JP2500458Y2 - 携帯用電子機器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は、携帯用パソコン、携帯用ワープロなどの
携帯用電子機器に関し、特に形態のための把手と、脚部
とを兼用した構造に関する。

（従来の技術） 携帯用パソコン、携帯用ワープロなどの携帯用電子機
器では、持運び用の把手を必要とするほか使用に際して
はキーボード操作の便宜を図るため、折畳み式の脚部を
備えている。

第８図は、従来の携帯用電子機器の底面形状を示す。
図において、機器本体を構成するケース１の底面前部に
は折畳み式の把手２を、後部には脚部３を回動可能に取
付けるとともに、ケース１にはこれらを底面と同一面に
収納するためのそれぞれの形状に応じて凹溝4,5を形成
している。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、この種の構成にあっては、以下の欠点
があった。

運搬後使用するには把手の収納と脚部の引出し及びロ
ック操作が必要であり、また使用後に運搬するにはその
逆の操作を必要とし、操作がわずらわしい。

把手、脚部の折畳み開閉及びロックのための２つの機
構が必要であり、コストアップとなる。

把手及び脚部ともケースの底部に折畳むため、これを
収納する凹部の深さ分を見込んでケースの厚さ寸法を設
定しなければならず、内部機構の割にはケースが大型化
し、その分商品性が低下する。

この考案は、以上の問題点を解決するもので、収納、
引き出し、及び倒立の一連の操作を簡単にでき、しかも
機構も簡素化できる。また、収納位置はケースの後部及
び側面なので、ケースを内部機構に対して実質的容積増
加を図ることなく設計でき、ケースの大型化がない。更
に脚部の収納位置、及び倒立位置で確実にロックでき、
特に操作時において機器をことなく安定に保持できる携
帯用電子機器を提供することを目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 前記目的を達成するため、この考案は、本体ケース
（100）と、前記本体ケース（100）の上面に設けられる
キーボードおよび本体カバー（200）と、前記本体ケー
ス（100）の後部に設けられる凹部（800）と、この凹部
（800）に設けられる外部接続用のコネクタと、前記本
体ケース（100）の側面に沿って設けられるガイド溝（1
01）と、このガイド溝（101）に設けられるガイドピン
（501）と、前記ガイド溝（101）の一部分を覆うハンド
ルサポート（600）とを有する機器本体と、前記本体カ
バー（200）に取り付けられ、前記キーボードを覆う閉
成位置と、前記キーボードを露出する開成位置との間で
回動可能な上部ケース（300）と、把手片（401）と、こ
の把手片（401）の端部から延出する脚片（402）と、こ
の脚片（402）に設けられ、前記ガイドピン（501）に係
合されるガイド孔（403）とを有し、このガイド孔（40
3）および前記ガイドピン（501）とを介して、前記コネ
クタを覆い、かつ前記機器本体の後部とほぼ面一状態と
なるように収納される収納位置と、この収納位置から前
記本体ケース（100）の後方に引き出されて把手となる
引出位置と、この引出位置から回動されて倒立する倒立
位置との間で移動可能な把手兼用脚部（400）と、前記
ハンドルサポート（600）に設けられ、前記把手兼用脚
部（400）が前記収納位置にある時、前記ガイド孔（40
3）に弾発的に係合し、前記把手兼用脚部（400）を前記
収納位置へロックする第１のロック片（601）と、前記
本体カバー（200）に設けられ、前記把手兼用脚部（40
0）が前記倒立位置にある時、前記ガイド孔（403）に弾
発的に係合し、前記把手兼用脚部（400）を前記倒立位
置にロックする第２のロック片（102）と、を備えたこ
とを要旨とする。

（作用） 把手兼用脚部を機器本体に収納する場合は、機器本体
に設けられているガイドピンに対して把手兼用脚部のガ
イド孔をスライドさせ、把手兼用脚部を収納位置に収納
する。ガイド孔に第１のロック片が係合するため把手兼
用脚部は収納位置へロックされる。この場合、把手兼用
脚部は機器本体の後部とほぼ面一状態となる。一方、把
手兼用脚部を把手として使用する場合は、収納位置から
引出位置へ引き出す。さらに、把手兼用脚部を機器本体
の脚部として使用する場合は、ガイドピンを支軸として
前記引出位置から下方に回動させて、把手兼用脚部を倒
立位置へ移動する。把手兼用脚部のガイド孔には第２の
ロック片が係合し、把手兼用脚部を倒立位置へロックす
る。このように、把手兼用脚部の収納、引き出し、倒立
の一連の操作を簡単にできる。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面を用いて詳細に説明
する。

第１図、第４図、第５図及び第６図はこの考案に係る
携帯用電子機器における把手兼用脚部の収納位置から使
用状態に至までを順に示す斜視図である。

図において、100は前部上面に図示しないキーボード
を配列した機器本体を構成する本体ケース、200は本体
ケース100の後部開口面を覆う本体カバー、300は本体カ
バー200の前部中央に回動可能にヒンジ支持されたプラ
ズマディスプレイ部を構成する表示部となる上部ケース
である。

上部ケース300は折畳み状態で第１の如く本体カバー2
00と同一面に配置され、１個の平板状の箱と同様の外観
となる。また、第６図の想像線で示す如く上部ケース30
0を起こした状態では、本体ケース100の前部上面があ
き、前述のキーボードを露出するとともに、上部ケース
全面に設けた図示しないプラズマディスプレイ操作者の
眼前に対向位置する。

第１図、第４図乃至第６図に示すように、前記本体ケ
ース100の後部に形成される凹部800には把手兼用脚部40
0（以下脚部と略記する）が引出収納可能に配置され
る。

脚部400は本体ケース100の後面に同一表面となるよう
に収納配置された合成樹脂射出成形体からなる把手片40
1と、把手片401の両側にインサート等により一体化され
た金属製の脚片402とからなっている。

脚片402は本体ケース100の後部両側面に沿って形成さ
れたハンドルガイド溝101に沿ってスライドする。この
ハンドルガイド溝101の外側部には金属製のハンドルサ
ポート600が配置され、脚片402は前記ガイド溝101とハ
ンドルサポート600間に挿通される。

ハンドルサポート600は第２図、第３図、第７図に夫
々断面して示すように、コ字形をなし、ガイド溝101と
の間に脚片402を包囲する。そして、このハンドルサポ
ート600は先端側に形成したＬ字形屈曲部603をガイド溝
101の先端に開口した係止穴102に係合するとともに、後
端を止めネジ700によって本体ケース100の側面に固定し
ている。

止めネジ700は本体ケース100の後部側面に突出したボ
ス部501にネジ込み固定されている。ボス部501は前記脚
片402に開口形成された長孔状のガイド孔403に係合し、
これを前後スライド及び回動可能に保持するためのガイ
ドピンとしての機能を兼用している。

また、前記ハンドルサポート600の内側面には後部か
ら前部側にかけて深絞りとなる第１のロック片601が形
成され、脚片402が最前進位置に位置した状態、すなわ
ち、第１図の如く脚部400の収納状態（収納位置）にお
いて、第３図の如く第１のロック片601の中央付近に形
成される折曲部がガイド孔403の先端位置に弾撥的に入
り込み、これによって脚部400を収納状態にロックす
る。

更にハンドルサポート600の後端部には脚片402の回動
位置を規制する切欠き604が形成されている。本体ケー
ス100の後部側面において前後方向に形成されている前
記ガイド溝101は、切欠き604の位置から本体ケース100
の後部側面の上方向に延びるように連続して形成されて
いる。すなわち、第１図に示すような脚部400の収容を
ガイドする前後方向のガイド溝101は、ハンドルサポー
ト600の切欠き604と対応する位置において本体ケースの
上方に延び、第６図に示すような脚部400の脚片402を収
容するガイド溝101が連続して形成されている。このガ
イド溝101は前記本体カバー200の側縁下部に垂設された
テーパー状の第２のロック片102を囲っている。

そして、第４図に示すように、脚部400を最大限引出
した状態では、ボス部501を中心に脚片は下方側に矢印
Ａの如く回動する。この回動位置はハンドルサポート60
0の切欠き604に脚片402が当接することによって位置決
めされる。

この状態で第５図の如く、脚部400を上方に押し込め
ば、第７図の如く、脚片402のガイド孔403の先端に第２
のロック片102が弾撥的に入り込み、これによって脚部4
00を倒立状態（倒立位置）にロックする。

次に以上の如く構成された脚部400の引出手順を説明
する。

第１図の収納位置では把手片401は本体ケース100の後
部の横方向に沿って設けられている凹部800に収容され
ている。この状態の時、把手片401は本体ケース100の後
面とほぼ同一面状になるように覆っている。本体ケース
の後面、すなわち、凹部800には外部接続用のコネクタ
などが設けられているが、把手片401が凹部800に収容さ
れることによって保護されることになる。

この状態から把手片401を矢印Ｘ方向に引けば、ロッ
ク片601はガイド孔403から強制的にかけ外され、第４図
の如く最大引出位置まで引き出される。

この状態で把手片400を握持し、機器の持運びができ
る。

次に、この機器を机上などに置くに際し、キーボード
を手前側に傾けようとする場合には、把手片400を第５
図の如く本体ケース100の底面側に傾け、矢印Ｙに示す
上部側に押し込めば、ロック片102が脚片402のガイド孔
403の先端に弾撥的に入り込み、倒立状態にロックす
る。

この状態では第６図に示すように本体ケース100は机
上の水平線ｌに対し、角度θ分前方に傾いた状態に設置
される。

なお、倒立状態から収納までの手順は前記とは逆の操
作手順となる。また、ロック状態では第１および第２の
ロック片601,102のガイド孔403に対する係合時に発生す
るクリック音により容易に確認できる。

［考案の効果］ 以上実施例により詳細に説明したように、把手兼用脚
部をケースの後部に形成される凹部に、収納位置、引出
位置および倒立位置との間で移動自在に取り付けられて
いるため、把手兼用脚部の操作を簡単にでき、しかも、
機構も簡素化できる。また、収納位置はケースの後部お
よび側面なので、ケースを内部機構に対して実質的容積
増加をはかることなく設計でき、ケースの大型化がな
い。また、第１および、第２のロック片により、脚部を
収納位置、および、倒立位置へ確実にロックでき、特に
操作時において、機器をぐらつくことなく安定に保持で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る携帯用電子機器の脚部収容状態
を示す斜視図、第２図、第３図は第１図のII−II線によ
びIII−III線断面図、第４図は脚部引出状態を示す要部
斜視図、第５図は脚部倒立状態を示す要部斜視図、第６
図は脚部倒立完成状態を示す斜視図、第７図は第６図の
VI−VI線断面図、第８図は従来の携帯用電子機器の底面
形状を示す斜視図である。 100……本体ケース 601,102……第１及び第２のロック片 400……把手兼用脚部 401……把手片 402……脚片 403……ガイド孔 501……ボス部（ガイドピン）

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本体ケース（100）と、前記本体ケース（1
   00）の上面に設けられるキーボードおよび本体カバー
   （200）と、前記本体ケース（100）の後部に設けられる
   凹部（800）と、この凹部（800）に設けられる外部接続
   用のコネクタと、前記本体ケース（100）の側面に沿っ
   て設けられるガイド溝（101）と、このガイド溝（101）
   に設けられるガイドピン（501）と、前記ガイド溝（10
   1）の一部分を覆うハンドルサポート（600）とを有する
   機器本体と、 前記本体カバー（200）に取り付けられ、前記キーボー
   ドを覆う閉成位置と、前記キーボードを露出する開成位
   置との間で回動可能な上部ケース（300）と、 把手片（401）と、この把手片（401）の端部から延出す
   る脚片（402）と、この脚片（402）に設けられ、前記ガ
   イドピン（501）に係合されるガイド孔（403）とを有
   し、このガイド孔（403）および前記ガイドピン（501）
   とを介して、前記コネクタを覆い、かつ前記機器本体の
   後部とほぼ面一状態となるように収納される収納位置
   と、この収納位置から前記本体ケース（100）の後方に
   引き出されて把手となる引出位置と、この引出位置から
   回動されて倒立する倒立位置との間で移動可能な把手兼
   用脚部（400）と、 前記ハンドルサポート（600）に設けられ、前記把手兼
   用脚部（400）が前記収納位置にある時、前記ガイド孔
   （403）に弾発的に係合し、前記把手兼用脚部（400）を
   前記収納位置へロックする第１のロック片（601）と、 前記本体カバー（200）に設けられ、前記把手兼用脚部
   （400）が前記倒立位置にある時、前記ガイド孔（403）
   に弾発的に係合し、前記把手兼用脚部（400）を前記倒
   立位置にロックする第２のロック片（102）と、 を有することを特徴とする携帯用電子機器。