JP2024500073A - ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを調製するための方法 - Google Patents

ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを調製するための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024500073A
JP2024500073A JP2023534733A JP2023534733A JP2024500073A JP 2024500073 A JP2024500073 A JP 2024500073A JP 2023534733 A JP2023534733 A JP 2023534733A JP 2023534733 A JP2023534733 A JP 2023534733A JP 2024500073 A JP2024500073 A JP 2024500073A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
sio
sih
rhsio
units
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023534733A
Other languages
English (en)
Inventor
デピエロ、マイケル
チェン、シャオユン
ハウジンガー、マイケル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dow Silicones Corp
Original Assignee
Dow Corning Corp
Dow Silicones Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dow Corning Corp, Dow Silicones Corp filed Critical Dow Corning Corp
Publication of JP2024500073A publication Critical patent/JP2024500073A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/12Polysiloxanes containing silicon bound to hydrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/06Preparatory processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/06Preparatory processes
    • C08G77/10Equilibration processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L83/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L83/04Polysiloxanes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを調製するための方法が提供される。本方法には、振動分光技術の使用が含まれる。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2020年12月14日出願の米国特許仮出願第63/125,015号の利益を主張するものである。米国仮特許出願第63/125,015号は、参照により本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを調製するための方法が開示される。より詳細には、本方法は、式HRSiO2/2[式中、各Rは、一価ヒドロカルビル基又はハロゲン化ヒドロカルビル基である](D単位)の単位の所望の連鎖分布を有するコポリマーを生成するものである。
序論
米国特許第8,686,175号では、シロキサンを生成する方法を開示している。この方法は、イオン交換樹脂触媒の乾燥重量に基づいて6~19重量%の水を含むイオン交換樹脂触媒の存在下、周囲温度~110℃の温度で、少なくとも2つのシロキサンを反応させることを含む。また、イオン交換樹脂触媒の存在下で少なくとも2つのシロキサンを反応させた後にイオン交換樹脂触媒を再使用する方法であって、水をイオン交換樹脂触媒に添加して、含水量を触媒の乾燥重量に基づいて6~19重量%の水に再調整し、次いで再調整された含水量のイオン交換樹脂触媒の存在下で少なくとも2つのシロキサンを反応させることを含む、方法も開示される。
NMRは、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの特定に使用されてきたが、商業規模でポリオルガノハイドロジェンシロキサンを生成するための反応混合物のリアルタイム分析は、NMR技術を用いることが難しく、高価で、実用的ではないという欠点がある。したがって、従来のプロセスは、処理時間を最小限に抑えるために、所望のポリオルガノハイドロジェンシロキサン生成物構造に到達した時点で、又はその直後に反応を停止することが望ましい場合があるので、生産性が低いという欠点がある場合がある。しかし、所望の生成物構造に到達するまでの時間は、反応物として選択される特定のシロキサン及び選択される温度などのプロセス条件の変動など、様々な理由でバッチごとに異なる場合がある。その結果、所望の生成物を得るのに必要な時間はバッチごとに異なる。
ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを調製するための方法が本明細書において提供される。本方法は、
1)
A)式(RSiO2/2)のシロキサン単位の供給源、
B)式(RHSiO2/2)のシロキサン単位の供給源、
[式中、各Rは、一価ヒドロカルビル基及び一価ハロゲン化ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択される]、及び
C)酸触媒、
を含む出発物質を組み合わせることによって、混合物を形成することと、
2)混合物を20℃~110℃の温度で撹拌することにより、平衡化反応を介してポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを含む反応混合物を形成することと、
3)赤外線分光法及びラマン分光法からなる群から選択される振動分光技術を使用して、反応混合物中のデカップリング(RHSiO2/2)単位の濃度及びカップリング(RHSiO2/2)単位の濃度の一方又は両方に対応する吸光帯を含むスペクトル領域をモニタリングすることと、
4)吸光帯に関連する目標値に到達したとき、平衡化反応を停止することと、を含む。
以下の実施例1で測定されたデカップリング及びカップリング(RHSiO2/2)吸光帯(SiHピーク)の位置を示すIRスペクトルを示す。縦の破線はベースライン点を示す。縦の実線はピーク中心を示す。 実施例1においてIRによって測定された、反応時間に対するデカップリングSiHピーク面積を示す。 実施例1においてIRによって測定された、反応時間に対するデカップリングSiHピーク高さを示す。 実施例1においてIRによって測定された、反応時間に対するカップリングSiHピーク面積を示す。 実施例1においてIRによって測定された、反応時間に対するカップリングSiHピーク高さを示す。 実施例1において測定された、デカップリング及びカップリングSiHピークの位置を示すラマンスペクトルを示す。縦の破線はベースライン点を示す。縦の実線はピーク中心を示す。 実施例1においてラマン分光法によって測定された、反応時間に対するデカップリングSiHピーク面積を示す。 実施例1においてラマン分光法によって測定された、反応時間に対するデカップリングSiHピーク高さを示す。 実施例1においてラマン分光法によって測定された、反応時間に対するカップリングSiHピーク面積を示す。 実施例1においてラマン分光法によって測定された、反応時間に対するカップリングSiHピーク高さを示す。 実施例2においてIRによって測定された、反応時間の関数としてのデカップリングSiHピーク面積を示す。 実施例3においてIRによって測定された、反応時間の関数としてのデカップリングSiHピーク面積を示す。 実施例4においてIRによって測定された、反応時間の関数としてのデカップリングSiHピーク面積を示す。 実施例5においてIRによって測定された、反応時間の関数としてのデカップリングSiHピーク面積を示す。
「発明の概要」において上述した方法の工程1)は、A)式(RSiO2/2)のシロキサン単位の供給源、B)式(RHSiO2/2)のシロキサン単位の供給源[式中、各Rは、一価ヒドロカルビル基及び一価ハロゲン化ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択される]、及びC)酸触媒を含む出発物質を組み合わせることによって、混合物を形成することを含む。
出発物質A)及びB)は、1つ以上のポリオルガノシロキサンであり得る。当該ポリオルガノシロキサンは、単位式:(RSiO1/2(RHSiO1/2(RSiO2/2(RHSiO2/2(RSiO3/2(HSiO3/2(SiO4/2[式中、下付き文字t、u、v、w、x、y、及びzは、各単位の量を表し、t≧0、u≧0、v≧1、w≧1、x≧0、y≧0、z≧0であり、但し、量(v+w)≧3であり、量(x+y+z)は、0から、最大20モル%の分子中のシロキサン単位を提供するのに十分な値までであり、量(t+u+v+w)≧3である]を含む。あるいは、(t+u+v+w)は、3以上、あるいは3~2,000、あるいは3~1,000、あるいは3~500、あるいは3~300、あるいは3~200の値を有し得る。この単位式において、各Rは、一価ヒドロカルビル基及び一価ハロゲン化ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択される。あるいは、ポリオルガノシロキサンが直鎖状又は環状であるとき、量(x+y+z)=0である。
Rに適した一価ヒドロカルビル基は、アルキル、アルケニル、及びアリール基によって例示される。Rについてのアルキル基は、メチル、エチル、プロピル(n-プロピル及び/又はイソプロピルを含む)、ブチル(n-ブチル、t-ブチル、sec-ブチル、及び/又はイソブチルを含む)、ペンチル(シクロペンチル、n-ペンチル、及び5個の炭素原子を有する分岐異性体種を含む)、ヘキシル(シクロヘキシル、n-ヘキシル、及び6個の炭素原子を有する分岐異性体種を含む)、ヘプチル(シクロヘプチル、n-ヘプチル、及び7個の炭素原子を有する分岐異性体種を含む)、オクチル(シクロオクチル、n-オクチル、及び8個の炭素原子を有する分岐異性体種を含む)、ノニル(シクロノニル、n-ノニル、及び9個の炭素原子を有する分岐異性体種を含む)、及びデシル(シクロデシル、n-デシル、及び10個の炭素原子を有する分岐異性体種を含む)であり得る。Rに適したアルケニル基は、ビニル、アリル、及びヘキセニル;あるいは、ビニル及びヘキセニル;あるいは、ビニルからなる群から選択され得る。Rに適したアリール基は、シクロペンタジエニル、フェニル、アントラセニル、ナフチル、トリル、キシリル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、及びフェニルブチルによって例示されるが、これらに限定されない。Rに適した一価ハロゲン化ヒドロカルビル基は、炭素原子に結合した1個以上の水素原子がハロゲン原子で形式的に置換された一価ヒドロカルビル基(上記のものなど)である。ハロゲン化炭化水素基としては、ハロアルキル基及びハロアルケニル基が挙げられる。ハロアルキル基としては、トリフルオロメチル(CF)、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2-フルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、4,4,4-トリフルオロブチル、4,4,4,3,3-ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3-ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3-ノナフルオロヘキシル、8,8,8,7,7-ペンタフルオロオクチル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロブチル、3,4-ジフルオロシクロヘキシル、及び3,4-ジフルオロ-5-メチルシクロヘプチル、並びに塩素化アルキル基、例えば、クロロメチル、3-クロロプロピル、2,2-ジクロロシクロプロピル、2,3-ジクロロシクロペンチルなどのフッ素化アルキル基が挙げられる。ハロアルケニル基としては、クロロアリル基が挙げられる。あるいは、各Rは、一価ヒドロカルビル基であり得る。あるいは、各Rは、アルキル基であり得る。あるいは、各Rは、メチル、エチル、プロピル又はブチルから選択され得る。あるいはメチル又はエチル、あるいはメチルである。
ポリオルガノシロキサンが、(RSiO2/2)単位及び(RHSiO2/2)単位の両方を有するとき、出発物質A)及びB)は、同じ分子であり得る。あるいは、出発物質A)及びB)は異なる分子であり得る。
例えば、出発物質A)は、A1)単位式(RSiO2/2[式中、3≦cは≦12である]の環状ポリジオルガノシロキサン、A2)単位式(RSiO1/2(RHSiO1/2(RSiO2/2[式中、量(a+d)=2、及び3≦b≦200である]を含む直鎖状ポリオルガノシロキサン;並びにA3)A1)及びA2)の両方の組み合わせからなる群から選択され得る。A1)及びA2)の単位式において、各Rは上記のとおりである。あるいは、各Rは、独立して選択される一価ヒドロカルビル基、あるいはアルキル基、あるいはメチルであり得る。あるいは、出発物質A1)において、下付き文字cは、3以上であり得、あるいは3≦cは≦9、あるいは3≦cは≦6、あるいは4≦cは≦6である。あるいは、出発物質A2)において、下付き文字dは0であり得る。出発物質A1)として使用するのに適した環状ポリジオルガノシロキサンは、当該技術分野において既知であり、市販されている。例えば、2,2,4,4,6,6,8,8,-オクタメチルシクロテトラシロキサンなどのオクタオルガノシクロテトラシロキサンによって例示されるフェニルメチルシクロシロキサン及びジメチルシクロシロキサン;2,2,4,4,6,6,8,8,-デカメチルシクロペンタシロキサンなどのデカオルガノシクロペンタシロキサン;及び2,2,4,4,6,6,8,8,10,10-ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどのドデカオルガノシクロヘキサシロキサンは、当技術分野で公知であり、Dow Silicones Corporation(Midland,Michigan,USA)、Gelest,Inc.(Morrisville,Pennsylvania,USA)、及びSigma-Aldrich,Inc.(St.Louis,Missouri,USA)などの様々な供給元から市販されている。出発物質A2)として使用するのに適した直鎖状ポリオルガノシロキサンとしては、トリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンが挙げられ、これらも当技術分野で公知であり、上記と同じ供給元から市販されている。例えば、5cSt、10cSt、50cSt、500cSt、及び1,000cStの粘度を有するトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンが、Dow Silicones Corporation(Midland,Michigan,USA)から市販されている。粘度は、#CP-52スピンドルを備えたBrookfield DV-IIIコーン及びプレート粘度計で、25℃、0.1~50RPMで測定され得る。当業者は、粘度が上昇するにつれて回転速度が低下することを認識し、この試験方法を使用して粘度を測定するときに適切な回転速度を選択することができる。あるいは、適したジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリジメチルシロキサンを出発物質A2)として使用することができ、これらも当該技術分野において既知であり、Gelest,Inc.を含む様々な販売業者から商品名:DMS-HM15、DMS-H03、DMS-H25、DMS-H31、及びDMS-H41で市販されている。あるいは、出発物質A)はケイ素結合水素原子を含まないものであり得る。
出発物質B)は、B1)単位式(HRSiO2/2[式中、3≦c≦12である]の環状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン、B2)単位式(RSiO1/2(RHSiO1/2(RHSiO2/2[式中、量(a+d)=2であり、3≦e≦200である]の直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;並びにB3)B1)及びB2)の両方の組み合わせからなる群から選択され得る。B1)及びB2)の単位式において、各Rは上記のとおりである。あるいは、出発物質B)において、各Rは、独立して選択される一価ヒドロカルビル基、あるいはアルキル基、あるいはメチルであり得る。あるいは、B1)の単位式において、下付き文字cは、3以上、あるいは3≦cは≦9、あるいは3≦cは≦6、あるいは4≦cは≦6であり得る。あるいは、B2)の単位式において、下付き文字dは0であり得る。出発物質B1)に適したオルガノハイドロジェンシクロシロキサンは、当該技術分野において既知であり、市販されている。例えば、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラヒドロ-シクロテトラシロキサンなどのオルガノハイドロジェンシクロテトラシロキサンによって例示されるオルガノハイドロジェンシクロシロキサン;2,4,6,8,10-ペンタメチル-2,4,6,8,10-テトラヒドロ-シクロペンタシロキサンなどのオルガノハイドロジェンシクロペンタシロキサン;及び2,4,6,8,10,12-ヘキサメチル-2,4,6,8,10,12-テトラヒドロ-シクロヘキサシロキサンなどのオルガノハイドロジェンシクロヘキサシロキサンは、当技術分野において公知であり、Dow Silicones Corporation及びGelest,Inc.などの様々な供給元から市販されている。あるいは、出発物質B2)に適した直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンもまた、当技術分野において公知であり、市販されており、又は公知の方法によって作製され得る。例えば、ビス-トリメチルシロキシ末端ポリメチルハイドロジェンシロキサンホモポリマー、及びビス-トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチル/メチルハイドロジェン)シロキサンコポリマー、ビス-ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリメチルハイドロジェンシロキサンホモポリマー、及びビス-ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリ(ジメチル/メチルハイドロジェン)シロキサンコポリマーが使用され得る。適したポリオルガノハイドロジェンシロキサンも市販されており、例えば、Gelest,Inc.から商標名:HMS-H271、HMS-071、HMS-993、HMS-301、HMS-301 R、HMS-031、HMS-991、HMS-992、HMS-993、HMS-082、HMS-151、HMS-013、HMS-053、HAM-301、HPM-502、及びHMS-HM271で入手可能なものである。オルガノハロシランの加水分解及び縮合などの直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの調製方法は、Speierらの米国特許第2,823,218号、同第5,310,843号、同第4,370,358号、同第4,707,531号、及び同第4,329,273号に例示されているように、当該技術分野においてよく知られている。
出発物質C)は、本明細書に記載の方法において平衡化反応を触媒するのに適した触媒である。触媒は均一系であっても不均一系であってもよい。適した均一系触媒としては、トルエンスルホン酸及びトリフルオロメタンスルホン酸(トリフリック酸)などのスルホン酸が挙げられる。適した不均一系触媒としては、酸活性化漂白土(ベントナイト、モンモリロナイト、又はフラー土)、Sigma-Aldrich,Inc.から市販されているトンシル粘土及びFiltrol(商標)酸性粘土などの酸性粘土、並びにスルホン化マクロ架橋カチオン交換樹脂などのイオン交換樹脂が挙げられる。様々なイオン交換樹脂が当該技術分野において公知であり、例えば、DuPont de Nemours,Inc.(Wilmington,Delaware,USA)からAMBERLYST(商標)の商品名で市販されている。出発物質C)として使用するのに適した触媒は、当該技術分野において公知であり、例えば、Speierらの米国特許第2,823,218号、同第5,310,843号、同第4,370,358号、同第4,707,531号、及び同第4,329,273号に開示されている酸触媒である。あるいは、触媒は不均一系触媒であり得る。不均一系触媒は、例えば、Gehrigらの米国特許第8,686,175号及び同第8,722,834号に開示されているものによって例示される。
触媒である出発物質C)の量は、平衡化反応を触媒するのに十分な量である。C)触媒の正確な量は、触媒が均一であるか不均一であるか、及び本方法がバッチ式で行われるか連続式で行われるかなどの様々な要因に応じて異なるが、触媒の量は、本方法で使用される出発物質A)、B)、C)、D)、及びE)の合計重量に基づいて、0超~10重量%、あるいは0超~5重量%であり得る。あるいは、バッチプロセスにおいて使用される不均一系触媒の量は、本方法の工程1)において使用される出発物質A)、B)、C)、D)、及びE)の合計重量に基づいて、0超~5重量%、あるいは0超~2重量%、あるいは0.5重量%~5重量%、あるいは1重量%~5%、あるいは1重量%~2重量%であり得る。あるいは、本方法が均一系触媒を用いてバッチ式で実施されるとき、触媒の量は0超~1%であり得る。あるいは、本方法が連続的に行われるとき、触媒の量は異なってもよい。例えば、不均一系触媒は、連続プロセス用の充填床において使用することができ、触媒の量は、反応器のサイズに応じて異なる。
本方法で使用される出発物質は、任意選択で、1つ以上の追加の出発物質を更に含み得る。例えば、追加の出発物質は、D)水、E)末端封鎖剤、又はその両方からなる群から選択され得る。触媒の反応性を改善するために、本方法で使用される出発物質に水を任意選択で添加することができる。例えば、触媒が、乾燥形態で提供されるイオン交換樹脂、又はあるバッチから別のバッチに再利用されるイオン交換樹脂であるとき、水を添加して触媒を再活性化することができる。水の量は変動し得るが、水の量は米国特許第8,686,175号に記載されているとおりであり得る。
末端封鎖剤は、出発物質A)及びB)とは異なり、単位式(RSiO1/2(RHSiO1/2(RSiO2/2(RHSiO2/2[式中、Rは上記のとおりであり、下付き文字eは0、1、又は2であり、下付き文字fは0、1又は2であり、量(e+f)=2であり、下付き文字g≧0、下付き文字h≧0であり、0≦(g+h)≦3である]を有し得る。あるいは、量(g+h)は、0~2、あるいは0~1であり得る。末端封鎖剤は当技術分野で知られており、市販されている。例としては、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシロキサン及び1,1,1,3,3,5,5,5-オクタメチルトリシロキサンが挙げられ、これらは両方とも、Sigma-Aldrich,Inc.及び/又はDow Silicones Corporation若しくはGelest,Inc.などの他の供給元から入手可能である。末端封鎖剤は任意選択であり、出発物質A)、B)、C)、D)及びE)の合計重量に基づいて、0~44.5重量%、あるいは0~40重量%、あるいは0~30重量%、あるいは0~25重量%の量で使用され得る。本方法において使用される出発物質の残部は、出発物質A)及びB)であり得る。あるいは、出発物質A)及びB)は、本方法において使用される出発物質A)、B)、C)、D)及びE)の合計重量に基づいて、45.5重量%~100重量%未満、あるいは50重量%~100重量%未満、あるいは60重量%~100重量%未満、あるいは75重量%~100重量%未満を構成し得る。
本方法の工程1)及び2)は、従来の装置を使用して任意の都合のよい手段によって実施することができる。例えば、出発物質は、撹拌機を備えたジャケット付き容器内で組み合わせることができる。出発物質は任意の順序で容器に添加することができる。工程1)及び2)は、逐次、又は並行して実行され得る。工程2)は、平衡化反応が起こる際に、容器内の温度を20℃~110℃、あるいは23℃~80℃の温度に制御しながら、撹拌機で混合することによって実施され得る。
本明細書に記載される平衡化反応は、以下の例示的な反応スキームによって示される:

[式中、Rは上記のとおりであり、下付き文字mは1~10であり、下付き文字nは3~200であり、下付き文字oは0~3であり、量(p+q)≧3、主に3~9であり、量(r+s)=10~300である]。あるいは、下付き文字sは30~250であり得、下付き文字rは3~70であり得る。あるいは、各Rはメチルであり得、下付き文字mは平均値2を有し得、下付き文字nは平均値70を有し得、あるいは60~70を有し得、下付き文字oは0であり得る。上記の反応スキームでは、環状シロキサンの開環及び上記に示した末端封鎖剤による末端封鎖を含む、ある分子から別の分子への≡Si-O-Si≡結合の平衡化が反応に含まれる。完全に平衡化された生成物を生成することが望ましい場合がある。
上記反応スキームを使用して、工程2)において、ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマー生成物及び混合環状副生成物が形成される。コポリマーは、式(RSiO2/2)のD単位と、式(RHSiO2/2)のD単位とを含む。理論に束縛されるものではないが、工程2)の際に、コポリマーは、最初に形成されると、二官能性単位のブロック状分布、すなわち、D単位のブロック及びD単位のブロックを有すると考えられる。平衡化反応が進行するにつれて経時的に、D単位及びD単位の位置は、コポリマーの主鎖においてよりランダム化された連鎖に変化する。振動分光技術を使用して、カップリングD単位及びデカップリングD単位に対応する吸光帯(スペクトル上のピーク)を決定することができる。カップリングとは、コポリマー主鎖中の別のD単位に隣接するD単位を指す。デカップリングとは、コポリマー主鎖中の別のD単位に隣接していないD単位を指す。
本発明者らは、振動分光技術、例えば、赤外線(IR)分光法又はラマン分光法を使用して、上記の方法の工程3)において反応混合物をリアルタイムでモニタリングできることを見出した。更に、振動分光技術を使用して、反応混合物をin situでモニタリングすることができる。過去において、IR及びラマン分光法を使用して、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン中に存在する置換基の濃度(例えば、どの置換基がどの程度の量でケイ素原子に結合しているか)を測定していたが、これらの振動分光技術は、これまでコポリマー主鎖中のシロキサン単位の連鎖(例えば、D単位及びD単位の連鎖)を検出するためには用いられてこなかった。本発明者らは、驚くべきことに、振動分光技術では、コポリマー主鎖中のD単位及びD単位の連鎖(例えば、ブロック連鎖又はランダム連鎖)の変化を検出できることを見出した。更に、本明細書に記載される振動分光技術は、D:D比が、少なくとも1:1、あるいは少なくとも1.5:1、あるいは少なくとも2:1であるコポリマーに使用することができる。同時に、コポリマーのD:D比は、最大30:1、あるいは最大15:1、あるいは最大10:1、あるいは最大5:1、あるいは最大3:1であり得る。あるいは、本明細書に記載される振動分光技術は、D:D比が、1:1~30:1、あるいは1:1.5~1:2.5、あるいは1:2~1:3であるコポリマーに使用することができる。あるいは、本明細書に記載される振動分光技術は、D:D比が、100:1~1:100、あるいは75:1~1:75;あるいは50:1~1:50;あるいは30:1~1:30;あるいは5:1~1:5、あるいは3:1~1:3、あるいは2.5:1~1:2.5;あるいは2:1~1:2、あるいは1:1.5:1~1:1.5であるコポリマーに使用することができる。
吸光帯の強度(すなわち、振動分光技術によって測定されるスペクトル上のピーク高さ及び/又はピーク面積)は、平衡化反応が進行するにつれて、時間間隔を置いて測定され得る。デカップリングSiH吸光帯のピーク面積及びピーク高さは、反応時間の増加とともに増加するが、カップリングSiH吸光帯のピーク面積及びピーク高さは、反応時間の増加とともに減少する。米国特許出願公開第2004/0198927号では、振動分光技術を用いて(ピーク高さ及びピーク面積を得るために)吸光帯の強度を測定するための装置を開示している。これらの吸光帯の特徴を用いて、反応停止時期の目標値を設定し、ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーの特性を最適化し、及び/又は反応バッチ時間を最適化することができる。目標値は、デカップリングSiHピーク面積、デカップリングSiHピーク高さ、カップリングSiHピーク面積、及び/又はカップリングSiHピーク高さに基づき設定することができる。これらの特徴のうち、いずれか1つ以上の値が目標値に達したときに反応を停止させることで、反応を制御することができる。当業者であれば、バッチ時間を最小限に抑えながら用途性能を最適化するために、これらのパラメータの各々について目標値を設定することができる。また、これらのパラメータのいずれかの変化率に基づいて目標値を設定することも可能である。例えば、反応が進行するにつれて、デカップリングSiHピーク面積は、最大値に達するまで増加し、その後、例えば以下の図2に示すように横ばいになる。
各吸光帯の強度の変化率は、各時間間隔にわたって計算することができる。変化率がゼロに近づくと、これは、コポリマーが完全に平衡化されていることを示す(D単位及びD単位がランダムに分布している)。したがって、ランダムコポリマーが所望である場合、目標値は、例えば、選択された時間間隔にわたる最大絶対値変化率の0%~10%の値、例えば、工程4)における反応を停止させるための平衡化反応の過程で測定可能な15分平均値に設定され得る。あるいは、本明細書の実施例において以下に記載され例示されるように、デカップリングSiHピーク面積、デカップリングSiHピーク高さ、カップリングSiHピーク面積、又はカップリングSiHピーク高さの特徴のいずれかについて、変化率が所定値に達したときに反応を停止するように目標値を設定することもできる。あるいは、デカップリングSiHピーク高さ又はデカップリングSiHピーク面積がその最大値、又はその最大値の90%~100%に達したときに反応を停止するように目標値を設定することもできる。あるいは、カップリングSiHピーク高さ又はカップリングSiHピーク面積がその最小値、又はその最小値の0%~10%に達したときに反応を停止するように目標値を設定することができる。本明細書で記載する1つ以上の特徴は、目標値の設定及び/又は目標値に到達したときの判定に用いることができる。あるいは、ピーク高さ、ピーク面積、又は変化率データへの数学的変換を使用して、結果として得られるデータを滑らかにすることができる。これには、複数の機器読み取り値にわたる平均化又はデータの数学的方程式(指数関数的減衰又はロジスティック関数など)に当てはめることが含まれるが、これらに限定されない。古典的最小二乗法(CLS)、部分最小二乗法(PLS)、主成分回帰(PCR)などの計量化学分析も、目標値を設定するために上述の単変量解析の代わりに使用することができる。
工程4)における反応の停止は、冷却及び/又は濾過して触媒を除去する(不均一系触媒が使用される場合)又は急冷剤で中和して塩を形成し(均一系触媒が使用される場合)、その後バッチ又は連続様式で濾過することによって除去するなど、任意の都合のよい手段によって行うことができる。
本明細書に記載の方法は、任意選択で、1つ以上の追加の工程を更に含み得る。例えば、本方法は、工程5):ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを回収する工程を更に含み得る。平衡化反応の際に、副生成物(例えば、例示的な反応スキームにおいて上記された混合環など)が形成されることがあり、並びに/又は未反応の出発物質A)及び/若しくはB)が反応混合物中に存在することがある。回収は、例えば、ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーから未反応の出発物質及び/又は副生成物を除去するためのストリッピング及び/又は蒸留などの任意の都合のよい手段によって行うことができる。
本方法は、任意選択で、工程6):工程1)における触媒(不均一系触媒が使用される場合)を再利用しながら、1)~4)(及び任意選択で5)を含む工程を繰り返す工程を更に含み得る。不均一系触媒は、再活性化を必要とする場合があり、例えば、触媒がイオン交換樹脂を含む場合、本方法は、米国特許第8,686,175号に記載されているように、工程6)の前に水を触媒に添加することを含む技術によって、触媒を再活性化することを更に含み得る。
本明細書に記載の方法は、単位式:(RSiO1/2tt(RHSiO1/2uu(RSiO2/2vv(RHSiO2/2ww(RSiO3/2xx(HSiO3/2yy(SiO4/2zz[式中、下付き文字tt、uu、vv、ww、xx、yy、及びzzは、コポリマー中の各単位の量を表し、下付き文字tt≧0、uu≧0、vv≧1、ww≧1、xx≧0、yy≧0、zz≧0であり、但し、量(vv+ww)≧3、量(xx+yy+zz)は、0から、最大20モル%のコポリマー分子中のシロキサン単位を提供するのに十分な値までであり、量(tt+uu+vv+ww)≧3である]のポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを生成することができる。あるいは、量(tt+uu+vv+ww)は5以上であり得る。あるいは、(tt+uu+vv+ww)は、5~2,000;あるいは5~1,000;あるいは10~500;あるいは25~300、あるいは50~200の値を有し得る。このコポリマーは、少なくとも1つの特性、例えば、分子量、(RSiO2/2)及び(RHSiO2/2)単位の分布、並びに式(RSiO2/2)の単位と式(RHSiO2/2)の単位とのモル比(D:D比)が出発物質(A)及び(B)と異なる。コポリマーはまた、D単位及びD単位の両方を含有する。D:D比は、100:1~1:100、あるいは75:1~1:75;あるいは50:1~1:50;あるいは30:1~1:30;あるいは5:1~1:5、あるいは3:1~1:3、あるいは2.5:1~1:2.5;あるいは、2:1~1:2、あるいは1.5:1~1:1.5;あるいは1:1~30:1、あるいは1:1.5~1:2.5、あるいは1:2~1:3であり得る。あるいは、本明細書に記載の方法によって生成されるコポリマーは、直鎖状であり得、下付き文字xx=0、yy=0、及びzz=0のとき、コポリマーは、単位式:(RSiO1/2tt(RHSiO1/2uu(RSiO2/2vv(RHSiO2/2wwを有し得、下付き文字ttは、0、1、又は2であり、下付き文字wwは、0、1、又は2であり、量(tt+uu)=2であり、下付き文字vv>1、下付き文字ww>1であり、下付き文字vv及びwwは、D:D比が上述のとおりであるような値を有する。
以下の実施例は、当業者に本発明を例示することを目的とするものであり、請求項に記載された本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。実施例で使用される反応物及び他の出発物質を以下の表1に示す。以下の実施例で使用される場合、「計算値」は、使用した各出発物質の量に基づいて計算したコポリマーのD:D’及びDPを指す。
表1において、DSCはDow Silicones Corporation(Midland,Michigan,USA)を指し、TDCCはThe Dow Chemical Company(Midland,Michigan,USA)を指す。
参考例A-赤外線分光技術
以下の構成を有するMettler Toledo ReactIR 15を使用して反応の進行をモニタリングした:MCT検出器、AgX 9.5mm×1.5mファイバー(ハロゲン化銀)を介して接続されたSiComp(シリコン)プローブ;4波数分解能で2800~650をサンプリング;スキャンオプション:自動選択;ゲイン:1倍;HappGenzelアポダイゼーション。スペクトルを1分間隔で12時間収集した。
参考例B-ラマン分光技術
以下の装置及び設定を使用して、ラマン分光法によって反応の進行をモニタリングした:i-Raman Prime Model BWS475-785-HT Customプローブ:BAC101-CUST詳細:High Throughput Industrial Raman液浸プローブ(BAC101)、0.5インチO.D.×10インチL Hastelloy C-276シャフト及び金密封サファイアレンズ、及び785nm励起。150cm-1でのラマンカットオフ。レーザーファイバー105μmコアFC/PC終端。ラマンファイバー300μmコアFC/PC終端。ファイバーケーブル長1.5m。加工されたメッシュスクリーン(100×100メッシュ、ワイヤ直径0.0045インチ)を使用して、ラマンプローブ上にフィットさせ、固相触媒粒子が液浸光学系の焦点体積に入り、蛍光が過剰になるのを防いだ。
参考例C-硬化時間測定(TC90)。
エラストマー配合物の硬化速度を、Moving Die Rheometer(Monsanto Rheometer、MDR 2000、シリアル番号36A1D688)を用いて測定した。エラストマー配合物(5±0.1g)を2枚のMylarの間に置き、120℃で測定した。硬化速度TC90は、90%の硬化が起こるのに必要な時間の尺度であり、所与の材料/測定について最大トルクの90%に達するのにかかる時間によって決定される。
この実施例1では、ヘキサメチルジシロキサン(367.01グラム)、MeHシロキサン(596.66グラム)、及びD4環状物(709.71グラム)を、傾斜ブレードインペラ及びバッフルを備えた2Lジャケット付き反応器に充填した。反応器ヘッドを密封し、ヘッドスペースをNでパージして不活性雰囲気を得た。水凝縮器への水流をオンにし、撹拌機を600RPMに設定し、反応器ジャケットを通して熱伝達流体を循環させることによって反応温度を60℃に制御した。反応温度に達したら、8.96グラムの触媒を反応器に添加した。IRスペクトルは、Mettler Toledo React IR 15を使用して、反応を通してin situで収集した。また、Kaiser液浸光学系を備えたB&W Tek i-Raman Proシステムを使用して、反応中にin situでラマンスペクトルを収集した。反応を11.5時間行った後、加熱を止め、反応器内容物を周囲温度まで冷却した。反応の終わりに、得られたポリ(ジメチル/メチルハイドロジェン)シロキサンコポリマーは、D:D’=1:1、DP(計算値)=10であった。
以下の図1は、実施例1における反応について反応中に収集されたIRスペクトルを示す。デカップリングSiHのIR吸光帯のピーク面積及びピーク高さは、反応時間の増加とともに増加するが、カップリングSiHのIR吸光帯のピーク面積及びピーク高さは、反応時間の増加とともに減少する。これらの特徴を用いて、反応停止時期の目標値を設定し、コポリマーの物理的特性を最適化し、反応バッチ時間を最適化することができる。目標値は、デカップリングSiHのIRピーク面積、デカップリングSiHのIRピーク高さ、カップリングSiHのIRピーク面積、カップリングSiHのIRピーク高さ、又はそれらの2つ以上の組み合わせに基づいて設定することができる。これらの特徴のうち、いずれかの値が所定の目標値に達したときに反応を停止させることにより、反応を制御することができる。当業者であれば、バッチ時間を最小限に抑えながら用途性能を最適化するために、これらのパラメータの各々について目標値を設定することができる。また、これらの特徴のいずれかの変化率に基づいて、目標値を設定することもできる。例えば、図2に示すように反応が進行するにつれて、デカップリングSiHのIRピーク面積は、最大値に達するまで増加し、その後、横ばいになる。例えば、デカップリングSiHのIRピーク面積の変化率が、平衡化反応の過程で測定可能なその最大15分平均絶対値の0%~10%の値に達したときに反応を停止するように目標値を設定することができる。また、特徴、デカップリングSiHのIRピーク面積、デカップリングSiHのIRピーク高さ、カップリングSiHのIRピーク面積、又はカップリングSiHのIRピーク高さのいずれかについて、変化率が所定値に達したときに反応を停止するように目標値を設定することもできる。実施例1の反応中におけるこれらの特徴(又はこれらの組み合わせ)の各々の傾向を、以下の図2~図5に示す。
図6は、上記の実施例1の反応中に収集されたラマンスペクトルを示す。デカップリングSiHラマン吸光帯のピーク面積及びピーク高さは、反応時間の増加とともに増加し、一方、カップリングSiHラマン吸光帯のピーク高さ及びピーク面積は、反応時間の増加とともに減少する。これらのピーク面積及びピーク高さを用いて、SiH反応停止時期の目標値を設定し、SiHシロキサンの物理的特性を最適化し、反応バッチ時間を最適化することができる。デカップリングSiHラマンピーク面積、デカップリングSiHラマンピーク高さ、カップリングSiHラマンピーク面積、及びカップリングSiHラマンピーク高さに基づいて目標値を設定することができる。これらの特徴のうち、いずれか1つ以上の値が所定の目標値に達したときに反応を停止させることにより、反応を制御することができる。当業者であれば、バッチ時間を最小限に抑えながら用途性能を最適化するために、これらのパラメータの各々について目標値を設定することができる。また、これらの特徴のいずれかの変化率に基づいて、目標値を設定することもできる。例えば、図11に示されるように、反応が進行するにつれて、デカップリングSiHラマンピーク面積は、最大値に達するまで増加し、その後、横ばいになり始める。デカップリングSiHラマンピーク面積の変化率が0(又は0に近い値)、例えば、平衡化反応の過程で測定可能なその最大15分平均絶対値の0%~10%の値)になったときに反応を停止するように目標値を設定することができる。特徴、デカップリングSiHラマンピーク面積、デカップリングSiHラマンピーク高さ、カップリングSiHラマンピーク面積、又はカップリングSiHラマンピーク高さのいずれかの変化率が所定値に達したときに反応を停止するように目標値を設定することができる。実施例1の反応中におけるこれらの特徴の各々の傾向を、以下の図7~図10に示す。
この実施例2では、ヘキサメチルジシロキサン(93.5グラム)、MeHシロキサン(123.2グラム)、D4環状物(207.7グラム)、及び触媒(4.3グラム)を、傾斜ブレードインペラ及びバッフルを備えた500mLのジャケット付き反応器に充填した。反応器ヘッドを密封し、不活性雰囲気をNブランケットで確立した。水凝縮器への水流をオンにし、撹拌機を750RPMに設定し、循環器及び熱伝達流体を使用して反応器ジャケット温度を60℃に制御した。IRスペクトルを、Mettler Toledo React IR 15機器を使用して、反応中にin situで収集した。反応を24時間行った後、加熱を止め、反応器内容物を周囲温度に冷却した。反応が完了すると、得られたポリ(ジメチル/メチルハイドロジェン)シロキサンコポリマーは、D:D’(計算値)=1.5:1、DP(計算値)=12であった。
時間に対するデカップリングSiHのIRピーク面積の傾向は、例として以下の図15に示される。デカップリングSiHのIRピーク面積が所定の目標値に達したときに反応を停止することができる。当業者であれば、バッチ時間を最小限に抑えながら、所与の用途に対して物理的特性を最適化するように目標値を設定することができる。また、時間に対するデカップリングSiHのIRピーク面積の目標変化率に達したときに、反応を停止することもできる。変化率の目標値は、実施例1で上述したように、所与の用途に対して物理的特性を最適化するために当業者によって決定され得る。
この実施例3では、ヘキサメチルジシロキサン(44.6グラム)、MeHシロキサン(857.5グラム)、及びD4環状物(1032.6グラム)を、傾斜ブレードインペラ及びバッフルを備えた2Lのジャケット付き反応器に充填した。反応器ヘッドを密封し、不活性雰囲気をNブランケットで確立した。水凝縮器への水流をオンにし、撹拌機を750RPMに設定し、循環器及び熱伝達流体を使用して反応器ジャケット温度を60℃に制御した。60℃の温度設定点に達したら、触媒(21.3グラム)を反応器に添加した。IRスペクトルを、Mettler Toledo React IR 15機器を使用して、反応中にin situで収集した。反応を24時間行った後、加熱を止め、反応器内容物を周囲温度に冷却した。反応が完了すると、得られたポリ(ジメチル/メチルハイドロジェン)シロキサンコポリマーは、D:D’(計算値)=1:1、DP(計算値)=60であった。
時間に対するデカップリングSiHのIRピーク面積の傾向は、例として以下の図16に示される。デカップリングSiHのIRピーク面積が所定の目標値に達したときに反応を停止することができる。当業者であれば、バッチ時間を最小限に抑えながら、所与の用途に対して物理的特性を最適化するように目標値を設定することができる。時間に対するデカップリングSiHのIRピーク面積の目標値変化率に達したときに、反応を停止することもできる。変化率の目標値は、実施例1で上述したように、所与の用途に対して物理的特性を最適化するために当業者によって決定され得る。
この実施例4では、ヘキサメチルジシロキサン(21.43グラム)、MeHシロキサン(448.0グラム)、及びD4環状物(1483.6グラム)を、傾斜ブレードインペラ及びバッフルを備えた2Lのジャケット付き反応器に充填した。反応器ヘッドを密封し、不活性雰囲気をNブランケットで確立した。水凝縮器への水流をオンにし、撹拌機を750RPMに設定し、循環器及び熱伝達流体を使用して反応器ジャケット温度を60℃に制御した。60℃の温度設定点に達したら、触媒(21.3グラム)を反応器に添加した。IRスペクトルを、Mettler Toledo React IR 15機器を使用して、反応中にin situで収集した。反応を24時間行った後、加熱を止め、反応器内容物を周囲温度に冷却した。反応が完了すると、得られたポリ(ジメチル/メチルハイドロジェン)シロキサンコポリマーは、D:D’(計算値)=2.8:1、DP(計算値)=107であった。
この実施例4についての時間に対するデカップリングSiHのIRピーク面積の傾向は、例として以下の図13に示される。SiHのIRピーク面積が所定の目標値に達したときに反応を停止することができる。当業者であれば、バッチ時間を最小限に抑えながら、所与の用途に対して物理的特性を最適化するように目標値を設定することができる。時間に対するデカップリングSiHのIRピーク面積の目標値変化率に達したときに、反応を停止することもできる。変化率の目標値は、実施例1で上述したように、所与の用途に対して物理的特性を最適化するために当業者によって決定され得る。
この実施例5では、ヘキサメチルジシロキサン(318.7グラム)、MeHシロキサン(735.2グラム)、及びD4環状物(869.4グラム)を、傾斜ブレードインペラ及びバッフルを備えた2Lのジャケット付き反応器に装填した。反応器ヘッドを密封し、不活性雰囲気をNブランケットで確立した。水凝縮器への水流をオンにし、撹拌機を750RPMに設定し、循環器及び熱伝達流体を使用して反応器ジャケット温度を60℃に制御した。60℃の温度設定点に達したら、触媒(21.0グラム)を反応器に添加した。IRスペクトルを、Mettler Toledo React IR 15機器を使用して、反応中にin situで収集した。反応を24時間行った後、加熱を止め、反応器内容物を周囲温度に冷却した。反応が完了すると、得られたポリ(ジメチル/メチルハイドロジェン)シロキサンコポリマーは、D:D’(計算値)=1:1、DP(計算値)=12であった。
時間に対するデカップリングSiHのIRピーク面積の傾向は、例として図14に示される。SiHのIRピーク面積が所定の目標値に達したときに反応を停止することができる。当業者であれば、バッチ時間を最小限に抑えながら、所与の用途に対して物理的特性を最適化するように目標値を設定することができる。時間に対するデカップリングSiHのIRピーク面積の目標値変化率に達したときに、反応を停止することもできる。変化率の目標値は、実施例1で上述したように、所与の用途に対して物理的特性を最適化するために当業者によって決定され得る。
実施例1~5は、デカップリングSiHピークが最小の変化率で最大値に達する正確な時間が、出発物質の分子量及びD:D’比を含むいくつかの要因に応じて変化することを示す。
この実施例6では、ヘキサメチルジシロキサン、MeHシロキサン、及びD4環状物を、傾斜ブレードインペラ及びバッフルを備えた500mL反応器に充填し、窒素で不活性化した。この実施例において各バッチに充填された各出発物質の量を以下の表2に示す。反応は以下のように行った。反応器ヘッドを締め付け、Nブランケットを支持した。水凝縮器への水流をオンにし、撹拌機を750RPMに設定し、循環器(反応温度:60℃)を開始して、反応過程全体を通して加熱ジャケットを制御した。IRスペクトルは、Mettler Toledo React IR 15機器を使用してin situで収集した。各バッチを異なる時間反応させ、表3に示すような異なる濃度のデカップリングSiHを得た。特定の長さの時間で反応を停止させるために、試料を収集してフィルタに通して移し、触媒を除去した。
各バッチで調製されたポリ(ジメチル/メチルハイドロジェン)シロキサンコポリマーを架橋剤として使用してエラストマーを合成した。各エラストマー配合物において異なるバッチからのコポリマーを使用したことを除いて、同じヒドロシリル化反応硬化性エラストマー配合物を調製した。異なるコポリマーを使用して作製したエラストマーについて、硬化時間(TC90)を測定した。異なるコポリマーから得られたエラストマー配合物の硬化時間を以下の表3に示す。
表3のデータは、実施例6のバッチについてシロキサン平衡化反応時間が増加するにつれて、デカップリングSiHピーク面積が増加したことを示す(コポリマー主鎖中のD及びD’単位のランダム化も拡大したことを示す)。D及びD’単位のランダム化を拡大すると、実施例6ではエラストマー配合物の硬化速度も速くなった(TC90の減少によって示されるように)。
理論に束縛されるものではないが、本発明の利点は、本方法を使用して、バッチ時間を最小限に抑えながら、本方法によって生成されるポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーの主鎖中のD単位及びD’単位の所望のランダム化度を選択できることであると考えられる。コポリマーが架橋剤として使用されるエラストマー配合物に対して速い硬化速度が望まれる場合、高いピーク面積目標値、例えば、最大15分平均絶対値変化率の10%以下を選択して、高度にランダムなコポリマーを得ることができ、特定の硬化性エラストマー配合物の硬化速度を速めることができる。あるいは、例えばよりブロック状の構造を有するコポリマーが許容される場合、コポリマーを生成するためのバッチ時間を最小限に抑えるために、目標値を、より低いデカップリングSiHピーク面積(又は他の適した目標値)で設定することができる。
産業上の利用可能性
米国特許第8,686,175号に記載されている反応によって生成されるポリオルガノハイドロジェンシロキサンなどのポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーは、種々の有機官能性シロキサン生成物の合成に有用な中間体である。特に、式(RSiO2/2)のD単位及び式(RHSiO2/2)のDH単位を有するこのようなコポリマーは、例えば、縮合及び/又はヒドロシリル化反応硬化性生成物などの様々な硬化系における架橋剤として有用である。米国特許第8,686,175号に記載されているように生成されたポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、ブロック状の主鎖構造(例えば、DDDDDDDD)[式中、複数のD単位が一緒にグループ化され、複数のD単位が「ブロック」で一緒にグループ化されている]を有し得る。しかし、理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、よりランダムな主鎖構造(例えば、DDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDD)[式中、D単位及びDH単位が主鎖に沿ってよりランダムに分布している]が、特定の用途、例えば、ヒドロシリル化反応硬化性シリコーンエラストマー組成物などの硬化性シリコーン組成物においてポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを使用するのに望ましい場合があることを見出した。更に、米国特許第8,686,175号に記載されているように生成されたポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、主鎖中のD単位及びD単位の分布がランダムに分布するのとも異なる時点で(場合によりかなり前に)その目標値分子量に到達することがある。これにより、シロキサンの主鎖構造の「ランダム性」の度合がバッチごとに異なり、物理的特性及び性能に影響を与える場合がある。また、ランダム性の度合は、架橋剤としてのコポリマーの性能に影響を与える場合がある。上記実施例6に示すように、本明細書に記載の方法によって生成されたよりランダムな構造を有するコポリマーは、ヒドロシリル化反応硬化性エラストマー組成物に配合された場合に、より速い硬化速度という利点をもたらした。本明細書に記載の方法は、本明細書に記載の方法において反応を停止させるための目標値を適切に選択することによって、バッチ時間を最小限に抑えることと、ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーのランダム化を最大化することとの両方のために使用することができる。
用語の定義及び使用
全ての量、比及び百分率は、特に指示しない限り、重量に基づく。組成物中の全ての出発物質の量は、総計100重量%である。発明の概要及び要約は、参照により本明細書に組み込まれる。冠詞「a」、「an」、及び「the」は各々、明細書の文脈によって特に指示されない限り、1つ以上を指す。単数形は、別途記載のない限り、複数形を含む。用語「含むこと(comprising)」及びその派生語、例えば「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」は、本明細書において、それらの最も広い意味で、「含むこと(including,)」、「含む(include,)」、「から本質的になる(consist(ing)essentially of,)」、及び「からなる(consist(ing)of))という見解を意味し、包含するように使用されている。実例を列記する「例えば(for example,)」「例えば(e.g.,)」、「例えば(such as,)」及び「が挙げられる(including)」の使用は、列記されている例のみに限定しない。したがって、「例えば(for example)」又は「例えば/など(such as)」は、「例えば、それらに限定されないが(for example, but not limited to)」又は「例えば、それらに限定されないが(such as, but not limited to)」を意味し、他の類似した、又は同等の例を包含する。
「デカップリングSiH」及び「デカップリング(RHSiO2/2)」という用語は、他の(RHSiO2/2)単位に隣接していないコポリマーのシロキサン主鎖における式(RHSiO2/2)の単位を指す。例えば、-(RSiO2/2)-(RHSiO2/2)-(RSiO2/2)-の部位では、(RHSiO2/2)単位がデカップリング(RHSiO2/2)である。本明細書に記載される平衡化反応で好まれない完全に交互のコポリマー主鎖を除いて、コポリマー主鎖中のデカップリングSiHが多いほど、コポリマーのランダム性の度合が高くなる。
「カップリングSiH」及び「カップリング(RHSiO2/2」という用語は、他の(RHSiO2/2)単位に隣接する式(RHSiO2/2)の単位を指す。例えば、-(RHSiO2/2)-(RHSiO2/2)-(RHSiO2/2)-の部位では、(RHSiO2/2)単位がカップリングされている。コポリマー中のカップリングSiHが多いほど、よりブロック状の特性を有する。
添付の特許請求の範囲は、「発明を実施するための形態」を表現するために、かつそこに記載される特定の化合物、組成物、又は方法に限定されず、添付の特許請求の範囲の範疇の特定の実施形態間で異なり得ることを理解されたい。様々な実施形態の特定の特徴又は態様を説明するための本明細書に依拠する任意のマーカッシュグループに関して、全ての他のマーカッシュメンバーから独立したそれぞれのマーカッシュグループの各メンバーから異なる、特別な、かつ/又は予期しない結果が得られる可能性がある。マーカッシュ群の各々の要素は、個々にかつ又は組み合わされて依拠とされ得、添付の特許請求の範囲内で、特定の実施形態に適切な根拠を提供し得る。
本発明の様々な実施形態を説明する際に依拠とされる任意の範囲及び部分範囲は、独立して及び包括的に、添付の特許請求の範囲内に入り、本明細書に整数及び/又は分数の値が明記されていない場合であっても、その中のそのような値を包含する全範囲を説明及び想到するものと理解される。当業者であれば、列挙された範囲及び部分範囲が、本発明の様々な実施形態を十分に説明し、可能にし、そのような範囲及び部分範囲は、更に関連性がある2等分、3等分、4等分、5等分などに描かれ得ることを容易に認識する。単なる一例として、範囲「20~110」は、下位の3分の1、すなわち20~49、中間の3分の1、すなわち50~79、及び上位の3分の1、すなわち80~110の更に詳述することができ、これらは個別的及び集合的に添付の特許請求の範囲内であり、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が個別的及び/又は集合的に依拠し得、またそれらに適切な裏付けを提供し得る。更に、範囲を定義する、又は修飾する言葉、例えば「少なくとも」、「超」「未満」「以下」などに関して、そのような言葉は、部分範囲及び/又は上限若しくは下限を含むと理解されるべきである。更に、開示した範囲内の個々の数は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が依拠し得、またそれらに十分な裏付けを提供している。
本明細書で使用される略語は、以下の表5にて定義される。

Claims (15)

  1. ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを調製するための方法であって、
    1)
    A)式(RSiO2/2)のシロキサン単位の供給源、
    B)式(RHSiO2/2)のシロキサン単位の供給源、
    [式中、各Rは、一価ヒドロカルビル基及び一価ハロゲン化ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択される]、及び
    C)酸触媒、
    を含む出発物質を組み合わせることによって、混合物を形成することと、
    2)前記混合物を20℃~110℃の温度で撹拌することにより、平衡化反応を介して前記ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを含む反応混合物を形成することと、
    3)赤外線分光法及びラマン分光法からなる群から選択される振動分光技術を使用して、前記反応混合物中のデカップリング(RHSiO2/2)単位の濃度及びカップリング(RHSiO2/2)単位の濃度の一方又は両方に対応する吸光帯を含むスペクトル領域をモニタリングすることと、
    4)前記吸光帯に関連する目標値に到達したとき、前記平衡化反応を停止することと、を含む、方法。
  2. 前記目標値が、
    i)吸光帯高さ、
    ii)吸光帯面積、
    iii)前記吸光帯高さの変化率、
    iv)前記吸光帯面積の変化率、
    v)i)~iv)のうちの1つ以上への数学的変換値、及び
    vi)前記吸光帯を含む前記スペクトル領域の計量化学分析値からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記目標値が、前記吸光帯高さの前記変化率又は前記吸光帯面積の前記変化率であり、前記変化率が、前記平衡化反応の過程で測定可能なその最大絶対値の0%~10%の値を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記デカップリング(RHSiO2/2)吸光帯面積が使用される、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 出発物質A)及びB)が、単位式:(RSiO1/2(RHSiO1/2(RSiO2/2(RHSiO2/2(RSiO3/2(HSiO3/2(SiO4/2[式中、下付き文字t、u、v、w、x、y、及びzは、各単位の量を表し、t≧0、u≧0、v≧1、w≧1、x≧0、y≧0、z≧0であり、但し、量(v+w)は3~300であり、量(x+y+z)は、0から、最大20モル%の分子中の単位を提供するのに十分な値までであり、量(t+u+v+w)≧3である]を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 出発物質A)が、
    A1)単位式(RSiO2/2[式中、3≦cは≦12である]の環状ポリジオルガノシロキサン、
    A2)単位式(RSiO1/2(RHSiO1/2(RSiO2/2[式中、各Rは、独立して一価ヒドロカルビル基であり、量(a+d)=2であり、3≦b≦200である]を含む直鎖状ポリオルガノシロキサン、及び
    A3)A1)とA2)との両方の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 出発物質B)が、
    B1)単位式(HRSiO2/2[式中、3≦c≦12である]の環状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン、
    B2)単位式(RSiO1/2(RHSiO1/2(RHSiO2/2[式中、量(a+d)=2であり、3≦e≦200である]の直鎖状ポリオルガノシロキサン、及び
    B3)B1)とB2)との両方の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ポリジオルガノシロキサンが、同じ分子中に出発物質A)及びB)の両方を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  9. バッチ式で実行される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記触媒が不均一系触媒である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 工程1)における前記出発物質が、D)水を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 工程1)における前記出発物質が、E)末端封鎖剤を更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記末端封鎖剤が、単位式:(RSiO1/2(RHSiO1/2(RSiO2/2(RHSiO2/2[式中、下付き文字eは、0、1、又は2であり、下付き文字fは、0、1、又は2であり、量(e+f)=2、下付き文字g≧0、下付き文字h≧0、0≦(g+h)≦30である]を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 工程3)における前記モニタリングが、リアルタイム及びin situでの前記反応混合物の分析を介して行われる、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 請求項3に記載の方法によって調製された前記ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを、硬化性シリコーン配合物中の架橋剤として使用することを含む、方法。
JP2023534733A 2020-12-14 2021-12-02 ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを調製するための方法 Pending JP2024500073A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063125015P 2020-12-14 2020-12-14
US63/125,015 2020-12-14
PCT/US2021/061530 WO2022132446A1 (en) 2020-12-14 2021-12-02 Method for preparing poly (diorgano/organohydrogen) siloxane copolymers

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024500073A true JP2024500073A (ja) 2024-01-04

Family

ID=79021560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023534733A Pending JP2024500073A (ja) 2020-12-14 2021-12-02 ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを調製するための方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20230331920A1 (ja)
EP (1) EP4259673A1 (ja)
JP (1) JP2024500073A (ja)
CN (1) CN116568729A (ja)
WO (1) WO2022132446A1 (ja)

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE553159A (ja) 1955-12-05
US4329273A (en) 1978-03-07 1982-05-11 General Electric Company Self-bonding silicone rubber compositions
US4370358A (en) 1980-09-22 1983-01-25 General Electric Company Ultraviolet curable silicone adhesives
JPS61195129A (ja) 1985-02-22 1986-08-29 Toray Silicone Co Ltd 有機けい素重合体の製造方法
US5118559A (en) * 1989-05-31 1992-06-02 Minnesota Mining And Manufacturing Company Fluorescent degree of cure monitors
JP2511348B2 (ja) 1991-10-17 1996-06-26 東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社 オルガノポリシロキサンおよびその製造方法
JP3408370B2 (ja) * 1996-01-29 2003-05-19 花王株式会社 ブロック状ハイドロジェン変性シリコーン及びその製造法
US5783719A (en) * 1997-05-13 1998-07-21 Lexmark International, Inc. Method for making silicone copolymers
JPH11140190A (ja) * 1997-11-04 1999-05-25 Kao Corp ブロック状アミノ変性シリコーン
US6723804B1 (en) 2000-11-03 2004-04-20 Chevron Phillips Chemical Company, Lp Monitoring and control of slurry processes for polymerizing olefins
CN101375395B (zh) * 2006-01-26 2012-10-03 迈图高新材料日本合同公司 散热材料以及使用该材料的半导体装置
DE102008042181B4 (de) 2008-09-18 2020-07-23 Evonik Operations Gmbh Äquilibrierung von Siloxanen an wasserhaltigen sulfonsauren Kationenaustauscherharzen
US8686175B2 (en) 2008-12-16 2014-04-01 Dow Corning Corporation Preparation of siloxanes

Also Published As

Publication number Publication date
CN116568729A (zh) 2023-08-08
US20230331920A1 (en) 2023-10-19
WO2022132446A1 (en) 2022-06-23
EP4259673A1 (en) 2023-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5196789B2 (ja) カルベンの存在下でのポリオルガノシロキサン(pos)の開環重合及び/又は再分配によるposの製造方法並びに該方法によって製造されたpos化合物
EP1856191B1 (fr) Procede de preparation d'organopolysiloxane par polymerisation et rearrangement de siloxanes cycliques
US7939618B2 (en) Process for the continuous preparation of organopolysiloxanes having aminoalkyl groups
KR101839023B1 (ko) 광반도체용 실리콘 수지 조성물
CN113166474A (zh) 反应性硅氧烷
JP6877638B2 (ja) 除去可能な酸触媒を使用したアミノ官能性ポリジオルガノシロキサンの製造方法
KR100894089B1 (ko) 아미노기 함유 실록산의 연속 제조 방법
JP3015145B2 (ja) オルガノポリシロキサンの製造方法
JP2024500073A (ja) ポリ(ジオルガノ/オルガノハイドロジェン)シロキサンコポリマーを調製するための方法
JP3812756B2 (ja) シロキサンポリマーの粘度の安定化方法
EP3371244B1 (en) Method of preparing organosiloxane
JP4628672B2 (ja) シリコーン−有機コポリマーの製造方法
EP2328952B1 (en) Polysiloxane redistribution process
JP5969123B2 (ja) オルガノポリシロキサンを作製するための方法
WO2023244898A1 (en) Method for preparing polyorganosiloxane copolymers
JPS637189B2 (ja)
US20080275205A1 (en) Process For Preparing Aminoalkylpolysiloxanes
JP7410123B2 (ja) ヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンを縮合重合する方法
JP3184231B2 (ja) シリコーンゴム組成物
JPH0395227A (ja) アミノ基含有ポリシロキサンの製造方法
KR20230130714A (ko) 실록산-작용화된 실리카
JP3808198B2 (ja) ポリシロキサン
JP3801529B2 (ja) 親水性シリコーンゴム組成物
JP2003147080A (ja) アミノ基含有ポリシロキサンの製造方法
JP2000080168A (ja) フルオロ基・アミノ基含有オルガノポリシロキサン及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230710

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20230718

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20231013