JP2018533562A - オルガノシロキサンを調製する方法 - Google Patents

オルガノシロキサンを調製する方法 Download PDF

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Abstract

オルガノシロキサンを調製する方法は、一般式R2SiX2の第1のシラン化合物及び一般式R3SiR1の第2のシラン化合物[式中、各Rは、独立してH及びヒドロカルビル基から選択され、各Xは、独立してハロゲン原子から選択され、R1はX又はOSiR3である。]を含む混合物、を水性の酸の存在下で共加水分解すること、を含む。オルガノシロキサンを、反応生成物中で調製する。任意に、本方法は、オルガノシロキサンを反応生成物から分離すること、を含む。オルガノシロキサンの一般式は、R3SiO(R2SiO)nH[式中、nは、1〜200の整数である。]である。

Description

本発明は、一般的にオルガノシロキサンを調製する方法、より具体的には、第1及び第2のシラン化合物の共加水分解によりオルガノシロキサンを調製する方法に関する。
オルガノシロキサン及びその調製方法は、当該技術分野において公知である。例えば、オルガノポリシロキサンポリマーは、オルガノシロキサンの1種であり、通常、元々オリゴマー又はポリマーの場合があるヒドロキシル末端オルガノシロキサンの縮重合により、生成される。隣接する分子のケイ素結合ヒドロキシル基が縮合し、シロキサン結合が、副生成物としての水と共に生成し得る。
オルガノポリシロキサンポリマーの分子量及び粘度を制御することが一般的に望ましいのは、異なる分子量により異なる物理的特性及び最終使用用途がもたらされるからである。末端封止剤が通常使用され、オルガノポリシロキサンポリマーが生成されている状態で封止し、重合反応を停止する。末端封止剤が加水分解して、又はそうでなければ反応して、オルガノポリシロキサンポリマーを封止する際、末端封止剤により、多くの場合、アンモニアなどの望ましくない副生成物が反応容器内に導入される。
本発明は、オルガノシロキサンを調製する方法を提供する。本方法は、一般式RSiXの第1のシラン化合物及び一般式RSiRの第2のシラン化合物[式中、各Rは、独立してH及びヒドロカルビル基から選択され、各Xは、独立してハロゲン原子から選択され、RはX又はOSiRである。]を含む混合物、を水性の酸の存在下で共加水分解すること、を含む。オルガノシロキサンを、反応生成物中で調製する。任意に、本方法は、オルガノシロキサンを反応生成物から分離すること、を含む。オルガノシロキサンの一般式は、RSiO(RSiO)H[式中、nは、1〜200の整数である。]である。
オルガノポリシロキサン又はオルガノシロキサンのMDTQの表記法に関して、任意の実質的に直鎖のオルガノポリシロキサン又はオルガノシロキサンを示すために本明細書で使用する、用語「実質的な」又は「実質的に」は、単位T及び/又はQが5モル%未満、又は2モル%未満存在することを意味する。M、D、T、Qとは、1つ(モノ:Mono)、2つ(ジ:Di)、3つ(トリ:Tri)、又は4つ(クァド:Quad)の酸素原子が残りの分子構造中に連結したケイ素原子に共有結合していることを示す。M、D、T及びQ単位は通常、RSiO(4−u)/2として表され、式中、uはM、D、T及びQに関してそれぞれ3、2、1及び0であり、Rは置換又は非置換炭化水素基である。
本明細書で使用する用語「約(about)」は、機器分析によって測定された数値のわずかな変動、又は試料の取扱いの結果による数値のわずかな変動を、合理的に包含又は記述するためのものである。このようなわずかな変動は、数値の±0%〜10%又は±0%〜5%の程度であってもよい。
本明細書で使用する用語「分枝状」は、末端基を2個より多く有するポリマー、例えばオルガノポリシロキサンを示す。
用語「含む(comprising)」は、本明細書において、その最も広い意味で使用され、「含む(include)」、及び「〜からなる(consist of)」という概念を意味し、これを包含する。
用語「周囲温度」又は「室温」は、約20℃〜約30℃の温度を指す。通常、室温は約20℃〜約25℃の範囲である。
例示的な例を列挙する「例えば」又は「等」の使用は、列挙された例のみに限定するものではない。したがって、「例えば」又は「など/等」は、「例えば、...であるがこれらに限定されない」又は「...など/等であるがこれらに限定されない」ことを意味し、他の同様又は等価の例を包含する。
本明細書で言及される全ての粘度測定値は、別途記載のない限り25℃で測定された。
オルガノポリシロキサンとは、1分子あたりに複数のオルガノシロキサン基又はポリオルガノシロキサン基を含むポリマーを意味することを目的としている。オルガノポリシロキサンは、ポリマー鎖中にオルガノシロキサン基又はポリオルガノシロキサン基のみを実質的に含有するポリマー、並びにポリマー鎖中の主鎖がオルガノシロキサン基及び/又はポリオルガノシロキサン基と有機ポリマー基との両方を含有するポリマーを、包含することを意図している。このようなポリマーは、ホモポリマーであってもよく、コポリマー、例えばブロックコポリマー及びランダムコポリマーなどであってもよい。
「ヒドロカルビル」は、置換でも非置換でもよい一価炭化水素基を意味する。ヒドロカルビル基の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
「アルキル」は、非環式、分枝状又は非分枝状の、飽和一価炭化水素基を意味する。アルキルは、Me、Et、Pr(例えば、イソ−プロピル及び/又はn−プロピル)、Bu(例えば、イソブチル、n−ブチル、tert−ブチル、及び/又はsec−ブチル)、ペンチル(例えば、イソペンチル、ネオペンチル、及び/又はtert−ペンチル)、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、及びドデシル並びに炭素原子6〜12個の分枝状飽和一価炭化水素基によって例示されるがこれらに限定されない。アルキル基は、1〜30個の炭素原子、あるいは1〜24個の炭素原子、あるいは1〜20個の炭素原子、あるいは1〜12個の炭素原子、あるいは1〜10個の炭素原子、あるいは1〜6個の炭素原子を有し得る。
「アルキレン」は、非環式、分枝状又は非分枝状の、飽和二価炭化水素基を意味する。
「アルケニル」は、1つ又は複数の炭素−炭素二重結合を有する、非環式、分枝状又は非分枝状の、一価炭化水素基を意味する。アルケニルは、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニルによって例示されるがこれらに限定されない。アルケニル基は、2〜30個の炭素原子、あるいは2〜24個の炭素原子、あるいは2〜20個の炭素原子、あるいは2〜12個の炭素原子、あるいは2〜10個の炭素原子、あるいは2〜6個の炭素原子を有し得る。
「アルケニレン」は、1つ又は複数の炭素−炭素二重結合を有する、非環式、分枝状又は非分枝状の、二価炭化水素基を意味する。
「アルキニル」は、1つ又は複数の炭素−炭素三重結合を有する、非環式、分枝状又は非分枝状の、一価炭化水素基を意味する。アルキニルは、エチニル、プロピニル、及びブチニルによって例示されるがこれらに限定されない。アルキニル基は、2〜30個の炭素原子、あるいは2〜24個の炭素原子、あるいは2〜20個の炭素原子、あるいは2〜12個の炭素原子、あるいは2〜10個の炭素原子、あるいは2〜6個の炭素原子を有し得る。
「アルキニレン」は、1つ又は複数の炭素−炭素三重結合を有する、非環式、分枝状又は非分枝状の、二価炭化水素基を意味する。
「アリール」は、環式の、完全不飽和炭化水素基を意味する。アリールは、シクロペンタジエニル、フェニル、アントラセニル及びナフチルによって例示されるが、これらに限定されない。単環式アリール基は、5〜9個の炭素原子、あるいは6〜7個の炭素原子、あるいは5〜6個の炭素原子を有し得る。多環式アリール基は、10〜17個の炭素原子、あるいは10〜14個の炭素原子、あるいは12〜14個の炭素原子を有し得る。
「アリーレン」は、環式の、完全不飽和二価炭化水素基を意味する。
「アラルキル」は、ペンダント及び/若しくは末端アリール基を有するアルキル基、又はペンダントアルキル基を有するアリール基を意味する。例示的なアラルキル基として、トリル、キシリル、メシチル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、及びフェニルブチルが挙げられる。
用語「置換/置換された」は、別の基、例えばヒドロカルビル基に関して使用するとき、別途記載のない限り、ヒドロカルビル基中の1個又は複数の水素原子が別の置換基若しくは原子により置き換えられているという意味である。このような置換基又は原子の例としては、例えば、ハロゲン原子[塩素、フッ素、臭素、及びヨウ素など]、ハロゲン原子含有基[クロロメチル基、ペルフルオロブチル基、トリフルオロエチル基、及びノナフルオロヘキシル基など]、酸素原子、酸素原子含有基[(メタ)アクリル基及びカルボキシル基など]、窒素原子、窒素原子含有基[アミン、アミノ官能基、アミド官能基、及びシアノ官能基など]、硫黄原子、並びに硫黄原子含有基[メルカプト基など]が挙げられる。
本発明は、オルガノシロキサンを調製する方法を提供する。本発明の方法により、特性に優れ、様々な最終使用及び用途での使用に好適な、オルガノシロキサンを調製し、それには、硬化性シリコーン組成物、例えば、縮合硬化性シリコーン組成物中の成分としてのものが挙げられる。更に、本発明の方法により、下記のとおり、オルガノシロキサンの所望の化学種の分離が可能である。このように、本発明の方法は、分子量をはじめとする選択された特性の、オルガノシロキサンを調製するため特に好適であり、重合の際、それを停止剤として用いる一方で、更なる制御を行い得る。
本方法は、混合物を水性の酸の存在下で共加水分解すること、を含む。混合物は、第1のシラン化合物及び第2のシラン化合物を含む。
第1のシラン化合物の一般式は、RSiX[式中、各Rは、独立してH及びヒドロカルビル基から選択され、各Xは、独立してハロゲン原子から選択される。]である。Rによって表されるヒドロカルビル基は、独立して置換であっても非置換であってもよい。
各Rは独立して選択され、例えば、H、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキニル基、アラルキル基などでよい。特定の実施形態において、各Rは、独立して、C−C10、あるいはC−C、あるいはC−C、あるいはC−Cのヒドロカルビル基から選択される。具体的な実施形態において、各Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基から選択され、あるいは、各Rをメチルとする。
各Xは、独立して、F、Cl、Br、I、及びAtから、あるいはF、Cl、及びBrから、あるいはF及びClから、選択されるものでよい。様々な実施形態において、各XはClである。様々な実施形態において、Xは、独立して、ハロゲン原子以外の、選択されたケイ素結合加水分解性基であってよい。例えば、特定の実施形態において、Xは、独立して、H、ハライド基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、カルボキシ基、アルキルイミノキシ基、アルケニルオキシ基、N−アルキルアミド基、及びそれらの組み合わせから選択される。
各Rが独立してヒドロカルビル基から選択される場合、第1のシラン化合物は、Rによって表される2つの独立して選択されたケイ素結合ヒドロカルビル基、及びXによって表される2つの独立して選択されたケイ素結合ハロゲン原子を含み、ジオルガノジハロシランと呼ぶことができる。本発明の方法において、第1のシラン化合物のケイ素結合ハロゲン原子(Si−X)は加水分解してシラノール基(Si−OH)が得られ、続いて互いに縮合して、シロキサン結合(Si−O)を、副生成物としての水と共に得ることができる。両方のケイ素結合ハロゲン原子が加水分解し縮合する際、第1のシラン化合物は、D単位、すなわちジオルガノシロキシ単位として変換されオルガノシロキサン中に組み込まれる。
R及びXの選択に応じて、第1のシラン化合物を、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジブロモシラン、メチルエチルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニルビニルジクロロシラン、ジメチルフルオロシラン、メチルエチルフルオロシランなどによって例示することができる。上記一般式の範囲内の異なる化学種の組み合わせを、第1のシラン化合物として併用することができる。
混合物は、第2のシラン化合物を更に含む。第2のシラン化合物は、第1のシラン化合物と区別される。第2のシラン化合物の一般式は、RSiR[式中、Rは、独立して選択され、上記定義のものであり、RはX又はOSiRである。]である。
第1のシラン化合物と同様に、第2のシラン化合物の各Rは独立して選択され、例えば、H、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキニル基、アラルキル基などでよい。特定の実施形態において、第2のシラン化合物の各Rは、独立して、C−C10、あるいはC−C、あるいはC−C、あるいはC−Cのヒドロカルビル基から選択される。具体的な実施形態において、第2のシラン化合物の各Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基から選択され、あるいは、各Rをメチルとする。
第2のシラン化合物の各Xは、独立して、F、Cl、Br、I、及びAtから、あるいはF、Cl、及びBrから、あるいはF及びClから、選択されるものでよい。様々な実施形態において、第2のシラン化合物の各XをClとする。様々な実施形態において、Xは、独立して、ハロゲン原子以外の、選択されたケイ素結合加水分解性基であってよい。例えば、特定の実施形態において、Xは、独立して、H、ハライド基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、カルボキシ基、アルキルイミノキシ基、アルケニルオキシ基、N−アルキルアミド基、及びそれらの組み合わせから選択される。
第1の実施形態において、RをXとする。この実施形態において、第2のシラン化合物の一般式は、RSiX[式中、R及びXは上記定義のものである。]となる。この実施形態において、各Rが独立してヒドロカルビル基から選択される場合、第2のシラン化合物は、Rによって表される3つの独立して選択されたケイ素結合ヒドロカルビル基、及びXによって表される1つのケイ素結合ハロゲン原子を含む。この実施形態において、第2のシラン化合物を、トリオルガノハロシランと呼ぶことができる。
R及びXの選択に応じて、この実施形態において、第2のシラン化合物を、トリメチルクロロシラン、ジメチルエチルクロロシラン、トリメチルフルオロシラン、メチルジプロピルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシランなどによって例示することができる。この実施形態において、異なるトリオルガノハロシランの組み合わせを、第2のシラン化合物として併用することができる。
本発明の方法の特定の実施形態において、第2のシラン化合物のケイ素結合ハロゲン原子(Si−X)は加水分解してシラノール基(Si−OH)が得られ、続いてシラノール基が互いに縮合して、シロキサン結合(Si−O)を、副生成物としての水と共に得ることができる。ケイ素結合ハロゲン原子が加水分解し縮合する際、第2のシラン化合物は、末端基、すなわちM単位として変換されオルガノシロキサン中に組み込まれる。
第2の実施形態において、RをX又はOSiRとすることにより、第2のシラン化合物の一般式は、RSiOSiR[式中、Rは独立して選択され、上記定義のものである。]となる。この第2の実施形態において、各Rは、独立して選択されたヒドロカルビル基であり、第2のシラン化合物は、Rによって表される6つの独立して選択されたケイ素結合ヒドロカルビル基を含む。この実施形態において、第2のシラン化合物を、ジシロキサン化合物、例えば、ヘキサヒドロカルビルジシロキサン化合物と呼ぶことができる。各Rを独立して選択されたアルキル基とする場合、この第2の実施形態において、第2のシラン化合物を、ヘキサアルキルジシロキサンと呼ぶことができる。各Rをメチルとする場合、この第2の実施形態において、第2のシラン化合物を、ヘキサメチルジシロキサンによって例示することができる。この第2の実施形態において、異なるヘキサヒドロカルビルジシロキサン化合物の組み合わせを、第2のシラン化合物として併用することができる。
この第2の実施形態において、異なるヘキサヒドロカルビルジシロキサン化合物の組み合わせを、第2のシラン化合物として併用することができる。
第2のシラン化合物の第2の実施形態による、本発明の方法の特定の実施形態において、第2のシラン化合物の一部分は、末端基、すなわちM単位として変換されオルガノシロキサン中に組み込まれる。
第2のシラン化合物に関する2つの異なる実施形態を上記記載したが、特定の実施形態において、第2のシラン化合物は、2つの異なる実施形態に関連するものの混合物を含むことができる。換言すれば、第2のシラン化合物は、トリオルガノハロシランとヘキサヒドロカルビルジシロキサン化合物との組み合わせを含むことができる。特定の実施形態において、第2のシラン化合物を、トリオルガノハロシラン、又はトリオルガノハロシランの混合物とし、ヘキサヒドロカルビルジシロキサン化合物を除外する。他の実施形態において、第2のシラン化合物を、ヘキサヒドロカルビルジシロキサン化合物、又はヘキサヒドロカルビルジシロキサン化合物の混合物とし、トリオルガノハロシランを除外する。
特定の実施形態において、混合物は第3のシラン化合物を含む。第3のシラン化合物の一般式は、RSiX[式中、Rは上記定義のものであり、Xは、独立して選択され、上記定義のものである。]である。第3のシラン化合物は、Rによって表される1つケイ素結合ヒドロカルビル基、及びXによって表される3つの独立して選択されたケイ素結合ハロゲン原子を含む。第3のシラン化合物を、オルガノトリハロシランと呼ぶことができる。様々な実施形態において、各Xは、独立して、ハロゲン原子以外の、選択されたケイ素結合加水分解性基であってよい。例えば、特定の実施形態において、Xは、独立して、H、ハライド基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、カルボキシ基、アルキルイミノキシ基、アルケニルオキシ基、N−アルキルアミド基、及びそれらの組み合わせから選択される。
R及びXの選択に応じて、第3のシラン化合物を、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、メチルジクロロフルオロシランなどによって例示することができる。異なるオルガノトリハロシランの組み合わせを、第3のシラン化合物として併用することができる。
混合物が第3のシラン化合物を含む、本発明の方法の特定の実施形態において、第3のシラン化合物のケイ素結合ハロゲン原子(Si−X)は加水分解してシラノール基(Si−OH)が得られ、続いてシラノール基が互いに縮合して、シロキサン結合(Si−O)を、副生成物としての水と共に得ることができる。ケイ素結合ハロゲン原子が加水分解して縮合する際、第3のシラン化合物により分枝がオルガノシロキサンに導入される。特に、第3のシラン化合物はT単位として変換され、オルガノシロキサン中に取り込まれる。
一般的に、本発明の方法によって調製されたオルガノシロキサンは、実質的に直鎖である。これらの実施形態において、混合物は、第3のシラン化合物を実質的に含まない。この文脈中、「実質的に含まない」は、混合物の含む第3のシラン化合物の量が、全シラン化合物(第1、第2、及び第3のシラン化合物を含めるもの)に基づいて、10モル%未満、あるいは5モル%未満、あるいは1モル%未満、あるいは0モル%であることを、意味する。例えば、特定の実施形態において、混合物は、第1及び第2のシラン化合物から本質的になるか、あるいはそれらからなる。
上記導入記載のとおり、方法は、混合物のシラン化合物を、水性の酸の存在下で共加水分解すること、を含む。水性の酸は、一般的に、無機酸及び水を含む。所望の場合、水性の酸は、水以外の溶媒、例えば、有機溶媒、又は媒体を更に含む。存在する場合、有機溶媒又は媒体は、典型的には水溶性である。特定の実施形態において、水性の酸は、そのような有機溶媒又は媒体を含まない。下記記載のとおり、水性の酸の無機酸を、in situで発生させることができる。例えば、水を混合物と合わせることにより、混合物のシラン化合物は、水の存在下で少なくとも部分的に加水分解し得、各XをClとする場合、塩化水素酸がin situで生成され、水性の酸を得る。あるいは、無機酸を含む水性の酸を、混合物と直接合わせることができる。
水性の酸の無機酸を、混合物の第1及びシラン(並びに任意に第3の)シラン化合物を加水分解することが可能な、任意の無機酸とすることができる。特に好適な無機酸の具体例としては、塩化水素酸、硫酸、及び硝酸が挙げられる。異なる無機酸の組み合わせを併用することができる。特定の実施形態において、無機酸は、塩化水素酸を含み、あるいは塩化水素酸からなる。特定の実施形態において、水性の酸は、本質的に無機酸及び水からなり、あるいは無機酸及び水からなる。
水性の酸の濃度を変更することができ、本発明の方法に関連する所望のパラメータに基づいて選択することができる。水性の酸の「濃度」は、水性の酸の総重量(すなわち、水性の酸中の無機酸及び水の総重量)に対する、水性の酸中に存在する無機酸の重量を指す。このように、水性の酸の濃度は、重量%(重量/重量)単位で表され、モル濃度及び重量モル濃度と区別される。
水性の酸の濃度を、オルガノシロキサンの所望の化学種をはじめとする、本発明の方法に関連する他のパラメータに基づいて調整又は選択することができる。例えば、特定の実施形態において、より高濃度の水性の酸を用いることが、望ましい場合がある。これらの実施形態において、水性の酸の濃度を、20重量%より高く50重量%まで、あるいは20重量%より高く40重量%まで、あるいは20重量%より高く30重量%までの範囲とすることができる。特定の実施形態において、水性の酸を飽和のものとする。
水性の酸の濃度を上記範囲内とし、無機酸の選択に応じたものとする場合、本発明の方法の際、無機酸の気体を放出することができる。例えば、無機酸を塩化水素酸とする場合、本発明の方法の際、無水塩化水素酸の気体を放出することができ、有利に捕集し再循環することができる。
他の実施形態において、水性の酸の濃度を、上記特定した範囲未満とする。例えば、特定の実施形態において、より低濃度の水性の酸を用いることが、望ましい場合がある。これらの実施形態において、水性の酸の濃度を、0重量%より高く20重量%未満、あるいは0重量%より高く15重量%まで、あるいは1重量%〜10重量%の範囲とすることができる。
混合物及び水性の酸を、一般的には容器、例えば反応器に供給し、第1及び第2のシラン化合物(並びに任意に第3のシラン化合物)を水性の酸の存在下で共加水分解する。混合物のシラン化合物及び水性の酸を、容器に共に供給しても、別々に供給してもよく、並びに任意の添加順序で容器内に入れることができる。典型的には、混合物を水性の酸と別々に容器に供給することにより、混合物のシラン化合物の、容器に入る前の早すぎる共加水分解を防ぐ。個々の成分を、容器に時間をかけて逐次供給してもよく、一度に供給してもよい。あるいは、水性の酸を容器内にてin situで生成することができ、それにより、水性の酸を容器に供給する必要がなくなる。例えば、水を、水性の酸の代わりに容器に供給することができ、混合物のシラン化合物を部分的に加水分解することができる。混合物のシラン化合物を水により加水分解することによって、水性の酸がin situで生成され、水性の酸の化学種は、混合物のシラン化合物の特定のケイ素結合ハロゲン原子に相当する(例えば、XをClとする場合、水性の酸は塩化水素酸を含む。)ものとなる。当業者であれば、所望の濃度の水性の酸を、in situで生成させる際、水及び混合物の相対量並びに容器のパラメータに基づいて得る方法、を理解している。
混合物中のシラン化合物の相対量を、オルガノシロキサンに関する所望の構造又は式に基づいて、変更することができる。例えば、第1のシラン化合物の量を、用いる第2のシラン化合物の量に対して高めることにより、オルガノシロキサンの粘度又は重合度を高めることができる。混合物中の、第1のシラン化合物の、第2のシラン化合物に対するモル比を、一般的に、>1:1、あるいは≧100:1、あるいは≧200:1とする。例えば、具体的な実施形態において、混合物中の、第1のシラン化合物の、第2のシラン化合物に対するモル比を、>1:1から4:1まで、あるいは>1:1から3.5:1まで、あるいは>1:1から3:1まで、あるいは>1:1から2.5:1まで、あるいは>1:1から2:1までとする。典型的には、このモル比を高めることにより、得られるオルガノシロキサンの分子量又は重合度を高めることができる。
特定の実施形態において、混合物が含む第1のシラン化合物の量を、混合物中に存在する第1及び第2のシラン化合物の総量に基づいて、50モル%〜95モル%、あるいは50モル%〜80モル%、あるいは50モル%〜65モル%とする。これらの又は他の実施形態において、混合物が含む第2のシラン化合物の量を、混合物中に存在する第1及び第2のシラン化合物の総量に基づいて、5モル%〜50モル%、あるいは20モル%〜50モル%、あるいは35モル%〜50モル%とする。これらの又は他の実施形態において、混合物が含む第3のシラン化合物の量を、混合物中に存在する第1及び第2のシラン化合物の総量に基づいて、0モル%〜10モル%、あるいは0モル%〜5モル%、あるいは0モル%〜1モル%、あるいは0モル%とする。
混合物と水性の酸との相対量を、変更することができる。例えば、水性の酸の相対量を、その濃度、その中に存在する無機酸の選択、混合物中のシラン化合物の選択などに基づいて変更することができる。混合物と水性の酸との相対量を、本明細書において、水性の酸の重量間の、混合物の重量に対する相率(すなわち、相率は重量/重量による値)として挙げる。水性の酸の重量は、水及び酸自体の重量(例えば、HCl及び水であり、水性の酸を共に構成する。)を含む。容器は、典型的には水性の酸及び混合物、並びに本発明の方法による任意の副生成物若しくは調製された反応中間体以外の、成分又は試薬を含まない。相率は、一般的には無次元であり、本発明の方法の際に生成し得る、任意の副生成物若しくは反応中間体を除外しての、混合物と用いる水性の酸との相対量を示す。相率を、典型的には少なくとも1:1、あるいは少なくとも2:1、あるいは少なくとも3:1、あるいは少なくとも4:1、あるいは少なくとも10:1、あるいは少なくとも20:1、あるいは少なくとも50:1とする。例えば、特定の実施形態において、相率を、1:1〜6:1、あるいは1.5:1〜5:1、あるいは2:1〜4:1とする。具体的な実施形態において、相率を、3.5:1〜5.5:1とする。
容器内の物理的特性を、所望のとおり修正又は制御することができる。例えば、容器を、任意に加熱、冷却、加圧などをすることができる。容器を、大気の条件に対し、閉じていても、開けていてもよい。特定の実施形態において、本発明の方法を実行する温度を、水性の酸の融点温度から沸点温度まで、あるいは0℃より高く水性の酸の沸点温度まで、あるいは5℃〜100℃、あるいは30℃〜70℃とする。
また、容器内にて共加水分解を実行する期間も、変更することができる。特定の実施形態において、期間を最短化することが望ましい。期間を、0時間より長く24時間まで、あるいは0時間より長く18時間まで、あるいは0時間〜12時間、あるいは0時間〜10時間、あるいは0時間〜8時間、あるいは0時間〜6時間、あるいは0時間〜4時間、あるいは0時間〜2時間、あるいは0時間〜1時間とすることができる。期間を最短化することが多くの場合望ましいことから、共加水分解(及び本発明の方法)を、典型的には1時間未満で実行することにより、この期間の尺度は、時間ではなく、分及び/又は秒となる。例えば、具体的な実施形態において、期間を、0分より長く60分まで、あるいは0分より長く50分まで、あるいは0分より長く40分まで、あるいは0分より長く30分まで、あるいは0分より長く20分まで、あるいは0分より長く10分まで、あるいは0分より長く9分まで、あるいは0分より長く8分まで、あるいは0分より長く7分まで、あるいは0分より長く6分まで、あるいは0分より長く5分まで、あるいは0分より長く4分まで、あるいは0分より長く3分まで、あるいは0分より長く2分まで、あるいは0分より長く1分までとすることができる。より短い期間とすることは、より大きなアウトプット及びより低コスト(例えば、有用性に関連)に役立つばかりでなく、より短い期間によりまた、典型的には、より高濃度のオルガノシロキサンも、本発明の方法によって生成される。実際には、驚くべきことに、オルガノシロキサンの収率は経時的に低下する恐れがあり、例えば、本発明の方法の5分経過したばかりの時点では、本発明の方法の60分経過時点より、多くのオルガノシロキサンが存在し得、容器内に残った場合、オルガノシロキサンの更なる縮合に寄与し、例えば、トリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンポリマーを生成させる。本発明の方法を、バッチ式、半バッチ式、又は連続式のプロセスとすることができ、その場合、上記期間は容器内滞留期間に関係する。しかし、本発明の方法は、典型的にはバッチ式のプロセスである。
また、混合物のシラン化合物の共加水分解を、共加水分解共縮合と呼ぶこともでき、それは、シラン化合物が、一般的には水性の酸の存在下で加水分解し、続いて縮合してオルガノシロキサンが得られることによる。
特定の実施形態において、混合物のシラン化合物の共加水分解には、ハロゲン化オルガノシロキサンを準備する。ハロゲン化オルガノシロキサンは、一般的には所望のオルガノシロキサンに相当するが、ケイ素結合ヒドロキシル基ではなくケイ素結合ハロゲン原子を含む。ハロゲン化オルガノシロキサンの典型的な一般式は、RSiO(RSiO)n−1SiRX[式中、nは、1〜200の整数であり、Rは、独立して選択され上記定義のものであり、Xは、上記定義のものである。]である。
ハロゲン化オルガノシロキサンは、特定の最終使用用途、特に更なる反応に望ましいが、ハロゲン化オルガノシロキサンは、オルガノシロキサンよりも安定性が低く、貯蔵寿命が短い。このように、混合物のシラン化合物の共加水分解にハロゲン化オルガノシロキサンを準備する場合、方法は、典型的にはハロゲン化オルガノシロキサンを水と合わせることで、ハロゲン化オルガノシロキサンからオルガノシロキサンを調製すること、を更に含む。
ハロゲン化オルガノシロキサンを準備するのは、典型的にはより高濃度の水性の酸、例えば上記のとおり20重量%より高い濃度の水性の酸を用いる場合である。逆に、オルガノシロキサンを直接準備するのは、典型的にはより低濃度の水性の酸、例えば20重量%未満、又は1重量%〜10重量%の濃度の水性の酸を用いる場合である。
方法が、ハロゲン化オルガノシロキサンを水と合わせることで、ハロゲン化オルガノシロキサンからオルガノシロキサンを調製すること、を更に含む場合、水により、一般的にはハロゲン化オルガノシロキサンを加水分解し、オルガノシロキサンを得る。水を容器内に導入するのは、ハロゲン化オルガノシロキサンの生成中、及び/又は生成後であってよい。あるいは、ハロゲン化オルガノシロキサンを容器から取出し、続いて同じ又は異なる、容器若しくは装置内にて、任意に混合下又は剪断をかけ、例えば、連続撹拌されている槽型反応器(CSTR)又は他の容器内にて、水と合わせることができる。ハロゲン化オルガノポリシロキサンを水と合わせる前、ハロゲン化オルガノポリシロキサンを容器内の他の成分と分離する必要もなく、別々にする必要もない。あるいは更に、様々な実施形態において、ハロゲン化オルガノポリシロキサンを、水蒸気の形態にて、例えば向流水蒸気洗浄塔により、水と合わせる。ハロゲン化オルガノシロキサンからオルガノシロキサンを調製する工程により、加水分解から得られるケイ素結合ヒドロキシル基を、少なくとも部分的に縮合させることができる。ハロゲン化オルガノシロキサンを水と合わせる際、触媒を用い、ハロゲン化オルガノシロキサンの加水分解を開始することができるものの、そのような触媒は、必須ではない。
本発明の方法により、典型的には反応生成物中でオルガノシロキサンを調製する。反応生成物は、副生成物、混合物からの未反応シラン化合物、残量の水性の酸などを含む。副生成物の例としては、オルガノシロキサン以外のシロキサン化合物が挙げられる。例えば、シロキサン化合物としては、このオルガノシロキサンと区別される、環式シロキサン、トリアルキル−末端封止ジオルガノポリシロキサン(例えば、トリメチル−末端封止ポリジメチルシロキサン)、ハロゲン化シロキサン、及びヒドロキシル官能性オルガノシロキサンを挙げることができる。これらの副生成物及びシロキサン化合物は一般的に不活性である。反応生成物は、一般的には流体の混合物であるが、不均一のものであっても、エマルジョンの形態であってもよい。一般的に、水相と非水相とは相分離しており、オルガノシロキサン及び他のシロキサン副生成物が非水相中に存在している。
反応生成物が含むオルガノシロキサンの量を、反応生成物中に存在する全シロキサン化合物の総重量に基づき、典型的には0重量%より多く80重量%まで、あるいは0重量%より多く70重量%まで、あるいは0重量%より多く60重量%まで、あるいは0重量%より多く50重量%まで、あるいは0重量%より多く40重量%までとする。例えば、オルガノシロキサンの反応生成物中における存在量を、反応生成物中に存在する全シロキサン化合物の総重量に基づき、0重量%より多く、あるいは少なくとも0.1重量%、あるいは少なくとも1重量%、あるいは少なくとも5重量%、あるいは少なくとも10重量%、あるいは少なくとも15重量%、あるいは少なくとも20重量%とすることができる。シロキサン化合物は、少なくとも1つのシロキサン結合(Si−O−Si)を含むものである。このように、この基準では、水性の酸及び他の成分を、オルガノシロキサンへの変換から除外する。
オルガノシロキサンの一般式は、RSiO(RSiO)H[式中、Rは、独立して選択され上記定義のものであり、nは、1〜200の整数である。]である。nが、オルガノシロキサンをポリマーとするものである場合、オルガノシロキサンをオルガノポリシロキサンと呼ぶことができる。あるいは、オルガノシロキサンは、オリゴマーであっても、モノマーであってもよい。
オルガノシロキサンは、末端ケイ素結合ヒドロキシル基を有する。オルガノシロキサンの動粘度は、下付符号nの選択に応じ、25℃にて1cSt〜500cStである。当該技術分野において容易に理解されるとおり、流体の動粘度を、ASTM D−445(2011)、表題「Standard Test Method for Kinematic Viscosity of Transparent and Opaque Liquids(and Calculation of Dynamic Viscosity)」に従って測定することができる。
特定の実施形態において、本方法は、非水相を反応生成物から分離すること、を含む。例えば、反応生成物の複数相を、任意の好適な手法、例えば、傾斜、遠心分離、蒸留によって別々にすることができ、又はそうでなければ非水相を、反応生成物の水相から分離することができる。上記導入記載のとおり、シロキサン化合物は、オルガノシロキサンをはじめとして、非水相中に存在する。非水相を、バルク流体と呼ぶことができる。
バルク流体を、様々な最終使用用途に、例えば、シリコーン流体、グリース、溶媒、媒体などとして、用いることができる。あるいは、バルク流体がオルガノシロキサンを含む場合、別の組成物と合わせても、別の組成物に導入してもよく、又はバルク流体を、更なる反応に(少なくともオルガノシロキサンに基づいて)用いることができる。
しかし、特定の実施形態において、方法は、オルガノシロキサンを反応生成物から分離すること、を更に含む。オルガノシロキサンを、反応生成物から、バルク流体などから、分離することができる。例えば、バルク流体を最初に水相と別々にすることができ、オルガノシロキサンをバルク流体と分離することができる。あるいは、バルク流体と水相とを別々にすることなく、オルガノシロキサンを反応生成物から分離することができる。
バルク流体と水相とを別々にすることと同様、オルガノシロキサンを任意の好適な手法によって分離することができる。特定の実施形態において、オルガノシロキサンを分離することは、反応生成物及び/又はバルク流体を蒸留することで、オルガノシロキサンとその反応生成物とを別々にすること、を含む。
特に、本発明の方法によって調製されたオルガノシロキサンは、シロキサンの縮合反応における使用に特に好適である。オルガノシロキサンが、末端基である単一のケイ素結合ヒドロキシル基を含むことから、シロキサンの反応において末端封止剤又は末端単位としてオルガノシロキサンを用い、例えばオルガノポリシロキサンを調製することができる。これにより、このようなオルガノポリシロキサンの分子量及び粘度の選択的制御が可能となる。
例えば、混合物中の第1及び第2のシラン化合物をモル比で選択することができ、それにより、本発明の方法によって調製されたオルガノシロキサンは、nの値が4のものに相当するものとなり、すなわち、オルガノシロキサンの式がRSiO(RSiO)Hとなる。当業者の誰しもが、目標とするオルガノポリシロキサンの所望の分子量及び粘度を求めることができ、目標とするオルガノポリシロキサンの重合の際、オルガノシロキサンを利用することで、目標とするオルガノポリシロキサンを封止し、得ることができる。
上記導入記載のとおり、本発明の方法によって、オルガノシロキサンと共に生成した副生成物及びシロキサン化合物は、通常は不活性である。このように、これらの副生成物及びシロキサン化合物は、一般的にはいずれの更なる縮合反応にも役立つものではない。しかし、オルガノシロキサンを、バルク流体又は反応生成物中に存在する際、更に反応させることには、目標とするオルガノポリシロキサンのバルク流体又は反応生成物との分離が不可欠となる場合があり、それは、一般的にこれらの副生成物及びシロキサン化合物が目標とするオルガノポリシロキサンと共に存在することが望ましくないことによる。
しかし、オルガノシロキサンのバルク流体及び/又は反応生成物との分離により、これらの懸念が取り払われる。このように、オルガノシロキサンをバルク流体及び/又は反応生成物と分離する場合、オルガノシロキサンを、組成物、例えば反応性組成物の成分として用いることができ、又は縮合反応における末端封止剤若しくは末端単位として用いることができ、例えば、上記言及した目標とするオルガノポリシロキサンなどのオルガノポリシロキサンを調製することができる。
バルク流体又は反応生成物を蒸留することで、オルガノシロキサンとその反応生成物とを分離することに関する条件は、本発明の方法によって調製されたオルガノシロキサンに基づいて変更することができる。例えば、下付符号nの値が3の場合、相当するオルガノシロキサンは、下付符号nの値が150に相当するオルガノシロキサンよりも、揮発性が高くなり、分子量が低くなる。
具体例として、nを1とし、各Rをメチルとする場合、オルガノシロキサンの式はMeSiOSiMeOHとなり、大気圧での沸点温度は約124.3℃である。この特定のオルガノシロキサンの沸点温度は、ヘキサメチルジシロキサン(MeSiOSiMe)とD(MeSiO2/2(それぞれの大気圧での沸点温度は、約100.5℃と135.1℃とである。)との間である。具体例として、nを2とし、各Rをメチルとする場合、オルガノシロキサンの式はMeSi(OSiMe)OSiMeOHとなり、大気圧での沸点温度は約173.8℃である。この特定のオルガノシロキサンの沸点温度は、MeSi(OSiMe)OSiMeとD(MeSiO2/2(それぞれの大気圧での沸点温度は、約152.5℃と175℃とである。)との間である。具体例として、nを3とし、各Rをメチルとする場合、オルガノシロキサンの式はMeSi(OSiMeOSiMeOHとなり、大気圧での沸点温度は約212.0℃である。この特定のオルガノシロキサンの沸点温度は、D(MeSiO2/2とMeSi(OSiMeOSiMe(それぞれの大気圧での沸点温度は、約211.0℃と230.0℃とである。)との間である。
オルガノシロキサンを反応生成物及び/又はバルク流体から分離後、オルガノシロキサン組成物を得る。オルガノシロキサン組成物が含むオルガノシロキサンの量は、オルガノシロキサン組成物の総重量に基づいて、少なくとも50重量%、あるいは少なくとも60重量%、あるいは少なくとも70重量%、あるいは少なくとも80重量%、あるいは少なくとも85重量%、あるいは少なくとも90重量%、あるいは少なくとも95重量%、あるいは少なくとも96重量%、あるいは少なくとも97重量%、あるいは少なくとも98重量%、あるいは少なくとも99重量%、あるいは少なくとも99.9重量%である。
上記導入記載のとおり、オルガノシロキサンは、オルガノポリシロキサンによる更なる縮合反応における使用に特によく適している。その目的のオルガノシロキサンが含まれるオルガノシロキサン組成物を用いる場合、不要の副生成物及び不活性化合物の存在が極小化され、このことは有利であり、オルガノポリシロキサンの調製に関連する更なる精製工程が減る。また、本発明の方法によって調製されたオルガノシロキサンの使用により、従来の末端封止プロセスにおいて生成された不要の副生成物が極小化又は除去され、これはオルガノシロキサンのそのような使用からの唯一の副生成物が水であることによる。
添付の特許請求の範囲は、詳細な説明に記述された明白で特定の化合物、組成物、又は方法に限定されず、化合物、組成物、又は方法は、添付の特許請求の範囲内にある特定の実施形態間で異なってもよいことを理解されたい。本明細書で様々な実施形態の具体的な特徴又は態様の記述が依拠している任意のマーカッシュ群に関して、異なる、特殊な及び/又は不測の結果が、全ての他のマーカッシュ群の要素から独立して、それぞれのマーカッシュ群の各要素から得られる場合がある。マーカッシュ群の各要素は、個別に及び/又は組み合わせて依拠されることがあり、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態に適切な根拠を提供する。
更に、本発明の様々な実施形態を説明する際に依拠される任意の範囲及び部分範囲は、独立して及び集合的に添付の特許請求の範囲内に入り、本明細書にその中の全部及び/又は一部の値が明記されていなくても、そのような値を包含する全範囲を説明及び想到するものと理解されたい。当業者は、列挙された範囲及び部分範囲が本発明の様々な実施形態を十分に記述しかつ可能にすること、並びにかかる範囲及び部分範囲が、関連する2分の1、3分の1、4分の1、5分の1等まで更に詳述されてよいことを容易に理解する。ほんの一例として、「0.1〜0.9」の範囲は、下の方の3分の1、すなわち、0.1〜0.3、中間の3分の1、すなわち、0.4〜0.6、及び上の方の3分の1、すなわち、0.7〜0.9に更に詳述でき、これらは、個別的かつ集合的に添付の特許請求の範囲内であり、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が個別的及び/又は集合的に依拠することがあり、適切な根拠を提供し得る。更に、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」、及び「以下」などの範囲を定義又は修飾する用語に関して、このような用語は、部分範囲及び/又は上限若しくは下限を含むことを理解されたい。別の例として、「少なくとも10」の範囲は、本質的に、少なくとも10〜35の部分範囲、少なくとも10〜25の部分範囲、25〜35の部分範囲等を含み、各部分範囲は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が個別的及び/又は集合的に依拠することがあり、適切な根拠を提供する。最後に、開示された範囲内の個々の数は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が依拠する場合があり、適切な根拠を提供し得る。例えば、「1〜9」の範囲は、様々な個々の整数、例えば、3、及び小数点(又は分数)を含む個別の数、例えば、4.1を含み、これは添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が依拠することがあり、適切な根拠を提供する。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図しており、決して本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
オルガノシロキサンを、本発明の方法に従って調製する。
実施例1
第1及び第2のシラン化合物が含まれる混合物を、反応容器内に入れる。第1のシラン化合物の一般式は、(CHSiClであり、第2のシラン化合物の一般式は、(CHSiClである。114.55gの第1のシラン化合物(0.89モル又は107.06mLに相当)及び65.03gの第2のシラン化合物(0.60モル又は75.62mLに相当)を用い、第1のシラン化合物:第2のシラン化合物のモル比を1.48とする。水を、反応容器内に入れ、水相の、混合物に対する重量/重量相率を2.86:1とする。これは514.36gの水に相当していた。水により混合物の第1及び第2のシラン化合物を加水分解し、水性の酸、HClを15重量%の濃度で容器内にて生成させる。水相/酸により混合物のシラン化合物を共加水分解し、オルガノシロキサンを調製する。反応容器の初期温度を20.5℃とし、加熱ジャケットによる設定点温度を55℃とする。
成分を反応容器内に入れた後、5分、30分、75分、及び120分の間隔を置いて、反応容器からサンプルを採取する。下記の表1に、これらの間隔を置いての、反応容器内に存在する各成分の相対(集計)量を挙げる。表1中の値は、反応容器内のSi含有分(すなわち、水性の酸を除く。)の総重量に基づく重量%であり、ガスクロマトグラフィにより測定されたものである。
Figure 2018533562
Cl末端封止された成分は、各末端にて末端封止Cl(すなわち、ケイ素結合塩素原子)を有するオルガノシロキサンである。
環式成分は、環式オルガノポリシロキサンであり、D、D、D、D、D、D、及びDに相当する。
OH末端封止された成分は、各末端にて末端封止OH(すなわち、ケイ素結合ヒドロキシル基)を有するオルガノシロキサンである。
部分的にCl末端封止された成分は、1つのみの末端にて末端封止Cl(すなわち、ケイ素結合塩素原子)を有し、他の末端がトリメチルシロキシ末端封止されているオルガノシロキサンである。
オルガノシロキサンの一般式は、(CHSiO((CHSiO)H[式中、nは、1〜200の整数である。]である。
PDMSは、ポリジメチルシロキサン(トリメチルシロキシ末端封止されたもの)である。
上記の表1において明らかにされたとおり、目的のオルガノシロキサンは、わずか5分後に20重量%より多くを構成していた。これは望ましい。オルガノシロキサンの含有量は経時的に減少し、これは名目上、オルガノシロキサンが互いに縮合し、トリメチルシロキシ末端封止されたポリジメチルシロキサンが生成することによる。更に、末端封止Clを有する成分は、方法全体にわたって極小化され、これもまた望ましい。反応容器の内容物は、オルガノシロキサンを含む反応生成物であり、蒸留してオルガノシロキサンを他の成分と分離することができる。
実施例2
実施例2においてもまた、実施例1からの混合物を、第1及び第2のシラン化合物を同じ質量及びモル比として用いる。実施例2の水性の酸は35.357重量%のHClを含み、水性の酸の、混合物に対する重量/重量相率が3.76:1となる量で用い、これは、水性の酸(HClの質量を計算に入れず。)中、515.42gの水に相当する。水性の酸を用い、混合物のシラン化合物を共加水分解し、オルガノシロキサンを調製する。反応容器の初期温度を20℃とし、加熱ジャケットによる設定点温度を60℃とする。
成分を反応容器内に入れた後、5分、35分、85分、及び120分の間隔を置いて、反応容器からサンプルを採取する。下記の表2に、これらの間隔を置いての、反応容器内に存在する各成分の相対(集計)量を挙げる。表2中の値は、反応容器内のSi含有分(すなわち、水性の酸を除く。)の総重量に基づく重量%である。
Figure 2018533562
上記の表2において明らかにされたとおり、水性の酸の濃度が高まることにより、部分的にCl末端封止されたオルガノシロキサン((CHSiO((CHSiO)n−1Si(CHCl)[式中、nは、1〜200である。]がより多く生成し、これを水により加水分解し、目的のオルガノシロキサン化合物を得ることができる。しかし、オルガノシロキサンの初期収率は、水性の酸のHClをin situで生成した実施例1にて得られたものより低い。実施例4に示すとおり、部分的にCl末端封止されたオルガノシロキサンは、より高濃度の水性の酸により生成されており、水により洗浄することで、オルガノシロキサンを得ること(すなわち、部分的なCl末端封止を加水分解することにより、シラノール基を得ること)ができる。
実施例3
実施例3においてもまた、実施例1からの混合物を、第1及び第2のシラン化合物を同じ質量及びモル比として用いる。実施例3の水性の酸は35.357重量%のHClを含み、水性の酸の、混合物に対する重量/重量相率が3.89:1となる量で用い、これは、水性の酸(HClの質量を計算に入れず。)中、512.23gの水に相当する。水性の酸を用い、混合物のシラン化合物を共加水分解し、オルガノシロキサンを調製する。反応容器の初期温度を20℃とし、加熱ジャケットによる設定点温度を60℃とする。
成分を反応容器内に入れた後、1分、3分、5分、及び10分の間隔を置いて、反応容器からサンプルを採取する。下記の表3に、これらの間隔を置いての、反応容器内に存在する各成分の相対(集計)量を挙げる。表3中の値は、反応容器内のSi含有分(すなわち、水性の酸を除く。)の総重量に基づく重量%である。
Figure 2018533562
上記の表3において明らかにされたとおり、実施例2と比較し、部分的にCl末端封止されたオルガノシロキサン((CHSiO((CHSiO)n−1Si(CHCl)[式中、nは、1〜200である。]の収率がはるかに高く、これを水により加水分解し、目的のオルガノシロキサン化合物を得ることができる。しかし、オルガノシロキサンの初期収率は、水性の酸のHClをin situで生成した実施例1にて得られたものより低い。実際には、実施例3において、好収率の部分的にCl末端封止されたオルガノシロキサンが、わずか1分後に得られた。実施例4に示すとおり、部分的にCl末端封止されたオルガノシロキサンは、より高濃度の水性の酸により生成されており、水により洗浄することで、オルガノシロキサンを得ること(すなわち、部分的なCl末端封止を加水分解することにより、シラノール基を得ること)ができる。
実施例4
実施例4においてもまた、実施例1からの混合物を、第1及び第2のシラン化合物を同じ質量及びモル比として用いる。実施例4の水性の酸は35.86重量%のHClを含み、水性の酸の、混合物に対する重量/重量相率が3.85:1となる量で用い、これは、水性の酸(HClの質量を計算に入れず。)中、519.04gの水に相当する。水性の酸を用い、混合物のシラン化合物を共加水分解し、オルガノシロキサンを調製する。反応容器の初期温度を20℃とし、加熱ジャケットによる設定点温度を60℃とする。
成分を反応容器内に入れて1分後、反応容器からサンプルを採取する。下記の表4に、この間隔を置いての、反応容器内に存在する各成分の相対(集計)量を挙げる。下記の表4中の値は、反応容器内のSi含有分(すなわち、水性の酸を除く。)の総重量に基づく重量%である。
更にまた、実施例4によっても少なくともいくらかの部分的にCl末端封止されたオルガノシロキサンが得られることから、サンプルのうちのいくらかを水と、サンプル:水の重量比を1:5として合わせ、加水分解された混合物を得る。加水分解された混合物を密封バイアル内で振盪し、部分的にCl末端封止されたオルガノシロキサンを加水分解し、オルガノシロキサンを得る。また、下記の表4に、密封バイアル内に存在する各成分の相対(集計)量を挙げており、項目名「洗浄」の欄において部分的にCl末端封止されたオルガノシロキサンからオルガノシロキサンを調製している。
Figure 2018533562
上記の表4において明らかにされたとおり、サンプルを水と合わせること(すなわち、サンプルを水により洗浄すること)により、オルガノシロキサンの相対重量%が0.442重量%から9.915重量%に高まり、他方、部分的にCl末端封止されたオルガノシロキサンの重量%が12.573重量%から0.144重量%に減少する。このように、非常に短い滞留時間とすることにより、部分的にCl末端封止されたオルガノシロキサンを調製することができ、水と合わせることでオルガノシロキサンを得ることができ、これを他の成分と分離することができる。
実施例5
実施例5においてもまた、実施例1からの混合物を用い、但し、第1のシラン化合物を121.292g(又は0.94モル)の量で用い、第2のシラン化合物を31.06g(又は0.29モル)の量で用い、第1のシラン化合物:第2のシラン化合物のモル比を3.24とする。用いる水の量を、水の、混合物に対する重量/重量相率が5.11:1となるようにし、これは、水性の酸(HClの質量を計算に入れず。)中、718.92gの水に相当する。水性の酸、HClが水からin situで生成され、混合物のシラン化合物を34重量%の濃度で共加水分解する。水性の酸を用い、混合物のシラン化合物を共加水分解し、オルガノシロキサンを調製する。反応容器の初期温度を20℃とし、加熱ジャケットによる設定点温度を55℃とする。
成分を反応容器内に入れた後、1分、2分、3分、4分、及び5分の間隔を置いて、反応容器からサンプルを採取する。下記の表5に、これらの間隔を置いての、反応容器内に存在する各成分の相対(集計)量を挙げる。表5中の値は、反応容器内のSi含有分(すなわち、水性の酸を除く。)の総重量に基づく重量%である。
Figure 2018533562
上記の表5において明らかにされたとおり、オルガノシロキサンを、わずか1分後、反応容器内にて優れた収率で調製し、収率はこの実施例においてわずか2分後に極大化した。これは望ましい。オルガノシロキサンを、素早く有利に調製することができ、それによりその製造に伴うエネルギーコストを低減することができ、任意に反応生成物中の他の成分から分離することができる。
本発明は、例示的な様式で説明されており、使用されている用語は限定目的よりも、むしろ説明のための言葉としての性質が意図されているものと理解されるべきである。明らかに本発明の多くの修正及び変更が上記教示から可能である。本発明は、具体的に記載した方法のとおり以外の方法でも実施され得る。

Claims (15)

  1. オルガノシロキサンを調製する方法であって、前記方法が、
    一般式RSiXの第1のシラン化合物及び一般式RSiRの第2のシラン化合物[式中、各Rは、独立してH及びヒドロカルビル基から選択され、各Xは、独立してハロゲン原子から選択され、RはX又はOSiRである。]を含む混合物、を水性の酸の存在下で共加水分解することにより、前記オルガノシロキサンを、反応生成物中で調製すること、並びに
    任意に、前記オルガノシロキサンを前記反応生成物から分離すること、を含み、
    前記オルガノシロキサンの一般式が、RSiO(RSiO)H[式中、nは、1〜200の整数である。]である、方法。
  2. 前記オルガノシロキサンを前記反応生成物から分離すること、を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記オルガノシロキサンを分離することが、前記反応生成物を蒸留することで、前記オルガノシロキサンと前記反応生成物とを別々にすること、を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記水性の酸が、前記水性の酸の総重量に基づいて、少なくとも20重量%の濃度で塩化水素酸を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 共加水分解することによりハロゲン化オルガノシロキサンを調製するものであり、前記方法が前記ハロゲン化オルガノシロキサンを水と合わせることで、前記ハロゲン化オルガノシロキサンから前記オルガノシロキサンを調製すること、を更に含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記水性の酸が、前記水性の酸の総重量に基づいて、20重量%未満の濃度で塩化水素酸を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  7. 0分より長く10分以下の期間にわたって実行する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 水を前記混合物と合わせるものであり、前記水性の酸を、前記水及び前記混合物からin situで発生させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 各RをC−Cのアルキル基とし、各XをClとする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記オルガノシロキサンの動粘度を、25℃にて1cSt〜500cStとする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記水性の酸を飽和塩化水素酸とし、共加水分解することにより無水塩化水素酸の気体を放出する、請求項1〜5及び請求項7〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記反応生成物が含む前記オルガノシロキサンの濃度を、前記反応生成物中に存在する全シロキサン化合物の総重量に基づいて、0重量%より高く40重量%までとする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 用いる前記水性の酸の、用いる前記第1及び第2のシラン化合物の総量に対する相率を、少なくとも1:1とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 0℃より高く前記水性の酸の沸点温度までの温度にて実行する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記第1及び第2のシラン化合物を、前記第1のシラン化合物の前記第2のシラン化合物に対するモル比を≧1:1として用いる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
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