JP2024046255A - ロータリードレッサ - Google Patents

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Keiichi Tomioka
聡人 行▲徳▼
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Abstract

【課題】ドレス時の抵抗が少なく、切れ味のバラツキが少なく、安定したドレスを行うことができるロータリードレッサを提供する。【解決手段】円板状の台金10の外周面10aにフランジ状に突設された環状の裏打ち層30と、裏打ち層30の回転面上に形成された環状の砥粒層20を有するドレス部50を備えたロータリードレッサ100であって、砥粒層20は、めっきにより固着されたダイヤモンド砥粒を含む砥粒部23と、砥粒層20の外周から内側に向かって延びるように形成されている溝24とを有し、溝24の幅が、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の1/4以上、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の18倍以下である、ロータリードレッサ100。【選択図】図1

Description

本発明は、一般砥石やCBN砥石などのドレスを行うために使用するロータリードレッサに関する。
ロータリードレッサについては、従来、様々な形状、機能を有するものが提案されているが、本発明に関連するものとして、例えば、特許文献1に記載された「ロータリードレッサ」がある。この「ロータリードレッサ」は、ダイヤモンド砥粒と無機物粒子を混合して母型内周面に充填し、電気メッキによって母型内周面に一層分を仮固定したのち余剰のダイヤモンド砥粒と無機物粒子を除去し、さらに電気メッキにより電鋳してダイヤモンド砥粒と無機物粒子を固着し、鉄芯金を母型中央部に固定し、母型を除去してなることを特徴とするものである。
前記「ロータリードレッサ」は、ダイヤモンド砥粒の集中度を任意に調整することができ、ダイヤモンド砥粒間隔を広げているので、研削砥石への切り込みがかかりやすく、ドレッシングの際の抵抗が減少し、砥石表面においても砥粒の間隔が広がり、被削材との間の研削抵抗が減少し、良好な研削を行うことができる、という長所を有している。
特開平8-174429号公報
特許文献1にされたロータリードレッサは、前述したような長所を有する反面、ドレッシング使用面における砥粒の分布状態にムラがあることや使用代方向に対して砥粒の耐摩耗方向が揃っていないことなどにより、切れ味にバラつきが生じ、ドレスされた砥石の表面状態が安定せず、ドレスされた砥石で切削された被削材の形状や表面粗さに不具合が発生することが多い。
一方で、ドレッサ表面の砥粒数を増やすと、接触面積が増えドレス時の抵抗が上がってしまう傾向にある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ドレス時の抵抗が少なく、切れ味のバラツキが少なく、安定したドレスを行うことができるロータリードレッサを提供することにある。
本発明に係る第1のロータリードレッサは、砥粒層が設けられる被固着部と、めっきにより固着されたダイヤモンド砥粒を含む砥粒部および溝を含む溝部を有する前記砥粒層と、を有するドレス部を備えたロータリードレッサであり、前記溝の幅が、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の1/4以上、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の18倍以下であり、前記被固着部が、円板状部を有する台金の外周面にフランジ状に突設された環状の裏打ち層であり、前記砥粒層が、前記裏打ち層の回転面上に形成された環状の砥粒層であり、前記溝が、前記砥粒層の外周から内側に向かって延びるように形成されている。
また、本発明に係る第2のロータリードレッサは、砥粒層が設けられる被固着部と、めっきにより固着されたダイヤモンド砥粒を含む砥粒部および溝を含む溝部を有する前記砥粒層と、を有するドレス部を備えたロータリードレッサであり、前記溝の幅が、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の1/4以上、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の18倍以下であり、前記被固着部が、円筒状部を有する台金と同一の軸心を有し、前記台金の軸方向の一方に突出した円筒状の突出部であり、前記砥粒層が、前記突出部の外周面上に形成された円筒状の砥粒層であり、前記溝が、作用面から台金側に向かって延びるように形成されている。
前記第1のロータリードレッサや前記第2のロータリードレッサのような構成とすることで、ダイヤモンド砥粒数を密に配置させた場合にも、ドレス時の抵抗の増加を抑制できる。これにより、ドレス時の抵抗を低減させ、かつ、切れ味のバラつきが少ない安定したドレスを行うことができる。
第1のロータリードレッサおよび第2のロータリードレッサは、前記砥粒層の作用面の前記溝部を除いた領域の面積に対する前記ダイヤモンド砥粒の露出面積(投影面積)の合計が、7面積%以上71面積%以下であることが好ましい。
このように、砥粒部におけるダイヤモンド砥粒を密にすることで、より切れ味のバラつきが少なく、ドレス部の表面状態を安定させることができる。
第1のロータリードレッサおよび第2のロータリードレッサは、使用代部分において、前記砥粒層の軸方向の最表面の層の前記溝部を除いて隣接する前記ダイヤモンド砥粒の砥粒間距離を求めたとき、その90%以上の砥粒間距離が、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の2/3倍以上であり、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の3倍以下であり、使用代部分において、前記砥粒層の法線方向の最表面の層の前記溝部を除いて隣接する前記ダイヤモンド砥粒の砥粒間距離を求めたとき、その90%以上の砥粒間距離が、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の2/3倍以上であり、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の3倍以下であることが好ましい。
このような砥粒間距離の構成とすることで、使用代の最後まで、切れ味のバラつきを抑え、ドレス部の表面状態を安定に保ちながら、ドレッシングすることができる。
第1のロータリードレッサおよび第2のロータリードレッサは、前記砥粒層において、前記溝部を除く外周面に沿って存在できるダイヤモンド砥粒の理論数をXとし、前記溝部を除く外周面に沿って存在するダイヤモンド砥粒の数をNとすると、0.6×X≦N≦Xであることが好ましい。
このように、砥粒部におけるダイヤモンド砥粒を密にすることで、より切れ味のバラつきが少なく、ドレス部の表面状態を安定させることができる。
第1のロータリードレッサおよび第2のロータリードレッサは、前記溝が、前記砥粒層の外周の接線方向に前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径以上の間隔を置いて設けられており、前記溝の前記砥粒層の作用面に対して垂直な方向の長さが、前記砥粒層の前記作用面に対して垂直な方向の長さの0.7倍以上であることが好ましい。
このように溝が形成されていることで、ドレス抵抗のさらなる低減と、より効率的な砥石側砥粒切刃の形成が可能である。
第1のロータリードレッサおよび第2のロータリードレッサは、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径が、70μm以上1000μm以下であり、前記ダイヤモンド砥粒の形状が、六・八面体形状および/または切頭八面体形状であることが好ましい。
このような形状のダイヤモンド砥粒は、砥粒層内にダイヤモンド砥粒が密に配列しやすいため好ましい。
第1のロータリードレッサおよび第2のロータリードレッサは、前記被固着部が、0.1mm以上2.0mm以下であり、前記ロータリードレッサの外径が、10mm以上300mm以下であることが好ましい。
また、第1のロータリードレッサは、前記溝は、平行な一対の側面と前記裏打ち層の前記回転面に平行な底面を有し、前記溝が、前記砥粒層の外周から前記台金の軸心を結ぶ線に沿って形成されているか、または、前記砥粒層の外周から前記台金の軸心を結ぶ線に対して傾斜して形成されていることが好ましい。
このような溝の構成とすることで、切粉の排出性が向上する。
また、第2のロータリードレッサは、前記溝は、平行な一対の側面と前記突出部の前記外周面に平行な底面を有し、前記溝が、前記軸心と平行な方向またはねじれの方向に延びるように形成されていることが好ましい。
このような溝の構成とすることで、切粉の排出性が向上する。
本発明により、ドレス時の抵抗が少なく、切れ味のバラツキが少なく、安定したドレスを行うことができるロータリードレッサを提供することができる。
本発明の実施形態である第1のロータリードレッサを示す一部省略斜視図である。 図1中の矢線X方向から見た第1のロータリードレッサの一部省略正面図である。 図2中のY-Y線における断面の一部省略断面図である。 第1のロータリードレッサのドレス部の外周面を簡略化して示す模式図である。 第1のロータリードレッサのドレス部の外周面を簡略化して示す模式図である。 図2の一部を簡略化して示す拡大模式図である。 隣接するダイヤモンド砥粒の砥粒間距離を説明するための図である。 本発明のその他の実施形態である第1のロータリードレッサの一部省略正面図である。 本発明のその他の実施形態である第1のロータリードレッサの一部を簡略化して示す模式図である。 本発明のその他の実施形態である第1のロータリードレッサの一部を簡略化して示す模式図である。 本発明のその他の実施形態である第2のロータリードレッサを示す一部省略斜視図である。 図11の第2のロータリードレッサの一部省略平面図である。 図11の第2のロータリードレッサの一部省略正面図である。 図12中のY2-Y2線における断面の一部省略端面図である。る。 第2のロータリードレッサのドレス部の作用面を簡略化して示す模式図である。 ロータリードレッサを使用して砥石をドレスしている状態を示す模式図である。 ロータリードレッサによりドレスされた砥石で被削材を研削している状態を示す模式図である。 図17に示す研削作業における被削材の研削過程を示す模式図である。
以下、図1~図15に基づいて、本発明の実施形態であるロータリードレッサ100~102,200について説明する。なお、後述するロータリードレッサ100~102,200は、本発明に係るロータリードレッサを例示するものであり、本発明に係るロータリードレッサは、これらのロータリードレッサ100~102,200に限定されない。また、ロータリードレッサ100~102,200において共通する部分については同符号を付して説明を省略する。
また、本願においては、図1,図11に示すように、ドレス部の外周面(砥粒層の外周面)の法線方向(単に、「法線方向」と記載する場合もある。)を矢印aの方向とする。ドレス部の外周(砥粒層の外周)の接線方向(単に、「接線方向」と記載する場合もある。)を矢印bの方向とする。台金の軸心方向(単に、「軸方向」と記載する場合もある。)を矢印cの方向とする。
まず、本発明の第1のロータリードレッサについて、ロータリードレッサ100~102を例として説明する。本発明の第1のロータリードレッサは、ドレス部の外周面が作用面となり、台金を回転させながら、ドレス部の外周面(作用面)をドレッシング対象(砥石)に押し当てて、ドレッシングするものである。また、ダイヤモンド砥粒の積層方向は軸方向である。
<実施形態1>
図1~図7に示すロータリードレッサ100は、円板状の台金10の外周面10aにフランジ状に突設された環状の裏打ち層30と、裏打ち層30の回転面30b上に形成された環状の砥粒層20を有する環状のドレス部50を備える(図1,図3参照)。ロータリードレッサ100の外径(D)(軸方向(矢印cの方向)から見たときの径、図2参照)は、10mm以上300mm以下である。
[ドレス部]
ドレス部50は、軸方向から見たとき環状である。軸方向から見たとき、ドレス部50の外周から内周を引いた長さ(L50)(図2参照)は、1~14mmであるが、これに限定されるものではない。なお、ロータリードレッサ100の使用代は、ドレス部50の外周から法線方向に5/7程度である。
また、ドレス部50の厚みは、0.45~3.00mmである。砥粒をめっきにより固着するため、本発明では、ドレス部50を、1.00mm未満(0.45~0.98mmなど)の薄層とすることも可能である。
[裏打ち層]
裏打ち層30は、円板状の台金10の外周面10aにフランジ状に突設された部分であり、台金10と一体成形されている。裏打ち層30の厚み(T3)は、ドレス部の態様等に応じて決定されるが、0.1mm~2.0mmである(図5参照)。裏打ち層30の厚みが厚いと切れ味が低下する傾向にある。仕様によって、裏打ち層30の厚みは、0.1mm以上や、1mm以上、0.5mm以下などに適宜調整される。
[砥粒層]
図1~図4に示すように、砥粒層20は、ニッケルめっきとダイヤモンド砥粒23Aを含み、裏打ち層30の回転面30b上に形成される環状の層である。砥粒層20は、ニッケルめっきにより固着されたダイヤモンド砥粒23Aを含む砥粒部23と、溝24からなる複数の溝部を有する。
(砥粒部)
砥粒部23は、砥粒層20の溝部(溝24)以外の領域であり、ニッケルめっきにより固着されたダイヤモンド砥粒23Aを含む。また、砥粒部23は、ニッケルめっきにより形成された下地領域23Bを有し、ダイヤモンド砥粒23Aは下地領域23Bの上に固着されている。下地領域23Bを介してダイヤモンド砥粒23Aが裏打ち層30に固着されることで、密着性が向上し、安定に固着させることができる。
(ダイヤモンド砥粒)
ロータリードレッサ100においては、ダイヤモンド砥粒23Aは1層に配列してニッケルめっきにより固定されている。ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径(d)は、70μm~1000μmであるが、これに限定されるものではない。ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径(d)は、任意のダイヤモンド砥粒の100粒の粒径の平均値である。各ダイヤモンド砥粒の粒径は、砥粒径の長径および短径の平均値であり、例えば、画像測定機により撮影した作用面の画像から、ダイヤモンド砥粒の長径と短径(ダイヤモンド砥粒に外接する四角形の長辺と短辺)を求め、粒径を算出することができる。
また、ダイヤモンド砥粒23Aは、六・八面体形状および/または切頭八面体形状であることが好ましい。このような形状であれば、砥粒部において密に配列させることができる。なお、切頭八面体形状とは、正八面体形状のダイヤモンド砥粒における6個の頂点付近が四角錐形状で切除され、四角形状をした6個の平面部が形成された形状であり、6個の四角形状の面と8個の六角形状の面とからなるものである。また、六・八面体形状とは、切頭八面体形状における四角形状をした6個の平面部を、隣り合って位置する四角形状の平面部の頂点同士が一致する所まで、それぞれ均等に拡張したような形状であり、六・八面体は、6個の四角形状の面と、8個の三角形状の面とからなるものである。また、裏打ち層30に固着されるダイヤモンド砥粒23Aは、ダイヤモンド砥粒23Aの平面部が裏打ち層30の回転面30bと平行をなすように固着されていると、より安定したドレスを行うことができるため、このように固着されているダイヤモンド砥粒23Aが多いほど(例えば、全砥粒数の50%以上など)好ましい。特に、ダイヤモンド砥粒23Aの外面において最大面積を有する平面部が、裏打ち層30の回転面30bと平行をなすように固着されたダイヤモンド砥粒23Aが多いほど好ましい。すなわち、ダイヤモンド砥粒23Aが六・八面体形状の場合は、四角形の面と裏打ち層30の回転面30bとが平行をなすように、切頭八面体形状の場合は、六角形の面と裏打ち層30の回転面30bとが平行をなすように固着されたダイヤモンド砥粒23Aが多いほど好ましい。
図5に示すように、ロータリードレッサ100において、軸方向における、ダイヤモンド砥粒23Aを固着するニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)は、裏打ち層30からダイヤモンド砥粒23Aの先端までの厚さ(TD)の平均値(TDa)の95%である。ここで、ニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)は、外周面20aにおいて、砥粒部23のニッケルめっきの厚さ(TN)を、8点測定して平均した値である。裏打ち層30からダイヤモンド砥粒23Aの先端までの厚さ(TD)の平均値(TDa)は、外周面20aにおいて、裏打ち層30からダイヤモンド砥粒23Aの先端までの厚さ(TD)を8点測定して平均した値である。各TNやTDは、デジタルマイクロスコープなどの顕微鏡を用いて測定することができる。
なお、ニッケルめっきは、ダイヤモンド砥粒23Aを固着することができれば任意の厚さに調整可能であるが、ニッケルめっきが薄すぎるとダイヤモンド砥粒23Aの固定が不安定になる方向である。そのため、ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径をd、ダイヤモンド砥粒23Aの積層数をnとすると、ニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)は、n×d×0.95以上が好ましい。ロータリードレッサ100は、積層数が1であるので、ニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)は、d×0.95以上であることが好ましい。
砥粒部23においてダイヤモンド砥粒23Aは密に配置されていることが好ましい。そのため、砥粒部23の外周面(砥粒層20の溝24の部分を除く外周面)に沿って存在できるダイヤモンド砥粒23Aの理論数をX、砥粒部23の外周に沿って存在するダイヤモンド砥粒23Aの数をNとすると、0.6×X≦N≦Xが好ましい。このNは、ダイヤモンド砥粒23Aの粒径に応じて、0.99×X以下や、0.97×X以下、0.7×X以上、0.8×X以上、0.85×X以上などと任意に調整してよい。理論数Xは、砥粒層20の外周の長さ(円周)をLC、ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径をd、溝24の幅W24の合計をW24tとすると、X=(LC-W24t)/d=(π×D-W24t)/dで表される。溝の幅、ダイヤモンド砥粒23Aの数は、例えば、デジタルマイクロスコープなどの顕微鏡を用いて測定することができる。
また、砥粒層20の作用面(外周面20a)の溝24の部分を除いた領域の面積(砥粒部23の外周面の合計面積)に対するダイヤモンド砥粒23Aの露出面積(投影面積)の合計は、7%以上71%以下であることが好ましく、35%以上68%以下や、50%以上65%以下などであってもよい。例えば、デジタルマイクロスコープなどの顕微鏡で砥粒層20の溝24を除いた外周面20a全体を撮影し、撮影した画像を二値化処理した処理画像から算出することができる。
また、使用代部分において、砥粒層の軸方向の最表面の層の溝部を除いて隣接するダイヤモンド砥粒の砥粒間距離(LX)(図7参照)を求めたとき、その90%以上の砥粒間距離(LX)が、ダイヤモンド砥粒の平均粒径(d)の2/3倍以上であり、ダイヤモンド砥粒の平均粒径(d)の3倍以下(すなわち、d×2/3~d×3)であることが好ましい。d×2/3~d×3である砥粒間距離(L)の割合が多いほど、持続して安定した研削ができる。砥粒層の軸方向の最表面の層とは、砥粒層におけるダイヤモンド砥粒の積層数がn(例えば、1≦n≦5)であるとき、n層目の層である。ロータリードレッサ100は、ダイヤモンド砥粒23Aの積層数が1であるので、使用代部分において、砥粒層20の1層目の溝24の部分を除いて隣接するダイヤモンド砥粒23Aの砥粒間距離(LX)を求めたとき、その90%以上の砥粒間距離(LX)が、ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径の2/3倍以上であり、ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径の3倍以下であることが好ましい。
また、使用代部分において、砥粒層の法線方向の最表面の層(ロータリードレッサ100においては外周面20a)の溝部を除いて隣接するダイヤモンド砥粒の砥粒間距離(LX)を求めたとき、その90%以上の砥粒間距離(LX)が、ダイヤモンド砥粒の平均粒径の2/3倍以上であり、ダイヤモンド砥粒の平均粒径の3倍以下であることが好ましい。d×2/3~d×3である砥粒間距離(L)の割合が多いほど、多くのダイヤモンド砥粒23Aで研削ができる。
なお、隣接するダイヤモンド砥粒の砥粒間距離(LX)は、砥粒層の溝部を除いた部分において隣接するダイヤモンド砥粒間の距離であり、溝など砥粒部以外の領域を介して隣接するダイヤモンド砥粒間の距離は含まない。具体的には、図7に示すように、砥粒間距離(LX)は、隣接する2つのダイヤモンド砥粒23A-1、23A-2における、一方のダイヤモンド砥粒23A-1に外接する外接円の中心位置と、ダイヤモンド砥粒23A-1に隣接する他方のダイヤモンド砥粒23A-2に外接する外接円の中心位置とを結んだ距離として定義される。砥粒間距離(LX)は、例えば、砥粒層の軸方向または法線方向のn層目のダイヤモンド砥粒が見える状態で、デジタルマイクロスコープなどの顕微鏡を用いて使用代部分の全領域を撮影し、撮影した画像を二値化処理した処理画像から算出することができる。
(溝)
図2に示すように、砥粒層20は、外周から内側に向かって延びる溝24を複数有する。それぞれの溝24は、平行な一対の側面と裏打ち層30の回転面30bに平行な底面を有し、同じ形状で形成されており、砥粒層20の外周(ドレス部50の外周)の接線方向にダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径(d)以上の間隔を置いて、等間隔で設けられている。溝24の間隔は任意に調整可能であるが、溝24の間隔が狭すぎるとダイヤモンド砥粒23Aの数が少なくなるため、使用条件や使用環境によってはロータリードレッサの寿命が短くなる。そのため、砥粒部23の幅をW23、溝24の幅をW24とすると、d≦W23≦(π×D-8×W24)/8であることが好ましい(図5参照)。溝24の形状(幅、長さ、厚さ)や溝24の間隔(砥粒部23の幅)は、デジタルマイクロスコープなどの顕微鏡を用いて測定することができる。
溝24の幅(W24)は、ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径(d)の1/4以上、ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径(d)の18倍以下である(図5参照)。溝24の幅(W24)が、ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径(d)の1/4よりも小さいとドレス抵抗が増加し、本発明の効果が得られない。また、溝の幅(W24)が、ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径(d)の18倍より大きいと、ダイヤモンド砥粒を含む砥粒部が少なくなり、被研削材のドレッシング後の被研削材の表面粗さが粗くなるなど安定したドレスを行うことができず、ロータリードレッサの寿命も短くなる。
溝24の幅(W24)は、ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径(d)の1/3倍以上15倍以下が好ましく、ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径(d)の1/2倍以上10倍以下がより好ましく、ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径(d)の3/4倍以上5倍以下がさらに好ましい。
また、溝24は、砥粒層20の外周から台金10の軸心Rを結ぶ線Zに沿って、放射状に形成されている(図2参照)。溝24の砥粒層20の作用面に対して垂直な方向の長さ(すなわち、法線方向における溝24の長さ(L24)、図6参照)は、使用代以上が好ましい。具体的には、砥粒層20の作用面に対して垂直な方向の長さ(L20)(すなわち、ドレス部50(砥粒層20)の外周から内周までの長さ(L50))の0.7倍以上(L24≧0.7×L20)が好ましい。
軸方向においは、図4,図5に示すように、溝24は、裏打ち層30まで延在するように形成されている。法線方向(矢印aの方向)から見たときの溝24の形状は、長方形である。なお、後述する図9や図10のように、溝は、裏打ち層まで延在しておらず、溝部は、溝の下側にニッケルめっきにより形成された溝下領域を有してもよく、溝の深さ(軸方向における溝の長さ,T24)は、ニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)の0倍超1倍以下、例えば、0.1~1倍や0.5~1倍などとしてもよい。また、法線方向から見たときの溝の形状は、正方形や台形のような長方形以外の四角形であってもよい。
なお、法線方向から見たときの砥粒部23や溝24の形状が長方形および正方形でない場合(一対の側面が平行でない場合)は、それぞれの幅(W23,W24)は、接線方向において最大の長さとする。また、厚さ(軸方向の長さ)が一定でない場合は、砥粒部23のニッケルめっき厚さ(TN)、裏打ち層30からダイヤモンド砥粒23Aの先端までの厚さ(TD)および溝24の深さ(T24)は、軸方向において最大の長さとし、溝24の長さ(法線方向の長さ)が一定でない場合は、溝24の長さ(L24)は法線方向において最大の長さとする。
ロータリードレッサ100は、例えば、裏打ち層30上の溝24を形成する位置にめっき金属が析出しないようにマスキングした後に、下地領域23Bを形成し、下地領域23B上に振動を加えながらダイヤモンド砥粒23Aを配列させてめっき処理を行う方法や、裏打ち層30上に下地領域23Bを形成し、溝24を形成する位置にめっき金属が析出しないようにマスキングした後に、下地領域23B上に振動を加えながらダイヤモンド砥粒23Aを配列させてめっき処理を行う方法、裏打ち層30上に下地領域23Bを形成し、次いで振動を加えながらダイヤモンド砥粒23Aを配列させてめっき処理を行った後に、溝24を形成する方法などを利用して製造することができる。振動を与えながらダイヤモンド砥粒23Aを裏打ち層30上に下地領域23Bを介して配列(充填)させることで密に配列させやすく、さらに、ダイヤモンド砥粒23Aの稜線でなく平面部(特に、最大面積を有する平面部)が裏打ち層30の回転面30bと平行となる状態で配列しやすい。なお、ロータリードレッサ100の製造方法はこれらに限定されるものではない。
<実施形態2>
図8,図9に示すロータリードレッサ101は、裏打ち層30と、裏打ち層30の回転面30b上に形成された環状の砥粒層21を有する環状のドレス部51を備える。砥粒層21は、ニッケルめっきにより形成された下地領域23Bおよびニッケルめっきにより固着されたダイヤモンド砥粒23Aを含む砥粒部23と、溝25Aおよび溝下領域25Bからなる複数の溝部25を有する。溝下領域25Bは、溝25Aの軸方向(矢印cの方向)において下側の領域であり、ニッケルめっきにより形成されている。
それぞれの溝25Aは、同じ形状で形成されており、外周から台金10の軸心を結ぶ線Zに対して傾斜して、らせん状に形成されている。溝25Aの間隔(砥粒部23の幅(W23))および幅(W25)は、溝24と同様である。溝25Aの法線方向の長さ(L25)は、使用代以上が好ましく、例えば、砥粒層21の外周から内周までの長さ(L21)の0.7倍以上である。また、溝25Aの深さ(T25)は、ニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)より小さく、軸方向において溝25Aは裏打ち層30まで貫通して開口しておらず、例えば、TNa×0.1~TNa×0.95倍である。
砥粒層21は、ダイヤモンド砥粒23Aを固着するニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)が、裏打ち層30からダイヤモンド砥粒23Aの先端までの厚さ(TD)の平均値(TDa)より厚い。例えば、TDa<TNa≦1.5×TDaや、1.1×TDa≦TNa≦1.4×TDaである。すなわち、ロータリードレッサ101では、ダイヤモンド砥粒23Aを軸方向において完全に覆うようにニッケルめっきが施されている。ダイヤモンド砥粒23Aを完全に覆うようにニッケルめっきを施すことでダイヤモンド砥粒23Aをより安定に固着できる。一方で、ニッケルめっきが厚すぎると切味が低下する傾向にある。そのため、ダイヤモンド砥粒23Aの平均粒径をd、ダイヤモンド砥粒23Aの積層数をnとすると、ニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)は、n×d+0.5×d以下が好ましい。ロータリードレッサ101は、積層数が1であるので、ニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)は、d×1.5以下であることが好ましい。
<実施形態3>
図10に示すロータリードレッサ102は、裏打ち層30と、裏打ち層30の回転面30b上に形成された環状の砥粒層22を有する環状のドレス部52を備える。
砥粒層22は、砥粒部27と、溝28Aおよび溝下領域28Bからなる複数の溝部28を有する。溝下領域28Bは、溝28Aの軸方向下側の領域であり、ニッケルめっきにより形成されている。砥粒部27は、下地領域27Bを介して、ダイヤモンド砥粒23Aが軸方向に5層配列し、ニッケルめっきにより固着されている以外は、砥粒部23と同じである。積層構造とすることで、耐摩耗性が向上する。ニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)は、裏打ち層30から5層目のダイヤモンド砥粒23Aの先端までの厚さ(TD)の平均値(TDa)より厚くなっている(すなわち、TDa<TNa)がこれに限定されず、ニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)は、5d×0.95~5.5×d程度である。また、溝28Aは、砥粒層22の外周から台金10の軸心Rを結ぶ線Zに沿って、放射状に形成されている。溝部28において、溝28Aは裏打ち層30まで延在しておらず、溝下領域28Bを有する構成であるが、溝28Aは裏打ち層30まで延在してもよく、溝28Aの深さ(T28)や、幅(W28)、長さは、溝24と同様である。
なお、ダイヤモンド砥粒の積層数(n)は5に限定されず、積層数は1~5とすることができる。
次に、本発明の第2のロータリードレッサについて説明する。本発明の第2のロータリードレッサは、ドレス部の軸方向に垂直な端面が作用面となり、台金を回転させながら、ドレス部の軸方向に垂直な端面をドレッシング対象(砥石)に押し当てて、ドレッシングする、いわゆるカップ型のドレッサである。また、ダイヤモンド砥粒の積層方向は法線方向である。
<実施形態4>
図11~図15に示すロータリードレッサ200は、台金60と、台金60の軸方向の一端部に円筒状のドレス部62を備える。ロータリードレッサ200の外径(D)は、10~300mmである。
[ドレス部]
ドレス部62は、突出部80と、突出部80の外周面80a上に形成された円筒状の砥粒層70を有する。ドレス部62の軸方向の長さ(作用面から台金までの距離,L62)は、1~14mmであるが、これに限定されるものではない。ロータリードレッサ200の使用代は、ドレス部62の5/7程度である。また、ドレス部62の厚み(法線方向の長さ,T62)は、0.45~3.00mmである。砥粒をめっきにより固着するため、本発明では、ドレス部62の厚みを、1.00mm未満(0.45~0.98mmなど)の薄層とすることも可能である
[突出部]
突出部80は、台金60の軸方向の一方向に突出した円筒状の部分であり、台金60と一体成形されており、台金60と同一の軸心Rを有している。台金60は、図14に示すように、外周面が円筒状の円筒状部60Bと円筒状部60Bの一方の端面に突出した凸部60Aを有する。突出部80は、凸部60A上(円筒状部60Bと反対側)の外周側に形成され、凸部60Aの外周面60aと突出部80の外周面80aは同一面上に位置している。突出部80の厚み(法線方向の長さ,T80)は、ドレス部の態様等に応じて決定されるが、0.1mm~2.0mmである。突出部80の厚みが厚いと切れ味が低下する傾向にある。仕様によって、突出部80の厚みは、0.1mm以上や、1mm以上、0.5mm以下などに適宜調整される。
[砥粒層]
砥粒層70は、図11に示すように、突出部80の外周面80a上に形成される円筒状の層である。砥粒層70の外周面70aには、作用面70b(軸心に垂直な面)から台金側に向かって延びる溝74が形成されており、砥粒層70は、ニッケルめっきにより固着されたダイヤモンド砥粒73Aを含む砥粒部73と、溝74からなる複数の溝部を有する。また、砥粒層70は、図14に示すように、突出部80の外周面80aから台金60の凸部60Aの外周面60aにかけて形成されている。
(砥粒部)
砥粒部73は、砥粒層70の溝部(溝74)以外の領域であり、ニッケルめっきにより固着されたダイヤモンド砥粒73Aを含む(図15参照)。また、砥粒部73は、ニッケルめっきにより形成された下地領域73Bを有し、ダイヤモンド砥粒73Aは下地領域73Bの上に固着されている。
(ダイヤモンド砥粒)
ダイヤモンド砥粒73Aは、突出部80の外周に沿って下地領域73Bを介して1層に配列してニッケルめっきにより固定されているが、ダイヤモンド砥粒73Aの積層数は1層に限定されず、積層数nは1~5とすることができる。ダイヤモンド砥粒73Aは、砥粒部73において密に配置されていることが好ましい。ダイヤモンド砥粒73Aは、第1のロータリードレッサのダイヤモンド砥粒23Aと同様のものを用いることができ、平均粒径(d)が70μm~1000μmであり、六・八面体形状および/または切頭八面体形状であることが好ましい。
ロータリードレッサ200において、法線方向における、ダイヤモンド砥粒73Aを固着するニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)は、突出部80からダイヤモンド砥粒73Aの先端までの厚さ(TD)の平均値(TDa)の95%~150%である。
また、ダイヤモンド砥粒73Aを固着するニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)は、任意に調整可能であるが、ニッケルめっきが薄すぎるとダイヤモンド砥粒73Aの固定が不安定になる方向であり、厚すぎると切れ味が低下する方向である。そのため、ダイヤモンド砥粒73Aの平均粒径をd、法線方向のダイヤモンド砥粒73Aの積層数をnとすると、ニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)は、n×d×0.95以上が好ましく、n×d+d×0.5以下であることが好ましい。ロータリードレッサ200は、積層数が1であるので、ニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値は、d×0.95以上、d×1.5以下であることが好ましい。
砥粒部73の外周面(砥粒層70の溝74の部分を除く外周面)に沿って存在するダイヤモンド砥粒73Aの数をN、砥粒層70の外周の長さ(円周)をLc、ダイヤモンド砥粒73Aの平均粒径をd、溝74の幅W74の合計をW74tとすると、0.6×(Lc-W74t)/d≦N≦(Lc-W74t)/dが好ましい。(Lc-W74t)/dは、砥粒部73の外周面に沿って存在できるダイヤモンド砥粒73Aの理論数(X)である。ダイヤモンド砥粒73Aの平均粒径や溝74の幅に応じて、N/Xは、0.99以下や、0.97以下、0.7以上、0.8以上、0.85以上など任意に調整してよい。
砥粒層70の作用面70bの溝74を除いた領域の面積に対するダイヤモンド砥粒73Aの露出面積の合計は7面積%以上71面積%以下であることが好ましく、35~68面積%や50~65面積%などとしてもよい。
使用代部分において、砥粒層の軸方向の最表層の層(ロータリードレッサ200においては作用面70b)の溝部を除いて隣接するダイヤモンド砥粒の砥粒間距離(砥粒部での隣接するダイヤモンド砥粒の砥粒間距離)を求めたとき、その90%以上の砥粒間距離が、ダイヤモンド砥粒の平均粒径(d)の2/3倍以上であり、ダイヤモンド砥粒の平均粒径(d)の3倍以下(すなわち、d×2/3~d×3)であることが好ましい。d×2/3~d×3である砥粒間距離(L)の割合が多いほど仕事をするダイヤモンド砥粒73Aが多くなるため、切味のバラつきがより低減される。
使用代部分において、砥粒層の法線方向の最表面の層の溝部を除いて隣接するダイヤモンド砥粒の砥粒間距離(砥粒部での隣接するダイヤモンド砥粒の砥粒間距離)を求めたとき、その90%以上の砥粒間距離が、ダイヤモンド砥粒の平均粒径の2/3倍以上であり、ダイヤモンド砥粒の平均粒径の3倍以下であることが好ましい。d×2/3~d×3である砥粒間距離(L)の割合が多いほど持続して安定した研削ができるため、より長時間にわたって安定した研削ができる。砥粒層の法線方向の最表面の層とは、砥粒層におけるダイヤモンド砥粒の積層数がn(例えば、1≦n≦5)であるとき、n層目の層である。
(溝)
図11,図13に示すように、砥粒層70は、作用面70bから台金側に向かって延びる溝74を複数有する。それぞれの溝74は、平行な一対の側面と突出部80の外周面80aに平行な底面を有し、同じ形状で形成されており、砥粒部73の幅(接線方向の長さ)をW73とすると、砥粒層70(ドレス部62)の外周の接線方向に、d≦W73≦(π×D-8×W74)/8の間隔を置いて、等間隔で設けられている。
溝74の幅(接線方向の長さ,W74)は、ダイヤモンド砥粒73Aの平均粒径(d)の1/4以上、ダイヤモンド砥粒73Aの平均粒径(d)の18倍以下である(図15参照)。溝74の幅(W74)がd×1/4未満である場合は、ドレス抵抗が増加し、溝74の幅(W74)がd×18超である場合は、被研削材のドレッシング後の被研削材の表面粗さが粗くなるなど安定したドレスを行うことができないため、本発明の効果が得られない。溝74の幅は、ダイヤモンド砥粒73Aの平均粒径(d)の1/3倍以上15倍以下が好ましく、ダイヤモンド砥粒73Aの平均粒径(d)の1/2倍以上10倍以下がより好ましく、ダイヤモンド砥粒73Aの平均粒径(d)の3/4倍以上5倍以下がさらに好ましい。
また、溝74は、軸心R(回転中心軸)と平行な方向に延びるように形成されている。軸方向における溝74の長さ(L74)は、使用代以上が好ましい。具体的には、溝74の長さ(L74)は、ドレス部62の作用面70bから台金までの長さ(L62)の0.7倍以上(0.7×L62≦L74)が好ましい。
法線方向においは、図15に示すように、溝74は、突出部80まで延在するように形成されている。軸方向から見たときの溝74の形状は、略長方形である。なお、溝は、突出部まで延在しておらず、溝部は、溝の下にニッケルめっきにより形成された溝下領域を有する構成としてもよく、溝の深さ(法線方向における溝の長さ,T74)は、ニッケルめっきの厚さ(TN)の平均値(TNa)の0倍超1倍以下、例えば、0.1~1倍や0.5~1倍などとしてもよい。また、軸方向から見たときの溝の形状は、溝の幅に応じて、略正方形や略台形のような略長方形以外の略四角形や扇形であってもよい。
軸方向から見たときの砥粒部73や溝74の形状が略長方形および略正方形でない場合(一対の側面が平行でない場合)は、それぞれの幅(W73,W74)は、接線方向において最大の長さとする。また、厚さ(法線方向の長さ)が一定でない場合は、砥粒部73のニッケルめっき厚さ(TN)、突出部80からダイヤモンド砥粒73Aの先端までの厚さ(TD)および溝74の深さ(T74)は、法線方向において最大の長さとし、溝74の長さ(軸方向の長さ)が一定でない場合は、溝74の長さ(L74)は軸方向において最大の長さとする。
なお、ロータリードレッサ200においては、台金60が、円筒状部60Bと凸部60Aを有するが、台金の形状はこれに限定されず、円筒状やカップ状であってもよい。また、溝74は、軸心R(回転中心軸)とねじれ方向に延びるように形成されてもよい。また、砥粒部73の構成(幅、厚さ、ダイヤモンド砥粒73Aの投影面積の割合、砥粒間距離など)や溝74の形状(幅、厚さ、長さなど)の測定方法は、ロータリードレッサ100と同様である。
ロータリードレッサ200の製造方法は特に限定されないが、例えば、突出部80上の溝74を形成する位置にめっき金属が析出しないようにマスキングした後に、下地領域73Bを形成し、下地領域73B上に振動を加えながらダイヤモンド砥粒73Aを配列させてめっき処理を行う方法や、突出部80の外周面80a上に下地領域73Bを形成し、溝74を形成する位置にめっき金属が析出しないようにマスキングした後に、振動を加えながらダイヤモンド砥粒73Aを配列させてめっき処理を行う方法、突出部80の外周面80a上に下地領域73Bを形成し、次いで振動を加えながらダイヤモンド砥粒73Aを配列させてめっき処理を行った後に、溝74を形成する方法が挙げられる。
<使用したロータリードレッサ>
円板状の台金の外周面にフランジ状に突設された裏打ち層の回転面上に砥粒層が形成されたロータリードレッサ(ホイール型のロータリードレッサ)を用いた。溝の数は同じにして、溝の幅を変えて、幅が異なる溝が等間隔で設けられた、実施例1~5、比較例1,2のロータリードレッサを作製した。また、溝のない従来のロータリードレッサを比較例3とした。
実施例1~5、比較例1,2のロータリードレッサの製造は、まず、裏打ち層と一体形成された台金に所定の幅の溝形状をマスキングにて等間隔で形成した。次いで、マスキングが無い部分に、下地のニッケルめっきを施した後、ダイヤモンド砥粒を散布し振動を加えて充填することで、ダイヤモンド砥粒を1層に配列させた。さらに、ニッケルめっき処理を行い、ダイヤモンド砥粒を電着固定した。
比較例3のロータリードレッサの製造は、裏打ち層の回転面上に下地のニッケルめっきを施した。下地のニッケルめっきの上にダイヤモンド砥粒を散布してダイヤモンド砥粒を1層に配列させた後、ニッケルめっき処理を行い、ダイヤモンド砥粒を電着固定した。
作製したロータリードレッサの形状等は以下の通りである。
・ロータリードレッサの形状:ホイール形状
・ロータリードレッサ外径:D(Φ)100mm
・ドレス部の長さ:7mm
・ドレス部の厚さ:0.95mm
・ニッケルめっきの厚さ:0.85mm
・溝の長さ:5mm
・溝の幅:表1に示す。
・ダイヤモンド砥粒:平均粒径650μm、六・八面体
Figure 2024046255000002
(ダイヤモンド砥粒の投影面積の割合(%))
実施例1~5,比較例1~3のロータリードレッサの砥粒層の外周面をデジタルマイクロスコープで撮影した。撮影した画像を二値化処理し、ダイヤモンド砥粒を含む砥粒部の面積とダイヤモンド砥粒の合計面積(露出面積)を求めた。砥粒部の面積に対する、ダイヤモンド砥粒の合計面積の割合(%)を求め、ダイヤモンド砥粒の投影面積の割合(%)とした。結果を表1に示す。
(砥粒間距離Lの割合(%))
デジタルマイクロスコープを用いて、実施例1~5,比較例1~3のロータリードレッサの砥粒層を矢印aの方向(法線方向)から観察し、外周面の砥粒部において2個のダイヤモンド砥粒が隣接している部分の砥粒間距離(LX)を求めた。砥粒間距離(LX)の中から、ダイヤモンド砥粒の平均粒径(d)の2/3倍以上3倍以下を満たす砥粒間距離Lを有する部分の数を求めた。砥粒間距離(LX)を求めた部分の数に対する、砥粒間距離Lを有する部分の数の割合(%)を求め、外周面の砥粒間距離Lの割合(%)とした。
また、デジタルマイクロスコープを用いて、実施例1~5,比較例1~3のロータリードレッサの砥粒層を矢印cの方向(軸方向)から観察し、使用代部分について、軸方向に垂直な面の砥粒部において2個のダイヤモンド砥粒が隣接している部分の砥粒間距離(LX)を求めた。砥粒間距離(LX)の中から、ダイヤモンド砥粒の平均粒径(d)の2/3倍以上3倍以下を満たす砥粒間距離Lを有する部分の数を求めた。砥粒間距離(LX)を求めた部分の数に対する、砥粒間距離Lを有する部分の数の割合(%)を求め、軸と垂直な面の砥粒間距離Lの割合(%)とした。
それぞれの結果を表1に示す。
(N/X)
デジタルマイクルスコープを用いて、実施例1~5,比較例1~3のロータリードレッサの砥粒層の溝の部分を除く外周に沿って存在するダイヤモンド砥粒の数(N)を求めた。溝幅とドレッサの外径とダイヤモンド砥粒の平均粒径から、砥粒層の溝の部分を除く外周に沿って存在できるダイヤモンド砥粒の理論数(X)を求めた。NをXで除し、N/Xを算出した。結果を表1に示す。
<ドレス性能比較試験>
まず、ロータリードレッサ1(実施例1~5、比較例1~3のロータリードレッサ)を用いて、以下のドレッシング方法で砥石2をドレッシングした。次いで、ドレッシングされた砥石2を用いて、以下の研削方法で被削材4を研削し、研削作業時の切味(消費電力)、面粗さ、安定性を評価した。
(ドレッシング方法)
図16は、ロータリードレッサ1を使用して砥石2をドレスしている状態を模式的に示している。ドレス作業は横軸平面研削盤を使用し、研削液供給手段3から研削液を供給しながら、湿式にて行った。ドレス条件は次の通りである。
周速度比:0.5(砥石2の周速40m/sec、ドレッサの周速20m/sec)
ドレスリード:0.2mm/rev
切込量:0.010mm
砥石粒度:#80
(研削方法)
図17は、ロータリードレッサ1(図16参照)によりドレスされた砥石2で被削材4を研削している状態を模式的に示している。図18は図17に示す研削作業における被削材の研削過程を模式的に示しており、複数の矢線はそれぞれ1passを示している。研削作業は横軸平面研削盤を使用し、研削液供給手段3から研削液を供給しながら、湿式にて行った。研削条件は次の通りである。
砥石2の周速:40m/sec
送り速度:10m/min
切込量:0.010mm/pass
被削材4(材質SCM435、焼入れ硬さ:HRC50)
上記研削作業を行ったときの切味(消費電力)、面粗さ、安定性(初期と終期の面粗さの変化率)を、表2の基準で評価した。表3に、評価結果を示す。
Figure 2024046255000003
Figure 2024046255000004
本発明に係るロータリードレッサは、一般砥石やCBN砥石などのドレス手段として各種製造業の分野において広く利用することができる。
10、60 台金
10a、20a、30a、60a、70a、80a 外周面
20、21、22、70 砥粒層
23、27、73 砥粒部
23A、73A ダイヤモンド砥粒
23B、73B 下地領域
24、25A、28A、74 溝
25B、28B 溝下領域
25、28 溝部
30 裏打ち層
30b 回転面
50、51、52、62 ドレス部
60A 凸部
60B 円筒状部
80 突出部
100、101、102、200 ロータリードレッサ

Claims (10)

  1. 砥粒層が設けられる被固着部と、めっきにより固着されたダイヤモンド砥粒を含む砥粒部および溝を含む溝部を有する前記砥粒層と、を有するドレス部を備えたロータリードレッサであり、
    前記溝の幅が、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の1/4以上、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の18倍以下であり、
    前記被固着部が、円板状部を有する台金の外周面にフランジ状に突設された環状の裏打ち層であり、
    前記砥粒層が、前記裏打ち層の回転面上に形成された環状の砥粒層であり、
    前記溝が、前記砥粒層の外周から内側に向かって延びるように形成されている、ロータリードレッサ。
  2. 砥粒層が設けられる被固着部と、めっきにより固着されたダイヤモンド砥粒を含む砥粒部および溝を含む溝部を有する前記砥粒層と、を有するドレス部を備えたロータリードレッサであり、
    前記溝の幅が、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の1/4以上、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の18倍以下であり、
    前記被固着部が、円筒状部を有する台金と同一の軸心を有し、前記台金の軸方向の一方に突出した円筒状の突出部であり、
    前記砥粒層が、前記突出部の外周面上に形成された円筒状の砥粒層であり、
    前記溝が、作用面から台金側に向かって延びるように形成されている、ロータリードレッサ。
  3. 前記砥粒層の作用面の前記溝部を除いた領域の面積に対する前記ダイヤモンド砥粒の露出面積(投影面積)の合計が、7面積%以上71面積%以下である、請求項1または2に記載のロータリードレッサ。
  4. 使用代部分において、前記砥粒層の軸方向の最表面の層の前記溝部を除いて隣接する前記ダイヤモンド砥粒の砥粒間距離を求めたとき、その90%以上の砥粒間距離が、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の2/3倍以上であり、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の3倍以下であり、
    使用代部分において、前記砥粒層の法線方向の最表面の層の前記溝部を除いて隣接する前記ダイヤモンド砥粒の砥粒間距離を求めたとき、その90%以上の砥粒間距離が、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の2/3倍以上であり、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の3倍以下である、請求項1または2に記載のロータリードレッサ。
  5. 前記砥粒層において、前記溝部を除く外周面に沿って存在できるダイヤモンド砥粒の理論数をXとし、前記溝部を除く外周面に沿って存在するダイヤモンド砥粒の数をNとすると、0.6×X≦N≦Xである、請求項1または2に記載のロータリードレッサ。
  6. 前記溝は、前記砥粒層の外周の接線方向に前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径以上の間隔を置いて設けられており、
    前記溝の前記砥粒層の作用面に対して垂直な方向の長さが、前記砥粒層の前記作用面に対して垂直な方向の長さの0.7倍以上である、請求項1または2に記載のロータリードレッサ。
  7. 前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径が、70μm以上1000μm以下であり、
    前記ダイヤモンド砥粒の形状が、六・八面体形状および/または切頭八面体形状である、請求項1または2に記載のロータリードレッサ。
  8. 前記被固着部が、0.1mm以上2.0mm以下であり、
    前記ロータリードレッサの外径が、10mm以上300mm以下である、請求項1または2に記載のロータリードレッサ。
  9. 前記溝は、平行な一対の側面と前記裏打ち層の前記回転面に平行な底面を有し、
    前記溝が、前記砥粒層の外周から前記台金の軸心を結ぶ線に沿って形成されているか、または、前記砥粒層の外周から前記台金の軸心を結ぶ線に対して傾斜して形成されている、請求項1に記載のロータリードレッサ。
  10. 前記溝は、平行な一対の側面と前記突出部の前記外周面に平行な底面を有し、
    前記溝が、前記軸心と平行な方向またはねじれの方向に延びるように形成されている、請求項2に記載のロータリードレッサ。
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