解決することを目
的とするものであって、係る本考案のスラットコンベヤ
は、後述する実施例の参照符号を付して示すと、移動方
向に対し直交する左右横方向に長い多数の被搬送物支持
部材（10）と、当該被搬送物支持部材（10）を等間隔お
きに連結する無端状駆動チェン（22）とを有するスラッ
トコンベヤであって、各被搬送物支持部材（10）は、被
搬送物支持面（10a）を形成する巾広外端部（18）から
内側に向かって延出する壁部（19）を有する縦断面形状
であって、当該壁部（19）は、その巾が内端側程狭くな
るように漸減するか又は壁部（19）全体が前記巾広外端
部（18）に対して厚さが薄く、無端状駆動チェン（22）
は、その高さが被搬送物支持部材（10）の内端部（10
b）と巾広外端部（18）との間の高さよりも小さくて、
そのリンクプレート（22a）を連結するリンクピン（22
c）の位置が被搬送物支持部材（10）の内端部（10b）よ
りも巾広外端部（18）に接近した位置にあり、各被搬送
物支持部材（10）が回動する循環経路端部のＵターン部
では、各被搬送物支持部材（10）の内端部（10b）間の
間隔が狭くなる構成となっている。

上記の本考案の構成を具体化するに際しては、各被搬送
物支持部材（10）を等間隔おきに連結する無端状駆動チ
ェン（22）とは別に、搬送経路部（11）において各被搬
送物支持部材（10）の両端部を滑動可能に支持する滑り
支持手段（24〜26）を設けることができる。

（考案の作用） 上記のように構成されたスラットコンベヤでは、無端状
駆動チェン（22）のリンクプレート（22a）を連結する
リンクピン（22c）の位置が被搬送物支持部材（10）の
内端部（10b）よりも巾広外端部（18）に接近した位置
にあって、各被搬送物支持部材（10）が回動する循環経
路端部のＵターン部では、各被搬送物支持部材（10）の
内端部（10b）間の間隔が狭くなる構成となっているの
であるから、当該Ｕターン部を回動する各被搬送物支持
部材（10）の巾広外端部（18）間の隙間が大きく広がる
ことがなくなる。

しかも各被搬送物支持部材（10）は、巾広外端部（18）
から内側に向かって延出された壁部（19）の存在により
曲げ強度を十分に大ならしめることが出来るものであり
ながら、その内端部（10b）側の搬送方向の巾又は厚さ
を薄くしてあるので、各被搬送物支持部材（10）が前記
Ｕターン部を回動するときに、その巾広外端部（18）間
の隙間以上の大きな範囲内で内端部（10b）を互いに接
近移動させることが出来る。換言すれば、前記Ｕターン
部の回転半径を大きくしなくとも、各被搬送物支持部材
（10）の内端部（10b）どうしを互いに干渉させないで
各被搬送物支持部材（10）を回動させることが出来る。

なお、無端状駆動チェン（22）の高さを被搬送物支持部
材（10）の内端部（10b）と巾広外端部（18）との間の
高さよりも十分に小さくすることにより、そのリンクプ
レート（22a）を連結するリンクピン（22c）の位置を被
搬送物支持部材（10）の巾広外端部（18）に十分に接近
させて、Ｕターン部回動時の巾広外端部（18）間の隙間
の狭まりをより小さくできるのであるが、当該無端状駆
動チェン（22）の強度低下を招くことになる。従って、
当該無端状駆動チェン（22）を介して被搬送物支持部材
（10）に作用する荷重を支持レールで支持させるように
構成すると、コンベヤ全体の耐荷重性能が低下すること
になるが、搬送経路部（11）において各被搬送物支持部
材（10）の両端部を滑動可能に支持する滑り支持手段
（24〜26）を設けることにより、無端状駆動チェン（2
2）の小型化による前記不都合を回避し得る。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付の例示図に基づいて説明
する。

第１図及び第２図に於いて、10は移動方向に対し直交す
る左右横方向に長い被搬送物支持部材、11は並列状態で
無端状に連結された被搬送物支持部材10が回動する循環
経路の上側搬送経路部、12は同循環経路の下側戻り経路
部、13は前記循環経路の一端折り返し部に軸支された駆
動軸、14は前記循環経路の他端折り返し部に軸支された
遊転軸、15は前記駆動軸13及び遊転軸14を支承する固定
フレーム、16は駆動軸13に固着の受動歯輪、17は遊転軸
14の位置調整手段１ある。

前記被搬送物支持部材10は、第１図〜第３図及び第６図
に示すように、縦断面２等辺三角形の鋼管を利用して、
被搬送物支持面10aを形成する巾広外端部18から内側に
向かって延出する壁部19を有し且つ当該壁部19の厚さが
内端側程薄くなるように構成したものであって、その上
面（被搬送物支持面10a）の両端に固着されて左右両側
に延出する板状のチェン取付部材20を備えている。

第３図及び第４図に示すように前記各被搬送物支持部材
10の両端チェン取付部材20には、各々チェン取付用ブラ
ケット21が外嵌固定されている。一方、前記搬送経路部
11と戻り経路部12とから成る循環経路に沿って回動可能
に左右一対の無端状駆動チェン22が張設されている。こ
の無端状駆動チェン22は、左右一対のリンクプレート22
aをリンクピン22cで無端状に連結したものであって、適
当間隔おきのリンクプレート22aに連設されている取付
座22bと各被搬送物支持部材10のチェン取付用ブラケッ
ト21とが結合されることにより、無端状駆動チェン22を
介して各被搬送物支持部材10が等間隔おきに無端状に連
結されている。前記無端状駆動チェン22は、前記駆動軸
13に固着の駆動歯輪23と第１図に示す遊転軸14に取り付
けられた遊転歯輪とに掛張される。従って、前記遊転軸
14の位置調整手段17により当該遊転軸14の位置を調整す
ることにより、前記無端状駆動チェン22の張力を調整す
ることが出来る。

第３図及び第５図に示すように、前記搬送経路部11に
は、当該搬送経路方向と平行に左右一対の支持用ガイド
レール24が、前記無端状駆動チェン22の内側位置で固定
フレーム15上に敷設されている。そして前記各被搬送物
支持部材10の左右両端チェン取付部材20に外嵌固定され
ている両ブラケット21の下側には、当該被搬送物支持部
材10が搬送経路部11にあるとき、前記支持用ガイドレー
ル24の真上で当該支持用ガイドレール24と平行に位置す
る被支持レール25が取り付けられている。26は、前記搬
送経路部11と戻り経路部12とから成る循環経路に沿って
回動可能な左右一対の無端状ローラーチェンであって、
搬送経路部11に於いては、その各ローラー26aが前記支
持用ガイドレール24と各被支持用レール25との間に転動
可能に挟まれている。戻り経路部12では、前記無端状ロ
ーラーチェン26の各ローラー26aは前記各被支持用レー
ル25上に転動可能に載っている。

第５図に示すように支持用ガイドレール24の両端には、
無端状ローラーチェン26をＵターンさせるためのチェン
ガイドプレート27が接続されている。このチェンガイド
プレート27は、駆動歯輪23や遊転歯輪によって決まる各
被搬送物支持部材10の半円形Ｕターン部に於ける各被支
持用レール25から無端状ローラーチェン26が内側に離れ
て回動するように形成されている。又、第１図、第３図
及び第４図に示すように戻り経路部12には、各被搬送物
支持部材10の左右両端チェン取付部材20を滑動可能に支
持するガイドプレート28が敷設されている。

上記のように構成されたスラットコンベヤに於いて、受
動歯輪16をモーターに連動連結し、駆動軸13及び駆動歯
輪23を介して左右一対の無端状駆動チェン22を回動させ
ることにより、当該無端状駆動チェン22で無端状に連結
されている各被搬送物支持部材10が、搬送経路部11と戻
り経路部12とから成る循環経路を回動するので、搬送経
路部11を移動する各被搬送物支持部材10上で被搬送物を
搬送することが出来る。このとき、搬送経路部11を移動
する各被搬送物支持部材10の左右両端部は、チェン取付
部材20、ブラケット21、被支持用レール25、及び無端状
ローラーチェン26の各ローラー26aを介して固定フレー
ム15側の支持用ガイドレール24上に支持されており、被
搬送物の荷重は、前記被支持用レール25から無端状ロー
ラーチェン26の各ローラー26aを介して固定フレーム15
側の支持用ガイドレール24に受け止められ、無端状駆動
チェン22には全く作用しない。即ちこの実施例では、支
持用ガイドレール24、被支持用レール25、及び無端状ロ
ーラーチェン26によって、搬送経路部11において各被搬
送物支持部材10の両端部を滑動可能に支持する滑り支持
手段が構成されていることになる。勿論、前記無端状ロ
ーラーチェン26に於いては、そのローラー26aのみが被
搬送物の荷重を受けるだけで、当該ローラー26aを支承
するローラー軸26bやリンクプレート26cに被搬送物の荷
重は作用しない。

又、前記無端状ローラーチェン26は、被搬送物支持部材
10（被支持用レール25）の移動に伴ってローラー26aが
支持用ガイドレール24上で自転することによって、被搬
送物支持部材10の移動速度の半分の速度で同一方向に回
動することになる。

しかして、各被搬送物支持部材10を牽引駆動する無端状
駆動チェン22は、第３図で明らかなように、その高さ
（リンクプレート22aの巾）が被搬送物支持部材10の内
端部10bと巾広外端部18（被搬送物支持面10a）との間の
高さよりも小さくて、そのリンクプレート22aを連結す
るリンクピン22cの位置が被搬送物支持部材10の内端部1
0bよりも巾広外端部18に接近した位置にある。従って各
被搬送物支持部材10が搬送経路部11と戻り経路部13との
間のＵターン部（駆動歯輪23及び遊転歯輪の周囲）を回
動するとき、第６図に示すように、各被搬送物支持部材
10の内端部10bが互いに接近することになるだけで、隣
接する両被搬送物支持部材10の巾広外端部18（被搬送物
支持面10a）間の隙間29は、搬送経路部11を移動してい
るときと殆ど変化しない。又、各被搬送物支持部材10の
壁部19は、内端部10b側程厚さが薄くなっているので、
前記Ｕターン部を回動するときの各被搬送物支持部材内
端部10bの接近移動量が、巾広外端部18間の隙間29の間
隔よりも大きくなるように、前記Ｕターン部での各被搬
送物支持部材10の回転半径を小さくすることが出来る。
尚、被搬送物支持部材10に対する無端状駆動チェン22の
取り付け構造は、図示の実施例に示す構造に限定されな
い。例えば、被搬送物支持部材10の両端下側に切り欠き
凹部を形成し、この切り欠き凹部内に直接前記無端状駆
動チェン22を取付けることも出来る。又、取り扱う被搬
送物が比較的軽量であって、被搬送物支持部材10の荷重
を、無端状駆動チェン22を介して固定側のチェンガイド
レールに受けさせることが可能な場合は、上記実施例に
示した滑り支持手段（支持用ガイドレール24、被支持用
レール25、及び無端状ローラーチェン26）を省くことも
出来る。

更に被搬送物支持部材10を縦断面２等辺三角形の鋼管か
ら構成したが、例えば第７図Ａに示すように内端部10b
に偏平面を有する縦断面台形の鋼管から構成することも
出来るし、第７図Ｂに示すように巾広外端部18の一側辺
から板状壁部19が連設された縦断面Ｌ形の型鋼や、第７
図Ｃに示すように巾広外端部18の中央位置から板状壁部
19が連設された縦断面Ｔ形の型鋼等から構成することも
出来る。何れにしても各被搬送物支持部材10は、被搬送
物支持面10aを形成する巾広外端部18から内側に向かっ
て延出する壁部19を有する縦断面形状であって、当該壁
部19は、その巾が内端側程狭くなるように漸減するか又
は壁部19の全体が前記巾広外端部18に対して厚さが薄く
構成されておれば良く、既製の鋼管や型鋼を使用しない
で、所定の断面形状となるように鋼板を溶接して構成す
ることも出来る。

（考案の効果） 以上のように本考案のスラットコンベヤによれば、Ｕタ
ーン部を各被搬送物支持部材が回動するとき、各被搬送
物支持部材の巾広外端部（被搬送物支持面）間の隙間に
大きな変化を生じさせないで済むので、自動車移載用コ
ンベヤとして利用した場合でも、前記Ｕターン部の終端
から搬送経路部の始端に至る箇所に乗り移るタイヤが被
搬送物支持部材間に挟み込まれることによる不都合、即
ちタイヤや被搬送物支持部材側の損傷、を防止すること
が出来る。

しかも各被搬送物支持部材は、巾広外端部から内側に向
かって延出された壁部の存在により曲げ強度を十分に大
ならしめ、大荷重用スラットコンベヤとして自動車移載
用コンベヤにも十分に活用出来るものでありながら、前
記Ｕターン部での被搬送物支持部材の回転半径を小さく
して、コンベヤ全体の高さを低くし得ると共に、乗り移
り箇所に必要であった中継用遊転ローラーを省き、コス
トダウンを図ることが出来る。

特に請求項２に記載の構成によれば、無端状駆動チェン
（22）によって被搬送物支持部材（10）に作用する大荷
重を受けさせないで済むので、当該無端状駆動チェン
（22）の高さを十分に小さくして、そのリンクピン（22
c）の位置を被搬送物支持部材（10）の巾広外端部（1
8）へ十分に接近させ、以て、Ｕターン部を回動すると
きに被搬送物支持部材（10）の巾広外端部（18）間の隙
間が狭まるのをより一層抑制することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は側面図、第２図は平面図、第３図は要部の拡大
縦断面図、第４図〜第６図は要部の縦断側面図、第７図
Ａ〜Ｃは被搬送物支持部材の変形例を示す斜視図、第８
図は従来例を説明する概略側面図である。 1,10…被搬送物支持部材、2,22…無端状駆動チェン、3,
11…搬送経路部、4,12…戻り経路部、13…駆動軸、18…
被搬送物支持部材の巾広外端部、19…被搬送物支持部材
の壁部、20…チェン取付部材、21…チェン取付用ブラケ
ット、23…駆動歯輪、24…支持用ガイドレール、25…被
支持用レール、26…無端状ローラーチェン、27…チェン
ガイドプレート、29…被搬送物支持部材巾広外端部18間
の隙間。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】移動方向に対し直交する左右横方向に長い
   多数の被搬送物支持部材（10）と、当該被搬送物支持部
   材（10）を等間隔おきに連結する無端状駆動チェン（2
   2）とを有するスラットコンベヤであって、 各被搬送物支持部材（10）は、被搬送物支持面（10a）
   を形成する巾広外端部（18）から内側に向かって延出す
   る壁部（19）を有する縦断面形状であって、当該壁部
   （19）は、その巾が内端側程狭くなるように漸減するか
   又は壁部全体が前記巾広外端部（18）に対して小巾であ
   り、 無端状駆動チェン（22）は、その高さが被搬送物支持部
   材（10）の内端部（10b）と巾広外端部（18）との間の
   高さよりも小さくて、そのリンクプレート（22a）を連
   結するリンクピン（22c）の位置が被搬送物支持部材（1
   0）の内端部（10b）よりも巾広外端部（18）に接近した
   位置にあり、 各被搬送物支持部材（10）が回動する循環経路端部のＵ
   ターン部では、各被搬送物支持部材（10）の内端部（10
   b）間の間隔が狭くなる スラットコンベヤ。
2. 【請求項２】各被搬送物支持部材（10）を等間隔おきに
   連結する無端状駆動チェン（22）とは別に、搬送経路部
   （11）において各被搬送物支持部材（10）の両端部を滑
   動可能に支持する滑り支持手段（24〜26）を有する 請求項１に記載のスラットコンベヤ。