JP2024518867A - アカシア蜂蜜の成熟度の識別方法 - Google Patents

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Abstract

アカシア蜂蜜の成熟度の識別方法は、ツラノースを特徴的なマーカーとしてアカシア蜂蜜サンプルを検出し、アカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.5%以上であれば、アカシア蜂蜜サンプルが成熟したアカシア蜂蜜であると判断し、アカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.3%以上かつ0.5%未満であれば、アカシア蜂蜜サンプルが半熟なアカシア蜂蜜であると判断し、アカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.3%未満であれば、アカシア蜂蜜サンプルが未熟なアカシア蜂蜜であると判断する。識別方法は、アカシア蜂蜜の品質評価と等級付けに使用できる。【選択図】図1

Description

本出願は、2021年11月23日に中国特許庁に出願された、出願番号がCN202111390505.X、発明の名称が「アカシア蜂蜜の成熟度の識別方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容全体は参照により本出願に組み込まれる。
本発明は、食品検出の技術分野に関し、具体的には、アカシア蜂蜜の成熟度の識別方法に関する。
アカシア蜂蜜は、蜜蜂がニセアカシアの花の蜜を収集して醸造した蜂蜜である。アカシア蜂蜜は、色が明るく、口当たりが柔らかく、甘くて脂っこくなく、独特なニセアカシアの花のすがすがしい香りを有し、良質でハイエンドの蜂蜜の品種に属し、その市場価値は他の蜂蜜に比べて非常に高い。アカシア蜂蜜の成熟過程は、蜜蜂が花の蜜を収集した時点から始まり、採集蜂はニセアカシアの花の蜜を蜜嚢に摂取して蜂の巣に持ち帰り、蜂の巣の内でアカシア蜂蜜の醸造を開始する。採集蜂は、採集過程で、インベルターゼ及びアミラーゼを分泌して花の蜜に混入し、帰巣した後、蜜汁を吐き出して内勤蜂に分配する。内勤蜂は、蜜汁を蜜嚢に吸入し、自身のくちばしを利用して繰り返して収縮させ、内勤蜂は、この繰り返し過程で、様々な酵素類を絶えず加え、成分の変換を実現する。内勤蜂は出し入れ、変換時に羽を絶えず振動させ、水の蒸発を加速させ、蜜脾中の蜂蜜の水分含有量が20%程度に低下すると、蜂蜜が蜜蝋で封蓋すると、アカシア蜂蜜は基本的に成熟になる。アカシア蜂蜜の成熟過程は通常、少なくとも7日間を必要とし、蜜脾の封蓋は75%以上に達する。したがって、蜂の巣の内で少なくとも7日間醸造され、蜜脾が75%以上封蓋されるアカシア蜂蜜は通常、成熟したアカシア蜂蜜とみなされる。
しかし、ニセアカシアの花期が短く、生産量を最大化するために、一般的に1~3日を超えるニセアカシアの花の蜜を人工的に収集し、人工濃縮により水分含有量を21%以下に低下させて、未熟なアカシア蜂蜜を得る。この種の未熟なアカシア蜂蜜の理化学指標はいずれも国家標準アカシア蜂蜜の理化学指標の要件を満たしているため、それを自然に成熟したアカシア蜂蜜と効果的に区別できず、アカシア蜂蜜が成熟しているか否か及び成熟度を区別することも困難である。現在、市場における異なる成熟度のアカシア蜂蜜の価値も異なり、一部の企業は高価値を追求するために、未熟又は完全に成熟していないアカシア蜂蜜を成熟したアカシア蜂蜜として販売し、蜂蜜市場の秩序を大幅に乱す。したがって、異なる品質のアカシア蜂蜜を区別し、アカシア蜂蜜の品質と価値を保証するために、アカシア蜂蜜の成熟度を判別するための安定した確実な指標を早急に開発する必要がある。
本発明の目的は、ツラノースを特徴的なマーカーとして使用して、アカシア蜂蜜の成熟度を識別する方法を提供することである。
蜂蜜の物質組成は成熟過程で変化するが、蜂蜜中の高含有量の化学成分はいずれも成熟過程で特徴的な含有量変化が発生するわけではなく、多くの成分の含有量変化は規則的ではなく、成熟した蜂蜜の特徴的なマーカーとすることは困難である。蜂蜜の偽物混入及び蜂蜜の成熟度は、蜂蜜の2つの異なる評価方法であり、偽物混入に比べて、成熟度の評価は製品の等級付けを良好に実現でき、すなわち、偽物混入がない場合、成熟度の違いに応じて製品を異なる等級に分け、製品の異なる価値を実現する。成熟度の識別及び評価は、蜂蜜の高品質・高価格を実現するための重要な支持的役割となっている。本発明は、アカシア蜂蜜の成熟過程に関する研究において、アカシア蜂蜜の成熟過程におけるツラノースの含有量の変化が蜂の巣の内の醸造時間及び封蓋と明らかな関連性を有し、特徴的なマーカーとして成熟したアカシア蜂蜜と未熟なアカシア蜂蜜を識別するために使用できることを発見した。さらに、異なる年、供給源及び成熟度の大サンプル量のアカシア蜂蜜を検出することにより、異なる成熟度のアカシア蜂蜜におけるツラノースの含有量の変化の特徴が非常に安定していることを発見し、また、ツラノースの価格が高く、アカシア蜂蜜に人為的に加えることが困難であり、アカシア蜂蜜の成熟度の特徴的なマーカーとして、成熟した及び未熟なアカシア蜂蜜を識別するのに適している。
上記発見に基づいて、本発明は以下の技術的解決手段を提供する。
第1の態様では、本発明は、成熟したアカシア蜂蜜の特徴的なマーカーとしてのツラノースの使用を提供する。
第2の態様では、本発明は、アカシア蜂蜜の成熟度の識別におけるツラノースの使用を提供する。
第3の態様では、本発明は、成熟したアカシア蜂蜜及び未熟なアカシア蜂蜜の識別におけるツラノースの使用を提供する。
第4の態様では、本発明は、アカシア蜂蜜の成熟度の識別方法を提供し、該方法は、ツラノースを特徴的なマーカーとしてアカシア蜂蜜サンプルを検出し、識別対象のアカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.5%以上であれば、識別対象のアカシア蜂蜜サンプルが成熟したアカシア蜂蜜であると判断し、識別対象のアカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.3%以上かつ0.5%未満であれば、識別対象のアカシア蜂蜜サンプルが半熟なアカシア蜂蜜であると判断し、識別対象のアカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.3%未満であれば、識別対象のアカシア蜂蜜サンプルが未熟なアカシア蜂蜜であると判断する。
ここで、前記成熟したアカシア蜂蜜は、蜂の巣の内で少なくとも7日間醸造され、かつ蜜脾の封蓋率が75%以上であり、
前記半未熟なアカシア蜂蜜は、蜂の巣の内で3日間超かつ5日間以下醸造され、かつ蜜脾の封蓋率が30~70%であり、
前記未熟な蜂蜜は、蜂の巣の内で0~3日間醸造され、かつ蜜脾の封蓋率が10%以下である。
好ましくは、上記識別方法は、高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器を用いて、前記アカシア蜂蜜サンプルを検出する。
具体的には、ツラノースの含有量とピーク面積との線形関係により検量線を作成し、該検量線及びアカシア蜂蜜サンプルから検出されたツラノースのピーク面積に従ってその含有量を計算する。
本発明において、ツラノースの含有量は、アカシア蜂蜜サンプルに対する質量百分率の含有量である。
前記識別方法は、高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器を用いて、識別対象のアカシア蜂蜜サンプルを検出し、得られたスペクトルにはツラノースに対応する特徴的なピークが含まれ、その含有量が0.5%以上であれば、該アカシア蜂蜜サンプルが成熟したアカシア蜂蜜であると判断する。
好ましくは、前記高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器による検出の液体クロマトグラフィー条件は、Hi-PlexPb、USP L19クロマトグラフィーカラムを用い、カラム温度が68~72℃(好ましくは70℃)である。
上記Hi-Plex Pb、USP L19クロマトグラフィーカラムは、具体的には、Agilent Hi-Plex Pb、USP L19、4.0×250mmである。
前記液体クロマトグラフィーは、水を移動相とし、溶出方法はアイソクラティック溶出である。
上記液体クロマトグラフィー条件を用いる場合、前記移動相の流速は、好ましくは0.5~0.7mL/min、より好ましくは0.6mL/minであり、注入量は、好ましくは45~55μL、より好ましくは50μLである。
好ましくは、前記高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器による検出の蒸発光散乱検出器の条件は、霧化温度が90℃、蒸発温度が60℃、キャリアガス流速が1.2SLMである。
高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器によって検出を行う前に、アカシア蜂蜜サンプルを前処理するステップをさらに含み、前記前処理は、前記アカシア蜂蜜サンプルを水に溶解した後、濾過処理することを含む。
具体的には、前記アカシア蜂蜜サンプルを超純水に溶解し、均一に混合し、得られた溶液を濾過膜で濾過した後に高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器により直接検出する。
本発明の一実施形態として、上記アカシア蜂蜜サンプル溶液を調製するために加える水の体積は、アカシア蜂蜜サンプルの質量の3~5倍である。実施例では、前記蜂蜜サンプルの前処理方法は、アカシア蜂蜜サンプル1gを超純水3mLに加え、ボルテックスし、5mLに定容し、0.22μmナイロン濾過膜で濾過し、注入することである。
本発明の有益な効果は以下のとおりである。本発明は、アカシア蜂蜜の成熟過程におけるツラノースの含有量の変化が明らかな特徴を有することを初めて発見し、ツラノースの含有量0.5%以上を成熟したアカシア蜂蜜の判断基準として使用できると決定し、成熟したアカシア蜂蜜と未熟なアカシア蜂蜜を識別し、その成熟度を決定するために用いられる。
本発明は、ツラノースを特徴的なマーカーとしてアカシア蜂蜜の成熟度を識別する方法を開発し、該方法は、高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器を用いて、アカシア蜂蜜サンプル中のツラノースを検出し、高い特異性及び感度を有し、ツラノースに対する検出限界が0.1%に達する。本発明は、高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器による検出の重要な条件パラメータをさらに最適化することにより、アカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの検出精度をさらに向上させる。
本発明のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法は、操作が簡単で、効率が高く、コストが低いなどの特徴を有し、検出結果が確実で安定しており、判断度が高く、普及と応用が容易で、成熟したアカシア蜂蜜の識別に効果的な方法を提供し、良質なアカシア蜂蜜の関連業界又は国家標準の制定に一定の指導的な意義を有し、同時に蜂蜜消費者の正当な権益を保護し、蜂蜜消費業界の健全な発展を維持することに重要な意義を有する。
本発明の実施例1における異なる成熟度のアカシア蜂蜜のクロマトグラムである。
以下の実施例は、本発明を説明するものであるが、本発明の範囲を限定するものではない。
以下の実施例で使用される実験方法は、特に説明しない限り、いずれも一般的な方法である。使用する材料、試薬等は、特に説明しない限り、商業的に入手可能である。ここで、使用する一部の機器及び試薬は、以下のとおりである。高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器、米国Agilent Technologies公司;電子分析天秤(PL203)、ドイツMETTLERTOLEDO公司;超純水機(Milli-Q Gradient)、米国Millipore公司;ボルテックスミキサー(G560E)、米国Scientific Industries公司。
実施例1 異なる成熟度のアカシア蜂蜜中のツラノースの含有量の検出
1、サンプルの供給源:2019年、2020年、2021年に、それぞれ陝西省延安市及び河南省三門峡市(アカシア蜂蜜の主産地)の複数の異なる養蜂場で蜜蜂が1日間(1d)、3日間(3d)、5日間(5d)、7日間(7d)、9日間(9d)、11日間(11d)、13日間(13d)醸造したアカシア蜂蜜サンプルを収集した。異なる醸造日数のサンプルについて、各養蜂場から3つを取り、醸造時間及び蜜脾の封蓋率を記録した。ここで、収集されたすべての1d~5dのサンプルは、人工濃縮によりその水分含有量を18~21%の範囲内に制御し、収集された7d~13dのサンプルは、水分含有量を測定する必要があり、その水分含有量は21%以下であるべき、蜜脾の封蓋が75%以上を満たす必要がある。
具体的なアカシア蜂蜜サンプルの情報を表1及び表2に示す。すべてのアカシア蜂蜜サンプルに対して通常の品質指標測定及び花粉の識別が行われ、その結果は、すべてのサンプルがいずれも対応するアカシア蜂蜜の属性特徴に一致していることを示した。
収集されたすべてのアカシア蜂蜜サンプルのツラノースの含有量を検出した。
2、サンプルの前処理:アカシア蜂蜜サンプル1gを超純水3mLに加え、ボルテックスし、5mLメスフラスコに水で定容し、0.22μmナイロン濾過膜で濾過し、注入した。
3、機器条件の設定:
(1)液体クロマトグラフィー条件
クロマトグラフィーカラム:Agilent Hi-Plex Pb、USP L19、4.0×250mm;
カラム温度:70℃;
注入量:50μL;
移動相:超純水;
溶出条件:アイソクラティック溶出;
流速:0.6mL/min。
(2)蒸発光散乱検出器の条件:
噴霧温度:90℃;
蒸発温度:60℃;
キャリアガス流速:1.2SLM;
収集時間帯:0~9minで収集せず(蜂蜜における高含有量のフルクトース及びグルコースの干渉を回避できる)、9~15minでデータを収集した。
4、検量線の作成:濃度が0.02%、0.1%、0.2%、0.5%、1.0%、2.0%、5.0%のツラノース標準品を調製し、濃度値の対数(10を底とする対数である)と応答値の対数を求めて検量線を作成した。
5、アカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量の検出:ツラノースの含有量とピーク面積との線形関係により検量線を作成し、該検量線及びアカシア蜂蜜サンプルから検出されたツラノースのピーク面積に従ってその含有量を計算した。
統計によると、異なる成熟度のアカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量を表1及び表2に示し、以上の検出結果から、アカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.5%以上であれば、成熟したアカシア蜂蜜であると判断でき、実際にサンプリングしたときの結果と一致し、成熟したアカシア蜂蜜の条件に合い、すなわち、アカシア蜂蜜が蜂の巣の中で少なくとも7d醸造され、かつ封蓋率が75%以上であった。アカシア蜂蜜試料中のツラノースの含有量が0.5%未満かつ0.3%以上であれば、半熟なアカシア蜂蜜であると判断でき、蜂の巣の中で3日間超かつ5日間以下醸造されたサンプルであり、その封蓋率が30%~70%であった。アカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.3%未満であれば、未熟なアカシア蜂蜜と判断できた(1~3dのサンプル、基本的に封蓋なし)。
異なる成熟度のアカシア蜂蜜の検出スペクトルを図1に示す。
Figure 2024518867000002
Figure 2024518867000003
実施例2 市販されているアカシア蜂蜜の識別における特徴的なマーカーとしてのツラノースの使用
1、サンプルの供給源
アカシア蜂蜜とラベル付けされた様々なグレード又はブランドの蜂蜜サンプルを合計18個市場から購入し、すべてのサンプルの花粉検査を行った結果、アカシア蜂蜜であることが実証された。
2、サンプルの前処理:アカシア蜂蜜サンプル1gを超純水3mLに加え、ボルテックスし、5.0mLに水で定容し、0.22μmナイロン濾過膜で濾過し、注入した。
3、機器条件の設定:
(1)液体クロマトグラフィー条件
クロマトグラフィーカラム:Agilent Hi-Plex Pb、USP L19、4.0×250mm;
カラム温度:70℃;
注入量:50μL;
移動相:超純水;
溶出条件:アイソクラティック溶出;
流速:0.6mL/min。
(2)蒸発光散乱検出器の条件:
噴霧温度:90℃;
蒸発温度:60℃;
キャリアガス流速:1.2SLM。
4、検量線の作成:濃度が0.02%、0.1%、0.2%、0.5%、1.0%、2.0%、5.0%のツラノース標準品を調製し、濃度値の対数(10を底とする対数である)と応答値の対数を求めて検量線を作成した。
5、アカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量の検出:ツラノースの含有量とピーク面積との線形関係により検量線を作成し、該検量線及びアカシア蜂蜜サンプルから検出されたツラノースのピーク面積に従ってその含有量を計算した。
結果を表3に示す。
Figure 2024518867000004
試験結果から、7個のサンプルのツラノースの含有量が0.5%超であれば、成熟したアカシア蜂蜜であると判断し、サンプルのトレーサビリティ情報によれば、サンプルが成熟したアカシア蜂蜜を生産する認証企業からのものであることが確認でき、本発明が提供する成熟度の識別方法の判別精度が高いことが示された。ここで、4つのサンプル中のツラノースの含有量が0.3%~0.5%であれば、半熟なアカシア蜂蜜であると判断し、7個のサンプルのツラノースの含有量が0.3%未満であれば、未熟なアカシア蜂蜜であると判断した。以上の結果から、本発明の識別方法は、アカシア蜂蜜の成熟度を効果的に識別でき、市販のアカシア蜂蜜の成熟度の等級分けに使用でき、アカシア蜂蜜が成熟度に応じて価格が異なることを実現できることが証明された。
以上、一般的な説明及び具体的な実施形態を用いて、本発明を詳細に記載したが、本発明に基づいて多くの修正又は改善を行い得ることは、当業者に明らかである。したがって、本発明の精神から逸脱せずに行われたこれらの修正又は改善は、いずれも本発明の特許請求の範囲に属する。
以上、一般的な説明及び具体的な実施形態を用いて、本発明を詳細に記載したが、本発明に基づいて多くの修正又は改善を行い得ることは、当業者に明らかである。したがって、本発明の精神から逸脱せずに行われたこれらの修正又は改善は、いずれも本発明の特許請求の範囲に属する。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
成熟したアカシア蜂蜜の特徴的なマーカーとしてのツラノースの使用。
[2]
アカシア蜂蜜の成熟度の識別におけるツラノースの使用。
[3]
成熟したアカシア蜂蜜と未熟なアカシア蜂蜜の識別におけるツラノースの使用。
[4]
アカシア蜂蜜の成熟度の識別方法であって、ツラノースを特徴的なマーカーとしてアカシア蜂蜜サンプルを検出し、識別対象のアカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.5%以上であれば、識別対象のアカシア蜂蜜サンプルが成熟したアカシア蜂蜜であると判断し、識別対象のアカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.3%以上かつ0.5%未満であれば、識別対象のアカシア蜂蜜サンプルが半未熟なアカシア蜂蜜であると判断し、識別対象のアカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.3%未満であれば、識別対象のアカシア蜂蜜サンプルが未熟なアカシア蜂蜜であると判断し、
前記成熟したアカシア蜂蜜は、蜂の巣の内で少なくとも7日間醸造され、かつ蜜脾の封蓋が75%以上であり、
前記半未熟なアカシア蜂蜜は、蜂の巣の内で3日間超かつ5日間以下醸造され、かつ蜜脾の封蓋は30~70%であり、
前記未熟な蜂蜜は、蜂の巣の内で0~3日間醸造され、かつ蜜脾の封蓋は10%以下であることを特徴とするアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
[5]
前記アカシア蜂蜜サンプルを検出することは、高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器を用いて、前記アカシア蜂蜜サンプルを検出することであることを特徴とする[4]のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
[6]
前記アカシア蜂蜜サンプルを検出することは、高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器を用いて、前記アカシア蜂蜜サンプルを検出することであり、ツラノースの含有量とピーク面積との線形関係により検量線を作成し、該検量線及びアカシア蜂蜜サンプルから検出されたツラノースのピーク面積に従ってその含有量を計算し、前記ツラノースの含有量は、アカシア蜂蜜サンプルに対する質量百分率の含有量であることを特徴とする[5]のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
[7]
前記高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器による検出の液体クロマトグラフィー条件は、Hi-Plex Pb、USP L19クロマトグラフィーカラムを用い、カラム温度が68~72℃であることを特徴とする[5]又は[6]のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
[8]
前記Hi-Plex Pb、USP L19クロマトグラフィーカラムのサイズが4.0×250mmであることを特徴とする[7]のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
[9]
水を移動相とし、溶出方法がアイソクラティック溶出であることを特徴とする[7]のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
[10]
前記移動相の流速が0.5~0.7mL/min、注入量が45~55μLであることを特徴とする[9]のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
[11]
前記高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器による検出の蒸発光散乱検出器の条件は、霧化温度が90℃、蒸発温度が60℃、キャリアガス流速が1.2SLMであることを特徴とする[5]~[10]のいずれかのアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
[12]
高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器によって検出を行う前に、アカシア蜂蜜サンプルを前処理するステップをさらに含み、前記前処理は、前記アカシア蜂蜜サンプルを水に溶解した後、濾過処理することを含むことを特徴とする[5]~[10]のいずれかのアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
[13]
アカシア蜂蜜サンプル溶液に加える水の体積が前記アカシア蜂蜜サンプルの質量の3~5倍であることを特徴とする[12]のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。

Claims (13)

  1. 成熟したアカシア蜂蜜の特徴的なマーカーとしてのツラノースの使用。
  2. アカシア蜂蜜の成熟度の識別におけるツラノースの使用。
  3. 成熟したアカシア蜂蜜と未熟なアカシア蜂蜜の識別におけるツラノースの使用。
  4. アカシア蜂蜜の成熟度の識別方法であって、ツラノースを特徴的なマーカーとしてアカシア蜂蜜サンプルを検出し、識別対象のアカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.5%以上であれば、識別対象のアカシア蜂蜜サンプルが成熟したアカシア蜂蜜であると判断し、識別対象のアカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.3%以上かつ0.5%未満であれば、識別対象のアカシア蜂蜜サンプルが半未熟なアカシア蜂蜜であると判断し、識別対象のアカシア蜂蜜サンプル中のツラノースの含有量が0.3%未満であれば、識別対象のアカシア蜂蜜サンプルが未熟なアカシア蜂蜜であると判断し、
    前記成熟したアカシア蜂蜜は、蜂の巣の内で少なくとも7日間醸造され、かつ蜜脾の封蓋が75%以上であり、
    前記半未熟なアカシア蜂蜜は、蜂の巣の内で3日間超かつ5日間以下醸造され、かつ蜜脾の封蓋は30~70%であり、
    前記未熟な蜂蜜は、蜂の巣の内で0~3日間醸造され、かつ蜜脾の封蓋は10%以下であることを特徴とするアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
  5. 前記アカシア蜂蜜サンプルを検出することは、高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器を用いて、前記アカシア蜂蜜サンプルを検出することであることを特徴とする請求項4に記載のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
  6. 前記アカシア蜂蜜サンプルを検出することは、高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器を用いて、前記アカシア蜂蜜サンプルを検出することであり、ツラノースの含有量とピーク面積との線形関係により検量線を作成し、該検量線及びアカシア蜂蜜サンプルから検出されたツラノースのピーク面積に従ってその含有量を計算し、前記ツラノースの含有量は、アカシア蜂蜜サンプルに対する質量百分率の含有量であることを特徴とする請求項5に記載のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
  7. 前記高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器による検出の液体クロマトグラフィー条件は、Hi-Plex Pb、USP L19クロマトグラフィーカラムを用い、カラム温度が68~72℃であることを特徴とする請求項5又は6に記載のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
  8. 前記Hi-Plex Pb、USP L19クロマトグラフィーカラムのサイズが4.0×250mmであることを特徴とする請求項7に記載のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
  9. 水を移動相とし、溶出方法がアイソクラティック溶出であることを特徴とする請求項7に記載のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
  10. 前記移動相の流速が0.5~0.7mL/min、注入量が45~55μLであることを特徴とする請求項9に記載のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
  11. 前記高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器による検出の蒸発光散乱検出器の条件は、霧化温度が90℃、蒸発温度が60℃、キャリアガス流速が1.2SLMであることを特徴とする請求項5~10のいずれか一項に記載のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
  12. 高速液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器によって検出を行う前に、アカシア蜂蜜サンプルを前処理するステップをさらに含み、前記前処理は、前記アカシア蜂蜜サンプルを水に溶解した後、濾過処理することを含むことを特徴とする請求項5~10のいずれか一項に記載のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
  13. アカシア蜂蜜サンプル溶液に加える水の体積が前記アカシア蜂蜜サンプルの質量の3~5倍であることを特徴とする請求項12に記載のアカシア蜂蜜の成熟度の識別方法。
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