JP2024073796A - マンコンベヤ、アンカープレート及びマンコンベヤの製造方法 - Google Patents

マンコンベヤ、アンカープレート及びマンコンベヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 アンカープレートの貫通孔の位置に合わせて、コンクリート躯体に開口が形成される場合に、鉄筋から外れた位置に開口が形成される可能性を高くすることができるマンコンベヤを提供する。【解決手段】 マンコンベヤは、アンカーボルトによって、コンクリート躯体の上面部に固定されるアンカープレートと、端部がアンカープレートに支持されるマンコンベヤ構造体と、を備え、アンカープレートは、一つのアンカーボルトによって固定されて且つ第1横方向に並べられる複数のアンカー固定部を備え、アンカー固定部は、アンカーボルトが挿通可能な複数の貫通孔を備え、複数の貫通孔は、第1貫通孔及び第2貫通孔を含み、第2貫通孔は、上下方向視にて、第1貫通孔から第1横方向へ延びる第1仮想線と、第1貫通孔から第2横方向へ延びる第2仮想線とから、離れて配置される。【選択図】 図6

Description

本出願は、マンコンベヤ、アンカープレート及びマンコンベヤの製造方法に関する。
従来、例えば、マンコンベヤは、躯体に打ち込められるアンカーボルトと、アンカーボルトによって、躯体に固定されるアンカープレートと、端部がアンカープレートに支持されるマンコンベヤ構造体とを備えている(例えば、特許文献1)。そして、アンカーボルトは、事前に躯体に打ち込められる場合もあれば、アンカープレートの貫通孔の位置に合わせて躯体に打ち込まれる場合もある。
ところで、アンカーボルトが、アンカープレートの貫通孔の位置に合わせて躯体に打ち込まれる場合に、例えば、ドリルやキリ等の工具によって、躯体にアンカーボルト用の開口が形成される。そして、躯体が、内部に鉄筋を埋設するコンクリート躯体である場合には、鉄筋が配置されている位置に、開口を形成することができないため、鉄筋から外れた位置に、開口を形成する必要がある。
特開2014-136609号公報
そこで、課題は、アンカープレートの貫通孔の位置に合わせて、コンクリート躯体に開口が形成される場合に、鉄筋から外れた位置に開口が形成される可能性を高くすることができるマンコンベヤ、アンカープレート及びマンコンベヤの製造方法を提供することである。
[1]
マンコンベヤは、第1横方向へ沿って延びる第1鉄筋と前記第1横方向と直交する第2横方向へ沿って延びる第2鉄筋とが上面部に埋設されるコンクリート躯体の、前記上面部に打ち込められ、前記第1横方向に並べられる複数のアンカーボルトと、前記アンカーボルトによって、前記コンクリート躯体の前記上面部に固定されるアンカープレートと、端部が前記アンカープレートに支持されるマンコンベヤ構造体と、を備え、前記アンカープレートは、一つの前記アンカーボルトによって固定されて且つ前記第1横方向に並べられる複数のアンカー固定部を備え、前記アンカー固定部は、前記アンカーボルトが挿通可能な複数の貫通孔を備え、前記複数の貫通孔は、第1貫通孔及び第2貫通孔を含み、前記第2貫通孔は、上下方向視にて、前記第1貫通孔から前記第1横方向へ延びる第1仮想線と、前記第1貫通孔から前記第2横方向へ延びる第2仮想線とから、離れて配置される
[2]
また、上記[1]のマンコンベヤにおいては、前記複数の貫通孔は、第3貫通孔及び第4貫通孔をさらに含み、前記第3貫通孔は、上下方向視にて、前記第2仮想線と、前記第2貫通孔から前記第1横方向へ延びる第3仮想線とから、離れて配置され、前記第4貫通孔は、上下方向視にて、前記第1仮想線と、前記第2貫通孔から前記第2横方向へ延びる第4仮想線とから、離れて配置される、という構成でもよい。
[3]
また、上記[2]のマンコンベヤにおいては、前記第3貫通孔は、上下方向視にて、前記第1仮想線と前記第4仮想線とが交差する位置に、配置され、前記第4貫通孔は、上下方向視にて、前記第2仮想線と前記第3仮想線とが交差する位置に、配置される、という構成でもよい。
[4]
また、上記[1]のマンコンベヤにおいては、前記複数の貫通孔は、第3貫通孔をさらに含み、前記第3貫通孔は、上下方向視にて、前記第1仮想線と、前記第2仮想線と、前記第2貫通孔から前記第1横方向へ延びる第3仮想線と、前記第2貫通孔から前記第2横方向へ延びる第4仮想線とから、それぞれ離れて配置される、という構成でもよい。
[5]
また、アンカープレートは、上記[1]~[4]の何れか一つのマンコンベヤに用いられる。
[6]
また、マンコンベヤの製造方法は、上記[1]~[4]の何れか一つのマンコンベヤの製造方法であって、前記アンカープレートの前記貫通孔の位置に対応して、前記コンクリート躯体の前記上面部に開口を形成する工程と、前記開口にアンカーボルトを打ち込む工程と、を含む。
一実施形態に係るマンコンベヤの正面図 同実施形態に係るマンコンベヤの要部正面図 鉄筋の配置の一例を示す斜視図 コンクリート躯体の一例を示す平面図 一実施形態に係るアンカープレートの平面図 図5のVI領域の拡大図 同実施形態に係る第1及び第2貫通孔と鉄筋との位置関係を説明する平面図 同実施形態に係る第1及び第2貫通孔と鉄筋との位置関係を説明する平面図 同実施形態に係る第1~第4貫通孔と鉄筋との位置関係を説明する平面図 同実施形態に係る第1~第4貫通孔と鉄筋との位置関係を説明する平面図 同実施形態に係るマンコンベヤの製造方法を説明する正面図であって、コンクリート躯体に開口が形成された状態を示す図 図11の状態から、アンカープレートがアンカーボルトによってコンクリート躯体に固定された状態を示す図 図12の状態から、マンコンベヤ構造体の端部がアンカープレートに支持された状態を示す図 他の実施形態に係るアンカープレートの要部平面図 同実施形態に係る第1~第3貫通孔と鉄筋との位置関係を説明する平面図 同実施形態に係る第1~第3貫通孔と鉄筋との位置関係を説明する平面図
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
以下、マンコンベヤ及びアンカープレートにおける一実施形態について、図1~図13を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、マンコンベヤ及びアンカープレートの構成等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤ及びアンカープレートの構成を限定するものではない。
図1に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、第2方向D2に離れるコンクリート躯体(以下、単に「躯体」ともいう)X1,X1に跨って設置されるマンコンベア構造体(以下、単に「構造体」ともいう)2と、人(乗客)を搬送する搬送部3と、搬送部3を第1方向D1で挟むように配置される一対(図1においては、一つのみ図示している)の欄干部4と、搬送部3及び欄干部4を駆動させる駆動部5と、装置全体を制御する処理部6とを備えていてもよい。
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向(「幅方向」ともいう)D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向(「前後方向」ともいう)D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
搬送部3は、例えば、本実施形態のように、駆動部5に駆動されることによって回転して走行する無端環状の走行部3aと、走行部3aに接続されることによって走行部3aと共に走行し、人が乗る踏面を有する複数のステップ3bとを備えていてもよい。特に限定されないが、走行部3aは、例えば、ローラチェーンとしてもよい。
また、例えば、走行部3aは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ3bは、一対の走行部3a,3aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ3bは、それぞれの走行部3aに対して第1横方向D1を軸にして回転可能に接続されていてもよい。
駆動部5は、例えば、本実施形態のように、ステップ3bが反転するように走行部3aが巻き掛けられて且つ第1横方向D1を軸にして回転する一対の回転部5a,5aと、回転部5aを回転させる駆動源5bとを備えていてもよい。特に限定されないが、回転部5aは、例えば、スプロケットとしてもよく、また、駆動源5bは、例えば、モータとしてもよい。
欄干部4は、例えば、回転して走行する無端環状の手摺ベルト4aと、手摺ベルト4aを支持する欄干本体部4bと、欄干本体部4bの下部を覆うカバー部4cとを備えていてもよい。なお、例えば、手摺ベルト4aが駆動部5の駆動によって走行し、手摺ベルト4aの走行は、ステップ3bの走行と同期してもよい。
構造体2は、例えば、本実施形態のように、各部3~6を支持する構造本体部2aと、構造本体部2aの第2横方向D2の端部にそれぞれ固定され、躯体X1に支持される支持部2bとを備えていてもよい。図2に示すように、構造本体部2aは、例えば、複数の枠材2c~2fを備えていてもよく、そして、例えば、トラス構造又はケタ構造としてもよい。
具体的には、構造本体部2aは、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2へ沿って延びる上枠材2c及び下枠材2dと、上下方向D3に沿って延び、上枠材2cと下枠材2dとを接続する縦枠材2eと、上下方向D3に対して傾斜する方向に沿って延びて上枠材2cと下枠材2dとを接続する斜枠材2fとを備えていてもよい。特に限定されないが、枠材2c~2fは、例えば、断面がL字状のアングル材、断面が矩形状の角材としてもよい。
マンコンベヤ1は、例えば、本実施形態のように、躯体X1の上面部X2に打ち込められるアンカーボルト7と、アンカーボルト7と螺合するナット8と、アンカーボルト7及びナット8によって、躯体X1の上面部X2に固定されるアンカープレート9とを備えていてもよい。特に限定されないが、躯体X1の上面部X2とは、例えば、躯体X1の上面から下方へ150mmまでの部分をいう。
特に限定されないが、アンカーボルト7及びナット8は、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1に複数(図2においては、一つずつのみ図示している)並べられていてもよい。また、構造体2の端部の支持部2bは、例えば、本実施形態のように、アンカープレート9に載置されていてもよい。これにより、構造体2の支持部2bが、アンカープレート9に支持され、その結果、構造体2の支持部2bは、躯体X1に支持されている。
ところで、図3に示すように、躯体X1は、例えば、コンクリートの内部に、鉄筋X3,X4を備えている。具体的には、柱及び梁を構成する躯体X1は、例えば、直線状に配置される複数の主筋X3と、複数の主筋X3を囲うように配置される帯筋X4とを備えており、また、図示していないがスラブ(床)を構成する躯体は、例えば、互いに直交するように延びる複数の鉄筋を備えている。
これにより、図4に示すように、アンカープレート9が固定される躯体X1の上面部X2には、第1横方向D1へ沿って(例えば、第1横方向D1に対する角度が15°以内で)延びる複数の第1鉄筋X5と、第2横方向D2へ沿って(例えば、第2横方向D2に対する角度が15°以内で)延びる複数の第2鉄筋X6とが、埋設されている。
図5に示すように、アンカープレート9は、例えば、一つのアンカーボルト7及びナット8(図2参照)によって固定されるアンカー固定部10を備えていてもよい。アンカー固定部10は、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1に複数並べられていてもよい。具体的には、アンカー固定部10の個数は、例えば、アンカーボルト7の個数と同じであり、例えば、本実施形態のように、4つとしてもよい。
図6に示すように、アンカー固定部10は、例えば、アンカーボルト7が挿通可能な円形状の貫通孔11~14を四つ備えていてもよい。具体的には、アンカー固定部10は、例えば、本実施形態のように、アンカーボルト7が挿通可能な円形状の第1~第4貫通孔11~14のみで構成されていてもよい。各貫通孔11~14の直径は、アンカーボルト7が挿通可能な大きさであればよく、特に限定されないが、例えば、15mm~30mmとしてもよく、また、例えば、18mm~25mmとしてもよい。
第2貫通孔12は、例えば、本実施形態のように、上下方向D3視にて、第1仮想線L1と第2仮想線L2とから、離れて配置されていてもよい。第3貫通孔13は、上下方向D3視にて、第2仮想線L2と第3仮想線L3とから、離れて配置されていてもよい。第4貫通孔14は、上下方向D3視にて、第1仮想線L1と第4仮想線L4とから、離れて配置されていてもよい。
なお、第1仮想線L1とは、第1貫通孔11の中心から第1横方向D1へ延びる仮想線のことであり、第2仮想線L2とは、第1貫通孔11の中心から第2横方向D2へ延びる仮想線のことであり、第3仮想線L3とは、第2貫通孔12の中心から第1横方向D1へ延びる仮想線のことであり、第4仮想線L4とは、第2貫通孔12の中心から第2横方向D2へ延びる仮想線のことである。
また、第3貫通孔13は、例えば、本実施形態のように、上下方向D3視にて、第1仮想線L1と第4仮想線L4とが交差する位置に、配置されていてもよい。そして、第4貫通孔14は、例えば、本実施形態のように、上下方向D3視にて、第2仮想線L2と第3仮想線L3とが交差する位置に、配置されていてもよい。
これにより、例えば、アンカー固定部10の各横方向D1,D2の外幅寸法が大きくなることを抑制することができ、また、例えば、各貫通孔11~14間の距離を大きくすることができることによって、アンカー固定部10の強度が小さくなることを抑制することができる。
特に限定されないが、第1及び第3貫通孔11,13間の距離W1と、第1及び第4貫通孔11,14間の距離W2と、第2及び第3貫通孔12,13間の距離W3と、第2及び第4貫通孔12,14間の距離W4とは、それぞれ同じ(完全に同じだけでなく、±5mmの相違を有する略同じも含む)であってもよい。なお、当該距離W1~W4は、例えば、鉄筋X5,X6の直径よりも大きくてもよく、特に限定されないが、例えば、20mm~50mmとしてもよく、また、例えば、25mm~40mmとしてもよい。
ここで、本実施形態に係る第1及び第2貫通孔11,12の位置と鉄筋X5,X6の位置とについて、図7及び図8を参照しながら説明する。
例えば、第1貫通孔11の位置に鉄筋X5,X6が配置されており、第1貫通孔11の位置に合わせて、躯体X1に開口を形成することができない場合がある。斯かる場合には、図7に示すように、当該鉄筋X5は、第1横方向D1へ沿って延びる第1鉄筋X5であるか、又は、図8に示すように、当該鉄筋X6は、第2横方向D2へ沿って延びる第2鉄筋X6である。
それに対して、図7に示すように、第2貫通孔12は、第1仮想線L1から離れて配置されており、また、図8に示すように、第2貫通孔12は、第2仮想線L2から離れて配置されている。これにより、第2貫通孔12の位置に合わせて、躯体X1に開口が形成されることによって、当該鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口が形成される。
次に、本実施形態に係る第1~第4貫通孔11~14の位置と鉄筋X5,X6の位置とについて、図9及び図10を参照しながら説明する。
例えば、第1貫通孔11の位置に鉄筋X5,X6が配置されており、第1貫通孔11の位置に合わせて、躯体X1に開口を形成することができず、しかも、第2貫通孔12の位置に鉄筋X5,X6が配置されており、第2貫通孔12の位置に合わせて、躯体X1に開口を形成することができない場合もある。斯かる場合には、一方の鉄筋X5は、第1鉄筋X5であり、他方の鉄筋X6は、第2鉄筋X6である可能性が高い。
具体的には、例えば、図9に示すように、第1貫通孔11の位置に、第2鉄筋X6が配置されており、且つ、第2貫通孔12の位置に、第1鉄筋X5が配置されている場合が考えられる。それに対して、第3貫通孔13は、第2仮想線L2と第3仮想線L3とから、離れて配置されている。
これにより、第3貫通孔13の位置に合わせて、躯体X1に開口が形成されることによって、当該鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口が形成される。なお、このとき、第4貫通孔14の位置には、第1及び第2鉄筋X5,X6が配置されている。
また、例えば、図10に示すように、第1貫通孔11の位置に、第1鉄筋X5が配置されており、且つ、第2貫通孔12の位置に、第2鉄筋X6が配置されている場合が考えられる。それに対して、第4貫通孔14は、第1仮想線L1と第4仮想線L4とから、離れて配置されている。
これにより、第4貫通孔14の位置に合わせて、躯体X1に開口が形成されることによって、当該鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口が形成される。なお、このとき、第3貫通孔13の位置には、第1及び第2鉄筋X5,X6が配置されている。
このように、第1及び第2貫通孔11,12の位置に、鉄筋X5,X6が配置されており、第1及び第2貫通孔11,12の位置に合わせて、躯体X1に開口を形成することができない場合でも、第3及び第4貫通孔13,14の一方に合わせて、躯体X1に開口が形成されることによって、第1及び第2鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口が形成される。
したがって、アンカープレート9の貫通孔11~14の位置に合わせて、躯体X1に開口が形成される場合に、鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口が形成される可能性を高くすることができる。なお、第3及び第4貫通孔13,14の一方の位置には、第1及び第2鉄筋X5,X6が配置されている。
本実施形態に係るマンコンベヤ1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るマンコンベヤ1の製造方法について、図11~図13を参照しながら説明する。なお、以下の方法は、マンコンベヤ1の製造方法等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤ1の製造方法を限定するものではない
図11に示すように、アンカープレート9が、躯体X1の上面部X2に載せられる。そして、ドリルやキリ等の工具によって、貫通孔11~14の位置に合わせて、躯体X1の上面部X2に開口X7が形成される(開口形成工程)。このとき、一つのアンカー固定部10に対して、鉄筋X5,X6から外れた位置に一つの開口X7が形成されるまで、開口X7が形成され続ける。
なお、例えば、アンカープレート9が躯体X1に載せられた状態で、躯体X1に開口X7が形成されてもよく、また、例えば、アンカープレート9が躯体X1に載せられた状態で、躯体X1にマーキングが行われ、その後、アンカープレート9が躯体X1から外された状態で、躯体X1に開口X7が形成されてもよい。
そして、図7~図10を参照しながら説明したように、第1~第4貫通孔11~14の位置に合わせて、躯体X1に開口X7が形成される場合には、鉄筋X5,X6から外れた位置に、少なくとも一つの開口X7を形成する可能性が高い。なお、万が一、全ての貫通孔11~14の位置に、鉄筋X5,X6が配置されていた場合には、アンカープレート9に貫通孔が追加で形成され、当該貫通孔の位置に合わせて躯体X1に開口X7が形成される。
その後、図12に示すように、鉄筋X5,X6から外れた位置に形成された開口X7に、アンカーボルト7が打ち込まれる(ボルト打込工程)。そして、ナット8がアンカーボルト7に螺合される。これにより、アンカーボルト7及びナット8によって、アンカープレート9が躯体X1の上面部X2に固定される(プレート固定工程)。
そして、図13に示すように、構造体2の端部の支持部2bが、アンカープレート9に載せられることによって、アンカープレート9は、構造体2の支持部2bを支持する。なお、例えば、構造体2の一対の支持部2bのうち、一方は、溶接や固定具によって、アンカープレート9に不動に固定されてもよい。また、例えば、構造体2の一対の支持部2bのうち、少なくとも一方は、アンカープレート9にスライド可能であってもよい。
以上より、マンコンベヤ1は、本実施形態のように、第1横方向D1へ沿って延びる第1鉄筋X5と前記第1横方向D1と直交する第2横方向D2へ沿って延びる第2鉄筋X6とが上面部X2に埋設されるコンクリート躯体X1の、前記上面部X2に打ち込められ、前記第1横方向D1に並べられる複数のアンカーボルト7と、前記アンカーボルト7によって、前記コンクリート躯体X1の前記上面部X2に固定されるアンカープレート9と、端部が前記アンカープレート9に支持されるマンコンベヤ構造体2と、を備え、前記アンカープレート9は、一つの前記アンカーボルト7によって固定されて且つ前記第1横方向D1に並べられる複数のアンカー固定部10を備え、前記アンカー固定部10は、前記アンカーボルト7が挿通可能な複数の貫通孔11~14を備え、前記複数の貫通孔11~14は、第1貫通孔11及び第2貫通孔12を含み、前記第2貫通孔12は、上下方向D3視にて、前記第1貫通孔11から前記第1横方向D1へ延びる第1仮想線L1と、前記第1貫通孔11から前記第2横方向D2へ延びる第2仮想線L2とから、離れて配置される、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、第1貫通孔11の位置に、鉄筋X5,X6が配置されている場合に、当該鉄筋X5,X6は、上下方向D3視にて、第1貫通孔11から第1横方向D1又は第2横方向D2へ沿って延びている。
これにより、第2貫通孔12の位置に合わせて、コンクリート躯体X1に開口X7が形成されることによって、当該鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口X7が形成される。したがって、アンカープレート9の貫通孔11,12の位置に合わせて、コンクリート躯体X1に開口X7が形成される場合に、鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口X7が形成される可能性を高くすることができる。
また、マンコンベヤ1においては、本実施形態のように、前記複数の貫通孔11~14は、第3貫通孔13及び第4貫通孔14をさらに含み、前記第3貫通孔13は、上下方向D3視にて、前記第2仮想線L2と、前記第2貫通孔12から前記第1横方向D1へ延びる第3仮想線L3とから、離れて配置され、前記第4貫通孔14は、上下方向D3視にて、前記第1仮想線L1と、前記第2貫通孔12から前記第2横方向D2へ延びる第4仮想線L4とから、離れて配置される、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、第1及び第2貫通孔11,12の位置に、鉄筋X5,X6が配置されており、第1及び第2貫通孔11,12の位置に合わせて、コンクリート躯体X1に開口を形成することができない場合がある。このとき、一方の貫通孔11(12)の位置に配置される鉄筋X5は、第1横方向D1へ沿って延びる第1鉄筋X5であり、他方の貫通孔12(11)の位置に配置される鉄筋X6は、第2横方向D2へ沿って延びる第2鉄筋X6である可能性が高い。
これにより、例えば、第1鉄筋X5が第2貫通孔12の位置に配置され、第2鉄筋X6が第1貫通孔11の位置に配置されている場合には、第3貫通孔13の位置に合わせて、コンクリート躯体X1に開口X7が形成されることによって、当該第1及び第2鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口X7が形成される。
また、例えば、第1鉄筋X5が第1貫通孔11の位置に配置され、第2鉄筋X6が第2貫通孔12の位置に配置されている場合には、第4貫通孔14の位置に合わせて、コンクリート躯体X1に開口X7が形成されることによって、当該第1及び第2鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口X7が形成される。
したがって、アンカープレート9の貫通孔11~14の位置に合わせて、コンクリート躯体X1に開口X7が形成される場合に、鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口X7が形成される可能性をさらに高くすることができる。
また、マンコンベヤ1においては、本実施形態のように、前記第3貫通孔13は、上下方向D3視にて、前記第1仮想線L1と前記第4仮想線L4とが交差する位置に、配置され、前記第4貫通孔14は、上下方向D3視にて、前記第2仮想線L2と前記第3仮想線L3とが交差する位置に、配置される、という構成でもよい。
斯かる構成によれば、例えば、アンカー固定部10の各横方向D1,D2の外幅寸法が大きくなることを抑制することができ、しかも、例えば、各貫通孔11~14間の距離を大きくすることができることによって、アンカー固定部10の強度が小さくなることを抑制することができる。
また、アンカープレート9は、本実施形態のように、前記のマンコンベヤ1に用いられる、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、アンカープレート9の貫通孔11~14の位置に合わせて、コンクリート躯体X1に開口X7が形成される場合に、鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口X7が形成される可能性を高くすることができる。
また、マンコンベヤ1の製造方法は、本実施形態のように、前記のマンコンベヤ1の製造方法であって、前記アンカープレート9の前記貫通孔11~14の位置に対応して、前記コンクリート躯体X1の前記上面部X2に開口X7を形成する工程と、前記開口X7にアンカーボルト7を打ち込む工程と、を含む、という方法が好ましい。
斯かる方法によれば、アンカープレート9の貫通孔11~14の位置に合わせて、コンクリート躯体X1に開口X7が形成される場合に、鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口X7が形成される可能性を高くすることができる。
なお、マンコンベヤ1、アンカープレート9及びマンコンベヤ1の製造方法は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1、アンカープレート9及びマンコンベヤ1の製造方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
(A)上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、アンカー固定部10は、第1~第4貫通孔11~14のみで構成される、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、アンカー固定部10は、二つ又は五つ以上の貫通孔で構成される、という構成でもよい。また、例えば、図14~図16に示すように、アンカー固定部10は、第1~第3貫通孔11~13のみで構成される、という構成でもよい。
そして、図14に示すように、例えば、マンコンベヤ1においては、前記複数の貫通孔11~13は、第3貫通孔13をさらに含み、前記第3貫通孔13は、上下方向D3視にて、前記第1仮想線L1と、前記第2仮想線L2と、前記第2貫通孔12から前記第1横方向D1へ延びる第3仮想線L3と、前記第2貫通孔12から前記第2横方向D2へ延びる第4仮想線L4とから、それぞれ離れて配置される、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、第1及び第2貫通孔11,12の位置に、鉄筋X5,X6が配置されており、第1及び第2貫通孔11,12の位置に合わせて、コンクリート躯体X1に開口を形成することができない場合がある。このとき、一方の貫通孔11(12)の位置に配置される鉄筋X5は、第1横方向D1へ沿って延びる第1鉄筋X5であり、他方の貫通孔12(11)の位置に配置される鉄筋X6は、第2横方向D2へ沿って延びる第2鉄筋X6である可能性が高い。
これにより、例えば、図15に示すように、第1鉄筋X5が第2貫通孔12の位置に配置され、第2鉄筋X6が第1貫通孔11の位置に配置されている場合でも、また、例えば、図16に示すように、第1鉄筋X5が第1貫通孔11の位置に配置され、第2鉄筋X6が第2貫通孔12の位置に配置されている場合でも、第3貫通孔13の位置に合わせて、コンクリート躯体X1に開口X7が形成されることによって、当該第1及び第2鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口X7が形成される。
したがって、アンカープレート9の貫通孔11~13の位置に合わせて、コンクリート躯体X1に開口X7が形成される場合に、鉄筋X5,X6から外れた位置に、開口X7が形成される可能性をさらに高くすることができる。
(B)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、各貫通孔11~14は、円形状(具体的には、真円形状)に形成されており、全て同じ形状に形成されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
各貫通孔11~14は、例えば、多角形状に形成されていてもよく、また、例えば、楕円形状に形成されていてもよく、また、例えば、長孔状に形成されていてもよい。また、各貫通孔11~14は、例えば、少なくとも一つの他の貫通孔11~14と、異なる形状に形成されていてもよい。
(C)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第3貫通孔13は、上下方向D3視にて、第2仮想線L2と第3仮想線L3とから、離れて配置されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第3貫通孔13は、上下方向D3視にて、第2仮想線L2及び第3仮想線L3のうち、一方のみから離れて且つ他方と交差するように、配置されている、という構成でもよい。
(D)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第3貫通孔13は、上下方向D3視にて、第1仮想線L1と第4仮想線L4とが交差する位置に、配置されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第3貫通孔13は、上下方向D3視にて、第1仮想線L1及び第4仮想線L4のうち、一方のみと交差し且つ他方から離れるように、配置されている、という構成でもよい。
(E)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第4貫通孔14は、上下方向D3視にて、第1仮想線L1と第4仮想線L4とから、離れて配置されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第4貫通孔14は、上下方向D3視にて、第1仮想線L1及び第4仮想線L4のうち、一方のみから離れて且つ他方と交差するように、配置されている、という構成でもよい。
(F)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第4貫通孔14は、上下方向D3視にて、第2仮想線L2と第3仮想線L3とが交差する位置に、配置されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第4貫通孔14は、上下方向D3視にて、第2仮想線L2及び第3仮想線L3のうち、一方のみと交差し且つ他方から離れるように、配置されている、という構成でもよい。
(G)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法及び装置における動作、手順、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
1…マンコンベヤ、2…マンコンベヤ構造体、2a…構造本体部、2b…支持部、2c…上枠材、2d…下枠材、2e…縦枠材、2f…斜枠材、3…搬送部、3a…走行部、3b…ステップ、4…欄干部、4a…手摺ベルト、4b…欄干本体部、4c…カバー部、5…駆動部、5a…回転部、5b…駆動源、6…処理部、7…アンカーボルト、8…ナット、9…アンカープレート、10…アンカー固定部、11…第1貫通孔、12…第2貫通孔、13…第3貫通孔、14…第4貫通孔、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、L1…第1仮想線、L2…第2仮想線、L3…第3仮想線、L4…第4仮想線、X1…コンクリート躯体、X2…上面部、X3…主筋、X4…帯筋、X5…第1鉄筋、X6…第2鉄筋、X7…開口

Claims (6)

  1. 第1横方向へ沿って延びる第1鉄筋と前記第1横方向と直交する第2横方向へ沿って延びる第2鉄筋とが上面部に埋設されるコンクリート躯体の、前記上面部に打ち込められ、前記第1横方向に並べられる複数のアンカーボルトと、
    前記アンカーボルトによって、前記コンクリート躯体の前記上面部に固定されるアンカープレートと、
    端部が前記アンカープレートに支持されるマンコンベヤ構造体と、を備え、
    前記アンカープレートは、一つの前記アンカーボルトによって固定されて且つ前記第1横方向に並べられる複数のアンカー固定部を備え、
    前記アンカー固定部は、前記アンカーボルトが挿通可能な複数の貫通孔を備え、
    前記複数の貫通孔は、第1貫通孔及び第2貫通孔を含み、
    前記第2貫通孔は、上下方向視にて、前記第1貫通孔から前記第1横方向へ延びる第1仮想線と、前記第1貫通孔から前記第2横方向へ延びる第2仮想線とから、離れて配置される、マンコンベヤ。
  2. 前記複数の貫通孔は、第3貫通孔及び第4貫通孔をさらに含み、
    前記第3貫通孔は、上下方向視にて、前記第2仮想線と、前記第2貫通孔から前記第1横方向へ延びる第3仮想線とから、離れて配置され、
    前記第4貫通孔は、上下方向視にて、前記第1仮想線と、前記第2貫通孔から前記第2横方向へ延びる第4仮想線とから、離れて配置される、請求項1に記載のマンコンベヤ。
  3. 前記第3貫通孔は、上下方向視にて、前記第1仮想線と前記第4仮想線とが交差する位置に、配置され、
    前記第4貫通孔は、上下方向視にて、前記第2仮想線と前記第3仮想線とが交差する位置に、配置される、請求項2に記載のマンコンベヤ。
  4. 前記複数の貫通孔は、第3貫通孔をさらに含み、
    前記第3貫通孔は、上下方向視にて、前記第1仮想線と、前記第2仮想線と、前記第2貫通孔から前記第1横方向へ延びる第3仮想線と、前記第2貫通孔から前記第2横方向へ延びる第4仮想線とから、それぞれ離れて配置される、請求項1に記載のマンコンベヤ。
  5. 請求項1~4の何れか1項に記載のマンコンベヤに用いられる、アンカープレート。
  6. 請求項1~4の何れか1項に記載のマンコンベヤの製造方法であって、
    前記アンカープレートの前記貫通孔の位置に対応して、前記コンクリート躯体の前記上面部に開口を形成する工程と、
    前記開口にアンカーボルトを打ち込む工程と、を含む、マンコンベヤの製造方法。
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